「ああ、構わんよ」
廊下の一角でその相手…かごめを捕まえ、「掛け値なし本気の勝負をしたい」とそう切り出してきたユルールに対して、その答えは拍子抜けするほどあっさりとしたものだった。
ユルールはもちろんのこと、傍らにいた文やルーミア、ポエットすらも当惑し、次の言葉を探そうとする。だが、そんな面々の当惑を余所に、かごめは言葉を続ける。
「別に今までだって手を抜いていたつもりはないさ。
でも…確かにそこまでの理由をかけてやったことはなかっただろう…逆の立場なら、そろそろあたしが言おうと思っていたところだ」
ふっと笑うと、かごめは踵を返す。
「一時間だけもらうよ。
受けた以上は、此処からの判断が最終的な勝負の明暗を分けるだろ。
…文、何時まで呆けてる。すぐに全員集めてくれ」
呆気にとられたままの文達を余所に、悠然と歩き去るかごめ。
ポエットだけが困ったように笑いながら会釈をして、そのままかごめを追って走り去っていくその姿を、ユルールはその姿が見えなくなるまで眺め続けていた。
-ユルール達の部屋-
「…思い切ったことをしてくれちゃったねえ。
ま、なんとなくそうなるんじゃないかと思ってたんだけどねえ」
その言葉を聞いたマタンの最初の反応がそれだった。
「でもさ、あんなのを見てしまったんだったらそう思わざるを得ないさ。
ボクだってそこまで馬鹿じゃない…ボクは多分役には立てないんだろうから、せめて邪魔にならないよう応援しててあげるよ」
「……はい」
「( ̄□ ̄;)おおいそこちょっとフォローくらいしてくれよ!!
まあいいけどさ」
マタンはその当たりにあった椅子を引き寄せてどっかりと腰かける。
「んで?どうするのさ。
掛け値なし本気で向こうが来るんだったら、こっちもある程度向こうの戦力を把握したうえでメンバーを出さなきゃならない。
もう一人いるちっこい子のメンバーじゃないとすれば、メンバーの選出をミスったらそのままなし崩しに終わるんじゃない?」
「…そうだねえ。
特に勇儀姐さんの暴走を許したら、それこそ一瞬でカタついちゃうよ。
最近出てきちゃいないけど、紅魔館の門番や天狗もかなり危険だよ」
ヤマメの言葉にマタンも難しい顔で頷く。
「それだけではあるまい。
そもそもあの子は選出そのものから質が違ってきていると言わざるを得ん。
現在の個々のスペックは、全体的に向こうが上と見るべき…特にスピードに関しては、向こうの主力に対しマトモに対抗できそうなものがいったい何人いるか」
ユーリのもっともな言葉に全員が押し黙る。
「…正直考えたくもなかったね。
ユルールもユルールで経験浅いなりに色々工夫を凝らしたりしてるし、実際私達もそれだから何とか立ちまわれるけど…姐さんやパルスィの話を聞く限り、向こうさんは基礎能力から既に大きな違いがある。
地底と地上が積極的に交流持つようになったのも異変の時からだったというのもあるけど…あれだけの能力を引き出せる素地を用意するところから始めてるという意味で、残念ながら差はあると思うよ」
「それじゃあなにかい?
純粋なスペック勝負になれば、あたい達じゃあ絶対にかなわないとでも言いたいのかい?」
「そう言ったつもりなんだがね」
ヤマメの悪びれもしない態度に気色ばむローズマリーを制するラ・ターシュ。
「…なんとなく言わんとしていることは解るよ。
確かにあいつら、あたしら相手の時は結構気楽に構えてる感じがするけど、実際アレが本気で向かってきたとすればゾッとしないってのが本音だね」
「姐さん!それってあたいらが馬鹿にされてるってことだろう!
