〜B6F〜
オランピア捜索の任を受けたリリカ達は、再び古代魚の巣の近くで「ムロツミ」の二人に再会する。
先に一人でカナエに会った際、カナエは「アガタには巣の場所を教えないで欲しい」と嘆願した。
リリカは彼女の思いつめた表情に、話さないと約束し、巣の位置を教えろとせがむアガタに嘘を吐いた。
「…わーったよ。
そこまで意地悪するんだったら俺が自力で探し出してやる。
どうせこのフロアにあるのは解りきってるんだからな!」
…完全な誤算だった。
恐るべきカンというべきか、かつてリリカ達が誘い込まれた巣の方角を正確にめがけ、シノビの少年は駆け出していた。
何が起こったのか、茫然と立ちつくすカナエ。
リリカは、自分が取った選択肢が誤りであったことを悟ったが…しかし、もし正直に彼に巣の位置を伝えたらどんな結果になっていたのだろうか…。
-この迷宮が危険なことも…オレの力では手に余り過ぎるところだってのも知ってる。
…でも…アイツの記憶も戻り、苦しまないで生きていけるかもしんないから…-
先日、真剣な顔で少年が言った言葉が脳裏をよぎる。
リリカ達もその後を追い、件の巣の間際まで来ると…激しい戦闘の音が聞こえる。
反射的に巣の中へ飛び込んでゆくカナエ。
リリカ達もそのあとを追おうとしたが…刺すような殺気を感じ、彼女たちも既に魔物に囲まれていた事を悟る。
…
魔物の急襲を退け古代魚の巣にやって来ると、辺りには魔物の肉片が散らばっており…その中心にはアガタがいた。
…その少年の前に、血濡れたサンゴの上に新たな血の花を咲かせ、眠ったように倒れている少女を見て、リリカ達も事の顛末を悟り立ち尽くす。
「カナエ…さん…!」
「そんな…そんなのって…!
さっきまで、さっきまであたい達おねえちゃんと話ししたよね…?
…そうか、あたいたちを驚かそうと思って…ねえ、そうなんだよね…!」
恐る恐る近づこうとするチルノを制するアンナ。
うつむいたままの彼女の表情は窺い知れなかったが…頭を振り、食いしばられた口元にチルノもその残酷な結末を認めざるを得なかった。
「どうして…どうしてなんだよッ!!」
その慟哭に応えるかのように…立ちつくしたままの少年は抑揚のない口調で静かに言葉を紡ぎ始めた。
「カナエ…最後に、ありがとう、って…そう言って笑ってた。
アガタのお陰で…忘れてたこと思い出せたって」
「あいつ…小さい頃、オヤジさんと一緒にこの場所まで冒険に来てたって。
そして、あいつを庇ってオヤジさんが死んで…あいつはそれを苦にして、記憶を閉ざしていたんだ。
けど……オレが古代魚と戦ってるのを見て記憶が戻ったんだって……そしてあいつは……オレを庇って………!」
少女達に返す言葉もなかった。
ただ…その言葉に起きてしまった現実を思い知らされるだけだった。
「自分を庇ったせいで、大好きだったオヤジさんを亡くしちまったことを…あいつは悔んでいたんだ。
だから今度は、大事な人を庇いたいって言って…オレなんかを………!!!」
少年はかすれた声でそういうと君たちを見て、軽く頷く。
「じゃあな」と少年は君たちに別れを告げると、最早動くこともない大切な少女の体を抱きかかえ…その場から立ち去っていった。
その背中を見送ってもしばらく、五人はその場を動こうとしなかった。
「…馬鹿っ…どうして…どうしてあきらめてくれなかったのよ……!」
その問いには、誰ひとりとして応えられず。
「どうして………私達はあいつを助けてやれなかったのよ………!!!」
リリカの瞳からこぼれた涙が、数多の冒険者たちの無念を吸い込んだサンゴの床に吸い込まれてゆく。
