♪BGM 「ラストリモート」(東方地霊殿)♪




総ての封印が解かれた煌天破ノ都。
その入り口には最早、彼女らを遮るモノはない。

都の一角から続く、これまで彼女達が踏破してきた迷宮の最深部にはそれぞれの迷宮内にあった祭壇とは別の祭壇が存在し、この祭壇に触れること…それが、「都」の扉を開く「鍵」であった。


彼女らは突入可能になってから僅か二日で碧照ノ樹海までを踏破し、総ての扉を開け放った。
彼女らが初めてこの地へ降り立ったその頃、熊の支配するこの樹海の最深部に到達するのすら、何日もかけて行われた事に比べると、それは驚異的な進歩であったと言えよう。

しかし…時は一刻を争う事態。
未知の迷宮をいちから、しかも限られた時間で踏破することを要求されていた穣子達にとっては、いくら短時間で踏破したとしてもそれは誇れるようなことではなかっただろう。


扉を開け放つと、周囲に鐘の音が鳴り響く。
それは、樹海の奥に眠る最後の「鍵」を空けた時に聞いた、不吉な音色のそれと全く同じモノ。

開け放たれた扉の奥から、咽返るほどに濃密な緑の匂いが、疾風と共に押し寄せてくる。
儀式の終了は間際に迫っている…誰ともなくその予感を感じていた。



「…みんな、覚悟はいいね?」

穣子は仲間達に振り返り、念を押すようにそう問いかける。

「問われるまでもないわ。
何時でも行ける、あとは私の成すべき事をやるまでよ

砲剣を肩に担ぎ直し、覇気に満ちた表情で頷くレミリア。

思えば…この旅路は、私達の誰もがきっと、それまで自分が知りえなかったもうひとつの自分を見つけ、それを受け入れる旅でもあった思うんです。
…そして、それは私達が生きて戻って来たときに初めて完遂したと言える筈

「怖い事も、不安な事も一杯ある…でも、私達は力を合わせて乗り越えてこれたから…きっと、これからも!
だから、あとは私達次第」

当初は何処か無理をしていたような早苗も、周囲との距離の測り方もぎこちなかったほむらも、その思うところはひとつだった。
二人の表情にも、決意が満ちている。

「私…ずっとチルノやルーミアの事が、羨ましかった。
でも、私は多くから二人を眺めてることしかできなくて…うまく言えないけど、今は私だけが見えていて、ふたりには見えない世界が見えてるんだと思う。
やっと、自分がどうしたいのか、それが解った気がするんだ。
この気持ち、私なくしたくない…私の、私達が大好きになった人達を、私達の手で守りたい!

すっかり見慣れた二つ括りの髪を風に揺らしながら、言いきるミスティアの表情にも迷いはない。

穣子は再び正面へと向き直る。

「もう、いちいちお礼なんて言わない。
この旅路が、私の我儘でみんなを巻き添えにしたなんて言うのは、私の驕りだからね。
私は…豊穣神としてだけじゃない…今は一個の人間として、大切な友達を助けに行く!!
みんな、行くよ!!!


