かごめ「やあみんなかごめさんだよ。
今日はちょっと趣向を変えて、小ネタを先に挟むんだ済まない(´・ω・`)」
諏訪子「何を今更ぬかしてやがる」
…
…
-穣子達が血の断裂者を血祭りに上げた数日後 ベルンド工房-
店の娘「うーん…これは」
穣子たちは、クマーの大ボスを倒す力を得るべく、ある行商人の依頼で獣の泉と呼ばれる場所に安置されていた宝箱の中身を持ちかえってきたわけよ。
んでもって、値打ちモノと聞かされていたその中身は、アワレにもさびて古ぼけた一着の鎧だったらしいぞ?
しかし穣子の動物的なカン()はこいつを値打ちモノだって言ってやがって、餅は餅屋ということで何処もおかしくはなかったがそう言うわけでこの古ぼけた鎧をどう見ても見た目からあざとい看板娘のいる工房に持って来たわけですわ?お?
穣子「んで!?どうなの!?
いくら半人前のあんたでもこういうモノの善し悪しくらいは解るよねそうだよね!?(クワッ」
娘「( ̄□ ̄;)うへえなんかそうストレートに言われると傷つくより逆に腹立つよ!!
でもちょっとまって…わたーしの記憶がたーしかならばぁー、こいつは親方が昔見せてくれた…ちょっとコレ預かっておいていい?親方帰ってきたら聞いてみるよ!」
-さらにその翌日-
娘「あ!来たね!
凄いんだよこれ!親方に見せたらびっくりしてひっくり返ってたよ!
ずっと昔、コンラートっていう名甲冑師が居たんだけど…その人の作品に間違いないだろうって!
とんでもない値打ちモノだよ!
一体こんなの何処で手に入れて来たのさ!?」
早苗「え…えー!?
じゃあこれ本当に行商人が言っていた…!?」
レミィ「こ、こういう話って大概フェイクの方がほぼ全数締めてると思ってたけど…えー本当なのそれー?( ゚д゚ )」
娘「うん、本物も本物。
親方もあたしも興奮しちゃってさあ、すぐにそこで炉を動かし直して徹夜で修繕しておいてあげたよ!
何せ年代物だから大分欠損はあったけど、使えそうな余り物で十分事足りたからね!
見た目も性能もばっちりだよ!!」
草して娘が抱えて持ってきたその鎧は見事過ぎるまでに白い純白の胸当てだったんですわ?お?
レミィ&早苗&ほむら「( ゚д゚ )ポカーン」
みすちー「わあすごーい!あのきったない鎧がこんな綺麗になるなんて!
それを見抜いた穣子さん本当にすごいなーあこがれちゃうなー」
穣子「ふっふ、それほどでもない。
どうだいこいつはどんだけの価値がありそうだい?」
娘「いやーこんなのとてもじゃないけどあたしの一存じゃ…っていうか、コンラートの鎧はマジで一級品!ありとあらゆる剣士や騎士垂涎の的!
持ってきたのはあんた達なんだから、折角だし持っていきなよ!」
早苗「( ̄□ ̄;)えちょ」
レミィ「も、申し出はありがたいけど…そんな鎧であればとてもじゃないけど私達の払えるような額ではきかないんでしょう!?」
娘「なにをおっしゃる!
あんたら“狐尾”は、現在のところうちの最大のお得意様だからね!
代金は要らない、持って行って使って見せて!
