地底・旧都。
珍しく一人で飲んでいた勇儀の元に、その珍客が現れたのは丁度、ヤマメやパルスィと言った見慣れたにぎやかし達がこぞって地上へ遊びに出かけている、そんな折だった。

彼女は、自分を訪ねてきたという妖夢を家に招き入れるが、座を与えられてかずっと、彼女は一言も発することなくただ、じっと床を睨みつけるかのようにうつむいたままだった。
小一時間の沈黙ののち、痺れを切らした勇儀が口火を切る。

「ったく、なんか言ったらどうだい。
まさかあたしの飲んでる姿を見るでもなく、ダンマリ決めこんだまま時間を無駄に過ごすために来たんじゃないンだろう?」

彼女もその意図はなから解っているのだろう…少し苛立ったようなその声のトーンは、怖いもの知らずの地底の愚連隊連中をも、一瞬で縮み上がらせるような迫力に満ちているが、あくまでポーズとしてのニュアンスの方が強いと、彼女と付き合いの長い者ならすぐにわかるだろう。
だが、妖夢は生返事を返すばかりで、ただじっと、まんじりともせず床の一点を睨みつけている。
その様子に呆れるやら困惑するやら、勇儀は空になった瓢箪を放り投げ、どっかりと座りなおしてさらに続ける。

「あのな、ここの大ボスならいざ知らず、ダンマリな奴の思ってる事を言い当ててなおかつ適切なアドバイスを返せるような器用な能力はな、このあたしにゃ備わっちゃいないんだ。
それが目的ならとっとと地霊殿に行ってさとりにでも泣きついてくれ。
流石のあたしにゃ何を言っていいのかわかんねえよ」
「わかって…います。
あなたの所へ来たところで、何の解決にもならないことなんて…とっくに…!!」

勇儀は眉をひそめる。
妖夢の肩も、声も、震えていた。

「聞いたんです。
魔理沙さんの事も、霊夢さんの事も…!
あの九十九の姉妹に、過去何があったのかも全部…でも…!!」
「だったら正直に最初から認めちまえばいいんだ。
あんたはかごめみたいなバケモノに正面からやり合うどころか、愚にもつかない付喪神如きに蹴散らされて悔しいです、って

ちがう、そんなことを言いたいんじゃない。
そう喉まで出かかっていたが、そんなのこそ取りつくろいに過ぎないという事だって、妖夢は解っていたのだ。


あの日、九十九八橋との戦いに敗れた妖夢は、自分を介抱してくれた幽々子からその来歴を聞いた。
輝針城の反乱に便乗した雑多な付喪風情、と、侮りと嘲りの感情があったことは紛れもない事実だった。
何より相性上でも、互いの実力差を雄弁に物語るかのように有利だったのも確かだ。

しかし蓋を開いてみれば、それがいかに思い上がりに過ぎなかったかを思い知らされた。
あの時最後に立ちあがる事が出来たのも、それは果たして意地だったのか見栄だったのか。
意識が途切れる間際に聞こえた茜のフォローですら、なんと空々しい取りつくろいに聞こえたことか。



悔しさが嗚咽に紛れ、己の瞳から情けなく流れる雫となって落ちていく。


「だがな、妖夢。
多分それこそがきっと、あんたの慢心の表れだ。
あんたは結局、自分のことしか見えちゃいない…否、あんたあの時、誰を見ていた?
少なくとも、お前はあの八橋とかいう付喪を、戦うべき相手を、まったく見ちゃいなかったんじゃないのか…?


嗚咽で声が出ない代わりに、彼女は何度も、その腕の中で頷いた。


勇儀にも本当は解っていたのだろう。
妖夢があの時、誰を見ていたのか…「誰」しか見ていなかったかを。



「あたしの戦いぶりは観ていたかい?
あたしは、あの毒人形が実際油断ならねえ奴だってのは知ってた…情けないじゃないか、力こそ正義の鬼の中で「力」の二つ名を持つ鬼が、たかが人形風情に全力などと
「それは…そんなの、ちがうっ…!
勇儀さんは、私と違う…!
あなたは、ちゃんと自分の戦う相手と全力で向き合った!
でも、私は!!

