さとり(泥酔)「あ〜もうやってられませんっての〜。
あたしはお空といちゃいちゃする系の仕事だけしてるから後はもう勝手にやってくださいよぅ('A`)」
神子「う…うわあものの数分目を離した隙にどんだけの事になってんですか^^;」
天子「あらま、たまに面白いことでもないかと思って秋神からかいに来て見ればなんか面白そうなことになってるわねえ。
いつも解説してる連中は向こうでなんかしてるし。っていうかあの妖夢何があったの超ウケるんですけど^^^」
神子「( ̄□ ̄;)うわあこっちも何時の間に!
というかいくら天人のあなたでも神様を遊び相手とか感心しない発言ですよ。
それに、あなた本来私達と組んでるわけじゃないですよね? いいんですかこんなところにホイホイ顔出して」
天子「いいじゃないのそんな細かいこと。
私は別にそういうのにはこだわらないの。むしろ面白そうな事が目の前に転がってるのに、みすみすやり過ごすなんてもったいないの極致だわ。
天の与うるものを受けざるは却ってその咎を受く、ってね」
神子「それは屁理屈というものでは…(小声)成程、衣玖さんがこの娘を嫌う理由が少しわかりますね」
天子「連中と一緒に妖夢の痴態を眺めて飲むのも面白そうだけど、アリスなんてなんでか私を絡ませてくれないから私いっぺん解説とかしてみたかったのよねー♪
決めた! ラスト1発だけだけど私する! というか私が助太刀した試合だし!!」
神子「( ̄□ ̄;)ちょおま!」
かごめ「まあ気にしない気にしない、というか断ると後面倒だし好きにやらせてやんなよ。
さとりの始末はあたしらでするから(ニタァ」
神子「( ̄□ ̄;)いやそれはいいですけどなんですかその悪い顔! またなんか悪い事企んでるでしょあなた!!」
天子「かごめがこういう顔してるときは下手に深入りしない方が無難だと思うけどねえ(目を逸らす
まあ許可が出たところで前置きにどうでもいい蘊蓄をひとつ。
「じゃリン子チエ」の話が出てきてたけど、あの漫画に時々「ばくだん」って酒が出てくるよね。
かの作品最強の大トラ・百合根光三(お好み焼屋「堅気屋」のおっちゃん)の起爆剤にもなる恐怖の酒なんだけど…」
神子「はぁ、それがどうしたんですか?」
神子「実はあの酒に関して、特定のモデルってないそうよ。
ただ、強いて言えばモチーフになったと思しきものがあるの。それが戦後の闇市に横流しされて売られていた、甘藷から生成された工業用アルコール…醸造の過程でわざとメタノールを混ぜたシロモノ、これを「バクダン」って呼んだらしいわ。
こいつを飲んで目を潰したり、最悪死人も出たという話よ」
神子「ふむ…戦後混乱期とはいえ穏やかな話ではありませんね。
そもそも、メタノールってどういうことなんです? これも確かアルコールの一種では?」
天子「その辺は専門的な話になるから割愛するけど…いわゆる飲料となるアルコールはエタノールの方。
簡単にだけ説明すると、メタノールは加水分解・酸化反応によってホルムアルデヒドを経て最終生成物の蟻酸に変わるわ。その蟻酸が人体にとって極めて有毒なの。もっとも、エタノールが加水分解されて生成されるアセトアルデヒドも十分過ぎる猛毒なんだけどね」
神子「穿った見方をすれば、酒飲みはよくもまあ好き好んでそんな猛毒飲みますよね」
天子「毒転じて薬と成す、毒を以て毒を制すという諺もあるわ。
そもそも酒はアルコールだけで出来てるわけじゃないでしょ?
…さて、かごめの事だしどうせ純米吟醸以上しかもって来てないわよね。一本失敬してこようかしら♪」
このラウンドに救いはないんですか!?
