翠玉的珍道中記 第八話
あらすじ
110番道路で予知夢(?)のお陰でパワーアップしたユウキを退けたサユリ
カラクリ大王の屋敷で乙女的大ピンチを回避しつつキンセツシティへたどり着き、自転車を手に入れて3番目のジムへ向かったそのとき…
キルリア「乙女的云々は完全な狐の趣味なんだろうな。当然原作にはない話だからな」
ジュプトル「なにしろ狐はスク水フェチでしかも変態嗜好ですからな。
メノクラゲのキャラは完全にそれを反映しているんでしょう」
キルリア「そういうことなのか…道理で」
それはさておき。
ミツル「頼むよ叔父さん!
僕がどれだけ強くなったのか、試してみたいんだ!」
ミツルの叔父「よく考えろ、ジム戦は多くのトレーナーの目標なんだ!
今のお前がやっても結果は目に見えてるだろう、もう少しポケモンを育ててからでも遅くないだろう」
サユリ「…うーんなんかいきなりシリアスな展開」
ジュプトル「血気に逸るのも結構ですが…ひとつ間違えば、力は暴走しろくな事にならないでしょう」
サユリ「種の名台詞思い出すわねぇ…力だけでも、思いだけでも…ってね」
サユリ「久しぶりねミツル君、元気そうじゃない。
あなたもここに挑むの?」
ミツル「サユリさん…?…そうか…あなたもジム戦を…
だったら、あなたに勝って僕の実力を証明してみせる!」
サユリ「…上等だわ…“強さを追い求める漢”から受け継いだこの血の恐ろしさ、骨の髄まで思い知らせてあげる!」
ミツルの手持ちは、104番道路で彼が始めて捕まえたラルトス1体のみ。
レベルは16で、攻撃手段はちゃんと持っていますが…。
ミツル「行け、ラルトス!僕等の力を見せつけてやれ!」
ラルトス「了解した。任務に移る」
サユリ「…キルリア、お願い」
キルリア「良いのか主人(マスター)?
悪いが、どんなに加減しても限度がある。あのラルトスは無事では済まんぞ」
サユリ「ズレたこと言ってるんじゃないわよ。
…あんたの全力なら10万ボルト一撃で落とせるでしょう?」
キルリア「!…そうか…承知した」
可哀想とは思いましたが、勝負の世界とは非情なものです。
瞑想で特攻・特防を限界まで高め、レベル24まで育ったキルリアの10万ボルトは、見事に一撃でミツルのラルトスを戦闘不能に追い込んだのです。
ミツル「…そんな…」
サユリ「……私は短いながら、トレーナーとして旅を続けて、たくさんのトレーナーと戦ってきたわ。
ジムリーダーは中でも、もっとも強い人たちなの。私でも勝てるかどうか位の…ね」
ミツル「…………解りました…………
もっと自分を鍛えなおして、出直してきます」
ジュプトル「…なんか何時になく真面目な展開だ…。
それにキルリア、いくら指示とはいえやり過ぎじゃないのか…?」
キルリア「…ここであの少年を半端に傷つけるくらいなら、徹底的に力の差を見せろ…それが主人の意向だからな」
ジュプトル(ラルトスもキルリアもテレパシーで他者の感情を読み取るポケモンだったな…そういうことか)
彼をシダケタウンへ見送り、いよいよジム戦です。
ここのジムリーダーは電気タイプの使い手。
ジュプトル「どうしますご主人?
