符の十一


流星の滝

魔理沙「…こいつはすげぇや。
   海っつーもんもそうだけど、こんな鍾乳洞も実物見たの初めてだぜ」

魔理沙「よーし、あの妖怪ネズミが持ってたのにヒントを得てにとりに作らせたこのダウジングマシンを…お、早速おいでなすったな」


隕石を見つけた!


魔理沙「すげえ…この石、私にも解るくらいの強い力を発してるぜ…!
   外の世界には魔法的なモノは存在しないとか、パチュリーの本には書いてあったけど…この世界は違うみたいだな」

「…ふふ…その隕石は我々の計画に必要なものだ。渡してもらおう」

魔理沙「誰だ!」

シズク「我々はアクア団。
   最近、この世界に現れた妙な一団が、我々にないような力を有してると知り…我々の計画に有用になるかと思って目をつけて泳がせておいたが…想像以上の成果が上がったようだな」
魔理沙「なんだよ…この石は私が見つけたんだぜ。
   欲しけりゃ自分の分を探してくれよ。
   この洞窟には似たようなのがいっぱい落ちてるぜ?」
シズク「君が今手にしているようなものは、それこそ数百年に一度見つかるかどうかの力を持つ石だ。
   その力なくして、我々の計画は成り立たないのでね」
魔理沙「けっ…河童みてぇな青一色の恰好のくせに、やることはハイエナだな!
   お断りだね!この石は私が魔法の材料に使うんだ、他を当たりな!」
シズク「…手荒な真似はしたくはなかったが…止むを得んな」

早苗「あれは魔理沙さんと…この間のアクア団!」
諏訪子「間一髪だったな…!
   魔理沙、その石持ってとっとと逃げろ!そいつらに絶対渡すな!!」
魔理沙「…守矢の青巫女か…?
   言われなくても、そうさせてもらうぜっ!

シズク「黙って逃がすと思うか!
   お前たち、その隕石を奪い取れ!小娘などどうしようが構わん!」
下っ端A「了解!行け、キバニア!」
下っ端B「ゴルバット、かかれ!」

魔理沙「げっ、こいつらもこの生き物操るのかよ!」
諏訪子「あったりまえだ!それがこの世界のルールなんだからなっ!」
魔理沙「…っていうかお前もしかして、山のカエル神かよ!?
   なんでまたそんな格好に…」
諏訪子「話は後だ!
   そいつらにそれ渡すと色々拙いことになる!
   ここは私達にまかせてさっさと行きなっ!早苗っ!」
早苗「承知!
  ゴルバット、ドンメル、お願い!」


下っ端A「く、くそっ!カイナに続いてまたしても…!」
下っ端B「申し訳ありませんチーフ…」
シズク「…いや、問題はない…フフフ」


魔理沙「ふぃー…何だったんだ、一体?
   それに、何だってお前らまで、そんな生き物を…」
諏訪子「つーかあんた、ポケモンのことをアリスやパチュリーに聞かなかったのかよ?
   この世界では、基本的にこのポケモンを捕まえて育て、それを戦わせるんだ。
   ポケモンは私達にとってのスペルカードであり、弾幕みたいなもんさ」
魔理沙「成程ねぇ。
   私も折角だし育ててみるかな。使い魔みてえなのには興味あったし」
諏訪子「つーか何の前触れもなくいなくなって、アリスの奴随分荒れてたよー?
   お陰で河童のストレス発散でえらい目にあわされたわ」
魔理沙「いやさー…最近アリスの奴が妙にべったりで、なかなか独り歩きもできなくて。
   違う世界にきたなら一人で羽を伸ばしたかったんだよー」
早苗「気持ちは解りますが…。
  それより、結局隕石は」
魔理沙「…隕石?空から降ってくるって石か?
   まさかこれがそうだって言うのか?
   へぇ実物なんて初めて見…って、なんなんだぜこの石、さっきのと全然違う
諏訪子「…っ!これは太陽の石!?
   しまった、あいつ“トリック”で隕石とすり替えたんだ!!
早苗「ええっ!?」
魔理沙「くそっ、あの青装束!
   この霧雨魔理沙から物盗むたぁふてえ野郎だぜ!
諏訪子「威張れることじゃないだろ!
   それに、それどころじゃないんだ…このままあいつらの好きにさせたら…!」