「お陰で霊夢には勝てねえどころか、ヤツとかごめの前座試合ときたもんだ。
まあでも、霊夢達がどうなったかとか、そんな話はあたしに語れる権利はねえ。
あれこそ、当人たちが墓の底までもっていくか…でなきゃ、仕切り直し以外ありえない結末だったんだしな

まだ涙にくれる妖夢に、「だが」と前置きし、勇儀はそっと、自分の杯を差し出す。

「無理強いをする気はないけどさ、せっかくここまで来たんだ…こいつを飲んだら、少しばかりあたしに付き合ってくれんか?」

妖夢は、涙をぬぐう事もなく、その杯と勇儀の顔を交互に見る。
勇儀は諭すような口調で続けた。


「もう一人、大馬鹿者が今日その舞台に上がると来たもんだ。
それが本当に、身の程知らずの大馬鹿がやることなのかどうなのか…どうだ、一緒に見に行くつもりはないか?



ポケモン対戦ログ(2015年8月2日) そのに



てゐ「突然のお知らせだが、概ねこの日に合ったもう1ラウンドもおぼろげながら情報が出てきたわけだけど
諏訪子「ややこしいから埋めとけよそんなの。つかなんか以前もそんなことなかったか?」
かごめ「そうやって自分の痴態を露骨に闇に葬ろうとする…汚いなさすがカエルきたない」
諏訪子「うるせえだまれ祟り殺されてえか!!><
   というか痴態とまで言われる筋合いねえわ!
   完全に相手に火力負けしてそれで終わっただけじゃねえか、その程度は覚えてるわいちくしょうめ!!( ゚д゚ )(総統閣下
文「あー、というかかごめあんたも覚えてるでしょあれ。相手多分YTよ
かごめ「そうだったのか。
   道理で、そこのちょび髭生やしてそうなカエルの帯冷ビ一撃でマンダが落ちねえと思ったら」
てゐ「HP252メガマンダは持ち物なし激流ゲッコウガの冷ビでも高乱で落ちる、どんな適当な記憶作ってんだそりゃ」
早苗「そうなんですか?
  確かに、メガシンカしても特防はさほど変わらないようですが」
てゐ「そこのケロ様の帯冷ビはそれなりに特殊防御に努力値割いてるフランも一発で落とすからな。
  っても普通にヤャンデラのメガネ文字なんて耐えるわけがねえと、水技持ってねえのが本当に響いたな」
早苗「あー…そう言えばあのショックで数日の記憶飛んだとかおっしゃってましたよね、諏訪子様^^;」
かごめ「やっぱり痴態だった(真顔
諏訪子「うるへー痴態言うな馬鹿野郎!というかあれをYTと見抜けなかったテメーはどうだよ!!><」








「お、やってるやってる」

妖夢は勇儀と共に、唐突にその場所に姿を現す。


以前の戦いの己の不甲斐なさに意気消沈した妖夢は、幽々子の許可は得ていたものの、前回わざと対戦の当日に白玉楼を開け、当てもなく里を彷徨い歩いていた。
夕方頃になり、引き上げてきていた三月精につかまり、その日の顛末を知るのみであった。

そして…その、対戦の場が見渡せる一角には先客がいる。
その話題に上った、もう一人の当事者の姿が。



「よう、星熊の姐さんじゃないか」
「なんだお前さん、前回やらかしたからってこんなところにこそこそと」
「も、もう許しておくれよあれは…ちゃんとチルノ達には謝ったんだからさあ」

呆れたような勇儀の言葉に苦笑いしながらムラサは返す。
ムラサも心得たものなのか、携えていた一升瓶…恐らく、禁酒令の敷かれている寺内ではなく、何処かに隠していたものなのだろうか…を勇儀に差し出し、勇儀も妖夢を促し己も隣に座ると、愛用の盃になみなみとその中身が注がれていく。

「あの時はお前さんも思い切ったことをやったよな。
今のリリカ相手は、正直あたしでも骨が折れるよ」
「我ながら心ないことを言ったとは思ったけど、でもね、ムカついてたのは事実なんだよ。
リリカの野郎が…護るべきものを、絶対に譲れないものを見つけていながら、それを守るための力を揮う覚悟を決められずにいた事をさ。
はは…こんなこと一輪や星相手にゃ口が裂けても言えそうにねえが…あいつはいずれ姐さんすらも越え…姐さん以上に、立場の弱い妖怪達や妖精達の「希望」になるのかもしれねえな」

