少し時間を遡ってコガネシティの裏路地
リリカ「なにこの店」
ポエット「サイクリングショップ…自転車屋さんみたいですねー」
幽香「こんな店初めて見るわ。
…こんな裏路地の人通りの少ない場所に建ってれば、ある意味誰も知らなくて当然かもね」
自転車屋の店主「悪かったなー店の立地条件悪くて―!!ヽ(>Д<)ノ 」
店主「本店はカントーでも評判の店だったし、こっちに分店出したはいいけどジョウトの連中…とりわけコガネの連中はカントー者ってことで何かと突っかかってきやがる…。
それでも何とか下げたくもない頭下げて回って、ようやく店を出せる段になったと思ったらこの有様だよ。
折角建てた店だけど、開店以来人っ子一人通りやがらないし…カントーに近いワカバかヨシノにでも移転するか、それともいっそジョウトから引き上げようかと思ってたとこさ…」
レティ「ふーん、この世界にもそんなのあんのね。
見事な村八分と関心するけど何処もおかしくはないわね」
ポエット「なんだか気の毒です…私達で何とかしてあげられないでしょうか…?」
こいし「…同情はするけどさぁ、この世界の自転車ってぼったくりじゃないかってくらい高いのよね。
最初アレが適正価格なんだと思ってたら、外の世界だとまかり間違っても百万円なんてふざけた値段なんかついてないって言うじゃない?
相場いくらって言ってたっけ。登山用MTBでも精々十万程度でしょ?
百万も出せば軽4WDのそこそこいい自動車が買えるらしいよー」
リリカ「何処まで外の世界に詳しいのよこいし…^^;
まぁ、確かにシンオウで見た自転車も頭悪いくらい高かったわね。
とてもじゃないけど賞金貯めてどーにか、って額じゃなかったしあきらめたのよねー」
店主「うう…確かにそれを言われると痛いが、こちらもトレーナーに合わせたカスタムメイドのものを用意してるからなぁ…。
一般用のママチャリだとかも他のより品質はいい自負はあるのに」
幽香「この街の住人は特に、モノは二の次で安値、ってところあるみたいだし仕方ないんじゃないかしらね。
本当、住人があの霊夢ばかりの街だと思うとイメージ的にぴったりなのよね」
レティ「…シャレにならないわその例え…」
店主「…まあいいさ。もう客も来ないようだし、そろそろ引っ越しを考えるよ…。
お嬢ちゃん達、見ればトレーナーのようだね。
今日訪ねて来てくれたのも何かの縁…最新式の自転車、タダであげるから使っておくれ。
わしの愚痴を聞いてくれたせめてものお礼だ」
リリカ「いいんですか?」
幽香「貰えるとあれば、遠慮なく貰うわよ?」
店主「ああ。
その代わり、カントーへ行ったらうちの本家にもぜひ寄ってくれ。
出来ればその自転車の感想でも伝えてやれば、うちの職人も喜ぶよ」
現在 エンジュシティ
幽香(電話)『…でさ、流石にあのまま借りっぱなしも癪だったから、少し宣伝してあげて回ったわ。
お陰で利用客も増えたみたいで、これで少しはマシになるでしょうね』
リリカ「あー…そう言えば貰ったのすっかり忘れてた^^;
っていうかすっかりこいしの野郎が気に入って乗りまわしてるし…」
こいし「(自転車に乗ってる)〜♪」
幽香『ってかそいつよ、そいつ。
そいつ何時の間にかジョウト中をそれで駆けずり回ってたらしくて、ちょっとしたウワサになってるみたいだわ。
…秋神に言っときなさい、捕まえておくなら四六時中野放しにするな、って』
リリカ「…どゆこと?
っていうか、この短い間で何時の間に」
静葉「…まさか、私達が寝ている間に…?
