解説 朱治


-学三設定-

長湖部旗揚げ直後からの最高幹部の一人。
同じ学区から孫堅らとともに旗揚げして黄巾党鎮圧に尽力、当時は中等部三年のユースでありながらも欠かせぬ戦力の一人として女帝・董卓の支配する蒼天生徒会に叛旗をひるがえした。孫堅が不運の事故で引退を余儀なくされ、軍団が解体されると、彼女は一時的に袁術の上級書記のひとりにおさまるが、長湖部の二代目部長となる孫策が、潰れた長湖部再興に奔走していたときは影ながら活動を援助し、生徒会との間を周旋した。孫策が自立を果たすと、正式にその中枢に招かれて最高幹部におさまり彼女の覇業を後方から支えていた。その際、まだ中等部に上がったばかりの孫権を陽羨棟の棟長として蒼天生徒会に認めさせる交渉を行い実現させている。
孫策引退後も長湖部の陰の実力者として孫権を支え続け、丹陽地区の安寧に務めた。人柄に裏表が無く、万事控えめに発言するタイプだが、義妹の朱然同様明るくさばけた姉御肌タイプの少女であった。丹陽、呉などの周辺地区出身の少女達は、入部するとまず孫権の居る建業棟ではなく、影の権力者と目した彼女の元に挨拶に行くという有様で、それも彼女の人徳がなせる業であったのだろう。いわゆる「縁の下」タイプだが、実行力に優れ、長湖部の古参幹部として組織全体を盛り立てた。 
最終的には家業の関係で、三年生になって間もなく引退。卒業を待たずして学園を離れることとなった。


-史実・演義等-

朱治 一五六~二二四
字は君理、丹陽郡故鄣県の人。朱然の母方の叔父に当たる人物でもある。
県の下役人から考廉に推挙され、州役所から招聘を受けて従事(太守の属官)となった。後に孫堅の配下となり、一八八年には司馬に任じられて長沙など荊南三郡の不服住民平定で戦功を立てた。董卓討伐にも従軍し、戦後その功績を認められ督軍校尉として独立した部隊を与えられ、命令により徐州の賊軍討伐などの任に当たった。
孫堅が思いもがけず戦死すると、朱治は孫策を援けて袁術の元に身を寄せたが、袁術の痴政を見て取った朱治は孫策に劉繇討伐を名目に挙兵するように勧めた。当時呉郡の都尉になっていた朱治は、劉繇の支配域に孫権ら孫家の一族がいたことから、人をやってその身柄を保護した。孫策に同調して軍を動かした朱治は、行く手を阻む呉郡太守許貢の軍を撃破し、孫策の江南平定に尽力した。
一九五年、一五歳になった孫権を考廉として推挙し、孫策が不慮の事故によって急逝すると、張昭らとともに孫権をもりたてた。二〇二年、孫権は上表して朱治を呉郡太守・扶義将軍に任命し、婁や由拳など四県を奉邑として与えた。知行地にあって朱治は異民族や山越系不服従民の平定に貢献し、二二二年には毘陵候に封ぜられ、以後も引き続き呉郡太守としてその職務に当たった。翌年には故鄣に移封された。
孫権は王位に就いても、朱治が目通りにやってくると自ら出迎え、互いに拝礼し、彼のために宴会を開いたりするなど特に厚遇した。孫権は朱治が孫呉政権のために全力を尽くしてくれていることに常日頃から賛嘆していたからである。朱治は生来慎ましやかな性格で、主君からこのような特別待遇を受け、富貴の身分になっても、車馬や服飾には常に必要最低限のものしか用いなかった。だが、あまりに特別な待遇をされすぎた弊害か、孫家の子弟や呉の四姓(陸遜の一族・陸家、顧雍の一族・顧家、張温の一族・張家、朱桓の一族・朱家。余談だが呉の朱一族は朱治ら丹陽朱氏と直接的な血縁関係はない)の眷属がこぞって朱治の役所に出仕するようになってしまったという。
朱治はその死の翌年まで、故郷丹陽の不服住民討伐などに尽力し、二二四年に六十九歳で世を去った。その後継者には養子とした朱然の他、のちに得た実子の朱才、朱紀などがおり、朱治の爵位は長男の朱才が継いだ。朱才も孫権に可愛がられ、若くして校尉になるなど厚遇された。


-狐野郎が曰く-

孫呉中興最大の立役者。何気に横山光輝三国志でも、孫策が旗揚げをするシーンで周瑜を差し置いて登場している(大河の畔で黄昏れる孫策を焚きつけた「君理」と呼ばれていた男が朱治その人である)。といっても実質的に彼の出番はそこだけで、史実でもそこまで派手な活躍がないこともあって創作における出番もぱっとしない。コーエーの三国志シリーズでも能力値は(高水準ではあるけど)同時期に優秀な人物が多すぎて、まあどっか後方の太守にでもしとけみたいな扱いをしている人も多いのではないだろうか。養子の朱然のほうが色々活躍してるから尚更影が薄くなってるのも致し方ない話。とはいえ、その威風がよく知られていたことを考えれば派手さはなくとも、堅実に実績を重ね誰からも認められていたという証左であったろう。単純に孫権より家柄が良かったからではという気も…おや誰か来たようd
一応血縁者ではある(学三でも従姉妹という設定だし)ので、基本的には朱然とよく似たデザイン。ここではアイカラーのみを微妙に変えている。