〜秋葉神社新年会場という名の収録スタジオ〜


♪BGM 「遠野幻想物語」(東方妖々夢)♪


小町「あーどうも、引き続きあたいです。
  ここから後半戦をお送りいたします」
椛「しかしアレですよね、いくら年末の面倒な時期だったとはいえ年明けてからログにまとめるとか。
 今回はペースとしては歴代でもかなり早い方だとは思うんですけど。つか対戦から1カ月以内にログ化した対戦っていったい何件存在するんですかね(しろめ
小町「そんなメタい話ばかり言っちゃいかんよ、前回もだけどそういうメタい話ばかりすると地底の紅いなんかg」

小町がちらと視線を移した先ではさとりがスキマに激しく抵抗する何かを突っ込んでいる様子が見える…どうやらそれはみとりの足の様だ

小町「…まあいいか」
椛「まあいいかって本当にいいんですかアレ?」
小町「こういうのは気にしたら負けだって言うじゃないか。
  なんか面倒なことになる前に本編行ってみようか」



ラウンド1
例の天狗(ムクホーク@拘りスカーフ) ロキ(バンギラス@達人の帯)
控え:てゐ(チラチーノ@王者の印) マミゾウ(オオタチ@拘り鉢巻) さとり(サーナイト@食べ残し) 幽香様(フシギバナ@ラムの実)
相手
ローズマリー(ミミロップ@多分ジュエルか何かだと思う) アルテミス(ピクシー@命の珠だったっぽい) オルトロス(ブースター@どくどくだま)
相手控え:酒場で一番萌えると定評のあるウロビトさん、新作に出た割に出番のないあゆむ()、悪戯心遊牧民


椛「今更かもしれないけど、なんつーか相手控えの記述が最近酷いですね、いろんな意味で」
小町「まあ過去ログで登場した奴らに関してだけど。
  念の為補足しておくと相手控えはキレイハナ、エーフィ、エルフーン、こっちの最期の控えが兎詐欺だね。
  まあここはいろんな意味でネタだらけだった気がするが」
椛「私達の方はもうなんというか、古参の実力者ばかり寄り集まったみたいな感じに見えますけどー…」





文は最高最速のインファイトの構え!
相手のミミロップをズタズタにした!!

ローズマリー「うそ…だろ…?
      先手、取られんのかよ…ちくしょう…!」

かごめ「向こうさん今頃大混乱だろうな。
   種族値上はミミロップの方が速いが、スカーフムクホはテンプレとはいえ止まらなければそれまでだしな
諏訪子「此間見事に出オチしたけどなwwwww
   つーかスカーフムクホは先頭におくモノであって死に出しから投入するもんじゃねえって。
   ついでに言えばメタグロスにぶつけるようなもんでもねえ、選択ミスにも程がある」
かごめ「ごもっともで」

テトラ「えーちょっとなんかこれも言い飽きた気がするけどなんなんですかアレ!なんなんですかアレー!!><」
ユルール「って言うかこれ実はムクホーク相手だと打つ手なしとか言いませんか!?
    どう考えても相手選出余裕でしたレベルじゃないですかやだー!!><」
アルテミス「ったくあんた達は…しゃあないわね、正直どうにもならない気がするけどちょっと行ってくるわ」


ロキ「おいそこの天狗、このままあっさり決めてしまっては面白みも何ともないぞ。
  折角だ、たまにはこの私に出番を譲ってもらえんか?」
文「あやっ?
 ううむ…私としても愛しの椛がみてる手前もう少しいい格好をしておきたかったのですがー…うーん(チラッチラッ
ロキ「……解った解った、別に肢体を晒す事に今更抵抗するほどウブではないわ。
  後日その機会を設けてやる、それで良かろう?」
文「(きゅぴーん!)あやっ、流石は音に聞こえる魔界の大公!器の大きいことで!
 商談成立といたしましょうか!」
リリカ「( ̄□ ̄;)えーっそれでいいのかよあんたら!?」

ロキが場に現れたことで砂嵐が巻き起こる!