流石にそこまでは面倒見切れないんだけどねえ…^^;」
コガネのミラクルショップ分店は、コガネ百貨店の裏手の入り組んだ位置にひっそり存在します。
文中にあるような黒い話はないですが、店の立地が悪くて客足がさっぱりなのはゲーム中と同じ。
店主に話しかけると最初は「貸す」と言って自転車がタダでもらえますが、一応ということでポケギアの番号を教えろと言ってきます。
ある程度自転車を使用すると店主から電話がかかって来て、「君が宣伝してくれた効果があったから、お礼として自転車はあげる」と言われて正式に自転車を譲ってもらえます。
はっきり言って自転車はそんなに長い距離を乗らなくてもいいみたいです(レベル上げのため数分間、エンジュと37番道路を言ったりしたりしている程度で電話がかかってきました^^;)。
更に言えば、今作ではタッチパネルでランニングシューズのボタンを押しっぱなしにしていることで常時高速移動が可能、しかも自転車が必要になるフィールドも(少なくともジョウトには)ないようなので有難味がほとんどないような…。
-東方幻想詩譜- 譜の十
エンジュジム
静葉「…凄まじい霊圧と霊障だわ…。
こんなところにいたら、何の力も持たない人間ならば数分と持たず発狂するかもね」
リリカ「そうなの?
私、何も感じないんだけど」
静葉「それはそうでしょうよ…そもそもあなた元々騒霊じゃない。
騒霊が霊障に中てられて頭ヒットしたとか言ったら物笑いの種よ。
…まぁ、あの連中はまだしもとして」
こいし「(何もないところに向かって手を振っている)おー、四丁目の田中さん元気ー?
守矢神社で呼び出して以来だねー?^^」
ポエット「(通路の隅っこで震えている)ううう…私には何も見えない見えない見えない…><」
みとり「(怯えている)くく、来るな!そこから先は通行禁止だああ!!><」
ウェルダン「…ポエットはまだしも、地底って確か怨霊で溢れてるとか聞いた記憶があんだが?」
レティ「(石臼でコーヒー豆を挽いている)地底と一言で言っても広いからね。
彼女が住んでいる旧都周辺は、鬼が多いこともあって妖怪も怨霊もあまり近づかないらしいわ。
…さて、これでよし。これからひと暴れさせてもらってから、ゆっくりと新しいブレンドを楽しませてもらおうかしら」
リリカ「へ?」
レティ「へ、じゃないわよ。
今回は私に任せてもらおう、と言ってるのよ。
いい加減実戦に出ておかないと」
リリカ「それは…いいけど、ゴースト技はエスパーに効果が高いんだよ?
進化済みならともかく、今のままだと」
レティ「随分と見縊られたものね。
仮にも幻想郷のSGGKと呼ばれた私が、ガス装備のゴーストどもに後れを取ると思ったその浅はかさは愚かしいわ。
…まぁ、見ててごらんなさい」
マツバが待つエンジュジム、基本的には一本道ですが、道を踏み外すと強制的に入り口まで戻されてしまいます。
しかも、トレーナーを負かすと、近くにあるローソクの火が消えて順路が解らなくなるというおまけ付き。
入口に戻されると消えたローソクに再び火が付き、トレーナーとの再戦はないものの面倒くさいです。
タイムアタックとかやりたい人には地味に嫌な仕掛けかも知れません。
ジム内はゴーストでいっぱいで、貰える努力値は総て特攻。
特にゴーストの特攻+2はかなりおいしいです。強制ギプスとセットで一気に稼ぎましょう。
道中のトレーナーが繰り出してくるポケモンの、ゴースト技の攻撃力は非常に低い(ただでさえ攻撃が低いのに、素の威力まで低い物理技の舌で舐めるを多用してくる)ので、固定ダメージのナイトヘッドを連発されない限り念力やサイコキネシスで返り討ちに出来ます。
まぁ舐められて麻痺すると厳しいですが。
ここでレティさんの特攻努力値を稼ぎつつマツバの元へ。
マツバ「…待っていたぞ」
静葉「其れにしても、ひとつ不可解なことがあるわね。
あなたは何故、あの塔にいたの?
