-セフリムの宿-


穣子「うう…酷い目にあった…('A`)」
みすちー「そんなの穣子さんの自業自得じゃないかー('A`)
    巻き添え食った私達の身にもなってよぉ…」
穣子「だってだってだってあのエテ公明らかにこっち見てにやにや笑ってやがったのよ!?
  ムカつくじゃない!!どう考えたってムカつくじゃない!!!><」
みすちー「ううっそんな事ばかり繰り返されたら命がいくらあっても足らないよお('A`)」

女将「あらあら、大変そうですねえ。
  元気いっぱいなのはいい事だけど、無茶はめっ!なんですよ〜
早苗「あ…あはは…気をつけます><」

レミィ「一回壊滅すれば少しは懲りてくれると思ったんだけど…迂闊だったわね。
   穣子(あいつ)にはめげるっていう精神構造がそもそも存在してないのかしら」
ほむら「…レミリア…さん、相談があるの」
レミィ「別に呼び捨てでも構わないわよ、何かしら」
ほむら「…私の技を使えばあいつの攻撃、少しは封じれると思う。
   もし彼女がまたあいつに挑むと言ったら、少しは役に立てるかもしれない」
レミィ「………ふむ、一考の余地はありそうね。
   でもほむら、それはもう少し力をつけてからにした方がいいわ。
   むしろなんかしでかしらあのHの足でも射抜いて止めなさい(キリッ
ほむら「(…それでいいのかしら)」



-狐尾幻想樹海紀行2-
その2 「猛獣踊る森」




レミィ「愚痴はその辺にしておいていただける、リーダーさん?
   逆襲したいのであれば、あいつをはるかに超える力を持って一方的にぶちのめしたいと思わない?
穣子「うむむ!?」
レミィ「残念ながら今のまま行っても同じことを繰り返すんじゃないかしら。
   あなたが第一級秋神の力があっても、私達にとてもついてこれないんですもの。
   あなたも私達を気にしていては十全に力が発揮できないのではなくて?」
穣子「そ、そうかなあ」
レミィ「そうよ、あなたがその素晴らしい神パゥアーを発揮できるように、私達もあなたの足手まといにならないよう鍛えなきゃならないわ。
   そこでどうかしら、もうちょっとだけ強い魔物のいる森に行って修行してはどうかしら?
穣子「むーむー…成程成程でもそれだったら私一人でm」
レミィ「(早苗にアイコンタクト)」
早苗「(気付いた)そそ、そうですよ穣子様!!
  ただでさえすごいお力をお持ちの穣子様のお力と、パワーアッポした私達の力が合わされば致命的最強に見えてきます!!
  そんな話が伝われば皆さんの信仰はわしづかみですよ!勿論霊夢さn…じゃなくて博麗の生意気巫女だって泣いて土下座して謝ってくる事は日を煮るより明らかです!!><
穣子「そそ、そーなのかー!?
  そ、そうかも知れないね!うん!わかったそうしてみよっかなー!!」

ほむら「………大変な作業ね」
みすちー「というかレミリアすっごく扱い手慣れてるー…いっつも静葉さんがすっごい苦労して宥めるところなのに。
    流石紅魔館のカリスマ吸血鬼は格が違ったすごいなーあこがれちゃうなー」
ほむら「…………ところで、あなた。
   少し、これで髪型を変えてみる気、ない…?
みすちー「( ^ω^)??」


-翌日-




早苗「あらミスティア、どうしたのその髪型」
みすちー「あー、うんと…ヘンじゃないかな…?」
早苗「いいえ、すごく可愛いと思うわ。
  いったいどういう」
ほむら「そうよねそう思うよね(鼻からなにか
早苗「( ̄□ ̄;)!!??」
みすちー「えっとね…ほむらがなんかすごく勧めてくるから…断りきれなくて
ほむら「(このこよく見たらまどかそっくり…かわいい(*´Д`*))」

