♪BGM 「とぼけた仲間達(けものフレンズ)」♪
その小部屋に入ると、これ見よがしに置かれた回復役の瓶が絨毯らしき敷物の上に鎮座している…。
一舞「んー、これってー」
夏陽「どー見ても罠でしょこんなの。
さっきだって真ん中の扉開けたらいきなり矢が飛んできたし。
取った瞬間にどっかからまた矢が飛んでくるとか、落とし穴だったとか、怪しすぎて笑うしかないわよこんなん」
一舞「んまあー、そりゃあたしだってそう思うけど。
だったら別に、あそこまで踏み込む必要ないし。
布をめくってさあ、こっちまでたぐり寄せれば良いでしょ」
夏陽「はあ?
そんなことしたら、あの瓶倒れちゃうじゃない。
中身がこぼれて少しでも重さが変わったら、それで罠が発動するとか…液体に反応してなんかが発動する罠だったとかだったらどうするのよ。
布に染みこませたもう一種類の毒薬が反応するとかだったら」
夏陽の反論に一舞は口を尖らせる…。
一舞「なつひあんたねぇ…どう見てもあの瓶、アムリタだって自分で言ったじゃん。
こっちは二人してこんなとこ放り込まれて、そりゃああたしは一応スキルでTP回復できるからなんとかなるよ?
あんたどーすんのよ、回復薬ぜーんぶめうが持ってんだよ?
ここは多少の罠があっても、確保しとくべきだしっ」
夏陽「あたしだってそれについては否定しないわよ。
ただ、ここで余計な罠を発動させてダメージ受ければ意味無いじゃんって言ってんのよバカいぶき。
取るんだったらもっと安全を考慮して手段を模索すべきだって」
一舞「むかっ。
このイブ様に対してバカとはなんだバカとは。
ええいもうまだるっこしいしっ」
夏陽「∑( ̄□ ̄;)ちょ、おま、やめ…」
♪BGM 「てんやわんや(けものフレンズ)」♪
口論するうちに面倒になったイブ様はそのままずかずかと絨毯の上を歩いて行くと、そのまま中央に鎮座したアムリタの瓶をひったくるように回収し、そのまま同じようにずかずかと絨毯を横切って夏陽の元まで戻ってきた…そして、その間一切何も起こる気配はなかった。
唖然とその光景を見守る夏陽に、イブ様は胸を張って得意げに薬瓶を突きつける…。
一舞「ふっふーん、そら見たことかだし。
なーんもなかったじゃん。
それとも、今度はこいつの中身が実は毒薬だー、とか言い出すわけ?」
夏陽「あ、えっと…うん、ごめん、あたしが悪かったわよ…。
あー…そういう何もないパターンもあんのね」
二人は結局、少しずつ回復薬を分け合い、遺跡の奥へ歩を進めていく。
~新・狐尾幻想樹海紀行X~
その21 武侠の双星
ヤマメが攻撃を仕掛けようとした瞬間、めうが咲子と入れ替わるようにして海流の根元へ向かい、そして咲子は瘴気を全開にしてヤマメを迎え撃つ。
その乱戦のさなか、払いのけられためうは、敢えて海珠を護ることはせず、あべこべに海流を再び巻き起こした。
吹き出した鉄砲水の潮にヤマメを巻き込み、強制的にこの場から排除させようとしたのだ。
無論その瞬間、ヤマメもそれを悟って潮の噴出から逃れようとしたが…紙一重で佐祐理を行動不能にした一舞が砲剣ドライブの一撃でヤマメの体勢を崩させる。
しかし敵も然る者、ヤマメは反射的に一舞の腕を掴んでそこへ巻き添え、反射的に夏陽もそこへ飛び込んで行っていた。
「すぐに潮流を止めろ」そう、言い残して。
「じゃあ、イブさん達は」
「ええ…海流の先は、次の霊堂近くまで続いているはず。
そこまで押し流されていると思っていいわ」
めうの説明を受けたつぐみの問いかけに、紫は頷いて返す。
「あなたたちを見くびっていたわけでは無いわ。
けれども…正直そこまでの無茶をしでかすことまでは、私の目では見抜けなかった。
ヤマメもあの性格だから、恐らく」
「なっちゃん…!!」
不安そうな声を上げる心菜を、宥めるように咲子が抱き寄せる。
「結局何か、私達もかごめの気まぐれに引っかき回されたって事か?
