吐き散らす強毒の霧や視界を奪う炎、さらにそれを瘴気により強めようとする亡霊を操り、巨体に似合わぬ狡猾さで少女達に立ちはだかる背甲獣であったが…星々を喰らう強大な災厄すらも打ち倒した彼女らの前においてはその能力など児戯にも等しいものだった。
瘴気も毒も、全てがつぐみの展開する結界を侵食することなど適わず、気力も抵抗力も緋色の瘴気に奪いつくされたところへ、強固な甲の護りのない継ぎ目という継ぎ目から突き入れられる刃に塗り込まれた麻痺毒により、魔物の動きが完全に止まる。
そこへ、足下から腹部、両腕と突き入れられた刃が魔力の残響となって致命打を与えて与えていき…ぎこちなく見上げようとする異形の首を、明夜の刃が斬り飛ばした。

飛ばされた首からはどす黒い血が噴水のように噴き出し、異形の巨躯は霊堂の石畳を揺らし、その血の中へと沈んだ。


魔物が絶命したことを確認し、少女達はつぐみの元へと駆け寄ってくる。


「みんな、お疲れ様。
でも」

微笑みながらもつぐみは魔物の背後、そこへと通じる光の柱を見やる。
磁軸は既に起動している…それは則ち、かごめ達は確実にここを通っていることを示唆している。


「私達が上でスライムとかと戦っている間に…いいえ、多分」
「これではっきりしたんじゃないかな。
てーさんは多分、磁軸の機能をオンオフする方法まで知ってるんだ。
その上であえて、磁軸をそのままにしていた」
「かごめさん達が…わたし達を待ってる…?」

不安そうに問いかけるまり花へ、多分ね、とつぐみは頷いて返す。

「行こう。
何が起ころうとしてるのか、確かめなきゃ」

真剣な表情で頷く三人を伴い、つぐみは磁軸へと歩いて行く。







一方その頃、つぐみの許可を得て援軍を呼ぶことを決め、それを迎えるべくタルシスへ向かった鈴花達を送った一舞達は、ミュラーを介してペルセフォネとの謁見に赴いていた。
渋い顔のミュラーをはじめとする周囲の危惧を余所に、ペルセフォネの病状は極々軽いようであり、本人も「どうやらこれまでの疲労が出てしまったようだ、数日ゆっくりしていれば問題ないだろう」と、笑って返す。


「折角来てくれたことでもあるし、私も少々退屈していたことだ。
それに汝等は、かなり特殊な方法でこの探索に参加していることも、かごめから聞いている。
何故、我等マギニアの者が、ほとんど国民総出とも言える…国の命運を賭けて、レムリアの探索を行おうとした理由も、詳しくは知らぬだろう?」

困惑し、顔を見合わせる少女達は勿論、ミュラーも咎めるかのように眉をひそめる。

「確かに、詳しくなんか知らないぜ。
けど…このレムリアには「国を繁栄させる礎となる何か」が眠っている…私達がタルシスの「暗国ノ殿」で見つけた古書には、そう書かれてた。
そして、その秘密にマギニアの王族が関わるだろうことも、多分」

わずかな逡巡の後、言葉を選ぶように魔理沙が答える。
ミュラーも驚いたように目を見開き、表情の変わらぬ主君とその少女へ、交互に視線を移す。

そうか、とペルセフォネは溜息を吐いた。


「秘宝に我が一族が関わっている、そこまでは初耳であった。
我がマギニアスの王家に何故、後世に読める者がいなくなるような古代文字で書かれた古文書が、山ほど書庫の肥やしになっていたのか…そして今、かごめすらも姿を消した理由が、なんとなく理解できた気がするよ」

彼女は溜息を吐き、立ち尽くすままの少女達へ席に着くことを促す。


「話しておこう、私の知る限りのことを。
そしてその上で、なおも我がマギニアに力を貸してくれるかどうか、汝等で判断して欲しい。
もし道を違えることになったとしても、咎めも恨みもせぬ。
私とは違い…汝等にはその権利も、自由もあるのだから」




