リリカ「のっけからhageてますがなにか?('A`)」
ポエット「( ̄□ ̄;)ちょちょ、一体何があったんですかリリカさん!?
いきなりこんな切り出し方されても見てる方混乱しますよ!?」
ルーミア「というか、レベルがちょっと低めだったチルノを連れて大航海に出かけたのは知ってるんだけど…」
チルノ「(どうやらただの石像のようだ)」
リリカ「いや…それなんだけどさ…」
…
〜遡ること数刻前、インバーの港〜
チルノ「ねーねーリリカー、アレなんかいいんじゃないかな?」
リリカ「んー?」
!緊急の案件!
我々は海都警備隊第三分隊である。
我々はただいま暗黒の森にて調査団の警備の任に当たっている。
しかし、暗黒の森には未知の魔物が多数生息しており、散発的に訪れる襲撃に対処しきれずにいる。
有志の冒険者に至急増援を要請する!
リリカ「暗黒の森かー。
そう言えばたどり着いたのはシバのほうがあとだったけど、コロトラングルだっけ?
あのエイはそこまで強敵じゃなかったしなぁ。
ポエットかアンナさんがいるといいんだけど…回復アイテムも買い込んであったし、号令絡めればなんとかなるかなぁ」
…
アンナ「で、御覧の有様と」
リリカ「確かに最初に出てきた魔物…ヤドリギは正直ボーナスステージみたいなものだったんだけど…そのあとのマンティコアがね」
ルーミア「マンティコア?」
アンナ「確か、老人の顔に獅子の体、サソリの尾を持つという、中東の砂漠地帯に語られる怪物のことよね」
リリカ「私が見たのは猿のような顔をした、翼の生えたライオンみたいな奴よ。
つーか問題は姿じゃなくて…その攻撃よ。
いかにもパワー一辺倒ですよ〜みたいな格好なのに、全体異常攻撃オンリーでさ。
んで、ヘンなブレスを食らって私もチルノも石化しておしまいよ。
ランダム状態異常で二人同時に石化とか意味解んないよ('A`)」
アンナ「いやあなた…予防の号令があったんじゃないの?」
リリカ「それなんだけどさー、どうもレベルの関係か、向こうが速かったりこっちが速かったりして安定しなかったんだよね。
これはもうちょっと様子見したほうが吉なのかねぇー」
…
…
操「実際先輩がぶちのめしたエトリアのマンディコアもだけど、アレも状態異常の見本市みたいなやつでめちゃくちゃだったみたいね」
瑞香「実際修行が足りないのです!!
相手が何してこようが当たらなければどうと言うことはないのです!!(ドヤァ」
操「あーはいはいそーですねー(真顔
で、実際どうしましたっけこれ?」
つぐみ「あー撮るの忘れてたっけそれ。
実際ゲートキーパー倒した直後ぐらいに行って、私ととーこさんふたりがかりで予防張ったのよね。
ただクリアするだけならレベル38程度で1番目のクエストでさっくり倒せるよ」
操「行動順云々にも少し触れてるようだけど…」
つぐみ「槍や重鎧は行動速度下げるからねえ。
私も槍とか盾は持ってたけど軽鎧だったし、とーこさんは行動補正がプラスになる突剣だから大体先制で予防張れるよ。
まともな攻撃技持ってないから、兎に角状態異常さえどうにかすれば」
操「問題ないと」
つぐみ「王の威厳で予防がはがされるたびにTPがキャッシュバックされるし、アムリタをある程度ケチってもなんとかなるもんよ。
前座のヤドリギもラストアタックで毒ぶち撒いてくるから地味にめんどいけど、解ってるならこっちも対処難しくないし。
あと初回でもらえるのが今後何気に定番装備になるリミット技、介護陣形ね」
操「ホント便利ですよねこれ。
毒や腐敗を一切気にしなくていいし、困るのは混乱ぐらい?」
つぐみ「これ取れば以降のマンティコア討伐がマジで楽になるという…。
あ、コイツ条件ドロップがだいぶ変わってて、一度に5000ダメージを出して撃破するとか言うかなり面倒な条件だよ。
多段攻撃で累計5000ダメージ、ではNGだから、ピクニックでもなかなか難しいと思うよ」
操「弱点ないですから特異点定理も乗らない、そもそも多段だから属性リミットでも条件満たせないですしね」
つぐみ「とっとと水溶液使えってやつね。
と言うわけで、本編へどうぞ」
狐尾奮戦記その12 「不死の花」
リリカ「ひさしぶりの航海だったけどまぁ、なんとかダマバンドまでは到達できたよね」
ポエット「そーですねー、安易にフォアマストで突っ込もうとしたばっかりに何べん渦潮に突っ込んだことか…('A`)」
リリカ「おい馬鹿やめろこの話題はやっぱり終了すべきそうするべき!><」
ルーミア「そういえばこんなこともあったのかー」
リリカ「あーこれね」
チルノ「なんかすっげー強そうだから拾ってきた!