諏訪子「早苗、急いで煙突山へ戻るよ!
   あいつらがやろうとしてる馬鹿げた真似、何としても阻止しないと!」
早苗「は、はいっ!」
魔理沙「ちょ…待てよお前ら!一体何がどうなのか説明してくれよ!」
諏訪子「ったく…ついてくる気だったら、丸腰ではどうにもならんでしょ。
   早苗、道中で進化した“アイツ”、その盗賊魔法使いに貸してやんな。
   あくまで貸すだけだからね」
魔理沙「おう、そりゃありがたいね。一生借りt」
諏訪子「…終わったらすぐ返さなきゃ祟り殺すよ?
   私の真の力の前では、逃げても無駄だって解ってると思うけど」
魔理沙「ちぇっ」



煙突山


シズク「…只今戻りました、総帥」

アオギリ「…ふ…どうやら首尾よく隕石を手にしたようだな。
    この功績に免じ、前回のミスは帳消しにしておこう…御苦労、シズク」
シズク「恐悦至極。
   しかし、奴らとて馬鹿ではない…誤魔化しは長く効かぬかと思われます。
   これより、煙突山の山道総てを封鎖し、防衛の体制に…」
アオギリ「…必要はない。既に、ウシオが取りかかっている。
    貴様はカイナにある基地へ戻り…次の作戦の準備を整えろ」
シズク「はっ!」

アオギリ「…マグマの愚か者共が残したこの機械…。
    これは単に、隕石のパワーを増幅し照射するばかりが能ではなさそうだ。
    溶岩に働き掛け活性化させることができるのなら、逆に抑制する力があると見るが道理。
    …この山に奴らの基地の遺構があったのは幸運だったな…お陰でこの機械の回収も楽に済んだ…くく…くははははッ!!」

??「そうかい。
  折角直してもらったはいいが、そいつはすぐに使い物にならなくしてやるぜ!」


♪BGM 最期の決断(ポップンミュージック17MOVIEより)♪


アオギリ「!」

??「バクーダ、地震!!」

アオギリ「…ぬうっ…貴様、何時から其処にいた、マツブサッ!」
マツブサ「此処は元々俺らのホームグラウンドだぜ。
    お前らが知っている以外に、俺らにしか解らねえ抜け道くらいはあると思えや。
    …悪いが…お前の思い通りにさせるわけにはいかねえぜ!」
アオギリ「チッ…ウシオ、すぐ戻れッ!侵入者だ!
    火山を止める前に、薄汚いマグマの元頭領を溶岩の中にぶち込んでしまえッ!!」



煙突山麓ロープウェイ乗り場

早苗「…どうしたことでしょう…警備が手薄に…?」
諏訪子「……しめた、どうやら上でなんか起こったらしいな。
   この世界ではマグマ団が既に解散したって聞いたけど、紫の奴が動いてくれたのかも…!」

魔理沙「おおーい待ってくれよー!!
   急ぎなのも解るけど、つーかコイツいうこと聞かなさ過ぎるんだぜー?><」

諏訪子「だから急いでるって言っただろうが!
   あんたみたいにのんびりポケモンとってる暇ねーっていうか何時の間にスーパーボールパクってんだいあんた!!
魔理沙「つーかこんな凶暴な奴渡すなっての!
   危うくこいつの炎みたいな技で私まで吹っ飛ばされるトコだったじゃねーか!!><
   …一匹なんか捕まえたからいいけど…溶岩みたいなナメクジっぽい奴
諏訪子「え、ちょ、マグマッグなんていたのこの辺?
   早苗ぇー、ドンメルやめてコイツ育てない?覚える技そっちのほうが豪華だしー」
早苗「今そんなこと言ってる場合じゃありませんよ!!><
  急いで隕石を取り返すんです!!」
諏訪子「そうでしたそうでした…。
   さて、このロープウェイを動かしたいところだが…係員も流石に逃げちまったな。
   面倒だけど山道登るかー」