やがて…少女達は、意を決したようにその場を立ち去った。
この悲しみの原因を作った者に、真意を問うべく。
狐尾奮戦記その7
「異界の烈女達に告ぐ」
リリカ「正直この時は本当に自分が許せなかったよ。
古代魚を簡単に始末できる力があるのに、どれだけ無力なのかしらと」
つぐみ「この未来はあの二人を第一階層に閉じ込めておかない限り、何度でも起こりうる未来だからね」
ポエット「そんなムロツミイベントですが、先にも述べたとおり『B4Fでアガタの協力要請に応えていた』『B7F到達後再びB6Fに訪れる』のがトリガーとなっていますね。
発生条件を満たしている限り不可避、選択肢に関わらず待ち受ける結末は残酷なもの。
カナエさんか、状況的におそらくは両方助からないかの二択です」
透子「あたいたちが見たのはカナエが残されるパターンだね。
兎に角第二層はこういう胸くそ悪いイベントが多い気がするよ」
ポエット「B7F右下奥の小道の先にいる衛兵から「先に行った仲間が行方不明だから、探して欲しい」と言われ探しに行くイベントもありますからね。
ちなみに彼の仲間は、すぐ隣の区画で変わり果てた姿となっています。
それを調べて入手できる徽章を、衛兵に渡すとそこそこ強力な槍を譲ってもらえますが…」
リリカ「バタビアの大航海クエスト攻略してると、そのボス素材から作れる槍のほうが強いという(吐血」
つぐみ「態々そんな手の込んだ自殺しなくても^^;
ともかくここで衛兵たちの情報を総合すると、鱗竜をかわすか狩るかしてたどり着いた奥の階段を降りて、B8F行き止まりの区画に行くとオランピアを追い詰めることが出来るよ」
…
…
〜第二階層B8F 小部屋〜
リリカ「見つけたわよ…!」
蒼い岩と珊瑚の壁を抜けた先で、リリカ達は探していた女性…オランピアの姿を発見した。
オランピアはこれまでとは違い、冷たく感情のこもらない口調で君たちに言葉を投げる。
オランピア「フォックステイル…まだ樹海を進み深都を目指すつもり」
リリカ「さあ、大人しくついてらっしゃい。
逆らうつもりなら…」
チルノ「カナエねーちゃんのカタキだ!あたいがあんたをズタズタにしてやる!!」
リリカ「容赦なくこの子をけしかけるわ…!
この子を甘く見ない方がいい…今はこの世界のルールにしたがってるけど、それでも十分私達の想像の斜め上行くクオリティ発揮してるから…!」
強烈な怒気を孕んだリリカの言葉にも、チルノの放つ異様な気迫にも臆することはなく…否、そもそもその少女たちのことなど全く気にもかけた風もなく…オランピアは冷酷に言葉を投げつける。
オランピア「命が惜しいなら、すぐに帰って。
これ以上の捜索は…深都を目指すことは死を意味する」
リリカ「巫山戯けるんじゃないわよ!!
あんたにどんな都合があるか、知ったこっちゃないし、首突っ込む気もないわよ!
でも…でもあんなのをこれ以上見せられて…かつての私みたいな悲しい目に合う人が、あんたの都合ごときで増やされるのには我慢できないッ!!」
オランピア「…無益な死は望まない。
けれどあなたたちは忠告を無視し、ここまで来てしまった…」
その言葉にあわせて、オランピアは空に向かって手を上げる。
その合図に応えるかのように、珊瑚礁の奥から一匹の魔物が現れ、リリカ達と少女の間に割り込んでくる!
オランピア「あなた達の傲慢さが招いた自業自得…そろそろ、あなた達もその報いを受けるときよ!」
深海の殺戮者が粘着してきた!!
チルノ「上等だ!邪魔すんならまずあんたからズタズタにしてやるッ!!」
チルノ、リリカ、ポエットは無明剣の構え!