もう一人いた騒がしい彼とは随分親しいように見えたけど…」
マツバ「…元々、代々のエンジュジムリーダーは塔の主である三体のポケモンに関する口伝を受け継いでいる。
ミナキは僕の古い友人でね。
彼の一家はその、焼けた塔に住まう三柱のポケモンのうち、スイクンについて代々調べている。
…つまり、彼は僕の知識を元に、調査の手伝いを頼んできたということさ」
マツバ「ここ…エンジュには全部で四柱の、神として崇められてきたポケモンが居る。
焼けた塔から走り去ったスイクン、ライコウ、エンテイ…そして、スズの塔にかつて住んでいたと言われるホウオウ」
マツバ「ホウオウは人が相争うを嘆き、姿を消してしまったと言われる。
しかし…人として正しい心を持ち、ポケモンと心を通わせ、確かな知識と判断力によりその力を幾乗にも高め引き出させるという、真のトレーナーと称される人物が現れたそのとき、再びホウオウはスズの塔に舞い戻ると言い伝えられている」
マツバ「僕は、その言い伝えを信じ、トレーナーとして一歩を踏み出す前からこの地で秘伝の修行を続けて来た。
そうして…僕はいつしか、他人には見えないモノまで見通す千里眼の力を得た。
…その僕の千里眼が告げているのは、この地に現れる、真のトレーナーというべき存在の出現。
残念ながら、僕に解るのはここまでだった」
静葉「…アリス=マーガトロイドがホウオウを手中に収めた現在でも、その正体をつかみかねているとでも?」
マツバ「彼女がそれに値しているのかは、僕にも解らない。
そもそも彼女らが捉えたホウオウも、彼女ら…というより、君たちの世界の住人が、この世界に現れるのに都合の良い姿となった…ホウオウの似姿に過ぎない」
マツバ「…リリカ、だったね。
僕の千里眼では、君もその“真のトレーナー”と言うべき存在なのかも正直、良く解らない。
でも、君には大きな運命の力を感じる」
リリカ「運命…」
マツバ「だが、今の君の心は迷いが満ちている。
その存在の曖昧さを反映するかのように。
君は…自分が本当は何者であるのか、そのことに対して疑問を持ち始めているだろう?」
リリカ「…!」
マツバ「レイラ=プリズムリバーという孤独な少女から生まれた“騒霊”という幻想。
何故、同じ騒霊という存在でありがなら、ふたりの姉を消すほどの言霊を自分が放てたのか。
…僕には、その理由が見えている。
だが…それは今の君が受け止めるには、あまりにも過酷な現実だと思う」
リリカ「…い、いや…そんな、私っ…!」
マツバ「…いや…もしかしたら、君も薄々気づいているのだろう?
君は、本当は」
レティ「そこまでよ、お兄さん。
この子を怯えさせて、戦う前から心を折りに来るとかヒキョウでアワレな汚い忍者のすることだわ。
…これ以上の問答は無用、私はこんな瘴気たっぷりで居心地悪いところのバトルなんかとっとと済ませて、美味しいコーヒーで一服したいのよ」
マツバ「失礼した…そんなつもりではなかったのだがな。
忠言のつもりだったんだが、人間付き合いが疎かになり過ぎるとこういうところで損をしてしまうな」
マツバ「…僕にはいまだ、ホウオウを呼ぶ人物の影の正体がつかめない。
だが、僕はそれが僕自身だと信じている…!
自身の存在を探し迷い続けて来た君とのバトル…それもまた、僕にとっても修行の一環となるだろう!」
リリカ「レティさん…私…」
レティ「リリカ、気をしっかりと持ちなさい…!
…エスパーの力を引き出すのも、ゴーストの力を引き出すのも、トレーナー自身の心の強さで決まる。
急に出せない答えなら、落ち着いてからじっくり考えればいい。
受け入れられない答えは、あとでじっくりと向き合うことにすればいい。
今は、ここまでの旅路で感じて…そこで見いだせて来たものを信じるのよ!」
-変わらなきゃ…!