どうせこれからクマーどもの大ボス、倒しに行くんでしょ!」
穣子「ほほうおもえはよく解っているな。
ただの見習い()ではなく前途洋洋たる工房のホープと感心して関心が鬼なった」
娘「ふふん、それほどでもない!(ドヤッ」
早苗「えーそんなむちゃくちゃな('A`)」
…
…
かごめ「ってなわけで思わぬ拾いモノを手に入れてしまったわけだが」
諏訪子「なんかサガ3の村正と政宗を思い出すなあ」
静葉「というよりミンサガの古刀じゃないかしらむしろ」
かごめ「というわけで前置きここまで、本編はっじまるよっ><」
-狐尾幻想樹海紀行2-
その4 「血戦!獣王の牙城」
かごめ「…とは言ったものの、此処からもお待ちかね階層ボス戦絡みの裏話は続きます(キリッ」
静葉「酷い詐欺をみた気がするわね。
まーインターバル回を作ったりすると内容がうっすくなるからねえ」
諏訪子「現時点でも十分うっすいけどな。
今回はクマーの真のBOSS・獣王ベルゼルケルだね」
かごめ「私の中では真の獣王とはッ偉大なるワニ野郎クロコダインさんだけだッ」
諏訪子「やかましいわ。
因みに「ベルゼルケル」は舞台独語で、通常の独語だと「ベルセルガー」。
日本語で狂戦士のこったね」
かごめ「つーか普通に赤カブトとか、それをフランス語なりドイツ語なりに訳せば良かったんじゃね?
どう見たって貧弱一般クマーの倍以上の巨躯で赤毛とかどう見ても赤カブトだろこいつ」
静葉「因みにフランス語だとCasque Rouge、イタリア語だとElmo Rossoになるわね。
前者はストライクルージュ、後者は「紅の豚」の主人公の名前がポルコ=ロッソ(まんま「紅の豚」の意)があるから割と速攻でばれるんじゃないかしら」
かごめ「この辺が外国語引用の難しいところでありまして」
静葉「脱線はこのくらいにしときましょう。
お約束のボス戦スキル・装備紹介ね」
かごめ「穣子の装備とレベルは先にあげた画像そのまんまだし、とりあえず割愛で。
スキルはこんなんだね」
みのりん(ソードマン)
戦士の心得(★1)
ソニックレイド(3) リンクフレイム(2) リンクフリーズ(2) リンクサンダー(1)
物理攻撃ブースト(4) ヴァンガード(2)
薬草学(★1) 応急手当(1)
かごめ「この応急手当の無駄な事無駄な事」
諏訪子「回復量固定だっけ?」
静葉「一応後述する早苗のスキルでブーストはされてるけど…」
諏訪子「っても1だけあっても本当にしゃあないなこれ」
かごめ「盾持たせたんだからシールドスm、じゃなくてパワーブレイク持たせても良かった気がしなくもない。
まだベテランランク行くまで間があるし、この時点で休養させても問題はないんだよな」
諏訪子「だがど〜だ〜? そうすればまたレベル上げの必要性が生じてくるだろ」
かごめ「そこなんだよなー。
まあ面倒くさいし、ある程度全員のレベル差がなくなった辺りで一斉休養させてレベル揃えようかと」
静葉「どうせまた誰か落伍してレベル差は生まれるんでしょうけど」
諏訪子「…お前ちょっと前あたりからいちいち酷いな^^;」
みすちー(ダンサー)
踊り子の心得(★1)
リジェネワルツ(3) リフレッシュワルツ(1) アタックタンゴ(4) ガードタンゴ(1) カウンターサンバ(2)
扇の舞(5)
薬草学(★1)
かごめ「キャラに反して何気にユーティリティ担当のポジションが強いられ始めている夜雀だな。
実は扇の舞の補正値が低いのか、あるいは大概レミィか穣子に攻撃飛んでくせいかあまりありがたみはない様な」
諏訪子「まあ両サイドにHP・防御共に馬鹿高い2りに挟まれてるしな。
その分こいつがリジェネかけてるとレミリアなんか本当に雑魚戦だと落ちないが」
静葉「何気にまめに重ねがけしてると気づかない事も多々あるけど、この子のダンススキルはクラス固有の関係でターン数長いのよね」
かごめ「意外と忘れがちで、インフォ開くとぎょっとするほど残りターンがあったりしてなあ。
穣子のヴァンガードもだが」