???「それには及びませんよ。
   私の能力を応用すれば、使い方は解ります。
   あなた達は早く乗って!」

早苗「あなたは…!」
魔理沙「…げっ…お前なんでこんなところに」
諏訪子「今それこそどうでもいいだろ。
   済まん、恩にきる!」


煙突山山頂

諏訪子「ん…どうやらまだ機械は動作してねーみたいだな…!」
早苗「諏訪子様、あれは!」

アオギリ「ふん…またお前たちか。
    見たこともない奴が一人混ざっているようだが…」

魔理沙「てめーがあの青装束の親玉か!私の見つけた隕石返せ!!

アオギリ「…随分威勢のいいお嬢さんだ…。
    だが、渡すわけにはいかんな。
    この機械を作動させ、煙突山の活動を止めねばならん。
    そうしたら、残った石コロなど好きに持っていくがいい」
マツブサ「けっ!何度も言わすな!
    んなことはさせねえって言ってんだよ!」
アオギリ「しつこい男だ…者ども!」

アクア団下っ端s「応ッ!」
マツブサ「…くっ…新手か…!」

諏訪子「あいつ…ひょっとしてマグマ団の」
早苗「え?」
マツブサ「…俺はお前らなんか知らんけどな…。
    だが、口を利くポケモンなら見た覚えがある。
    …俺が一度…誤って目覚めさせちまったからな…!」

マツブサ「どうやらお前らも、目的は同じようだな!
    こいつらは俺が食い止める!お前たちは機械をぶっ壊して止めてくれ、頼む!」

早苗「…諏訪子様…!」
諏訪子「…どうやら信用できそうだな。
   あの表情は、一度道を踏み外して…悔い改めたって面だよ!
   早苗、機械を止めるんだ!私は魔理沙と連中を蹴散らす!」
魔理沙「ええ?ちょっと待てよ私もか!?」
諏訪子「やかましい、盗んだボールの代金分くらいは働いて返せっ!!><


早苗「機械を止めるには…あの人をまずどうにかしないと…!」
アオギリ「邪魔が入ったようだが…それで私を追い詰めたつもりか…ウシオ!」
ウシオ「了解!」
早苗「…っ!」
ウシオ「おおっとお嬢ちゃん、ここから先は立ち入り禁止だぜっ!」


「邪魔なのはあんたよ!さっさと退きなさいっ!
ノズパス、岩石封じよっ!!」

どざざざざざざーっ!!

ウシオ「何ぃぃ!?」


♪BGM 人恋し神様 〜 Romantic fall♪


早苗「あなたは!…えーっと…」
穣子「ちょっと待てやおいィ!!此処まで来てまだそれで引っ張るかー!!><
静葉「…もういいわ落ち着きなさい穣子…また出番があっただけでも良しとしましょうよ…」
穣子「ちょ…姉さんそれでいいの!?」

早苗「静葉さん…穣子さん…!」
静葉「この独活の大木は私たちに任せて。
  所詮私達は秋の実りと景色をそれぞれ象徴する程度の神…決して、主役を張れるようなポジションではない。
  …美味しいところは、あなたが持って行きなさい…!」
穣子「悔しいけどジムも八雲ん所の猫に取られたわ…!
  ここでくらい、せめて恰好つけさせなさいよっ!」
早苗「…ありがとうございます!」

ウシオ「こ、この女ども!余計な真似を!!」
静葉「…あなた…とてつもなく咬ませ犬臭がするわね…」
穣子「私達は三下の相手とか本当は嫌なのよ。
  こう見えても、由緒正しき秋の実りと紅葉の化生なんですからね」
ウシオ「ええい…どうして何時も何時もこうなんだ!
   俺はこんな小娘にあしらわれるようなポジションじゃねー!!ヽ(`皿´)ノ
   お前ら!この娘どもをどうにかしろっ!!」