大体そいつだって、妖怪だかなんだか知らねえけどどうもこっちを見下してる感じがして気に食わないよ!」
「まあこっちだって特別好かれようと思ってるわけじゃないしねえ」
「何ッ…!」
呆れたような表情で溜息をつくヤマメの態度に、一気に沸点に達したローズマリーをラ・ターシュが窘める。
この喧騒を余所に…当のユルールは先程から一言も発することなく、俯いたまま座っている。
「…四方や、己が言いだしたことに後悔を抱いておるのではあるまいな?」
顔を上げると、そこにはいつも以上に厳しい表情を張りつけているシグマ。
「わかって…いるんです。
かごめさんは何時だって、私達とはあくまで“愉しむ”ことを第一義においていたことくらい。
でも…」
再び俯いてしまうユルール。
「かごめさんは決して、私達を見下したり馬鹿にしてるんじゃないってこと…解ってるけど…アリスさんや幻想郷の人たちとの確執を、バトルを通じて何とかしようとしていることとかも、解るんです。
あの時はかごめさん達もその一戦一戦に命をかけてるような…そんな風に見えた…アリスさんは常に真剣だけど、私はあんな真剣なかごめさん達の目の前に立ったことはなかった。
…だから…」
肩に手が置かれた感覚に再び見上げると、そこにはふんだん見たこともないような穏やかな笑みを浮かべるシグマの顔がある。
「ルシエドとか言ったか…あの精霊獣が言っていた通り、お前は遠慮が多過ぎるのだユルール。
偶には己の感情のままに振る舞って見よ。
…折角、お前がなけなしの勇気を振り絞ったのを、あの面倒くさがりが応えたのだ。
我が力になれるかどうかは知らんが…お前はお前の選択を信じ、ベストを尽くして見せればよい…!」
「…はい!」
ユルールが立ち上がると、今まさに殴り合いの寸前になっていたヤマメとローズマリーを宥める面々の注目が彼女へ集まる。
「…こういうとき…かごめさんならんなんて言うんだろうな…。
血気に逸るのは結構だが、だったらそれは対戦相手にでもぶつけてやれ!…かな?」
困ったように笑うその少女に、ふっと溜息を吐くユーリ。
「アレはアレで特殊だ。
多分口を開く前に両方の頭に一発くれているかも知れんな」
「全くだね。
地霊殿に来たときだって、有無言わさずお空の頭に数撃食らわせるひとだからねえ、あのお姉さん」
お燐の言葉にヤマメばかりでなく、ローズマリーも思わず苦笑して表情を緩めてしまっていた。
「…それにユルールよ、お前はお前、あの子はあの子だ。
あの気難しい女神も言ったのだろうが…お前はお前の信じるように振る舞えばいい。
私達も…それに応えるだけのものを積み重ねてきたつもりだ…!」
「はい…!」
ユルールは頷く。
そして…
「オーダーは…既に決めてあるんです。
本気であの人たちに対抗するのなら…このメンバーで行こうと決めていたメンバーを。
まずは…アッシュさん」
「お…俺ッスか!?」
思ってもみなかったタイミングだったのか、驚くアッシュ。
「ええ。
多分格闘戦で、一番頼りになりそうですから」
「俺…あまり勝率が稼げてるわけじゃないッスよ…?
それに格闘家なら本職が」
「いいんじゃねえの?
あたいそんなに膂力あるわけじゃないし、決定力は多分あんたのが上だろ」
「うーん」
あっけらかんと言い放つローズマリーの言葉に困ったようなアッシュへ、ユーリは厳かに告げる。
「一応、私の推薦でもある。
お前ならばタイプ上、大体何が出てもそれなりに対応はできると見込んでのことだ。
無様な姿をさらしたら承知せん、とは言わん。お前もお前のベストを尽くせば間違いはない」
「リーダー…。
解りました!任されるッスよ!」
ありがとう、とその手を取り返すユルール。
「ツララさん、レモンさん」
「…えっ!?」
「…この重要な局面に信頼と安心の一流星詠みである私が選ばれる…当然かしら。
ここがヘタレ海賊や脳筋モンクとの信頼度の違いということで何処もおかしくはないわ」
アッシュ同様困惑するツララに対し、妙に自信満々のレモン。
「おーおー言ってろ言ってろ」
「ま、俺は弱点多いからしゃあねえな。
