符の四


116番道路


小町「四季様ああああああああああああ!!よくぞ御無事でえええええええええええええええええ!!」
映姫「こ、こらやめなさい小町!心配してくれたのは嬉しいですが人前ですよ!!><」



諏訪子「復活早いねー
早苗「え、でも首が何か」
諏訪子「細かいことだし気にすんなって。
   アレは死神なんだからんなコトで死にゃしないよ」

勇儀「いやー助かったよ。これでまた工事も再開できそうだ。
  正直、あんたも血の気が多そうだから、派手にドンパチやられたらどうしようかと思ってたが」
諏訪子「それを鬼に言われたかないな。否定はせんけど
早苗「…いえ、少しはしてください…」

小町「いやー、あんた達にはすっかり世話になっちまったねー。
  あたい達は104番道路ってトコにある小屋を借りて、渡しの仕事してるんだ。
  もし海を渡る用があったら言っておくれよ。タダで渡してあげるから」
早苗「…あの海の小屋…そう言えば死神の鎌みたいなのが置いてあったのはこの方たちがいたからですか」
諏訪子「本来なら伝説の船乗りが住んでた小屋だけどね。
   というか、閻魔様も決して暇じゃないだろうにえらいの巻き込んだもんだな…。
   今の閻魔庁って、裁く人間の数が多過ぎて閻魔もシフト制であまり休みもないんだろう?」
小町「というか、その貴重な休みのときですら、趣味で仕事場に乗り込んで他の閻魔の仕事手伝ってるのさこのお方は。
  しかも閻魔庁に行かなきゃ行かないで、幻想郷の妖怪捕まえて説教行脚。
  その都度、専属死神のあたいまで付き合わされるからたまったもんじゃないよ。
  今回は都合のいい長期休暇だとあたいは思ってるんだけどねー」
映姫「つーかあなたは日頃からロクに仕事なんてしてないでしょうがあああああああああ!!(#゚д゚ )

キャモメの ドリルくちばし!
きゅうしょに あたった!

小町「きゃん!!(ぐきいっ!!)」
早苗「…あ、元に戻った(首が)」

映姫「…まったく…あの八雲紫は私に恨みでもあるんでしょうか…。
  この私をこんな姿にするとは…」
諏訪子(…概ね間違っちゃいないだろうな。
    多分そのままで巻き込んだら煩そうだから、ポケモンと本来の姿の境界弄くりやがったな…)



余談ですが遺伝技を含めてキャモメにドリルくちばしを習得させるのは不可能ですので念のため。



カナズミシティ・ボーダー商事


藍「一度ならず二度までも、うちの橙を助けてくれたそうだね。
 何と礼を言っていいのか解らんよ本当に」
早苗「いえいえ、困っている人を助けるのは当然のことですから」
藍「それにしても紫様にも困ったもんだ。
 私の反応を知ってるくせに、わざわざ露骨に橙を危険な目にあわせようとする…いやらしい
早苗「止めればいいのに^^;」
諏訪子「いや、式神は基本的に術者には逆らえんからな。ことまで踏まえての上だろう。
   あのスキマのやりそうなこった」
早苗「そういえば、その紫さんは何処へ行ってしまったのでしょう?」
藍「それなんだがな…私と橙にここを任せきりにして、御自分はふらっと出て行ってしまったんだ。
 気づけば私はこの街から動けないように術式を組まされたらしくてな。
 しかも橙にお使いをさせるというおまけ付きで。もうやんなっちゃうよ」
早苗「…御愁傷様です」

藍「まぁ君たちが来てくれたことで、橙に掛けられた術式の効果が切れたようだしな。
 代わりと言っちゃなんだが、この荷物を河童のところまで届けてくれないか?
 これ以上橙に危険な仕事をさせたくないんだ…勿論、礼はする」
諏訪子「いいよ。どのみちそうしなきゃ先には進まんしな」
藍「そうか、助かるよ。
 では、前金というわけではないがこれを受け取ってくれ。
 紫様がここを乗っ取る前に開発されていたらしい、ポケモンのコンディションなどが解るというナビのアップデートツールだ」

ポケナビを手に入れた!