我の手持ちですなwww
てんこさん(ジーランス@弱点保険)/ナズーリン(ライチュウ@風船)/??(歪みねぇルチャブル@たくましいパワフルハーブwww)
控えですぞwwww:ゴチルゼル、ロズレイド、フライゴン
相手の手持ちですぞwwww
ルシエド(アブソル@気合いのタスキ…だと思う)/やっこ(ハピナス@ラムの実)/アルテミス(ピクシー@こいつを見たら珠を疑った方が早いレベルだが、さて)
控えですぞwwww:ラプラス、ニダンギル、オンバーン
天子「それじゃあ一発行ってみましょうかね!
VTRへ移る前に軽く触れちゃっておくわ。先ず私なんだけど、弱保発動からの石頭諸刃で確実にクソカンガルーを叩き潰す程度の調整がしてあるわ。
実はジーランスというポケモン、ごつそうな見た目通り水タイプとしてはBは高い部類に入るし、プラス、HPも100あるので無振りでもVならH175B150という実数値になるわ。メガガルーラが陽気ASなら親子愛からの地震を確定でワンセット耐えるのよね実は」
かごめ「(メモを差し出す)」
神子「(メモを受け取る)へえ、最大ダメージが159しかいかないんですね。
意地っ張りでもギリギリ確定2なんですね」
天子「因みに返しの弱点保険発動諸刃がH振りまで確定一発、ただ私は謙虚だからA28なんだけど計算上ではほぼ変わらない結果が出ているの。
ガルーラは猫だまし持ち・不意打ち持ちも多いから安定はしないのが難点だけど…最近は地震を切って役割破壊用の特殊技を入れている場合も多いし、少しS調整しててHPに76ほど振ってあるわ。ロッカ一発で最速アロー抜き調整よ」
神子「ふむう、屠自古の話では、加速からの調整先としては大体130族抜き以上がメジャーともよく聞くんですが」
天子「メジャーな素早さ調整は下から110族抜き、スカーフバンギ抜き、115族抜き、130族抜き、スカーフ70族抜き、マルマイン抜き、スカーフ80族抜き、スカーフ100族抜き、スカガブ抜き、スカーフラティ抜き…こんなあたりでしょうね。
大体面倒くさい高速アタッカーがいる辺りが調整先になる事が多いわね。私は基本的にガルーラと、裏にいるだろうアローを面倒見るのが仕事になるだろうしね。
陽気親子愛猫だましとグロパン、意地っぱ鉢巻ブレバをきれいにワンセット耐えるわ。あの並びを始末する為の調整、と言い換えてもいいわね。急所は知らない(キリッ」
神子「じゃあロックカットいらないじゃないですか」
天子「連中がいないときとかはこれで全抜き狙うのよ。
こっちは特性で諸刃の反動もないからね。一致諸刃の破壊力がどれだけ恐ろしいかなんて、今更説明するまでもないでしょ?」
神子「ふむ…ギルガルドに完全有利か解りませんが、少なくともファイアローの一致技を両方シャットアウトできるのは強みですね。
オムスターでやれとも言いますが」
天子「特性と諸刃で十分差別化できてるわよ。
最初、頑丈ジーランスを粘っていたんだけど、どうせ親子愛の前には意味を成さないし素で耐えられると解ったしだったら反動がないぶん長く居座れる石頭でいいやってことになってね」
神子「火力重視にした、というわけですか。
ライチュウは…ああ、これは従来のと一緒ですか」
天子「そうね。やっぱりあのネズ美は見慣れてるぶん安心感あるしね。
アリスも随分頭抱えてたわ、ラッタにしたはいいけど出せるところが何処にもない、って。素早さって大事よね」
神子「そういうものなんでしょうかね…。
あとそういえば、何気にさとりさんゴチルゼルに触れてなかったですね」
かごめ「(メモを差し出す)」
神子「いや面倒だからってわざわざそんなことしなくても…あれ、にんじんですか? あの子確かアリスに返したのでは」
かごめ「いやまあ、またあいついなくなったと思ったらうちの物置にまた戻ってきてた(迫真」
神子「えー('A`)」
かごめ「いやそれは冗談だけど、神綺さんの方で大分持て余したらしくてまたうちに持ってこられたんよ。
確かにあたしの方でわりと無茶な改造をいくつか加えちまってたから、まあいろんな意味でピーキーな奴になっちまってなあ」
天子「あいつ性格相当ねじれ曲がってるから…って! あんたアリスの人形いじくれるの!?