お姉ちゃん達を元に戻して、変わった私を見てもらうんだ!-
-けど…今の私には、その為にどうしたらいいか解らないことが多過ぎる…。
だから、みんなと一緒にこの世界を旅しながら少しずつ考えていけば、上手くいくかもしれないから…だから-
-…そんなの、関係ないよ。
このひとの気持ち、今の私にはよく解る…だから、拒む理由なんてない。
…どれだけのことが私達に出来るか解らない…それでも良ければ一緒に行こう、みとりさん-
-みんなで一緒の方が、きっとみんなにとっても思い出になると思うんだ-
リリカ「…うん!」
マツバ「(…!…心の迷いが消えたか…!
彼女たちの絆は、既にそれだけの大きなつながりになっているということか…)
相手にとって不足はない!
ゴース、お前の速さなら先手を取れる筈!催眠術だ!」
リリカ「そうでも…ないと思うよ?
DP激サンキスフルコン出来るSGGKには死角なんてないよね、レティさん!」
レティ「その通りよッ!
食らいなさい、寒符“厳冬のロジック”!」
レティはサイコキネシスの構え!
破壊力ばつ牛ンの一撃!
相手のゴースは成仏した!
マツバ「なん…だと…!?」
レティ「この私をただのムチュールと思ってるならその考えは改めることをお勧めするわ。
伊達に、地道にコラッタやズバットを狩ってきたわけじゃないんですからね…!」
ついでに言えばマツバの手持ちはゴース(21)、ゴースト×2(21、23)、ゲンガー(25)の4体。
見事なゴース系統マニアと関心するが何処もおかしくはないな。
ゴーストポケモンに有効なのはゴースト、悪技ですが、何気に特性浮遊で毒タイプがあるのでエスパー技も効果的。
ゲンガーのタイプ一致シャドーボールがおっかないので、相性的に無効化できるトゲピー(トゲチックもしくはトゲキッス)の神通力で切り抜けるのもひとつの手であります。
また、この時点で用意可能な悪ポケモンは精々ブラッキー(イーブイを夜に懐き進化)程度、レベル的に悪技も覚えてない筈。
ゲンガー達は基本的に紙防御なので、同レベル前後のギャラドスの噛みつくであっさり乙ります。催眠対策にカゴの実を持たせてギャラドスに特攻させるのも悪くはありません。
ここでは、レベル25にアップさせたレティ姐さんのサイコキネシスで一掃しています。
こう見えてムチュール(とルージュラ)はそこそこ素早さも高く、この時点で特攻以外の努力値は振り終わってますが、ムチュールの素早さには(調整分含め)102振ってありますので、基本的に努力値無振りであるCPUのポケモン相手なら先手が取れます。レベルも高いですし。
リリカ「残るはゲンガーのみ…決めるよ、レティさん!」
レティ「おーけー!
味わうがいいわ、真の冬の恐怖を…冬符“フラワーウィザラウェイ”!」
レティは冷凍ビームの構え!
相手のゲンガーを氷漬けにした!
マツバ「なんということだ…誰よりも、厳しい修行を積んできたこの僕が…!」
マツバ「…確かに、君のトレーナーとしての実力は大したものだ。
知識もあり、ポケモンと心が通じ合っている。
だが…それだけではない何かを、君から感じる」
マツバ「もし、今君が答えられないのなら、答えなくてもいい。
君は、自分が何者であるか、その答えを見いだせたら…どうする?」
リリカ「…私…私は…」
ポエット「…自分のことが解らないことは…時に幸せであり、不幸でもある。
でも…私思うんです。
リリカさんの求めるモノは、きっと…自身が何者であるかを覚った先にあるって」
こいし「ポエット…?」
ポエット「けど、きっとすごくそれは難しいこと。
…時に、それまでの自分を否定することにもなる。
それは、そのひとがそのひとであることを、失うことにだってなるかも知れない」
マツバ「…その子の言う通りかも知れないな。
だが…僕には解る気がする。
君が何故、こうして旅をすることを運命づけられているのか」
マツバ「聞いた僕が言うのものなんだが…今は、答えられなくてもいいことだと思う。
今、君が抱いているその迷いはきっと、その答えを見出した時、君の大きな力になってくれるだろう。
もしかしたら…僕が君に感じたなにかは、その未来の姿なのかも知れないな」
リリカ「マツバさん…」
マツバ「これは…その前祝いとして渡しておこう。
このジムを制した証であるファントムバッジ…そして、この技マシンを」
マツバからファントムバッジと技マシン39を受け取った!