~新・狐尾幻想樹海紀行X~
その14 贄の名を持つ男




「イブ。
あの話、どう思う?」

司令部から退出した帰り道、視線を合わせる事なく魔理沙が問いかける。


ペルセフォネから告げられたことは、その真相に直接関与するようなものではなかったことは確かだ。
マギニアの先王…則ちペルセフォネの父の遺命により、国を挙げての秘宝入手探索に踏み切ったこと。
同じく、秘宝を狙う「航海王女」率いる「海の一族」が、既に別のエリアからレムリアに侵入しているということ。
その「海の一族」とは、現在その事由がほとんど伝わっていない過去の因縁により対立関係にあること…それはいずれも、知り得なかっただけであくまで現状把握に過ぎないことだ。


「どう…って。
ペルセフォネさんの言葉からだと、そもそも「国を繁栄させる秘宝」そのものが、あるかどうかなんてわかんないんでしょ?
でも」
「てゐは元より、かごめ達まで居なくなったことに、それが関与してることは確実なんだろうな。
兎詐欺野郎が持ち出した資料、恐らくそこに、真実か…最悪でも、それに近しい情報が書かれていたはずだ。
あくまで憶測だが」
「まりさ…あんた、いつもそうだね。
言ってることは、あくまで憶測」

立ち止まる一舞。
魔理沙も合わせて立ち止まり、困ったように頭を掻きながら、振り返る。

「確かにさ、本音は私にだって、わからんもんはなんも言えねえ、ぐらいは言いたいんだけどさ。
なんかそれだと、逃げてるみたいで嫌なんだ。
でも、私にはそれを言い切れるだけに自信も無いし、論拠もない。
まり花みたいに、勢いだけでバシッと言いきれる奴のことが、無性に羨ましくなることだってある…ったく、名前一文字違うだけで、人間こうも変わるもんかね」

皮肉めいた、少し困ったような笑みで肩を竦めるその少女に釣られるように…一舞も笑う。

「そうやって自分のキモチに素直なところは、一緒だと思うよ。
どうする?
道は開かれてるんだし、あたし達も行ってみる?」
「とーぜんだ。
今つぐみ達が潜り込んでる空中庭園、その下側のルート上にも、聞く限り私が知ってるのと同じような迷宮があるみたいだしな。
立橋も気になるが…先超されちまっただろ?」
「おっけー。
人数少ないのが不安なところだけど、なんとかなるでしょ!」

意気揚々と街行く二人。
そこに、二人もまだ予想できぬような出逢いが存在していることなど、まだ知る由もない。








♪BGM 「地方創生チクワクティクス」♪

めう「さー今回もどんどん行くめう!
  今まででてこねーなーと思ってたボウケンシャー諸君、ここからはハイ・ラガードの迷宮が二連チャンで続くんだめう!!」
咲子「とってもとってもメタなお話ですけど、私達がレムリアに来る直前にはハイ・ラガードでお店のお手伝いしてたんですよね。
  レジィナさんもちくわパフェをメニューに加えてくれるって言ってくださいましたし(*´ω`*)」
一舞「それが良いことなのか悪いことなのかあたしにはもうわっかんないし(しろめ
  でもさー、綺麗なところだよねー、桜ノ立橋。
  悔しいけど櫻石城趾とかの桜より全然すっごいのに、年中なんでしょ、あそこって?」
めう「そうめう。
  …めう達がきんぴかのドララと戦ったのも、そこだっためう」
咲子「あっ…その」
一舞「ま、いいじゃん。
  なんだかんだでそんなすっごいのやっつけて、めうもこうして今も一緒にいるんだしっ。
  それより、見た目からしてもう桜の空中庭園って感じじゃん。ここはどんな感じなの?」
めう「うみゅ。
  一言で言うと、鳥の魔物の楽園めう。
  SSQ2ではFOEだった一種類は通常の魔物に格下げされたけど、それも含めてSSQ2の立橋に登場した鳥の魔物はほぼ全部登場するめう。
  脚封じ付与の雷攻撃を仕掛けてくるライチョウ、全体に防御ダウンのデバフを撒いてくるレイヴン、異常耐性ダウンの壊攻撃をしてくるディアトリマ、B2Fから登場して溜からの列攻撃を仕掛けてくる元FOEのシャインバード…そして、恐怖の石化攻撃持ちニワトリ野郎コカトリスっ!!」
一舞「うわぁ最後すっごい初見でも嫌な予感しかしない名前の奴だ^^;」
咲子「で、でもイブちゃん、アルカディアから石化の仕様が変わってるからそこまでではないかと…^^;」
めう「それでも眠り同様、動きが完全に止まる石化はかなりめんどーめう。
  しかも雷弱点だけどHPが4ケタの大台に届く凄まじいタフネスの持ち主なのだっ」