魔理沙が言ってたわ、あんなの基本的には作り手じゃないとおっかなくて分解なんてできねえ、アリスのなんてなおさらだって」
かごめ「まー色々あるんスよあたしにも(´・ω・`)
擬似的にお嬢の能力に似たものを搭載したんだけど、やっぱり本家には遠く及ばんな。あたしの魔力がないと身動きとれなくなっちまったんだ。取ってやろうかとは言ったんだが、普段は動きまわるのも面倒だからこれでいい、とほざきやがってな」
神子「あの子も天邪鬼というかなんというか…」
天子「でまあ…その最後の方なんスけどー…」
神子「最早ツッコミどころしかありませんよね。
どうせこのあといつものVTRを挟んでってことになるんでしょうし」
かごめ「そこまで解ってるなら何をかいわんや。
とりあえず初手はてんこさんと欲望のガーディアンが共にエッジと諸刃を外したところは割愛して」
天子「(露骨に目を逸らしている)」
神子「こっち攻撃外しても容赦なく不意打ち入るってのもやるせないというか」
かごめ「まあなんで突っ張ってもいい事ないから神綺さんに交代…おっと、言っちまった」
神子「あなたわざとやってますね…(しろめ」
…
…
天子「うぐぐ…やっぱり何か調子狂うわ…!
私に火力で高速撃破って本来相性悪いんじゃないかしら…面白そうだと思ったのに〜><」
かごめ「ええいくだらん言い訳をしよってからに。
しかし面倒なことにはなったな、どうするよ」
諏訪子「メガシンカするなら他にする奴いないから速攻でなってきてもおかしくねえしな。
いくら石頭で反動ねえとはいえ、タスキ疑った方が早そうな気がするが」
ナズー「相手の後続に有利に立ち回れる相手もいないだろうが…どうする? 不意打ちを縛ってここからガン積みでもしてくるか?」
かごめ「…そだな。頼めるかい?」
ナズー「もっともこのまま決め切ったらあの方が黙ってない気もするが…その時はその時か」
??「あら…あの子が出てくるのね…というか私の出番はまだなのかしら(#^ω^)」
テトラ「(小声で)というかあのルチャブルっぽい方まだいますよ…?」
ユルール「(小声で)もうとりあえず気にしないでもいいんじゃないのかな。
約数名もうわざと目に入れてない雰囲気の気がするし」
文。「(見ないフリ)相変わらず岩技の命中率の悪さは異常ですなあ」
幽々子「(あからさまに目をつむっている)そうねえ、もうここまでくればもうちゃんと目の前を見てるか解らないレベルだわ。
ねえ妖夢、大変だわ目の前が閉じてたら真っ暗よ」
妖夢「( ̄□ ̄;)いやそれ当たり前じゃないですか!!
というかさっきからあのなんかみょんな人?がいるんですけどその辺についてはどーなんですか!!!><」
ユルール「まああのひと?達は放っておいていいんじゃないかしら。
かごめさん達がなんかしてくるとすれば」
??「そうねえ、ここぞとばかりに不意打ちをアンコして起点づくりしてくるんじゃないかしら。
あの子達の常套手段ですもの」
テトラ「う、うーんそれが解ってても余りうまみはな…ってなんか混ざってきたあああああああああああ!!?( ̄□ ̄;)」
ナズーリンはアンコールの構え!
ルシエドは不意打ち以外の技を出す事が出来なくなった!
テトラ「ええーいこうなったらやけだー!
薬子ちゃんお願いなんとかしてー!!><」
薬子「しょーおがないですねーいってきまーす♪」
ナズー「ハピか…くそっ、こういうときは挑発かいちゃもんの方が欲しくなるよな…ラッタならそれ使えるのに。
ええい、ままよ! 喰らえ、「グレイテストトレジャー」!!」
ナズーリンはかみなりの構え!
