ブロントさん達がアルカディア世界樹の頂へ辿り着く、ほんの少し前。


その日…「この世界」の空は荒れ、まるで彼女たちが初めてこの地へ足を踏み入れた…その道のりを思わせる嵐に支配されていた、そんな夜のことだった。
宮殿の一室と思しき、蔵書庫の一角…その奥まった角の死角に、わずかな灯りと共に、ふたつの影。

貪るように、積み上げた本の中心にいるその影は、年端の行かない少女のように見え…それでいて、胡座をかき頬杖をつくその姿は、堂の入った老学者のようにすら思える。
わずかにウェーブのかかったクセのある黒髪を揺らし、一見髪飾りにも見える、穢れなく白いロップイヤーを頂く頭部、そして、わずかなランプの明かりでも解るくらい、透き通るような深紅の瞳。
若いながらも名君としてその名を轟かせる、北方帝国の「樹皇」バルドゥールの信任厚き辺境伯が治める最果ての町「タルシス」周辺の医術師(メディック)の服を身に纏う彼女は、見た目通りの幼い少女ではなく、「人間」とは存在を異にする古き(あやかし)…否。



「因幡先生よ、そろそろ見張りが来る時間だ」

その傍らにもうひとり佇む女性。
タイトなレギンスを身につけ、上着には豊満とも言える胸部のみを覆い隠す蠱惑的な衣装に、漆黒を基本とし妖気すらも漂わせるベストを羽織る彼女は、アップに纏めた山吹色の髪を揺らし、戯けたような仕草で兎耳の少女へ何事かを促す。

しかし、この日はなにかが違っていたと言っていい。
兎耳の少女の表情は、その女性からは直接窺い知ることは出来なかったが…だが、その背から伝わる空気が、彼女にもそこに「決して知るべきではない」「忌むべき事実」が記されているだろうことを直観させた。


「…おい、てゐ。
あんた一体何を読み解いた?
一体その本に、何が」
「拙いぞ、こいつァ」

兎耳は立ち上がるや否や、手元に置いたランプの灯を乱暴に消すと、それを引きつかんである一角へ走り出す。

「ずらかるぞ!
コイツは…コイツは正直ヤバすぎる!!
「あ、おい!」

てゐ、と呼ばれたその兎耳が、咄嗟の判断なのか近くの窓を蹴破ると、そこから部屋の外へと飛び出していく。
山吹髪の女性…幻想郷は地底旧都の顔役としても知られる大妖・黒谷ヤマメは、誰何する間もなく慌ただしく近づくいくつもの足音に気づく。


「賊め!
そこで何をしている!!」


開け放たれた唯一の出入り口…蔵書庫の扉が勢いよく開け放たれ、多くの衛士が雪崩れ込んでくる光景に舌打ちするのが早いか…ヤマメもまた、先に遁走した兎耳…因幡てゐの後を追うようにして同じ窓から外へと飛び降りる。


そう、「飛び降り」たのだ。
それ自身が都市国家であり、かつてその世界が滅びを迎えるより前に作られた超技術の結晶たる「飛行都市マギニア」の…上層階にある「宮殿」の蔵書庫は、接岸するその「島」の大地より優に百数十メートル…高層ビルの屋上から飛び降りるのと同じ事を、彼女らは躊躇うことなく実行に移した。



窓際に集まり、逡巡する衛士達も困惑を隠せずに居た。

「馬鹿な…ここから飛び降りるなど。
それに」
「ああ…間違いない。
なぜ、彼女らが」

彼女らの顔を知る者達も少なからず居た。
それ故に、彼らはその目の前で起きた事実を、認めたくはないというのが本音なのだろう。
しかし、先頭に立つ衛士の長は、深く溜息を吐きつつも。


