翠玉的珍道中記 第六話
あらすじ
ムロジムの死闘をまさしく紙一重で制し
フラッシュを使えるようになったのでズバットを獲るためダイゴを探すため石の洞窟へ
サユリ「そういえば本来の目的はこっちだったっけ(手紙をひらひら)」
ラルトス「…もう既に目的履き違えてるですぅ…」
サユリ「しかし問題はだな…洞窟探索以外にまったく役に立たないこのムダ技を誰に覚えてもらうかだよなぁ…」
ラルトス「一応私覚えられるですぅ」
キノココ「…私も…」
ジュプトル「私も覚えることが出来ますが…」
メノクラゲ「…無理」
サユリ「いや、そういう意味でなくて。
こんな使えない技で半恒久的にスロット1つ無駄には出来ないって言ってんの。
あんたたち一応私のパーティの主力なんだから」
フラッシュは相手の命中率を1段階下げる技で、命中率ダウンは中々にいやらしい効果であるのは確かです。
しかし、肝心のフラッシュ自体の命中率が70%と低く、同系統の技で言えばまったく同じ効果のある砂かけ(命中率100%、ただし地面属性なので飛行ポケモンや「浮遊」特性のあるポケモンには効かない)、あるいは回避率をアップする影分身、小さくなるに比べるとどうしても使い勝手の悪い技です。
しかも不要になっても、「秘伝技は(特定の手段を使わない限り)忘れさせられない(=新たな技を覚えさせるスロットが1つ減る)」という特性のために入れ替えが出来ないのもマイナスポイント。
効果の割りに威力があまりにも低い岩砕き、中途半端な攻撃力しかない居合い斬りも同様。
怪力や波乗り、空を飛ぶくらい威力が高いならまだしも…。
サユリ「…というわけで特に育てる予定のないポケモンから生け贄を選ばなきゃならないわけですが」
ボックスのポケモンたち「生け贄とか言うなー!><」
けどこういうのはちょっと気が向いたら育てるとか、あるいは進化後のポケモンが自然生息していないもの(=図鑑完成のために進化するまで育成する必要がある)を選んだりします。
エネコ、ハスボー、ツチニンなどいくつか候補はありましたが、今回はケーシィで。ラルトスが居るのでエスパー技以外に取り得の見当たらない(こいつは10万ボルトの習得が不可能でカスタマイズの柔軟性に乏しい)彼にフラッシュを担当してもらうこととしました。
ケーシィ「…僕がユンゲラーになっていればムロジムはもっと楽だったのに( ´・ω・`)」
サユリ「狐的にはエスパーだって本来は不倶戴天の天敵なんだ。出番があるだけマシだと思え」
ラルトス「え?じゃあ私は一体…」
サユリ「ピカチュウなんぞ知ったことか!これが答えだ」
ラルトス「( ̄□ ̄;)テラヒドス」
石の洞窟は基本的に一本道。
地下一階からフラッシュを使う必要があるものの、トレーナーは存在せず野生ポケモンを相手にしつつ奥を目指します。
地下二階→地下一階→一階の別階層という風に進み、ダイゴが居る小部屋へ到着。
ダイゴ「…ふむ、これはいい石だ」
ジュプトル「(社長から渡された顔写真を見て)どうやらあの人物のようですね」
サユリ「…それはいいんだけどぉ…どうやってお近づきになればいいのかなぁ?
それ見た時から思ってたけどちょっといい男だし何せ社長令息でしょ?
私には一応想い人というのが色々居ましてですね…」
ジュプトル「今そんなこと気にしてる場合じゃないでしょうが!」
キノココ「…というか…それを渡さないと…お役目…」
サユリ「うーんでも友達とかに見つかって噂されるとはづかしいし〜…」
ラルトス「ええいじれったいですぅ!私に任せるですぅ!(手紙をひったくる)」
ラルトス「あーすいませんお仕事中のところー。実はデボンの社長さんのお使いで来たんですけどー」
サユリ「( ̄□ ̄;)思いっきりストレートに用件言っちまったー!(ガビーン!)」
ダイゴ「ほうこれは可愛らしいメッセンジャーさんが来たね。どれどれ…」
サユリ「あ…えっと…一応それ預かったのは私なんですけど…ねぇ」
ダイゴ「…(手紙を仕舞う)ふむ、事情は理解した。
折角ここまで来てくれたんだ、御礼に僕のお気に入りの技マシンをあげよう。
キミには使えないだろうが、キミの御主人様がいずれ空を飛ぶ手持ちを育てるようになったら、必要になるかもね」
ラルトス「わーいありがとうですぅー♪」
ダイゴ「というわけでそこの君。
ここまで来るとすれば、少なくともフラッシュを使える…つまり、ムロジムを突破できる実力があるか、あるいはこの暗闇の中をここまでたどり着ける驚異的な感覚の持ち主のどちらであるにしても…ただのトレーナーじゃないな」
