ポケモン対戦ログ(2010.4.16) その2



かごめ「此処からが後半戦ですな。
   けど実は最後のラウンドの記録がまた不明瞭という
文「( ̄□ ̄;)またかよ!!
 いくらなんでも抜け多過ぎでしょう常識的に考えて…」
かごめ「対戦しながらメモ取るって結構しんどいからねぇ。
   熱帯の対戦記を事細かに書いてる人とかいるけど、こんなの何時メモ取ってんねん?って思う事も良くある」
文「そういう問題ではないと思うのですが…」



ラウンド2
自分(カゴメ)
キスメ(ダグトリオ@気合のタスキ)、さなえ(ピクシー@命の珠)、こがさ(フワライド@パワフルハーブ)、つぐみ(サンダース@のん気のお香)、みのりん(バクーダ@イトケの実)、ナズーリン(ライチュウ@ソクノの実)
相手(さゆり)
リョフ(ギャラドス)、ムラクモ(ライチュウ)、チョウセン(ミロカロス@食べ残し)


かごめ「というわけで例の人なんだが」
文「ちょちょ、ちょっと待ってくださいかごめ殿…相手の手持ちが半分しか書かれてないのは一体…?」
かごめ「わからんか?
   それしか戦えてないんだ(きっぱり)」
文「( ̄□ ̄;)ちょっとー!?どんだけの大敗北だったんですかそれー!!?」
ナズーリン「…まぁある意味仕方のない結果だと思うんだがな…。
     あの秋神(笑)が先頭だった以上、舞ったギャラドスを止めるなんてほぼ不可能だろう。
     ……それにアレはなぁ」



穣子「いかに強かろうが所詮人間の分際でこの第一級秋神を倒せると思ったその浅はかさは愚かしい!
  食らえー!豊符“オヲトシハーベスター”!!」

穣子は原始の力の構え!
破壊力ばつ牛ンの一撃…と思いきや呂布には大分余裕があるようだ

穣子「( ̄□ ̄;)なんぞ!?」
かごめ「ええいこのドアホ!><
   ギャラドスには特殊効きづらいって言ったろうがさっさと戻れー!!」
穣子「何だとこの野郎!><
  この幻想郷随一の豊穣神を捕まえてその物言いは言語道断不届き千万!
  今のは調子狂っただけだから次で…」


呂布「そ、それが…き、貴様の…力か!


穣子「…へっ!?」

呂布の体に途轍もないパワーが集中する!

呂布「こ、今度は、わ、我の番だ…!!」
穣子「( ̄□ ̄;)ひゃああ!?ちょ、ちょっと待てそれなんかsYレなってな」


呂布「わ、我はひとり…呂布なり!!!」


呂布はフルパワーで滝登りの構え!
破壊力ばつ牛ンの想像を絶する一撃!

穣子は吹っ飛ばされた!!


穣子「( ̄□ ̄;)ひゃああああああああああああああ!!!


呂布「つ、次は…だ、誰だ…!

ナズーリン「あ、あの御主人…あれちょっとsYレなってませんよ…どうするんです?」
かごめ「ふむ…」

かごめは一歩前に出て呂布に対峙する…!


かごめ「呂布!天下とは何だ!!」


呂布「(くわっ)龍 り、龍の棲みかだ!!」



かごめ「(純一戦士かッ!!)」
ナズーリン「…いや意味解りませんからってかそれやりたかっただけだろ御主人



穣子「いやまぁ流石にアレはちょっとどころじゃなくsYレなってないわよね。
  考えてみれば私はただの豊穣神であってどっかの御柱みたいな軍神じゃないもん。
  どう考えても勝てる道理がないということで何処もおかしくはない」

