椛はスマキになっている…。
椛「うおおおおおおおちくしょおおおおおおお!!><
なんでいまさら私なんですか!? なんで私なんですかあああああああ!!?><」
翠里「いやー恃みの文さんはひでえ有様ですからねえ…。
代わりにちょおおおっとばかり一級白狼天狗の椛さんにチカラをお借りしたいなあ、と」
翠里の肩に乗ったカラスがくちばしで器用にタブレットの液晶画面に文字を表示させる…。
『そういうことだからわたしのかわりにきりきりはたらけ』
椛「やかましいそこのカラス!!><
大体あんたがだらしねえのが原因だろそんなのー!!」
翠里「一応天魔さんからも許可は出てますから休暇だと思って。
幻想郷ではなかなか無いですよ魔物をぎったんぎったんにしてストレス解消とか」
椛「どー考えてものっぴきならない事態進行してるこの状況でそれを誰が信じろと(しろめ」
菫子「風雅がもう数人応援読んで来るのを待ってるは良いけど、そのために巻き添えを連れてくるってその発想はどこから出てきたのかと」
鈴花「まーいいじゃんいいじゃん、枯れ木も山に賑わいって言うしー」
菫子「ダメじゃんそれ。
で、椛さん連れてきたは良いけど何する気よ」
…
鈴花「というわけで」
菫子「いやいやいやそれはない、それはないでしょ鈴花。
いやそのカンガルーはどう考えたってヤバイ級案件でしょうが!!><」
翠里「今回PT再編に合わせてあたしも本来のスタイル、鈴花さんもサポートに回って手堅くいける構えですんで。
火力はとりあえず椛さんが出してくれると思いますし」
椛「おのれ射命丸…この恨みは生涯忘れぬぞ(砲剣を構えて死んだ魚の目」
菫子「アカンやつでしょアレ(しろめ」
~新・狐尾幻想樹海紀行X~
その15 航海王女
静葉「そういうわけでカンガルーに挑んでみた」
レティ「ああ知ってたあんたが来やがったってことはこうなるって解ってたわよチクショウめえええええええええええええ!!( ゚д゚ )」
静葉「そんなの今更じゃない諦めて吉よ(キリッ
今回のカンガルーはタルシスにいたのと同じで属性弱点だから別に雷でなくてもまんべんなく弱点になるわね。
大正義ショックスパークも有効よ」
レティ「もうこっちの意向完全無視でしれっと解説始めるあんたの神経マジでどうなってんのよ。
はあ…まあいいわ。それにしても椛が此処に絡んでくるなんて」
静葉「実はこれまでPTメンバー候補として椛は何度も俎上に上がってはいるわよ。
漢字変換で「椛」が見つからなかったというのが断念の理由だけど」
レティ「理由巫山戯すぎでしょそれ」
静葉「余談だけど「もみじ」だと世界樹の辞書で変換できないわよ。
一部の入力システムでも変換できないそうだけど、「
ちなみにSSQ2やSQ5の辞書でも無事変換できたわ」
レティ「素晴らしくどうでもいいわねそれ。
で、このイッヌインペリアルなのね」
静葉「原作でも鉄砕牙ばりのでっかい剣持ってるからなんとなく予想つくかもだけどそのへんは。
これに合わせて鈴花をヒーローに、翠里をシノビに変更して、なおかつ鈴花はシールド系を伸ばしているわね。
兎に角シールドアーツが強い強い」
レティ「軽減率こそ低めだけど、パラのガードと違って全体に効果あるのと、軽減されにくさに定評のある壊属性の攻撃がついてくるというのが優秀すぎるのよね。
というか軽減倍率の低いのって普通に残像前提の話であるし」
静葉「それはさておきここで話す内容もそんなにないし、カンガルーのスペックでも貼っておこうかしらね」
ワールドマップ(幽寂ノ孤島)特殊FOE うろつく跳獣
レベル35 HP6396 属性全般弱点/即死耐性、麻痺・盲目に弱い
ジェットアッパー(腕) 近接壊攻撃
ブーメランフック(腕) 近接一列壊攻撃
バックスマッシュ(腕) 近接拡散壊攻撃、後列を優先して狙う
レティ「いっそすがすがしいくらい殴ってしか来ないのね」
静葉「そこもいつも通りのカンガルーね。
腕封じに対しても耐性は全く持ってないから、アームスナイプやアームブレイク、あるいは盲目から霊封腕斬とかで積極的に狙うといいわね。
