「リリカ…さん?」
つぐみは恐る恐る、彼女の名を呼ぶ。
舞い上がる妖鳥の羽の中に佇む、特徴的なプラチナブロンド髪を持つその少女は答えず…その肩に何時の間にか止まっていた一羽の小鳥が、舞い踊る羽の一枚をくちばしに捉えていた。
その羽は、鮮やかな虹色の光を放ち、そして。
-あー、あー。
良かった、声だけは戻ったよ-
成り行きを見守るだけの少女達は、小鳥が放った声に再び驚愕し、言葉を失う。
その声も、聞き覚えのあるものだったからだ。
それに、その小鳥の姿もよくよく見れば非常に奇妙なものだった。
雀のように見えるが、それよりも一回りほど大きく、なおかつ深い赤紫の羽毛、さらには帽子のようなモノすら身につけている。
その特徴的な帽子は、少女達の記憶にある「妖怪」が被っていたモノと同じ意匠…!
リリカはその小鳥に対して頷くと、踵を返してその場から立ち去ろうとする。
「待って!
どういうことなのこれ!?
それに、あなたはかごめさん達と一緒に行ったんじゃ」
まり花の呼び止める声に、彼女は足を止める。
そして、振り返ることなく彼女は答える。
「今この島で起きていることの、ほんの一部だよ。
かごめさんも知ってるんだ、このことを。
だから…本当はあまり巻き添えを作りたくはない」
再び羽は舞い上がり、桜吹雪と混じりながらその姿を覆い隠していく。
「それでも、知りたいなら…その覚悟があるのなら、この先の沖にある迷宮「海嶺ノ水林」に答えがあるよ。
私は、私自身の落とし前を付けに行かなきゃならないから」
~新・狐尾幻想樹海紀行X~
その17 海嶺へ
折しも全員が揃ったマギニア「郊外」にある、つぐみ達の飛空挺「ν-キツネノボタン」。
面食らったことは確かだが、興奮し話を妨害しかねないテンションになったまり花を実力行使で沈黙させ、今だ気持ちの整理がつかない一舞を休ませながら…つぐみは「ここなつ」の合流を受け入れ、夏陽や魔理沙、風雅など一部メンバーを交えて情報の共有を図っていた。
「ううん、リリカさんは来てない。
そもそも「海の一族」のキャンプへ来ていた主要メンバーは因幡てゐ、黒谷ヤマメ、レティ=ホワイトロックの三人だけ。
あの秋神様とかその一党が居た話は聞いてるけど、少なくともあたしたちは見ていないわ」
夏陽は肩を竦め、つぐみも「そう」とだけ答える。
「リリカが連れてたのがミスティアだというなら、今消息不明になってるチルノやこいしなんかも、魔力を失ってなんか別の姿になってる可能性もあるってか。
そこのしゃべれないカラス同様に…いてっ、この野郎何しやがる」
翠里の肩に乗っていたカラスのくちばしによる一撃を受け、魔理沙がカラスに拳を振るおうとすればカラスは翼を広げて応戦の構えを取る。
それを宥めながら、翠里は己の考えを述べる。
「ミスティアさんは、ハルピュイアの羽から自分の声を取り戻した…って言うことでいいんすよね。
ってことは、この先の迷宮に出てくる強力な魔物の中に、文さんのチカラを持ってる奴が居るかも知れない…という可能性もあるっすか」
「それに、そのリリカさんだが…チルノとの戦いに敗れてつい先日まで動くことすらままならなかったはず。
彼女のチカラは、そもそも本調子なんだろうか?」
つぐみは風雅の言葉に頷く。
「解りにくいところなんだよね、本音を言うと。
リリカさんに関しては、正直未知数なところが多過ぎる…あのひとが本気で戦ったところは何度か見ているはずなんだけど、比較対象がそもそも規格外だったりで」
「だよな。
私もタルシスの神樹とか、ムラサだの魔界神だのとやり合ってたのは見てたけど、あいつの全力に関しては見当もつかないぜ。
事実として解ってるのは…少なくともあいつが今持ってるって言われる能力ってのは、幻想郷の大賢者・八雲紫をして『神の御業』に等しいといわしめたなんかだ。
それを失っていたとしても、しかも出合い頭とはいえ、病み上がりでハルピュイアを一撃。かごめなら理解はできるが」
その言葉を受けて、カラス…射命丸文も同意するかのようにタブレットに文字を走らせる。
-そうね。