文「…あ、また湧いて出た」
ナズーリン「豊穣神というなら豊穣神らしい仕事がある筈だろう…こんなところで何をしてるんだ」
穣子「だってだって今の時期めっちゃヒマなんだもん!><
  つーかそこのネズ美!(笑)とかつけるなー!!」
ナズーリン「仕方あるまい、君はどう見ても出オチ担当のポジションを確立してるようじゃないか。
     君の姉上殿は本調子でない時すら、相性最悪の相手を一刀のもとに斬り伏せる活躍をしていると言うのに…」
穣子「うぐっ…お姉ちゃんの名を出されると反論できない…っ。
  でもでも、アレマジでどうにもならないじゃん!
  結局あの白い子だって先制であのすっごいの食らってどうにもならなかったじゃんか!!」
ナズーリン「まぁ確かに…実際アレ、止まりませんでしたからね」
かごめ「補正性格でなかったとはいえ龍舞一回で130族越せるとは思ってもみなかったしなぁ。
   補正じゃないと越される可能性あるなんて考えてもみなかったわ^^;
   でも、この時その“すっごいの”とやらをキスメが叩き潰してるんだよな」
文「うわ…1ボスがどうにもならなかった相手を1中ボスが退けてるんですか…そこの穣子さんの立場皆無ですね^^;」
穣子「…うぐぅ」
かごめ「タスキと岩石封じのお陰だろうけどな。
   狐も最近公式戦ルールに少し倣って、同じパーティのメンバーに同じアイテムを持たせないようにしてるから結局タスキも誰に持たせるか悩みどころだとは言っていたがなー」
穣子「だったらそのタスキとか言うのを私にも」
かごめ「あれは紙防御だけど火力の高い速攻系のアタッカーに持たせるのが常だ。お前鈍足の上火力微妙だし駄目だろ
穣子「……うぐぅ><」

かごめ「まぁ呂布を城壁から吊るした時点でもうまともに戦える奴がいなかった気もするがな。
   向こうのネズミは顔見せしたくらいで、命中不安のアイアンテールを縛ってやろうとしたらミロカロス登場、あとはずっとミロカロスのターンで終了だ」
文「守られては爆殺する事もできませんからねえ…
かごめ「流石にガチ構成相手に戦略ノープランのネタで対抗しても巧くいくわきゃねえだろ。
   もし仮に穣子にタスキ持たせてても、原始の力が確定何発だったか考えるの嫌になったくらいダメージ低かったからな。
   …ギャラドスは特防高い挙句原始の力はタイプ一致でもないから仕方ないと言えば仕方ないんだが」
穣子「…うぐぅぅ…私、なんかフルボッコ…><」



ラウンド3
自分(カゴメ)
ルーミア(ゲンガー@こだわりスカーフ)、つぐみ(サンダース@のん気のお香)、ハドラー(リザードン@先制のツメ)
相手(ユルール)
マタン(サーナイト)、ツララ(ユキメノコ)、シグマ(サーナイト)


かごめ「残り2ラウンドだけど、あとは時間的な都合で3体3だね。
   折角だし最近あまり出てきてない連中を使おうと思ったけど結局ルーミア以外は…って感じだった」
文「あー、そう言えばあのそーなのかー、最近出番なかったですしね^^;」
かごめ「最近周囲の火力インフレもあってか活躍度も今一つだったんでな。
   此処だけの話、狐は無邪気最速ゲンガーでも作って育て直そうか迷ってるらしいぞ
文「あやや…結構愛着があるとか言ってたと思いましたが」
ナズーリン「過去ログを見る限りでは、タスキでそこそこ頑張ってたようだったが」
かごめ「だからスカーフでカバーできないかとか色々試してるみたいだけどな。
   催眠術があっても使いどころが微妙だから、現状のままでやるなら不意打ちか道連れにでも変えて相手の鈍足アタッカーを狩るの専門にするのが正解のような気もするな」

かごめ「あと今回ははっきり言って相手も悪かった。
   腐ってもアレはサーだから、特殊は弱点でも結構受けきっちまうんだよな…で、サイキネで返り討ちにあって終わり」
ナズーリン「女王(笑)とか言ってながらなんだかんだでポテンシャルは高そうだしな」
文「というか…サーナイトなら普通に先手取れますよね^^;
 明らかに装備品に問題があったと
かごめ「まぁそのあたりはいいだろ。
   結局あの馬鹿はあたしのかわいい娘がきっちり始末してくれたわけだが」