早苗「諏訪子様、これは?」
諏訪子「ポケナビだな。
   いずれポケモンの技の見せ方なんかを競うコンテストで、いくつかの項目の調子とかを見るのに役立つアイテムさ」
藍「ついでに、この地方の大まかなマップや、自分の現在位置も解るようだな。
 捕まえていないポケモンの分布と照らし合わせると便利だよ」
早苗「へぇ…便利なものですね」

藍「それと、あのスキm…じゃなくて紫様は今、104番道路から海を越えたムロという町の、石の洞窟にこもっているらしい。
 先日、その街にいる鬼から知らせがあってな。
 紫様曰く、なんでも君らが来たらそこへ来るように伝えろという話だ。
 河童がいるのはそこからさらに海を越えたカイナという港町だから、悪いがそこへ寄り道してくれないか?」
早苗「はぁ、解りました」

早苗「…というか、あの式神自分の使役者をスキマって」
諏訪子「まぁ気にしてやんな。
   幻想郷じゃ主人を蔑ろにしたりハァハァしたりは稀によくあることらしいよ?
早苗「うーん…私はまだまだ常識にとらわれ過ぎなのでしょうか…」
諏訪子「いやこれ以上常識を月まで全力でぶん投げるのやめて早苗。マジで頼むから」
早苗「へ?…は、はぁ。そう仰るのでしたら」



デボンボーダー商事本社前


ルーミア「おー?また山の巫女なのかー?」

早苗「…貴方は…ルーミア?
  何故こんなところに?」
諏訪子「何やってんのさあんた。慧音の奴、心配してたよ?」
ルーミア「うーん…あのおじさんが、この子くれるから好きに旅してみなさい、って言ったから…。
    意外にこの子と一緒にバトルしたりするの、楽しくなっちゃった。
    だから、人間を襲うのは我慢して、この子と一緒に“とれーなー”っていうのになってみることにしたの」

諏訪子「うーむこいつ…霊夢の話だと所構わず人間を襲おうとする傍迷惑な奴だと聞いたんだが…
早苗「いいじゃないですか。
  あの後慧音先生も…」

慧音「まーあいつ等はちょっと頭の弱いところもあるが…。
  あの紅白巫女が言うほど悪い奴等じゃないさ。
  あまり我々の尺度に押し込めてやるのも可哀想だとは思うが…ちゃんと解り合うことはできるとは思うからな」


諏訪子「…馬鹿な子ほど可愛い、って奴か。言い方は悪いが」
ルーミア「うー…馬鹿って何よ馬鹿って。
    こう見えても私、この街のジム制覇できたんだよすごいだろー」
諏訪子&早苗「なんですとおおおおおおおおおおおおおおお!!!( ̄□ ̄;)


穣子「…言えるわけがないわ…。
  山の神ならともかく、まさかあんな低級妖怪ごときに後れを取ったなんて…onz」
静葉「(攻略本をめくる)岩ポケモンって草タイプにも弱かったのね…。
  この世界に対する私達の理解が足りなかった…そこが敗因のなのよ…onz」


ルーミア「先生にも見せてあげたかったけど、寺小屋なくなっちゃったんだ。
    先生もみすちー達もいないみたいだし、仕方ないからもうちょっと旅してみるよーじゃあねー^^ノ」

早苗「この子の飲み込みの早さを褒めるべきか…あの子に負けてそれでも虚勢を張り続けたあの姉妹神が凄いのか」
諏訪子「…なんかあいつ本当は馬鹿でも何でもない気がしてきた…。
   はっきり言うけど、カナズミジムは生半可な鍛え方だとキモリでも返り討ちに遭うよ…。
   正直私だって、あのまま行ったら岩石封じで潰されるところだったし」
早苗「まぁ…とりあえずその件はいいでしょう。
  私達は早くこの先の町へ行って、藍さんの用事を果たさなきゃ」
諏訪子「だなー。気にしててもしょうがないか」



104番道路、桟橋の小屋


♪BGM 以魚駆蠅♪


早苗「ところで諏訪子様、これからどうすればいいんですか?
  海の先にある街に行けということでしたが」
諏訪子「そのうちポケモンに乗って水上を移動できる技が覚えられるけど…。
   ここでは本来ここの小屋に住む船乗りに乗せてもらうのさ。
   まぁ…今いるのはあの彼岸コンビだけどね」

諏訪子「おーい、入るよー?」


小町「あはははー…待て〜♪」
映姫「うふふふ…捕まえられるものなら捕まえてごらんなさ〜い♪…ハッ!!?」


ぴしゃん(SE:扉を閉める)