ワニは機先を突かれた!
ポエット「よーしついげきのグランドヴァイパー!!
そぉぉぉぉい!!!><」
さらにポエットのブラックブレイカーでアゴをカチあげられた!
アンナ「ルーミア、お願い!」
ルーミア「(こくり)」
アンナとルーミアを中心に巨大な魔法陣が描き出された!
オランピア「何ですってっ…!
ひるまないで、あの術者の片方を殺すのよ!」
殺戮者の巨大な爪がルーミアを襲う…が、その爪が捉えていたのは彼女がつくりだしていた分身っ…!
さらに影がいくつもの苦無となって巨大な殺戮者の足を大地に縫い付ける!
ルーミア「この一級暗闇妖怪である私を簡単に殺せると思ったその浅はかさは愚かしいよ!!
アンナ!頼むよ!」
頷くアンナ。
魔法陣が輝きを増し、そこから凄まじい勢いで炎熱の魔力が噴出する!!
ウェルダン「オウ?
やっと封印が解けられたか…にしてもまさかオメェに召喚される日が来るたぁな。
だが今俺様の力を使うには、必ず発動時に2り分の魔力が必要になるぜ?」
アンナ「承知の上です。
この旅のあいだだけ…よろしくお願いしますね」
ウェルダン「OK…文言は知ってるだろ?
後は任せるぜ…!」
「契約により我に従え、燃え盛る者、炎の覇王。
来たれ紅蓮の業火、煉獄の大剣、背徳の文明蔓延る堕落の文明、悉く死の灰燼に帰さしめよ!」
チルノ「あ…アレは確か、かごめの使った!?」
ポエット「アンナさんは本来、水と氷の魔法を得意とする魔法使い…マトモに使ったら本来なら術式は成立しませんが…!」
リリカ「本来の契約主である私の権限で、ルーミアの魔力を一部媒介にしての発動は可能にしてあるの!
さあ…アンナさん、決めて!」
アンナ「紅蓮の滅閃!」
アンナのエーテル圧縮により次に放たれる属性攻撃の威力は倍加するっ…!
リミットスキル「業火」発動ッ!
特異点定理により破壊力ばつ牛ンンンンンンンンンンの一撃!
調子こいてたワニは瞬時にBBQになった!!
オランピア「そ…そんなことが…!!」
恐ろしい魔物を屠った君たちを、オランピアは信じがたい表情で見つめ続けている…。
「…仕方ない。
ならば、私が………!」
少女が小さく呟く…が、不意に天空から声が響き始める。
-さがれ、深王の忠実なる僕よ。
汝が役目はそこまでだ。
後は我に任せ、深王の下へ戻るのだ…!-
耳ではなく、直接脳裏に響く不思議な声。
それはオランピアにも聞こえているらしく、彼女は不満げに頷く。
ポエット「この声は…いったい?」
リリカ「不思議な感覚だわ…まるで、私達の心へ直接呼びかけているみたい」
ルーミア「…それだけじゃないよ。
この声の奴と…私達…力が共鳴している」
-ほう…どうやら汝らもただの人間ではないようだな。
…否、汝らもまた「奴ら」と似て異なる者…それとは別の、異界の人ならざる者か。
だが…不思議な感覚だ、汝らからはさしたる悪意を感じぬ…-
-聞くがよい、異界の者どもよ。
我らが汝らを止めるも、訳がある。
されど、汝らは汝らの都合があろう…それもまた仕方のないこと-
天より聞こえるその声がゆっくりと息を吐いたその時、茫然とそれを見守るリリカの目の前に青い珠が現れる。
リリカ「これは…」
チルノ「…きれい…それに、なんか不思議な感じがする…」
-それは、この水林の海流を操る海珠。
もし汝らがこの先の秘密を知らんとする意志あらば…それを用い、迷宮を抜け…そして我が下までくるが良い。
この私…「海王」ケトスが汝らを歓迎しよう。
汝らが私を乗り越えしとき、汝らの前に深都が見えるであろう-
深く大きく、そして澄んだ声の存在の気配はゆっくりと消えていく。
オランピアはその存在が去り、海珠がリリカ達の手に収まったのを見ると、背後の珊瑚礁へと足を進める。
オランピア「一時の命拾いをしたわね……では、これでさよならよ。