ついでに3nターンはバックスマッシュ確定だから、3nターンは後列防御…させてもたいてい耐えられないからその時だけ前後列入れ替えて対処するといいわね。
ちなみにこいつの素材だけど、ブーメランフックが使えて火力も優秀な拳甲と、MDFは紙だけどSTR補正のある強力な盾の素材になるから、早めに抑えておければ便利よ」
…
…
「ああ、私は確かに、見てはいる…ただ、どこへ向かおうとしているのか、それはあくまで想像の範疇を出ない」
優男にも見えるその青年は、食欲をそそる香りを孕む湯気を湛える鍋をゆっくりかき回しながら、心なしか真剣な面持ちで告げる。
つぐみも知らない顔ではない。
テトラやユルールの協力者として、異界から参戦する「アルマムーン国」…その将軍達の中でも、王国前将軍として「三大天」に名を連ねる男、それが目の前の青年、アポロン。
抜群のルックスと、立て板に水を流すかのような弁舌を武器に、女性と見れば老若問わず口説かずには居られない女好きという悪癖ばかりが先行するため、特に美結などは蛇蝎の如く忌み嫌い、また同じアルマムーンの将軍達からも…特に彼が執心しているという王国後将軍ヘスティア、そしてその心腹の友人であるミルフィーユを筆頭に、多くの女性将軍から眉をひそめられ、忌避されるこの男であるが…この時の彼は、まるでかごめにも匹敵するだろう、強大なプレッシャーをもって一行の眼前に鎮座している。
年齢が近いこともあって、現在は樹海探索の情報をやり取りすることも多くなったフェデリーニからも、彼がアルマムーン軍でも1、2を争うほどの武芸と武勲の持ち主であり、完熟軍との戦時においてはその迅速にして冷酷、かつ華麗な戦い振りで軍に重きを成したと聞いても…話したフェデリーニ自身も…半信半疑で受け止めていたその事実を、つぐみは思い知ることになる。
目の前に居たのは、女好きの優男としてのアポロンではない。
その敵はおろか味方からも「冷たき陽光」と恐れられた歴戦の驍将が、そこに居る。
「恐らく、彼女らは私の想像もつかないような…否、私だからこそ解るような、輩の血を流し合う悲惨な戦場へ赴こうとしている。
私が知る、この先の迷宮世界とは似て非なる異界だ。
…君達の事情は知らないが…私個人としては、ここで大人しく引き下がるべきだと思っているよ。
うら若き乙女が、行ってよい場所ではない」
鋭く、刺すような眼光で、彼は努めて諭すように…少女達へ告げる。
とはいえ…彼もそう言いながら、本心ではわかっていたのだろう。
それだけ、彼らとの付き合いもそれなりに長いものであるからだ。
その予感を裏切ることなく、己の意思を今一度確かめるようにして、瞠目し息を整えた後につぐみは、はっきりと返す。
「引くという選択肢は、私たちにありません。
どのみちこの先の道なんて、手探りでいかなければならないことに変わりないんですから。
…妨げるものがあれば、何人であろうと踏み砕いて進むだけです」
両者の間に一瞬、緊迫した空気が流れ…そして歴戦の美将軍は、深くため息を吐くと、その表情を緩める。
「竜の子も、また小さき竜というわけか。
私が彼女を見かけたのも、すでに数日も前。今頃はすでに、この先にあるだろう「海の一族」の陣にいるか、あるいは、その先。
…ここからまだ道のりも長い。良かったら、ここで少し休んでいくといい」
そうして、彼は出来上がったばかりのスープを椀にうつすと、それを差し出してきた。
つぐみはため息を吐いて仲間たちを見回し…そしてその申し出を受け入れ、ひと時の休息を得ることとした。
…
数日前。
その空中庭園の先につながる森を、かごめたちは地図を片手に進んでいた。
留守居役の水兵はてゐの口利きでかごめたちの滞在を承諾したものの、合流に関しては「王女がいないのであれば、自分に判断はしかねる」と難渋を示し、業を煮やしたかごめは自ら連れ戻すと宣言して、てゐが拵えたばかりの地図をひったくるように持ち出すと、王女が今もいる「古跡ノ樹海」へ乗り込んだ。