「起きたことは事実として受け止めよ。
すぐに、捜索隊を組織し、万が一あの者等が生存しているなら野放しにするわけには行くまい…加え」

振りかざした手と共に、非情の指示が下される。


「ミュラー将軍へ急ぎ伝えよ!
「狐尾」の者共が、禁書を納めし書庫へ忍び入ったと!
すぐにギルド人員全員捕縛の許可を取れ!!」



その檄に隠れ、微かな鈴の音が響いたことを、今は誰も知らない。








その日も、飛空挺都市「マギニア」の空は、嵐が覆っていた。


彼女は退屈を持て余し、本来なら街の者が立ち入ることもないその艦橋区画を、ただ歩いていた。
その視線の先、窓際に佇む女性の姿がある。

シンプルな作りではあるが、精緻な装飾の施された鎧具足を身につけ、派手さはなくとも荘厳さや気品の漂う外套(マント)を羽織る亜麻色髪の女性は、凜然と言った喩えこそ相応しく…見るからに「王族」と解る独特のオーラを放っているようにすら見えた。
今やマギニアに多く棲まい、その旅路の過酷さに心折られた「冒険者」崩れはもとより…今も「マギニア」の拠点より多くこの街を訪れる新米、あるいは方々の迷宮で腕を磨いてきた冒険者問わず、その女性に話しかけることは愚か、近づくことすら躊躇われるものがあっただろうが。

その傍らに、彼女は立つ。
まるで、そうするのが当然であるかのように。
女性は、見慣れぬ彼女の存在に気づき、一瞥しようとし…そして、息を呑んだ。


無造作に肩辺りで切られ、わずかに外側へ跳ねる黒髪。
ややツリ目がちの眼に、吸い込まれるような深さを持つアメジスト色の瞳。
一見「冒険者」とは思えぬ、ノースリーブの上着に、脛までも隠す丈のロングスカートは黒一色で、左横のこめかみに結んだ白いリボンと、その透き通るような肌の白。

そして何よりも目を引くのは、左の腰に佩かれた大業物。
軽装にして業物のみを携える武芸者…見る者が見れば「武士道」と称される冒険者のカテゴリーに属する者、と察することも出来ようが、その彼女はなにかが異なって見えた。


それを取り巻く空気のようなモノが、既に「熟練冒険者」と言っても差し支えなく…否。
「女性」と言うにはわずかに足りぬ、「少女」とも呼べる「彼女」が放つには似つかわしくない、言ってしまえば「人知を越えたナニカ」としか思えぬようなものを感じさせる…!


鎧の女性は、一度目を逸らし、そして、窓に映る彼女へと向けて、誰何の言葉を放つ。





「…見たところ、我が兵ではあるまい。
何者か?」

わずかに険しさを滲ませながら、凜と通る声だった。
黒髪の女性は、今更のようにわずかに目を丸くすると、一度向けた視線を窓の外へと…否、鎧の女性と同じように、窓に映る相手の姿へ向けて溜息を吐く。

「今さっき、連絡船で来たモンさ。
まあ…言うなれば「新入りの樹海探索希望者」ってヤツだね」
「冒険者、か」

鎧の女性もまた、同じように溜息を吐くと…厳かに語り始める。

「遥か極東、その果てにあり多くの冒険者を輩出したエトリア。
酷寒の地にありながら、四季を彩る豊かな樹海を擁する公国ハイ・ラガード。
南海の貿易拠点にして多くの民が集う、海洋都市アーモロード。
そして…名君の誉れある若き皇帝が治め、その謎を一つの冒険者ギルドが白日の下に明かしたという最果ての街、タルシス

女性はわずかに、タルシスに言及するときにわずかな躊躇を見せたことを、黒髪の少女は見逃してはいなかった。

「タルシスなら知ってるよ。
あそこには強力な冒険者集団が居たはず…ええと確か、こっちにもその一団がいるとかそういう話を聞いてるんだけど」
「…その件については、いずれ汝も知ることになろう。
兎も角、汝がどの地から来た者にせよ、よく馳せ参じてくれた」

そのときになって初めて、ふたりはお互いの視線を合わせる。

「失礼をしたかも知れぬな。
私はペルセフォネ=マギニアス。
この飛空挺都市の長として、司令部の総括を任されている」


両者の間にあった緊迫した空気は、既に無かった。
黒髪の少女はバツの悪そうに、己の頭を掻きながら答えた。

「…失礼はあたしの方だよ。
あたしは…蓮子。
そのタルシス最強と名高いあるギルドの追っかけ…「雨虎(シーヘアーズ)」のまとめ役をさせてもらってる、しがない刀使いさね。