相手のハピナスは麻痺して動きg…止められたと思ったかァ!!ラムの実だよォ!!!(クワッ
薬子「そこで安心と信頼のふしぎなくすりー!!>ヮ<ノシ」
ナズー「なっ…」
かごめ「えーちょっと待てこれ('A`)」
諏訪子「いやこれアカンやろ…どう考えてもちいさくなるで起点作りに来ただろこいつ」
かごめ「解ってても引かなきゃならんのはこっちも一緒ってか…!
…………どうするスワ者、あれやるか?(しろめ」
諏訪子「正直膝を割る未来しか見えねえんだけどな(しろめ
仕方ねえだろ、運任せだがアレそのまま生かしておけばgdgdになった挙句に押し切られるだけじゃねえか」
かごめ「だよねえ。
おい文、悪いがお前も協力してくれんかな(しろめ」
文「そこで露骨に私まで巻き込んでくる…いやらしい(しろめ」
かごめ「ミュージックスタートォゥ!!><」
♪BGM 「ぼくらの非想天則」(東方非想天則)♪
??「!!
私の出番のようね…とおおおおおう!!ヽ( °Д °)ノ」
テトラ「( ̄□ ̄;)なんか飛んだあああああああああああああ!!?」
寿々「え!?え!?
一体何が始まろうとしているんです!!??(おろおろ」
文。「あーもう…多分第三次大戦辺りじゃないっスかね(しろめ」
かごめ「誰だ!!><」
諏訪子「何奴!!><」
文「名を名乗れ!!m9( ゚д゚ )」
「名乗るほどのものではないが!
いたいけな少女の涙を払うため!リングの平和を護るため!!
今ここに正義の仮面レスラー・マスクドS!!只今参上!!!ヽ( °Д °)ノ」
天子「うわあ…(ドン引き」
ナズー「(頭を抱えている)」
薬子「むむっこれはなかなか強力なニンジャソウルを感じるお相手!
しかし如何なるカラテも当たらなければどうということはないのです!!>ヮ<」
マタン「いや最近この近辺ヘッズ増えてない?
ブロントさんはやくきテーはやくきテー><」
ブロントさん「しかし復讐の鬼である所のニンジャスレイヤー=サンは汚い忍者とは違うのでおれがとやかく言うことでないことはないのは総合的にロジックすることでもないと思うんだが?」
マタン「( ̄□ ̄;)いや本当に来なくてもいいから!!!っていうかどっから出てきた!!!?」
薬子ちゃんはちいさくなるを使った!
ヒキョウにも回避率がアップしたんだが?
神綺「ほう…まあ普通ならここで命中不安技なんか使わないどころか、普通に必中技でも持ってなんかするところよね。
しかぁし!!この私にそんなモノが通用すると思ったら間違いだ、イヤーッ!!ヽ( °Д °)ノ」
ナゾのレスラーはゴッドバード=カラテを使った!
激しい光に包まれて実際攻撃に時間がかかるこの技もパワフルハーブによって即座に発動する!!
テトラ「ぱ、パワフルゴッド!? パワフルゴッドナンデ!?」
文。「うわ…アイテム発動した…これ当たりますよね(しろめ」
幽々子「相変わらず無茶苦茶ねえあの方(しろめ」
「ひっさあーつ!!
魔界神ダアアアアアアアアアアアアアアアアアアアイブ!!イヤアアアアアアアアアアアアーッ!!!ヽ( °Д °)ノ」
破壊力ばつ牛ンのカラテにより薬子ちゃんは爆発四散! オタッシャデ!!
テトラ「どうすんですか、アレ(しろめ」
アルテミス「…というかなんで私の出てるときばっかりこういうどうしようのないパターンにしかなってないの?
どう考えたってアクロ連打されて終わるわよねこれ(しろめ」
バーミセリ「もう白旗上げていいんじゃねえのかなこれ(しろめ」
…
…
天子「ひどい事件でした(しろめ」
神綺「実はここではかなり端折ってるけど、実はもっとひどい展開にはなってたのよね(にこにこ」
神子「( ̄□ ̄;)うわあなんか出た!!