駆け出す穣子に、四人の少女が続く。
その奥に待ち受ける、最後の戦いの舞台へ。



-狐尾幻想樹海紀行2-
その18 「神話を継ぐ者」




静葉「ああ…穣子ったら立派な事を言うようになって…(*´Д`*)」

かごめ「ったくこいつ何年神様やってんだよ。
   まあいいや、アレ多分ラストまで使い物になるか解らんし、解説頼むぜゆかりん」
紫「はいはいお任せ下さいなっと^^
 世界樹の表では最終ダンジョンとなる第五迷宮・煌天破ノ都のめぼしいところは…何ターンかに一回粘着糸を吐いてこちらの動きを止め、襲いかかってくるFOEラフレシアね。
 HPは5500程度、強烈な全体毒・全体混乱に氷属性全体攻撃を繰り出し、尚且つ不利になると防御してこちらのテンポを狂わせる非常にいやらしいFOE」
かごめ「一応全部頭技なんで、頭を縛っちまうと非常に残念な敵になり下がる。
   進路上の非常に嫌な位置に陣取ってるし、予めメテオパンプキンでも喰って探索のついでに全部狩っちまうのも一つの手だ。
   炎が非常によく通るので、ぶっちゃけると無理しておぜうにフレイムドライブ持たせてたのはこいつ狩る為でもあったんだ
紫「実際は多段リンクとほむらのチャージインパクトで十分だった説もありますけどね。
 レベルもレベルなんだしそこは」
かごめ「どうでもいいけど都内部に入れるようになってじきのころ、孔雀亭にいる少女術師が「ネバネバした液体をブッカケられて、触手責めされた」みたいな事を言いやがるからそれもネタだよなあ」
紫「あのねのネタになりそうではあるけどそのへんどうなのかしら(チラッ」
かごめ「何を期待しとるんだ貴様は。
   都はワンフロアしかないけど、その代わり順路がつづら折りになってて体感的には非常に長い。
   これまでの迷宮と違って抜け道の目印っぽいものがないから探すの大変だけど、うまく見つけると最初の扉から奥のフロアまでほぼ一直線になる」
紫「座標でいえば3の軸にほぼ一直線に並んでるわね。
 カラクリとしては、幽谷にもあったループ通路が最後のフロア直前にある。
 此処で2体陣取っているラフレシアもうまく移動すれば十分回避して進めるわ」
かごめ「狐野郎は避けるのが面倒になって狩ってったけどな。
   粘着糸もあるのでその方が後腐れはないかも知れん」
紫「相対的にそこまで強いFOEじゃないからそれでもいいでしょうけどね。
 むしろ、通常敵のバンパイアバットと眠れる獅子の方が数倍危険。
 前者は仲間を呼んで、3体になると全体のTPを吸収する合体技を使う…連中は足が速いのでかなりの脅威ね」
かごめ「むしろこいつやアゲハに的を絞って始原を持たせたんだがな。
   もっとも、都内部にはアゲハはほとんど出てこないんだが」
紫「眠れる獅子は最初眠ってますけど、下手に起こすと強力な範囲攻撃で戦線を滅茶苦茶にしてくるわ。
 単純に火力が高いので、起きる前にアサシネイションでもぶち込んで息の根止めてしまうのが手っ取り早い…あら、そう考えると前回のスキル振りって、都踏破を主眼にしたものなの?」
かごめ「まあね。
   しかし結局あまりうまくはいかなかったから、それだったら最初からラスボス用にチューンして良かった説もちらほらと」
紫「あらら^^;」
かごめ「あと、入れるようになると受注できるクエストで、強力なバースト技であるヒギエイアの杯と、都内部の宝箱からジオインパクトが入手できる。
   どちらもゲージ5本必要だが、ラスボスは攻撃が激しいので先制確定スタン、問答無用の全体回復は切り札として非常に有効だ」
紫「杯入手クエストで訪れるフロアの仕掛けは地味に面倒ですけどね。
 お笑いウルトラクイズを思い出したプレイヤー諸兄も多いのでは?^^;
かごめ「あーあの不正解の扉に突っ込むと泥プールが待ってるあれかwww
   誰がうまい事を言えっつったっつーかその発言は年がバレるからやめたまえ(吐血










おぞましく蠢く妖華の群れをかわしながら、穣子達は緑の匂いと蛍火に導かれ、ついにその場へとたどり着いた。

「都」最深部、儀式の間。
そこには巨大な人の形…それを思わせる巨大な顔があり、そこから緑の匂いを孕んだ風が吹いてくる。

否。


「なに、あいつ…もしかして」
生きてる!?
じゃ、じゃああれが…!!」

先頭にいた穣子がそれに気づき、ミスティアはその恐ろしい予感に顔色を変える。

その緑の匂いの風は、目の前の人形の呼吸。
この人形こそ、恐らくは…。

「そうだ…儀式は今完了した。
あとは、目覚めを待つのみになったのだ…これが目覚めれば、総てが終わる…永かった僕の戦いも…!」


その声のした方向…部屋の中央にはバルドゥールが一人、膝をついている。
シウアンの姿はない。

振り返るその瞳は濁りきっているのが遠目にも解る。
呼吸も荒く乱れ、凄まじい緑の瘴気が彼を包み込んでいた。

「バルドゥール…あんたッ…!」

怒りと驚きと悲しみが綯交ぜになって、整理もつかない感情のまま穣子は戦慄くように呟く。
その姿は尋常ではない。
既に、呪いが全身を蝕んでいる彼は、それでも最後の力を振り絞り立ち上がる。