そう語るムラサの表情は寂しそうでもあり、何処か嬉しそうでもあった。


妖夢も知っている。
かつて彼女は、ナズーリンと共にあえて命蓮寺と袂を分かち、リリカと共に戦っていたことを。
そして…そう語りきる彼女は、己の信念ひとつで真っ直ぐリリカを見据え、全力で戦い抜いたことも理解する。



そんな彼女の元へ、勇儀は一升瓶の口を差し出す。

「それがまた、こんな場所にいるってのは…単に博麗の社に居づらくなったとか、そういう事でもないんだろ?」
「ああ…きっとあんたと目的は一緒さ。
今のは、あたしにとっちゃ前座に過ぎねえ…前座の割に、あの芋神野郎随分踏ん張ってておもしれーことになってっけどな

その視界の先。
そこに広がる光景は…いよいよ決着がつこうとするその両者の意地の張り合いの光景…!





「つまらん戦だな。
確かに、個々の実力能力を見極め、常に対面の有利を求める…大局的に見りゃ、指示する奴にとんでもねえ負担を強いる戦略だってのはよくわかるぜ

皮肉めいた笑みを浮かべ、所々に大小の傷を負いながら…アルマムーン最強の猛将と名高いその青年は悠然と、かつ微塵の油断も慢心もなく、対峙する山吹色の髪の少女へ歩を進める。
青年…グリッシーニにも見覚えがある、タルシス周辺の女剣士(ソードマン)が良くするような、バンダナを頭にフードみたく巻き、軽装ながらしっかりとした造りの歩兵鎧を身に付けた穣子にも、最早勝敗が決したことぐらいは薄々気づいているのだろう。

だが、彼女は決して背を向けようとしない。
後ろで誰かが、式神を通じてわめいている気がするが…そんなことなどどうでもよかった。

「うっさいわね!
この穣子様を甘く見るんじゃないわよ!
あんたぐらい軽く蹴散らして…必ず勝つって言ってんのよ!!

根拠のない強がりなことは解っていただろう。
彼女の今の姿は、その鎧の下にインナーめいて纏われたBURSTモードの衣装からもわかる通り、バクーダ。
対するグリッシーニは、その鎧に大仰な円月の翼を纏い、真紅に染まる朱塗りの巨槍を携える、空色の全身鎧を身につけ…それは、その強大なる戦闘能力を体現する十全の姿とも言えるメガボーマンダ。
タイプ一致技をいずれも通さない、穣子にとっては最悪とも言える程に、絶望的な対面だった。


それでも、彼女は最後まで寸毫も諦めを見せていない。
若いながらも歴戦の勇士たる彼は、その姿に好ましいものを見出したか、僅かに口の端を釣り上げると…大上段に槍を構える。


「いいだろうぜ…あんたの意地が俺を墜とすか!
それとも俺の槍で諸共に叩き潰すか…勝負だ!!」



猛竜の戦士が吠える。





「お疲れ様ですー!
私達の勝ちですよ、グリッシーニさん!」

傷ついたグリッシーニを出迎え、駆け寄ってくるテトラ達。
彼は僅かに面喰うが、苦笑しつつ溜息を吐いた。

「いや、俺個人は勝ったとは思ってねえよ。
最後の最後で、いいもんをもらっちまった…あのまま闘り続けてても、あとが続かねえ。
せっかくこんな見せ場まで用意してもらったってのに、済まねえな」
「何ぬかしてやがる喧嘩バカ。
「俺様達の軍」としては勝ちにゃ変わらねえし、テメエも立って歩いて戻ってきたろうが。
贅沢言うんじゃねえ」

困惑するテトラ達の後ろから、呆れたような表情で腕組みしたバーミセリが窘めるように吐き捨てる。
それを宥めるように小突きながら、こちらも歴戦の勇士たる女丈夫・ラ=ターシュも続ける。

「確かに、あんたには物足りないかもしれないが…あんただって全力をぶつけられたんだろ?
納得いかなきゃ、またいずれでも戦う機会があるさ」
「…そうだな。
それでいいってことにしとくか!
勝ったぞ野郎ども!!


