符の十三


トウカジム

早苗「神奈子様っ!
  只今戻りました、どちらにおいでですか神奈子様っ!」

静葉「…おかしいわ…誰の気配も感じられない…」
穣子「っていうか姉さん、まだそんな力が残ってんの?
  私、煙突山から向こうすっかり神としての力なくなってんですけどー…」
静葉「…ハッタリよ…言ってみたかっただけ。
  でも、この静けさは尋常じゃない。
  カナズミのジムだって、人の出入りは結構あったはずだけど」
さとり「…確かに、此処数日誰一人として入った形跡がありませんね。
   …出ていった形跡もないですが」
静葉「っていうかあなた、何時の間に接触感応(サイコメトリング)の真似事ができるようになったのよ」
さとり「…こちらに来てから、モノに残った残留思念を読み取る方法を教わりましてね。
   心を読むのの応用だと言っていたので、やってみたら結構簡単に出来ましたよ(にやり)
穣子「…あんた、幻想郷にいたころよりパワーアップしてんじゃねーかひょっとして…」

さとり「けど…これじゃまさか…最初から誰もいなかったみたい」
早苗「そんな!それでは…」


??「いいえ…まだ、手遅れではありません」


♪BGM 厄神様の通り道 〜 Dark Road♪


早苗「…貴女は…厄の神」
諏訪子「あの気質の変動で存在保てたのかあんたは…。
   一体、何処でそんな力を」
雛「…今はそんな問答をしている時間はありません。
 確かに、八坂神奈子は私の依代を用い、存在こそ保ててはいます…ですが、彼女の力は本来私よりも強大。
 私の依代は彼女自身の力に耐えきれず既に燃え尽き、最早彼女は何時消滅してもおかしくはない…。
 現に、そこの覚は私や彼女の存在を感知できていなかったのでしょう…?」
さとり「…!
   そこまで、あなた達の存在が薄れている…そういうことですか…!」
雛「ええ。
 八坂殿に用いた依代は、私の髪の一部を織り込んで作った特製のモノ。
 それが消失すれば…私も影響を受け、消えてしまうでしょう」
諏訪子「…っ…だったら、あんた達も今すぐポケモンに…」

雛「…そういうわけにもいかない。
 私は八坂殿の頼みにより…あなた達に、彼女と戦う力があるかどうかを見極めるために此処にいる」

諏訪子「なんだって…!?」
雛「消失寸前とはいえ、彼女の力は強大。
 …それは、彼女の駆るポケモンにも影響を及ぼすほどに。
 生半可な力量では、彼女と相対することすらなままならない…まして、その影響下にある私に勝てぬようならなおのこと!」
諏訪子「…あんた」

雛「…貴女ならご存知でしょう、洩矢諏訪子殿。
 このジムは、それぞれ何らかの特徴に特化したポケモンを操るトレーナーの部屋を通り、それに勝ち抜いていかねばリーダーの元へ辿り着けない。
 八坂殿の元へゆく前に、貴女方にもその試練を受けていただきます。
 …さあ、左は敏捷の部屋、右は命中の部屋。お好きなほうを選びなさい…」

早苗「…まいりましょう、諏訪子様、皆さん。
  神奈子様がそう仰ってる以上…それ以外の方法ではきっと、お会いになってくださるはずがない…」
静葉「……普段一番滅茶苦茶やるのに、こういう時ばかりは形式にこだわるからね、彼女は」
諏訪子「…うん」
早苗「それでは…右、命中の部屋へ!」


命中の部屋

雛「…この間のポケモンは、確実に攻撃を当てることに特化している。
 回避は不可能、確実にそちらの体力を削り落とす…!」
早苗「だったら、攻撃力を殺いでしまえばいい…その差でアドバンテージを稼げば!
  ギャラドス、お願い!」
雛「…そううまくはいくでしょうか…。
 エネコロロ、歌う!あの暴れ竜を眠らせておしまい!」

ギャラドスは眠ってしまった!