「嘗てこの世界は人の手により、大地は草木も生えぬほどに汚された。
人は自らの愚行に嘆き、美しく浄化された大地を夢見て、楽園の帰還を望んだ。
…そして、生み出されたのがこの巨人…「世界樹」だ」


その足元から、一層濃い緑色の瘴気が哀れなる皇子の身体を伝い、立ち上り始める。

「世界樹と巨人は同一のもの。
かつて、希望と共に呼ばれたその名は失われて久しい…「彼女」を御せなかった者はそれを恐れ、封じ、忘れ去ろうとした。
だが…見よ!
今、この僕の手によって、力の核となる「心臓」も!
心たる巫女も!!
総て一つとなりよみがえろうとしているのだ!!!


狂気の表情すらも、瘴気は覆ってゆく。
その驚愕の光景は、今なおこの呪いに苦しむ魔理沙も、いずれ辿るだろう運命と予感させる。

「僕の手にしたこの冠で、僕の言葉を巫女を通じてせいなる言葉に置き換え、彼女に届く!
見るがいい、楽園の導き手の復活を!!!」
いいかげんにしろッ!
あんた、あんたは本当にそれでよかったのかよ!?
シウアンは…あんたの、世界樹に取り込まれそうになっていたあんたを助けようとしていたんだよ!?
あんたはあの子が愛したこの世界を本当にぶっ壊しちまうつもりなのかよッ!!!」

穣子の言葉に、かつてバルドゥールだった者は僅かに悲しそうな表情を見せる。
しかし…。

♪BGM 「邪聖の旋律」/伊藤賢治(ミンサガ)♪

「彼の者の復活は…お父様の…皇帝アルフォズルの悲願。
散っていった騎士たちの希望。
「余」は彼らに報い、護らねばならぬ!
彼らが信じた未来を!!


顔からはじけ飛ぶ瘴気は、まるで涙のようにも思えた。
少女達の脳裏に、ローゲルの言葉がよぎる。

-殿下はもう…御自分の力では止まる事ができないのだ…-

恐らく、彼の孤独の十年が、そうさせてしまったのだろう。
彼を置いて旅立った皇帝や騎士たちに近づきたい一心で、彼は無茶とも言えるこの計画を推し進めてきたのだ。
まして、己の命がもう長くない事を知ってしまえば…。

…かけ違えたボタンなら、また外してつけなおせばいい。
道を間違えたら、一度立ち止まってその場所から別の道を探し直すことだってできる。
だからバルドゥール…あなたは、まだやりなおせる
…でも」

レミリアはひと振りの砲剣を構える。
その剣が如何なるものか、異形の姿となった皇子には解らなかったろうが…それはローゲルから託された、アルフォズルの剣…イクサビトの里に保管されていたそれを、借りうけたモノだった。

「今のあなたは、どうしていいのか本当は、自分でもよく解ってないだけなのだから!
だから、今は私達が止めてあげる!
それが…アルフォズルとローゲルの願いだから!!

手慣れた動作で作動させると、砲剣は駆動音を上げ始め、見る間に彼女の魔力と周囲の大気を巻き込んで赤熱しはじめる!
その姿は、穣子たちにもある一人の女性を想起させる。

かつて、己に破滅の種を宿らせながらも、その炎の如き意思と闘志で戦い続けた偉大なる吸血鬼真祖。
レミリアやほむら、早苗だけでなく、多くの少女達に道を示したその偉大なる大妖怪の姿が、初めてこの若き吸血鬼と重なって見えた。


その強大な覇気に僅かに気押されながらも、呪いに飲まれつつある皇子は狂気の目を見開いた。

「救世の光、「余」が消させはせぬ!!
帝国に仇成すものよ、我が砲剣の前に散るがいい!!!」





その咆哮に応えるかのように、瘴気と共に緑色の蔦が伸びて肌を突き破り、その体を完全に覆い尽くす!
皇子であったその異形は、砲剣の駆動音と雄たけびを上げて襲いかかってきた!!