で、収穫はいまんとこ、つぐみ達が八つ裂きにしたケトスもどきだけってか?」
スマキのまま、すべての真相を知るに至った諏訪子は口を尖らせる。
その視線の先には、広間の片隅に横たわる白鯨の魔、その成れの果て。
紫は嘆息する。
「アレはアレで、非常に大きな収穫では在るわ。
私達を排除しようとした「黒幕」が、それだけ巨大な魔物を意のままに操ることが出来ること…それだけの力を持った存在を操れるだけの、卓越した技量を持つ呪言師だということ。
そして、その触媒こそ」
その言葉が終わりきらぬうちに、白鯨の亡骸は紫電を放ち、エネルギーの塊を浮かび上がらせていく。
その凄まじい力から感じ取れる、よく知る気配に…諏訪子は目を見開いた。
「これは…まさか!?
おい紫、まさかリリカの奴、このことを知っていて!?」
「そうよ。
多分だけど、このレムリア島で今回の「真の黒幕」、最初に遭遇したのはあの子だわ。
そして、あの子は…「暗黒委員会」の秘儀書に記されていた、失われし禁断の大呪言「羅喉の呪言」により、幻想を操るその強大な力を奪われた」
「らごう…?」
明夜の視線を受け、美結が応える。
「九曜のひとつ、羅喉星のことですよね。
霊薬アムリタを盗み飲んだ罪で、ヴィシュヌに首を断たれ、その首のみが月や太陽を飲み込む凶神となったラーフ…のことでしたっけ。
さしずめ、相手の持つ能力を喰らい奪う、そういう禁術ということですか?」
「あなたは本当によく知ってるわね、秘儀書にも概ねその通りの術だと記されているわ。
代償として、術の起動は元より、奪い取った能力の行使にも不可逆な生命力の消耗をもたらすという。
そいつはリリカの魔力を触媒にして、強大化した呪言の力で魔物や同格以上の存在を傀儡化している…そこの白鯨も、その一体なのでしょうね」
揺蕩っていたエネルギーは、そのまま霧散し、ゆっくりと彼方の一点へ向けて流れていく。
「これで、呪言の影響下から外れたエネルギーは、少しずつあの子の元へ帰って行くでしょう。
今、てゐが赴いている「西方ノ霊堂」にも、捕らわれた力の一部が、向かっている。
つまり」
「強力な魔物か、あるいはそいつの影響下にある誰か。
最悪その両方が、霊堂を目指していると?
…そうなれば、このケトスもどきも」
静葉の言葉に、紫は頷く。
「舐められたものよね、つくづく。
こいつを「式神の羅針盤」とすれば…奴の潜むだろう場所を、いぶり出すことが出来る。
私達を…いいえ、この私を敵に回したことを」
複雑な印を高速で組み、光を発する三枚の符を、紫は白鯨の亡骸へ向けて放つ。
その周囲を飛び回る符が、球状の魔法陣で白鯨を包み、それは少しずつ光の粒子となり、紫が掲げた掌に、収束した光が一枚の羅針盤へと姿を変えていく。
「私の愛する者達を傷つけ、虚仮にしたことを。
魂魄の芯まで後悔させてやるわ…!!」
その表情は、赫怒。
滅多に怒りの感情を顕さないと言われる、大賢者の偽らざる素顔が、其処に在った。
…
かくして一舞、そして夏陽の両名はヤマメ諸共潮の流れに巻き込まれ、気がついたときにはその霊堂付近で目を覚ました。
幸い、二人はほぼ同じ場所に辿り着いたが、ヤマメもまたすぐ近くに居るだろうことを、後方から這い寄ってくる瘴気によって察知する。
あれほどの怪物を相手取るには、可能な限り対等な条件を…蜘蛛の怪であるヤマメを相手に、それがもっとも得意とする「空間全体を間合いとする立体的な戦闘」をさせないためにも、天井の開けた構造である遺跡の遺構内で行うべき…それは、めうやつぐみといった、ヤマメとの戦闘経験を持つ者から受けたアドバイスを受けて、一舞が提案したことだった。
夏陽もその考えを是とし、相手が背後から来ているのであれば、先に迷宮内に侵入し、構造を把握して少しでも有利な状況を作るべく…二人は未踏の遺構、則ちつぐみ達が手に入れた地図に記された「第三の霊堂」に足を踏み入れていた。