マタン「…きゅう><」

ユルール「まぁ全っ然期待はしてなかったけど^^;」
ツララ「あ、相変わらず酷いです^^;
   まぁあの顔してる以上は只者じゃない事は確かでしょうけど」


かごめ「ののヮ(←あの顔)」
諏訪子「なんだよそのツラ…微妙にイラッとするからやめろ正直」


ツララ「久しぶりだけど…此処は何とかしてみます!
   えーい!!><」

ツララのうさおリュックの目が妖しく光る…!
ツララは妖しい光の構え!

つぐみ「(きゅぴーん!)見切った!!

つぐみは華麗なバックステッポで回避!

♪BGM 「盆回り」(←ドリフのドタバタエンドのテーマ)♪

ツララ&ユルール「( ̄□ ̄;)ええええええええええええええええええええええええええええええ!?
つぐみ「よーし反撃だよっ!
   来たれ雷精、風の精…暴風に稲妻を纏い吹き荒べ、南洋の嵐!天雷の暴風ッ!!」

つぐみは10万ボルトの構え!
ツララはドリフ状態になって裏世界でひっそりと幕を閉じた

ツララ「だめだこりゃ(ばたり)」

ユルール「( ̄□ ̄;)ひゃああツララさんの頭がとんでもない事にー!!
ウィッチ「な、何と見事な爆発オチのアフロヘアー…!
    こ、ここのお笑いレベルは想像を絶するくらい高かったのね…私も見習わないと(ぐっ)」
ユルール「いやそこ感心してる場合じゃないっていうかそんなことで感心するな!!><
    そ、それよりなんで妖しい光が…命中100の筈なのに」

ユーリ(ふむ…私が持たされた光の粉を纏ってる風にも見えんが…しかし、この香気は一体。
    かごめもだが、母娘だけあってつぐみも香水の類いなど使わないはずだが)


かごめ「やっとというかのん気のお香の効果が発揮されたわけだが」
文「お香って…特定ポケモンの孵化に使うあれですよね。
 あんなの何かの役に立つんですか?」
かごめ「ところがどっこい、実は普通に装備して役立つ効果のものも多いよ。
   妖しいお香、潮のお香、お花のお香、岩石お香はそれぞれエスパー、水、草、岩のプレートと同じ効果、満腹お香は黒い鉄球と同じ効果、そしてのん気のお香は光の粉と同様の力を持っている
文「光の粉って言うと…相手の命中率にマイナス補正をかけるアイテムですね。
 となるとかなり強力なアイテムになるわけですが」
かごめ「まー今までこれの強さに気がつかなかったのもマヌケな話だがな。
   これをADV環境から持ってこれるだけ持ってきて、他にも妹様なんかに持たせてある」
文「(あやっ…ひょっとしたらそれがあれば、あのうー☆でも昔の状態でもう少し活躍できたんじゃ)」
かごめ「この後デジャヴっぽい感じに大将とシグマ様が対峙したんだが」


♪BGM 「死闘」/植松伸夫(FINAL FANTASY VI)♪

ハドラー「貴様はあの時の…シグマと言ったか。
    この時の為にオレが再び身に付けた必殺の技、受けてみるがいい!」

ハドラーの体から立ち上る激しい猛火が、突き挙げた右拳に燃え盛る炎の剣を形作る!

シグマ「なんと…凄まじい力よ…!
   ならば我も全力で迎え討たねばなるまい!」

シグマの放つ凄まじい電撃が、その構えた槍に集束する!


シグマ「貫け、天の雷!」
ハドラー「超魔爆炎覇ッ!」



シグマはチャージビームの構え!
ハドラーはブラストバーンの構え!

双方の技は大爆発を起こして相殺される!