諏訪子「クマー戦とかこいつのアタックタンゴ+ヴァンガード+リンクなんとかで一気にごっそりと削るしな。
こいつ自身も殴りに行けるのが何気にでかいが」
かごめ「本当だよ、まるでポケモンで活動ぶりがさっぱりな分うっぷん晴らしでもしてるんかなこいつ」
静葉「そういうものでもないでしょうけど…」
かごめ「一応方針としては、扇舞はここまでで止めといて後はレベル20解禁の剣の舞やリフレ、あとチェイスサンバを伸ばすようだな。
リフレッシュワルツやリカバリワルツは耐性強化が期待できる分、ひょっとしたら前作の予防号令より優秀かも知れん」
諏訪子「本人が石化してもターン終了時にはしっかり治るらしいしな。
まあ、全体石化に対してなら予防の方が強いが」
おぜう様(フォートレス)
城塞騎士の心得(★1)
ボルトストライク(1)
ディバイドガード(3) 防御陣形(3) 防御陣形U(1)
挑発(★4) 先制挑発(2) 物理防御ブースト(2)
鉱物学(★1)
かごめ「今回のメイン盾おぜう様ですな」
諏訪子「速攻で挑発とったはいいが、今回タゲ取りも絶対じゃねえのな」
静葉「前作の招鳥に当たるデコイサインの存在というよりも、単純に心得との組み合わせで自家発電するのを防ぐためじゃないかしら。
とは言っても、マスターすれば大体H割は引きつけるじゃない」
かごめ「ディバイドも仕様変更したらしいしな。
実際ファランクスはかなりの壊れ性能だったのは否めないところだが、その分大分テクニックがいる感じだよな」
諏訪子「まあでも、ぶれようがないしな基本的に。
必要なスキルはほぼベーシックで揃うし、あとはせいぜいディバイド系と予防号令くらい?」
かごめ「もっとも、サブは何付けるにしてもほとんどメインに回して終わりだと思うけど」
フルーツ()(メディック)
医術師の心得(★1)
ヒーリング(3) ラインヒール(3)
リフレッシュ(2) トリート(1) リカバリー(1)
ヘヴィストライク(2)
薬草学(1) 戦後手当(1)
諏訪子「さしあたってヘヴィスト必要なのマジで?」
かごめ「いや、えーっと…ぶっちゃけいらん」
諏訪子「だったら何故取ったドアホ!!><
常時後列に置くんだし意味ねえだろ!!!」
かごめ「いや一時後攻挑発がどれだけ有効かをだな」
静葉「でも本当に不要になって来てるわね、この時点だと。
これだったらとっととリフレッシュを列化してTP落とせと」
諏訪子「戦後手当も微妙だけどな。
ヒール系もコストと成長が割に合わなくなる4か5までは伸ばしたいところだが」
かごめ「スキル上どうしてもフルヒーリングの取得が必須なのが嫌らしいよな。
リザレクトもそんなに回復しないでTP消費増える前で止めておきたいのが本音だな」
ほむほむ(スナイパー)
狙撃手の心得(★1)
レッグスナイプ(2) アームスナイプ(2)
ロングショット(2) フルメタルアロー(2) フランクショット(2)
ロックオン(3) 観測(1)
スカベンジャー(1) 樹木学(★1)
かごめ「解っちゃいたけどこいつもあまり面白みないな」
静葉「遊びようがなからね。
スカベンジャーは要するに解体マスタリーなんだけど、なにしろ所持アイテム上限値考えると逆にうっとうしいと言うか」
諏訪子「いやあ本当にアレは懲りるレベルだしな。
採集中だと思わぬタイミングでアイテムが埋まってウボァーってなる」
かごめ「欲を言えば三色属性スキルが欲しいところだよな」
諏訪子「ないものをねだっても仕方あるまい」
かごめ「装備品は順当にこの辺りで手に入る一番いいものだな。
中には唯一品ッぽいのもあるんだが」
静葉「穣子の持っている盾と鎧なんかそうかしら。
盾はなんか装備するとスキルが得られるとか何とか」
かごめ「なんか効果欄にディバイドLv1って書いてあってなにこれ、と思ってたら、装備していると一時的に書かれたスキルを得られるってアイテムなんだよな。
あと早苗の徽章だけど、これは大地に時々湧いて出るNPC気球に特定のレア素材を渡すと貰えるアイテムの一つだな。