サユリ「お…お褒めにあずかり光栄です〜…えへへ(困惑気味)」
ダイゴ「君とは何か(いずれ戦うような)運命のようなものを感じるな。
良かったら、お互いのポケナビを登録させてもらっていいかい?」
サユリ「あー…別にまぁ…いいですけど…」
というわけで、ダイゴからは技マシン47がもらえます。
中身は「鋼の翼」。命中率が95%とやや悪いものの、攻撃力70と10%の率で自分の防御力を一段階アップさせる鋼属性の技で、鳥ポケモンにとって鬼門となる岩ポケモン、氷ポケモンへの対抗策となりうる強力な技です。
ダイゴの目的も後々明らかになりますが、彼自身も強力なポケモンを使いこなす練達のトレーナーなのです。
内なるサユリ(まいったなぁ…私には一応……ねぇ)
あとどうでもいいことですが狐はハヤサユもしくはカジサユ推奨です。
繚乱とか知らんがな( ´・ω・`)(←
ダイゴと別れた後は洞窟を抜けてカイナシティを目指すのですが、石の洞窟には珍しいポケモンも多数出現します。
弱点属性のないヤミラミのほか、イシツブテ、ココドラ、マクノシタといったポケモンも生息しています。
また、後に岩砕きを習得できるようになると、ここにしか生息していないノズパスの捕獲も可能です。
マクノシタやイシツブテから得られる経験値も馬鹿にならないので、ここで少しレベルアップをしながら図鑑のグレードを上げる作業に。
サユリ「うーんこれでここのポケモンもあらかた捕まえたし、そろそろ次の目的地に向かうとしましょうかね」
ジュプトル「…というかぶっちゃけメノクラゲの育成あきらめかけてませんかご主人?」
サユリ「…言うな」
こうして石の洞窟を後にするわけですが…。
ズバット「…( ´・ω・`)ショボーン」
そう、間抜けなことにここでズバットを捕獲し忘れたのを、なんとカイナのイベントが全て消化されるまで気づかなかったという体たらく。
クロバットに育て上げるためには懐き度を上げる必要があり、なるべく早くからパーティに入れておけばそれだけ進化も早くなるというのに…。
ムロの船着場に待つハギ老人に話しかけ、今度は107番水道をカイナシティへ向けて進みます。
カイナのビーチに降り立てば、トレーナーがわんさか。しかも見えてるばかりではなく…。
ジャーン!ジャーン!ジャーン!(SE:陣鼓)
サユリ「うわあまた伏兵踏んだ!」
ラルトス「大丈夫ですぅ!多分こっちのほうが知力高いからダメージは軽微ですぅ!」
ジュプトル「三国志大戦かよ!」
相手のほとんどは浮き輪ガール&ボーイで短パンや塾帰りなんかとそれほど大差はないですが、なみのりジグザグマがいたり地味にルリリがノーマルタイプだったりで以外に煩い戦場だったかも。
海の家に飛び込んでそこに居座るトレーナー3人を倒して店主に話しかけると…。
店主「いやーアツい戦いだったねぇ!
アツい戦いを見せてもらったお礼だ、サイコソーダ半ダース持ってきな!」
サユリ「…半ダースとか中途半端ねぇ…売れ残り?」
ジュプトル「いや普通に売ってますからそれはないでしょう…」
サユリ「というか私(狐設定では)炭酸飲料の類駄目なのよね」
ジュプトル「いやいやいやあんたが飲むわけじゃないから」
というわけで初回だけタダでサイコソーダ6本手に入ります。以後はここで購入が可能です。
単価値段は「キズぐすり」と同じなのに、回復量が「いいキズぐすり」より高いというコストパフォーマンスの良い回復アイテムです。
ポケモンのHP回復アイテムはこうした「のみもの」で、状態異常は「どくけし」「まひなおし」を複数個そろえるというのが基本かと。
さて、デボン社からの荷物を届けるべき造船所を目指すと、「海の科学博物館」に長蛇の列が。
よく見れば揃いも揃って同じ衣装を…というかアクア団の皆様方です。
サユリ「というかあんたたち…ある意味では本ッ当にロケット団よりずっとタチ悪いわね」
アクア団下っ端「俺たちアクア団のモットーは“規律正しく”なんだよ」
サユリ「ふーん…じゃあその“規律正しい”アクア団でか弱い女の子に返り討ちに遭ったりして任務失敗したらどういう罰が待ち受けているのかなぁ?(にやにや)」
アクア団下っ端「( ̄□ ̄;)げーっ!お前はあのときのー!!
(小声で)た、頼むからそのことだけは幹部や総帥には…か、代わりにこれをやるから!