テトラ「( ̄□ ̄;)ひゃあああああもっと面倒くさいひとがー!!!」
アルテミス「ったく面倒くさいわねぇー本当に…魔王だか何だか知らないけどこれでも喰らえッ!」

アルテミスは冷凍ビームの構え!

ロキ「ふん…人間としてはそこそこの魔力だが、その程度の物など避けるまでもな…」

冷凍ビームを受けたロキは徐々に凍り始めている…?

リリカ「( ̄□ ̄;)えちょおま」
かごめ「おいィ…何やってんだあんたは…(頭を抱えている」

ロキは冷凍ビームの効果で凍りついてしまった!

アルテミス「あら、クチの割には他愛もないじゃない」
テトラ「きたー凍りキター!!!\(^0^)/」
アルテミス「まだ勝ったわけじゃないでしょうに…けど、砂嵐補正の入ったバンギラスは流石に無理そうね。
     ここはそこのワンちゃんに頑張ってもらうしかないわね」
オルトロス「オレサマ、イヌチガウ><
     ダガ、チャンスハワカッタ、ガルルルル!!」
テトラ「おおっオルトロスちゃんがやる気十分だ!?
   だったらいっけー!!><」

オルトロスは魔界の瘴気を纏った馬鹿力で突進してくる!!

かごめ「( ̄□ ̄;)うへえ根性ブースターかよ!?
   流石にあんなもん食らったらいくらバンギの耐久でもひとたまりもねえぞ」
ロキ「ククク…私も舐められたものだ…この程度の氷など!」
かごめ「んん!?」


ロキの表面を覆っているぶ厚い氷にひびが走る!


「この程度で私を止めたと思っているとは片腹痛いわあああああああああ!!m9( ゚д゚ )」


♪BGM 「夜が降りてくる」(緋想天)♪


ロキは馬鹿力で氷を吹き飛ばしてそのままオルトロスを殴り飛ばした!!
致命的な致命傷!!
相手の犬はアワレに吹っ飛ばされた!!!


テトラ&ユルール「( ̄□ ̄;)うっそおおおおおおおおおおおおおおおおおおおん!?」
ケルベロス「( ̄□ ̄;)ウオオオオオオオオオ!?オトウトヨオオオオオオオオオオオオオオ!!??」

アルテミス「…うっわやっべ、アッタマ痛くなってきた」
レモン「最後まで責任は取るんだよね…ね?(にたにた」
アルテミス「あんた何が言いたいわけ?(イラッ」
レモン「ぶぇ〜つぅ〜にぃ〜?(にたにた」





椛「まさか凍ったと思ったら次のターンで動き始めてたとか誰が予想できるんですかこんなの
小町「凍りは本気で酷いからね色々と。
  眠りは最低1ターン持続するけど、凍りはそれすらないからね。
  その代わり、凍りは持続ターンに上限がないらしくて、酷い例では20ターン以上凍ったままという事例があるらしい」
椛「その場合融ける前に攻撃されて終わってたりしますよね」
小町「まあ大抵はね。
  あと自ら破る手段とか、破られる条件も巷にあふれてるしね。炎技どころか熱湯受けても解除されるし、こっちからオバヒとか熱湯とか撃っても解除されるし」
椛「結局こっちからは文さんとロキさんどちらが出ても基本的にどうにもならなかったというか」
小町「そうでもないな、初手のタイマンでこちらがロキだと分の悪い読みを強いられる。
  なにしろ飛び蹴りだと致命傷だろうし、こっちの手持ちで受けられるのがさとりと幽香さんしかいないのに、選んだメンバーは格闘が一貫して通るからね。
  向こうも向こうで文の一貫性が酷いというかブレバ打ってるだけで3タテできるという酷い話で…それが解ったから文だったんだけど」
椛「勝てる勝負だからと言ってもう本当に終始口の端にやにやしっぱなしであの方はもー><
 …はたてさん写真撮ってなかったかな、あの飛び立つ瞬間だけ格好良かったし(ぼそっ」
小町「お前それでいいのかよ^^;」