穣子「しっかし、修行するはいいけどどーすんの?
  あの廃鉱はあのムカつくエテ公以外、大した魔物はいないようだけどー」
レミィ「勿論リサーチはぬかりないわ、ねえ早苗?」
早苗「あ、はい。
  穣子様、廃鉱で出会ったワールウィンドさんを覚えておいでですか?」
穣子「んー? ああそう言えばそんな名前のちょっとむさくるしそうなおっさんがたっけねー」
早苗「昨日工房に素材を売りに行ってお会いしたんですよー。
  あの方のお話では、此処から気球に乗って北へ半日ほど行ったところに、天然の果樹林があるそうなんです。
  この果樹林には丁度私達の相手として手ごろな強さの鹿の魔物がいるとか」
穣子「鹿………………鹿ってまさか、何時だったか遊牧民どもが連れてきたアレ?
レミィ「聞けばそこまでむちゃくちゃな生き物ではないそうだわ。
   私達はまだまだ不慣れだし、少しづつ慣らすのにちょうどいいんじゃないかしら?」
穣子「ふむふむ、じゃあそこでいいや」








かごめ「というわけで二つ目の小迷宮・小さな果樹林へ向かってくわけだが」
諏訪子「つかそれどころか、メインの行くべき迷宮の方先に見つけたよな
かごめ「フィールド移動にはありがちな事という事で。
    果樹林の場所がそもそも本来の目的である碧照ノ樹海の間際だしな」
静葉「実は地味にクエストも消化しはじめてるんだけど、今回フィールド絡みのクエストももっとわんさか出るかと思えば…」
諏訪子「何気に今のところ1つだけしか見てないね。
   食糧届けるって奴」
かごめ「その食料も実は道中で調達しなきゃならんらしいんだがな。
   報酬はメディカ2個なんだけど、どうもこの時兵士たちの好みに合った食材を投下すると、貰えるメディカの個数が増えるんだ。
   この時投下したのは百貫アイガモとか言う鳥の食材だが」
諏訪子「鳥料理好きなのかねえ」
静葉「ひょっとするとレア食材の黄金ガチョウとかだともっと報酬アップするのかしら」
かごめ「まあメイン迷宮はさておいて。
   果樹林にはSQ3第一層で御馴染のカエルと、五層で見たネズミがメイン敵だな」
諏訪子「カエルを甘く見たら死ぬぞ(キリッ
ナズーリン「ネズミを甘く見ても死ぬよ(キリッ
かごめ「あーお約束のういうネタはいいから…って今誰かいなかったか!?」
静葉「気にしなくていいんじゃないかしら。
  でも実際ねー…カエルに全滅させられたのよね(超実話
かごめ「一体何が起こったのか(;^ω^)」
諏訪子「確かにSQ3の森林ガエルは雑魚中の雑魚だけど、今回微妙にタフになった挙句攻撃エグくなった。
   これまでトノサマガエルが使ってきた高威力壊攻撃のジャンピング、そして新しく追加された足縛り攻撃」
かごめ「本当にアレだ、たかが森林ガエルと侮った結果があのザマだよ。
   ネズミもネズミで必殺前歯…じゃなくて前歯の攻撃力がアホみたいに高いし」
静葉「しかもジャンピングと違って命中も高いからねえ。
  どこぞのアルマムーンの連中はあの前歯だけでhageかけたそうよ
かごめ「HP高くないのが救いだな。
   それにネズミは横一列に並んで出る事も多いし、列攻撃食らわせれば一気に殲滅させられるが」
静葉「カエルタフよねえマジで」
諏訪子「だからカエルを甘く見たr」
かごめ「それはさておいて、こちらのFOEは毎度御馴染鹿…の子供らしい。
   森の入口で「ここの鹿楽勝だべwww」って余裕ぶっこいてる兵士がいるから、てっきりフラグかと思ったら」








穣子はソニックレイドの構え!
哀れな小鹿はズタズタになった!!



穣子「へへーんだ!こんな奴楽勝楽勝っ♪」


レミィ「(溜息)いい気なものね、実際はあの小鹿の飛び蹴りで逝きかけたクセに。
   ほむらがレッグスナイプ巧く決めてくれなきゃどうする気だったのかしら」
早苗「うーん…ですがそれを差し引いても、聞いていた以上に与しやすい魔物だった気がしますね。
  私はてっきり、あの狂乱のなんとかだとばかり思っていたのですが…」
ほむら「…それ…強いの?」
レミィ「強いというよりは…単純に厄介よ。
   開幕から狂ったように雄たけびを上げて、前列、たまに後列もまとめて混乱させてくるのよ。
   勿論攻撃力そのものも尋常じゃないわ、世界樹と言えばアレかカマキリに全滅させられるのが序盤の風物詩、ってパチェが言ってたような」
早苗「あのひともゲームやるんですか^^;
  まあそういう生き物だわ。確かにここの魔物を相手取ってるうちに少しはレベル上がりはしたけど…前作(SQ3)と同じくらいの強さだったとすれば現在(全員レベル6)でもかなり厳しいかも」
レミィ「だけどねー、私のカンが正しければ、此処はそればっかりじゃない気がするのよねー。
   ここの鹿どもはどう見ても成長しきってない、子供の鹿よ。
   とすると、何処かに親の鹿が居る筈