彼女と行動を共にするのは「雨虎」の面々に、るりの代わりとして紫を加えている…「人質必要でしょ」という建前で、面倒くさがって同行を渋ったるりの代わりである。
「水兵共も巫山戯てやがるが、あの綿飴頭もマジで大概な性格してやがるな相変わらず。
あとこの蝙蝠」
うんざりしたように吐き捨て、血糊を魔力で焼き落として刀を納めるかごめの足元には、その翼長だけでも彼女の背丈を優に超えるサイズの、深紅の巨大蝙蝠が無残な屍をさらしていた。
そして、いずこからその蝙蝠と同種の魔物のものと思われる金切り声が響いてくる。
「ほんとよね。
るりちゃん昔っからあんな性格だったかしら…それよりも」
こちらもうんざりしたように、あまたの魔物の血を吸いこんできた戦鎚を軽々担ぎ直して葉菜が相槌を打つ。
「成り行き任せでこうしてのこのこついてきて今更だけど、実際こんなことして後はどうするつもりよ。
今度はいったい何をしでかそうっていうのよ」
「そうね、私もあまりそのあたり理解しきれてる自信はないわ。
てゐの話を信じるなら、水兵たちや「航海女王」当人はもとより…てゐ自身「レムリアの秘宝」に関する全容をつかんでいるわけではないと思うのだけど」
眉を顰める紫。
近づきつつある蝙蝠の羽音をBGMに、かごめは緊迫感のない様子で肩を竦める。
「それが実はな。
意外なところから真相につながる資料が出てきやがってな。
あと紫、それギャグで言ってるにしちゃタチ悪くないか…てーさんは知ってんだよ、レムリアの秘宝がどんなものであるか。
無論」
かごめは言葉を遮ることなく、振り向きざまに後方へ白刃を走らせる。
抜刀は当然として、納刀の瞬間まで見えぬ居合斬りの一撃を受けた蝙蝠は、精神を狂わせる音波を放つその体制のまま空中で真っ二つに切り裂かれた。
「このあたしもな。
そして、その「ふざけた超古代兵器」の封印を解こうとこそこそしてやがる、ふざけた野郎がいる。
その再封印…あるいは、完全破壊のために、現在の封印たる「すべての霊堂の磁軸」を開放する」
絶句する一同。
「古代兵器、ですって…?」
「なんでえマジで知らねえと思ってたのか。
まあ、あたしも魔理沙から聞いて最初耳を疑ったが…ダンフォード爺の話じゃあ、霊薬精製してた時ハイラガ公宮の禁書庫にカンヅメっていうか、自分から大量の食糧持ち込んでソクシンブツ・オフィスみたいにしやがって、薬効成分の抽出にえらく時間かかったらしくて粗方書庫の中身を完読したとかほざいてたらしい。
そのコソ泥魔法使い自身も、タルシスの禁書庫でそれに類する記録を見た、とかぬかしてたからな」
「じゃあ…まさか、繁栄って」
「その認識で正しいと思うよ。
…これから会おうという「航海王女」とやらは、若くて向こう見ずながら、多くの言語を操り記憶力抜群とかいうイカレたチート級の脳みそと、アホかってぐらいの幸運を武器に世界を渡り歩いてきたとんでもねえ野郎だそうだ。
てーさんはうまくごまかしているようだが、それもいつまでもつことか」
佐祐理に返しながら、かごめは目の端…草むらの陰から何かがちらちらと出ているのに気づいていた。
眉根を寄せながら、一同は小声で話し始める…。
♪BGM 「とぼけた仲間達」/立山秋航(「けものフレンズ」より)♪
「ねえ、かごめちゃんあれ」
「スカートの端っこ…みたいよね」
葉菜とアンナが、小さく指さしながらひそひそ話す。
「冒険者にしては、お粗末な隠れ方だわね。
駆け出しのファーマーでももう少しうまくやると思うわ」
紫も額を抑えるのに、かごめを除く三人も同意を示すかのように苦笑しながらうなづく。
「まーだカリスのやつのほうが冒険者らしくはあるわな。
おい、そこに隠れているスットコドッコイ、取って食いやしねえから出てこいコノヤロウ」
かごめは心底うんざりしたような表情で、アワレな蝙蝠から無理やりもぎ取った翼骨の一部を茂みに向けて放り投げる。
そこで何かに跳ね返り、少女のものらしい短い悲鳴がした次の瞬間、茂みの中から一人の少女が怒声と共に飛び出してきた。
「何してくれてんのよこのー!!!><
…ハッ!?