…にしても、姐さんは選ばれないのかね」
「あたしも十全に力を発揮できてるわけじゃないしねえ…。
ハドラーとか言ったっけ?あいつとか出てくる可能性もあるし、アレに私のジャイアントキルが何故か効きにくいとも聞いたからねえ。
レモンなら圧縮の火力がはまればそのまま勝負を決めちまう可能性もある。順当じゃないかね」
そういうもんかね、と溜息を吐くバーミセリ。
「でも…レモンさんやアッシュさんは兎も角…私で、いいんですか?」
「…うん。
ツララさんやレモンさんがいれば…あの神様と勇儀さん…多分かごめさんの主力クラス両方を封殺できる筈。
それにレミリアちゃんや文さんみたいなひとも多いし、電気タイプ技が通る可能性も高いと思って」
「ボクも同感だね。
それに…ツララなら足も速い。あいつらの足早い連中、防御力も低いっぽいからタスキで一発耐えれば潰せる可能性も高いだろうね。
以前もそうやって決まったことがあるし」
今回もそううまくいくとは思えないけど、とマタンが付け加える。
「あとは…ミノさん」
部屋の片隅で、女王様然とした少女の背後に侍していた牛面の壮士…ミノタウロスが怪訝な表情でユルールを一瞥する。
「…お断りする。
俺の力はルルー様の為にある物、お前の采配は認めるが履き違えてもらっては困る」
にべもなく言い放ち、目を閉じるその異形の士に、その主と思しき少女は微笑みかける。
「あら、いいじゃないの別に。
あの子はあなたのことを買ってくれてるからこそ、この一戦であなたを起用したいと言ってるんじゃないかしら?
…色々あって今は世話になっている身よ、偶にはその恩に応えてくるべきじゃないかと思いますわ」
「は…ですが」
「それとも?
この私が「いい」と言っているのよ?
私の言葉に口答えをするのがあなたの云う「忠勤」なのかしら?」
少女…ルルーの言葉に口籠るミノタウロス。
しばし思案した後、ミノタウロスはやれやれといった表情で頭を振る。
「………前言は撤回する。
しかし…俺の武はあくまでもルルー様の為に振るわれるべきモノ、そのことを忘れるな」
「ったく…そういうことですわ、ユルール。
彼の力、存分に引き出して御覧なさい」
鷹揚に言い放つルルーに苦笑しながらも「ありがとうございます」と軽く会釈するユルール。
残るメンバーは彼女が古くから苦楽を共にする二体…オオスバメのナティウスとドラゴン種のボーマンダ。
彼女の考えうる最高戦力と言っても決して過言ではない布陣。
(負けたくない…ううん、勝ちたい)
脳裏に過る、その少女の背。
見てくれこそ自分と大差ない少女のそれなのに、何処か遠くに感じるそれが、瞼の裏にちらついて離れない。
(同じ世界を私も眺めてみたい…!!)
その感情に突き動かされるままに、彼女とその仲間たちは決戦の地へと歩み出す。
-かごめ達の部屋-
対象的に、かごめはさらっとオーダーを発表するにとどまった。
「特別な一戦になる」と前置きした上で、なお普段と変わらぬようにそのメンバーを選出し、そして普段と同じように誰もいなくなった部屋にひとり残る。
異様とも思えるくらい、何時も通りであった。
出場を言い渡されたのはパチュリー、フランドールを除く紅魔館勢三名と文、そしてルーミアとチルノ。
どのような勘が働いたのか、そこには攻撃力の高さに置いて比肩するものない筈の星熊勇儀・八坂神奈子両名の名はない。
文ならずとも、納得いかぬ話であったに違いない。
当の勇儀本人は、何か覚るところがあったのか、あるいは単に「指示」として従っただけなのか、何の不平を漏らす事もなく大人しく引き下がっている。
むしろ、食ってかかろうとする橋姫を宥めるかのように、退出を促して悠然と立ち去って行った。
(…確かに、勇儀さんは目立ち過ぎた存在。
どうしても相手側にマークされるだろうから十全に動けるとは思いにくい。
でも…!)
かごめは、思い悩むルーミアの為に文字通り命を張ってみせた。
そのルーミアも、この一戦で起用されており異を唱える者はいなかった。
しかし…。
(だからこそ…!
だからこそ何故勇儀さんを外したの…かごめ!)
