翠玉的珍道中記 第二十三話



あらすじ

新たな技・ダイビングの習得によりルネシティへとたどり着いたサユリ
海底洞窟への道のりを急ぐ彼女は127番水道を縦断する大海溝から深海を目指した


ジュカイン「そういえば前々から思っていたが…こっそり、マグマ団の扱い良くなってないか?」
サーナイト「今頃気づいたのか?
     恐らくは、これからの展開で思いっきり話を脚色するっていう伏線だと思うぞ」
ドククラゲ「狐は本来水ポケモン大嫌いだからねぇ…ヒッヒッヒッ」
ジュカイン「…お前はそれを自分で言って悲しくならんのか…?」
ドククラゲ「ヒッヒッ…実は俺(ドククラゲ)とラプラスとギャラドスは別格らしいんだよねぇ…ヒッヒッヒッ」


海底洞窟


サユリ「…よくもまぁあの狭そうな潜水艇にあれだけ乗ってたもんだと思うわ」
いずみさん「そうですねー結構大変でした^^;」


海底洞窟の中は一本道ですが、奥には潮の流れが激しい部屋があったり、石がかなり複雑に配置してある部屋があったりややこしい仕掛けがあります。
出現するのはズバットかゴルバットで、アクア下っ端軍団も含めてそれほど厄介な相手は出てきません。


サユリ「…というかそこのきれいなおねいさん、あんたもう十分に愉しんだでしょ?
   いい加減このボンクラどもの手助けしてないで、大人しく退いてほしいんだけど」
いずみさん「そういうわけにもいかないんですよ。
     一応、雇われの身であるなら…きっちり頂いた分の働きを返すのが、社会人ですから」
サユリ「…理屈が通じないなら力づくで行くしかないわね…!」
いずみさん「そういうことです。
     そして、この場での役割も、私はきちんとわきまえているつもりですから^^」


深部直前でアクア団幹部・イズミとの最後の戦いになります。
彼女はレベル37のグラエナ、38のサメハダーを連れていますが…まっすぐ目の前を通過しようとすると同程度レベルのゴルバットとグラエナを従える下っ端とのタッグバトルになります。

グラエナの威嚇、サメハダーの鮫肌(接触系攻撃を受けるとそのダメージの1/8を返す)ともに厄介な特性ですが…どちらも10万ボルトで対処すれば全く問題ないです。


いずみさん「…うふふ…やっぱりかなわなかったみたいです…。
     総帥…アオギリさんはすでに奥へ行きましたよ。
     あの人は、マグマの頭領が躊躇った方法でカイオーガを目覚めさせようとしている…!」
サユリ「何ですって…!」
いずみさん「もう既に、団員でもあの人の考えについていける人はほとんどいない…。
     いうなれば、暴走に近いです。
     まるで、何かに魅入られているみたいに…だから、助けてあげてください…。
     あの人もサメハダーを連れているはずだから、きっとこれが役に立つと思います」
サユリ「これは…技マシン26(地震)…!
   …解った、後は任せて!」


技マシン26は最深部の入り口に落ちています。
これでジュカインもようやく主力として申し分ない技の編成ができるようになりました。

最深部にたどり着くと、眠っている状態のカイオーガを見ることができます。


サユリ「いずみさんの話では総帥がすでに来ている、って話だったけど…」
サーナイト「道中は仕掛けも多かったし行き違いになったか…あるいは」

サユリ「それにしても…まるでジュエルビーストだわ…来た時には寝てる意味も含めて」
ジュカイン「まージュエルビーストの寝込みを襲うためにはかなり苦労しますけどね
サーナイト「…このまま…封印してしまうことはできないのか?」


??「それでは大いに困るのだよ!」


サユリ「…っ!…アオギリ…さん!」
サーナイト「やはり…我々に仕掛けを解かせ、その後を追っていたのか…!」

アオギリ「ふふふ…お陰で手間が省けた。礼を言うぞ…。
    それよりも…見ろ!伝説のポケモン・海神の化身カイオーガが眠る美しき姿を!
    今よりこいつを目覚めさせ、我が望みを叶えるとき…この星のためにさらなる海を広げることを!」
サユリ「そんなこと…そんなことさせるもんですか!」