ど、何処にも手に入らない超貴重技マシンの“どろぼう”だから…ね?ね?」
実は技マシンが手に入るのは博物館に入った後なんですが…どうやらトンネルで戦った下っ端もここに合流していた模様。
ポケスペで見るアオギリの性格を考えると、任務失敗は一度だけ許す、あるいはその処罰より先ず次の任務というところでしょうか。
口封じのためにトレーナーとはいえ子供にワイロを渡そうとする辺り、この下っ端は誰に邪魔されたかは虚偽の報告をしたか、誤魔化したかどちらかでしょうか。
それはさておき、造船所で現場監督のツガさんに話を聞けば、荷物は博物館のクスノキ館長に渡して欲しいとのこと。
再度博物館に足を運べば、どうやらアクア団の皆さんは勢ぞろいして博物館の中に入った模様。
団員A「っつーか釣り位用意して欲しいよなー。50円とかなくて焦るぜー」
団員B「でもよぉ、考えてみれば俺たちの任務はここへ到着する荷物の強奪なんだろ?
なんでわざわざ見学客として入る必要があるんだ…?」
サユリ「…解ってないなあの連中。
多分目的は、標的の退路遮断と人払い、そして数による対象への威圧。
見学客を装えば、街の人達にも怪しまれずに済む。
考えた人は戦術の基本をよく理解してるけど…連中私服じゃない当たり抜けてるのか、よほどプランに自信があるのか」
ジュプトル「見事な洞察ですねご主人…というか、それはどう考えても普通の女の子の発想ではありません」
サユリ「うーん…かごめ者が“無口少女の皮を被った曹操”というのが狐設定だから…朱に交わればなんとやら」
博物館の二階には、目的のクスノキ館長がいます。
荷物を手渡そうとすると、その気配を察知したらしい団員が。
団員A「こんな乳臭い小娘が荷物を持ってたとはな!」
団員B「まさかとは思うがデボンへ直接奪いにいった奴をやったのはこんなガキか!?
相手が小娘と知って油断したな、あのロリコンめ!」
サユリ「…(ぶちっ)」
クスノキ「い、いかん!君はこの荷物を持って造船所へ…って、おい君!?」
団員A「お?やるってのかお嬢ちゃん?」
団員B「残念だが俺たちはガキは守備範囲外なんだ。
でも世の中にはお前みたいな地味で乳臭い小娘が好きなロリコンも多いから、そいつらに高く売り飛ばしt」
サユリ「…ラルトス!このクズ共は貴様にくれてやる!
この私を侮辱したこと、死をもって償わせてやれ!!m9( ゚д゚ )」
ラルトス「あーああんたたち不幸ですぅ…うちのご主人怒らせちゃった以上私も手加減できないですぅ。
けどなんかあんたたちムカつくからどっちにしても容赦はしないですぅ♪」
団員A「な…なんだコイツは…!タダのガキじゃn」
相手の手持ちは相変わらずのポチエナのほか、キバニアもいますがレベルは14前後。
キルリアへの進化を間際に控えたラルトスの10万ボルトの敵ではありません。
団員A、B「ぎゃあああああああああああああ!」
ラルトス「ロリータは希少価値ですぅ。よく覚えとくですぅ下種どもが」
サユリ「…まだそこに誰かいる…姿を見せろ!」
??「…ふふ…見事な腕前ですお嬢さん。
あなたの実力を見抜けず返り討ちに遭った無能な部下どもの非礼を詫びましょう」
サユリ「あんたは…!?」
アオギリ「私の名はアオギリ。アクア団の代表者を務めさせてもらっている者です」
サユリ「…あんたコレ(デボンの荷物)が欲しいんじゃないの?
私の闘いを見ていたのなら、戦って奪い取ってみればいいじゃない」
アオギリ「…私は予測不能なものにおいそれと手を出すほど馬鹿ではない…
君は全ての手の内をさらけ出したわけでもないでしょう?
今回の戦術の意味も理解していたようだ…それにも敬意を表しここは潔く負けを認め、引き下がるとしましょう…」
内なるサユリ(マズいなこの人…流石にポケスペで二章にまたがってボスとして登場するだけある…。
今のところは正直、向こうから引いてくれて助かったかも)
アクア団の総帥、アオギリが早くも登場。
ポケスペの慇懃無礼な紳士口調とは違い、やや荒っぽい印象はありましたが…ここではバトルにならないようです。
造船所で荷物を渡し、一旦報告のためにカナズミのデボン本社へ戻ると、ツワブキ社長から学習装置がもらえます。
赤緑時代はすごい微妙なアイテムでしたが、ポケモンにアイテムを持たせられるようになった金銀以降では、わざわざ先頭に出して交代させなくても持ってるポケモンに経験値を与えられる良いアイテムになりました。
サユリ「コレでコイツ(メノクラゲ)も育てられるな」
ジュプトル「…そういえば…ご主人、石の洞窟でズバットって捕まえましたっけ…?」
サユリ「( ゚д゚ )」
サユリ「わ、忘れてたあああああああああああああああああああああああああ!」
…というわけでまた石の洞窟を目指してみたりとか何とか。
首尾よくズバットを捕まえた後は、次のジムがあるキンセツシティを目指します。