テトラ「なんかもう久しぶりにどうにもならない何かを見ました(しろめ」
ユルール「…にしてもあれだけずらっとおっかないひとたちが並んでると、もう一人二人混ざってないとおかしい系の人もいた気がするけどねえ…」
テトラ「ああ…勇儀さんとか勇儀さんとか勇儀さんとか…
ユルール「えちょあんたもそれをやるんかい^^;
    勇儀さんも当然だけど、最近アリスさんを見掛けないから必然的に見なくなった神綺さんとか魅魔さんとか」
テトラ「おっかない人ばっかりじゃないですかやだー!!><
   …でも、そんなひと達と実際、私達がこうやって同じ立場で競い合ってるのもなんだか不思議な気がします」
ユルール「そうね、この事にいったいどんな意味があるのか、まだ分からない事も多いけど…きっとMZD(神様)は、パーティを開くのと同じ感覚で同じようにワイワイみんなで楽しみたいだけなんじゃないかって、そう思うんだよ。
    最初はきっと、ある特定の誰かさんのためだったのかもしれないけど」


「そうかも知れないわね」


♪BGM 「死霊の夜桜」(東方神霊廟)♪


その声に振りかえると、そこには思いもしなかった人物がいた。
何故か頭には兎の耳の様なものをくっつけてはいたが…淡い水色を基調とした着物を纏う、穏やかな表情を浮かべる桜色の髪の女性は紛れもなく、彼女らも知る白玉楼の主。

「幽々子さん!?
どうしたんですか一体、こんなところで…それに、その頭のそれ」
「ああこれ?
そういえば言ってなかったかしらね、妖夢が今アーモロードに居るように、私も短い間だけどかごめちゃんにくっついて、タルシスへ行っていたのよ。
色々あって、イクサビトさん達のところでお世話になってたら身体が影響を受けたみたいで」

ロップイヤーの兎耳を玩びながら笑う幽々子。
目を引くといえば、腰には愛用してると思しき扇子とともに、ひと振りの大太刀が佩かれている。

「…それより、どうしてこちらに?
今まだアリスさんも帰って来てないということで、アリスさん達と一緒に居る人は最近観戦にも来てなかった気がしましたけど」
「アリスがいない以上逐一偵察に来てもしょうがない、なんて慧音や永琳は言うんだけどね。
あの子達はまだそういう妙なこだわりを持ってるみたいね…まあ、ぶっちゃけ私なんて楽しめればそれで構わないクチだし、その為に手段を選んでないだけよ。
だから、かごめちゃんの口車に乗ってアリスのいない間はリリカと組ませてもらうことにした、それだけの話よ」
「えちょ、それ本気ですか!?」
「ええ。次辺りで出番があるかも知れないわ。お手柔らかにね二人とも」

ええ〜、と一瞬わざと嫌そうな顔を見せる二人だったが、その笑顔につられて言葉を返そうとしたそのときだった。


背後で轟音が響き、魂を揺さぶるような獣の咆哮が木霊する。


そして、凄まじい殺気を放つ巨躯の赤熊が三人の眼の前に姿を露わした!


「ひゃああああああああ!!?」
「コイツ、樹海に居たあの熊…何故こんなところに!?
下がってて二人とも!」

突然の出来事に狼狽する二人を庇うように、抜刀の体勢を取り幽々子は熊と対峙する。
そして、そのまま咆哮とともにイクサビトの戦闘形態…「羅刹」を発動させて熊との間合いを詰める。

目の前の女性が放つ闘気に反応し、熊はそれを標的と定めてその剛腕を力任せに振りおろしてきた…!