シグマ「…くっ…!」
ハドラー「ちっ…まだオレの剣にわずかな迷いがあるのかッ!」


かごめ「いやマジな話すると両方外したんだが^^;」
文「原作でも不発の奥義の名をほしいままにした技ですが…まさか実戦一発目で外れるなんて^^;」
ナズーリン「しかも相手雷使うからな…ジンクスにも程があるだろう^^;」
穣子「( ̄□ ̄;)あんたたち本当にさらりと酷いな!!」

かごめ「結局前みたいにシャドークローで急所当たりとか言うミラクルも起きてくれず、交代の際にサイキネ食らってたからチャージビームの二発目を受けて今回はシグマ様の方に軍配が上がったわけだが」
ナズーリン「まぁこちらの残りもつぐみだったから危なげなく締めて終了だったな」



最終戦
自分(カゴメ)
れみりゃ(クロバット@猛毒プレート)、チルノ(グレイシア@氷柱のプレート)、ゆうぎ(ガブリアス@ヤチェの実)
相手(ユルール)
テトラ(ネオラント)、ふなを(ナマズン)、アm…じゃなくてDマグス(ストライク)(←


かごめ「というわけで最終戦ですが」
文「あやっ!?最後の方何か言いかけてたようですが
ナズーリン「…世の中には知らなくてもいいような事がいくらでもある…
かごめ「あと偶には絡ませろと言われたんで姐さんをな」
文「どう見ても相手の面子的にいじめじゃないですかそれ」
穣子「つーか絶対酒の上の戯れのつもりよね、あの鬼」

かごめ「先発はおぜうなんだけど、まぁおぜうは最近大分相手を見るのに磨きがかかって来たと見えてな。
   クロスポイズンを撃ったターンにナマズが出てきて、挑発して思念の頭突きを受けてから蜻蛉でチルノに交代」
文「不一致ならマンダの頭突きも耐えた事ありましたからねー」
ナズーリン「(ふーむ…ただのかりちゅまだと聞いていたけど、情報の修正が必要だな)」


♪BGM 「ルーネイトエルフ」(東方紅魔郷)♪

チルノ「何だおまえー!大ちゃんみたいな格好してー!
   おまえなんか大ちゃんより弱いだろうから最強のあたいの敵にならない事は確定的に明らか!!><

テトラ「あ…えーっと…私ひょっとして馬鹿にされてるんでしょうか?^^;
ユルール「うーん…確かにコーデリアちゃん、結構強かったけど…。
    気にしなくてもいいと思うな、かごめさんやヤマメさん達の話だと
幻想郷の妖精って基本的にあんな感じらしいから」
テトラ「は、はぁ」

チルノ「行けえー、ダイアモンドブリザード!」

チルノはあられの構え!
フィールドに雪雲が押し寄せてあられが降り始めた!

チルノ「そして最強最速のアイシクルふぉ
テトラ「おっと、そうはさせません!
   海の歌姫の名において集え水の精、干天に恵みの雨を!

テトラは雨乞いの構え!
フィールドの雪雲の温度が上がり、霰は雨に変わった!

チルノの吹雪は盛大に外れた!

チルノ「( ̄□ ̄;)な、なんだってー!!

ユルール「(飛んできた氷柱を避ける)わわっ…よし外れた!テトラちゃん天使のキッスよ!!
テトラ「( ̄□ ̄;)ええっまたですかー!?
   ちょっといい加減に勘弁してくださいよユルールさん!
   アレのせいで最近お友達からも「キス魔」呼ばわりされて肩身狭いんですから!!><
ユルール「でもアレで勝率を稼げてるのは事実だから!!(きっぱり)
テトラ「…………うぐぅ」


かごめ「まぁキスに定評のあるテトラの天使のキッスで混乱させられたわけだが」
文「な、なんですかその風評被害…^^;」
ナズーリン「(幻想郷で風評被害をばらまく側が何を言うんだか)
     キッシンググラーミィという熱帯魚はキスを闘争の手段に用いると聞いた事があるがなぁ」
かごめ「まぁアレはもう「キス魔」ってことでいいんじゃないかね。
   そもそも個性が「力が自慢」って時点でキャラ崩壊してるんだから