地味に能力が上がったりするから後列に持たせとくぶんには問題あるまい」
…
…
意を決し扉を開くと、そこには獣の匂いが立ち込めた広大な空間が広がっていた。
そしてその奥には、圧倒的な巨体を誇る深紅の獣が鎮座しており、怒りに燃える双眸でこちらを睨んでいる。
レミィ「どうやら奴がここの熊どものボス…で間違いなさそうね」
穣子「ほほうクマーのKINGの分際でこの第一級秋神の私に牙を抜くとはいい度胸だ(上半身はエラソーに腕組みしているのに下半身がすごい勢いでブルっている)」
レミィ「あんたマジで説得力ないわね。
しかし」
見回すと、広間の東と西には泉があり、その周囲を血の断裂者が徘徊している…。
レミィ「さしずめここが、あいつの牙城に当たるわけか…あいつらがスキを突いて襲いかかってでもこられたら、面倒だわ。
流石に戦闘力未知数のボスを含めて3体はきっついわね」
早苗「(あたふた)えと、えとレミリアさん」
レミィ「そんなにびくつかなくてもいいわよ。
あの連中、こっちをナメ切ってるのかすぐには襲いかかって来ないでしょうよ」
早苗「あ、は、はい…。
すいません、赤でクマーと言われてひとつ思い出したんですけどこれってなg」
レミィ「もしかしなくても「銀牙 流れ星銀」の赤カブトなんて言うネタは多分二千年ほど前に通過したネタなんじゃないかしら(キリッ」
早苗「( ̄□ ̄;)えうっ!?
ええ、えとまあ、それも考えたと言うか…ちょっとそれで思いついた事があると言うか」
レミィ「何かあるの?」
早苗「あ、はい…確かアーモロードの垂水の樹海で大ナマズがいるフロアって、いくつか隠し道みたいなのがあって、そこから先回りしたりして追い詰めたって、リリカが言ってたんですよ。
ひょっとすると、このフロアにも何処か隠し道みたいなものがあるのかも、って思って…確か銀の父のリキが、牙城の背後から直接赤カブトを奇襲する作戦を立ててましたし」
レミィ「本当になんであなたそんなふっるい漫画のネタ知ってるのかしら…私も言えた義理ないけどさー。
確かあの展開だと、牙城背後の断崖絶壁にも赤カブトの影武者を含めた四頭の熊が居た気がしたけど…そんな抜け道に熊がいるなら恐らく単体、蹴散らして進めば向こうの目論見を大きく崩せる可能性もあるわね」
早苗「となると」
少女達は部屋の一角にある不自然な倒木の塊に目をやる…。
レミィ「壊してもらうしかないわね(ニヤリ」
〜少女熊誘導中〜
果たして、倒木の裏には何かの目的でつくられたと思われる抜け道が存在した。
一行は途中、姿を消す面妖なる爬虫類の妨害を受けながらも、丁度獣王が陣取るその背後へと抜けて現れる。
少女達はそこで、不思議な祭壇らしきものを見つけるのだが…今はそれどころではなかった。
穣子「へんっ、あいつまだ私達がバックを取ったことに気づいてないね」
レミィ「それにこの区画の方が狭い。
側近の熊どもも乱入しにくいし…時間勝負かもだけど、地の利はむしろ私達にある!」
顔を見合わせて頷きあう穣子とレミリア。
レミリアは不意に、険しい顔のほむらと、まだ不安で身を竦めるミスティアに告げる。
「覚悟を決めなさい。
今、私達が進もうとしている道には、絶対の大義なんてものは存在しない…あるとすれば、それはあなた達が何を求めてこの冒険に身を投じたのか、その想い一点のみ!」
直前まで僅かに恐怖を残した表情だった早苗が、その言葉を受けてか自らの両頬を両手で張り、気合を入れ直している。
裂断者を倒す前から向こう、レミリアに対する説明し難い不信感を抱いていたほむらも、獣王の雄たけびに恐怖心を植え付けられていたミスティアも、俄にその言葉に勇気を振り絞る。
(そうだ…私はこんなところで止まりたくない!
チルノ、ルーミア、今だけでいい…私にあなた達の勇気を貸して!!)
(わかっている…解っているわ。
あなた達は私が戦ってきた魔獣とも魔女とも違う…変わりたいと願う私の手を、取ってくれる大切な仲間!)