困惑と怒りが綯交ぜになった内心を隠す事もせず、文はかごめの残るその部屋の扉を開け放つ。
そこで彼女が見たのは…思ってもみない光景。
部屋の中央部で、もう随分と見慣れた彼女の「正装」という黒いドレス姿のまま…倒れ伏しているその姿だった。
♪BGM 「情景 冷たい正義」/古代祐三(世界樹の迷宮3 星海の来訪者)♪
「……っ!!」
瞬間的に、沸騰寸前だったその感情のベクトルが反対方向へ加速する。
慌てて解放するその体は、思った以上に軽いもののように文には感じられた。
「なん…なのよ…一体何の…冗談!?
ねえ…かごめ…!」
その表情に生気は感じられない。
その表情は、眠っているというよりも…
「………やはり、倒れちまってたか」
大声を上げようとしたその瞬間、文は背後の気配にようやく気がついた。
戸口に、もたれかかる様に立っている声の主…星熊勇儀。
顔面蒼白のその表情にも何時ものような覇気はない。
「勇儀…さん…!」
「…実際に大した傷を受けたわけじゃない…だが…それでもこれだけ長い期間後遺症が残るなんてな…。
ましてかごめは…奇跡的に命を取り留めたとはいえ…土手っ腹にアレをまともに受けたというのに」
そこまで言われたところで文はあることに思い当る。
ほんの数週間前、自分たちが何をやっていたのかを。
何と戦っていたのかを。
「…ポエットが言っていたな。
堕天使の力は、総てに滅びをもたらす破滅と混沌の力だと。
…あたしも泣き言は言いたくなかったが…流石にこれは堪える。
あたしの力でばれないように誤魔化していたつもりだったが…」
そこまで言ったところで、勇儀も力なく膝をつく。
「一体何がこいつをそうさせているのか…。
そんな体でお空のスペルをまともに食らいやがった…今まで立って歩いてたのが不思議なくらいだ」
「そんな…そんな体で…どうして!」
その声に反応するかのように、かごめはうっすらと目を開ける。
「かごめ!」
「…ああ…文か…。
済まない…少し眠っていた…みんな待ってるから…すぐに…」
かごめはそのまま起き上がろうとして、わずかにバランスを崩して再び文の腕の中にもたれかかってしまう。
文は反射的にその体を強く抱きしめていた。
「…おい…離してくれよ…。
あいつが…あの子が待ってるんだから…」
「だめ…駄目だよ、かごめ!
今日はもうやめて帰ろう…早く…早く永遠亭…永琳さんに診てもらわなきゃ…!
事情を話せばあの子達だって…!」
「嫌だっ…!」
刹那、かごめが思いきり身をよじる。
虚を突かれた文の束縛を逃れ、かごめの体は床へと投げ出され…彼女は渾身の力で前へと這い出そうとしていた。
♪BGM 「I am...」/有沢みはる(BeForU)♪
「行かなきゃ…行かなきゃならないんだ…!
あの子は…ユルールはあたしと本気で戦いたいって…そう言ってくれたんだ!」
慟哭にも似たその声に、文も勇儀も応えることができなかった。
何が彼女をそうさせているのか。
赤の他人、まして自分たちの何十分の一も生きていないその少女の為に、真祖である彼女が命を賭けてまで応えようとする理由は何なのか。
「…何でだい」
その疑問を口にしたのは、勇儀。
既に苦痛に抗ってまで立つことを止めたのか、彼女はかごめに背を向けたまま、床へと座り込んでいる。
文もその表情を伺うことはできずにいた。
何故なら…その後姿には近寄りがたい鬼気の様なものを纏っていたから。
「…あたしの住んでいた世界にいる…気紛れな神様が言いやがったんだ。
この遊戯を始めるにあたり、本来“かごめ”になる筈だった魂を持って生まれた者を連れてくる、って。
お前がなる筈だったもうひとつの可能性を見せてやる、とかほざきやがってな…!」
かごめは前へ前へと這いずりながら、全身から絞り出すかのような声で応える。
「冗談じゃない…!
したり顔の神の“予定”なんてあたしの知ったことじゃない…!
あたしはあたし…ユルールはユルールじゃないか…だから!」
壁に体を押し付けるようにして、立ち上がりながら…彼女はなお言葉を紡ぐことをやめようとしない。
「決めてたんだよ、あたしは…!
ユルールが自分の総てを賭けてあたしに挑戦してきたそのときは…あたしも“藤野かごめ”という一個の存在として向き合ってやるんだって…!