以後お見知りおきを、姫様」

そして、やや大仰な仕草でスカートの裾をつまんで、蓮子と名乗った彼女は大袈裟な礼を取ってみせる。
ペルセフォネと名乗った彼女は、その姿にふっと笑い、何か続けて話そうとしたその矢先。

「姫!
こちらに御出でしたか…この者は?」

カツカツと、具足の独特な足音を立てながら、黒一色の鎧を身につけた壮年の男が近づいてくる。
額に大きな傷痕を残し、精悍な顔つきをした、いかにもな風体の「歴戦の勇将」と思しき彼は、ペルセフォネと蓮子の間に割って入るように立つ。
その眼光は鋭く、値踏みするようであったが…蓮子はまるで驚く風もなく、小首を傾げてペルセフォネに視線を送る。




「先の連絡船で来た、新たな冒険者だ。
恐らくは「演説」の時間待ちに時間を持て余しているのであろう。
…案ずるな、ミュラー。この者…蓮子は悪人ではないだろう」
「…左様ですか」

ミュラー、と呼ばれた壮年の男は溜息を吐き、そして再び蓮子へと視線を移して告げる。

「退屈をさせてしまったようなら詫びよう。
これより、姫より演説を行ってもらう…君も、司令部前の広場に集まると良い
「演説?」

ああ、とミュラーは頷く。

「このマギニアには、今も多くの冒険者が集まってくる。
いずれの者も…とある「離反者」の足跡を追い…それを狩ることを目的として集まったような、言うなれば「賞金首狙い」のような…犯罪者の類縁のような者すら多く集まるようになった。
…本音を言えば…私も信じたくはない。
タルシスを始め、世界樹迷宮を戴く多くの都市で多大な功績を挙げた「彼女ら」を…犯罪者などと!!


そのとき、顔色を変えたのはペルセフォネだけではなかった。

「…無論、それだけではない。
その足跡を追うことは即ち、このレムリア樹海の謎を解くことに直結することは事実なのだ。
君だけではない、君と共に来ただろう多くの冒険者達にも…!?」

そのことに、ミュラーもまた気がついたのだ。


険しい表情の蓮子…その瞳が、わずかに緋の色を射していることに。


ミュラーは戦慄する。
その表情は一瞬だけであったが、蓮子もそれに気づいたのか、スカートを翻しふたりに背を向ける。

「あ、ああ…ごめんね、気を遣わせちゃったみたいで。
広場、だったよね。
聞く側のあたしまで重役出勤ってわけにはいかないし先に行くよ。それじゃね」

その後ろ姿を見送り…柱の陰に見えなくなったとき。

「姫様、あの者は…もしや」
「…解っている。
だが、憶測でモノを語るのはあまりにも危険だろう。
…ミュラー、少しばかりで構わない。彼女…否、「彼女ら」に、便宜を図ってはやれないか?
「善処致しましょう」

恭しく頭を下げるミュラー。
それを伴い、ペルセフォネもその場をあとにする。


それと同時に…荒れ狂っていた空はすっかり鳴りを潜め、その黒雲の隙間から光が差し始めていた。



~新・狐尾幻想樹海紀行X~
序章 雨虎 -Sea Hares-




「おーそかったじゃないかご…じゃなかった、蓮子ちゃん。
何処で道草食ってたのよ一体」

広場の一角、ふわふわとした薄い金髪の女性を中心とした四人組が、駆け寄る蓮子を出迎える。

「あー、別に往来ならそんな気にすることもなさそうだね。
あの連中がやらかしてくれたせいもあって、特にハイ・ラガードやタルシスからの参加者も少なくなってるらしいし。
あたしの顔知ってるヤツだってほぼいないでしょ」