「いっくぞおおおおおおおおおおおおおおっ!!」
穣子が咆哮と共に剣を構え、真紅の獣の無防備の背めがけて突っ込んでいく。
完全に不意を突かれた獣王の脇腹を深く抉る強烈な一撃を皮切りに、樹海の熊どもの王と異界から来た少女達との決戦の火ぶたが切って落とされた!!
…
…
かごめ「さて獣王ベルゼルケル戦でございますがー」
諏訪子「基本はアレやね、裂断者のパワーアップバージョンというか」
静葉「ここはまあお約束の行動パターンをね。引用は攻略wikiよ」
バインドボイス:属性不明の全体攻撃(恐らくは血の裂断者と同じモノ? 喰らったおぜうがスタンしたのは確認)
岩砕き:全体に壊属性攻撃+頭縛り
獣王乱舞:2ターン力溜め後、ランダム対象3回攻撃
カウンター:物理攻撃に対して反撃
かごめ「基本的には見た目どおりの力押しやね。
面倒なのは岩砕きの頭縛りか」
静葉「岩砕きはポケモンでも地味に面倒よね」
諏訪子「関係ねえだろそんなん。
そう言えば攻略wikiだと岩砕きの範囲は全体って書いてあったような」
かごめ「それなんだけどなー、記憶の上では前3りしか食らってなかった気がするんよ。
記憶違いかも知れんが、まさか一層ボスが破壊力のある全体攻撃を二種類も持ってるとも考えにくくて」
諏訪子「っていうかレベルのせいもあってかほっとんど苦戦してないよね。
HPこそ裂断者の倍ちょっとあるけど、攻撃力的にはさほどでもないと言うか」
かごめ「んだなあ。
まず最大の必殺技とも言える獣王乱舞は、お約束の如く直前で妨害して不発にしてやった。
裂断者と同じ2ターン後発動だけど、ダメージは大体300〜400程度かなあ。火力が足りないと微妙に間に合わない可能性もあるが、此処はアタックタンゴとヴァンガードからのリンクファイアで」
諏訪子「穣子の起点でおよそ100前後、ミスティアが50前後、追撃で30〜40程度見込めるから、ほむらとレミリアが参加すると余裕で間に合うわな」
かごめ「聞けば現在のおぜうでも2発喰らえば吹っ飛ぶ火力みたいだし、そんな物騒なモノは失敗させるに限る。
あとこいつ暗闇や腕縛りもわりと入るから、早々に腕を縛って岩砕きも不発にさせたしなあ」
諏訪子「負ける要素が見当たらねえな。もう1、2レベル低くても本当にいけたんじゃねえか?」
かごめ「かも知れんな。どう考えてもHPがこいつの半分くらいしかないカンガルーの方が余程キツイわ」
静葉「どうでもいいことかもしれないけど、ボス戦BGMなんか前作に比べると地味よね」
諏訪子「そうかいねえ?」
静葉「中ボスの前作クエボスのアレンジが秀逸過ぎたからかしら」
かごめ「あー。
個人的にはアレが階層ボスでも良かったなあ」
諏訪子「だがどうかねえ、アレンジってことになると悪い言い方すれば使い回しになるしねえ。
つか今回は通常敵BGMが格好いいからねえ」
かごめ「それは同意」
静葉「初回版おまけCDには本当の意味での原曲が収録されてるんだけど、生演奏加えてない時点でこれか、という。
アレのアウトテイクってあれかしらね、統治院の没BGMなのかしら」
諏訪子「かもなあ。
マルゲリータの午後が統治院だし、雰囲気は似てる」
かごめ「そう言えばマルゲリータってのは、辺境伯が抱いてる犬の名前だって開発者ブログに書いてあった気がしたなあ」
かごめ「というわけで今回はここまでとしましょうか。
あとはまあ小話で」
諏訪子「ホンッとにこれで話水増ししてやがんのな。
ポケモンBW2なんて触れすらしてないのにこの扱いの差は一体なんだ」
静葉「まあ出た時期が悪いということで」
諏訪子「うわー酷いいいわけだー」
…
…
♪BGM 「戦場 疾風」/古代祐三♪
暴れまわる巨熊を見下ろせる樹上に陣取り、狙いをつけて放たれた矢がその背を深々と抉り鮮血を噴出させる。
苦悶の悲鳴を上げる真紅の獣はなおも、目の前で動き回る少女を屠らんと腕を振るおうとするが、その意思に反して右腕はだらりと下がったまま動く気配すら見せない。
ほむらが射抜いたのは、丁度腕を吊る筋に当たる場所であった。
これを断ったことにより、熊の最大の武器である巨木を薙ぐほどの力を持つ腕と爪の一撃を完全に使い物にならなくしたのだ。
「ナイス、ほむら!」
穣子は攻撃に転じる一瞬、樹上に陣取る少女に親指を立てる。
ほむらはわずかに戸惑いながらも、追撃を放つべくさらに矢を数本つがえ、放つ。
その矢は今度は熊の足を大地に縫い付け…。
「気に入らないことこの上ないけど…今だけはあんたの力、借りてやるっ!!」
穣子の髪が普段の橙色から、一瞬のうちに凍えるような淡い青へと変わる。
そして放たれる力は…厳冬の冷気。
「天剣“風雪即意”!