「何?
テトラ達がまだ来ていないだと?」

かごめはざわめく相手サイド側の様子にただならぬものを感じたのか、誰何する。
困ったような表情で頷くマタン。

「うん…。
MZDがまた新しいモンスターを連れて来たって話で…次はそれを出そうって話になって連れに行ったんだけど」
「以前連れてきた森の熊とはまた異なる熊だとは聞いた。
私としても、そのような怪物を何の準備も保険もなくおいそれと連れてくるのも正直どうかとは釘を刺しておいたんだが…」

渋い顔のユーリ。

「そりゃあ大概のバケモノ熊程度ならあたしらは相手できるが…それを扱うのはあくまでテトラやユルールだって忘れてるんじゃねえだろうなあの馬鹿。
まあ確かにユルールの魔物使い(モンスターテイマー)としての力量はあたしも知ってるが、限度ってあるわな」
「そういえば私達の所も、まだあのひとが来てないよね、幽々子さん」
「あーあのお嬢ものんびりしてっからなぁ。
…しゃあない、ちょっと探しに」

そのとき、異様な気配を感じたかごめとユーリ。
一拍遅れて、そこに居合わせているアルマムーンの将軍たちもそれぞれの獲物に手をかける。

そこへ、観客席の所からユルール達が姿を見せて叫ぶ。


「大変!大変なんです!
熊が…樹海から来たらしい熊が急に暴れ出して、幽々子さんが!!」



呆気にとられる間もなく、凄まじい殺気と闘気を放ちながらふたつの影がフィールドへ躍り出る!!


♪BGM 「ボーダーオブライフ」(東方妖々夢)♪

「お嬢!」

後ろ向きに飛び出してくる幽々子の、左の袖が肩口からバッサリと切り裂かれている。
肩口に手傷を負ったのか、僅かに顔をしかめてそれを押さえながらも、彼女はかごめへ不敵な笑みを投げかけながら言い放つ。

「このまま対戦に移るわ!
こいつを一度大人しくさせるよりも、その方が効率はいいでしょう!?」

着地しながらその袖を破り、獰猛な咆哮と共に振りおろされる爪の一撃を飛び退いてかわしながらそれを己の肩へ器用にまきつけていく。
亡霊から樹霊へと化して実体を得て間もない故か、彼女とて十全に今の状態に馴染んでいたわけではないだろう…が、それでも彼女の持つ戦闘能力の高さは、深手を負いながらもまだ致命打を受けるまでに至っていない。

それだけではない…熊もまた、既に片目を潰されている状態だった。
恐らく彼女は、機先を制してこの巨熊を仕留めようとしたところで、思わぬ反撃を受けて今の状況が生まれてしまったのかもしれない。

「…やってくれやがるなあ。
しゃあない、アレだと多分じり貧になる。熊が次の攻撃スカったらあたしが止めを刺すぞ」
「えっ!?
で、でもアレを止めて仕切り直しした方がいいんじゃ」
「こいつを暴れさせた黒幕を見つけてとっちめるのもまとめて後回しだ!!」

そして縦横無尽に振り回される爪の乱舞をかわすが、最後バランスを崩した幽々子が地面を転がり立ち上がろうとするその瞬間。

「そのまま伏せろ、お嬢ッ!!」

上空の視界を駆け抜ける黒い疾風。
大上段に切っ先を振りかぶるかごめの雲耀の太刀が裂帛の気合とともに、その巨躯を切り裂き吹き飛ばした!