自分も敬愛する二人の言葉に、ようやく彼も豪快に笑い、拳を思いきり天に突き上げて見せる。
それにつられてテトラ達も歓声を上げるその光景を、そこから少し離れたところで見守るチコリも、何処か満足そうに微笑んで頷いていた。








文「実はあの時見せあいにいたメタグロス、バレパン持ってたらしいのよね。
 木っ端の奴は口割らなかったけど、あとで幽々子さんがそんなことチラッと言ってたのよね」
てゐ「んんwwwww先制技()はあり得ませんなwwwwwwwボタグロスではないですかな?wwwwwwwww
諏訪子「草多いわうぜえ(キリッ」
早苗「ですが我々も初期の頃ノオーが守る持ってましたなwwwwこれもうわっかりませんぞwwwww
諏訪子「お前もノるな!ついでにさらりと淫夢混ぜるな!!><」
かごめ「実際YTの戦いとなればお互い一番警戒すべきなのが、上から超火力で叩いてくるメガマンダとメガグロスだからなあ。
   特にメガマンダ、両刀でもない限りS振らなくても普通にガッサの上取れるし」
てゐ「あーまあな、両刀なら勇敢か冷静だしな。
  むしろこれまで一貫性の高くかつ火力もでかい流星群がメインだったし、マンダは特殊メインだったんだけど」
早苗「今普通に物理メインあるみたいですからねえ、山田。
  近年になってようやく、成果の出せるメガ山田軸構築が発見されたこともあって、一軍ヤケモンとしてのメンツは保てた感じですし」
かごめ「キャラ的に物理メイン、飛行技と相性のいい地面岩を加えて捨て身エッジ地震まで確定で、あとは何を入れるかというところだが…空元気かアイアンテールか文字かってとこだかね?」
てゐ「無道への遂行に文字がいるかどうかってところか?
  まあ、そんなところだろうなあ」
早苗「アクアテールやアイアンテールはなしなんです?」
かごめ「どっちも火力範囲微妙だし入れねえだろ。
   こっちも仮にYTで対抗しても、まずメガマンダを安定して止めれる奴がいるのかって話だよなあ。
   ヤリルリヤンフィアも捨て身一撃で吹っ飛ばされるだろうし」
文「あのスキン捨て身のせいで逆鱗も暴れるも要らないからねえ。消耗も滅茶苦茶激しいけど」
てゐ「特殊も安定して強いしな。
  止める手段の乏しいスキンハイボの破壊力が凄まじいし、物理メインと攻撃範囲もガラッと異なる。
  物理特殊どっちか見抜くところから始めないといけない時点で、リザードン並みに対処に困るポケモンになったなあホントに


文「なんだかんだで随分前置き長くなったわね。
 ただでさえ茶番重点だけど、これ次でちゃんと終わらせられるのかしら?」
早苗「あ、もう今回では終わらない見立てなんですね^^;」
諏訪子「たりめえだ。
   まあ肝心なのはリリカが暴れ出してからだし、まあ序盤はな。
   最初の対面はこちらがヤンフィア、相手がヤザン。
   先手は取れるが、メガネ持っててもほとんどの技でヤンフィアを一撃で持っていく力はない以上普通に交代してくるだろうが、半減してくるのはヤチートかヤルガルド。
   ヤルガルドを見越してシャドボを撃つ選択肢はあったと思うが」
かごめ「ヤンフィア相手になら受け出してくるのは目に見えてるしな。
   まあ今回はドランもいないし、半減でも十分な破壊力を発揮するメガネハイボから」
文「ヤチートが出て来たから意外と持ってけたけど、流石にこれも居座るのは無謀だったわよね。
 むしろ…」
諏訪子「あいつの一致技両方1/4で受けて、なおかつサブもほとんど通らない私の出番以外何処にあるってんだい(むふん