めう「さらにー、B1FからFOEで高速巡回する脳筋類・怒れる猛禽が登場するお!
  …って言っても、実はSSQ2の猛禽に比べるとめっちゃ貧弱めう。
  到達時点赤オーラでも全っ然勝てるめう」
一舞「えっ何…先の紅き風()といい、鳥のFOEって見かけ倒ししかいないの?」
めう「さすがにアレに比べればヤバイめう。
  全体斬攻撃に盲目付与の「暴風の風」で、低命中の超高威力近接斬攻撃「引きちぎる大爪」をぶち込んでくるけど、大爪の命中率そこまで悪くないめう。
  こいつを石化させて倒すともらえる条件ドロップで作れる鎌がこのスキルを持ってるけど、
命中補正-50%で倍率600%だからそこそこ当たってくるのだ」
一舞「∑( ̄□ ̄;)なにその頭おかしい威力!!」
めう「さんこーまでにー、味方側スキルでも今作屈指の超威力で知られるアクセルドライブの1振りが600%めう。
  この倍率行くスキルはマスターレベルでもほとんど無いめう
咲子「適正域だとパラディンも一撃で持ってかれますね。
  でもここでわざわざ、鳥の魔物さんばっかり挙げるって言うことは」




めう「アルカディアでは第三階層ににたよーなクエストあったけど、その鳥の魔物全部を図鑑登録して見せろって言うクエストがあるめう。
  ちなみに他には、状態異常付与率をアップさせる列攻撃をしてくるカマイタチ、自分の回避を上げてくる七色テントウ、列に混乱付与の壊攻撃を仕掛けてくるマッドキャタピラと盲目か石化を付与するランダム雷をぶっ放してくるサンダードレイクがいるめう。
  ついでに、SSQ2にもいた突進してくるサイFOEもいるめう」




一舞「キャタピラって…そいつイモムシでしょどーせ!!><
  だーかーらーなんでそういうキショいのいるのいい加減にしろ樹海ーッ!!!><」
咲子「イブちゃん嫌いなものに対してはとってもとっても反応早いです^^;
  でもピンク色で結構かわい…いやその(しろめ」
めう「最近はさききのセンスもよくわっかんねえめう(しろめ
  無印SQ2、つまりリメイク前の2にはマッドキャタピラの枠には、全く同じ姿と色の「毒牙のイモムシ」がいためう。
  今回はクエスト「芋虫の行進」でボスモンスターとして3体登場するめう。
  こいつの「超毒牙」はもう書いて字の如くめう」
咲子「世界樹の毒は花びらさんと並んで有名なトラウマファクターですからねー^^;
  今作でも霧吹きスカンクさんの奇襲イベントがありましたが、エトリア、ハイ・ラガードではアゲハさんが、アルカディアではポイズンリーチさんが理不尽な最序盤の毒撒きイベントの主役として登場してましたし」
一舞「ヤな主役だなあ(しろめ
  そしてFOEはもう見た瞬間に狩って歩いて…あれっ、そういえばPTになんでリリカさんいるの?」
めう「そのへんはもうちょい先で話するから今は気にしなくていいめう。
  ちなみにFOEの脳筋サイもSSQ2から続投になるめう。
  突っ込んできた先が崖ならそのまま落ちていなくなる性質も全く一緒だけど、復活周期が一日になってたり、頭封じをトリガーにして発動する徹底抗戦をHPが減ってきたときにも使い始めるとかちょっとめんどくさくなってるめう」
咲子「どういうスキルなんです?」
めう「HPと弱体効果、封じと異常いっぺんに回復して挙句に攻撃力を上げてくるめう。
  威力の高い貫通攻撃が頭依存だからそれ対策で頭封じたら、かえってネギトロにされたとかいう笑えねえ案件も多数だお