ラウンド1
ゆゆ様(ハッサム@鋼鉄プレート) かごめ者(ウインディ@パワフルハーブ) よしか(ズルズキン@拳のプレート)
控え:兎詐欺(チラチーノ@王者の印) はな者(ドレディア@奇跡の種) QB(フワライド@飛行のジュエル)
相手
獣王ベルゼルケル(仮)(バッフロン@オボンの実) ヘスティア(ムウマージ@) レモン(ポリゴン乙@)
相手控え:海賊のおっさん、ラプラス、コジョンド


小町「えーなんか最初からクライマックスの気配ですが年末最終ラウンドに移ります。
  まあ色々と説明しなきゃならんところもあるよね。ハッサムとかハッサムとかハッサムとか
椛「さゆッサムとか幻想だったんですね解ります(キリッ
 とはいえ、これはこれで一体どういうチョイスだったんですか」
小町「ゆっくり界隈でもストライクみょんって有名なネタだと思ったしなあ。
  実際あのみょんもストライクだったじゃないか」
椛「えー…なんかハッサムYYYとか見た記憶が無きにしも非ずなんですがー。
 というか、ハッサムなんていつの間に育てたんですか」
小町「以前のリングマもそうなんだけど、とりあえずA130前後のポケモンから戦闘能力も加味して選んでる感じで試行錯誤は色々とあるみたいでね。
  とはいっても厳選に手間のかかるブースターや、いくらなんでもあんまりなカイリキーとかは考慮してないわけだが」
椛「単純に種族値上の火力に拘らないで、特性込みも考慮に入れればいいんじゃないですかね?
 根性持ちとか」
小町「結局行きつく所はまたリングマになるんじゃないのかそれ。
  まあいいや、それはひとまず置いておいて初手からの推移だね。
  こちらはハッサム、向こうは獣王ベルゼルケルだが何故かアフロ水牛の対面になったが」
椛「不一致とはいえ補正全振り馬鹿力受けきられましたね」
小町「なんか知らんがバッフロンといいガルーラといい、中堅どころのアタッカーノーマルってH振りだけでも不一致格闘高火力耐えやがるねえ。
  そして防御もかなり高い筈のハッサムに対して被弾補正の入ったリベンジで同じくらい削られるという」
椛「相手はオボンも入りましたね、この応酬で一気に不利な展開に…」
小町「だねえ。反動があるから馬鹿力では落ちなくなっちまった。
  役割破壊でしか使わねえんだからジュエルで馬鹿力撃ってもいい気もするんだよね。そうすると万が一の時の火傷も怖いんだけど」
椛「悩ましいところですね。
 結局二人がかりでの撃破に相成りましたが」








吹き飛ばされ、壁に大穴をあけるほどの衝撃に熊は悶絶し、短い悲鳴とともにその場に昏倒し項垂れて動かなくなる。
相手が動かない事を確信したかごめが、違和感に気付いたのはそのときだった。

肩に走る鋭い痛み。
そして、指先に走る痺れ。

「…既に対戦に入っていると仰いましたわね。
悔しいですが、私の実力では正面切ってはとてもあなた方には勝ち目はない…故に、隙を突かせていただきましたわ。
……四方や、卑怯とは仰いませんわね?」
「お嬢!あんたなんて事を!」

険しい表情で、それでも不敵に笑みを作る、投刃を投げた体制のヘスティアに、血相を変えるミルフィーユ。
かごめは気にした風もなく、振り返る。

「…言葉通りだよ。
あたしは取り下げるつもりはない」
「然らば!」

投刃に塗られた神経毒は、本来なら人間が受ければ微量でもショック死しかねないほどの強力な代物だった。
元々毒に対する耐性がある吸血鬼相手とはいえ、それでも神経に影響を与え動きを鈍らせる程度の威力があることは…今のかごめの状態からも明らかだ。

ヘスティアは従者の制止を振り切って逆手に短刀を構え、高速で間合いを詰める…!