マツバ「その技マシンの中身は、シャドーボール。ゴーストタイプの強力な技だ。
君の連れ合いの一人もゲンガーだろう?
この技マシンを使わずとも、いずれこの技を習得するだろうが…もしかしたら役に立つときもあるだろう」
マツバ「ファントムバッジの力で、波乗りの技があれば海を越えることが出来る。
波乗りの秘伝技は、歌舞練場の舞妓さんが持っている。
その雪女の彼女や、天使の子が真の力を引き出せるようになるために、水上での戦いも必要になる筈だ。
…迷いに、押しつぶされるなよ…君と彼女たちの旅路は、きっとその答えを君に掴ませてくれる…!」
リリカ「…(こくり)」
エンジュシティ・ポケモンセンター
こいし「ふーいい湯加減だったわー^^
トレーナーならただで宿泊できる施設だから、正直期待してなかったんだけどねー」
ウェルダン「(将棋を指してる)おめーよぉ…ホンっとうにフリーダムだな。
いい加減慣れて来た俺様が言うのもなんだけどよ…お、これでまた王手詰み(チェックメイト)だぜ」
みとり「( ̄□ ̄;)な!?
ちょ、ちょっと待ってくれ…えーと、えーと」
こいし「ウェルダン将棋強いんだねー。
この子…(小声で)っていうか元の河童…も、妖怪の山では屈指のレベルだったんだけど」
ポエット「ええまぁ、かごめさん…元のマスターの強さが常軌を逸してますから…^^;」
ウェルダン「あれにゃ勝てる気せんよ。
模写矢倉やってもいいよー?とかいって、やったらやったで何時の間にかこっちの王だけとられてるんだから意味が解らん。
…お陰っちゃなんだが、それを再現してるだけで大概の打ち手に勝てるんだからなぁ」
みとり「…う…うう〜…」
ウェルダン「…そんな目で見たって駄目だぜ。
もう十六回も待ってんだから、そろそろ一区切りつけたほうがいいって」
静葉「…平和な連中ね、本当に」
レティ「いいことじゃないの。
私、悪いけどそういうの嫌いじゃないわ。
…別に冬以外が特別苦手なわけじゃないし、本当はもっと積極的に混ざりたいんだけど」
静葉「………ひょっとしなくても、博麗の紅白?」
レティ「あと山の風祝ね。
紅白と白黒に付き合いだしてから、どんどんおかしくなってるもの。
…というか霊夢のアホがやりだした“春乞い”まで真似しなくてもと思うけど」
静葉「朱に交われば何とやら、か。
それはそうと、今日はお疲れ様」
レティ「労われるほどのことはしてないわよ。
…それよりも、私としてはあの子がどうなるのか…少し気になるわね」
レティ「…静葉、あなたは最初から知っていたんじゃないの?
本当は…リリカだけ、騒霊ではなかったことを。
彼女、本当は…」
静葉「そこまで解っているなら、態々私に確認を取る必要はないんじゃない?
あとは、リリカ自身の心の問題。
私達に出来ることは…あの子を仲間として支え、見守ってあげることだけ…」
レティ「…そうね。
それに、あの子が何者だなんて、関係のないこと。
…同じ世界に生きる仲間であることには、変わらないわ」
レティ「…そう言えば、肝心のリリカは何処よ?」
静葉「こいしがお風呂に言ってじきに、少し外の空気を吸ってくるって出て言ったけど…随分遅いわね。
…まさかとは思うけど、どこぞの無意識が伝染ったのかしら」
リリカ「(…薄々…気づいてた。
私とお姉ちゃん達が、違う存在なんだってこと。
同じ“騒霊”なのに、私が扱うのははっきりとした感情の音じゃない。
…それに)」
リリカ「(お姉ちゃん達は、いつだって私にとって“理想のお姉ちゃん”だったってこと。
違和感はあったんだ…昔から。
最初は、末妹の私を気にかけてくれているからだと思ってた…でも)」
リリカ「(それは…何かに演じさせられてるんじゃないか、って)」
リリカ「(…きっと…今すぐでも、お姉ちゃん達は“元通り”になっちゃうんだと思う。
けど…それは私の望むコトなのかな…?