いよいよ、アオギリとの決戦です。
マツブサとは何度か戦う機会がありましたが、アオギリはこの土壇場になるまで一切自身の力を使わずに来ています。
手持ちはレベル41のグラエナとクロバット、そして43のサメハダー。
ポケスペではトドゼルガやドククラゲを連れていましたけど…。

ここからちょっと脚色していきましょうか。実は、それほど苦戦する要素h(ry(←


アオギリ「どうした!それがお前の力か!
    各地のジムリーダー戦を制し、マツブサを退けたお前の力がその程度では、奴らの力量もたかが知れているな!!」
サユリ(強い…!まるでこちらの手の内を見透かされているよう…!!)


???「…アオギリの野郎…今までてめぇが裏方に回ってたのは…サユリの全力を見るためか。
   そのために俺たちまで当て馬に使うとは恐れ入るぜ…!」
??「どうする頭領(リーダー)?助太刀に入るべきカ…?」
???「……いや、まだだ。
   あいつの目を見ろ…あの小娘は俺を退けた時のあの本気を、まだ全然出しちゃいねぇよ…!」


サユリ(違う…この人のポケモンは…まるで…!)

サユリ「このポケモンたちには…意思がない…!
   …あなたは…あなたはポケモンを一体…何だと…!」
アオギリ「何を言うかと思えば…。
    ポケモンなど、我が力を代弁させるための道具に過ぎん。
    ポケモンに対する情など不要!カイオーガも、我が望みを果たした後は無用の長物だ!!」
サユリ「そんな…なら、あなたの従えているクロバットは…!?
   そのポケモンは…本当に心が通じ合ったトレーナーの元でしか、進化できないポケモンのはず!」

アオギリ「…ああ…こいつか?
    これは…私の長年の研究により完成した薬によって、無理やり進化させたに過ぎないのだよ…!
    私が思う通りの道具として、最大限に力を発揮させるためにな!!」

サユリ&???「……!!」


??「薬…だと…ポケモンに?」
???「…野郎…どこまで…どこまで腐ってやがる…!」


アオギリ「大いなる海神の荒ぶる力により、私は支配者になるのだ!
    サユリ、貴様はその覚醒の生贄として捧げてやる!光栄に思うがいい!!」


サユリ「許せないッ…!!」


アオギリ「…!?」
サユリ「少しでも…あなたの境遇を理解しようと思った自分を叩き斬ってやりたいくらいだわ…!!
   よく解った!あんたは、ここにいてはいけない人間よ!!
   私のすべてをかけて、あんたのすべてを否定してやるッ!!」


サユリ「ジュカイン、地震!
   このホウエンに息づく生命、そのすべての怒りをあんたの一撃に込めろ!!」
ジュカイン「心得た!砕けろおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!」


強烈な振動が石室を襲う
そればかりではなく、ジュカインから発せられる得体の知れないエネルギーが、アオギリのポケモンたちから戦う意思を奪っていく


アオギリ「…!!
    な、なんだこの力は…一体何処にこれほどの…!
    くっ…お前たち、何をしている!怯んでないでその小娘を…」

サユリ「あんたには解らないでしょう、このジュカインを通して具現化している力を!
   …ポケモンは道具なんかじゃない!私達と同じ心と命を持った生き物なのよ!」
アオギリ「ざ…戯言をッ…!」


??「!…り、頭領!俺のバクーダが…!!」
???「構わん、出してやれ!俺の相棒も出たがってやがる!
   行け、相棒!あいつに力を貸してやるんだ!!」

バクーダ「…ありがてぇ!!うおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」

サユリ(…バクーダ!?
    まさか…このバクーダ達は!)