相手の弱体に乗じるその影の刃が、反応の鈍るかごめの身体を捕えようとしたその刹那。


♪BGM 「古きユアンシェン」(東方神霊廟)♪


「やらせんぞおおおおおおおおおおおおお!!!」


その間から割って入るように地面を砕き、何処かテンションの高い雄たけびと共に現れた不死の戦士がその前に出現する!!
一瞬渋い顔をしたかごめが遠目で確認していると、札を握り印を組む華扇の姿。

「…私の一存ではありませんよ?
その子を「起動」させる為にはどうしても私か、青娥の力が要りますからね」
「私も戦うぞおおおおおおおおお!!」

刃を肩口から脇腹辺りまで深々と通し…普通の人間なら即死していてもおかしくない状態でありながら、全く意に介した風もなく芳香が咆哮する。
想定外の出来事にヘスティアは呆気にとられるが、深々と突き立てられてしまった短刀はびくともしない。

「まさか…この娘、モノホンのゾンビ!?」
「私は偉大なる太子様の眠る大祀廟の門を守るために墓の下より生み出された戦士であああああるっ!!
よってこの程度の攻撃では私は死なないのだあああああああ!!どーだ参ったかああああああああああああああ!!?」

「いや参るも参らないも…調子狂いますわね〜…」

あまりにもあっけらかんと言い放つ、目の前の無駄に陽気な死体に流石のヘスティアも一瞬呆けてしまうが…それでも死体に特殊な方術をかけて造られたその肉は強靭さと弾力性に富み、深々と突き立てられた短刀を完全に食い込んで容易に抜けそうな気配がない。
麻痺の毒はこの短刀にもたっぷり塗り込んであったが、相手がゾンビとあれば効果はそれほど高くないことも明白。

「仕方ないわね……ここは私の素晴らしきダークマターの力に任せておくといいわ…!」

逡巡する背後ですさまじい魔力の波動が放たれているのに気付き、呆れと驚愕の綯交ぜになった表情を浮かべながらもヘスティアはその軌道線上から飛び退く。

「喰らいなさい…私のダークエーテルの輝きが生み出す絶対零度の光を!
エターナルフォースブリザード!!」


完全にイッた目で薄笑いすら浮かべるレモンが、フルパワーの冷凍ビームを芳香とかごめめがけて放つ!


「ったく…あいつらは…!」
「仕掛けたのは向こうさ。
あのお嬢もプライド高いから、かごめの言葉をアクシデントで消耗した状態で相手してやると受け取ってカチンと来たんだろうね。
…むしろそっちの方が相手するのおっかないんだけどねえ」
「んだな。これで決まってくれればいいんだが」

苦笑を隠せないバーミセリとラ・ターシュの二人。
冷凍ビームの直撃で二人のいる辺りに巨大な氷山を生み出す…が。


「効かん効かん効かーん!!
その程度で霊廟を守る戦士である私を止められはしないのだああああああああああ!!!」



その馬鹿力で氷山を粉砕する芳香。
そのまま猛然とレモンめがけて突進し始める!

「あれっ、そういえばあいつ何時の間にあんなスムーズに走れるようになったんだ?」
「…そういえば彼女、かなり時間をかけて修繕したらしいわね。
元のご主人様があんな感じだったから、流石にかわいそうになったらしくて、いやいやながら旧地獄や無縁塚で死体集めしたらしいわよ」
「ああ、華扇さんが改良してたんか。成程」

何時の間にかかごめは幽々子を庇う位置にまで移動している。
その近くに項垂れた熊は意識を取り戻したようだが、先ほどとは打って変わって大人しく座り込み、怯えているようにも見えた。

肩に深手を負った彼女を支えながら、その様子を見守る前でなおも、突進する芳香を留めようとヘスティアが投刃を投げつける様子が見える。

「……確か芳香の奴素早さ振ってねえよな。
まあ、異常入れれば祟り目の威力は上がるが、特防補正込みでHD基本の芳香に対して有効打になるとは思えねえ」

かごめは口の端を吊り上げる。


「まあ、ゲームセットって奴だ」


乱闘する三人娘の様子を余所に、かごめはそのままフィールドをあとにする。





かごめと、その後を追ってきた幽々子はその先に、本来いる筈もない人物の姿を見つける。

「一時はどうなるかと思ったけど、大事にならずに済んだみたいで何よりね」

そう言いながら二人に笑いかける神綺の傍らには、夢子にがっしりとヘッドロックをかけられ、観念したようにうなだれたままの黒髪の少女。
その特徴的な翼から、かごめ達は今回の黒幕と確信した。