そのとき、周囲に怒り狂う獣の方向が木霊し…次の瞬間木々を薙ぎ倒すような音と悲鳴が上がる…!
気付いた時には森を強烈な殺気が支配する…!!



穣子「な、なに、今の…?」
みすちー「すっごく怒ってる…まるで、自分の子供を殺された熊のように…!」
穣子「クマぁ?
  そんなモノが今の私に敵うとでも(下半身だけが何故か壮絶な勢いでブルっている
レミィ「……こういうカンの冴えは本気でどうにかしてほしいわね。
   しかも今の金切り音みたいな雄たけび…あんなの至近距離でもろに食らったら頭がヒットするのは確定的に明らかね。
   ひょっとするとあいつは」


みすちー&早苗&レミィ「………角鹿さんだ………(;´Д`)」


穣子「へんっかかってくるならかかって…かかってくるなら…(ガクガクブルブル」
レミィ「見つかる前に逃げるわよ!
   ほらさっさと気球へ急ぐ!!」








かごめ「小鹿を全滅…と言っても二匹しかいないんだけど、そいつらを倒すと御馴染の角鹿さんが
諏訪子「しかも水たまりはとび越えるわ1ターンに2歩とかありえねースピードだわとハッスルしまくりですなあ、今回
静葉「相変わらずの序盤の風物詩っぷりよね。
  実は試しに当たってみたけど、相変わらずの雄たけびっぷりと高攻撃力から繰り出す踏みつけで10ターン持たずに見事hageたわね
かごめ「まーこれだから角鹿さんは。
   実はこの時点で早苗にリフレッシュ習得させてあって、混乱食らった誰か1りを常に回復させてれば雄たけびしかしてこないんだよねこいつ。
   ハメ殺せたんじゃねえかとは思うんだよな、後からの憶測でアレだけど」
諏訪子「たまぁに後列にも飛んでくるから安定するかどうかは微妙だけどなあ。
   まあこの後もうひとつレベル上げて、そのあと前衛を穣子・ミスティアにしておいてなおかつ足スナイプしてやったら何とか勝てたけどな、穣子だけぶっ倒れてたけど」
かごめ「まあ誰か犠牲は出るだろう事は仕方ない事だと思うがー…その後猿にもリベンジに行って、その時もほむらと早苗以外全員ピチュったんだっけ?」
静葉「まあレベル的には上出来な結果だと思うけどねえ。
  そもそもほむらと早苗が倒れている時点で、ほぼ全滅確定じゃない」
かごめ「確かに」

かごめ「因みにここの果樹林の採集アイテムに御馴染小さな花があって、これでようやくネクタルが店頭に並ぶようになる」
諏訪子「そういや何処かでちらと小耳にはさんだんだけど、どうもSQ3ではネクタルの品切れなかったと勘違いしてる人がいたらしいという話聞いたんだけど。
   確か品切れしないのって今も昔もメディカと糸だけじゃなかった?」
静葉「そうよね。
  確かにネクタルの値段が前作の4倍(50エン→200エン)というのも尋常じゃないけど…狐野郎は前作チョーシこき過ぎてネクタルを買いまくったらあっさり品切れしてうわあみたいな感じになってたわね。
  まあそうそう品切れはなかった気はしたけど」
かごめ「理由は簡単、兎に角材料の小さな花がアホみたいに大量に手に入るから、在庫が十分あり過ぎて品切れするほど買う奴もそうそういなかったからじゃないかと思うんさ。
   前作はとにかく収穫マスターを限界まで上げたファーマーが3りもいれば、あっという間に在庫過剰になるくらいの小さな花が確保できる…が、今作は採集ポイントによって採集限度がほぼ固定。
   挙句小さな花はレア素材という鬼畜仕様、金に飽かせてもすぐ品切れしやがる。
   ある意味でも何でもなく、この辺は前作よりもずっと鬼だな」
諏訪子「実際にはVより簡単になったとは言うんだけどなあ」
静葉「そう言えばスキルツリーの習得スキルにも地味にレベルキャップ付いてたわ。
  考えようによっては、SP管理もかなり重要になってきそうね。
  前半とりあえず埋めまくってると、後半の重要なスキルを習得するのに苦労しそうだわ」
かごめ「その辺だきゃ前作より大分シビアだな。
   このままレベルを上げまくって、10になる頃には一通り重要なスキルは大方抑えた感じだが」