~少し前、桜ノ立橋~

てゐの案内を受け、かごめ達一行も見覚えのある桜の迷宮へと足を踏み入れる。
そこに、まるで出迎えをするかのように、一頭の猟犬が佇んでいるのを見出す…。

てゐがその猟犬の前へ膝を折ると、彼もまた…てゐへと鼻をすり寄せてくる。

待たせたな、ジュニア。
故あって、連中も私達と一緒に来ることになった。
どうせまた、あの「女王」はその辺をうろつき回ってるだろうが…一足先に戻って、ヤマメの奴に伝えてくれ」

首元を撫でられていた、ジュニアと呼ばれた猟犬は…てゐの指示を受けて一声吼えると、そのまま踵を返して迷宮の奥へと駆け去って行った。

「今のは…?」

事情をよく知らぬだろう葉菜の問いかけに、かごめは腕組みをしたまま頷く。

「アーテリンデがジュニアを連れて出たって話は聞いてたけど、まさかあんた達と行動を共にしてるとはね」
「ラガード公国、というかダンフォード爺としては、密偵としてよりも監視役として手練れの多いほうがいい、という思惑らしいんだがな」
「ねえ、さっぱり話が見えてこないんだけど。
私達みたいに、昨日今日が初めてみたいなメンバーにもわかる話して頂戴よ」

痺れを切らしたるりに、悪い悪い、と全く悪びれもないように軽く返すかごめ。

「あの子の名はクロガネJr。
かつてハイ・ラガード樹海に散ったギルド「ベオウルフ」の忘れ形見のような子よ。
ほとんど、私とてゐで育てたようなものだわ…冒険者として、ね」


静葉が嘆息して説明するのに、かごめが続ける。

「アーテリンデとライシュッツのじいさん、ジュニアともうひとりふたり加えて「エスバット」を再結成したとか聞いてたんだがな。
もっとも、つぐみ達がてーさんや藍と組んで樹海踏破してから以降、結局連中は現状通りラガード公国直属の何でも屋として方々を飛び回ってるような感じではあるだろうが…てーさん、まさかと思うが」

ああ、とてゐは頷く。


「私達が出奔して、あいつの口利きで「航海女王」に取り入って間もなくのことだ。
アーテリンデは数人の部隊と、案内人を含むチームで立橋に入り…そこで連中は消息を絶った。
私とジュニアは、そいつらの行方を追う役目を担ってもいるんだ」



かごめ、諏訪子…そして静葉と紫、アーテリンデの人となりを知る四人が、その思わぬ事実に眉をひそめる。
メルランも思い出したのか、手を打って続ける。

「聞いたことあるかも、ギルド「エスバット」のリーダーよね、その子。
私達がハイ・ラガードに来るちょっと前に、フラン達と互角に戦ったとかなんとか
「ああそうだ。
もう一年近く前になるか…つぐみをギンヌンガへ放り込む直前ぐらいに、紅魔館にいた事もあった。
元々バケモノじみた才覚と戦闘能力持ってたが、こっち来て翌日に魔装生成からいきなり最大解放までやってのけたなんて奴、あたしは他にさな姉くらいしか知らないよ。
冒険者としてのキャリアも長いし、正直、不意を突かれたところでそうそう不覚取るような子じゃないと思うんだが」
「私も耳を疑った。
ただ…あいつらが言うには、巨大な翼を持つ魔物が不意を突いて襲いかかってきたので、私達に連絡しろと帰されたと言うんだ」
「あいつら?」

かごめの疑問に、てゐは「会えばわかる」と踵を返す。


立橋を進む一行。
そこには案内人の因幡てゐを筆頭に、かごめ達「雨虎」、紫に静葉、諏訪子、メルラン…そして、ルーミア。
出奔した時に姿を消したはずのリリカの姿が、そこにはなく。