蓮子は悪びれもせず肩を竦める。
その横に居た、やや背の高い、医術士服を身につけた栗色髪の女性が溜息を吐く。

「まー私やアンナちゃんがアーモロードで活動してた時期だって、そんな長くはなかったしね。
ギルド名だって変えてあるんだし、そこまで気にしなくてもいいんじゃないかって言うね」
「まーでも葉菜先輩、お偉方のとこでうっかりは止めてくれよ。
あたしの「名前だけ」なら余裕で全世界ナイトメア()だし。ヤンナルネ」
「意味分かんないって。
というより、ここで何が始まるの?」

セミロングの黒髪を、襟のところで二つ括りにした騎士鎧の女性へ、蓮子は壇上を指さして告げる。

「これからマギニア司令部の姫様が、ありがたいご高説を宣うんだそうな。
まるで魔女狩り気分でこっち来たアンポンタン共に、本来の目的というヤツを再確認させるんだそうだよ」
「やんなるわねー」

金髪の女性が、携えた槍を杖代わりに、大きくそこへよりかかる。
その服装は、タイトな上着とチェックのスカートに、簡素な軽鎧を身につけたという軽戦士風の出で立ち。
見る者が見れば、極東の山岳地帯に集う「ハイランダー」と呼ばれる特殊な戦士集団の者だと解るだろう。

「ところで、アンナのアホは」
「しーらなーい。
なんか緊張してきたからトイレ行くって、それっきりよ」
「…ンの野郎は」

金髪の女性の言葉に、蓮子はわなわなと拳を振るわせ、踵を返す。

「ちょっととっ捕まえてくるわ、適当に聞き流しといて。
演説終わったらギルドに集合ねー」

そのまま蓮子は広場をあとにする。




「アンナちゃんも懲りないわよね。
かごめちゃんから逃げられるわけないのに

もう一度、金髪の女性…水野るりは呆れたように吐き捨てる。




「いつものことだわ。
今までの名義を盾に、VIP待遇で楽をしようと思ってただけになおさらよあの子は。
まさかとは思ったけど」

栗色髪の女性…片岡葉菜は傍らへ目をやる。




「私やるりさんはともかくとしても、かごめさんのタルシスでの暴れ振りはかなり有名ですものね。
それだけに、「狐尾という名のお尋ね者」は、どんな財宝よりも価値のある標的になるのかしらね。
前途多難すぎない? 今回の探索」

呆れたように肩を竦める鎧の女性…熊野佐裕理。




そして…今絶賛逃亡中の魔法使い・アンナ=スプリングフィールドと、それを追いかけていった「蓮子」こと…幻想界最強の大真祖「不縛の詩姫」藤野かごめ。
そう、かごめだ。

ギルド「狐尾」の首魁として、特にタルシスの地において目覚ましい功績を挙げ、その類縁の少女達がハイ・ラガード公国を中心に不動の名声を築き上げたことは、「世界樹世界」に遍く知られる公然の事実。
それが、どういうわけかこのレムリアの…否、「飛空挺都市マギニア」において、看過できぬレベルの反逆行為を働いているという事も。


「かごめちゃんがどういう基準で私達を選んだのか、まー解りようないんだけど」
「でも先輩、アンナさんはそうとは言い切れないかもだけど…このメンバーってほら、魔界でいろいろやったときのメンバーだもの。
そういうのもあるんじゃないかなって」
「こっちのほうでは私達のチカラって結構制限が掛かるみたいなんだけどねえ。
魔力濃度なのか魔力の質が合わないのかなんとか言って。
慣れればそうでもないみたいなんだけど、離れてた時期が長いからねーアンナちゃんもトーシロ同然だし」
「前途多難ねえ、しつこいようだけど」

三度目の溜息を吐く佐裕理、その視線の先に、壇上につくペルセフォネ姫の姿が見える。


「ま、来たからには…やるだけのことはやってみるだけよね」


呆れ顔のままるりが槍を担ぎ直す。
そこへ、ぐったりしたローブの女性を抱えたかごめが戻って来たとき…まるでそれを待っていたかのように、ペルセフォネによる演説が始まる…。