あなた魔界の色々なところ大丈夫なんですかこんなところに出てきて!?」
神綺「ここで妖夢ちゃんの痴態が絶賛大上映されていると聞いて(迫真」
かごめ「あーはいはいそっちでそろそろ50回目の上映始まるから。
…実際は本当にひどいから。ゴーッドバードはガーディアンの方にぶつけて、不意打ちを縛って逃げたところで交代を合わせてナズー降下、悪巧みからかみなりで麻痺入れたのにラム持ちというアレで。
やれることもなかったとはいえ普通ここでちいさくなるを縛ったりはせんよなあ」
神子「えっそれ普通に悪手なのでは」
天子「実際そのくらいしかやることなかったのも事実よ、ちいさくなるのPP涸らして悪あがきで自滅させるくらいしか…でも、あのマスクドたくましいなwwwは何故かアクロを二回ぶち込んであのピンク色の何かを沈めやがりましたからね…(ジト目」
神綺「ふふん、私が全力出し過ぎても良くないけど、このくらいのことはやっておかないと威厳も保てませんからね。
まあさすがにあとの子達の見せ場がないからそのくらいにはしておいてあげたけど」
天子「後は私が石頭諸刃をしに行くだけの簡単なおしごとだったわね。
弱点技持ってるだろう特殊アタッカーさえ潰してもらえれば、あとは私を止められる相手がいないもの。
…まー確かに神綺さんの言う通りよ。あそこでハピをどうにかしてもらえなかったらどうにもならなかったというか、すっごい泥仕合にしかならないわよねアレ」
神綺「というわけで最後は私自らが、あの華麗なる謎の仮面レスラーの紹介をしておこうかしら。
言うまでもなく私とかごめちゃん、そして
私の通好みの目利きと、理には煩いかごめちゃんに、舞台コーディネーターとして超一流の紗苗ちゃんの力を結集したルチャブルですもの、活躍できない道理がなかったわね」
神子「と言っても普通に陽気ASでパワフルゴッドするだけのルチャブルですよね?」
神綺「まあそうなんですけどさ(ぷー)。
後の争点はフライングプレスを入れるかどうかね。余りにもハピラキピンポイント過ぎるのがどうもね」
神子「そこはまあ今後の課題で良いのかと…」
神綺「だってアリスちゃんが帰ってくるまでの蜜月ですもの。
あの子の前では獅子欺かざるちょっと手を抜いた全力を振るわなきゃだから、こうやって気楽に全力で遊べるのは今のうちよ♪」
天子「色々矛盾し過ぎじゃないそれ…。
まあいいわ。とりあえず短かったけど今日はこの辺り満足しておいてあげるわ。
後はちょっとした裏話というか予告編というかそんな感じだし、私達もあの祭りに混ざるっきゃねえ!だわ!!(クワッ」
神綺「そういうことよ(キリッ」
神子「あーもう…とりあえず今回はここまでですね。
ポップンも一年半近い前作の稼働期間を経てようやく新作も動きだしましたので、次回はそこからも幾人か登場してくるようですね。
今回のおまけもその前振りになりますか。また狐野郎はまたロクでもない事を考えているようですが」
天子「もうプログラマーもロクなの残ってなくて旧筺体でバグでまくりとか聞くけど大丈夫かしら(迫真」
神子「( ̄□ ̄;)やめんか!!!」
…
…
…
「えっ、だってお前ら全員倉野川の出だろ?