しし、しまった魔物とかいろいろから目を避けるために偽装してたのにッ!?∑( ̄□ ̄;)」
顔立ちや場違いなまでに明るく甲高い声こそ、幼さの残る少女のものであったが…そこそこ鍛えられているだろうことが窺える重厚な兜と、先に見た水兵達の物よりも頑丈かつ精緻な装飾を施された帷子を身につけながら、これ見よがしに開け放たれた胸元は豊満と言うべき形容がしっくりくるだろう。
見た目からしてまさしく「航海王女」としか喩えようのない風体のその少女は、驚きを通り越して唖然としているかごめ達を見回して、そして何かに気づいたように後ずさる。
「あ、あなたたち誰っ!?
ハッ!? さては水兵達が話していたマギニアの連中ね!!
最近なんかハイ・ラガードやタルシスで「生きる伝説」と称された「狐尾」の本隊が仲間をふん縛りに来たとか聴いたけどまさか!!」
「あーいやまあ、確かにあたし達がその「狐尾」の本隊なんだけど」
呆れ顔のかごめがそこまで言いかけたところで、少女は水兵用のそれなりに軽めとはいえ、鎧具足フル装備の重量を感じさせぬ跳躍で距離を取る。
かごめがわずかに感心したように溜息を吐くのが速いか、少女はものすごい勢いで一方的にまくし立ててくる。
「クッ、流石は全世界にその名を轟かせる「狐尾」の中核部隊と関心が鬼なるけどそれほどでもなかったわ!!
よくぞこの私…人呼んで「航海女王」のこの私が、此処に隠れていることを見破ったと褒めてあげる!!
だけど、捕まるわけにはいかないわよーッ!!><」
言うや否や、自らを「航海女王」と称した少女は踵を返して脱兎の如くその場を駆け去って行く。
あまりの出来事にかごめは元より、誰もが呆気にとられていたが…。
「追わなくていいの、かごめさん?」
「いやまあ…流石にあたしも何をどう言って良いのかコメントしづらいと申しますか。
そりゃあ、追っかけるつもりではあるけど」
参ったねえ、と独りごちながら、彼女が先頭を歩き出すと他のメンバーも釈然としない様子で後に続いていく。
…
…
レティ「まあ終始この調子だから本当に参っちゃうわね、この子。
アーテリンデも実際かなり手を焼いているというか」
静葉「雇われ冒険者というか護衛身分であることを差し引いても、相当振り回されてることは確かよね。
とりあえず、彼女のことに触れる前にちゃっちゃと第七迷宮の話、進めて行きましょうか」
静葉「第七迷宮は見ての通り、SQ2及びSSQ2の第一迷宮「古跡ノ樹海」ね。
第六迷宮が2の第四階層なのに、次の迷宮がその最初の迷宮というこの構成はなんというか」
レティ「第六迷宮で後半の階層出てきたから一気に終盤か?と思ったけどそんなことはなかったわねっていう。
何せ出てくる迷宮が逆なもんだから、本来ならマッドキャタピラよりも弱いはずなのにクロウラーのほうが上位種になってしまっているという」
静葉「ラフレシアは居ないけどそれ以外は概ね出てくる顔ぶれ一緒ではあるわね。
針ネズミ、ひっかきモグラ、森マイマイ、ワイルドウィング、キューブゼラチン、マイマイダイオウ、クロウラー、んでもっておなじみ毒吹きアゲハとSSQ2から続投のニチリンソウといった顔ぶれよ」
レティ「花びらよりもアゲハのほうが後とはいえ、しっかり出てきやがったわね。
ダイオウは相変わらず森マイマイ呼びつけて連携してくるし、ワイルドウィングは貫通、モグラは拡散攻撃。ゼラチンはショックスパークのカモかと思ったらさっさと倒せば全体強化のいらんバフ撒きやがるしで」