早苗「…っ!」
雛「…眠らせる必要があったかは解りませんが…これで終わりです!
 エネコロロ、電撃破!

効果は抜群だ!
ギャラドスは力尽きてしまった…

早苗「うっ…そ、そんな…」


諏訪子「…この部屋のポケモンは確実に攻撃を当ててくることに特化している。
   でも、本来ならトレーナーがアイテムを使ってドーピングしてきてからの話だ。
   あいつは何もしてないのに…それに、確かに覚えさせることはできるが此処のエネコロロは電撃破なんて使ってこないはずだ!」
さとり「恐らくは…彼女が言う八坂神奈子の力なのでしょう。
   ならば、この先の部屋も同様と見ていていい…!」

静葉「仕方ないわね…此処は私が礎になるか…!」
穣子「姉さん!?」


早苗「静葉さん!」
静葉「目には目、命中精度には命中精度。
  このメンバーの中でそれに特化してるのは私…相手に神の力がかかってるというなら、完全に存在を託した私の力をもってすれば…!」
早苗「…解りました、お願いします…!
  キレイハナ、吸い取る!」
雛「ならば、こちらはかわせばいい。エネコロロ、影分身!」

キレイハナの すいとる!
しかし キレイハナの こうげきは はずれた

静葉「…ちっ!」
雛「そして騙し討ち!」

エネコロロの だましうち!
きゅうしょに あたった!

諏訪子「くそっ…こっちの攻撃を回避し、向こうは当ててくる…!
   騙し討ちも電撃破も回避不能技だ…
穣子「何よそれ!そんなのアリなの!?」
諏訪子「れっきとしたポケモンの技であり、それを使うなというルールはないんだ…
雛「その通りです。
 そしてその程度のことを乗り越えて頂けねば、八坂殿には到底敵いませんよ…!」

静葉「ふん…その程度で勝った気になってもらっても困るわね…。
  この私をあまり舐めないほうがいい!
  さあ、舞い踊れ紅葉、秋の美しき山の緋よ…葉符“狂いの落葉”!」

キレイハナの あまいかおり!
あいての エネコロロの かいひりつが さがった!

雛「…何っ!」
静葉「そして、これで終わりよ!散れっ!!」

キレイハナの マジカルリーフ!
きゅうしょに あたった!

雛「…っ!
 …お見事…先ず第一関門は、合格です」
静葉「そう…でも、私も限界だわ…。
  …皆、先に行きなさい。あとは…頼んだわ」

早苗「そんな…!」
穣子「…行くわよ皆…姉さんの気持ちを無駄にしないで…!」
早苗「…はい」

雛「それでは次の間へご案内します。
 左は守勢の部屋、右は再生の部屋…さあ、行くべき道を選びなさい」
早苗「では、左。守勢の部屋を!」


守勢の部屋

雛「…御出でなさい、プリン」

早苗「…あれは?」
諏訪子「プリンだね。
   あの可愛さだけで人様に媚び売るような見た目通り能力値はそれほど高くはないけど、HPはかなり高いポケモンだ。
   此処も、薬で防御力を高めるところから始まるけど…」
穣子「…!
  ちょっと待って、あの丸っこいの…様子が変よ!?」

プリンはプクリンに進化した!

諏訪子「なっ…!!」
雛「…勿論、此処も額面通りにはいきません。
 進化を加えることで、元々高かった体力の値は、さらに高くなる…!
穣子「というか…驚くことないでしょう…!?
  諏訪子だって、私達と戦った最中に進化したんだし…」
さとり「…あのポケモンの進化は特別なんですよ。
   月の石というアイテムを使うことで、そのパワーを持ってのみ進化が可能となるはず」
諏訪子「…あらかじめ使ったわけではないな…まさか、それも」
雛「お察しの通り。
 消失寸前となり、散らばった八坂殿の力が…ポケモンに宿って起きた進化」
諏訪子「くっ…!」

穣子「…下がってなさいよ、祟神。
  此処は、私が引き受ける」
諏訪子「…穣子?」
穣子「解っているわよ…けど、姉さんのあんな姿を見たら、私だって黙って見てたくないよ!
  あんたは…絶対に八坂神奈子の元へ行くんだ!
  …早苗、お願い…そのヌマクローを絶対に、リーダーの元へ行く前に出さないで。
  最悪でも必ず、此処だけは制するから…!」
早苗「…穣子さん…!
  …解りました、お願いします!」


穣子「行くわよッ!」

ドンメルの マグニチュード!
マグニチュード10!!