あなたたちが彼に恐れをなし引き返すにしても、なお忠告を無視して彼に挑んだとしても…もう二度と会うこともないわ」
言うや否や、彼女は珊瑚の木々の間を人とは思えぬ動きで駆け抜け姿を消す。
少女たちは「海王ケトス」の情報と謎の海珠を手に、クジュラの元へ報告に戻ることにした。
…
…
透子「マジであのブロート野郎はどうやって海珠を手に入れたんだか」
つぐみ「今はそれを考えても仕方の無いことじゃないかなとは思うけど、存外エンリーカが持ってたのを盗み出したとかじゃないかな。
私達はほら、洩矢神社の裏にケトスさんがいるわけだし」
-我としてはどうしても直接かの者らを試してみたくなったのでな。
正直、オランピアめが幻想郷に来たら本格的にあのような振る舞いをし始めようなど、この海王ケトスの目をもってしても以下略-
つぐみ「いやその、海のリハクネタって一部ではやってるのかなこの界隈?^^;
二層はB6FからB8Fまで海流による一方通行に邪魔されて、最終的には先に行けなくなるんだけど…海珠がもらえることで海流をとめて、先に進んだり今まで海流に阻まれて取れなかった宝箱の回収が出来るようになるよ」
-海流を止めるポインヨはB6Fの下り階段近くにある。
我が言うのもなんであるが、真、面倒なところに存在するな-
つぐみ「あっケトスさんふつーに絡んでくるんだね…この回ってあなたBBQになるんだけどその辺どうなので?」
透子「つぐみ、言い方、言い方^^;」
-いやもうなんか他の者にもわりと辛辣だとは思ってたが少しは歯に衣着せたら?^^;-
つぐみ「だが断る(キリッ
いちおうポインヨを発見していない場合、クジュラさんが大体の位置を教えてくれるみたいだよ。
海珠入手でいったん帰還し、オランピア追跡ミッションの報告をしたら連続で次のミッション受領だよ」
透子「ところでオランピアを追い詰めたところでワニ公と強制戦闘させられるんだが、アレ他のワニより弱くなってるなんてことは」
つぐみ「ないです」
-いつも通りの世界樹と寒心するが(ry-
つぐみ「そーゆーあーたも結構えげつない事で定評あるから(真顔」
…
…
〜B8F ケトスの間〜
-来たか、異界の娘達よ。
汝らは何故来た?
そして、この先へ進み何を求める?-
蒼く美しい海の底…その広間には君たちが今までに見たこともない巨大な鯨の姿があった!
その白い鯨の澄んだ目が君たちを見つめ、知性の光が瞬くと共にあの声が響いてくる。
チルノ「な…なにアレ!?
でっかい魚!?それとも船!?」
ルーミア「初めて見る生き物なのかー!」
アンナ「あ、そうか…幻想郷には海がなかったんですものね。
ってポケモンの世界にいたんだったらホエルオーみたことあんでしょうがあんた達ッ!?( ̄□ ̄;)」
ポエット「いやまぁ…ポケモンはポケモンで我々が知る生物とは別モノだそうですんで…^^;
アレは「クジラ」っていう生き物よ。
陸から海へ戻った、巨大な獣」
チルノ&ルーミア「そーなのかー」
リリカ「…私達にも、よくは解っていないんだ。
けれど、ある人が私達をここへ連れてこさせて、恐らくはこの先にある何かを見せたがっているのは解る。
あなたの声はとても優しく、穏やかで…知ってるひとによく似てる…だから、出来るなら戦いたくはない」
-…汝は、これまで様々な経験を積み重ね、生きてきたようだな。
汝自身が語らずとも、汝のその哀しき瞳が、その生き様を良く物語っている。
多くの悲しみを経験し、それをすべて己の心に受け入れた…そんな強く優しい力を感じる-
眼前の巨体から裂帛の咆哮が上がる。
-他の者も成りは小娘だが、皆私に匹敵するほどの何かを持っているように見える。
だが、いかなる理由があれ、海都の小さき者どもの走狗として現れた以上、汝らをここから通すわけにはゆかぬ!