-碧照ノ樹海 B1F-


レミィ「さて…ここがこの辺りでは最大の迷宮になるみたいね」
早苗「ええ。
  タルシス辺境伯が腕のいい冒険者達を募っているのも、この森の謎を解き、この先にある谷を抜けて世界樹に近づける者を求めている事は間違いないのですが…」

早苗は恐る恐る、開けた小道の最奥を見やる。
そこには、腕を振りまわし、息荒くその場に鎮座ましましている巨大な熊の魔物がいる…。

穣子「ああもうじれったいわね!
  あんなクマー如きの何がおっかないってのよ!
  以前紗苗(サナ)がどっかから連れてきやがった少年が秒殺してたじゃないあんなの!
  ここはこのわたしがちょいちょいっと(熊に向かって猛ダッシュ)」
早苗「( ̄□ ̄;)えちょ」


森の破壊者「ヽ( °Д °)ノ クマアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!」


森の破壊者は標的を見つけてこちらに猛スピードで近づいてきた!!


穣子「( ̄□ ̄;)ぎゃああああああああああああああああああ!!!」
レミィ「( ̄□ ̄;)ちょおま何やってんのよ!?勝手に突っ込んでどうすんのよ全く!!」


しかしクマーは穣子達の寸前で止まり、脇道を塞いでいた倒木に何故か狙いを定める…。


森の破壊者「ヽ( °Д °)ノ クマアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!」


バキバキという凄まじい音を立ててクマーはアワレな倒木を粉砕した!
そして再度穣子たちに狙いを定める!


森の破壊者「ヽ( °Д °)ノ クマアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!」


穣子「( ̄□ ̄;)ぎゃあああああああまたこっちきたあああああああああああああ!!」
レミィ(…これ、まさか)
みすちー「なななにやってんだよレミリア!早く逃げようよっ!!><」
レミィ「待って!あいつをうまく誘導して!
   あいつをこの先の倒木の方へ!
   逃げ過ぎては駄目あいつの意識をこっちへ向けさせながら逃げるわよ!

穣子「( ̄□ ̄;)なあんだとおおおおこの場合戦略的撤退が正しいでしょうがそんなの私でも解るわよ!!」
レミィ「いいから!
   攻撃は総て私が引きつける!」


一目散に逃げる穣子たちの最後尾、レミリアは熊を挑発しつつ倒木のある方へ誘導する。
果たして熊の魔物はその都度倒木に引き寄せられ、破壊する…。


みすちー「あっ…!?」
早苗「気がついた?
  ひょっとすると多分、これがレミリアさんの狙いかも」
ほむら「(少し息が上がっている)…ど…どういう事…?」
早苗「道中の倒木、とてもじゃないけど私達の力じゃアレを破壊するなんて無理。
  関係ないかも知れないけど、あの木は甘い香りを放っていたわ…ほむらちゃん、「くまのプーさん」は知ってるわよね?」
ほむら「イラストくらいは、みた事ある」
早苗「だったら、そのプーさんは何を常に手に持っていたか覚えてる?
ほむら「(はっ)そ、そんなまさか!」
レミィ「あの絵本の設定も論拠のない荒唐無稽な作り話じゃない…パチェの言葉じゃないけど、書物は嘘をつかないわ。
   ツキノワグマをはじめとした多くの熊は植物食傾向の強い雑食性。
   甘い香りの強い蜜の多い木には、熊が主食とする昆虫や蜜蜂の類が多く集まる
早苗「レミリアさん」
レミィ「もっともあいつらの場合ちょっと違うんでしょう…私達を追い掛けてる最中でも癖のように倒木に突っ込んでた。
   多分走り込んでいるだけでもエネルギーの消耗が激しいんでしょう。
   手頃な倒木を砕いては食し、メインディッシュである私達の戦いに備えるだけの知能はあるみたい」
早苗「えっ…」
レミィ「多分予備の食糧…人間がやる長距離駅伝の水分補給所の役割があるのかも。
   そして」