かごめ「結局混乱自滅ではなかったものの、再度あられを打った隙に波乗りでぶっ飛ばされて姐さんに交代。
   地震でテトラをすっ飛ばしてから剣舞逆鱗で残り全員薙ぎ払って終了という何時も通りの塩梅だ」
文「なんか出現タイミングは少ないけど、出たら出たで獅子欺かざるを地で行ってますね勇儀殿^^;」
ナズーリン「…鬼どものなかでも、彼女と伊吹萃香は加減知ってる方だと思ってたけどなぁ…」
かごめ「最近「花の慶次」の前田慶次に共感を覚えたらしくてなぁ。
   良くも悪しくも地味に方向転換してるんだよな、姐さん^^;」



かごめ「てな訳で、ログそのものは以上。
   尺大分余ったし…どうしたもんかな」
穣子「だったら私の話しなさいよー!
  なんかこのまま終わったら、私「出オチ」だの「秋神(笑)」だので終わっちゃうじゃない!」
かごめ「…いやお前の話って言われてもなぁ…」
穣子「つーか黙って聞いてれば、お姉ちゃんにはそれなりに敬意払ってるのに私をお前呼ばわりとかないと思うんですわ?お?
  読み返してみればどう考えたってバクーダってネタじゃない!!><」
かごめ「鈍足二刀なだけだがな…でも、お前が絡んでる話ってメインではこが…まあいいや、どうせ語らなきゃならなかった事だし」
穣子「( ̄□ ̄;)てめえ何言いかけやがった―!!?



************



おまけ 「涙を受ける雨傘」


フタバタウンの藤野家…打ち上げ中


お空「(一心不乱に目の前の食べ物を頬張っている)」

お燐「いやー悪いねーあたい達までお邪魔になっちゃってー^^」
ヤマメ「いや全くだね。
   あの女王(笑)に巻き込まれずに済んだ挙句、御馳走まで頂けるなんて至れり尽くせりだよー♪」
ナズーリン「勝手についてきただけじゃないか…少し自重してくれ」

かごめ「ったく…これじゃあ金なんかいくらっても足りやしないな。
   お陰で対戦の機会がすっかり減っちまったよ^^;」

かごめは傍らにいる早苗の様子に違和感を感じた

かごめ「さな坊?」
早苗「(はっ)あ、その…ごめんなさい。
  気分がちょっと優れないんで、少し外に出てて…いいですか?」
かごめ「ああ」

早苗はそのままベランダの方へ出ていく
かごめはその姿が消えるまで、その寂しそうな背中をずっと眺めていた

やがて、かごめも席を立ち…廊下で、星空を眺めつつ飲んでいた勇儀と鉢合わせる

勇儀「おお主殿、どうだいこれから飲み比べでも」
かごめ「済まん姐さん、此処の仕切りを一寸任せておいていいか?
   少し、出掛けてくる」
勇儀「主殿?」

かごめは怪訝そうな表情の勇儀を余所にスキマを開く
その先には…勇儀も見慣れた妖怪の山の景色

勇儀はその意図を察したようだった

勇儀「……成程。
  解ったよ、此処の事はあたしに任せといてくれ」
かごめ「ごめん、いずれ埋め合わせするよ」

かごめは申し訳なさそうに笑うと、そのままスキマへ飛び込んだ
スキマが消えて、勇儀はふと、ベランダを見やる


勇儀「早苗」


そこには、声を押し殺して泣いている早苗の姿があった



かごめはスキマから妖怪の山へ姿を現す。
普段なら昼夜問わず、椛をはじめとした哨戒役の天狗が居る筈だったのだが、この日は何の気配も感じない。

文(あや)が文(ふみ)の存在を明らかにしたことで、その処遇をどうするかの「会議」と称して、連日集まって酒盛りをしているからである。
実際には紫と文の嘆願もあって、天魔や大天狗達もとうにその存在を許容しているのだが…飲兵衛で祭り好きな天狗達の事、単に馬鹿騒ぎする理由が欲しかったのだろうことは想像に難くない。

