翠玉的珍道中記 第三十一話



あらすじ

いよいよ、ホウエン最強のトレーナーを決めるホウエンリーグ四天王戦へと挑んだサユリ
悪タイプの使い手であるカゲツ、ゴーストタイプの使い手であるフヨウとの戦いを制し、次に待ち構えるのは…


ジュカイン「四天王もこれで三人目…なのですが……(ぶるぶる)
サユリ「あーなんとなく次のエキスパートタイプが解ってきたぞー^^;」


??「カゲツさんに続いてフヨウさんも敗れましたか…。
  まさかこれほどのトレーナーが現れるとは」

プリム「私の名はプリム。氷の力を司る四天王。
   久しく私を熱くさせてくれるトレーナーには出会えず、いささか退屈していたところですの。
   あなたは…私の血を滾らせてくれるかしら…?」
サユリ「それはどうでしょうねお嬢様。
   私もここで止まっている理由はないんです…だから、打ち砕いて進むのみ!」


してんのうの プリムが しょうぶを しかけてきた!


サユリ(…と大見栄切ったものの誰を出そうか…)

キノガッサ「ま、ま、主人(マスター)…こ、こ、ここは、わわわ私が行く…(ブルブル)」
サユリ「おーいなんか蒼天航路の呂布みたいになってんぞー…本当に大丈夫?^^;」
キノガッサ「な、な、なんとかなる…う、動いているほうが、たた多分…すす少しはマシ…(ガクガク)」

トドグラー「愚かな…大人しく帰って暖を取っていれば良いものを…。
     失せるがいい!!」

トドグラーの オーロラビーム!
こうかは ばつぐんだ!

キノガッサの こうげきりょくが さがった!

キノガッサ「はうっ!!…だ、だがなななんのこれしき…!」
トドグラー「なんと!この一撃を耐えるというのか!?」
キノガッサ「わ…我々はここで立ち止まるわけには行かぬ!
     ふるえるぞハート!燃え尽きるほどヒートッ!
     水を伝われ緑色の波紋、青緑色の波紋疾走(ターコイズブルーオーバードライブ)ッ!!!」

キノガッサは かわらわりを した!
こうかは ばつぐんだ!

トドグラー「ぐはぁっ!!
     こ、これが波紋法の真の力か…ガクリ」

あいての トドグラーは たおれた

プリム「まさか…あの一撃を持って倒せないとは…!
   誤算…いいえ、私はあなた方の力を少々見縊っていたようです」
サユリ「どう?少しは戦いようがあるんじゃなくて?」
プリム「…調子に乗るのはまだまだ早いですわよ…!」


プリムの手持ちはレベル50のトドグラーとオニゴーリ、レベル52のトドグラーとオニゴーリ、そしてレベル53のトドゼルガの5体。
戦闘能力は決して高くないポケモンばかりですが、いずれも吹雪や凍える風、冷凍ビームといった強力な氷技を駆使してきます。
相性が悪かったり、運悪く凍ったりすると少々レベルが高くとも詰むこともあります。炎ポケモンなら氷技で大きなダメージを受けることは少ないものの、プリムの手持ちのうち3体は水タイプも兼ねている上特性の「熱い脂肪」で炎技のダメージを緩和してしまうのです。

キノガッサであれば攻撃力の高い格闘技で弱点を突くことができるので、先手さえ取れれば瓦割りの一撃で大体沈めることが可能です。
故にここは、キノガッサで力押しにかかります。


キノガッサ「…やっと…体が温まってきた…!」
トドゼルガ「下賤の草ポケモンの分際で、よくぞわらわの前にたどり着いたの…。
     褒美として、わらわの美しき技で、そなたの墓標に永遠なる氷の花束を飾ってやろうぞ!」
キノガッサ「…うっ!…これは…!?」