マツブサ「アオギリ…てめぇがこのホウエンのことなどなんにも考えちゃいないことはよく解った…!
    てめぇの思う通りにはさせねぇ!」
ホムラ「悪いが…ここでカイオーガとともに永遠に眠ってロ!!」
サユリ「ホムラさん…マツブサさん…!」

イズミ「…及ばずながら、私も力を…グラエナ、遠吠えを!みんなに力を分け与えて!!
   総帥、あなたは行き過ぎてしまった…だから、ここであなたを止める!」
サユリ「いずみさんも…!」

アオギリ「き…貴様らあああああ!!」


その瞬間、異様な光を発する紅色の宝珠


サユリ「…え?」


カイオーガは目を覚ます…
次の瞬間、大地震が洞窟を襲い天井が崩落する


マツブサ「ば…馬鹿な!
    ここには藍色の宝珠はない…俺は、送り火山の番人に確かに返してきたはず…何故だ!!」
アオギリ「クク…クカカカカッ!
    その“番人に返してきた宝珠”とかこれのことか…?」
マツブサ「なっ…!!」

ホムラ「ど…どういうことダ…?」
イズミ「…申し訳ないです…。
   あの後、総帥の命で…私があれを再度奪ってきてしまったんです…!」
ホムラ「っ…!なんてことヲ…!」


アオギリ「く…くく…素晴らしい力だ!
    感じるぞ…カイオーガの力を!
    この力で私はすべてを支配するのだ!!」

サユリ「なんてこと…!」


洞窟の崩壊が激しくなる


マツブサ「…ちっ…そこの女幹部!てめえらの下っ端はどうした!」
イズミ「前もって潜水艇で脱出させました…あとは私達だけ…!」
マツブサ「よし!俺のバクーダにつかまれ!
    ホムラ、サユリを頼むぞ!」
ホムラ「了解!嬢ちゃん、こっちダ!」
サユリ「は…はい!」


ホムラ・マツブサ「バクーダ!“あなをほる”!」
バクーダ×2「合点承知!!」


そして地上へ
地上は大雨と日照りを繰り返すという狂った天候に支配されていた…


マツブサ「なんてこった…俺たちが…俺がつまらんことをしたばかりに…!
    これが…これが俺が望んでしまった世界のなれの果ての姿というのか…!!」


サユリ「マツブサさん…」
ホムラ「…頭領を責めないでやってくレ…。
   あの人はただ、地上に棲む人とポケモンが、互いに住む場所で争わないで良いようにしたかった…それだけだったんダ。
   クロバットもバクーダも、頭領が手塩にかけて育てたポケモンなんダ」
サユリ「そうだったんですか…でも」
ホムラ「解っている…海を狭めれば、海のポケモンは住処をなくしちまウ。
   頭領もそのことに気が付いたんダ…だから、嬢ちゃんみたいな誰かが、俺たちを止めてくれることを望んでいたのかも知れねェ」
イズミ「それに…私にも責任があります。
   二つの宝珠をあの男に…アオギリ総帥に渡してしまった私にも」
ホムラ「…そいつはもう言いっこナシにしようゼ…。
   問題は…これからどうするかだロウ」

サユリ「でも…これからいったいどうすれば…!
   グラードンは日照りを呼び、カイオーガは豪雨を呼ぶ。
   この異常天候は、互いに相争うかのよう…あの二体がぶつかり合えば、このホウエンは」

?「その通りだ」

サユリ「ダイゴさん!」
ダイゴ「あの二体は…ほどなくルネシティへとやってきた。
   かの地は、かつてあの二体が最後に戦った地…互いの存在を求めてやってきた二体は、既にルネの沖合を戦場に戦闘を開始している…!
   このまま戦闘が続けば…ルネばかりでなく、おそらく…」
サユリ「な…何か方法はないんですか!?」
ダイゴ「ないことはない…。
   まず、ルネシティまでついてきてくれ。あなた方も」


ここでいったん小休止。

実際も、アオギリとのバトル後にマツブサ達が駆けつけ、共に海底洞窟から出ると外はえらいことに。
フィールドは一定周期で日差しが強い状態と大雨を繰り返し、バトルするとその影響を受けてしまいます。

というか潜水艇もないのにどうやってマグマの皆さんが海底洞窟にやってきたのかも気になりますが…バクーダあたりで地中にトンネルでもほってきてたとしたら面白いかも。


とにかく、マグマ・アクア両軍団が去ると、入れ違いにダイゴが登場してルネシティへと強制移動することに。
長きにわたるマグマ・アクア両軍団と、カイオーガ・グラードンをめぐる一連の戦いもクライマックスへと突入していきます。