そんな状態で、ほぼ単独で樹海をうろつき回れている時点で尋常な話ではない。
やむを得ずそうしているのか、何らかの考えあってのことか-
「それもかごめの想定内なのかどうなのかもわかんねーしな。
霊夢も言ってたんだよなー。
あんなバケモノが、無害なチンドン屋の顔して人里をほっつき歩いてるとかありえないって…その気を起こされたら、とっくの昔に幻想郷なんてなくなってる、ってな。
八雲藍だのユーリ・レイクウッドだのと言った並み居る古株を抑えての魔性貴種筆頭、最も真祖に近い妖怪。
その肩書は飾りじゃねえってか」
「頭の片隅に置いておくに越したことはないけど、今は解る事だけを整理しておいた方がいいかもね。
リリカさんは水林に答えがあるといっていた。
そこには、今起きていることの真相に繋がるものがある」
「それがかごめ達の差し金かどうかはわからんが、その水林の入り口は「海の一族」のベースキャンプ近くにあるってのも解ってることだよな。
そこもこの大陸に点在する迷宮のひとつだってんなら、そこの魔物どもを相手する準備もいると思うが」
魔理沙の視線を受けて、夏陽は頷く。
「あの一族、というよりもエンリーカ王女が、あの水林の魔物を手懐ける手段を持ってるらしいのよ。
だからあの迷宮は、一族が探索しているエリア「飛泉ノ水島」で発見した様々な遺品や資料を隠している資料庫の役割も持っているわ。
最近、何者かの侵入があったこともあって、警戒が強化されてるけど」
「海の一族の奴らが紅魔の居眠り門番みたいに、すんなりそこ通してくれるようなら何の苦労もしなくていいんだけどな。
あのヴァイキング連中の気を惹く囮役とか、そういうのも必要になるか」
「それについては、マギニアに兵を出してもらう…という手がなくもないぞ」
そこへ…ノクスを伴い、キバガミが姿を見せる。
結局探索行の理不尽さに匙を投げた塵や椛を送り返しに行くついでに、数人の助力を取り付ける交渉をしに言っていた帰りなのだろう。
「マギニア司令部においても、水島の探索を許可された冒険者や衛兵調査団と、海の一族の調査団との衝突事案が相次いでいることの対策に頭を悩ませておる。
ミュラー殿の話では、会議により示威と囮の目的であえて「水島」で衛兵部隊の大々的な軍事演習を行う計画が立てられているという…それに併せれば、件の迷宮への侵入も行いやすくなるのではないかという見立てだが、浅慮だろうか?」
「海の一族って奴らが夏陽の言うように、脳筋の⑨しかいないところに小利口な姫がいるっていうだけなら、引っかかってくれるかもしれねーな。
だが…かごめだのてゐだの諏訪子だの、悪知恵働きそうな連中があんだけ居てそれをスルーしてくるもんかね?」
「そこは、心配ないはずよ。
あの連中、基本的に余所者のいうことに耳は貸さないわ。
それに…あまり妙なことを吹き込みすぎて王女がヘンな気起こさないことも防がなきゃならないから、基本的にはその辺りノータッチよ。
ただ」
夏陽はつぐみに視線を送る。
つぐみは嘆息し、一拍置いてから頷いた。
「お母さん達が独自に動いて、私達の侵入を織り込み済で待ち構えている可能性は高いね。
キバガミさん、連れてこれたひとって誰がいるの?」
「事情あって丘を離れられぬ幽香殿に代わり、リグル殿が今回の件に協力を申し出てくれた。
今は司令部へ手続きに行っておる故席を外してはおるが…とりあえずは、彼女だけだ」
「リグルかーあいつも最近はよくわからんのだよなー。
なんか練習試合で白玉楼のみょん吉を瞬殺したとかそんなウワサも聞くんだけど」
「それ真実だと思うよ、幽々子さんが言ってたから。
今のリグルさんでも相性的にお母さんの相手は厳しいけど、ぶつけられる相手はいる…本格的な前面衝突に備えて、打つべき手はすべて打つだけだよ。
キバガミさん、例のものは?」
おお、とキバガミは何か思い出したかのように、探索用の袋からひとつの書物を取りだして示す。
ほとんどのものがその意味するところも解らず、眉をひそめる一方…魔理沙はその見覚えある書物に目を見開く。
「こいつは…「双牙武典」か!?