明夜「…えっ?(´ω`)
  あれっなんですかこのスタート。
  というかなんですかあの冒頭なんで私達がこんなところに居るんです??
つぐみ「そこはアレでナニだよ、
ストーリーが進むごとにいろいろな伏線が掘られたり掘られなかったりするいつものアレと言うことで」
明夜「いやー待ってくださいつぐねーさん。
  大体にして、アルカディアの話ってどうなってたんです?
  そろそろ重要な複線も回収されたりされなかったりなのでは…」
つぐみ「そこはほら、いつもの狐野郎クオリティだね。
   めーやちゃんはほら、メタい話すれば私達の中では本当に意味での「ガチ新入り」だからその辺はこれからおいおい勉強していけば」
明夜「ええ…(困惑」




つぐみ「まーいろいろ伏線話しようと思いながら、とりあえず話題に乗り遅れない程度に進めるつもりだったのが、ついついのめり込んだしなんかしてがっつりクリアするまでやっちゃったのよね。
   
あ、一応この画像超★ネタバレだから
明夜「そこもう何でもありなんですか(呆
  なんだかんだでもう私達のPTだって完成されてますしね。
  一応私達でもクリアは可能だったのでは?」
つぐみ「レベル的には可能だと思うよ。
   ただ今回、横道に逸れたり逸れなかったりしても相当長いことは確かだね。
   そもそも普通にプレイしてても、一周回通常クリアするまでにレベルなんて80から90なんて当たり前になってるよ、大体」
明夜「(´ω`)??
  ちょっと待ってくださいつぐ姉さん、従来の世界樹ならレベルキャップ解放前最高レベルは70では?
つぐみ「あーそれがねえ…まあいいや、なんかロマサガ辞典級にいざとなったら人間を【編集済】出来そうなでっかい公式攻略ガイドも出たからね。
   ぶっちゃけると、今回はレベルキャップ解放前の最高レベルが99。
   
レベルキャップ開放で最高は130あるよ」
明夜「は?( ゚д゚ )」
つぐみ「基本はマップ移動で、タルシスに近い形式…というか、ぶっちゃけロマサガやサガフロに近いマップ移動に、メイン迷宮の数は13もあるんだ。
   加えて寄り道ダンジョンとして小迷宮がクリア前に8、クリア後にはいわゆる第六階層的な第十四迷宮と小迷宮2つが追加されて、
その総数は驚異の24もあるんだよ!」
明夜「な、なんだってー!!!∑( ̄□ ̄;)
  って、なんですか24って! これ普段の世界樹の軽く3倍ぐらいあるんじゃ」
つぐみ「迷宮の階層数だけで考えると、普段の世界樹だと五階層がそれぞれ5フロア構成だから表クリアまでに20フロアだね。
   クロスでは迷宮によってフロア数はまちまちだけど、メイン迷宮全部で47もあるんだ。
   そこに小迷宮8フロア加えてクリアまでに55フロア…まあ、3倍弱ってところだね。
   待ち受けるボスの数も、メイン迷宮だけでもクリアまでに15もいるよ」
明夜「…ちょっとばかり数が迷宮総数と合わない気がしますけど、つまりどっかではボス戦が2回もある迷宮もあるって事です?」
つぐみ「察しいいじゃん。
   まーあんなトンチキかーさん見てれば、そのぐらいの想像はついちゃうよね普通(しろめ。
   そもそも最初の迷宮で、FOEよりも先にボス戦をする羽目になるよ…というか、そのボス倒さないと糸買えない」
明夜「そそ、それってまあSSQ2のギンヌンガみたいに軽いジャブ程度のなんかだということは(震え声」
つぐみ「君はそう思い込んでセイシンテキの安定を図ってもいいし、最悪の斜め上を想像してSANチェック確定ファンブルの憂き目に遭っても良い(キリッ
明夜「
救いはないんですかああああああああああああああああああ!!?∑( ̄□ ̄;)