つぐみ達が同じ場所を通るのは、それから二日後のこと。










めう「そしてここの迷宮ではお待ちかね、前情報でも既に存在が明らかにされていたクロガネJrとアテリンが満を持しての登場めう!
  SSQ2でもストーリーの序盤で道案内をしてくれた、ギルド・ベオウルフのリーダークロガネさんのご子息として、今回も貧弱一般ボウケンシャーの道案内をしてくれるんだめう!!」
一舞「えっちょっと待ってめう。
  確かベオウルフのリーダーはフロ…フロース…えっとフロストギズモさんじゃなかったっけ?
咲子「とってもとっても違いますよめうちゃんもイブちゃんも!
  ベオウルフのリーダーはフローゼルさんじゃないですか!!><
めう「あーうん、二人ともお約束ありがとうめう(´ω`)
  さして覚えにくい名前でもないのに、そのネタにネタを重ねたような行状により数多のボウケンシャーには特に名前をいじられることに定評のあるフロースガル、SSQ2のログでも触れられていたとおり、勇士ベオウルフを支援したデンマーク王の名前が元ネタめう。
  とにかくー、本編では無念な最期を遂げたクロガネ…とフローガルスさんはストーリーでは生存して終わったので、クロスの世界は恐らくSSQ2ストーリーの後の世界観の可能性もあるめう。
  アテリンがクロガネJrを指して「お父さんも立派な冒険者だった」といってるから、その場合恐らくクロガネさんも引退してると思われるめう」
一舞「確か2って、ペットがいたよね。
  今回はクラスとして存在しないけど」
めう「Jrも戦闘はしないけど、持ってるスキルは恐らく二毛作。ファーマーの可能性が高いめう。
  けど先のネタバレすると、一般のボウケンシャーより戦闘力たけーみたいめう。その辺気にしたら負けめう」
咲子「そもそもファーマーも「戦闘では役立たず」とか言いながら、雑に後列でいらつく羽音や弱り目に祟り目してるだけでも十分強いとかよく言われますが^^;」
めう「マスターまで到達すると強力な攻撃スキル「収穫祭」が覚えられるめう。
  STRは低めといっても、実はリーパーと大差なくてなおかつ耐久面でもシカやブシなんかと比べれば十分高水準めう。
  イッキウチコワシめう」
一舞「農民が弱いとはなんだったのか^^;
  んで? 大体ここまでで概要は説明し終わったってことは?」
めう「ここも通過点に過ぎないのでさっさとボス紹介に移るめうっ。
  ついでにー、アレでコレな理由により今回はアテリンの登場を見合わせるめう
一舞「ですよねー(棒
  ってそっちもー!!?∑( ̄□ ̄;)」




桜ノ立橋ボス ハルピュイア
レベル40 HP14131 雷弱点/即死無効、眠り・混乱・盲目・脚封じ耐性、毒・頭封じに弱い
血祭り(脚) 全体遠隔斬攻撃、異常もしくは封じのある対象にはダメージが2~16倍程度に上昇(上昇率は封じと異常の総数により乗算する)
金切り声(頭) 全体に混乱を付与
絶望の爪(腕) ランダム2回近接斬攻撃、麻痺を付与
ストームフェザー(腕) 全体遠隔突攻撃、盲目を付与
捕食の宴(脚) ランダム2~4回近接斬攻撃、いずれかの部位の封じを付与(同一対象に複数回ヒットしない)
カオススクリーム(頭) 3ターンの間全体に異常もしくは封じ付着率アップのデバフを付与、ターン消費せずターン終了時に使用

めう「SSQ2では無印同様残念なボスっていう意見と、アホみたいに強化されたと両論あるおハルが今回も立橋のボスめう。
  コンセプト的にはSSQ2のおハルに近いめう。
  ただし5以降ではテラーがないから金切り声の効果がテラー付与から混乱付与に変わってるめう」
一舞「前回のカメとあらゆる意味であまり変わってないね、やってくること。
  カメとの違いは、異常や封じをトリガーにして威力が上昇する攻撃を持ってることだねー」
めう「異常回復しないんじゃなくて、付与されやすくなるデバフを自ら撒いてくるスタンスめう。
  血祭りは新規追加技、見て解るように全体に強化されたエクスタシーを叩き込んでくるやつめう。
  異常と封じは合わせて4までかかるから、付与数が多くなればなるほどダメージが2倍、4倍、8倍、16倍と乗算倍加していくめう。
  封じ異常が2つもくっついてれば適正だとほぼ即死するめう」
一舞「係数おかしいだろこれ(しろめ」
めう「今更だけど、今回もwikiに調査結果が乗ってるので簡単に行動パティーンも紹介するめう」