静葉「そのゼラチンを眠り状態で撃破する素材が今回のアムリタ素材だから、含針や催眠方陣のカモよ。
マイマイダイオウの合体技は、先にイビルフィッシュが居やがるせいなのか内容が全然変わってるわね。
全体に高確率の眠り付与「マイマイマーチ」を使ってくるわ。
で、ダイオウも森マイマイもここまで来ればそこそこ攻撃が痛いから」
レティ「今気づいたけど今回の花びら枠とか言わないわよねこいつら?」
静葉「今回の全体眠り枠が危険な花びらだけだと、お前はいつから錯覚していた?(キリッ」
レティ「やめれ(真顔
ニチリンソウは相変わらず溜めからの全体火力…なんだけど、流石にこの頃まで来れば3色ガードくらいは取れてるでしょうし」
静葉「轟音弾がなくても単体ならガードのカモよね。
大体2体セットで出てくることを除けば」
レティ「もう何を言えば良いのか。
あとかごめ達の相手にしてたコウモリ、今回はなんか無限沸きするらしいのよね。
その分HPも火力も大したことない、挙句素材から出来る殴り棍棒と靴が非常に優秀なのよね」
静葉「嗅ぎまわる大飛鼠ね。
HP1200強、混乱付与の超音波と、HP吸収攻撃の吸血が面倒だけど、突雷弱点で特に目立った耐性もないから到達時点でも普通に勝てる相手ね。
経験値もかなり持ってるから、レベル足りないと思ったら時間の許す限り乱獲していいわね。
あとはいつもの恐竜よ、黒いのは居ないけど」
レティ「例によってかごめ達が速攻で狩ってたみたいだけど、この時連れ回した紫がスキル振りだけしててなんの装備も一切してないという有様で」
静葉「マヌケにも狐野郎は、やけにゆかりん被ダメでかいなあと思いつつ戦闘終了時まで紫が全裸状態だと気づかなかったらしいわ。
実際に何も装備してなくても、防御の号令だけでそれなりに生き残れるというのがまたとんでもないというかなんというか」
レティ「補正倍率優秀ですもんね。
ここではなんか条件ドロップも成立させてるみたいだけど、条件なんなの?」
静葉「斬属性撃破」
レティ「ああ、かごめが雑に兜割してるだけで満たせるわねそれ」
静葉「条件ドロップも麻痺付与付き剣の素材…しかも第九迷宮まで使える強力な剣の素材だけど、こいつも通常素材がAGI補正付きの軽鎧の素材になるという乱獲案件よ。
一応行動補正付き銃の素材にもなるけど、狐野郎のことだから「知るかバカ!そんなことより軽鎧だ!」って勢いで、恐竜を見つけたら片っ端から狩りまくってキュイラッサー(軽鎧)に替えたらしいわ」
レティ「うんまあ行動として間違っては居ないんだけどさそれ。
実際攻撃力は高くて麻痺付与つきの拡散攻撃してくる、防御ダウンのデバフは撒いてくるとかなり厄介な相手ではあるわね」
静葉「つぐみ達でも基本的に明夜君が雑に凍砕斬ぶっぱしてれば一方的に終わる説」
レティ「うんまあ知ってた(真顔」
静葉「挙句やっぱり落とし穴トラップも存在してるし、誘導して落とせばHPは削れる脚封じはかかってるバック取りやすいと然程レベルのわりに強くないというか。
で、早々に話はしちゃうけどボスは勿論キマイラ…なんだけど、実は今回のキマイラが居る部屋は落とし穴がないわ。
イベントがあって即座に戦闘開始、しかも時間掛けるとコウモリが乱入してくるというおまけつき」
レティ「あ、もしかしてSSQ2のハルピュイアが地味にシャインバード呼びやがるの、今回はキマイラがやんの?」
静葉「そういうことね。
というわけで、キマイラのデータよ」
古跡ノ樹海ボス キマイラ
レベル45 HP18568 氷弱点/即死無効、石化・毒耐性、眠り・脚封じに弱い