下っ端A「はいはい…ったくウシオ様(笑)は下っ端使いの荒いことで」
下っ端B「つーかどう見たって俺たちの相手も結局秋の化生様(笑)だしなー」
下っ端C「やれやれだ、出世できないペーペーはツラいねぇ」
ウシオ&秋姉妹「(笑)とかつけるんじゃねええええええええええええええええええええええええええ!!ヽ(`皿´)ノ」


アオギリ「ふん、まだ加勢がいたか…」
???「そう…そしてあなたのお相手はこの私。
   その機械を作動できれば勝ち、その考えは正しいですが…させるわけにはいきません」
アオギリ「何っ…!」


♪BGM 少女さとり 〜 3rd eye♪


???「…タツベイ、頭突き!」
アオギリ「ちぃッ…サメハダー、突進!」


がしぃ!!


早苗「さとりさん!どうして…」
さとり「…機械の操作があるのにどうしてここに、ですか?
   紫のスキマに吸い込まれたとき、私はお燐や空と一緒でしたからね。
   要領さえ分かれば、お燐がそのくらいのことをやってのけますから。
   …余計な問答は不要、早く行かなければ…あなたの危惧通りになりますよ!」
早苗「は、はい!ありがとうございます!」

アオギリ「…何者だ貴様…?
    成りは小娘だが…」
さとり「…私がどうやって、あなたに気配を覚られず背後を取ったか、ですか?」
アオギリ「…!」
さとり「…何故心が読めるか…気になりますか?
   残念ですが、あなたが考えるような精神感応能力者(テレパシスト)ではありませんよ。
   …我が名は古明地さとり…人の心を見透かす覚り妖怪。
   神の力を得たからとて、所詮は人間…その意識の隙を読むことは容易いこと。
   さあ…彼女があの機械を使いモノにならなくするまで、お付き合いいただきましょうか…!」



♪BGM 業火マントル♪


早苗「…隕石さえ外してしまえば!」
??「悪いが…そうはさせない…!」
早苗「え…きゃっ!?」
??「僅かでいい!
  私の盾となり時間を稼げ、ツチニン!」

さとり「…っ!
   しまった、そこにも…!」
アオギリ「くっくっくっ…心を読むことに頼り過ぎ、私が思いもせぬこと…そして意識もしていなかった者には対応できなかったようだな!
    命令違反は許されがたいが、でかしたぞシズク!」
シズク「処罰は後ほどいくらでも…我らがアクア団の大望のために!!」

ブイイイイイイイイイイイイイイン!!

諏訪子「機械が…!」
マツブサ「ちっ!あの野郎なんてことを!」


穣子「…っ!!!」
静葉「穣子!一体何が…はうっ!!」

マツブサ「何だ…!?
    一体、何が起こってるんだ…消えかかってる?」
諏訪子「まさか…自然のエネルギーが狂って…そんな!」


シズク「さあ…機械は作動したぞ…。
   エネルギー照射が終わり、火山活動が完全に停止するまで10分。
   そのくらいの時間稼ぎなら可能だぞ…!」
早苗「…っ!だったら、それまでにあなたを退ける!」
シズク「私にお前を制する必要性はない…ただ、耐えるのみなら十分可能だぞ!
   さあ、今こそ進化の時だ、ツチニン!」

ツチニンはテッカニンに進化した!

早苗「速い…!
  でも、そのくらいならッ!」

早苗「吹き荒べ守矢の神風…アゲハント、風起こし!」


ごおおおおおおおおお…!


シズク「くっ…だが!」
早苗「…!?」

諏訪子「早苗、後ろだああー!!」

シズク「遅い!ヌケニン、そのまま貫け!」


「そうはいかねえよ!焼き払っちまえ、相棒っ!」


ぼおおおおおおお!!


♪BGM 星の器 〜 Casket of Star♪


シズク「何だと!?」
魔理沙「悪いな、私はあんた達と戦いにたわけじゃねーからなっ!
   私のお宝、返してもらうぜっ!」

がきんっ!!