私やキノガッサは電気属性に対してそこそこ耐性がありますが…今回の策は?」
サユリ「…今回は策なんてないよ」
ジュプトル「………………へ?」
サユリ「ミツル君じゃないけどさ、純粋に地力試しだよ。第一信頼できるレベルまで地面属性系育てられなかったし」
キルリア「勝算はあるのか?」
サユリ「トウカ以前からあたしについてきてくれた、あんたたち三匹次第」
キノガッサ「…そう…」
テッセン「ふーむツツジやおまえさんの父親(センリ)が“小賢しい小娘”とか言うとったからどんなもんかと思っとったが…。
トレーナーとしての熱い心も持っとるようじゃな。結構結構」
サユリ「そういうあなたもポケスペとは随分イメージ違いますねー…というかお父さんまで酷いっ!><」
テッセン「わしもなんであんなオヤジギャグばかり言わされるのか良く解らんかったわい。
テッセン「それより、ジムの前での立ち振舞い、わしも見せてもらった。
君の実力も、心構えも確かなものじゃな。ならば、わしも手加減をするつもりはないぞ!」
ポケスペではジム戦そのものがなかったものの、後半戦でアクア団SSS(スリーエス)相手に最年長ジムリーダーとして十二分な実力を見せ付けたテッセンじいさん。
そもそも電気ポケモンは弱点が極めて少なく、なおかつ電気技はこちらを麻痺状態にする可能性が高く、正面から当たると多少こちらのレベルが高くてもかなりの苦戦を強いられる相手です。
こまめにポケモンを交代させつつ、レアコイルまでたどり着いた時に無傷だったのはゴルバットとメノクラゲのみ。
というかこの二体に関しては、いずれも電気技が弱点なので出しても十二分に活躍できないのですが…。
レアコイルをキノガッサのマッハパンチで沈めるものの、レアコイルのスパークでキノガッサも麻痺状態に。
テッセン「流石じゃの。策を弄しても実行する力がなければ無意味。
策を用いるからにはそれだけの能力が備わっておったか…じゃがの」
キノガッサ「…ここまでか…」
強力なライボルトの前にキノガッサも力尽きてしまいます。
残るポケモンは実質、ともに麻痺状態のジュプトルとキルリアだけ。
サユリ(どうしよう…!?
交代してから麻痺治しを使ってもどうせスパークで麻痺状態にさせられる…麻痺を解除して一撃で決めないと…!
でも、どうやって時間を稼げば…)
ゴルバット「私に任せるの!」
サユリ「え!?」
テッセン「ぬ…超音波で時間稼ぎをするつもりか!
だが、それも何時まではもたんぞ!」
このとき、実は電気耐性のあるジュプトルを盾に、キルリアの回復の時間を待つつもりでした。
一応、キノガッサは潰される前に、やどりぎのタネをライボルトに植え付けています。キノガッサが倒れてもタネの効果は残り、それでも少しずつライボルトの体力は減らせているのですが…。
ここでゴルバットを出してしまったのは、単純にボールの位置を間違えてひとつ上にいたゴルバットを選択してしまったわけでして…。
勿論と申しますか、ほんの1回混乱の作用で向こうの動きを止めたものの、次のターンにスパークを喰らって一撃で落とされてしまいました。
けれど、その貴重な1ターンが回復の時間を稼いでくれたのです。
ゴルバット「……あとは……頼んだの……」
キルリア「…済まない…お前の犠牲は無駄にはしないぞ!」
やどりぎのタネと、混乱で自分を攻撃した分でライボルトの体力は半分以下まで落ち込んでいました。
ジムリーダーはここで回復アイテムを使ってくる可能性もありましたが…何とか念力一発で体力を削り取ることが出来たのです。
テッセン「見事な腕前じゃ…君も良くポケモンに信頼されておる。
そして判断ミス…もとい、ポケモンが作ってくれたチャンスを確実に活かすことが出来る。
君がコレを受け取るのに納得できぬのなら…このバッチはその子(ゴルバット)につけてやるといい」
サユリ「…………はい( ´ω `);」
テッセン「…うーん…折角だしこの暗い雰囲気を吹っ飛ばすために一発。
イバタはイバったいいバッター!………ナンチテ」
サユリ「( ゚д゚ )」
ハイハイカエリマスヨー>[ー。ー]つ(´w ` )ズバットイッピキデズバットカイケツ…
ライボルト↑ ↑テッセンじいさん
あとで解ることですが、こんな目に遭わせたにも拘らず、ゴルバットの懐き度は相当高かったらしいです。
というわけで、少しここでのお話はSSっぽく脚色してありますが、そういう風なドラマがあったと、脳内変換してもらえば幸いです(←
ジム戦を勝ち抜くと、ダイナモバッジと技マシン34がもらえます。