雛「…っ…良い一撃です。ですが」
穣子「な…何、あの光の壁…!?」

諏訪子「…あれはリフレクターだ!
   5ターンの間物理攻撃のダメージを半減させるエネルギー障壁を張る技!
   確かに技マシンで覚えられるけど…こんなところのプリンは覚えちゃいないっ…!
   …神奈子の奴…どんだけ自分の力の漏出が制御できなくなってるんだよッ…これじゃ、まるでメルトダウンだ…!!」
早苗「…諏訪子様…神奈子様…っ!」

穣子「ちぃっ…だったら火の粉で焼き尽くすっ!」
雛「なら…今度は光の壁です…!」
穣子「くっ…!」

諏訪子「…今度は…特殊攻撃のダメージを半減するバリア…!」
早苗「穣子さん!
  …一体…一体どうすれば…っ!」

雛「…攻め手がなくなったようなら、今度はこちらから参りますよ…!
 プクリン、転がる!」
穣子「はうっ!!」

さとり「いけない…!
   転がるは岩タイプの技だけど、地面は岩に耐性があっても炎が岩に弱いから相殺される…!」
諏訪子「くそっ…早苗、私を出すんだ!
   残ったメンバーの中では最もレベルが高い…それに、秘伝の岩砕きが有れば、高確率で防御力を殺ぎ落としながら攻撃できる!
   だからっ…!」


穣子「馬鹿なこと言ってんじゃないわよッ!!
  此処は私が何とかするって何度言ったら解るの、この馬鹿蛙!!!」
諏訪子「…っ!」


穣子「こんなところで…こんなことで私は負けない!負けるわけにはいかない!!」
  …姉さんは私に本当のこと隠していたけど…私にも解ってるんだ。
  助けられてばかりは私も癪だ…だから、だから此処は誰にも譲らないッ!!」
雛「…志は立派…ですが、攻撃力を増し続けるこの転がる攻撃、何時までも耐えられまい!」
穣子「…何様よあんた…。
  先に姉さんが似たようなこと、言ったけど…この私を…実りの神たる秋穣子を舐めるなああああああああ!!


♪BGM Believing My Justice(ロマンシング サ・ガ ミンストレルソングより)♪


ドンメルはバクーダに進化した!


雛「うっ…!そ、その姿は!」
穣子「攻撃を続けるごとに威力が増すなら、その攻撃そのものを止めてしまえばいい!
  喰らいなさいっ!!」

バクーダの いわなだれ!
あいての プクリンは ひるんだ!

雛「馬鹿なっ!?」

さとり「…決まった…!
   あの技は、20%の高い確率で、相手を怯ませることができる…!」
諏訪子「それだけじゃない。
   転がるは、当たり続ける度に威力が倍加する技
   攻撃が途切れれば、撃ち直しても威力は大幅に落ちる…チャンスだ、穣子!」

穣子「…当然、此処で決めてやるわ!
  さあ、止めを刺しに行くわよ…早苗っ!」
早苗「は、はいっ!
  ドン…いえ、バクーダ!地震!!」

バクーダのじしん!
きゅうしょに あたった!