穣子「うわああん行き止まりいいい!!
  駄目だーここで食べられて終わるんだあああおねえちゃああああん!!><

レミィ「ミスティア、あの馬鹿引きずってでも先頭に立って。
   距離を置いて引きつければ今の私なら十分に耐えられる、あいつを狩るわよ!!
みすちー「( ̄□ ̄;)ええーっ!!??」
早苗「ちょ!!レミリアさんまでそんな無茶を!!!」
レミィ「冷静になんなさいあなた達。
   あいつのまとったオーラは恐らく黄色…思い出して、廃鉱の狒狒は最初赤い色のオーラを放っていた。
   でも、私達が奴を討ったとき、奴が放っていたオーラがどうなっていたか覚えてる!?

早苗「!…そう言えば」
ほむら「赤から…黄色になっていた…私達が強くなったから?


レミィ「よく出来ました。
   つまり…黄色は、今の私達の力量でもなんとかなるかも知れない程度の力を持つ魔物ってこと。
   あいつが勝手に道を作ってくれたから、後腐れないよう狩ってしまえばあとの探索がさらに楽になるって寸法よ!!」








かごめ「実はこの辺り何気に新要素なんだよね、マッピングのFOEアイコンのまとったオーラの色がこちらのレベルに左右されるの」
諏訪子「前のシリーズみたいに固定の色FOEってのがなくなったってことなんかね。
   逆を言えば、FOEの狩り時みたいなのの目安が解るようになったというのか」
静葉「後で解った事だけど、FOEの相対的な強さは強い順に赤→黄→青に変化するようね。
  赤ってのはまあ、この時点で挑む事自体すでに間違ってるっていうレベルの相手だけど」
かごめ「青まで行くともう、特別何の警戒もなくあしらえる程度ってことになるんだろうな。
   まあそこはFOEだから完全に油断もできんだろうが」
諏訪子「実際カンガルーが
かごめ「
アイツはわけわからから。
   まあ最初はそこまで意識してはなかったし、樹海に飛び込んで真っ先に喧嘩売ったらベアクローの破壊力がイミフで速攻逃げ打ったんだけど、穣子とレミィが8、後の連中が9という状態で前衛を穣子とみすちーに、そして前作の伝家の宝刀後列挑発という戦法で挑んだわけだが」
諏訪子「ある意味世界樹伝統の戦法だな。
   相手が物理しかやって来ねえならこれほどまでに効果的な戦法もねえけど」
静葉「それどころか、しっかり腕までスナイプして完全に無力化させたわよね。
   そこまでやれば流石に勝てるというか」
かごめ「それでも穣子がギリで死にかけてはいたが、アタックタンゴ重ねがけからのヴァンガード→リンクファイアの繰り返しで何とか撃破してやった。
   実はこの時、みすちーの持っていた剣がクエスト報酬の毒の剣だったんだが、割とあっさり毒が入ったところをみると状態異常にはかなり弱いようだな。
   麻痺か盲目でも入れてやればもっとレベル低くても楽に狩れるかも知れん」
諏訪子「クマーは基本そんなに強くねえからな」
かごめ「とまあ最初の迷宮で早々にFOE狩ったんだけど」
諏訪子「何気にクマーのクセになんかギミックに絡んでやがったな」
かごめ「いやいやそれもそうなんだけど」




静葉「稀少個体…?」
かごめ「ごくたまに光ってるのが出てくるが、こいつを倒すと色々特典あるとか書いてある。
   今のところ経験値にボーナスつくくらいのようだが」
諏訪子「これ何が違うの?経験値の塊なだけ?」
かごめ「明確に強化されてて、毎ターン開始時に解除不能の累積する火力強化バフが入り、尚且つ確定ファストトリックで行動してくる。
   ガードスキルでも先制されるらしいが、純粋なファストトリックよりは行動優先順位低いらしいな。
   あと一般モンスターだと逃げる事があるらしい」
静葉「その見返りが経験値増加なのね。
  …けどまさか、FOEにもこんなんがあるとでm」