かごめのいる辺りにも、遠くで天狗たちの笑い声がかすかに聞こえる。

かごめは苦笑しながらも、それでも山の静穏を乱すことなく山を登っていく。
霊山の魔力に阻まれて、境界操作移動で動けるのはこの場所が限界だったが…それでもものの数分で目的地へとたどり着く。


そこは、守矢神社だった


かごめはそのまま真っ直ぐ本殿を目指し…重く閉ざされていたその扉を厳かに開け放つ。


『またあんたか…何の用だい』

何処からともなく声がする。

「悪いけど八坂様よ、もうあたしもなりふり構っていられねえんだ。
今日という今日は、どんな強引な手を使ってでもあんたをその結界から解き放つ

煌々と照らす月明かりが、本殿の中に侵入する。
その奥には…細い注連縄を十重二十重に纏った、人の背丈よりもわずかに高い一本の御柱。

その有様は、まるで注連縄によって束縛されているようにすら思えた。

『…早苗の事はあんたに託した筈だ。
 あたしじゃ、あの子の心を救ってやることはできなかった。
 それに…神たるもの濫りに人に生き死にに関わってはならない……今のあたしの姿も、これも罰の形に過ぎない』

「違うだろ…あんたは娘同然の大切な女の子一人護れなかった、自分自身が許せないからそうしているだけなんだろう?
だったら、何時までもそうしている事自体間違ってる。
人間も神も関係あるもんか…早苗にとっては、まだあんたの存在が必要なんだからな!


♪BGM 「御柱の墓場 〜 Grave of Being」(「東方風神録」)♪


かごめが魔力を解き放つと、彼女を中心に複雑な文様が刻まれた魔法陣がその魔力で描き出される…!


『何を…する気だい…?』

かごめはスキマから一個のポケモンのタマゴを取りだし、その魔法陣の中央に鎮座させる。

「…あんたは実体化するだけの力を取り戻せていない。
信仰を寄せるべき人間達も、妹紅の馬鹿が大暴れしてくれやがった所為でこの神社の事を気にかける余裕はなく、早苗の暴走で山の妖怪たちからの信用も失ってしまった…だから、それを取り戻すまでの代わりの体として用意した」

「今からこのタマゴのポケモンに、あんたの存在を融合させる。
そうすればそこで意地を張らせる事もなく、トレーナーであるあたしの命令で早苗の傍にいさせる事が出来るだろ…!

『そうかい。
 さしずめその魔法陣は、あんた自身の魔力を増幅して、解呪魔法と境界操作能力を高める為のモノか…八雲紫にも断られたのかい?』

「…独断だよ。
あいつ、理由は言いやがらねえが…なんかあたしが無茶をやらかそうとすると、それとなく止めに来ようとしやがる。
確かに…大神格一柱、依代に降ろそうとか、いち吸血鬼には余る話だ…でもな、あたしも多分…そんな永くはない。
うやれるうちにやるべきをことをしておきたいだけなんだ…!!」

『!…あんた、まさか。
 「あの時」から思ってた…あんたは、「それ」を道連れに消える気なのか!?

「あんたには隠し立て出来なさそうだな…まあ、今は置いてくれ。
あとのことは諏訪子なり、静葉さんなり…誰かしら、うまくまとめてくれるだろうしな…!」

かごめが能力を発動させるとともに、魔法陣は輝きを強くする。
御柱の封印は少しずつ剥がされて行く…だが、注連縄が一本吹き飛ぶごとにかごめの顔の焦燥は増してゆく。

それでも外側にある細い注連縄はやがて総てはじけ飛ぶ。
だが、残り一本の太い注連縄にほころびが生じると同時に、かごめの二の腕の皮膚が唐突に裂け、そこからわずかに血を噴いた。

その激痛に彼女は顔をしかめながらも、なおも力を緩めようとしない。

『止すんだ…かごめ!
 それ以上はあんたが持たん!
 それに…お前がここで消えたら!お前の娘は…つぐみはどうなる!?
 お前は自分の娘を不幸にしてでも…!!』

「残すわけにはいかねえんだ…!
つぐみが…あの子が生きていく世界に…こんな悍ましいものは…!
つぐみだけじゃねえ…リリカも、チルノも、早苗も…!
みんなみんな…あたしの大切な仲間だ!!