スネークパイル(脚) 貫通突攻撃、毒を付与
劫火(頭) 全体遠隔炎攻撃
双連撃(腕) ランダム2回近接斬攻撃
威圧の咆哮(頭) 全体に4ターンの間、物理防御力ダウンを付与
乱邪撃(腕) ランダム3~7回近接斬攻撃、呪いを付与
※ターン終了時に「こだまする唸り」を使用し、マップ上のFOE嗅ぎまわる大飛鼠を追尾状態にし、移動スピードを加速させる。
レティ「あら、無制限ランダムヒット技追加されてて地味に強くなってるわねこいつ」
静葉「行動パターンも緩く決まっているようだし、詳しくはwikiを見てもらえば良いと思うけど…簡単に纏めると最初は通常攻撃かスネークパイル、90%以下で双連撃が解禁されて、双連撃を最初に使った3ターン後に威圧の咆哮を使うわ。
以後、使用して6ターン経過するごとに威圧の咆哮を確定使用する」
レティ「逆に言えば、威圧の咆哮を使い始めれば6ターンおきに相手の攻撃が止まるわけね」
静葉「そう考えてもいいかしらね。
75%になると劫火、50%になると乱邪撃を確定使用して以降のパターンに混じりはじめる。
緩くパターン決まっているみたいだけどランダム要素多くて、なおかつひっきりなしに双連撃を連打してくるみたいよ。
ただ通常攻撃の直後は50%切るまでは劫火、25%切るまでは乱邪撃確定みたいね。
HP25%切ると一回双連撃使って、以降はスネークパイル、劫火、乱邪撃のどれかだけをランダムでぶっぱしてくる殺戮モードになるわ」
レティ「えーっ確定行動あったのこいつ?
普通にゴリ押しして押し切ったんだけど私達」
静葉「リリカにてゐまで居て何脳筋戦法で突破してるのよあんた達。
まあ、かごめ達もスキル見る限り大差は無いけど」
レティ「あれっ、地味にかごめの上段マスターしてないけど」
静葉「実は構えマスターして何が変わるかって、戦闘開始時に構えたときの持続ターンが1ターン伸びるだけよ。
重要なのは構えの始動技、こいつをマスターすることで使用後の構えターンが大幅に伸びる」
レティ「あー、それで逆袈裟を」
静葉「クリティカルダメージも絡むから、空刃ほどじゃないけどそれなりのコスパでそれなりの火力が出るからね。
そしてもう物攻に果し合い極めてるからこいつが凄まじい火力を叩きだしてくれるわ」
レティ「誰がどう見ても一目でメインアタッカーだとわかるあたり流石としか。
紫はなんかさっさとエクスチェンジ振り切ってるみたいだけど」
静葉「これがまたマスターでTP回復量ががっつり増えるのよね。
葉菜は攻撃技を切ってるけど、結構手も空いてたしバフ解除目的で振っていいかなっていう」
レティ「号令撒いてガードしてるだけでもかなり安定感があるわね。
良くも悪しくも手堅い感じがするわ」
静葉「面白味がないのは間違いないわね、確かに。
実際にあっさりしたもんよ、防御の号令にヒールデジャブのラインヒールまで絡んでてさらに紫がエクスチェンジ握ってるし。
攻撃もかごめのクリティカル空刃とアンナの圧縮氷で大体1600程度たたき出せるもんだから」
レティ「乱邪撃は」
静葉「付与率低いらしくて誰も呪い喰らってないわね」
レティ「それも酷いわね」
静葉「というわけで解説だけなら一気に第七迷宮まで終了、いよいよ第八迷宮…といいたいところだけど、次回は小迷宮の話に触れながら茶番のほうを進めるわよ。
「航海女王」エンリーカももちろんだけど、リリカがいきなり混じりはじめた切欠だの、あの子達の話もしなきゃだの」
レティ「狐野郎はどこかに早苗もねじ込みたがってるけどどうするつもりかしら」