だってごつごつしてるんだよ!」
ポエット「まーアッキガイ科の貝はみんなそうだって聞きますけど…」
※美結メモ アッキガイ(悪鬼貝)
アッキガイ科の巻貝の総称で、暖海の水深20〜50m程度の浅い砂泥底に生息する貝ですね。
名称の由来はいくつかありますが、他の貝を襲って捕食する肉食性の貝だからとも、その殻の形が悪鬼の持つ棍棒に似ているからとか言われます。この仲間の貝殻を魔除けにする地方もあるそうなので、後者の説も昔から言われていたようですね。
肉は食用にもなるらしいですが、この貝が珍重されるのは、鰓下腺という部位から「貝紫」という高級染料が採れるからです。
ですがアッキガイ科の巻貝は大きくても10cmまで行かない程度の小さな貝。しかも一匹の貝から採れる貝紫もごくごくわずかで、1万匹から採取しても1gの貝紫が採れるかどうかと言う程度。
あ、あと名前似てるけど、苫小牧名物ホッキガイとはまるで別物です。ホッキガイは漢字で「北寄貝」、しかも巻貝じゃなくて二枚貝ですし。
…
〜第四階層 B13F〜
アンナ「とまあ十分気分転換も済んだところで新しい階層に来てみたわけだけど、今度はまた随分涼しい所というか…寒気さえ感じるところへ来ましたね。
上階の灼熱地獄がウソのよう」
ポエット「神殿か何かなのでしょうか…?
クジュラさんの話だと、海底に沈んだ神殿があるとかそういう話ですが」
「その通りだ。
久しいな、フォックステイル」
君たちが明らかに人工的な造りの迷宮内を進み始めたとき、不意に背後から呼ぶ声がする。
ゲートキーパーから受けた傷も癒えたのか、それとも別の理由があるのか…心なしか穏やかな表情で君たちの前に現れたクジュラ。
チルノ「兄ちゃんだ!」
ポエット「お体はもう大丈夫なんですか?」
クジュラ「…鍛え方が違うのでな。
それに…お前たちばかりに戦わせて寝ているわけにもいくまい。
幸いにもお前たちは外洋に出ていたようだしな、回復の時間は十分にあった」
そう言って、普段の皮肉めいた笑みを浮かべる青年に、少女達も胸をなでおろす。
クジュラは不意に表情を硬くし、周囲を警戒しつつ言葉を続ける。
クジュラ「お前たちに一つ伝令がある。
元老院のばあさんからだ…お前たちが捜索の命を受けたアマラントスの花は、ここの二つ下の階…そこの儀式の間にあるらしい。
…今やフカビトたちの巣窟となったこの神殿を、まずは踏破することが目的になるだろう」
アンナ「と、いうことは…」
クジュラ「とどのつまりはフカビトと戦いながら先へ進めということだ。
まぁ、数多の強敵を屠ってきたお前たちにはうってつけのミッションということになる…俺は俺で調査を進め、何か解ればお前たちに伝えよう。
では、十分注意して進むことだ」
皮肉めいた笑みでからかうようにクジュラはそう告げると、ゆっくりと神殿の奥に歩を進める。
リリカ「ねえ、ポエット」
ポエット「なんでしょう?」
リリカ「フローディアさんは「アマラントス」って言ったけど、「アマランサス」の間違いじゃないのかな?