『かごめ…あんたは』

「それに…あんたの考えてる事も、解らなくはないよ。
確かに、下手をすれば早苗はあんたへの依存が強くなり過ぎて、かえって駄目になっちゃうかもしれない。
でもさ、それでも」


あたしはこれ以上…あいつの苦しそうな…泣いている顔を見てるのは辛いんだよ…!


力を込めるとともに封印のほころびは少しずつ大きくなり、それと共にかごめの二の腕から指先まで痛々しい傷が増えてゆく
想像を絶するような激痛に耐えながら、力づくで封印に対抗する彼女の魔力も気力も限界に近付いていく…


そして


「…っ!!」


一瞬の気の緩みで、封印に干渉していた魔力が逆流してかごめを弾き飛ばす。
しかし、その背中を三つの影が受け止めた。


「ったく…そういうことにこの私を除け者にするなんて水臭いじゃないか!」
「リリカの時と言い、無茶も大概にして欲しいわ。
少しはあなたの事を気にかけている者がいる事を考えるべきよ」
「何時の間にか居なくなってたからおかしいと思ったらさ…。
お姉ちゃんの言うとおり、此処であんたが大怪我して戻ってきたら、ポエットやルーミア達もだし…誰よりつぐみが悲しむでしょ!
あんた母親なんだろ!
父ちゃんもいないのに、母ちゃんまでいなくなっちまった子供を泣かせるなんて、いっちゃんやっちゃいけないことだ!!」

「諏訪子…静葉さん…それに穣子まで」

かざしたまま、緋に染まるかごめの両腕に三柱の神がそっと手を添え、同じようにして力を放つ…

「最強の軍神が自らに課した強力な封印結界…だが、強力な術者に神格三柱分の力が加われば越えられない道理はない
私達が下手に本気出しちゃったら、折角の遊びも興ざめしちゃうからね。
でも、此処でなら力の出し惜しみなし、本気で行かせてもらうわよっ!」
「確かに、早苗を甘やかすのは駄目だと思うけど…でも、あの子の涙を止めてやれるのは今はあんたひとりしかいないんだ、神奈子!


その想いが力となり、注連縄のほころびはどんどん大きくなる
だが、それとともに反発する力の奔流が、かごめ達に容赦なく降り注ぎダメージを蓄積させていった


(あと…少しなのに…!)
(もうっ!
 神格としての恪は完全に上…でも、でも!!!)
(…神奈子…早苗っ…!)


『あんた達…!
 くそっ…あたしは…あたしはどうすればいいんだ!
 あたしは…!』


神奈子はそのとき、もう一人別の闖入者の存在に気付く。
御柱にぼんやりと浮かぶそのイメージが形作る表情に、かごめは背後を振り返って驚愕する。


「…!
小傘、あんたどうして…此処は危険だ、すぐに離れろ!」


小傘は応えない
それどころか、少しずつ強烈な魔力と封印の呪力が渦巻く本殿の中へと歩いて来る…


「聞いてんのかこの馬鹿傘ッ!!」


かごめの慟哭にも近いその絶叫にも、小傘は動じない。
そして、呆然とその様子を見守る神奈子のすぐ手前…封印の魔力と、解呪の魔力が激しく渦巻くその際で立ち止まった。


♪BGM 「たったひとつの願い」/伊藤賢治♪


「…お願い…です。
早苗さんのところに…戻ってあげてください…!」



その色違いの瞳から、涙がこぼれる。


「かごめさんが居なくなったのに気づいて…こっそり、穣子さんの後を付けて来たんです。
最初早苗さんとお話したくて探したら、ベランダで、早苗さんが泣いてたんです。
…私…私ももう、あんな悲しそうに泣いている早苗さんを見ているのは辛いです…