雛「…まさか…リフレクターの上からこれほどの威力を…!」
穣子「…何度も言わせないで…!
  この私を…あま、く…」
早苗「穣子さんッ!!」

バクーダは戦う気力がない…

雛「…その覚悟と想い…しかと見届けました、秋神。
 第二関門、合格です。
 ですが…関門はあと一つ。残る攻撃の部屋、一撃の部屋を選んで進みなさい…!」

諏訪子「…静葉…穣子っ…!」
早苗「……諏訪子様……お言葉ですが、悲しんでいる暇はないです…!
  秋神様達のお心づくしを…無駄にするわけにはいかないですから…!!」
諏訪子「…解ってる…解ってるけどっ…!」

早苗「…右、一撃の部屋を」
雛「…承知しました」


一撃の部屋

雛「…此処は…最後の試練。
 此処を勝ち抜けば、残るは八坂殿のみ。
 …申し訳ありませんが…手加減をするつもりはありません」
早苗「元より、覚悟の上です…!」
雛「結構。
 それでは…参りますよ!」


鍵山 雛が粘着してきた!


♪BGM 運命のダークサイド♪


雛「行きなさい、ヤルキモノ!」
早苗「御願い、ゴルバット!」


さとり(…スピードはゴルバットのほうが優れている…。
    だが、ヤルキモノは攻撃力にも秀でたポケモン。
    防御能力の低いゴルバットでは、下手な技を受ければ即座に終わり…まして、此処のポケモンはクリティカル率の高い技を多用する…!)

諏訪子「…っ!」

さとり(…彼女も…それを理解している。
    けれど…より強く感情を支配しているのは、焦りに他ならない。
    …近くに来たからこそ解る…この八坂神奈子の力の奔流は、噴火寸前の火山そのもの。
    恐らく…もうほとんど時間は残されていないはず…!)

さとり(今はただ…彼女を信じるほかない…!)


早苗「ゴルバット、エアカッターを!」


ゴルバットのエアカッター!
きゅうしょに あたった!

あいての ヤルキモノは ひるんだ!


雛「なっ…!
 CT補正以外に特性のないエアカッターで、何故…?」
早苗「…見えませんか?
  この子が被っている、石の冠を!?」

さとり「あれは…王者の印!?
諏訪子「…ああ。
   最初に連れていたマッスグマが、偶然拾ってきた」
さとり「…なるほど…如何に攻撃力が高かろうが…一撃の力が重かろうが、止めてしまえば無駄なこと!

早苗「…そう…そして、さらに行動を阻害する手段もこの子にはある!
  ゴルバット、妖しい光!!」

あいての ヤルキモノは こんらんした!

雛「くっ…!」
早苗「これで止めです!ゴルバット、翼で打つ!」
雛「…なら…その厄は私が引き受けましょう」
早苗「…え…?」

あいての ヤルキモノの こんらんが とけた!

さとり「…馬鹿な!
   混乱状態が直後の行動前に解除されるなんて!」
雛「その光…強い厄の力を感じた。
 厄が私に引き寄せられるのは私が流し雛である所以…!
 ヤルキモノ、切り裂く!」

ヤルキモノの きりさく!
きゅうしょに あたった!

早苗「…くうっ…!」
雛「…まだ戦う気力が残っているようですが…無駄な足掻きです。
 さあヤルキモノ、とどめを!」

諏訪子「さなっ…!?」
さとり「…貴女を出すわけにはいかない…。
   彼女が…東風谷早苗が、心でそう訴えている。
   …今の貴女がポケモンであることに徹するなら…トレーナーの指示にくらい素直に従いなさい!
諏訪子「うっ…くっ!」

早苗(…そう…それにこの子の意思を感じる…。
   解ってるわゴルバット、此処はあなたに任せる!)

早苗「…一度だけでいい…私に残る洩矢の血よ…この子に力を!
  ゴルバット、エアカッターで迎え討てッ!!」


ごおおおおおおおおお…!!