だが、二人はやがて、そこでさらなる事態が展開されていることを、知ることとなった。
♪BGM 「洞窟の奥」(けものフレンズ)♪
「そうか。
どうやら事態は既に、俺達の手に負えないところまで来ているということなんだろうな」
霊堂の一角、傷ついた水兵達の姿を見た一舞は、訝る水兵達に構うことなく、治療に取りかかり始めた。
水兵達も「護衛」の一人であった夏陽を知っている事もあってか…その説得を受け入れ、治療を受けながら現在の状況と…彼らの身に降りかかった「想定外」を知ることとなる。
それは一舞より、夏陽をはげしく動揺させる事実。
彼らを襲撃したのは、彼らを追ってこの霊堂に侵入したマギニア兵ではなく…立橋ではぐれて以来、行方不明になっていたアーテリンデだということ。
「そん…な。
師匠は確かに、立橋で行方不明になったけど…でも…!」
「気持ちはわかる。
だが、俺達の目も節穴じゃない。
口惜しいことだが、あの巫剣術には俺達が束になっても敵いっこないって事もな…すべて現実だ。
兎耳の姐さんが、王女と行動を共にしているが…マギニアの精鋭部隊、連中の動向も気になる。
嬢ちゃん、あんたが一体何を知ったのかは、俺達にはまだ解りかねるが…だが」
そして、厳つい顔の真剣な眼差しは、一舞の方を向く。
「あんた達の目は、信用できるヤツの目だ。
もしかしたら、あんた達がどうするかによっては、俺達とマギニアの連中…無論アーテリンデの姐さん含めて、全員の無駄な血を流さずに済むかも知れねえ。
だからよ」
「うん、任せといて。
多分きっと、これがかごめさんの、本当の狙いだったのかも知れないって」
「どういうこと?」
夏陽の問いかけに、一舞は一呼吸置いて、ゆっくりと自分の考えを述べる。
「つぐみが言ってたよね、裏でこそこそ動いてるやつが居るって。
ひょっとすると、かごめさんは敢えて自分たちが敵に回るフリをして…あたし達で仲間割れしてるように見せかけて、そいつの手先を誘い込むつもりじゃなかったのかって。
「そのためにあたし達と本気で戦うつもりだったってこと!?
そんな、メチャクチャ」
「そういうひとなんだ、あのひとは!
あのひとは…めうが言ってた…自分の娘に対しても、本気で斬りかかってくようなケダモノに、いつでも変わることができるって…!
あたし達の常識の、斜め上の世界を生きてる…それが、幻想界最強と呼ばれた吸血種、藤野かごめという大真祖なんだって…!!」
そして、一舞は険しい表情で、背後を振り返る。
夏陽もそれに気づいた。
既に…殺気を孕んだ病んだ空気が、目と鼻の先まで迫っていることを。
♪BGM 「戦場 露と消えよ」(SQⅢリマスター)♪
「あのひとだってそうだ。
地底最強最古の大妖怪様、あたし達人間とは、考え方が根底から違う存在なんだって言うこと。
どこまで理性を保っていられるかなんて、自分自身でもよくわかってないんだろ…ねえ」
一舞は、構えた砲剣を稼働させる。
扉の向こうで、悪態を吐き…浸潤してくる瘴気と共に、猛々しい女怪の声が響いてくる。
「知ってたつもりでは居たけど、ちくわバンドの連中でもやっぱあんた、肝の据わり具合が別格だね。
今のあんただったら、マジであのかりちゅまの親玉と本気でやり合えるんじゃね?
無論…この私とも」
「なつひ、結界ッ!!」
その檄に我に返った夏陽が、複雑な印を組んで特殊な方陣を展開させた瞬間、その力場にこすれるようにして濃密な瘴気が濁流の如く押し寄せてくる。
飛び出してきた、大爪を振りかぶり斬りかかる影。
その一撃を受け止めた一舞が、水兵達に叫ぶ。
「ごめん、なんとか逃げて!
ここに居たら、安全の保証なんて出来ないしっ!!」
逡巡する夏陽に、水兵達は頷いて返す。
彼女もまた、また別な特殊な印を組み、巫術を纏った剣を、構える。
「良い度胸だ、あんた達!