そういえばレムリアではグリモアがチカラを発揮しねえし、基本的にはそのクラス固有の能力しか発揮できねえけど」
「サブクラスの付与なら、戦い方に幅を持たせられると思ってね。
キバガミさん、メディックの技能は」
「問題なく使えるようだ。
残念ながらモノノフの技は使えぬが、代わりに今の拙者はメインで海都の将軍の技能を身につけておる」
「サブクラスが使えるなら多少はマシか。
向こうも承知の上かも知れんが」
「あーすいませんちょっと質問なんすけど」
魔理沙の言葉を割って翠里が手を挙げる。
「サブクラス、というのはいったいなんなんすか?
皆さんはなんか御存じのようですが」
「ああ…そういえばハイ・ラガードとかにはなかったもんなそれ。
タルシスにはそういうのがあんだよ。
文字通り、メインのクラスに別のクラスの能力を付与させる「技術」だな。
ブロントさん風にいえば「サポートジョブ」みてーなもんだな」
「そんなこととかできんの!?」
目を丸くする夏陽。
魔理沙は肩を竦めて続ける。
「しつきようだがあくまで「サブ」だから、付与された方は十全に習得できるわけじゃないけどな。
キバガミのいう海都というか、アーモロードの世界樹にはもっと完璧な付与技術もかつてあったらしいけど」
「あくまで個々の能力に手を加えて戦術の幅を広げるためのものでしかないから、過信はしないでね。
キバガミさん、あと魔理沙さんも他の子達も集めてその説明をお願いしたいんだけど」
「心得た」
二人は頷くと、部屋を後にする…。
…
♪BGM 「ロンロンヘ ライライライ!」/ここなつ♪
夏陽「というわけでー、まだいぶきも復活してこないしここいらで少しこれまでの話をいろいろ教えてもらいたいなーって」
つぐみ「この流れちょっと強引すぎない?(呆」
翠里「まあ良いじゃないすか、この辺結構駆け足しまくってたからスルーしてきたネタも結構ありましたし(メモ帳」
夏陽「そもそもサブクラスにしたって、本来なら第八迷宮の解説の方が先じゃん。
第八迷宮は次回から触れてくわけだけど」
翠里「ついでにいえば双牙武典じゃなくて、今回のキーアイテムは「皆伝の書」とかいうどっかのFFのアクセサリーみたいな名前っす」
つぐみ「何そこ勝手にメタい話してんの」
翠里「まずは第五迷宮の時に少し触れてたスライムのクエストっすね。
クエスト「ぶよぶよしたのにご用心」は、B3F上り階段付近でなんかスライムっぽいのが悪さしてるから討伐してこい、って内容のクエストっす。
スーサードウーズとかいう紅いスライムと戦うクエストで、こいつは最初のターン終了時にフーサイドウーズを3体召喚します」
夏陽「よく見ると自分のパチモンを呼んできてるだけで、分裂して増えてるわけじゃないのね」
翠里「スーサイドはHP677、フーサイドはHP241しかなくて耐性も一緒。
炎攻撃を仕掛けてくる氷弱点、そしてお約束の物理耐性ですがまあ…ショックスパークで一掃したほうが早いといういつもの」
夏陽「大正義ショックスパークですねわかります(真顔
時期的に入れる手段は限られてはいるけど、普通に即死も通るみたいだし」
翠里「炎攻撃も然程痛くないし、ファイアガードはあれば勿論楽っすけど特別必要でも無いっす。楽勝っすね
つぐみ「一応そいつらとやり合ったの私達なんだけど、その辺はもうナチュラルにスルーしてくのね(真顔」
翠里「第五迷宮のクエストにはあとアレっすね、大量の花びらと戦わされるクエスト「危険な花畑」と、5にもいたでかでかターキーと戦わされる「可愛い顔した憎いやつ」がありますね。
ターキーはもう普通にまんまるターキーのでっかいのと戦うだけですが、後列にいるターキーの防御バフ、でかいターキーの攻撃バフが合わさって地味にめんどくさい連中でした」