さとり「…この…力は!!」
諏訪子「…まさか…早苗に残っていた最後の神の力…?」


ゴルバットとヤルキモノは力尽きた…


雛「…お見事でした…風祝の巫女よ。
 これで…私の役目も…」
諏訪子「厄神…雛っ!」
早苗「雛さん!」

雛「…私のことは構わないで…。
 もう、彼女に…残された時間は少ないから…。
 …私の依代が残っている限り、私も消えることはない…だから、先へお行きなさい…」
諏訪子「…駄目だ!此処であんたも助ける!
   もう役目が済んだならいいだろう!?
   それに…あんた自身の存在が消えたら、神奈子も消えちまうはず…だったら!」
雛「…見抜いて…居ましたか…。
 冷静さを欠いていたようですが…見るべきところはしっかり見ていたのですね…けれど、私は」
早苗「貴女がどんな存在であろうが…此処で見捨てるわけには参りません。
  貴女がいなければ…神奈子様が消えてしまうことは防げなかったのでしょう…?
  …それに…この先も一緒に力を合わせていけば…きっと楽しいです…!」

雛「…ありがとう…。
 それでは…この先、私も御同道させていただきます…」


厄神の力が、戦う力を失ったゴルバットへと流れていく…

ゴルバットはクロバットに進化した!


雛(クロバット)「…この子は…随分貴女に懐いていたようですね。
        この新たな姿は、その証なのでしょう…。
        …ですが、今はもう、戦う力は残っていない」
早苗「…解っています。
  だから、さとりさんと一緒に見届けてください。
  秋神様達や…その子が切り開いてくれた道の先…神奈子様との戦いの行く末を…!」



トウカジム・ジムリーダーの間


♪BGM 御柱の墓場 〜 Grave of Being♪


神奈子「…やっと来たね…早苗、諏訪子。
   そして…辛い役目を押し付けてすまなかったね…雛」
雛「いいえ…それよりも」
神奈子「ああ。
   私に残された時間は、もうそれほど長くはない。
   …もって、一時間というところか」

早苗「…神奈子様!」
神奈子「来るな、早苗ッ!!」


神奈子「…これから…私から課す最期の試練を受けてもらうよ…早苗。
   あんたが、私がいなくても…立派に幻想郷の巫女としてこの異変を解決しきる力を得るかどうか、この戦いで確かめさせてもらう!!」


諏訪子「神奈子っ!
   あんたは…あんたはまだ消えちゃいけないんだ…!!
   この責を負うべきは私一人でいい…まだ、あんたは早苗の為に消えちゃいけないよっ!!」
神奈子「馬鹿なこと言ってるんじゃないよ!
   経緯はどうあれ…早苗は自分自身の力でこの異変を解決してみせると、そう言ったんじゃないのかい!
   …少なくとも私は天狗から…文からそう聞いている…!」
諏訪子「…神奈子…あんた?」

神奈子「…それに…早苗はもう、私達がいなくても立派にやってけるって…証明させてあげたいんだ。
   自分が仕える神を感じ取れてるのか解らないあの博麗の巫女みたいに、早苗自身の力で立派にやって行けるってことを…!」


神奈子「あたしは悔しいんだ…!
   あんな、神を敬うことすらしないちゃらんぽらんな奴に…努力家で真面目な早苗が後れを取らなければならないことが…!
   あたしだって早苗をこれ以上苦しめたくはない…!
   けど、このままじゃ駄目なんだ!あたしを超え、幻想郷の巫女としてこの子が認めてもらうためには!!」


早苗「…解ってます、神奈子様」
諏訪子「早苗っ!?」
早苗「どの道…これは避けられぬ戦い。
  私にできることは、きっともう…この試練を全うすることでしかないはず!
  甘えを捨てろと…そう仰ったのは諏訪子様…貴女が先じゃないですか…っ!」
諏訪子「…早苗ぇ…」


神奈子「…ありがとよ、早苗。
   私は…いい巫女を持った。
   あんたの親代わりは…楽しかったよ」
早苗「…私もです…神奈子様。
  幼くして身寄りを亡くした私を…諏訪子様ともども、実の子のように私を育ててくださったこと…決して、忘れたことはないです…!
  …だから、この戦いで貴女を超える!!」


神奈子「さあ、あんたがこの旅で得たものを総て出しつくしてかかってきな!
   八坂刀売神…八坂神奈子、参るッ!!」



(続く)