サーナイト「ぬう!あの技はもしや伝説の…」
ジュカイン「知っているのか雷でn…いやサーナイト!?」
サーナイト「うむ、あれは禁断の氷技“絶対零度”!
     己よりも力量の低い相手を一撃のもとに屠り去るという恐怖の技…
     よもや、このような禁断の技を操る者がこのホウエンにいたなど…!( ゚д゚ )」


ポケモンには絶対零度のほか、わずかながらも「一撃必殺の技」が存在します。
これらの技はもともとの命中率も30%とと低く、自分よりレベルの高い相手(と、相性的に無効化される相手)にはヒットしないという欠点もありますが…いざというとき、問答無用で一撃のもとに相手を倒せるという可能性は捨てがたい魅力です。

中には、次に出す技が確実にヒットする「心の目」と、これらの即死技を両方覚えることができるポケモンも…


トドゼルガ「オーッホッホッ!!
     この美しき氷の棺の中で永久に眠るがいい!!」
キノガッサ「…悪いけど…そういうわけにはいかない…!」
トドゼルガ「何じゃと!?」

キノガッサ「私は…私達はここで止まることなどできない…!
     私のこの手が真っ赤に燃える!勝利を掴めと轟き叫ぶ!
     流派東方不敗最終奥義!石!破!天驚けぇぇぇぇん!!!

キノガッサは かわらわりを した!
こうかは ばつぐんだ!

きゅうしょに あたった!

トドゼルガ「はうぁっ!!
     こ、このわらわが…この氷の女王たるわらわが草ポケモン如きにぃ…ガクリ」


あいての トドゼルガは たおれた


プリム「見事な戦いですわ…流石は、古代の者たちと心を通わせたトレーナー。
   この熱き血の滾り…久しく感じ得なかったもの」

プリム「さあ、先へお進みなさい!
   でも、残る四天王とチャンピオンの実力、私程度と思っていたら後悔しますわよ!」


流石に四天王三人目となれば、頭数こそ勝っていてもレベル的にはそれほど変わらないので、楽に勝たせてくれる相手ではなかったです。
まして先制でオーロラビームを喰らったことで、実際は一撃で片付けきれなかったために結構痛手を負わされる局面も。トドゼルガの技が絶対零度ではなく吹雪やオーロラビームだったらアウトで、その後運悪く後続が凍っていたら被害は甚大になっていたことでしょう。


四天王も残るところあと一人。
思ったほど戦闘不能を出さなかったとはいえ、やはりそれでもかなりの技ポイントの消費と、回復アイテムの消費があります。


??「まさかここまで勝ち上がってくる」トレーナーがいるとはな…」

サユリ「…あなたが…最後の四天王…?」

ゲンジ「いかにも、儂の名はゲンジ。ホウエン四天王の長を務めている。
   ポケモンは人と共に生きる者であり、時に人を脅かすものでもある。
   お前はトレーナーとして必要なものを持っているか…見極めさせてもらうぞ…!」


してんのうの ゲンジが しょうぶを しかけてきた!


ゲンジ「行け、コモルー!」

サユリ「…あのポケモンは…?」
ジュカイン「初めて見るポケモンですね…しかし、相当堅牢そうな風体ですが」
サユリ「それだけじゃない気がする…キュウコン、まずは妖しい光!その後火炎放射を喰らわせてやんなさい!」
キュウコン「は、はいですっ!えーいっ!!>3<

ゲンジ(混乱させられたか…だが)

キュウコンの かえんほうしゃ!
こうかは いまひとつの ようだ

キュウコン「…!
     な、なんか全然平気みたいですよー!?」
サユリ「炎技が効いてない…やっぱり、岩タイプなの!?」
キノガッサ「…代わって…私が行く…!」


キノガッサの メガドレイン!
こうかは いまひとつの ようだ


サユリ「これも…効いてない…!?」
ゲンジ「…検分は済んだか?
   今度はこちらから行くぞ…コモルー、突進!」

どがあああああああっ!!(SE)