その見事なる覚悟を我が前に示せ…さもなくば、汝らはその先を見ることなくここで屍をさらすこととなろう!!-
それは戦いの叫び…リリカ達を見極めんとする、海王の咆哮だった。
ポエット「リリカさん…迷ってるヒマはないです。
私達の思い、迷いもすべて力に変え、指し示さなければ道は開かない…!
この樹海に消えた命も報われないです…!」
リリカ「ポエット…」
ルーミア「かごめが、何を思ってこの世界に私達を送り込んだのか…まだよくわからないよ。
けど…ここで引き返したらきっと、解らないままで終わっちゃう。
だから…今は戦わなきゃならないと思うんだ!」
チルノ「クジラだかゴジラだか知らないけど、この最強のあたいたちを目の前にしてナメタ態度を取る浅はかさは愚かしいね!
ズタズタにして思い知らせてやろう、リリカ!」
リリカ「ルーミア…チルノ…!」
不意に肩を叩かれ、振り向くリリカ。
リリカ「…アンナさん」
アンナ「行こう、リリカちゃん。
彼に私達の力、見せつけましょう!!」
リリカ「うん!
みんな、行くよ!!」
…
…
つぐみ「というわけで、実は何気にシリーズ序盤ボスの中でもトラウマボスとしても有名な海王ケトス戦だよ。
スペックはこんな感じ」
第二階層ボス 海王ケトス
HP4699 炎弱点/眠り・頭封じ・腕封じ・脚封じに弱い
通常攻撃は壊属性
グランドベリー(頭) 単体近接壊攻撃、麻痺を付与
凍える引き潮(脚) 一列に氷属性攻撃、脚封じを付与
大いなる調べ(頭) 全体に睡眠を付与、付与率はかなり高いとされる
オーシャンレイブ(頭) 高威力の全体近接壊属性攻撃、命中がかなり低い(素の状態ではほぼ当たらない)
潮吹き(頭) 4ターンの間回避アップ
透子「基本的にはクロスに居たのと一緒か?
HPは5分の1くらいだけど」
つぐみ「いやーあんなパチモンと一緒にしたら流石に本家ケトスさんに失礼だと思うよ。
コンセプトは一緒、低命中のオーシャンレイブを眠りや脚封じなどから直接ぶち込んでくるってやつ。
クロスの白いクジラ野郎()との最大の違いは、思考ルーチンなんだよね」
透子「どゆこと?」
-我をHかなんかだと思っておらんか?(´゚д゚`)
我の必殺の拳であるオーシャンレイブが命中精度ガバ過ぎるのは百も承知。
故に我は高確率の眠り付与を行い、それが通ったところで必殺の一撃を通すことを徹底しておるのだ-
つぐみ「その徹底具合が本当にえげつないともうしますか。
まして、世界樹の仕様だと眠り状態で受けたダメージは本来の1.5倍。
そんな状態でオーシャンレイブをモロに受けた日には適正域のみーちゃんが4人ぐらい飛ぶよ」
操「( ̄□ ̄;)私単位で掛け算すんな!!!」
-そりゃあまあバリスタはHP低い上に紙防御であるから仕方あるまい-
操「うっさいこのクソクジラ!!><
大体にしてあんたオーシャンレイブじゃなくても引き潮連打してくるだけでも十分痛いんだよこんちくしょー!!!><」
つぐみ「それなんだよねー。
実際他のスキルもそんなに威力低くないのがこんちくしょうで。
んまーHP減って発狂状態になると、こっちの状態にかかわらずオーシャンレイブ連打してきたりして逆に安置になったりするけど^^;」
-そこはまあ愛嬌というものだ(震え声
それにしても、リリカ達はちょっとわずかにレベル上げすぎではないかと思うのだが…?-
つぐみ「まあ私達は24でなんとか出来ましたけど、リリカさん達確か29ぐらいまで上げてませんでした…?」
リリカ「( ̄□ ̄;)ぐはぁ!!」
透子「( ̄□ ̄;)お前マジで容赦ないなつぐみ!!」
…
…
-さあ、我が最強の一撃で散るがいい!!-
ケトスの周囲の大気と波が逆巻き始める…!