つぐみ「まーそんなこんなで、今回はおかーさんがスタメンという珍しい構図だね。
   一応クリア後データから所持金以外を全て引き継いでるよ。
   いきなり大金にモノを言わせてゴージャスプレイ、とは言わないけど、一応レベルキャップ解放前限界レベルの引退キャラ引継は途中で解禁することになるよ」
明夜「一周終わったから今度はじっくり攻略すると?」
つぐみ「マップも引き継いでるけど、狩れるFOEは可能な限り狩るというか邪魔っ気なFOEとかは引き継いだ私達で露払いしたりとかもするよ」
明夜「意味あるんですかそれー^^;
  まあ、あまりにも運要素も大きすぎてダレることありますしね、FOEの回避」
つぐみ「メンツみてもらえば解るけど、今回はわりとバランス重視かも知れないね。
   実はさゆさん、最初はセスタスがいるからセスタスにしよう…と思ってたらしいんだけど」
明夜「パラディン…ですね?」
つぐみ「理由は私達…というか、諏訪子さんの話をするときに多分諏訪子さんが触れると思うよ。
   簡単にだけ触れると、兎に角アルカディアの橙が嘘か幻かってぐらいクセが強すぎて、スタメンに入れるには非常にハードルが高いんだよねー。
   あと知ってのとおりお母さんはいつもの如く紙防御だし、アンナさんもだけど」
明夜「えっアンナさん後衛職でh…アッハイなんか解った気がします(背後から露骨に目を逸らす

魔理沙「おうこらそこの犬今私から露骨に目ェ逸らしたな(#^ω^)」
咲子「まりささんとってもとっても殿中です何卒おたいらに!!><」

つぐみ「(見ないフリ)というわけで前衛にハイランダー、ブシドー、パラディン、後衛にはメディックとゾディアック。
   実は表クリアまでのメンバーにいない唯一の職がアンナさんのゾディアックだよ」
明夜「意外ですねー、属性職ってそんないない気がするのに」
つぐみ「ひとりに三属性を押しつけることを考えなければ、ノービスでも全攻撃属性はそろえられるしね。
   あ、今回は4形式で、最初から解禁されているノービス、レベル20から解禁されるベテラン、レベル40から解禁されるマスターでスキル取得制限かかってるよ。
   さらに言うと、4以来のサブクラスシステムに、何故か好き勝手に付けられる二つ名システムも生き残ってるね。まあ二つ名はただの飾りだけど」
明夜「なんか難しそうですねえ(´ω`)」
つぐみ「しかもサブクラスシステムとの兼ね合いか、転職も出来ないね。
   種族要素も削除、武器マスタリーも軒並み消滅、ついでに某低レベル攻略の人や狐野郎を狂気の厳選地獄に叩き込んだグリモアもないよ。
   その代わり4で生まれて5でいろいろ進化した武器スキルが残留してるね」
明夜「うーんグリモアは私もちょっと興味あったから残念(´ω`)」
めう「アレは実際狂気のシステムめう。でも厳選たのしーめう(吐血
つぐみ「アレはなっちゃいけない例だからね?(キリッ
明夜「アッハイ(しろめ」
つぐみ「あとは異常付与スキルの仕様、それと死に際発動スキルとドロップの関係とか細かい変更点もあるけど、その辺はおいおい。
   で、あとは私達の関係だけど…今回は、多分身内の群像劇重点になると思う。
   前回は基本的にルーリング無用みたいなウザ絡みしまくったけど、狐野郎は「なんかもうあれこれ言われんの疲れた('A`)」とかいって、今回はあまり知り合い関連でがっつり作る気はないみたいだよ。
   どこぞでてゐさんがとおかーさん大暴れしてるみたいな話も聞くけど、その辺もあまり触れてはいかないつもりみたい。
   ネタ的に支障が無い範囲で軽く引用する程度なら、だけど、どうも「こっちが純米大吟醸を振る舞ってるつもりがフタ開いたら濃硫酸呑ませてた」みたいな話が繰り返されると、まあ多少はね?(しろめ」
明夜「濃硫酸程度で済むんですかね今までのこと考えると(しろめ」
つぐみ「今回完全に後追いでログ書いてるのもそこに一因あるからね。
   「時間軸上はアルカディアに居るはず」の私達が「既にレムリアにいる理由」についても、いずれ触れられるだろうアルカディア紀行最終章にも小出しで触れていく形で、明かされていくと思う。
   勿論、狐野郎の筆が動けばレムリア攻略の最中で触れられていくと思うわ。
   めーやちゃんもだけど、美結ちゃんやまりかさんにとっても重要な設定になるからね」
明夜「ちょっとネタバレしとくと、ナドックスさんも決して「悪人」ではないというか…むしろ「被害者」側なんですよねー(´ω`)
  狐野郎は完全なる悪役としてメカニトを絡めたがってたようですがー」
つぐみ「いやー難しいんじゃないかなーそれ。
   そもそもいくら場末の駄文ログとはいえ、サーキックを味方側として扱う二次創作は絶無に近いとは思うんだけどもさ」