あたしは…あたし達は…「神様」如きの退屈を紛らわせるための玩具じゃないんだッ!!」
言葉が終わりきらぬうちに、その体が再び床へと滑り落ちようとする。
しかし、その直前で一人の少女がその体を受け止めていた。
思いもしなかったその人物の登場に、顔色を変える文。
「…悪いね…立ち聞きをするつもりはなかったんだけど」
真剣な表情のまま、その少女…黒谷ヤマメはかごめに自分の肩を貸して立たせる。
「ヤマメ…お前、どうしてここに」
「偶々だよ。
でも…気にはなってたんだ。
あのお空の攻撃を受けた状態で、本当にけろっとしてられるのか、ってね」
それに、と彼女は言葉を続ける。
「私も久しぶりに他人の言葉に心を動かされた。
差し出がましいことかもしれないし、それに…かなり危険は伴うけど…一時的にならこの症状を抑えることも私には可能だと思う」
「…!
確かに、お前の力ならそれも可能か…だが」
勇儀はその申し出に苦渋をにじませる。
「私の能力は「伝染病を操る能力」。
けど、それに関連した毒の知識もそれなりに持ってる。
…日陰茸の毒を使えば、一時的に全身の感覚を曖昧にして、気付けくらいの役には立てる筈だよ…!!」
「ちょっと!
そんなことをしたら…!!」
その提言に文は血相を変える。
日陰茸の毒…文は永遠亭を取材した際、八意永琳が作ったというある薬の素材として使われていることを知っていた。
臓腑を開いての治療、即ち「手術」を行う際に、対象となる者を仮死状態にする為の薬の材料として使われるそれは…過って過剰に投与されれば人妖の別なくその精神を狂わせ、死に至らずとも地獄の苦しみを残す猛毒であると。
まして、今のかごめはマトモな状態ではない。
その状態でそのようなモノを投与された場合…文ならずとも、最悪の予感が脳裏をよぎるのも当然だったが。
「……義の塩、というわけか。
有難い…やってくれ」
「かごめ!」
血相を変える文を、勇儀は制する。
最早、かごめを止める気は彼女にはないのだろう。
「…後悔はしないね?」
ヤマメの最後の確認に、かごめは頷いた。
……
…
ラウンドFINAL(7.20)
自分(カゴメ)
レミリア(クロバット@ピントレンズ)、チルノ(グレイシア@気合のハチマキ)、あや(ムクホーク@気合のタスキ)、さくや(ヘルガー@のん気のお香)、めーりん(ギャラドス@ソクノの実)、ルーミア(ゲンガー@ヤタピの実)
相手(ユルール)
ナティウス(オオスバメ@命の珠)、ドラゴン(ボーマンダ@ヤチェの実)、アッシュ(ルカリオ@拳のプレート)、ミノ(ケンタロス@拘りハチマキ)、ツララ(ユキメノコ@気合のタスキ)、レモン(ポリゴンZ@達人の帯)
さとり「ということでここから少し解説が混じりますよっと」
早苗「( ̄□ ̄;)えちょ!!
なんかすごいのっぴきならない事態になってますよねねえ!!