夏陽「即死が良く通るから、ハイランダーがいればブレインレンドでも撃ちたくなるけど、突弱点だから即死以前に普通に突き殺して終わり、みたいなオチも多数と(真顔」
翠里「そこは触れちゃいけないお約束ってやつっす。
そもそもブレインレンド、即死付与率がさほどでもないと言いますか」
夏陽「ハイ・ラガードの時にも似たような話を聞いた気がするわねえそういえば」
翠里「実は花びらと同時期ぐらいに解禁されてたんで、ターキーを狩った足で糸を使わず迷宮出ようとしたら花びらの大群に囲まれるというオチがありまして(露骨に目を逸らす」
つぐみ「なにやってんのあんたたち(真顔
補足になるけど、ターキーは基本的に通常エンカウント後に実質的な連戦になるし、戦闘前の選択肢を間違えると全員がダメージを受けた状態で戦闘開始になるよ。
そこはクワシルさんの話をヒントに、ターキーがどこからアンブッシュしてくるか予測すれば簡単に回避できるけど」
翠里「上から来るぞ!気をつけろ!!( ゚д゚ )」
夏陽「ネタふっる^^^
花びらはアレね、迷宮の入り口から特定の順番に移動すれば、キーアイテムである特殊火炎起動符が発動して戦闘せずに終了よね」
つぐみ「失敗すれば翠里達みたいに花びら4体から花びら6体と連戦する羽目になるけど、先手取ってブレイブワイドとかで瞬殺できるならむしろ戦った方が素材も稼げるというか…まあ眠らせられないリアルラックは必要だけど、失敗しても花びらを全滅させたことには変わらないから報酬も変わらないしね」
翠里「あとなんかタヌキを探してくるクエストを」
つぐみ「別にそれはどうでもいいと思う(真顔」
翠里「アッハイ」
つぐみ「第六、第七は特に何もない感じだし、あとはいつもの番外編っぽい感じで小迷宮の話だけ。
第七迷宮の攻略中に宿に泊まると、ロブがやってきて「カリスが居なくなったから探してくれ」って言ってくるよ。
そこで連れられていった先にあるのが小迷宮「桜花天空楼」、基本は第六迷宮と同じ浮橋移動する小迷宮なんだけど」
翠里「兎に角めちゃくちゃな難易度のパズルをやらされるんすよね。
あ、カリスさんは結構簡単に見つけられるっす。カリスさんの居るところまでの道のりはそんなに難しくないので」
つぐみ「ちなみにロブはNPCとして危機感知を持ってるみたいだけど、そもそも奇襲されることが稀だからありがたみはわかりにくいかもね。
美結ちゃん風にいえば「結局の所カケラも役に立たない」という結論になるのが悲しいところだけど」
翠里「そもそも第四迷宮以降のこの二人、ただのでこぼこコンビっすからねえ。
第五迷宮で遭遇したときにはノンキに焼き芋食べてたりしますし」
つぐみ「だいぶ先の話、第十迷宮でも冒険者がキャンプしてたらしき場所で、焼き芋が残ってたっていうイベントがあるんだけど、それも存外この二人の仕業だったんじゃないかなみたいなところはあるね。
ちなみにカリスがひとりでのりこめー^した理由なんだけど、「桜花天空楼には美しい花の魔物がいて、最近ロブに男らしくなったと言われたのがショックだったので美しさの秘訣を学ぼうと思った」とかいうツッコミどころしかない理由だったんだけど」
夏陽「その子のことよくは知らないけど、兎に角まりか級のアホだということはあたしにも理解できたわ(真顔
そのロブって奴、相当苦労してそうね」
翠里「そのときのロブさんの第一発言が「お前はバカか?」っすからねえ…気持ちはわかるっす。
そもそもこの小迷宮、基本は第六迷宮と同じ魔物が出るんすけど、限定モンスターとして登場するビッグモスが兎に角キレッキレなんすよねえ…」
夏陽「ハイ・ラガードでも立橋にいたわねそいつ」
つぐみ「第七迷宮どころか、第八迷宮の通常敵より強いというか…ほとんどFOEだよこいつ。
というか性能がほぼ、タルシス第二迷宮のFOE時代とほぼ一緒ぐらいじゃないかな。
全体混乱ぶち撒いてきてからランダム斬攻撃。しかもやたらいっぱい出てくるとか意味わかんない」