「あんッの…大馬鹿兎詐欺ッ!」

その怒りを避けるかのように、手の平に居たカエルはまるで煙のように消え失せ…次の瞬間、彼女はその拳を傍らの幹へ叩き付けた。

「諏訪子さん、一体何が」
「あのウサ公どんなドジを踏みやがった!
ただでさえアホの穣子が馬鹿氷精と一緒になってふざけた事件を起こしてくれやがった傍から!!

怒り任せに巨木をなおも殴りつけようとする金髪の医術士の少女…祟神・洩矢諏訪子をなだめるかのように、わらわらと数名の少女が集まってきて押しとどめて宥めようとする。

「すす少し落ち着こうよすわこさんっ!
いらいらにはカルシウムたくさんのCKPがいちばんだよっ」
「いやこの樹海でどうやってちくパの材料そろえるんだし!?
そーじゃないでしょうがまず何があったのか聞かないことには」
「ええいこれであたしたちゃ完全にお尋ね者だどうしてこうなったー!!」

思いもがけない一言に二人の少女が顔を見合わせる。

「おたずね…もの?」
「えっどういうこと何がどうして」
「そそそれよりすわわ落ち着ける方が先めうーっ!!><」



「あー諏訪子さんおかげんどうですかね(#^ω^)」
「あ、うんすっげえおちついたごめんつぐみ」

それから数分後。
諏訪子は額にこれ見よがしな絆創膏を貼り付けた状態でスマキにされていた。

同じような金髪の、襟足の跳ねた髪の特徴的な医術士服の少女…藤野つぐみが呆れたような溜息を吐き、先と同じような質問をさらに繰り返す。


「一体何があったんです?
まりかさん達もなんかわけわかんないこと口走ってるし、おたずねものがどうしたデッドリストがなんだって
「あー、うん、そのな。
私達は故あって、まあこうやって誰にも知られることなくこんなレムリア最深部にかれこれ半年ほど入り浸ってるわけだけどさ。
ほんの一ヶ月前ぐらい…ほら、丁度私達がアンデッドキングのクソヤローと一戦交えて一端手を引いたじゃんよ。
その頃合いになったタイミングでほら、てゐ達とか来たじゃんマギニアの連中と一緒に」
「一体誰に説明してるんですかそれー。
まあ確かに、もうその頃には丁度、倉野川の「神食信奉者」侵襲事件も一段落ついてますよね時間軸的に」

ピンク髪の、身の丈ほどもある巨大な揺籠鎌を背負うカーディガンの少女…香坂美結も、つぐみと同じような表情で溜息を吐く。
諏訪子は不意に表情を改めると、一瞬躊躇したもののその衝撃的な事実を全員に告げる。



「単刀直入に言うぞ。
現在、マギニア飛空挺都市を拠点とする「狐尾」メンバー全員が、マギニア司令部から指名手配を受けた。
てゐの野郎、とんでもねえ機密文書を盗みやがってくれたらしい…それが、罪状だ」



想定すらしない事態に、つぐみと美結だけではない…他の少女達も困惑したような表情で顔を見合わせている。

「指名手配…っつーことは、あいつら全員逃げ出したってコトか?」

三人目の金髪、黒を基調とした銃士風のコートを身につけた少女…霧雨魔理沙の問いに、諏訪子は頷く。

「恐らくはな…そもそも、二週間前に「立橋」辺りで行方を眩ましやがった穣子達の足取りも掴めてねえってのにな。
そもそも機密文書、というからには、当然ながらろくでもねえことが書いてあることが常だ。
このレムリアという島に、何故こんな多種多様な迷宮樹海が…しかも、私達がこれまで赴いた樹海にあったのと同質の樹海迷宮がパッチワークのように存在するのか…ひょっとすると、そのナゾの根幹に迫るような代物じゃないかと…だが」
「そうめう。
うさうささんが文字通り脱兎一択とか歪みねぇぐらいとってもとっても危険がアブナイの実際sYレならん事態めう!
「めうあんたどんだけのネットスラング織り交ぜて喋ってんのよ…全部解るあたしも大概だと思うけどさあ」
「えっイブさんツッコミどころそこですか」