いくら私でもここは空気を読むべきではないかと」
さとり「ですがねえ…まあ確かに一進一退の総力戦でしたので紹介だの解説だの入れる必要は必ずしもないのですがねー。
ぶっちゃけると、徹頭徹尾こういうブレイク抜きでやるだけの気概が狐に残っていなかったと」
早苗「( ̄□ ̄;)おいィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィ!!」
さとり「まー基本的に要所で端折るところで私達で乱入させる形にはなると思います。
正直な話、ログですんで1ターンごとの推移とかまで細かく作るとどうもなんか狐が気にくわないらしいので」
早苗「そういうモノなんでしょうか…?」
さとり「あと、かごめさんの体にかなりの爆弾を抱えている話も、此処で触れておきたかったようですので、前置きがあんな感じになってるわけですよ。
何故狐補正が最大限かかる筈の彼女が、ポケモンとしては御世辞にも実力があるとは言い切れないブースターなのか、その辺りの回答という意味合いも兼ねているようですね。
代わりに娘さんの方が自重せず凶悪ですが」
早苗「つぐみちゃん…そう言えばサンダースでしたね、あの子。
確かにブイズの中では最も汎用性利くし、まして130族のスピードがありますからねー」
さとり「言い方は悪いですが、ブースターとサンダースという違いが、現在の彼女たちの力の差のひとつの目安として提示する意味合いもあるようですね。
もっとも…この時点ではつぐみもそれほど能力が高いとは…(当時のつぐみはS20、しかも性格は素早さ無補正)」
早苗「いやもうその辺で先進めましょう!キリないですから!!><」
さとり「初手はレミリアさんと、ユルールさんが古くから主力として頼みとしているオオスバメのナティウスですね。
あの子は本当にいい子ですね、しかもユルールさんはあの子を本当に大切に育てていることがよく解ります」
早苗「そうですか流石心を読む能力すごいですね(棒読み)」
さとり「それほどでもありません(ドヤッ)
…まーとにかく、相手の方が素早さが高い上、タイプ一致の高威力恩返しがあるので美鈴さんの威嚇で攻撃力を殺ぎにかかるのですが…」
♪BGM 「戦乱 荒れ狂う波浪の果て」/古代 祐三(世界中の迷宮3 星海の来訪者)♪
ナティウスは恩返しの構え!
美鈴「(ちっ…!
私の気で気当たりを起こしているのに、この威力…!!)」
ユルール「ナティウス、もう一撃よっ!
そのひとに舞わせる余裕を持たせては駄目ッ!!」
レミリアとかごめはわずかに視線を交わして頷きあう
かごめ「美鈴、下がれ!
ルーミア、あの鳥公はお前に任せる!必ず撃ち落とせ!」
ルーミアは一瞬だけ、かごめを見て悲しそうな顔をする
しかし…
ルーミア「(そうだ…今はそんなこと考えてる場合じゃない…!
そんなこと気にしてたら、きっとかごめは怒る…今の事だけを考えなきゃ!)
うん!任されたのかー!!」
放たれた一撃は闇と化したルーミアの体をすり抜け、空しく空を切る…
マタン「…出て来たみたいだね…やっぱりあの子!」
ユーリ「ポケモンとしての基本で言うならば、ゲンガーよりオオスバメの方が速い筈だ…だが」
マタン「どうやって越すって言うのさ?
ブレイブバードがあれば…カムラの実だっけ?例え持っててもそんなモノを発動する余裕なんて」
ユーリ「私も私で個人的に色々調べてみたが…マタン、ポケモンの「性格」は知っているだろう?」
マタン「…う、うん一応は…うろ覚えだけど」
ユーリ「性格で対応した能力値が上昇補正を持っている場合、その補正値は無補正の一割増し。
あのオオスバメは確かに速い…が、確か素早さの補正はかかっていないはずだ。
それに…スピードそのものはツララの方が速い筈」
マタン「えっ…!?」
ユーリ「ロコよ、お前の中には確かポケモンの種族数値のデータも入っていたな?
ゲンガーとユキメノコの素早さ種族値は同等…それでよい筈だな?」
ロコ「…検索結果…ユーリサンノオッシャル通リデス。
仮ニルーミアサンガ最速補正性格デアルナラ、ナティウスニ先手ヲ取ルコトハ100%アリエマセン」
マタン「なっ!!」
ユルール「オオスバメとゲンガーならオオスバメの方が速い筈…だったら!
ナティウス!ブレイブバードッ!!」
マタン「ダメだユルール!その子をひっこめるんだあああああああああッ!!」
その視線の先…
ルーミアの周囲に黒い稲妻が渦を巻く…!
ルーミア「…気づくのが遅かったね…!
貫け、月の閃光!月符“ムーンライトレイ”!!」
ルーミアの放った幾条もの光線がナティウスを貫く!
ルーミアは10万ボルトの構え!
致命的な致命傷!