静葉「退場させる候補も居ないわけではないらしいけどねえ。
まあ、出てきても出てこなくてもとりあえずはっていう感じかしら。
むしろ終点がどこになるかもまだ考えてないというかそれどころじゃないというか」
レティ「裏ボスなんて攻略するまで気力持つのかしら」
静葉「同時進行しているアルカディアの話も良い具合に話が動き出してるからそこはおいおい。
というわけで、今回は引くわよ」
…
…
一舞達がその森の最深部で見たのは、信じがたいものであった。
道中にも、然程時間の経っていない恐竜の死骸や、皮膜の切り取られたおびただしい数の巨大コウモリの亡骸が散乱し…その下手人の予想も大凡つくだろうところだが、それでも、目の前にある光景は彼女らを絶句させるに足る、常軌を逸したものであった。
獅子と山羊の頭を持つ異形の怪物、今なおその尾から滴る毒で周囲の大地を腐らせ続け、またそれが故かほとんど腐敗も進んでいない巨躯が、まるでモズの早贄の如く、一本の木に串刺しにされている。
「なに…あれ」
呆然と呟く一舞でなくとも、わけがわからぬのも無理はないだろう。
だが、魔理沙は最早うんざりしたようにして、肩を竦めて吐き捨てる。
「キマイラだな、ありゃあ。
そして、こういうことをしでかせるヤツなんて…いや、こういうわけわからんことをやらかすヤツなんて一人しか居ねえだろどう考えても」
「どっからどーみても閣下の仕業なのだ…ほんとーにありがとうございましためう」
引きつった笑みのめうがそれに相槌を打つように呟く。
咲子に至っては言葉も出ないと言った様子だ。
「本来ならこいつが、この森の主と言える魔物なんだろうけどな。
無駄だと悟ったのか…かごめがなんの妨害も受けてねえのなら、こんぐらいのことは朝飯前なんだろう。
…なあ、お前ら。
私達を襲うなら、ここで呆気にとられてる隙を狙うつもりだったんだろう?」
その言葉が終わりきらぬうち、魔理沙は銃口を背後の一舞に…否、さらにその背後に広がる鬱蒼とした茂みへ向ける。
一舞がぎょっとして振り返った瞬間、大地に方陣の光が奔り、その影響を受ける直前に魔理沙、めう、そして赤黒い瘴気を纏う咲子が方陣の外へ飛び出す!
青白い方陣の光を受けて強烈な眠気に襲われる一舞だが、魔理沙の放った
その穂先に刃を備える、槍とも杖ともつかぬ武器…ハイ・ラガードに居た
攻撃を防がれ、飛びのくその人影を…その「少女」の姿をはっきりと視界に収め…一舞は再び言葉を失う。
「さっすがいぶき、やるじゃん。
時間の流れが一年分違うとなると、あんたのほうがやっぱり経験値的には上になるんだもんね。
とーぜんの結果か」
黒い魔女帽を目深に被る…タルシスの医術師服を身に纏う赤髪の少女。
その声は、彼女がよく知る、そしてここに居るはずもない存在。
「うそ…でしょ。
なんで、なんで…!」
戦慄くように呟くと同時に、足下の方陣が力を失い…そして、それを回復の魔力へ変換されていくのと同時に、もう一人見覚えのある青い髪の少女が姿を現す。
「みんな…やっぱりすごい…ぱちぱち」
小脇に、己の背丈と同じぐらいある杖を掲げ…樹海を歩き回るには心許ないローブ一枚身に纏うその少女が、魔女帽の少女と並ぶと、赤髪の少女が魔女帽を取り払って相方にかぶせ、この場の全員が記憶する、勝ち気な笑みを浮かべている。
「んま、ひとつ間違いだって言っといてあげるよ。
このキマイラをぶちのめしたのは、かごめさんじゃなくて、あたし達「ここなつ」だってことをね。にゃははっ♪」