口々に脱線し掛かる少女達の会話を打ち切るように、諏訪子は黒髪の少女に戒めを解かれながら、咳払いして続ける。

「…いずれにせよ、今現在において私達「狐尾」を取り巻く状況ははっきり言って最悪だ。
てゐが一体何を読み解き、何を恐れてこんなことをしでかしやがったのか…穣子達も何処へ消えちまったのか…問題は山積している状況だ。
そろそろ、時間軸的にはあんた達が居ないはずの「夏休み」の時期にぶつかる、つまりは
これからは、堂々と他の「狐尾」メンバーに接触できると言うこと。
だよね?」

つぐみの言葉に、そうだ、と頷く諏訪子。
そして、諏訪子は集った八人の少女をそれぞれ見やり、檄を飛ばす。



「これより私達、チーム「時間の孤児(クロノオルフェンズ)」を二手に分ける!
つぐみ、美結、明夜、それとまり花、あんた達は四人でも十分戦えるだろう…迷宮をマギニア方面へ逆走しつつ兎詐欺を生け捕りにしてきな!
あとの四人は私と来い! かごめの野郎と連絡が取れ次第、マギニアの連中や「海族」の奴らより先にレムリア最深部を目指す!!」



八人はお互いを確かめるように顔を見合わせ、頷く。

「いっそ新しいチーム名でも決めちゃう?」

口火を切るのは、セーラー服を模した紺色の水着めいた衣装を着る、明るい栗色髪の少女…山形まり花。

「てゐさんを捕まえるんでしょ?
そこはストレートに「兎詐欺(うさぎ)狩り」とかでいいんじゃね?」

まり花の肩に手を回し、悪戯っぽい笑みで頬を寄せる、重鎧を身につけた四人目の金髪少女…和泉一舞。

「それはとってもとっても安直のような…」
「チーム名は実際わかりやすさが第一めう。財団のガイドラインにも書かれているめう」

苦笑する黒髪の、黒一色の医術士服を身に纏う少女…春日咲子が苦笑を隠せないでいるのを、傍らに立つ桃色髪の、ノースリーブの巫女服めいた装束を身に纏うサイドポニーテールの少女…卯花めうがしたり顔で返す。

「んなもん好きにしやがれ!
行くぞ、兎詐欺狩りだ!!」

祟神の号令一家、百戦錬磨の少女たちが樹海へと飛び出す。
レムリア島を舞台に、『狐尾』の、この世界の命運を賭けた戦いが始まろうとしていた。









つぐみ「というわけでこれからレムリアを舞台に、半ば見切り発車ですが新しい「狐尾」の物語が始まります。
   内容はまあいつものgdgd駄文にボス攻略がついてる程度ですが、よろしければゆっくりしていってね!!!(*´ω`*)
明夜「こう…りゃく…?」
一舞「そこは気にしちゃダメじゃないかなーって。
  つぐみつぐみ、次イブ達にも解説やらしてくれるんでしょ?
  どーせあたしたちの出番なんてもっと先の方なんだしっ」
まり花「イブが出るならわたしも出るんだよっ!!><
魔理沙「いやーお前でたら収拾つかなくなるのオチだろ…って美結は?」
咲子「みゆちゃんだったら諏訪子さんと枯レ森に行きましたがー」
つぐみ「えーまだ諏訪子さん
クリンチ3点封じチャレンジ()しにいってんの?
   …ったく懲りないなー今回クリンチは自分封じ率と敵封じ率真逆になって酷い有様なのに(フェードアウト」
明夜「∑( ̄□ ̄;)
  あっその…次回から攻略に入りますー(棒」