「ああやっぱり、そこのメシウマの仕業か」
「ええ。
これだけ退屈で、なおかつ自分がハブられてると解ればこの子が黙っているなんて考えにくいもの。
…そこの亡霊さんみたいに素直に申し出れば、仲間に入れてくれたかもしれないのにね?」

呆れたように、なおかつ少しからかうようなニュアンスの言葉を投げかけられながらも、ぬえは無視を決め込んでいる様子だ。
虎の子である正体不明の力で誤魔化す事も、勿論逃げだす事も出来ぬ現状での、最後の抵抗と言ったところだろうか。

「この子は私が責任もって命蓮寺へ返しに行くわ。
本当は少しでもゆっくりしていきたかったところだけど、ちょっとやる事が立て込んでるからね。
……今度来るときは、あなたたちとも一戦交えてみたいものだわ」
「あら、お言葉を返すようだけど、あなたが来るとなれば私とは無理なんじゃないかしら。
…まあ、相手さんの意思次第ではいくらでもその辺りどうにかなりそうな気もするけどね」

そうね、と笑いながら三人の姿は少しずつ空間に溶けていく。


「ごきげんよう、たまには、私の城にも遊びに来て頂戴。
歓迎するわよ」








椛「相手のムウマージは少し変わった型でしたが…というか、これでもう把握してるだけで相手のマージが4種類になりましたね」
小町「言われてみりゃそうだねえ。
  控えにマージがいるとそれだけで四種類分の受けを考えておかないとならなくなるし、そこが面倒だねえ。
  今回のはシャドウバイトというか夜賊補正を意識した祟り目を採用したタイプだが…一見ネタっぽく見えても、豊富な異常撒き技から一致祟り目は結構笑えないよね」
椛「ムウマージは混乱と呪いまで含めると5種類の異常が撒けますからね
小町「祟り目の適用だけ考えても3種類だから、まあほぼすべてのポケモンに何らかの異常は入れられると考えていいね。
  こういうの相手にするとマジックガードが欲しくなるわけだが」
椛「素早さは考慮外としてD特化でビルドレするズキンなら、特性は脱皮の方が良かった気もするんですけどその辺どうなんでしょうか」
小町「耐久寄りの過剰ビルドレズキンだっていないわけじゃないし、いいんじゃないのかな。
  ただ、性質的に猛毒貰うと確かに厳しいんだけど」
椛「実はカウンターも遺伝させてあるんですけど、使う機会あるか結構謎ですしね。
 ラム+身代わりという線も考えてもいいのではないでしょうか」
小町「なんかいやに実戦的というか…まあ確かに一理あるけどねえ」


小町「というわけで年末分はここまでだね。
  なんか色々作りまくった割には、まったく出てこれてなかったりだったら何のために厳選したのか解らん奴もいたけど」
椛「文様情報によれば、なんでもそのタブンネの厳選副産物をまたしてもリークしやがったらしいですね。
 そんなもんホイホイと対戦相手に押し付けるもんですかね? シャア大佐だってそのせいで結局負けたようなもんじゃないですか」
小町「おまいさんガンダムシリーズの敵役になんか恨みでもあるのかい?^^;
  まあいいじゃないか、実はマルスケカイリューだって向こうからもらったのから作られているわけだし、持ちつ持たれつってことさ。
  勝ち負けにこだわるよりも純粋に楽しんで対戦する為にやってるんだからさ」
椛「たまにそんな建前頭から忘れてるような事もある気すんですけどねえ」
小町「…なんか今回本当にクチを開けば毒ばっかだなあんた。
  兎に角今回はお開きだから、まあ酒でも飲みながら嫌なこと全部ここで吐き出しちまいなよ?
  話し相手くらいにはなるから、ね?」