…それで…“お姉ちゃん達”を…取り戻す事に、意味は…)」
リリカ「(…解らない…!
…どうしたらいいのか…もう解んないよっ…!)」
エンジュシティ・歌舞練場前
建物の中から騒ぎ声がする…
リリカ「(…何の騒ぎだろう?)」
舞妓さん(?)「いい加減にしてください!
私達の舞は芸術、あなたの望むようなそんな、は、破廉恥なことなどっ…!」
黒ずくめの男「かてえこと言ってんじゃねーよ、そんな派手に緑髪に染めてさー。
そんな眠たくなるようなヘンテコな踊りより、今話題のコアリズムみたいな激しいのをさー…うひひ!」
舞妓さん(?)「し、失礼な!これは地毛なんですっ!><
偉大なる祟り神であらせられる洩矢様の正当なる血筋を示す神聖な…」
黒ずくめの男「はー?意味わかんないですしおすしー!
いいからこんな動きづれー服なんて脱いじまえよー!」
舞妓さん(?)「きゃー!!
くく、悔しいっ!私の能力さえ使えればー…」
リリカ「……………何やってんのよフルーツ(笑)」
早苗「フルーツ(笑)とかいうなごるあああああああああああああああああああああああああああああああ!!!ヽ(>Д<)ノ 」
黒ずくめの男「なんだこのガキ。
ここは大人の楽しむ場所なんだ。
俺はロリコンじゃねーし色気のねーガキに用はねーんだからとっとと帰れ」
リリカ「(むかっ)えー、ガキで結構だよ。
あんたみたいなロクでもない大人になるのは願い下げだね、ヒキョウでアワレなロケット団!」
R団下っ端「(#^ω^)ピキッ…んだと…!?」
早苗「…あ、なんか助かった…ってちょっとあなた!?( ̄□ ̄;)
何こんなところで喧嘩を吹っかけて…」
R団下っ端「ガキの分際でこの俺様…泣く子も黙るロケット団に喧嘩を売るとはいい度胸だ!
ドガース!この小娘を嫁に行けねーあるさまにしてやれ!!」
リリカ「(…!
しまっ…私、今ポケモン持って来てなかった…!)」
ドガースが猛然とリリカめがけて突進してくる!
早苗「あ、危ないっ!」
リリカ「…っ!><」
「…天剣“秋霜三尺”!」
静葉は居合斬りの構え!
目にもとまらぬ剣で相手のドガースを真っ二つにした!
R団下っ端「( ̄□ ̄;)にゃにィイイイイイイイイイイイイイイイイイイ!?」
静葉「(下っ端の首元に一点の曇りもない刃先を突きつける)…そこまでよ、ヒキョウでアワレなロケット団。
あなたが次のポケモンを出すより早く、あなたの来ている服だけを跡形もなくズタズタにするくらいは余裕よ?