倉野川ならスノームーンから列車で二時間くらいで行けるからな」
ある日の藤野家。
現在、ユーリの城で遊学生活を送っている烈達「四天王」。
理事として運営していた藤野一族が実質的に瓦解し、その運営縮小が行われることとなった「楽奏学園」の招待生である彼ら四人も今後どうするか不明瞭なところ、かごめの呼びつけで来て見れば、彼女から提示されたのはある学園への移籍であった。
学園の名は「倉野川総合学園」。
初頭部から大学までを一貫する、特別行政区である簡素な田舎街・倉野川市に着工される予定のマンモス学園。
その中心となる、現在廃校寸前の私立校である倉野川高校へ彼らを転校させる…かごめの提案は、それであった。
しかも、そのかごめの口から思わぬ一言が飛び出した。
かごめが彼らの出身地を知っていたということは、恐らく彼女の持つ各所への繋がりがあれば可能だろう。
おそらくは氷海以外は、互いに何処の出身だと知らなかった事は、同じように目を丸くしていた鈴花を見ればわかりそうなこと…ただ、烈も彼女の改造制服からなんとなくアタリはついているようではあったが…だが、問題はそこではない。
「す、少し待ってください、かごめさん。
確かに倉野川もそこそこ広いし、隣町なら俺も烈達を知らなかったのはある…でも、あそこは確か」
「お前らに限った話ではないが…あそこで生まれた連中で、あそこが妖精国にあるという事を知ってるのはお前らの親世代ぐらいまでさ。
気付かなかったか? 隣の市であるはずの別の市に行くのにすら、何故魔法門を通した列車だけでしか行けないのか…それに、倉野川山稜を何もせずに超える事は誰かしたって聞いた事があるかい?」
「それは…」
風雅も言葉に詰まってしまう。
倉野川は、山稜に囲まれた海沿いの地。
決して高い山ではないが、不思議にもその山を伝って他へと通じる道は切れていない。
国道や列車は必ずトンネルを抜けて隣の市へと通じているし、港はあるが、特産である竹輪の材料となる魚を取る漁港であり、特定の航路は持っていない。
だが…昔から不思議なウワサには事欠かない。
山稜を超えようとした地元の者が、まるで見たことのない場所に迷い込んだだの、決して熊とは言い難い獣に襲われて変死しただの。
氷海は寂しそうな、それと共に何かを問いかけるような眼でかごめを見つめている。
風雅はそこから、彼女だけは何か知っているのだろう…そう直感した。
かごめは溜息をついて、今度は氷海に問いかける。
「あたしも前から気になっていた事がひとつあるんだ。
ひうみん、あんたに流派東方不敗を教えたの…丁度そこの烈みたいにオレンジの頭したちんまい子じゃねえか?
………もしそうだとしたら、多分もういい年っつーかとうにばーちゃんだと思うんだが」
「………いえ、私よりも随分年下に見える、小柄な女の子でした。
ただ随分と、お年寄り臭いというか…そんな言葉づかいが印象に残ってます」
「ふむ…っかしいなあ…その子から名前は聞いたか?」
「え、ええ。
確か、東條茜…そう名乗ってました」
「なっ…うちのばーちゃんからか!!??」
「ばーちゃん!!??」
烈の思わぬ一言に今度はそれ以外の全員が素っ頓狂な声を上げる。
かごめですら目を丸くして呆けた顔をしていたが、次の瞬間、得心したように笑った。
「ああ、道理でか…実際に殴り合いしてみて、お前の拳は随分あーちゃんに似てるなって思ったんだ。名字違うから想いもしなかったよ。
あの子、純粋で真っ直ぐな子だからな。
そしてなにより…あの子は強いよ。あのまま武術の桁を上げ続けていれば霊夜さんあたりとも互角以上に戦えるくらいに…そうか、あーちゃんまだ元気でやってんのか…!」
「ちょ、ちょっと待ってくれ。
かごめさん、うちのばーちゃんの事」
「知ってるもなにも。
あたしがまだ詩人やってた頃…妹分だった東條姉妹の、妹の方の孫娘さ。
あたしはそいつと、東方不敗の名を持つ男からじかにその拳法を教わったんだ。もう五十年近く前の話だけどな」
かごめは不意に立ちあがる。