かごめ「ラスボス前座・翠翼の呪皇戦ですな」
紫「ですな。
 見りゃわかる通り、もう明らかに「ドライブ撃ちますが何か?」って感じね」
かごめ「メタな話すると、こいつのドロップ品も砲剣の材料になるからなあ。
   まさかたあ思うが、クジュラの持ってたニヒル同様、ドロップアイテムからそのモノを打ち直しするんだろうか」
紫「ないといいきれないところが怖い^^;
 それでは、毎度の如くのスペック紹介ね」

HP14200 弱点・耐性特になし
フレイムドライブ(腕):斬属性+炎属性の拡散攻撃(ワイドエフェクトによる?)、攻撃後オーバーヒートする
カオスドライブ(腕):ランダム対象10回斬属性攻撃、攻撃後オーバーヒートする
オーバードライブ(腕):全体大ダメージ無属性攻撃、イグニッション時にのみ使用
支配の覇気(頭):全体物理攻撃力低下
強制排熱(頭):クールダウン短縮
アイビィスラスト(脚):近接2回突属性攻撃
絡めとる蔦(脚):全体腕縛り&脚縛り
イグニッション(頭):オーバーヒート強制解除し、以後しばらくオーバーヒートしなくなる

かごめ「もうこいつラスボスでいいじゃん(きっぱり
紫「ま、まあまあ…基本はローゲル同様インペリアルのスキルに準じた攻撃を使ってくるわ。
 初手はほぼカオスドライブ、単発のダメージも非常に大きいので耐斬ミストもしくはイージスの護りでやり過ごすといい。
 使用後はお約束の通りオーバーヒートしてドライブ技は使わなくなるけど」
かごめ「問題は強制排熱を使ってきやがることと、HPが赤ゾーンへ突入すると使い始めるイグニッションだな。
   特にイグニッションは非常に危険、そこから数ターン連続でカオスドライブとか本当にシャレにならん」
紫「地味に面倒というか、まんま厄介なのが支配の覇気と絡め取る蔦。
 フカビト真祖のフローズンアイよりマシな程度ですが、これも乱発されるとテンポが非常に落ちる。
 赤ゲージ突入寸前に使われて、こちらの削りスピードが落ちたところでイグニッションされると絶叫モノね
かごめ「実際それされたんだよ!!ヽ( °Д °)ノ
   しかもウニコニルで解除したらイグニッション中だというのにもっかい使ってきやがって!!嫌がらせか!!!」
紫「こういうときはトリート取っとけばよかったと思うけど…けど、ボス一回の為だけに取るのも面倒な話よね。
 そもそも相手がやってくるような弱体攻撃は防御陣形とかでも打ち消せる。
 そして言わずもがな凶悪な腕と脚の同時縛り、しかも全体
かごめ「いやこっちはリンクが中心なんだからこれでほぼ全部攻め手が潰されちまうんだよ…つか全体とかなんだよおかしいだろ。
   リカバリーはフルで振ってあったけどさ」
紫「頭まで抑えられないのが不幸中の幸いレベル
かごめ「( ̄□ ̄;)そんな頭のおかしいラスボス前座がいてたまるか!!
紫「というわけで、中盤まではうまくバーストを溜めて、強制排熱後のカオスドライブまで読み切ってイージス決めてガンガン削り、イグニッション突入後のまさかの覇気というハプニングがあったものの、なんとか削りきれた感じね」
かごめ「不幸中の幸いかこいつインペリアルだけあってAGI滅茶苦茶遅いし、その挙句に装備補正と技補正入ってるんじゃねえかって感じだな。
   お陰で結構立て直しはしやすいのは不幸中の幸いというべきか」
紫「火力が結構きついから、そのターン内で十全に回復が間に合うかどうかがカギね。
 クエスト報酬で溜めこんだマドラUの使いどきはまさに此処」
かごめ「こういうときの高級回復薬は神ですな。
   売らずに取っておいてよかったわ」








穣子の渾身の一撃が、かろうじて元の姿を保っているその頭に輝く「冠」を捕え、砕き散らした。
その瞬間、緑色の瘴気が爆発するかのように放出され、その衝撃で手の砲剣を取り落とし、大きく後方へとよろめく。

♪BGM 「涙を拭いて」/植松伸夫(サガシリーズより)♪

そして皇子だったモノは、その場に崩れ落ちた。
それでもなお、彼は額から派手に血を吹きながら、なおも取りこぼした己の剣を求めて手を伸ばし…立ち上がろうとする。

「もうやめて…お願いだからもう立たないでよッ…!
これ以上やったら…本当にあんた死んじゃうんだよ!?」


懇願するように叫ぶ穣子。
その声に反応したのか、異形と化した皇子の手が止まる。

「封印を解く方法があったんだから、その逆だって知ってるんでしょ!?
まだ、まだ間に合う!シウアンを解放してあげて!
そうすれば…そうすればあんた助かるかもしれないんだよ!?
もういい!私達はみんな、あなたを恨んでなんかいない…バルドゥール!!