この歌舞練場はエンジュ伝統の舞を見て楽しむための場所…任務の憂さ晴らしだったら然るべきところでやって頂戴。
…さもなくば…(じゃきっ)」
R団下っ端「(こくこくこく)」
静葉が解放した瞬間、R団下っ端はアワレにも猛然と逃げ去って行った…
静葉「…まーそこのフルーツ(笑)はとりあえずいいとして」
早苗「あんたもかい!!><
っていうか秋神(笑)の分際でこの一級現人神の私にナメたクチをきk」
静葉「(無視)
…リリカ、あなた何をやっているのよ。
別に出歩くなとは言わないけど、だからと言って考えなしに揉め事に首を突っ込むなんて…」
リリカ「…解らないよ…静葉さんには…!」
静葉「…え」
リリカ「神様のあなたには、私みたいなちっぽけな騒霊もどきのことなんて…どうせ!」
静葉「ちょ…待ちなさいリリカ!」
焼けた塔
柱の陰でうずくまっている少女
そこへ、別の少女が近づいていく…
こいし「あ、リリカみっけ。
探したたんだよ〜、静葉さん血相変えて戻って来てさぁ」
リリカ「…よ」
こいし「ん?」
リリカ「…もう…放っておいてよ…私のことなんか…!」
こいし「……ねえ、今の私達ってさ…一体どういう関係に見えるんだろうね?」
リリカ「…?」
こいし「血のつながりも、主従の関係もないのになんとなくで一緒にいるよね。
私、そういうのって今まで知らなかったんだ。
心を閉ざす前には私はお姉ちゃんしか知らなかった」
こいし「心を閉ざして独りになった私のために、お姉ちゃんはペットを私にくれたわ。
…でもさ、ペットは私やお姉ちゃんに逆らえない。
私やお姉ちゃんの機嫌を損ねないように、愛嬌をふりまくだけで…」
こいし「でもさ、あの時霊夢達と戦って…それから開き始めていた私の目から見た、霊夢達の姿はちょっとそれとは違ってた。
冗談を言い合ったり、理由もないのになんとなく一緒にいてみたり…そういう関係って、私は知らなかった。
でも、とっても羨ましかったんだ」
こいし「まだ短い間の出来事だけど、私が何かやろうとするたびにリリカや静葉さんが色々とやってくれるの、私は凄く嬉しいと思ったんだ。
こういうのって何なのかな、って思ったんだけど、私も誰にそれを聞いたらいいのか解らなかった。
…みんなが当たり前にそうしているのを、私だけが知らない。
だからどういう風に聞いたらいいのか解らなかった」
リリカ「こいし…?」
こいし「…そしてさ。
私も…辛いんだ。
リリカが…辛そうな顔をしているのが」
こいし「なんでなのかな…。
私、突然心が開いて…それでおかしくなっちゃたのかな…」
「…それは、人が“友”と呼ぶべき関係だからですよ」
リリカ「…早苗…さん」
早苗「冷静に考えてみれば、あなたはあなたで私を助けてくれようとしたんでしょ?
まぁ…実際に助けてくれたのは秋神様ですけど…それでも、一応お礼を言っておかなきゃって思って」
早苗「あなたが飛び出して行って、皆さん心配してましたよ。
秋の神様も…どうしたらいいのかって取り乱して…自分があなたのことを理解したつもりになって、かえって傷つけてしまったのではないかって…。
あの方は妹様がおられるから、きっとあなた達のこともそう思って、気にかけておられたんだと思います。
…からかわれて少しかっとなってはいたけど、あの姿を見たら流石に、ね」
こいし「…リリカだって、静葉さんのこと嫌ってるわけじゃないよ。少しだけ、カッとなっただけだよ。
心を読まなくても…読めなくても、なんとなくわかる。
…やっぱり、私とリリカって似た者同士なんだよ」
リリカ「…そう…なのかな…」
こいし「霊夢達がリリカのことも話してるの聞いたことあるの。
一番上の姉は暗くて嫌、真ん中は会話にならない、末妹は…後ろに隠れててよくわかんないって。
その末の妹って、きっとお姉ちゃん達のことが大好きなんだろうなって、私思った。
私も…お姉ちゃんのことは好きだから」
リリカ「でも…こいし、私と今までいた…」
こいし「私、信じてるよ。
リリカの想いは、きっと叶うって。
この旅を終えれば…終えることが出来れば、私もリリカのお姉ちゃんに会ってみたい!」
早苗「…そうですね。
私も、そう思います。
…だから、今は秋神様…静葉さんの所へ戻ってあげてください」
リリカ「…うん」
-経過-
バッジ:4
ウェルダン(マグマラシ♂) Lv26 装備品:木炭
しずは(マダツボミ♀→ウツドン♀) Lv27 装備:奇跡のタネ
こいし(ゴースト♀→ゲンガー♀) Lv26 装備品:呪いのお札
ポエット(トゲチック♀) Lv11 装備品なし
みとり(コイキング♀→ギャラドス♀) Lv26 装備品:貝殻の鈴
レティ(ムチュール♀) Lv25→Lv27 装備品:シルクのスカーフ