魔理沙「おっしゃ、隕石ゲットだぜっ!!」


諏訪子「あ、あいつ何時の間に…。
   しかも教えてもいねえヌケニンの弱点見事に突きやがった…
マツブサ「とんでもねー嬢ちゃんだな…大したセンスだぜ」
さとり「…そういえば…彼女の手癖の悪さは折り紙つきだったわ。
   今回は助けられたみたいですが…」

さとり「さあ、如何します総帥さん?
   力の源たる隕石がなければ、あの機械はただのガラクタ。
   ここから大人しく手を引くか…それとも」

紫「…我々全員を相手にし、その上であのはしこい魔法使いから…隕石を取り返してみますか?」


アリス「こらあ魔理沙ああああああ!!
   あんた一体今までどこほっつき歩いてたのよおおおおおお!!><

魔理沙「げーっアリス!( ̄□ ̄;)
   私はこんなところでお前の相手なんてしてるつもりねーぜ!あばよっ!!」
アリス「待てこのやろおおおおおおお!つーか私も連れてけえええええええええ!!><

パチュリー「やれやれだわ…本当に連れて行ってくれないかしら」
にとり「まぁまぁ。
   それよりあの機械すっごいね。持って帰って分解しちゃ駄目かな…(*´Д`*)ハァハァ」
パチュリー「いいんじゃない?残してても害にしかならなさそうだし。
     その前に、大掃除から始めないといけないわね…!」

萃香「ようやっと青装束と戦えると聞いて飛んできたよ〜^^」
勇儀「誰かとつるんで、ってのは性には合わんが…この場合はそうも言ってらんないかね」


アオギリ「…クッ…仕方があるまい。
    だが…我らの計画がこれで潰えたわけではない…。
    覚えておくがいい…このホウエンの支配者は、このアオギリであることをいずれ思い知らせてくれる…!
    者共、引き上げるぞ!!」



♪BGM 傷心のアイシャ(ロマンシング サ・ガ ミンストレルソングより)♪


諏訪子「静葉っ!穣子っ!」
早苗「一体何が…力が急速に小さくなって…!」

紫「やはり…ホウエンの自然バランスが狂わされれば、それだけ強い世界の自浄作用は発動する…。
 …この世界に紛れ込んだ異界の神は、いわば世界にとってのウイルスのようなもの。
 その影響をこの世界に出さぬために、自浄作用により排除されてしまう…」

さとり「…貴女…それを知っていたのに彼女たちへ伝えなかったのですか…!」
紫「…解っていても、阻止する術など無い…。
 伝えたところで、手段があったとでも!?」
さとり「っ!…それは…」

諏訪子「…だったら…だったらこれで…神奈子も…」
早苗「そんな!」

「…大丈夫…」

早苗「静葉さん!?」
静葉「…私達がここへ来たのは…この時点で私たち姉妹が消えることを…紫から伝えられたからよ…。
  でも…知っていたのは私だけ。
  穣子には何も知らせず、式神猫にジムを取られたことにして…なんとか、自力でその運命を阻止するつもりだった…」

静葉「…八坂神奈子なら大丈夫…。
  何処で力を得てきたのか…厄神が、身代わりの依代を作って、それを届けに行った。
  …それを使ってさえいれば…まだしばらくはもつ。
  あの神はあんたと戦うという約束があるから…どんな手に縋ってでも生き残ろうとするはず…。
  だから、心配しなくてもいい。
  …あんたを悲しませたくない一心で…幻想郷に神社ごと移転してくる神だからね…
早苗「…静葉さん」