翠里「盲目の通りは良いけど、混乱対策しておかないとマジできついっすからね。
こいつの素材から作れる盾、MDF19とか書いてあるのに実際+16しかされてないという表記ミスがあるっす。
十分高性能っすけども」
夏陽「たまにこういうやたら強い通常敵出てくるとか、本当世界樹ってどうなってんのかしら。
で、道中がパズルってことはボスはそんなに強くないとかそんなことは」
つぐみ「ないです(真顔」
夏陽「でっすよねー(真顔
花の魔物、っていうと例えばサガフロ2のエッグ樹形態とか悪名高いしねー」
翠里「世界の合言葉は森(殺意)ですねわかります」
つぐみ「エッグの悪名はエインシェントカースの基本石化付与率120%とかいうクソゲーを強いられる石形態由来じゃないかなあ…まあそれはおいとこう、脱線しすぎだし。
桜花天空楼のボスはシリーズおなじみ、あるるんことアルルーナだね。
ビッグモスが頭おかしかっただけでなく、あるるん自体もかなりトチ狂ってるというか、この時期に戦闘可能になるボスとしてはあまりにも強すぎるよ。
まあもっとがっかりなことがあるんだけど」
夏陽「がっかり?
撃破してもうま味が少ないっていう感じ?」
翠里「そっすね、それは言えると思うっす。
まずはスペックから見ていきますか」
桜花天空楼ボス アルルーナ
レベル50 HP16978 氷・雷無効、炎弱点/即死無効、呪い・混乱・麻痺・頭封じ・腕封じ耐性
太古の呪粉(頭) 全体にランダムでひとつ状態異常を付与、6nターンに確定で使用する
フロストスマイル(頭) 遠隔貫通氷攻撃、スタンを付与
ライトニング(頭) 遠隔全体雷攻撃、頭封じを付与
テンタクルビート(脚) 4~6回ランダム近接壊攻撃
ヴァンパイアキス(頭) 単体無属性攻撃、与ダメージの2倍程度HP回復
夏陽「うえっ何こいつ、耐性多すぎない?
それに見た目草タイプなのに氷通らないって何事!?」
つぐみ「やってくることはフレイムサイとスパイダーリリィがない分は歴代のアルルーナよりは弱いかな(キリッ」
翠里「んまあ…本来ならもっと後半のクエストで出てくるようなボスっすからねこいつ^^;
一応緩く行動パターンが決まってるというか、恐らくは基本がSSQ2DLCクエストに出てきたのに近い感じっすね。
75%程度削るとライトニング、50%程度まで削るとヴァンパイアキスを解禁してくる感じっす。
で、6nにターン確定で太古の呪粉、と」
つぐみ「御存じの通りSSQ2までは石化は即死だったから、極めて低確率ながら呪粉で全員石化してオワタとかいう事もあったとかなかったとか」
夏陽「いぶきは何気にそれ知らないらしいのよね、あたしは裏話で先ずハイ・ラガードに行ったから知ってるけど」
翠里「そのせいなのかどうなのか、SSQ2の呪粉には石化付与がなかったとか言うのは聞きましたかねえ。
んまあ幼子や魔神の「踊り狂え」には石化も普通にあったそうっすけど」
つぐみ「そこで裏ボスを引き合いに出されても…。
一応毒や眠りは通る、耐性はあっても頭封じが入らなくもないし、脚と頭を封じてしまえばかなり楽だよ。
といっても、炎の倍率も然程高いわけじゃないからかなりの長期戦を強いられるけど」
翠里「挙句うちのPTメンは炎攻撃持ちいないっすからねえ。
挑んだのはカメレオン戦のメンバーに理事長を加えたメンバーになるっす」
夏陽「……あれっここだと理事長ってかごめさんのはずじゃ」
つぐみ「あー、最近面倒くさいっていう理由でジェイド君に投げた。
一応神様と共同で実権は握ってるらしいけど」
夏陽「それでいいのか日向美学園(真顔
その理事長君、クラスなんなの」
翠里「というよりも風雅さん以外はみんなクラスチェンジしてまして^^;」
夏陽「∑( ̄□ ̄;)異常通りづらい相手に対して何異常漬け戦略する気でいんのよあんた達!!