その顔はいつにも増して覇気が漲ってるようにも、風雅には思えた。
「行ってみないか、下見も兼ねて倉野川へ。
あんたたちにとっては里帰りだが…あたしも久しぶりにあの子に会ってみたくなってきた」
「行くって…今からですか?」
「どうせ明日から夏休みに入るじゃねえか。
丁度いい、つぐみもそうだし、愛子や蕾夢とかさな坊とか、他に招待生として招きたい連中もいるこったし。
どうせあの街は宿泊施設もろくに人はいってねえし、知り合いもいるからなんとかなんだろ」
「………まさか私の実家とか言いませんよね。
確かに、あの地区では一番大きな病院の割に、住人は健康そのものですから常に開店休業状態ですけど」
わざとなのだろうか、顔をしかめながら氷海が窘める。
んなわきゃねえだろ、と呆れたように立ち上がると、恐らく連絡でも取りに行くのだろうか彼女はその場を後にする…。
それまでずっと、そばで成り行きを見守っていたつぐみが、四人を縁側へ招き入れた。
「あの…なんていうか、ごめん。
毎度ながらお母さんなあの通りだし…あたしも、編入の話されたの一昨日なんだ。
多分この分だと、とーこ先輩やリッキィも巻き込まれてるんじゃないかな…」
苦笑するつぐみ。
「…今、軽く名前が出た顔ぶれだけを見ても…魔性狩りとして将来有望な方ばかりと見受けますね。
愛子さんにらい…いえ、小鳥遊(たかなし)さん、それに東風谷先輩に蒼井先輩」
「べっつにいいだろ言い直さなくってよ、委員長のそういうとこ良くねえぜ。
しっかし、男が俺と風雅しかいねえってのもなんだか肩身狭ぇ話だな。
そのぶん旅館の部屋は俺達二人で広く使えるってことかもしれねえが」
「えーずるーい! 私も風さん達と同じ部屋がいいー!><」
「いやそういう問題じゃ…というか色々問題あるだろそういうのは…。
だが、俺と招待生候補に挙がってた中にも有名な奴はいたな。例えば天神学園中等部の流鏑馬王子・蒼刻院弓弦とかな」
「弓道でプロの国体から招待されかけたとか何とか言ってた奴だっけか?
だがよ、結局腕っ節ってことじゃねえのそういうのであれば?」
「…烈、お前も知ってるだろう。
俺達が招待生として招かれたとき、藤野の一族はどんな資質の持ち主を求めていたか。
魔法使いタイプの氷海や俺が選ばれたのも恐らく…ある程度は近接戦闘に対応できるからだ」
そっか、と烈は居間の側へと背を預ける。
そこに、戻ってきたらしいかごめの足が見えて、彼は再び体を起こす。
「そこまで解ってるなら話は早い。
あたしが一堂に集めて育ててみてえと思ってる連中は…タマちゃんが選んだ、あるいは、タマちゃんならこいつを選ぶんじゃねえかなって連中さ。
こいつは…あたしの我儘でもあるのさ」
「かごめさん…こういうのもなんですが、俺達は本来…あなたとは戦わなければならないポジションになるかも知れない。
それを…あなたの将来の敵になるかも知れない者ばかりを集めて…一体何をしようというんですか!?」
真剣な風雅の言葉に、かごめは僅かに顔をしかめ、そして溜息をついて返す。
「随分つまんねえ事を言うじゃねえか。
だったら、目の前にあんたたちにとっての最終目標が居るんだ。
それを何時かしばき倒すくらいの覇気は見せてくれてもいいんじゃねえの?」
「そんな!」
「あたしに限った話じゃない、今「真祖」だの呼ばれて全魔性の頂点に君臨させられちまってるあたしたちなんてものは、本来後の世代の連中にはどんどん追い落とされていかなきゃならねえ。
確かに風雅、あんたの言う通りだ。本来あたしみたいな力の強い魔性って言うのは、必要以上に
でもな」
振り向いたかごめの表情は、何処か寂しそうにも、少年たちの目に映る。
「あんた達は…あたしの眼には見えないものを、その先を、今もずっと見続けてる気がするんだ。
あたしだって本音いうと、あんた達と殺し合いなんてしたかない。
けど…あんた達があたしを超えていくその瞬間を、あたしは観てみたいんだ…例え、それが如何に残酷な現実の上に成り立ってたとしても…!!」
幕間 「日向美狂想曲」
序章 未来を託す者達へ