開幕は血祭り(固定と思われる)
HP76%までは「血祭り→金切り声→(絶望の爪or通常攻撃)×3→血祭り」のループ
HP75%を切ると、ターン終了時にカオススクリーム使用して次のターンにストームフェザー
以降HP51%までは「血祭り→金切り声→(絶望の爪orストームフェザーor通常攻撃)×3→血祭り」のループ
HP50%を切ると、ターン終了時にカオススクリーム使用して次のターンに捕食の宴
以降HP26%までは「血祭り→金切り声→(絶望の爪orストームフェザーor捕食の宴or通常攻撃)×3→血祭り」のループ
HP50%を切ると、ターン終了時にカオススクリーム使用して次のターンに血祭り
以降のループは「血祭り→(絶望の爪orストームフェザーor捕食の宴or金切り声)×3→血祭り」

めう「簡単に言うとー、基本的には4ターンごとに血祭りと金切り声を使い、戦闘中3回カオススクリームを使ってくる、というパターンめう。
  HP75%以下からストームフェザー、HP50%以下から捕食の宴が解禁されて、ランダム行動に混ざってくるめう。
  攻撃力は然程高くないから、耐えながら累積耐性を得ようと思っても血祭りやカオススクリームで妨害してくる感じめう」
一舞「ぱっと見だけど、チアブレードで対抗できないのかなこれ?」
めう「勿論有効めう。
  チアブレード+5なら、まだまだこの階層でも攻撃力は十分だお。
  けど、出来るならリフレッシュとバインドリカバリを使えるメディックか、大量のテリアカとエフィシエントを振ったレンジャーが欲しいところめう。
  特に混乱がキッツいから、最低でも回復担当にはピンクのイモムシの素材から作れる混乱無効のアクセが欲しいのだ」
一舞「うげええええイモムシから作られたアクセとか…(´Д`)」
咲子「背に腹は替えられない、ですよ^^;
  雷がこうかはばつぐんで、石化も普通に通るのでショックスパークさんの出番ですね(*^-^*)
めう「さききそれ大好きめうね…実際、かなり有効めう。
  特にニワトリ野郎の素材は、石化を付与する香の素材になるめう。
  香の異常付与値は65、マスターした飯綱のおよそ1.5倍。狙う価値は十分にあるめう
一舞「
使ってないんだな(真顔
咲子「とってもとっても残念です><」
めう「全く考えてもなかっためう。文字通り後の祭めう。
  でも実際ショックスパーク連打してた気がするしー、どうせ特にやることもないならまりりが石化香ぶん投げてれば良かったみたいなところはあっためう」
一舞「………実際この時点でまりか、マジでなにしてんの?
  まりかのことだから、ボス戦の時なんて後列でずっとネクタルかなんか舐めてても全く違和感ない気がするんだけど」
咲子「とってもとってもプーさんみたいですね^^;」
めう「反論できないところがさすがのめうも苦笑いめう^^;
  そーいえば、今作何気に回復役の味について触れられてるけど、メディカやネクタルはあまあまだって明言されてるめう。
  基本的にまりりが活躍するのは道中、先制で含針をぶち込んで数体眠らせて無力化するのがおしごとなんだめう」
一舞「で、スキルとかは?」
めう「じ、実は何故か今回は残ってなかったんだめう…。
  多分軽い気持ちで挑んだらあっさりsageてそのままになってた可能性が多少は(震え声
一舞「うぉい( ゚д゚ )」
  しかもなんで此処にいきなりリリカさんが居るのかとか、そんな諸々もどう説明するつもり!?( ゚д゚ )」
めう「そのあたりはまとめてぜーんぶ次から徐々に触れるお。
  実はそろそろめう達の出番も近いめう。
  メタい話すると狐野郎がSSPP(美結注:2018年末豊洲で行われた、いわゆるパジャマパーティ組の中の人たちによるコンサートですね。実はサプライズで…というのは、地味にこの先のネタばらしになるので伏せておきましょう^^;)の後遺症できょうきょ参戦する枠が増えちまったんだめう。
  今はりさりさ先生が一緒だけど…」
咲子「きっと私達もびっくりなサプライズゲストさんですね^^
  となると、ここの解説は」