キノガッサ「…くっ…!」


サユリ「草、炎ともに効かない…そうすると、考えられるタイプは…!」
ジュカイン「まさかあの風体で水と草を同時に持っているとは考えにくいですね…恐らくは、ドラゴンタイプのポケモン」

ゲンジ「そうとも、儂のエキスパートタイプはドラゴン。
   彼らはこの地において、自身のあまりに強大な力を隠すかのように、ひっそりと暮らしている。
   あるいは人目を忍び、あるいはその幼生期を全く異なる姿で…」

ゲンジ「彼らと心を通わせるには、彼らの持つ強大な力を理解し、受け入れる度量と覚悟が必要…。
   君が一度とはいえ、伝説のポケモンと心を通わせたと聞いた。
   だが、その本来の力は計り知れぬもの」

サユリ「皆まで言われなくとも!
   キノガッサ!あんたの全力であの装甲を打ち砕くのよ!!」
キノガッサ「…承知…!
     鋼を伝われ、銀色の波紋疾走(メタリックシルバーオーバードライブ)!!」


キノガッサは かわらわりを した!
きゅうしょに あたった

あいての コモルーは たおれた


ゲンジ「む…やるな。こうでなくてはならぬ…!」


四天王の長にドラゴン使い。
ホウエン四天王はFRLGというより、赤緑のパターンに近いんでしょうか。
違いを挙げると格闘の代わりに悪、なんでしょうけど。

それはともかくゲンジの手持ちはレベル52のコモルー、53のフライゴンとキングドラ、54のチルタリス、55のボーマンダ。
ドラゴンポケモンは育成が大変な分強さは天下一品、というのは元祖ドラゴン使いと言ってもいいワタルのセリフですが、特にフライゴンとボーマンダは攻撃力が高い上破壊光線もしっかり撃ってきます。
なのでコモルーを潰したら相性の良い奴は…。


サユリ「…ここでしくじったらただじゃおかないわよあんた…」
ドククラゲ「ヒッヒッ…この大舞台でヘマをしでかすわけにはいかないねぇ…」


比較的攻撃力の低いチルタリスが出ている間にバリアーを積み、キングドラはヘドロ爆弾で、あとはみんな氷技に弱いので冷凍ビームで確実に潰します。
最初ジュカインにドラゴンクローを覚えさせようと考えてたのも、実はゲンジ対策だったんですけどね。

ボーマンダもマトモに正面からやりあうと正直手に負えないのですが、レベルが多少低かろうがドククラゲのほうが素早さが高く、あとはよほど運が悪くない限り冷凍ビームで勝負が決まらないということもないので…。


ゲンジ「見事だ…君にポケモントレーナーがいかなるかを問うのは、釈迦に説法だったようだな。
   その力も心も、このホウエンの頂点に立つに相応しいもの。
   残るはチャンピオンただ一人…心してゆくがよい」


実はドククラゲも一回潰されかけているのですが(ぉw)、なんとか勝利。
回復し準備を整えたところで、いよいよチャンピオンの待つ最後の部屋へ。


サユリ(…長かったような…短かったような旅だったわ)


ミクリ「…待っていたよ、サユリちゃん。
   キミなら、きっとここまでたどり着くと信じていたよ」


サユリ(その旅も…この戦いで一つの区切りを迎える)


ミクリ「キミのその力…そして、伝説の神々と心を通わせたその心。
   私は決して、キミを挑戦者とは思わない。
   …私も一人のトレーナーとして…キミとホウエン最強の座をかけて対等の立場で戦いたい…!」
サユリ「望むところです…!
   私たちの目指す場所は、多分もっと先にあるはずだから…。
   この戦いもまた、その序章に過ぎない」
ミクリ「いかにも。
   このホウエンで、もっとも華麗にポケモンと舞うのは誰なのか…勝負だ!」


チャンピオンの ミクリが しょうぶを しかけてきた!