そして…彼は恐る恐る、声を発した者を見上げる。
その瞳は濁ってはいたが、うっすらとその澱みは晴れ始め、怯えたようにも見える。

戦う意思を失くしたことを確信した穣子が、彼の元に歩み寄ろうとしたそのときだった。
突如、迷宮全体が激しい揺れに包まれる。

「きゃああああああああああああああああああ!?」
「…ッ…巨人が!」

よろめく少女達はかろうじて手近な壁を支えにしたり、そのまましゃがみこんでやり過ごそうとする。
その目の前で、大きく体を震わせる巨人。
その激しい戦いの気に中てられたのか、巨人が目を覚ましてしまったのだ…!

巨人は地上を目指して動き始める。
その巨体が動くに連れ、フロアの床にひびが入り、亀裂が生まれ…そのうちの一本が、動けぬままのバルドゥールへ走る。
穣子はよろめく足を叱咤し、駆け寄り手を差し伸べようとする。
しかし…。

名状し難い獣の咆哮を上げ、その姿は亀裂へと吸い込まれていく。
裂け目の底へ向けて、彼の名を叫ぶ穣子。


彼女は確かに見ていたのだ。
最後に、彼が穣子に向けて…手を差し伸べようとしていたのを。


「…どうして」

崩れ落ちるがれきの中。
自分の名を呼ぶレミリアの声も聞こえていないかのように、彼女は涙を流し続けていた。



♪BGM 「戦乱 神話の後継者」♪

崩れ落ちる迷宮から辛うじて脱出した穣子達。
その瞬間、一際大きな轟音…否、それが発したと思われる方向が大気を震わせる。





ヒトの束縛から解放されたそれは、「魔物」と呼ぶにはあまりにも巨大で、そして恐ろしいながらも神々しさに満ちていた。
それが動き出せば、進路上にあるモノは総て蹂躙されることは想像に難くはない。

自らに呪いをもたらしたかもしれない異邦人をも受け入れ、手厚く葬った、豪快でやさしいイクサビト達の里も。
巫女が愛した、不器用だが情義に満ちたウロビト達の里も。
そして。
穣子達がこの旅路のスタートとした、今や多くの冒険者や種族が行き交う…たくさんの思い出が詰まったタルシスの街も。



しかし…彼女達に絶望はなかった。
最初にそれに気付いたのは、ミスティアだった。

「…見て!
あの光…シウアンの!」


その指さす先。
巨人の足元に、幽かに舞っている蛍の光。

幽谷で初めて出会った時から、少女達をシウアンの元へといざない続ける、その不可思議でやさしい光は…巨人の足を一歩たりともそこから動かそうとしなかったのだ。


そのとき、全員が理解した。
シウアンの意思は、まだ消えてはいない事を。

否、「世界樹」自身が…再び安らかな眠りに戻りたいという願いを、シウアンが自分達に訴えかけているのだと…確信した。



そして、巨人は再び咆哮する。
だが、それは何処までも悲しげで…まるで、地の底へと飲まれていったバルドゥールの無事を願うかのようだった。

「そうだ…まだ終わってない!
あいつが動きださなければ…シウアンが動きを止めていてくれれば…バルドゥールだってきっと助かる!!
「そうだよ…ここで私達が投げ出したら…今度こそ本当に全部終わっちゃうんだ!
行こう、穣子さん!」
「おうよ!!」

そして勢いよくキツネノボタンは風を捕え、進路を巨人へと向ける。
図らずもふたつの世界の命運をかけた最後の戦いに赴く、少女達をのせて。








かごめ「いよいよラストバトルであるが…敢えて言おう。
   デカああああああああいッ説明不要ッ!!!( ゚д゚ )ノシ
紫「うわあそうきやがりますか^^;
 もう次は軽い展開の解説の後、第一部エンディング!みたいな感じなんでスペック紹介もここでやっちゃいましょうか」