かごめ(スキマから)「どーせしばらくはヒマになる連中こっちにあらかた居るし、そいつらが勝手にやるから気にしなくていいと思うよ?」

咲子「…だそうです」
一舞「メタな話、今のとっ捕まえればこの話終わったんじゃ?」
めう「それ禁則事項というか、いぶぶ本気で閣下を捕まえる気ならあとで骨は拾っておくめう(キリッ」
一舞「アッハイ止めておきます(真顔」
めう「というわけでここからはめう達も本編へれっつごーなのだ!
  
樹海へのりこめー^
咲子「
わぁい^^^
一舞「もうこのヘンのノリはよくわかんなくなってきたわ(´ω`)」










「君達も冒険者かい?
…最近はマギニアと外界を行き来する連絡船も少なくなったと聞いていたんだけど」

霊堂を出てすぐのあたりで、つぐみ達は一人の青年と遭遇する。
使い込まれた簡素な革鎧と外套を身につけ、やや浅薄な印象を与えるその青年だが…見る限り単独で活動しているその視線からは油断ならぬ者であることを直観させる。
つぐみも、周囲に警戒を怠らないまま、かつやや距離を空けて誰何の言葉を返す。


「あなたは?」
「私はブロート。
かなり前からこのレムリア探索に加わっていた、しがない冒険者さ…といっても、色々あって今は私一人なんだけどもね。
このあたりも未踏のエリアだったけど、随分前に凄腕の冒険者集団が入ったことで、私のような末端の冒険者でも立ち入れるようになったから、どんなところかと興味がわいてね」

赤髪の青年は肩を竦めて答える。
その危険な領域にいながらそもそも単独行動を取っていること、そして場違いなまでに脳天気な発言は、つぐみはもちろんのこと誰もが違和感を抱くに足る理由だった。

ブロートと名乗った男の誰何に、つぐみはあえて自分たちの名を明かすと…青年は驚いたように答えるも…その視線は、まるで変わることもないことを、つぐみは見逃していなかった。


「そうか…狐尾といえば相当な大所帯だとも聞いていたが。
それだけ君らも、本気でこの探索に乗り出してきたということになるのかな。
それがマギニアの冒険者として秘宝を求めているなら、私にとってもライバルになるということか。
お互い、頑張ろう」

青年はさして気にした風もなく、一方的にそれだけ話すと踵を返して森の中へと消えていく。
その姿が完全に木々に中へと消えた段になって、つぐみはようやく…青年から見えていないような位置で剣に手を掛けていた明夜の手を解放した。


恐らく青年も気づいていたはずだ。
明夜と美結が刺すような殺気を、自分に向けていたことに。



「…姉さん、どうしてですか」
「相手の出方が解らない以上、ムダに仕掛けて得することはないよ。
牽制のつもりだったのかも知れないけど」
「そうね、他に気配を感じないわ。
一瞬でも仕掛ける素振りを見せたら引きずり込んでやるつもりで居たけど」

何時の間にか纏っていた紅い瘴気を霧散させ、美結は溜息を吐く。
その理由を理解していたのか居ないのか…まり花はブロートの去って行った先を指さす。


「つぐみん、追いかけてみる?」
「それもきっと上策じゃないよ。
完全放置は危険かも知れないけど、今は、お母さん達の後を追うのが優先だと思う。
わざわざ姿を見せてきた、それはきっと、これまでの手が通用しないだろう確認をしに来たのかも知れないし」

つぐみは頭を振る。


そう、あの青年と彼女たちは、決して初対面の相手ではないのだ。



「つぐみちゃん、あえて私達の手の内を明かすことに、何か意味はあった?」
「特にないよ。
強いていえば、威嚇みたいなもんかな。
自分が誰に喧嘩売ってるのか解らせてあげる意味でね」
「基本的にその辺ノープランだったのね。
明夜の事言えた義理ないじゃない」

悪戯っぽく笑うつぐみに、美結も苦笑を隠せずにいる。
視線の先には、桜色の空中庭園めいた迷宮が見えていた。