アマランサスというと確か鶏頭のことだと思うんだけど」
アンナ「「アマランサス」という言葉自体が「色褪せない」、転じて「永遠のモノ」を指す意味だって、本で読んだことがあるわ。
ひょっとしたら、海都にはその永遠の「何か」を取りだすような技術があるのかも」
リリカ「永遠…」
ポエット「永遠…ですか。
私達にとっては……あまりよく響く言葉ではないですね」
アンナ「…そうかもしれないね。
姫様の体が悪い、というのも見ればわかるけど…私にはむしろ、何かの禁断症状にも見えたわ。
ひょっとすると、この世界のアマラントスというのは」
「“蓬莱の薬”にも通じる何かを持った魔草なのかも知れない」
リリカ「蓬莱の薬…!」
ポエット「それって確か、永遠亭の人たちが言ってた…!」
ルーミア「生きとし生ける存在から「死」を取り除いてしまう「毒薬」。
月の頭脳曰く…決して存在してはならない禁忌の薬」
アンナ「あ、これはあくまでも私の憶測にすぎないから…^^;
でも、理由はどうあれ、あの姫様達が何かをまだ隠していることは確かだわ。
だから…その花が何なのか、私達の目でも確かめなければならないかもしれない」
…
…
つぐみ「てなわけで第四階層、海洋祭祀殿。
ゲートキーパー撃破の報告を済ませると、海都からは「祭祀殿のどっかに咲いてるアマラントスを採ってこい」っていわれるよ」
瑞香「でも鶏頭なんですよね??
何処にでも生えてますよねあんなの???」
つぐみ「何処にでも生えてるって言ってもまあ…正確には原産がアジアかアフリカの熱帯地域で、奈良時代頃に持ち込まれた者が野生化して定着したそうなんだけどね。
なんか食べられるらしいけど、詳しい話は出てなかったわね」
瑞香「ふむ、おじいちゃ…村長からも特にそんな話は」
つぐみ「そこは世界が違うんだから、名前と見た目が似てる別のものだと思っておけば良いと思うよ。
ただし「アマランサス」という言葉自体の意味は、アンナさんが言ったとおりだよ」
操「その言葉の意味に、何かしらの設定を盛り込んだってトコなのかな」
つぐみ「でしょうね。
それはさておき、此処の特徴的な仕掛けは落とし格子。
決まったポイントを通過すると鉄格子が落ちて、フカビトの頭を模したスイッチを押すことで開いて通行できる仕掛けだよ。
ちなみに鉄格子に遮られている区画にFOEがいる場合、そのFOEが追尾状態だったとしても解除されて待機状態になる」
操「つまりこの階層にいるFOEに追尾タイプのやつがいる、と」
つぐみ「半分正解だね。
第四階層にいる3種類のFOE全部が追尾タイプだよ」
操「ええ…」
つぐみ「B13FやB15F、B16FのトドみたいなFOE「解き放たれし凶獣」は、全体スタンの「激しい地響き」や高破壊力の「食いちぎり」を仕掛けてくる。
コイツがまたアホ火力で、食いちぎりの破壊力は、ファランクスでもないと防御260前後あっても前衛なら200ダメージを余裕で突破する」
操「…直撃したらみずか何人吹っ飛ぶんですかね(真顔」
瑞香「だからなんであたしで計算するんですか!!><」
つぐみ「まあそれでも炎弱点だから定番の圧縮業火で瞬殺出来るうえ、スタンにさえ気をつければ激しい地響きはそんな威力も無いし、楽といえば楽よね。
問題はこいつら」
つぐみ「B14Fにいる異海の胸甲兵と異海の巫女、どちらも正統派の強力な赤FOEだよ。
こいつら、閉じ込められている扉が開放されて、どれか1匹にでも見つかるとフロア全体のこいつらが一斉追尾になる」
操「全員っていうのが洒落になりませんよね…でも胸甲兵、大して強くなかったですよね?
4ターンごとに必ず使ってくるカウンターが厄介なぐらいで」
つぐみ「単独、ならね。
コイツはB14F以降に登場する異界の落とし子が3体合体して召喚されることもあって、そこそこ痛い列斬攻撃リープスラッシャーとカウンターにさえ気をつければそこまで強くないよ。
カウンターも、物理攻撃をしないか、構える前に攻撃しちゃえば問題ない。構えた後だとこっち問答無用で沈められるけど」
瑞香「イヌが吹っ飛ばされましたねいいザマです^^^」
つぐみ「そーゆーこといわないの。
んまあ…あのアホめーやたまぁに言うこと聞きやがらないからほんともう…4ターン目はチャージしろって言ってんのに」
操「ま、まあまあ…てことは、こいつらタッグするとロクなことしてこないってことでしょ?」
つぐみ「しないねえ。
そもそもにして巫女は普通に強敵だよ。全体コリ・ジツ攻撃を引っ切りなりに使ってくる」
瑞香「コイツそんな強敵だったんですか!?