リリカ(くっ…足が…!
これじゃあよけきれない…やられる!!)
ポエット(バインドリカバリを鍛えておけば…万事休す、ですか…!)
チルノ「ええいあきらめんなー!
このあたいがなんとかしてやるから甲鉄艦に乗ったつもりで安心しろー!!><
くらえ、最強最速のアイシクルフォールっ!!」
チルノはハンギングの構え!
巨大な氷柱がケトスの頭を直撃する!!
ケトスは頭が封じられてオーシャンレイブを失敗した!!
-ぐはあっ!?
な、なんとっ…くっ…視界が定まらぬッ…!!-
チルノ「どうだ思い知ったかー!!!><(えっへん!)」
リリカ「( ̄□ ̄;)ちょ!!なんでここぞというときにこんなチートじみた補正発揮しやがるの!!!」
アンナ「よし、この隙を逃すわけにいかないわ…ルーミア、お願い!」
ルーミア「合点承知!」
アンナを中心に展開された魔法陣から、彼女の詠唱に応えるかのように膨大な炎熱の魔力が噴出する!
-おおおっ…こ、これほどの力とはっ…!
…我の想像を、はるかに……!!-
「紅蓮の滅閃っ!
いっけえええええええええええええええええ!!!」
リミット技「業火」発動!
エーテル圧縮によって高められ特異点定理による破壊力ばつ牛ンにもほどがある最高最大の一撃!!
海王ケトスをズタズタにした!!
-見事…なり…!
汝らの心と力…見極めさせてもらったぞ…!!-
紅蓮の炎に包まれケトスの巨躯はゆっくりと広間に横たわる…。
ポエット「ケトスさん…!」
少女達は持てる力を振り絞り、強大な相手を打ち倒した。
残された力を振り絞り、五人はその気高き海の王のもとへと歩みよってゆく…。
-異界の気高く…大きな者達よ。
もはや止めぬ…先へ…進むがいい…。
そして…汝らの目で…真実を見るのだ……汝らが求めるもの…その答えも、あるやもしれぬ…!-
「どうして…なんでそんなになるまでしなきゃならなかったの…?
あんた、自分を「海の王様」って名乗ったじゃないか…。
王様なのに…なんでそんなにならなきゃならなかったんだよ…!」
-氷の精よ、汝が心痛めることはない。
我も…友のためを思って戦った…そして、我が命と引き換えにお前たちを見極めることができた-
「そんな…そんなのって…」
理由も解らず涙するチルノに、その気高き海の王は優しく語りかける。
他の少女たちも、言葉が見つからずただじっと、消えゆくその命を見守り続けていた。
-汝らは深都へ訪れ…深王に会え。
そして知るが良い…秘するは…秘するだけの訳があることを…。
願わくば、それを知った汝らが…汝らの見出した真実が…彼にとっての救いにならんことを…-
弱弱しくも、温かみのある声が君たちに語りかけてくる。
気高き海王の言葉に押されるように、彼女達は彼のもとを後にした…。
…
…
-これだけレベル上げられたのにその上チルノ補正喰らうとかやり過ぎだと思うんですわ?お?-
つぐみ「んまー気持ちはわかるけど^^;」
リリカ「いやマジで勘弁してよ…これでも私達持ってたアイテム全部使い切ってるんだよ確か?