ナティウスはひっそり裏世界で幕を閉じた…
ユルール「そん…な…!」
ローズマリー「まさか…読み違えたのか!?」
バーミセリ「さて、どうだろうな。
やはりどうしても、本気で勝負するとなれば向こうに一日の長があることは間違いあるまい。
…だが」
ラ・ターシュ「ああ、まだ巻き返しの手はある。
相手が押してくるなら引き、引かば押す。
今のユルールならきっとそれが出来る筈だ…!」
さとり「…まあこの辺り実は予想なんですけど」
早苗「まあ以前先方で上げられていた手持ちの個体値とかから類推してたんでしたっけ?」
さとり「もあるんですけどねー。
因みに厳密に計算した場合、補正最速ゲンガーは、最速のオオスバメでも無補正性格なら追い越してしまいますよ」
早苗「( ̄□ ̄;)マジですか!?」
さとり「マジです。
レベル50で計算した場合最速極振りでも無補正だとオオスバメの素早さは177にしかなりませんし、一方補正最速極振りゲンガーの素早さは178です。
この域では素早さ補正性格が重要になるという好例ですね」
早苗「1割の補正値の差って結構大きいんですねー…勉強になります><」
さとり「ついでに言えばオオスバメはブレバを自力習得しません。
タマゴ技なのでそのあたり勘違いなきよう。
要はナティウスは捕獲して育てたオオスバメということだからブレバを持っていないということなんですけどねー」
早苗「もう何でもありですかこのログ」
さとり「さて、主力…と言ってもお互い主力だらけの戦闘なので、まあ先手というべきなんですかね。
兎に角先手を退けられてしまったので、ユルールさんは耐久力にも定評のあるボーマンダの噛み砕くで巻き返しを図りますが…」
咲夜「悪いけど、此処で流れを止めるわけにはいかないわ。
…今こそ、この技の封印を解く!」
♪BGM 「フラワリングナイト」(東方花映塚)♪
咲夜「ファイナルサクヤが一人二人三人…ファイナル分身!!」
咲夜はファイナル影分身の構え!
咲夜の分身がファイナル出現した!!
マタン「…ただの…影分身?」
ユーリ「……そのようにしか見えぬが」
咲夜「この技は最近里に住みついたファイナル信念を持つ騎士から譲り受けた技。
このファイナル信念に満ち溢れた技を見切ることはファイナル不可能よ」
美鈴「えー…えーっと…アレは一体!?^^;」
レミリア「あー、貴方は知らなかったのね。
なんか最近里にヘンな騎士が住みついたらしくってねー。
有頂天のブロントさんとはまたファイナル違ったふいんき(ryをもつそのファイナル騎士になんかえらい影響をファイナル受けて来たと見えてねえ…」
美鈴「(え…なんか口癖になってる!?)」
ユルール「うっ…なんかよく解らないけど、そんなもので惑わされたりしないんだから…!
ドラゴン、アクアテール!」
ドラゴンはアクアテールの構え!
しかし咲夜には全く当たりもしない!!
ユルール「っ!?」
咲夜「何処を狙っているのかしら!?
…こっちからも行くわよ…鎖されろ、“プライベートスクウェア”!!」
咲夜は不意打ちの構え!
機先を制されたがドラゴンはひるまずアクアテールを繰り出す…が全く当たる気配がない…
マタン「まさか…いくらアクアテールの命中に難があるからって…影分身だけであんなに当たらないなんてことあるの!?」
ユーリ「光の粉…いや、この香気は!」
ロコ「(ピピピ…)…検出結果出マス…コノ香気ニハ五感ヲ狂ワセル成分ガ含マレテイマス。
恐ラクハ「のん気のお香」トイウアイテムニヨルモノト思ワレマス」
ユーリ「光の粉と同等の効果を持つアイテムか…厄介な…!」
さとり「そのあともことごとくアクアテールを回避しまくって、そのまま波動連打で早くも2体目を落として優位に立ちます」
早苗「アクアテールって確かに命中良くはないですけど…分身一回でそんなに回避できるものなんですか?」
さとり「粉補正影分身は狂性能と名高い初代赤緑のそれに匹敵する性能ですからねえ…。
ほぼ回避率2段階上がってるようなものですし、まあ現在は一発目だけですけど」
早苗「それでも十分危険ですから^;」
さとり「…さて、この辺りで区切りになりますかね。
現在のところはこちらが有利ですが、此処からいよいよユルールさんの巻き返しがかかりますよ」
早苗「ここからが色々熱い展開も多くなってくるんですよねー。
わくわくします^^^」
さとり「というわけで後半もいただきです(キリッ)」
早苗「( ̄□ ̄;)ちょ!ザブングルですか!!」