静葉「風祝の巫女…そして、祟神の王…頼みがあるんだ。
  私はどうなってもかまわない…この子を…あんたと同じようにポケモンを依代として生き延びさせて。
  …私は所詮、秋の紅葉の象徴でしかない。
  でも…穣子は力は弱くても…幻想郷の実りを象徴する神。いなくなれば悲しむ人たちがいるから…」
諏訪子「…それで本当にいいのか、あんたは」
静葉「…?」
諏訪子「あんたたちは姉妹だろう!?
   何も真実を知らされず、姉が消えてしまった妹の悲しみはどうするんだよ!?
静葉「…でも」
諏訪子「でもも糸瓜もあるか!
   紫、幻想郷は失われしモノが流れ着く世界…そうだよな?」
紫「ええ」
諏訪子「外の世界は、人間が開発を推し進める影響で、私や神奈子が祀られてたころほどの景色なんてなくなってしまった…。
   その頃のままの、美しい秋の景色を象徴しているのはお前なんだろう!?
   お前が消えれば、それすらもなくなってしまうってことぐらい気付け!!」
静葉「…」
諏訪子「…だから、頼まれても穣子だけ助けたりなんてしない。
   あんたたち二人とも、ポケモンになって私達と一緒に来るんだ。
   皆でこの異変を解決し、幻想郷に帰るために…!」

さとり(…それが…それが貴女のけじめというのですね…山の神。
    貴女の本音は…自分がきっかけとなってしまった異変で誰かが消えてしまうことが耐えられないこと)

諏訪子「…早苗、構わないな?」
早苗「…私には…反対すべき理由はないです。
  だから…おふた方も、一緒に…私達と一緒に行きましょうよ…!」
静葉「……解った。
  …ありがとう…」



♪BGM 日常坐臥♪

マツブサ「…幻想郷に…異変ねぇ…俄かに信じがたい話だが」
紫「信じるも信じぬも貴方次第。
 けれど、この世界では既に一度異変が解決されたこと…そして、貴方が単身で現れたこと…。
 私達が想定していなかった事態が進行している事実もある。
 戸惑いがあるというなら、私達も同様なのです」
マツブサ「んや、疑っても仕方のないことだ。
    実際にあんたが…その神様達とやらの境界とかいうのを弄くり、ポケモンと同化させたのを見てしまった以上はな」

穣子(ドンメル)「…気が付いたら四足歩行になってた…誰か私に経緯の説明プリーズonz
静葉(キレイハナ)「ごめんね穣子…まぁ、こういうのもたまには悪くないわ」
穣子「つーかねーさん何その姿!
  私どう見ても四足歩行なのに、どうしてあーたは美しさ部門とか可愛さ部門に出れそうなポケモンなわけ!?
  不公平よマジで!!」
静葉「そうでもなかったわ。
  魔理沙の奴が落して行った石に触れたらたまたまこうなっただけで、私が選んだのはクサイハナよ」
穣子「それの何処がクサイハナって証拠だよ!!
  つーか私どうしてこれが実りの象徴なの?
  むしろ実りを焼き払う感じでしょこれ!?
  わけもわからぬうちにこんな姿になった私の悲しみの何が解るってんだよ!?><」
静葉「あなたもバクーダに進化すれば美しさ部門位制覇できるわ。だから問題ナッシング」
穣子「そおいう問題かああああああああああああああ!!><

マツブサ「確か俺のバクーダも、噴火と日本晴れのコンボで大分いいとこまで行ったっけなぁ。
    …っと、それはいいか。
    今回、あいつらの計画をご破算にできたのはあんた達のおかげだ。礼を言うぜ。
    俺は…あんたらを味方と見做していいのか?」
紫「礼など…私達のためにやったことでもありますから。
 それより貴方は、彼らを止めてどうするつもりなのですか?」
マツブサ「どうもしねぇよ。
    …俺は一度、俺の過ぎた理想でこの美しいホウエンを壊そうとしてしまった。
    あのアオギリの馬鹿野郎と一緒になってな。
    俺は…その過ちを繰り返したくないしさせたくもねぇ。それだけだ」
紫「そう…でしたら、ひとつ同盟でも」
マツブサ「拒否する理由はねぇ…でも、あんたの言動はなんとなく胡散臭いな
さとり「…随分ストレートに物を仰る方ですね…。
   そして激しく同意かつ彼女も嘘は言ってないようですし信用してくださって結構です」
紫「……(こいつら…(#^ω^)ピキピキ)」


(続く)