早苗「…あ…あの、諏訪子様」
諏訪子「…私のログには何も残ってないな
映姫「ちょちょちょっと待って、今のは何卒ご内密に〜!!><」



余談ですが、この小屋に船乗りのハギ老人がいる場合、パートナーのピーコちゃん(キャモメ)と本当に追いかけっこしてます。
平和というかなんというか。


早苗「あのトンネルのところの件を見る限り隠すほどのことじゃないでしょう…^^;」
諏訪子「なから読めていたけどここまでベタだと逆に恐れ入るわ
小町「全くだよ。この人役職がら面子に拘り過ぎなのが悪いクセなんだよ。
  もうちょっとオープンに振る舞ったって誰も文句なんざ言わないのにねぇ」
映姫「貴女はもう少しTPOを弁えなさい小町!
  …ところで、貴女方がここへ来たのは、やはり海を渡る御用事ですか?」
諏訪子「ま〜ね〜。ムロタウンの石の洞窟に引き籠ってるスキマに会わなきゃなんねえし」
早苗「そのあと、カイナシティという場所にいる河童さんに荷物を届けなければならないのです」
小町「随分面倒な話だねぇ…まぁいいさ。
  四季様を救ってもらった恩義は、ちゃんと返させてもらうよ。
  先ずはムロタウン、そこで用事が済んだらカイナシティだね。
  船はいつでも出せるから、準備ができたら出すよ?」
早苗「え〜と…ちょっとトウカの街へ戻ってモンスターボール補充してきますね。
  すぐ戻りますので、諏訪子様はここでお待まちになってください」
諏訪子「あいよー」



♪BGM 花の映る塚♪


映姫「…さて…山の神よ、一つお尋ねしたいのですが宜しいですか?」
諏訪子「…もしやと思うが…今回の“異変”の件かい?」
小町「異変?まさかこれが?」
映姫「…気付いてなかったのですか小町?
  私のコレは十中の十あの紫の仕業でしょうけど…今になって思えば、こうならなければ私自身がどうなっていたかも解らない。
  そして諏訪子殿、あなたはもしや」
諏訪子「……その姿になっても、物事の真贋を見抜くその能力は失われてなかったみたいだね。
   そうさ。今の私は、このポケモンに憑依することでしか存在できないんだ。
   …神奈子はまだ、少し時間はあるようだけど…いずれは…」
映姫「やはりですか…」
小町「どういうことなんですか四季様?
  …まさか、信仰のない世界では、この方たち…四季様も消滅の道をたどるとでも?」
映姫「察しての通りですよ小町。
  彼女が依代(よりしろ)をもって存在出来るのもおそらくは…早苗さんのお陰なのでしょう?
  …遠く貴女の血を引く彼女が側にいるからこそ、貴女はまだ、貴女の“存在”を保つことができる。
  依代なくば…」
諏訪子「…私はとっくに消滅していただろうね。
   だが、早苗の存在云々は関係ないさ。早苗の神の力も、もうとっくに無くなってると思うよ。
   …あの子は現人神、元々人間だからね。だから表面上は何ともないんだろう」
小町「そんな…このことを、あの子は知ってるのかい!?」

諏訪子「…言えるわけないだろう…!
   私の勝手で二人を巻き込んで、挙句あんた達や…神奈子まで巻き添えになろうとしてるんだよ!?
   しかも、多分原因は信仰の有無じゃない…何か大きな力が、私達と幻想郷に生まれた縁…存在するための力の流れを邪魔している…。
   …それを何とかしないと、私達は幻想郷にも帰れないし…それに…いずれ神奈子の奴も…!」

映姫「成程…私も、まかりなくも幻想郷にある神の一柱。
  そしてこんな姿にさせられたということは、恐らくは何らかの要因で、この世界から幻想郷に戻ることはできなくなったということでしょうか」
小町「…四季様…あんたそれが解ってたから…」
映姫「ええ。私の能力は八雲紫の能力を打破する数少ない力の一つですから、元に戻ることなど容易い。
  かなり早い段階でこの姿になったので、一応力は保持されたようです。
  けれど…その行使は“私自身の消滅”を意味する
小町「そんな…!」
諏訪子「…本当に済まない…私の所為で…私が、つまらないことを言い出した所為で…!」
映姫「…神とて…万能ではありませんよ。
  あなたが気に病むことではない。
  それに…こうなってしまったのも、何かそういう必然があったからではないかと私は思います。
  …そうでしょう、早苗さん?」