ラスボス
楽園の導き手 HP17700
破滅と絶望の右腕・妖しき眩惑の左腕 共にHP3100
剥き出しの精髄 HP9999 全属性弱点
原初の炎(導き手・頭):拡散効果炎攻撃
凍土の槍(導き手・頭):貫通効果氷攻撃
破滅の雷(導き手・頭):ランダム対象複数回雷攻撃
死への誘い(導き手・頭):単体に誘引効果
消散の吐息(導き手・頭):全体強化打ち消し
深緑の聖櫃(導き手・頭):全体無属性攻撃、「静かに祈り始めた」というメッセージが出た次のターンに使用。腕一本だとダメージ半減、腕を総て倒していると失敗する。
鋭刃の双刃(右腕・腕):ランダム対象で2回斬攻撃
旋風衛(右腕・腕):全体攻撃
光の障壁(右腕):相手側全体物理・属性防御アップ
絡み蔦の檻(左腕・腕):単体攻撃、全箇所封じ付与
魂の掌握(左腕・腕):単体壊攻撃、混乱付与
虚ろう領域(左腕):全体防御・属性防御低下
防護の構え(右腕&左腕・腕):導き手が受けるダメージをこのターン肩代わりする

紫「主に本体は属性攻撃、右腕が物理攻撃、左腕が縛りや混乱でこちらをかく乱してくるのが主眼のようね。
 因みに右腕左腕が前列、導き手が後列の扱い、さらに腕は本体を庇ってきやがるので、さっさと腕どもを撃破したいところ…だけどあいつらを撃破しても5ターンほどで復活する
かごめ「さらに、導き手のHPを0にしても剥き出しの精髄になるだけで、そこで終わりじゃない。
   精髄は何もしないけど、腕が残ってれば腕は相変わらずなんかしてくるし、さらに5ターンで導き手に戻る。
   精髄に与えたダメージは蓄積したままだし、導き手に戻ってもHP2000位までしか回復していないのだが」
紫「実質、HPが28000近くあると思って間違いないわね。
 兎に角PTの火力か、継続戦闘能力が試されるラスボスに仕上がってるわよ」
かごめ「属性攻撃はどれもきつい、自分の耐性と戦略次第で何を軽減するかはお好みでいいと思う。
   氷は挑発して後列で引きつければ貫通による被害は抑えられるし、痛いのは炎か雷だな」
紫「挑発役で全弾食らうおつもりなら、雷を防ぐとやりやすいかも知れないけど」
かごめ「あと腕も、耐性如何でどっちを優先的に潰すか決めうった方がいい。
   縛りはかなり入りにくいので、あまり期待しない方がいいかもな」
紫「wikiだと毒が有効みたいな事が書いてあるけど、どうせ半端な毒たたき込んだところで意味は無いわ。
 一応世界樹のボスは裏ボスなど一部除いて、伝統的に即死だの石化だのは極めて入りにくいだけで無効ではないから、毒入ったらアサシネイションでの一撃必殺に掛ける手もあるわね」
かごめ「もうどうしようもない時に即死武器の加護に頼るのも伝統なのかどうなのか。
   中盤辺りから使い始める深緑の聖櫃、一応準備ターンはあるが腕を一本でも潰しておけば被害は大分抑えられる。
   ギリギリまで削っておいて、祈り始めたら腕を潰してたたみかけるというのも一つの手かも知れん。
   少なくともSQ3のフカビト真祖よりは倒しやすいかもわからんね」
紫「あれマジで火力おかしいですからね…。
 終盤のアキュミュレイトから全体攻撃でどんどんどんどんダメージ上がっていくとか本当に」
かごめ「まあその辺は次のログで。
   と言っても実質的な表の攻略っぽいのはここまでですな。じゃがもうちっとだけ以下略」
紫「もう散々言ってる通り、次でもあくまで「表が終わる」だけよね^^;」
かごめ「どうせ続いても尻切れトンボになる可能性が…ゲフンゲフン」
静葉「gdって来たから今回のログはここまでよ(キリッ」
かごめ&紫「( ̄□ ̄;)なんか突然戻ってきたあああああああああ!?