あたしのヒサツ・ワザ一撃で石にしてやったんですけど!?」
操「珍しくみずかの飯綱が仕事しましたね」
瑞香「珍しくないですー!!第三階層のステゴ狩りでは大活躍だったもん!!!><」
つぐみ「そんなこんなで基本こいつら第三階層で戦ったフカップルの強化版なんだけど、胸甲兵は巫女と一緒の時だけチェイス攻撃も仕掛けてくるよ。
まあもっとヤバイのあるんだけどね…合体技って言う」
操「第一階層のイビルフィッシュが使ってくる狂魚の宴みたいな?」
つぐみ「そうなんだけどそれどころじゃない。
こいつらの合体攻撃「海神の断頭台」、一列即死だよ」
操「だからいちいちどうなってんですかこの世界樹の迷宮ってゲーム!!!><」
瑞香「いい、一応ドラクエにも中盤ぐらいにミミックがザラキ連打してきますからそこは(震え声」
つぐみ「ピンポイント過ぎるたとえで笑えないんだけどそれ…。
まあ断頭台がなくても巫女だけで十分おかしいから、討伐を考えるならかなりのレベルアップが必要になるよ」
つぐみ「ただし巫女はこの確率ドロップがおいしいのよね。
全属性攻撃を大幅に軽減してそれなりに防御の高いビキニアーマーが作れる素材になるから、倒せるなら水溶液の使用もアリだと思うよ」
瑞香「そのまま着たらえっちなのでいつもの服の上に着てました!(ドヤァ」
操「普段も大差ない気がするけどなあ。
あと私達、入り口付近にいた胸甲兵を速攻で討伐してすぐにB15Fに行けましたよね?」
つぐみ「本来は全部を中央の区画に閉じ込めてから探索するから、それで一周しちゃうのが普通なんだけどね。
そんなこんなでB15Fの中央部にある広間に入るとナレーションが入るんで、ここで壁際を調べると、そのうち1か所でアマラントスが発見できる。
これを届けることで、ミッション完了になるよ」
…
…
〜海都アーモロード ロード元老院〜
長「ご苦労さん、無事お帰りのようだね!
さあさあ、肝心のブツはどうだったんだい?」
リリカはそっと、その色褪せない花を取りだし、フローディアに指し示す。
長「…そうそう、これだよ、これ!
アマラントスとは、「不死」を意味する決して滅ぶことのない花。
さあ、それをこちらへ早く…」
しかし、リリカは強い表情のままそれを渡そうとはしない…。
長「…!
あ…ああ、忘れるところだったよ。
まずはその働きに応えるだけの報酬を…」
リリカ「そうじゃない、です…!
この花は…私達の世界にあった「アマランサス」に似て非なる猛毒の花…どう考えても、「ヒト」に薬として飲ませるようなシロモノじゃない!」
長「…ッ!
なぜ…それを…!