諏訪子「…早苗…あんた何時から」
早苗「…申し訳ありません…最初から…聞いておりました。
  それに…最初のジム戦の時も…諏訪子様のお力が旅立ちの時と比べて随分弱くなっていたこと…気づいてたんです」
諏訪子「…そうか」

早苗「お願いです…もう私に何もかもを御隠しにならないで…話してください!
  私は…私はこのままお二方が…諏訪子様と神奈子様がいなくなってしまうなんて嫌ですっ…!」
諏訪子「…ごめんよ、早苗。
   でも、私が解ってるのも、さっき話したことがすべてなんだ。
   私はこの依代が生きている限り大丈夫。神の力さえ…幻想郷との縁が戻れば、きっと元に戻れる。
   そのためにはどうすればいいか…紫がわざわざ呼びつけたということは、何か手掛かりをつかんだんだと思う。
   だから…今は先に進むしかないんだ」
早苗「…はい…!」



♪BGM 彼岸帰航 〜Riverside View♪


小町「…ムロタウンに行って、それからカイナだったっけ。
  こんな話を聞いちまった以上、あたいらも他人事じゃなくなっちまったけど…あたいらにできそうなのはこのくらいしかないみたいだ。
  済まんね」
早苗「いいえ…でも、本当に無償でもよろしいんですか?」
小町「死神ってのは信用第一だ。
  あんたらへの恩義を返すと言った以上、それを実行するまでさ」
映姫「というか貴女は少しお金に煩過ぎるのです、小町。
  仕事熱心にするなら、普段からきっちりと決められた量の仕事をですね」
小町「(∩゚д゚)アーアーきこえなーい
映姫「…(ぶちっ)」

キャモメはドリルくちばしの構え!!

小町「調子こき過ぎましたごめんあさい;;(土下座)
  さっきマジで三途の川の底見えたんで勘弁してください><」
諏訪子「というか、渡し守っていうけどもうけはあるんかい?」
小町「ここから船を利用して、トウカやカナズミからムロを行き来してる奴は結構多いんだ。
  ここに住んでる人間がみんながみんな、トレーナーってわけじゃないし…それに、ポケモンの力で海を渡るにもかなりの熟練を要するらしいからな」
早苗「…というと?」
諏訪子「さっきもちょっち触れたけど…ポケモンの“なみのり”って秘伝技で渡ることができるんだ。
   ただし…波乗りで海を渡るためには、トウカジムのバランスバッジの力が必要になる。
   おそらくは、秘伝マシンと一緒に神奈子が持たされてると思う。
   後半戦は、海での移動がメインになるから…」
早苗「…いち早く四つのバッジを得て…神奈子様と戦わねばならないのですね…!」
諏訪子「…うん。
   神の力を失った今、私に出来るのはこのゲームの知識を少しでも多く、あんたに伝えることだけだ」
早苗「それで…十分ですよ」



ムロタウン


小町「ほいよ、到着」

早苗「…ここがムロタウンですか…長閑な場所ですねー」
諏訪子「ああ。ジムがあるクセして、なんでかフレンドリーショップがまったく存在しないっていう…ぶっちゃけ離島の田舎町だね。
   だから正直、あんたがボールの買い出ししてくれて助かったといえば助かった」
早苗「あら、私はただ、マメに補充せよとのお言葉でしたから」
諏訪子「そう言うマメさって大事だと思うよ。
   そう言うのがないと、どっかの紅白巫女みたいに神社を妖怪のたまり場にしちまうことになるからね」
早苗「あはは…善処します^^;」


??「いや〜らし〜い〜あ〜っさがきたっ♪
  ろっこ〜つなあさ〜だ♪



♪BGM もう歌しか聞こえない♪


早苗「あら?あそこにいる子は確か」
諏訪子「夜雀じゃないか、寺小屋にいるはずだった」
ミスティア「おー?
     山の巫女にカエルの神様?なんでここに?」
諏訪子「カエルとかいうな。祟るぞ(#^ω^)
早苗「まあまあ落ち着いてください諏訪子様…^^;
  私達はこの街にいる八雲紫を探しに来たんですよ。
  あなたこそこんなところで何してるんです?慧音先生が心配してましたよ?」
ミスティア「んー…えっとね。
     私こっち来た次の日に、歌うたいながら朝の散歩してたらさー…白玉楼の暴食亡霊に追っかけまわされて。
     無我夢中で飛んで逃げてたら何時の間にかここに来てて、何処から来たのか解らんくなったから仕方なくここで暮らしてるの」
諏訪子「…何してんだ幽々子の奴」
早苗「多分、その時彼女も妖夢さんとはぐれたんですね」

