解説 逢紀
-学三設定-
袁紹の側近。どうやら孤児だったかなにかの理由で保護施設にいたのが、才知に光るものがあったのか幼少期からメイドとして抜擢され袁紹に従っていた。
袁紹は常に的確なアドバイスを与えてくれる彼女を信頼しており、許攸ともども古参の参謀として彼女を重用していた。聡明で受け答えもしっかりしており、特に経理に強いため組織で重きを成すも、やや我が強く嫉妬深い一面もある。後に審配が任用を受け、その才覚が袁紹に愛されるようになると、彼女は嫉妬心からか審配といがみ合うようになったのだが、ふたりが同じ仕事を任されたとき、彼女も審配のことを認めたらしく、それが讒言を受けると彼女は審配の人物を賞賛して庇い通したという。この一件により打ち解けるようになったふたりは、行動をともにするようになった。
しかし袁紹第一の性格からか、常に苦言を投げてくる田豊のことは快く思っていなかった。それゆえ、官渡公園決戦で敗れた袁紹が「私が元皓(田豊)のいうことに従っていれば…」と後悔すると、「アイツはこの敗北の話を知って、自分のいった通りだって周囲に言いふらしていましたよ」と吹き込んで、袁紹に田豊を処断させたという噂も立った。実際は逢紀も田豊には敬意を持っていたらしく、袁紹もそれを場を和まそうとするブラックジョークであることを気づいた上で窘めたというのが真相なのだが、別の側近がそれを曲解したのか利用して田豊を除こうと考えたのか、袁紹期間前に田豊は階級章を奪い取られてしまった。これには流石の逢紀も閉口したが時既に遅く、「彼女がありもしない悪口を袁紹に吹き込んで田豊を処罰させた」という悪評だけが残ってしまった。
袁紹が引退すると、彼女は審配とともに、袁紹お気に入りの末妹・袁尚を支持。袁譚が曹操を撃退するために兵を動かすと、彼女は袁譚が心得違いを犯して袁尚を攻撃しない様に見張り役として随行したが、増援要請を断られてキレた袁譚、郭図、辛評らのリンチを受け、階級章を奪われた。
公式にはここで彼女の課外活動は終焉を迎えている。しかし、それはあくまで表向きの話であるらしい…。
-史実・演義等-
逢紀 ?~二〇三
字は元図、南陽郡の人。聡明で計略に優れていたことで袁紹の信頼を得た、と「英雄紀」にある。
反董卓連合軍が解散すると、逢紀は袁紹の勢力基盤拡大のため、韓馥の治める冀州の地を奪い取るよう袁紹に進言した。袁紹が兵力も士気も劣る事を心配すると、逢紀は公孫瓉を唆して韓馥を襲わせるよう仕向け、そのあと韓馥に使者を送って冀州牧を譲るよう説得する方策を示した。韓馥は袁氏に恩があったことから、逢紀の進言どおりあっさりと牧の職を袁紹に譲り渡してしまったという。
公孫瓉が滅ぼされ、袁氏勢力が青州、冀州、并州、幽州の四州を支配するようになると、審配とともに数十万にもなる軍の事務を統括するまでになった。その審配とは始め不仲であったが、審配を讒言する人物が現れ、袁紹はそのことを逢紀に相談すると、逢紀は審配の節義を褒め称えたという。公私にはっきり区別をつけ、感情で動かないその態度に審配もやがて打ち解けるようになったといわれる。だが、逢紀は公明正大で率直な性格であった田豊を常日頃から煙たがっており、度々袁紹に讒訴したため袁紹は田豊を嫌うようになったという。そして終いに、官渡で敗戦した袁紹に田豊の悪口を吹き込んで殺させてしまっている。
袁紹死後の継嗣争いでは、審配とともに袁尚の味方についた。曹操の北伐開始に際し、袁譚は黎陽に陣地を張ったものの兵力が少なかったため、袁譚が袁尚に増兵を要求していたものの、袁尚は審配の進言により要求を退けたため、見張り役として袁譚に従っていた逢紀はその怒りを買って殺されてしまったという。
-狐野郎が曰く-
「田豊の悪口を言って、それを殺させた凶悪人物」。三国志をやや深めに齧ったファンは逢紀くらいの人物まで知ることもできようが、大凡第一印象はこれに尽きてしまうのではないだろうか。そのインパクトのみが強すぎて、反目していた審配を庇って仲直りしたって言う話を知ってるともなれば重度の三国志ファン、あるいは最早三国迷に片足ツッコんでいるレベルに限られよう。もっともその審配も潔癖すぎて、強欲な許攸や得手勝手な「負け軍師」郭図と仲が悪く、結局は袁氏政権をメチャクチャにしていくのは周知のことであるだろうが…審配、郭図、逢紀の三人と許攸、そして田逢の関係を見ると、いかに袁紹が家臣団に恵まれていなかったかとか、袁紹が連中をコントロールできていなかったのが大問題だったのかがわかりにくい所も多々ある。田豊の横死は確かに逢紀のせいではあるんだろうが、断行させたのは袁紹なので、(決して逢紀が無罪ではないが)この件の大戦犯は袁紹であることも否めない。
デザインだが、審配が「マリみて」の祐巳すけと同時に「ミルモ」の楓も要素として混ざったので、逢紀は対抗ヒロインである日高安純がモデルになっている。多分どっちも袁紹に憧れ、水面下ではなんだかんだと反目してたとかそんな感じをイメージしてて、きっとふたりとも、共通で袁紹のことが大好きで、田豊その他のことが大嫌いだったのかも…と。組織全体にとって堪ったものではないな。なので昨今のキャラの練り直しではもう少し違う方向性を付け加えているのは上記の人物解説通りである。ついでにキャラデザで、袁氏政権の幹部はアクシズの騎士(「機動戦士ガンダムZZ」のマシュマー・セロとかあの連中のことな)よろしく銀のロザリオを身につけている設定も確かあったはずなので、審配がネックレスとして身につけているのに対して彼女はチョーカーにしてみた。で、実はリデザインした際に安純要素をほぼ捨て去って、東方輝針城の今泉影狼をベースにしているのだが、これもさらなる別編で話を作る際に実は、みたいな展開を考えたためである。今泉君じゃなくて般若心経を繰り返すヤマビコだとデザインが離れすぎるのでな…