でやあああああああああああああああっ!!」
引き裂かれた真紅の毛から剥きだされた傷跡は、一瞬のうちに氷結し血飛沫すら飛ばない。
さらにそこへ飛び込んでいったミスティアの一刀が、凍傷の十文字をその巨躯へと深々と刻み込む。
「…終わりね。
悪いけど、止めは私が貰うわよ!!」
大きくのけぞった巨熊の脳天めがけてレミリアが飛翔する。
大きく振りかぶった戦鎚に、凄まじい暗黒魔力が集中し真紅の稲妻を走らせる……!
「神鎚“ミョルニルストライク”!!”」
轟音とともに、神の雷霆とも言える凄まじい一撃が、哀れなる巨獣の頭を上半身ごと、その大地へと沈め…。
「これは…!」
「ミョルニル…確か、オーディンのグングニルと並び称される、雷神トールの鎚」
茫然とその光景を見やる早苗の傍に、何時の間にかほむらが木から下りてきて立っていた。
巨熊の頭があった辺りを中心に、吹き飛ばされた大地でクレーターが出来上がっている。
轟々と上がる土煙の中、時折走る赤い稲妻の中から、レミリアがゆっくりと体を起こす…。
「…ごめんなさいね、少しやり過ぎた見たい」
悪びれもせず呟くその足元に、ピクリとも動かぬ巨熊の亡骸があった。
その神鎚の一撃で、悲鳴を上げる間すらなく、この森の支配者だった獣は絶命していたのだ。
「あーこの野郎!!
こういうのは普通リーダーの役目だってのにー!!><」
「あーもー、だからごめんなさいって言ったじゃない。
兎に角、形はどうあれ」
「…そうですね」
レミリアに喰ってかかる穣子を、早苗がなだめながら。
「これにてミッション終了!!」
釈然としない顔の穣子を余所に、ハイタッチを交わす早苗とミスティア、そしてレミリア。
その光景と、物言わぬ巨熊の身体を交互に眺めながら、ほむらは溜息を吐いた。
…
♪BGM 「街景 万事よきように(SQ4アウトテイク)」/古代祐三♪
新鋭の冒険者、樹海の支配者を討つ!