♪BGM 「戦乱 紅炎は猛り白刃は舞う」(SQ4)♪


致命の一撃となるはずだった。
相手に誰がいようとも関係ない、圧倒的な力を見せつけ、その全てを打ち砕く…そのつもりで、今日までの日をベスト・コンディションに保つことだけを、魔界神は考えていた。
滾る血を抑え、身の程を知らぬ口を利いたこの目の前の小さき土地神も、貴種筆頭などという大袈裟な称号を得たその娘も。


「なんだ、この程度か魔界神」


息もかかるその位置から伺える両者の瞳に、獰猛な笑みを浮かべる諏訪子と、表情を険しくする神綺それぞれの表情が写り込む。

己の一撃をいともたやすく受け止めてくることへの困惑。
そして、相手が何者であろうと、この圧倒的な力を…小細工抜きでその全ての力を出すことが許されるこの場で揮うのみと、相手を確認する事をしなかったことへの後悔。
それが、神綺の脳裏に一瞬過る。

それと共に、相手との相性が最悪であることを理解する。
彼女がどのようにして、このチカラを身に付けたのか…考えるのは後回しでよかった。


神綺はこの時…いうなれば「後退」のブレーキを完全に壊していたと言っていい。
引くつもりなど毛頭ない。

だが。


「やるつもりなら、勝手になさい。
私はリリカと戦えれば、それでいい」



諏訪子は逃げようとした神綺の手を掴んでいたが、その気配を感じた一瞬に突き放すようにして開放する。
魔導師特有のか細く、そして早口の詠唱と共に、諏訪子にとっては慣れ親しんだ水の魔力が渦を巻く。

「そうか、裏はあんたか。
なら」

諏訪子にも想定していない構成ではない。
裏で自分を止める能力を持ったのが誰なのか。

メルランの影がちらつく以上、そのうち出てこれてもバンギラスはあり得ない…そう考えた末に「彼女」が導いた結論。


「やれっ、リリカ!!」


諏訪子の声と、空を切り裂き稲妻が走るのと、はたしてどちらが先だったか…?







その一瞬の凄まじい攻防を、果たして見守る何人が視認出来ていたのだろうか?


明らかにスペル由来ではないレベルの強大な電荷は、オフィーリアの水の魔法を容易く打ち砕き、その姿を一蹴しつつギガブレイクで迫るリリカの姿。
突き離した一瞬、諏訪子へ牽制の魔法を打ちこんだその刹那の間に、神綺はまるでその未来が見えていたかのようにリリカへと向き直り…両手を天地に大きく突きだしたその構えをとる。

「来なさい。
私の「力」の完成度を試すには…あなたほどの相手じゃないと務まらないものね…!!」

諏訪子はその発動を阻止すべく立ち上がるが、そこへオフィーリアが立ちふさがる…。

「通さないッ…!」
「んの…やろうっ!!」

諏訪子へ迫る水の魔法。


あの日、諏訪子の秘密の一端を掴んだアリスは、その事態を想定してオフィーリアに全てを託すことにした。
るりは怪訝な表情をするが、アリスは確信にも似た口調でそう言い切り、こう告げたのだ。

「母さんはもう止められない。
だから、洩矢諏訪子(ヤードラン)は必ずあなたが止めて」


と。


一宿一飯、というには、オフィーリアはあまりにも長くアリスや神綺の世話になり過ぎた。
彼女も、役に立ちたかったのだ。
アリス達の…否、神綺のために。


普段のオフィーリアを知る者にはとても想像もできないような、勇ましい咆哮を上げて全力の水の魔法が、諏訪子へ雪崩れ落ちる。
諏訪子は、文字通り蛇に睨まれた蛙のように、微動だにせずそれを見上げ…眦を釣り上げる。

「舐められたもんだ。
この私の本来の力がなんだったか、今一度思い知らせてやる!!!」

くるりと、翻した掌に禍々しい祟りの気。
そして、その掌が拍と共に合わさり、「祟り」が弾ける。

「叩き潰せ、『洩矢神』!!」

黒い光が、悪の波導となって、空間を走る。
吹き飛ばされる少女の姿に構うことなく、瞬時に「焔蛟」の力を解放した諏訪子は、リリカと神綺のぶつかり合いに介入すべく駆けだす…!