それに…あんた達の「世界」とは一体…!」
リリカ「私達のような何処の馬の骨とも知れない者を信用して…よくしていただいてくれたことは承知です。
…けど、それでもあなたたちはまだ隠していることが多過ぎる。
素性を明かさない私が何を、と思われるかもしれませんが…それでも、私は…私達はこの世界で旅するうちに、この世界のこと…アーモロードや海原のことが好きになったんです」
リリカ「だから…知りたいんです。
ここで何が起きているのか…何が起きようとしているのか。
……私達のこともお話します、だから……」
フローディアはため息を吐く。
長「解ってるさ…あんた達は他の冒険者とも違う雰囲気…いや、気配を持っていた。
あんた達が何者で、何をしに来たのかは興味があったが……今はあたし達の為に力を貸してくれている、それでいいと思っていた…」
長「…今から姫さまを呼んでくるよ。
その当事者の話を聞いた方が、あたしの口から話すよりはいいだろう」
…
姫「…そうですか…あなた方も、「ヒト」ではなかったというのですね」
リリカ「どういう…意味ですか?」
姫「言葉の通りです。
…ここまで懸命に尽くして下さるあなた方には…そして、あなた方自身の秘密を明かしてくださった以上、今度こそ本当にすべてを話そうと思います。
私の体に隠された秘密を…!」
姫「リリカさん…あなたがお気づきの通り、私はこのアマラントスを調合し、とある薬を作ることで私は寿命を伸ばしているのです。
それは「ヒト」の持ちうる技術ではない。
私は百年前の大異変のときから今に至るまで…様々な方法で寿命を延ばし生きているのです」
リリカ「寿命を…延ばす!?」
姫「そう。
東国には修行により肉体の限界を打ち破り、永遠に近い生命を得るという法があるとも聞きますが…私の取った方法はそんなものではない…もっと呪われた方法です」
「このアマラントスの毒を寿命の延長に使うのは…魔なるものの秘中の秘ですから」
リリカ「魔なるモノ…!?
ま、まさかそれじゃあ、あなたは!!」
姫「皆様を騙す形になってしまったこと…いかに詫びようとも許されないと解ってはいます。
ですが自然の法則を無視し、生きる訳はただ一つ。
百年前に姿を消した兄を助けたいからなのです!」
姫「兄は…百年前に、海都を支配する王の使命だと考え、魔を封じ戦うため海底に消えました。
しかし、それから百年が過ぎても魔もフカビトも健在です。
そもそも…私がこうして生き永らえているのですから」
姫「そして兄は……世界樹に魅入られたまま記憶を消され、支配され、私のことも忘れて海底にいる…そんな兄を救いたいのです…。
いいえ、私は…私はあの優しかった兄ともう一度会いたいだけなのです!」
リリカ「あなたは…あなたはそのために、「ヒト」としての命を…!」
そのとき…不意に部屋の扉がノックされ、クジュラが部屋へと入ってきた。
クジュラ「…取り込み中のようだが、危急の報告ゆえ失礼する。
深都の王とその側近の二人が…幾多の衛兵を引き連れて海底神殿へ向かっていった。
探りを入れた所、海底神殿の奥に隠されている転移装置とやらを探しているようだが…」
長「なんだって!?本当かい!?」
クジュラ「…とにかく深都の動きがあまりに尋常ではなかったため報告に来た。
俺はこのまま再び祭祀殿に潜入する。
他の指示があるなら、その都度連絡を頼む」
それだけ告げるとクジュラは部屋を退出する…。
長「転移装置…それもまたかつて海都に存在した技術の一つ。
海底深くに万が一、まだ起動する転移装置があると、色々と面倒なことになるね」
姫「リリカさん…それに、あなた方「狐尾」の皆様が、私をまだ信じていただけるというなら…深王よりも早く、その転移装置を見つけ出して欲しいのです。
…海都に昔からある白亜の森…私が今安静に過ごしているその王家の森にも転移装置があるようなのです。
平和で聖なるはずの白亜の森に見たこともない魔物たちが巣食うようになっている…もしかしたら、その転移装置の為かも知れません」
姫「そして万が一…その海底にある転移装置が白亜の森と繋がっていた場合…世界樹に魅入られてしまった兄の行動もとても不安で…気になります。
なので皆さまには、深都の方より早く転移装置を発見して支配下に置いてほしいのです」
長「無礼は承知…でも、あたしからも頼むよ。
姫さまの希望は最早あんたらだけ。
あんたらなら…きっと姫様の本当の希望を叶えることが出来る…あたしゃそう思うんだ…!」
リリカ「…承知しました。
代わりと言ってはなんですが…姫、あなたのお兄さんの名を、教えていただけますか?」
グートルーネは一瞬、ためらうような表情を見せる。
しかし…総てを語った時点でそれを隠すことの愚を悟ったのか…ひとつの名をリリカに告げた。
リリカ「…そうですよね。
百年前から生き永らえているのなら、そういう答えが返ってくるのも当然ですよね」
姫「私は…人ならざる者となってしまっても、戦うべき力を持たぬ無力な存在です。
だから、私はあなたたちを信じて待つことしか…出来ないのです」
長「無責任かもしれないが…神殿の奥には何が潜んでいるのか誰にもわかっていない。
とにかく気をつけるんだよ…そして、必ず無事で戻ってくるんだよ!