このバッジを手に入れたことで、フィールド上で秘伝技“いわくだき”が使えるようになるので、112番道路の道中をふさいでいる岩を破壊して先に進めるように。
秘伝マシン06はフレンドリーショップの、道路を挟んで向かいにある民家でもらうことが出来ます。
??「さっきの戦いから一連の君のバトル、見せてもらったよ。
初めて会ったときはそうには見えなかったが…君は大したトレーナーだな」
サユリ「…誰?」
??「うわヒデェ…カナズミでポケナビに登録したのを忘れちまったのかよ…というかトウカでもカイナでも会っただろうが」
サユリ「うーん…あ、もしかしてポップンでの私のファンの人?」
??「違うわー!(#^ω^)
私はエニシダ、各地の才能あるトレーナーを探して旅をしているナイスガイだ!」
サユリ「やだなあ冗談ですよエニシダオーナー。というか自分をナイスガイとか言うとロクな風に見られませんよ^^」
エニシダ「私は君を雇った覚えはねーっつの。
まぁ、君にはいずれ客側として来てもらうことになるだろうけどな(ニヤリ)」
ルビサファとの違いは、最初の頃からこの謎の人物・エニシダが登場して度々出会うことがあります。
トウカでの初遭遇やカイナでアクア団を撃退した直後、あるいはこのとき(実はミツルと戦った直後なんですが)みたいにエニシダの側から話しかけてくることもあれば、カイナのバトルテントやカナズミの時のようにこちらから見つけて話しかけることで、交流を深めることが出来ます。
この交流にも後々意味をなしてくることであって…。
それはさておき。
サユリ「岩といえば…そういえばカナシダトンネルってどうなったんだっけ?あの岩って割れる岩?」
ジュプトル「そのようですね。
で、今度は誰を犠牲にするつもりですか?
怪力共々、何気にこの先ちょくちょく使うことになるようですが」
サユリ「あんた本当に良く解ってきたわね…そうね、誰にしようか」
ジュプトル「朱に交わればなんとやら、でしょう。しかし岩砕きは微妙に使える技ですからね」
岩砕きは格闘属性技で、威力は20と非常に低いですが、50%という非常に高い確率で相手の防御を1段階低下させます。
この時点でフラッシュよりもずっと使い勝手の良い技です。
命中率50%の補助技と割り切って運用するという考えも悪くはありませんが…今回は出番のなさそうなイシツブテに。
サユリ「地震−大爆発−岩砕き−砂嵐って感じにして普通に育成しても良さそうなんだよね、イシツブテって」
キルリア「しかしそれだと対空性能0に等しいぞ。ほとんど大爆発以外に選択肢がなさそうだ」
サユリ「その代わり対地性能は激強だけどね。
補助を一切無視して砂嵐を岩落としに代えても良いわけだし」
イシツブテ「…どうせ主力にはしてくれないくせに…( ´;ω;`)」
してもいいかもとか少し思ったw
ひとまずミツルもシダケにいるみたいなので、指して遠回りにもならないのでシダケタウンに進路を取ります。
ミツル…というか、正確に言えば彼の従姉弟であるミチルの家で話を聞けば、なんでもあの後ずっと、たった一人素手で(!)トンネルを掘り続けているという愚か者非常に漢らしい作業員がいるらしいとのこと。
サユリ「ってことはポケスペにもいたあのゴリラみてーな兄ちゃんか」
ミツル「なんて言い草ですか…一応将来僕の従兄弟になるかも知れない人ですよ^^;」
サユリ「あーやっぱりそうなのか。まー任せんしゃい、ちょっくら行ってどうにかしてくる」
カナシダトンネル(シダケ側)
ミチル「お願いもうやめて!このまま続けたらあなたの腕がー!っていうかツルハシ位使ってぇぇー!!><」
作業員「だ、だがここの連中はそんな音を立てただけでも駄目なんだー!もう少し、この岩さえ砕ければぁぁ!」
サユリ「…んなでかい声出しておkならツルハシ使えよ…('A`)」
野生のゴニョニョ「まったくでヤンス。そのくらいでおいらたちは目くじら立てたりしないでヤンス」
サユリ「やかましいぞおのれ等。よしイシツブテ、ちょっとお節介しておいで」
イシツブテ「Yes, Sir!」
ばきっ(SE)
作業員「やった!トンネルが繋がったぞー!」
ミチル「ああ…これでやっと、何時でもあなたに会えるのねー!(ひしっ)」
サユリ「…なんだかなぁ」
ということでめでたくトンネルが開通したところで、いよいよ112番道路の先を目指します。
その道中、どうやらミツルもポケナビを手に入れたらしく、彼をナビに登録できるようになります。