その報は間もなく、マルク統治院…ひいてはタルシス辺境伯の元にも届けられた。
遠方アーモロードの樹海の謎を解き、安寧をもたらしたギルドの一員として、その噂に違わぬ実績を打ち立てた彼女たちの武勇を讃える宴が催され、辺境の街は冒険者も街の者も、貴族も平民も兵士もなく、何時果てるとなくその喧騒が続く…。
その中心では、巨熊への止めをレミリアに持ってかれたウサを晴らすかのように、呆れ顔のレミリアを無理矢理隣に置いて、街の飲兵衛達を交えて穣子が大杯を次々干している光景。
そこから離れた場所には、楽隊を引き連れ自慢の歌声を披露するミスティアの姿もある。
ほむらだけが一人、セフリムの宿に宛がわれた部屋の窓からそれを眺めていた。
「あ、やっぱりここにいたのね」
不意に背後で声がすると、食事を持ってきた早苗が微笑みかけている。
恐らくは、宴の席から持ってきたのだろうそれは、明らかに一人分というには多く見える…。
「杏子ちゃんは山の方々と混じって一緒になって酔っぱらってるのも珍しくないけど…他の子はみんな真面目に制限年齢守ってるみたいだしね。
私もまだ十九になったばかりだし、それに…一度だけ飲んだ事あるけど、私どうも弱いみたいで」
照れ笑いする彼女の言葉に、その意味を測りかねていたほむらであったが…。
「…私も…多分合わない。
一度…かごめさんに勧められて…酷い目にあった」
「あ、そうなんだー。
あのひとは、まず飲むところから始めちゃうからね」
食事をのせたテーブルと椅子を、ほむらが腰掛けるベッドの脇へと運んでくる早苗。
そしてその椅子に向かい合わせに腰かけると、何処からか調達してきたと思われる飲み物を差しだしてくる。
ほむらは僅かに驚いたような表情で、さしだされたコップと早苗を交互に見やる。
「折角だから、一緒に食べようと思って。
あなた何時も、食べ終わるとさっさといなくなっちゃうし…こんな機会だから、少しゆっくりお話ししたいなって」
…
宴も酣の頃。
久方ぶりの事に羽目を外したか、へべれけに酔ったレミリアが先刻とあべこべに穣子の首根っこを捕まえてクダをまいている。
気さくな辺境伯もギルド長も、豪快に笑い合いながらその話を興味深げに聞き入っているようである。
少し離れたところでは、泥酔したのかあるいはさせられたのか、真っ赤な顔で目を回して大の字にぶっ倒れているミスティアを宿の女将が介抱しているのが見えた。
その光景を見ながら…ほぼ八割は早苗が一方的にだが…二人は言葉を交わす。
早苗はほむらに乞われるまま、自分の過去の事、彼女が生まれた世界の事、これまで旅をしたイッシュのことを話して聞かせていた。
「ほむらちゃんはさ、まどかちゃんを助けるために魔法少女になったんだよね」
黙って頷くほむら。
「だったら、それって」
「…解ってる。
私も、あいつを…さやかの事、馬鹿に出来る立場じゃない。
私の理由も…形はどうあれ、誰かの為に願ったモノ。
…結果的に、まどかを苦しめた」
「そう…なのかな」
寂しそうにそう呟き、早苗は口に運ぼうとしたコップをテーブルに置く。
「私があんな願いさえしなければ…まどかはあの世界から消えずに済んだ…!」
「でも、そうだとしたら、みんな私達と出会う事は出来なかったよね」
はっとして、ほむらは顔を上げる。
「幻想郷の賢者がいわく、幻想郷とは、総てをありのまま残酷に受け入れる場所。
外の世界に居場所を失くし、憎悪に任せて他人の命を奪った私ですらも」
立ち上がり、外の喧騒へと目をやる早苗。
そのまま、背を向けたままほむらへ問いかける。
「ほむらちゃんは…私達の事、嫌い?」
その言葉に、返答はない。
暫しの沈黙。
「………い」
再び向き直ると、その俯いた瞳から涙が零れ落ちるのが見える。
「…嫌いに…なれるわけない…!
失えば傷つくだけなのに…何時か失われてしまうかもって…そう思っても…!
みんなみんなお構いなしに、私の手を取って引っ張り上げて、無理矢理にでも温もりをくれて…!
かごめさんも、早苗さんも、みんなみんな私より辛い事も苦しい事も受け止めて乗り越えてきてるのに!」
覚ではない早苗ですらも、今この瞬間だけは、この少女の気持ちが手に取るようにわかる気がしていた。
子供のように泣きじゃくるその体を、早苗は優しく抱きとめる…。
「私、心から笑えるようになれるのかな…?
みんなと一緒に生きていく事がっ…できるのかな…!?」
「できるよ。
私だって、出来たんだから…きっと!」