それがあたしからのミッションさ。いいか、わかったね!」
…
〜海都アーモロード アーマンの宿屋〜
リリカの告げた真実に、4人は返す言葉もなく沈黙を守っている…。
リリカ「…恐らくきっと、深王との戦いは避けて通れないかもしれない。
でも…それはグートルーネさんが望んだ結末じゃないはずなの。
…そうなってしまえば…グートルーネさんが「ヒト」であることを捨てた意味がなくなっちゃうから」
ルーミア「そんなことって…」
チルノ「それじゃあ…いったいあたいたちは何を信じればいいんだよ…!
みんな仲直りして、それで終わりじゃいけないなんて…!
そんなのどうすればいいんだよッ!?」
その言葉にも、リリカは応えられずにいたその時…不意にドアをノックされる。
そこに現れたのは、クジュラだった。
クジュラ「取り込み中のところ…失礼する。
あのおかしなしゃべり方をする酒場の店主に聞いたら、お前たちがここを拠点にしていると言ったのでな」
クジュラ「…お前たちの苦悩は俺ごときには到底計り知れぬところだ。
見た目、何処にでもいる少女のようだが…否、その苦悩も見た目相応で少し安心してすらいる。不思議なものだな」
クジュラは戸惑う少女達を他所に、普段通りの笑みを浮かべて話を続ける。
その表情が…急に真剣なものへと変わった。
クジュラ「…お前たちに、どうしても話しておかねばならぬことがあった。
支障がなければ、これから俺の話す話を…聞いてもらえんだろうか?」
少女たちは顔を見合わせる。
そして、頷いて青年の為に席を譲ると…青年は「ありがとう」と頷き、そこに腰をかけた。
クジュラ「これは…古い時代の、とある兄妹の微笑ましい話だ。
お前たちも聞いたかもしれないが…海都が興るその前、世界に白い光が降り注いだという昔話があった。
それは分け隔てなく降り注ぎ、手にした全ての者を癒したという。
…子供のお伽話といえばそれまでだが…妹はその昔話を信じ、その白い光を欲しいとせがみ…兄は体の弱かった妹の希望を聞き、いつか必ず…と約束した。
しかし程なくして兄は姿を消した。
妹はそのことを嘆き悲しんだ」
クジュラ「だが…妹は、もしかしたら兄はあの時の光を探すためにどこかへ行ったのではないか…そう考えた。
それ故に妹自身も探すことにしたのだ。自分が求めたその「白亜の供物」を」
リリカ「白亜の供物?」
クジュラ「昔話で降り注いだ、その光の正体だというが…現物など誰も見たことがないので解らん。
妹は必死にそれを探したが、当然見つかるはずもない。
そして、手にしたのはただコレだけだった…」
青年が差し出してきた一つの器を、リリカは受け取る。
クジュラ「その「妹」は…この「空の玉椀」をお前たちに受け取り、持っていて欲しいそうだ。
どうでもいい話だったかも知れんが、とにかくそいつを持っていてくれればそれで構わん」
クジュラ「邪魔をしたな…。
お前たちの求める「真実」、見出せるといいな」
青年はそう言うと席を立ち、部屋を退出した。
…
…
つぐみ「深都を発見したときのフラグ立てを間違っていなければ、B14Fに入ったタイミングで街に戻ったとき、クジュラさんから「空の玉椀」を渡されるよ。
これが、真祖ルートへ入るために必要な鍵のひとつになるの
操「私達はもらってないですよね。
ということは、この時点で真祖ルートに入れないことが確定してたんですか」
つぐみ「私達は海都→深都→真祖の順に攻略する予定だからね。
あとさっき言い忘れたけど、鶏頭に毒は無いよ。
根や茎を燻してネズミ避けにするみたいだけど…毒効果があるとかそういう話でもないみたいだし」
瑞香「なんかひとつ前の番外編?でボスの名前らしき物を言ってましたが、強敵なんです?」
つぐみ「のはずなんだけどねえ…なんかどっかの遊牧民が何度もhageたみたいな感じらしいし。
コイツについては次に回すよ。今回はここまで」