ミスティア「んでさー、親切な釣り人のおっちゃんからこの竿もらったんだけどさー、何故かこれだとポケモンしか釣れなくて。
     ちぃっとも食べられそうな魚が釣れなかったから自分でテキトーに竿を作っちゃったんだ。
     よかったらこの竿もらってくんないかな?私には必要なさそうだし」

早苗「なんというか…随分年季モノの釣りざおですね」
諏訪子「ボロの釣竿だね。
   釣りざおアイテムは三段階あるけど、これが一番ランクの低い奴。
   けど、特定のポケモンを釣るのに役立つアイテムだからな。有難く頂戴するよ」

ボロの釣竿を手に入れた!

諏訪子「時にあんた、特に用事がないなら私らと来るかい?
   どーせこんなところにいても暇だろう?」
ミスティア「んー…そうでもないよ?
     ここの人たち結構いい人ばっかりでさ、今公民館で単独ライブを週一でやらしてもらってるの。
     それで今のところ食うに困らないし、人間を襲う必要もないからしばらくこうしてることにするよ。
     それにこの街、萃香もいるから知り合いいないわけじゃないし」

諏訪子「…萃香?」
早苗「地上にいる鬼ですね。博霊神社に居座ってるあの子ですよ」
諏訪子「あーあいつか。
   此間の宴会でトンネルにいた地底の鬼と天狗と神奈子と四人で飲み比べして勝った奴だろ。
   終わったの見計らって回収しに行ったけど…神奈子も天狗も死にかけてたし私途中で逃げて正解だったよー」
早苗「そんなことしてたんですか!?( ̄□ ̄;)
  道理で、普段信じられないほど大杯干しても次の日もけろっとしてる神奈子様が二日酔いとか言ってると思ったら…」

ミスティア「なんかここのジムっていうの?
     あそこのリーダーって人がいなくなっちゃって、代わりに萃香がリーダーの代わりをしてるみたいだよ。
     アイツも行き倒れたところを助けてもらったから、恩返しのつもりなんだって」

諏訪子「そういえば…九尾の奴ムロにいる鬼から事付け聞いたって言ってたな。そういうことか」
早苗「というか、ここのジムって何が専門なんですか?」
諏訪子「格闘タイプさ。全体的に、肉弾戦による力押しを得意とするポケモンが多いタイプだよ。
   岩や氷、鋼といった“硬いモノ”に対しては滅法強いよ。
   さらに、何気に弱点の少ないノーマルタイプポケモンに強い、唯一のタイプでもある。
   健全な肉体は健全な精神に宿る、とでも言いたいのか、悪のタイプも格闘技が弱点になるね」
早苗「それだけ聞くとすごく強そうですけど…弱点とかないんですか?」
諏訪子「一応飛行とエスパータイプの技には弱いけど、エスパーポケモンも鳥ポケモンも防御力が紙だからね。
   先手取られると、相性悪くても力技でねじ伏せられることもある」
早苗「剛よく柔を断つ、ですか」
諏訪子「逆にこっちが先手取れるなら、飛行やエスパーの技で瞬殺することもできるけどね。
   あと、何故か格闘の技は虫、毒、飛行、エスパーのタイプに効果が薄いんだ。
   私がアゲハントの能力を過小評価しすぎてたってのはそう言うこと。
   アゲハントは虫・飛行タイプだから格闘の技の威力が1/4に軽減されるんだ」
早苗「成程ー。それでは今回は、楽に行きそうでしょうか?」
諏訪子「格闘ポケモンは攻撃力高いし、格闘タイプの技を使うばかりじゃない。
   アゲハントの防御力とHPは低いから、油断は禁物だよ」
早苗「心得違いでした…それではジムの前に、ポケモンの特訓も兼ねて石の洞窟へ行った方が良いですか?」
諏訪子「その方がいいかも知れないね。
   現時点で地下階以降はまだ進みにくいけど、入り口付近でレベル稼ぎする分には問題ないと思うし」



(続く)