てか私達のデータは残ってないけど、こんな奴レベル24でヒーラーもいないのにどうやってsageたのよ?」
つぐみ「そんじゃデータ一気に紹介しますか。
レベルはまあケトスさん撃破直後だから1個上がっちゃってるけど気にしないで。はいどーん(´゚д゚`)」
つぐみ
ガーディアン1
盾マスタリー★(10)
槍マスタリー4
ガードヒール2
ラインガード1
フリーズガード1
ディバイドガード4
ブリッツリッター1
リバイブ3
明夜
常在戦場1
剣マスタリー★(10)
アベンジャー3
ラッシュ5
ブレイドレイヴ1
狂戦士の誓い1
チャージ2
ウルフハウル1
透子
王家の血統★(10)
リィンフォース5
王たる証1
攻撃の号令3
防御の号令3
ファイアアームズ1
フリーズアームズ1
ショックアームズ1
エミットウェポン1
予防の号令1
瑞香
煙りの末★(10)
短剣マスタリー5
潜伏5
影縫3
飯綱1
忍法含針1
忍法陽炎1
操
ジャイアントキル★(10)
弩マスタリー★(10)
ヘビーショット1
ファイアバラージ1
アイスバラージ1
サンダーバラージ1
照明弾1
リリカ「ええーなんでこの時点でGK極めてんのおかしいでしょ(´゚д゚`)」
つぐみ「いや実際振った方がダメージ効率いいし(真顔」
透子「基本的にコイツにアームズ付与してただひたすら殴るだけだね。
あとはまあ照明弾で潮吹きを相殺しつつ…とまでは行かないんだよな。
素でも結構外すし」
操「ししししかたないじゃないっこの弩ってバカ重たいんだし!!!><」
透子「地味につぐみがディバイド多めに振ってあるのも生きたかもね。
…実際ガードヒール、いるんか?」
つぐみ「うんこれだけはマジいらない(キリッ
むしろ殴ってる方のタイミングはあったからブリッツリッターは使うけどね!!><」
つぐみ「と言うわけで次はいよいよサブクラス解禁だよ。
なんかこの時おかーさんが悪さしていたみたいだし、それだけ付記して次に行くよっ」
* * * * * * *
♪BGM 「街景 時を失くした王」♪
(済まぬ、王よ。
我は約定を…守れなかった)
少女たちを見送り、独りになったその部屋で気高き海の王は今まさに、命を終えようとしていた。
しかし。
「大したもんじゃないかあいつら…。
かなわない相手だとは思わなかったが、また出番がいるかと思って見守ってはいたんだがね」
不意に聞こえる少女の声。
「あんたは十分友のために力を尽くした。
あいつらなら、きっとあんたが思っているような未来を手にすることができるはずさ…もっとも、深王がそれを望んでいるかどうかはわからんけどね」
ケトスは消え入りそうな意識の端で、その姿をとらえる。
勝気な表情の、黒髪の少女。
しかし、そこから放たれるある種の威圧感に、彼は目を瞠っていた。
「どうだい、海王ケトス。
どうせ消えてなくなる命であれば、あたしに預けてみないか?
あいつらがここで見出すべきものを見出せた後、あいつらは元の世界に戻る…あんたさえよければ、そこであたし達と一緒に戦ってみないかい?」
海王と呼ばれたその白鯨は、目を細めた。
-成程…あの娘が言っていたのは貴殿であったか。
…どうせ消えゆく命……なれば、そのような夢も見てみたい。
わが命、御身に託すとしよう…!-
「契約成立だね」
黒髪の少女が笑う。
次の瞬間、少女も海の王も…その場からあとかたもなく消え失せていた。
その行方を知る者もないまま。