かごめ「こんなんでましたが(;^ω^)」
二柱「おいィ…('A`)」


かごめ「FOE稀少種は適正域でも基本地獄の宴だねえ。
   しゃあないからガードタンゴと防御陣形を併用してなんとか」
諏訪子「おい一寸待て、タンゴの同質の効果と類似効果バフの効果重複しねえぞ
かごめ「…ああ、かなり後になって知った('A`)
諏訪子「TPの無駄遣いじゃねえかよ!!><
   ただでさえフォートレスのTP低いんだから挑発に回せよそんなんだったら!!」
かごめ「HP変わってるわけじゃないから回復間に合えば勝てるし問題ねえよ…実際勝てたしいいじゃねえかよ…。
   因みにこのクマ、倒木のギミックが関係するから1日で復活しやがるらしい。
   あ、とりあえず後は適当に小話組んだんで、攻略はここまでよ。あと見たい人だけどぞ」
静葉「やる気ないわねー^^;」








レミィ「はあ、はあ…何とか勝てたわね…!」
早苗「いっ…一旦街に帰りましょう…穣子様の治療も必要ですし」

穣子は戦う気力がないようだ…。

みすちー「うう…勝ったはいいけど死ぬかと思った('A`)
    …とりあえず帰って休もうよ、穣子さ…」


「…もういい」


♪BGM 「たったひとつの願い」/伊藤賢治(ミンサガ)♪


「もういいよ…解ったよ…ううん、解ってたよ…。
あんた達みんな、私の事なんて本当は…何とも思ってなかったんでしょう?」



穣子は粉砕された倒木の破片にもたれかかったまま、俯いたまま呟く。
表情は伺えなかったが、涙声なのは誰にもすぐに分かった。

早苗はそれでも彼女を立たせようと手を差し伸べる…が、その手は無造作に払いのけられた。


「穣子様」
「もういい!沢山だよ!
本当はあんただって、そこの吸血鬼様みたいに私の事を心の中では馬鹿にしてるんでしょ!!
もう放っといてよ!私なんかいなくたって、山の事は八坂の神奈子様もお姉ちゃんもいるんだから十分でしょ!!
私なんてッ



その瞬間だった。
レミリアは無造作にその襟首をねじり上げて立たせると、間髪いれずにその頬を思いっきりひっぱたいた!

その勢いで穣子の身体が強かに地面に打ちすえられる…!


「甘えたこと言ってんじゃないわよ…!
言い出したのは、あんたでしょうがッ!!」



凄まじい嚇怒の表情で、本来存在としてははるかに格上である筈のその少女を、レミリアは睨みつける。


「私も昔は、自分のやってる事が総て正しいと…何をやっても赦されると思ってた。
本来は、フランの…自分の力を恐れて気が触れてしまった妹を守るために…その為に王として振る舞う事を自分自身の義務と思い込んで…そうして、フランが狂気を克服した後に…私が私である事を見失ってしまったわ。
アリス達にも、かごめ達みんなにも随分迷惑をかけてしまった」


俯いたまま動かない穣子へのその独白を続けるレミリア。

その表情は次第に変わり、泣き笑いのようになる。
しかし、何処までも優しく…そして、悲しげに見えた。


「でも、私は運が良かったと思う。
私が私だと思い込んでいたものを、それは違うんだってことを教えてくれるひとに出会えたから。
私がそれまで持っていた薄っぺらいプライドを、躊躇いなくぶっ壊せる切欠があったから…その切欠をくれたみんなに出会えたから…今の私がここにいる。

私ですらこうだったのよ…このまま私達を振りまわして終わるんだったら、そのときは私が後腐れなくあんたをぶち殺してやるから…!!」


レミリアが背を向け、荷物入れからアリアドネの糸を取り出す。
早苗達は再度、倒れたままの穣子に肩を貸してやると、糸玉は力を発揮して次の瞬間その姿を空間へかき消していた…。





それからどのくらいの時間が経っただろうか。
彼女が拠点を置くセフリムの宿、併設された治療室の一角に穣子はいた。

永い時を存在していた神である彼女にとって、全身を襲う悲鳴にも似た痛みに、「人間の身体」を得た事を今一度実感…いや、思い知らされていた。
「神という存在」の肩書を失くした自分自身の余りの儚さに、無力さに、彼女は無性に悲しくなった。