第二次ポエニ戦争の時のハンニバルかよ!!!><」
つぐみ「わかりにくい例えだなあ^^;」
美結メモ ハンニバル・バルカ
B.C247~B.C182(B.C183没説も在り)、「戦術の父」とも呼ばれる、古代貿易国家カルタゴが誇る最強の名将です。
カルタゴ・ノヴァ(現在のスペイン共和国カルタヘナ)で、第一次ポエニ戦争においてカルタゴ軍の名将として活躍したハミルカル・バルカの次男として誕生したハンニバルは、父から「ローマ滅ぼすべし」の洗の…もとい、将としての英才教育を受けて育ちます。幼くして、ローマとの戦いで父を、次いで二十六歳の時に後見人であった義兄を暗殺によって失った彼は、カルタゴ本国から半ば黙認される形でローマ侵攻へ乗り出します。
当時は第一次ポエニ戦争の結果、カルタゴは地中海の制海権を失っていましたが、ハンニバルはなんと手薄なアルプス山脈を踏破するルートを取ってローマ本国に突入。
ローマ本国と敵対するガリア人を味方に付け、B.C218年12月にはトレビアの戦いで、翌B.C217年6月にはトラシメヌス湖畔の戦いで、さらにB.C216年8月にはカンナエの戦いでそれぞれローマ軍に壊滅的なダメージを与えつつ、ローマ本国と同盟都市の関係を崩壊させる戦略を完遂するべく暴れ回ります。圧巻とも言えるカンナエの戦いは、五万の兵力でローマ最大級の動員数にあたる八万六千のうち六万を、当時のローマ執政官の25%にあたる人員諸共包囲殲滅するという、もうよくわけのわからないレベルの戦果を叩き出したそうで…この戦いの様子は現在の陸軍教本にも掲載されてまして、歴史ファンからは「包囲殲滅戦術の傑作」とまで称されるほどです。
しかしカンナエにおける大勝利で南イタリアの諸都市を味方に付けて以降は、「ローマの盾」ファビウスの持久戦略に苦しめられ、ハンニバルの活躍に乗じて重い腰を上げたカルタゴ軍も戦果が振るわなかったこともあって苦戦を繰り返し、カルタゴ本国に乗り込んできた大スキピオの軍に対応すべく帰国するもザマの戦いで大敗。カルタゴはローマから突きつけられた様々な敗戦責任を取らされるも、ここでカルタゴの実権を握ったハンニバルは強引な手法ながらも、意外にも高い政治手腕を発揮し、ローマに支払う賠償金を数年の改革の末に完済させてしまうという塩梅でした。これによって強く危機感を持ったローマの謀略により国を追われたハンニバルは、ローマからの追っ手を逃れるかのように亡命先を転々とし、最後には毒を呷って自殺したそうです。
夏陽さんが言わんとしてるの、第二次ポエニ戦争は十五年以上続きましたが、この間ハンニバルの軍団はカルタゴ本国からの補給は一切無い(というか補給線がなくて補給そのものができない)のに、ハンニバルが一体どうやって戦力を維持していたのかがまったく解っていないことだと思うんですけど、実はこれ世界戦史上最大のナゾのひとつなんです。
兎に角ローマにとっては歴史上最大最強の強敵と言って差し支えない人で、今でも「危機が迫っている」喩えとして「戸口にハンニバルが居た」とか、悪さをする子供をしかるときに「ハンニバルが来るよ」と言ったりするとか…あれっなんか後者のほうは三国志でも似たようなのを聞いた気が^^;;
翠里「耐性は確かに高いっすけど、盲目や毒のように普通に効く異常もある、かつ耐性があるだけなのでLUC盛りきった理事長がそこそこの確率で決めてくれること、あとは何より陣回復で耐えながら追い詰めていく感じでした。