「早苗さんは、捨てられた傘の私を…力の弱い妖怪の私を、友達だって言ってくれた。
でも…私じゃ早苗さんを支えてあげることはできないから…傍で見ていることしかできなかったから…!」


「お願いです…もう、早苗さんを悲しませないであげてっ…!」


何時の間にか、反発する封印の呪力は小さくなっていた。


『…本当、言うとね。
 あたしもすぐにでも、早苗の傍へ戻ってやりたかったさ。
 でも、幻想郷へ移るきっかけの事件のように、あたしがあの子の為にしてやったことが裏目に出る事が怖かったんだ

「神奈子さん」

『だから、あの子を受け入れてくれる人が…あたしの代わりにあの子を支えてくれる「誰か」が現れてくれる事を願い、あたしはこのまま忘れ去られてもいいと思ってた。
 だけど』

その、幻影の神奈子が苦笑する


あたしは軍神だ。
 誰かを護ったり、慈しむような神じゃない。
 だったら今…「軍神」としてあたしができる事は…!』


♪BGM 「神さびた古戦場 〜 Suwa Foughten Field」(「東方風神録」)♪


最後の注連縄が千切れ飛び、そこから強烈な力が解放される。


『あの子を…早苗を苛む悲しみや苦しみと闘ってやること。
 そして…あの子が得た仲間、あたしの眼に映る連中も対しても同じように、戦って守ってやる事に相違ない!』



その力は少しずつ、魔法陣の中心にあるポケモンのタマゴめがけて流れ込んでゆく。
そして、タマゴに亀裂が入り…一匹のミニリュウが孵化すると、それは瞬く間に光に包まれ、姿をどんどん変えていく。

瞬く間に最終形態まで進化したそれは、そこからさらに姿を変え…少女たちの良く知る軍神の姿となって…彼女は茫然とそれを見守っていた小傘を抱き寄せた。


「あんな目に遭わせちまったのに…あの子の事をそれだけ思っていてくれた事、礼を言うよ小傘。
これからも、あの子の…早苗の友達でいてやってくれよ…!」
「は、はいっ!」


軍神・八坂神奈子はかごめと三柱へ向き直る。


「悪かったね、あたしのわがままで振りまわしちまって。
その分はしっかり、挽回させてもらうよ!」

かごめはまだ腕に残る疼痛も億尾に出すことなく、口の端を釣り上げてみせる

「うん!よろしく頼むよ、八坂の神様!」



************



かごめ「とまぁこういうお話だったわけだが」

文「( ̄□ ̄;)あややややっ!?
 私達が酒盛り…じゃなくて重要会議をしていた近くでこんだけの事やらかしてたんですか!?
 こ、これだけの大スクープを逃すなど…この射命丸文、いいえ天狗族最大の不覚っ…!orz
穣子「( ̄□ ̄;)それ種族全体の不覚なのかよ!?
  …けどまぁ、正直アレは死ぬかと思ったわ。
  認めたかないけど、あの状態になってすらも私よりずっと神力強いんだもん。
  それが全力で封印を解くのに抵抗してたんだからねぇ」
かごめ「…お前アレを全部自分ひとりで頑張ってた事にする気かよ…。
   ついでに言えば、居合わせた三柱の中であの時点一番力強かったのは、山古来の土地神の静葉さんだろうに」
穣子「お姉ちゃんは妹の私の見せ場を作るためにわざと手を抜いたって言ってくれたもん!!><
かごめ「(静葉さん…こんなのが妹だってのはさぞかし気苦労多かったんだろうなぁ^^;)
   ところで同志、お前からはなんか」

ナズーリン「(泣いてる)ひっく…良かったなぁ小傘…( ノД`)

文「あやや…触れないほうが吉っぽいですね^^;」
かごめ「…そっとしておいてやろうかね。
   じゃあそういうことで今回は以上な」
穣子「…え…終わりかよ…結局あまり喋れなかった…(´・ω・`)
かごめ&文「(どの口がそれを言うんだ…)」



(終わっちまうらしいよ)