「穣子様、御加減は…どうですか」


不意に、ほんの数刻前に聞いた筈のその声がして、穣子は反射的に背を向けてしまう。
声の主…早苗は構うことなく、ベッドの傍らの椅子に腰を下ろす。

沈黙を挟み、背を向けたまま穣子が口を開く。


「早苗…もういいよ。
私はあんたに敬われるほど、立派な神様なんかじゃない。
私よりずっと頼りになって、みんなに好かれるあいつに…レティに嫉妬してることしかできない、いじけた子供なんだ

「解ってますよ、そんなこと」

そんな言葉が返ってくる。
穣子自身、覚悟してなかったわけではないが…僅かに悔しさで唇をかむ。


「でも、穣子様にも良いところがいっぱいある事も、私、知ってます。
里の皆さんは、穣子様を毎年、秋祭りの主賓として呼んで下さるのでしょう?
私、慧音さんに聞いた事があるんです…なんで、効果がないと解っていて、実りの時期に穣子様を呼ばれるのかを。
豊穣の力は、春にこそ振るわれなくてはならないのに…そうすれば、誰も苦労して働かなくても良くなるのに。
あなたは神様である事を誇らず、時々里に下りてきて、人々と共に働いて…実りの年も不作の年も、一緒に泣いたり笑ったり。
きっと里の人たち誰もが、誰よりも人々と喜び悲しみを分かち合ってくれるあなたを…大好きなんだってこと。

気取ることなく、一緒に笑って泣いて怒って…世代が代わっても、同じように忘れ去られることなく色々な事を分かち合える…あなたは間違いなく、尊敬すべき私の大先輩です
「違う!」

向けられた背が、小刻みに震えている。

「あんたは…私と違って素直で…努力家だ。
あんたが外の世界で受けて来た苦しみや悲しみを…私なんかとても受け止められるもんじゃない。
でも、あんたは」
「いいえ。
あなたも同じくらい大きな悲しみを知っているんでしょ?
だって…人は神様ほど生きてはいられないから

体を起こされた穣子の表情を、早苗はあえて確かめない。
抱きとめたその頭の後ろから、すすり泣きの声が聞こえる。



いいじゃないですか、穣子様は穣子様で。
あなたはあなたらしく振る舞えばいいんです。

フォローは……私達が必ずできるようになりますから。
だから、元気になられてください…!」





「ちょっと言い過ぎちゃったかしらね」

部屋の前でレミリアがひとりごちる。

「穣子さん…大丈夫かな。
私も必死だったけど、私だって何とか頑張れたと思うよ。
みんなで力を合わせれば、きっとこの先だって」
「そうね…」
「私だって…穣子さんの気持ちが解るよ。
私も、ルーミア達やヤマメには負けたくない…でも…あいつらのことはきらいじゃないから
「それでいいのよ。
彼女がそれに気づいてさえくれれば、この旅の目的もぶっちゃけ八割は完了したものと思うわ…あとは何処までやりつくすかで個々に終わりを決めればいい事だと思うし」
「レミリアさんは?」
「私?
そうねえ…とりあえず行ける所までは付き合わせてもらうわ。
私だけ途中リタイアなんて面白くないし」

それだけ言い残すと、レミリアはその場を立ち去ろうとする。
そのとき。


「早く!
そっとだ、傷に障るぞ…!」
「くそっ、あの赤毛め…よくも俺たちの仲間を…!!」


あわただしく駆けこんでくる、タルシスの兵士たち。
悔しさに歯を軋ませる兵士たちもみな満身創痍で、立って歩いてる者も皆、あるいは手を力なく下ろしあるいは血濡れた片足を引きずっている有様だった。

背負われたり担架に乗せられる兵士の中には、本来あるべき手足のどれかを欠いている者すら…妖怪としてそのような人間の姿を見慣れていた筈のレミリアすら、思わず顔をひきつらせるほどの惨状であった。



「もし。
一体何があったの?」
「お前は…冒険者か。
我らは辺境伯の命で碧照ノ樹海の調査任務に当たっていた者だが…探索調査中、突如“破壊者”と呼ぶモノとは別の熊の襲撃を受け…!
歯が立たなかった…血のような色の赤毛を纏った奴だッ…そいつに、我が部隊の多くの者がッ…生きて帰るので手一杯だったッ…!!



悔しさに拳を壁に打ちつける兵士。
顔を見合わせるレミリアとミスティア。

事態を重く見た辺境伯から、その赤毛熊の討伐ミッションが公示されたのは、それから間もなくのことであった。