ただまあ…やはりというかスウィフトソードの消費がエグすぎてアムリタが全然足りないという」
ジェイド「持てるアイテムにも限度があるからね。
一番痛かったのは蘇生を菫子君にマルナゲして、ネクタルの手持ちが無い状態で突っ込んだことに尽きるんじゃないかと思うんだけど」
つぐみ「おや理事長、お早いお帰りで」
ジェイド「…君の顔でそれを言われるとなんとなくトゲを感じるんだが…まあいい。
最後には風雅君が力尽きていたが、もう1ターン続いてたら全滅してたんじゃないかな」
翠里「消耗戦でしたからねえ」
夏陽「挑んだメンツというか構成を間違ってたとしか言いようないわねえ」
つぐみ「そこは確かに。
ちなみにアルルーナ、何が一番がっかりかっていうとその素材から作れる防具だよ。
同時期の鎧と同じぐらい高い防御性能を持つ小手なんだけど」
夏陽「…なんかペナルティありそうな気配しかしないわね、鍛えられたボウケンシャーとかなら無視する程度の」
つぐみ「全状態異常及び封じをもらう確率が25%アップ(真顔」
夏陽「うわあ思った以上の地雷だった^^;」
翠里「正直そんなリスクしょってまで買う装備じゃあないっすね。
ちなみに条件ドロップは眠り状態撃破で、ミスティック専用防具の素材になるっす。
眠りは普通の耐性、なおかつ催眠の方陣とか付与率の高いスキルも多いので、積極的に狙っていきたいとこっすかね」
ジェイド「だけど正直僕としてもこれ以上はつきあいきれないぞ。
というか、あの鈴花はマジでなんなんだ…異常入ってないってのにこっちのいうことまるで無視してスウィフトソード連打しやがるし勝手にブレイクはするし(しろめ」
翠里「すんませんそこだけはなんかほんとすんません(ドゲザ」
…
「とりあえず大体のことは理解できたわ。
といっても、実際どうするの?
マギニア軍の協力を取り付けていくといっても」
「勿論、こんな大人数で一度に押しかける気はないよ。
パーティを四つに分けて、その距離を四辺の一定に保ち連絡を取りながら進むのを基本にする。
向こうも単独でいる事は考えづらいけど…可能な限りこちらの人数を多くして一人ずつ制圧」
「基本戦術はフランス大陸軍お得意の
理屈は解るんですけど…」
つぐみはそこでひとつの地図を広げる。
「これは?」
「早苗さんはアーモロードの「水林」を知ってるから、キバガミさんに大まかな構成を聞いてきてもらったんだ。
他の各迷宮の構造も、私達の知ってる迷宮のものにそれほど大きな違いは無いみたいだったからね。
厄介なのは順路をを阻む「海流」、それを巧くコントロールする手段を見つけ出せれば、大きく優位になる」
そして、取り出された宝珠。
まるで波打つような波紋をたたえるその表面は、絶えず満ち引きする海面をも思わせる。
「守谷の神湖、そこに住まう鯨王ケトス。
かつてアーモロード深都への道を守護した、海王の力で生み出された「海珠」。
これを潮の起点に置けば、海流を止めるも動かすも自由」
「つまり、まずはそれを見つけ出すのね」
つぐみは頷く。
「パーティは陽動3チーム、そして、この「潮の起点」を探し出すチーム1つ。
これが決まり次第、決行するよ。
挙げるべき最低限の戦果は…「海の一族」が隠し持つレムリアの歴史資料の奪取!」