リリカも知っている。
その構えがいかなるものであるか。

だが。


「怯むな!
リリカは、リリカの戦い方をすればいい!!」


背後から、ルナサの声。
その戦いを見守る式神から発せられた、姉の声に後押しされるように、その姿はさらに加速する。
強大な電荷が、纏う想いも巻き込んで、光の一閃へと昇華していく…。

神綺は生まれて初めて、目の前の存在に戦慄を覚えた。
反撃に動くはずの手が…「フェニックスウィング」が、動かない…!


「幻想…一閃ッ!!」

必殺の一撃が、天地魔闘を越えた。
見守る誰もが、その轟音と閃光の中で思ったことであろう。

しかし。


その両者の間に、黒髪の少女が割り込んでいたことに最初に気づいたのは、神綺。
何故、彼女は驚愕に見開かれた目のまま、そう呟く。

それに応えるかのように、オフィーリアが笑った。

「あなたは…おいしいものをいっぱい食べさせてくれた。
本当のおかあさんみたいに…わたしと、いっしょにいてくれた。
だから…今度は、わたしの…」


彼女の目の前の視界が、歪む。
一瞬後、何が起きたかを理解したリリカの前に、途轍もない闘気を全開にする神綺が迫る!


「タイラント・オーバー・ブレイク!
うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおあああああッ!!!」



大気を震わせ、空間をも歪ませ、星をも砕く魔界の神の連撃が、神の怒りの如き天の雷霆を跡形もなく吹き飛ばす。
諏訪子はただ、その光景を眺めることしかできなかった。









てゐ「ドヤ顔のところ悪いけど、交代で入って早々、いきなり叩き落とす喰らって木炭落とされた挙句かなりきっついダメージ貰ってたよなあんた
諏訪子「交代読みは基本だろそこは。
   役割論理上、交代に何が出てくるかを予測するのは重要だけど、居座るべきかどうかを読むところはねえし(むすー」
早苗「まーそこはそうなんですが…なんとなくそれが読めてると、リリカも繰り出しにくいところで」
文「何処をどうしたら、一致技で瞬殺されるリリカを受け出す選択肢があるってのよ(呆」
てゐ「ついでに言えばこの時のケロ様の技構成はオバヒ、ラスカ、大地の力、めざ水だね。悪波なんて持ってても正直使いでないし。
  まあ流石にヤチートである以上不意打ちはないし、居座ればオバヒで吹っ飛ばされる未来しかないけども」
かごめ「こっちもその交代に合わせてリリカに引き、向こうはヤドランが出てきた。
   向こうに交代なく居座ってきたってことは、シャドボで殴り合いできる火力あんのか? サブで多い文字、気合珠はどっちもラティに通らねえだろ」
てゐ「いやそこ普通に吹雪撃つだろどう考えたって。
  もっとも、ヤドランの吹雪一発ならリリカ耐えるだろうが
かごめ「メガネでも一応8割程度まで削られて耐えるが、メガネはこの時点でサザンが持ってるのは解りきってるし」
文「2メガの可能性は?」
かごめ「あってもメガヤドランはねえだろ、あるとすればメガバンギ。
   第一こいつ役割論理的には珠かメガネ持って殴った方が強い
早苗「それは確かに。
  ヤドランは特防さほどでもないとはいえ、よくかみなりの一撃でもってけましたね」
てゐ「当然だけど、草結びでも高乱だよ。
  かみなりは相手D無振りでも低乱一発(18.8%)なんだよね実は
諏訪子「えっマジでか」
文「じゃあここでヤドラン一撃で持ってけたのって、だいぶラッキーだったんじゃ」
てゐ「まあそうなるよね。
  むしろここ、正直リリカをたくましいのに突っ張らせる意義は薄かったはずだよ。
  じゃれつかれるのは解ってるし、ケロ様投げるのが正解」
諏訪子「あーうん、そこはおおむね同意。
   もうあとはどう転んでも、こっちの方が優位に立てる択ばっかだった筈だが」
文「そうね、ここでリリカをかみなりで突っ張らせたのに加えて、もうひとつすっごいつまらないミスかましてるわよね。
 これ本当にどうして勝ったのか、あとから考えるとちょっと首ひねりたくなるわ」
かごめ「それはまあ次で触れればいいんじゃねえのかな。
   先に言っておけば、まああれだよ、色々テンパってたんだってことで」