せっかくこの私を本気にさせたんだ、精々、楽しませておくれよ!!」
解き放たれた瘴気と妖気を全開に、土蜘蛛が叫ぶ。
二人の戦乙女と、旧き妖の、死闘の幕が上がった。
…
…
天子「すいません輝夜さん」
輝夜「何か用かな?」
天子「冒頭の展開イベントリセマラしました?」
輝夜「してない」
天子「そうですか一枚天井すごいでsってええええええええええええええええええええええええええ!!?∑( ̄□ ̄;)
えっそこに会話ログ出てるけどマジなのこの二人!?」
輝夜「逆だったら全くあり得ないけど、提案するのがいぶぶ、完 全 論 破するのが夏陽という神がかった展開がびっくりするくらいいぶなつだったので、狐野郎は「(いぶなつで)やるしかねえか…(CV:エロ原川原慶久」ってなったらしいわ。
他媒体キャラを持ち込んだときにこういうのが時々起こるから世界樹は地獄よね(真顔」
天子「だからってこれ…一応キャラセレクトはランダムよね?」
輝夜「とは思うんだけどねえ。
ちなみにこのイベントで実際に手に入るの、アムリタじゃなくてソーマよ」
天子「超どうでもいいわねそれ」
輝夜「ちなみに矢が飛ぶ罠があるイベントポイントは入り口付近真ん中の扉の1マス部屋と、もう一カ所地図中央右側にあるわ。
入り口付近のは先頭キャラがAGI46以上、中央右側のはLUC50以上あれば回避成功して、ここでは触れてないけど実は両方とも踏んづけたのが鈴花だったから両方回避したらしいわ。
もしいぶぶなら間違いなく両方喰らってたわね」
天子「インペリアルはAGIもLUCも全職最低値だから仕方ないわよねそこは」
輝夜「あと2Fにはギルカイベントがあったけど、知り合いではない拾い物のギルカキャラだから不採用としたわ。
腐った雨水に中ったのはつぐみだったかしらね」
天子「止めなさいよ…ただでさえ狐野郎が某所でおまけ漫画のフレドリカみたいな扱いしてるってのに…」
輝夜「そんなこんなで、傷ついた水兵達を手当てして更に奥へ進み、再奥部まで来るとミュラー達とエンリーカが口論しているところに出くわすわ。
これがまたとんでもない罠で、この会話イベントが始まると即座にボス戦に突入してしまうの。
いつもの世界樹なら、ボス戦部屋の前扉では必ずアナウンスが入るのに、この霊堂にはそれがないのよ」
天子「あら、世界樹にしては珍しいかも知れないわねそのパターン」
輝夜「一応扉内の2マス目を踏むとイベント発生、らしいわ。
当然初見のボウケンシャーにそんなのは解らないから、ノーセーブで突入してえらい目に遭ったという証言も」
天子「つまりここのボスは結構ヤバイ級と?」
輝夜「そこは早速紹介を交えていきましょうか」
西方ノ霊堂ボス 大いなる蟲獣
レベル60 HP26791 雷弱点/即死無効、石化・混乱・麻痺・頭封じ・スタン耐性、呪い・盲目・脚封じに弱い
ぶっ刺し(腕) 近接貫通突攻撃、3ターン命中低下付与
打ち刺し(腕) 近接拡散突攻撃、腕封じを付与
フリーズストーム(腕) ランダム2~5回氷攻撃(同じ対象には1回ヒット)、3ターン全属性攻撃力ダウン付与
呪い/石化/混乱ガス(頭) 全体に呪い/石化/混乱を付与
セーフガード(腕) 3ターンの間全属性防御力をアップする
雷嵐(頭) 全体雷攻撃
※HPが75%、50%、30%を切ったときそれぞれ1回ずつ、ターン終了時に「自己修復モード」になる。
自己修復モードでは全防御力が上昇し(防御力上昇効果はセーフガードと重複する?)、自己修復(腕依存、HPを固定値1250回復して状態異常・封じ・弱体をすべて解除する)のみを使用する。
ターン経過では解除されず、一定値以上のダメージ(自己修復の回復量とは無関係に4000程度か?)を与えると解除される。
また、自己修復モードへの移行は依存部位なしのため阻害は不可能。
輝夜「なんて言うか、蟲なのか獣なのかはっきりしろと」
天子「いや、そうじゃないでしょ。
というか自己修復モードって、ロボじゃん」
輝夜「結構そのツッコミは多かったみたいね。
ちなみにだけどこいつの条件ドロップ、「妃の小手」っていうらしいから、生物だったとしたらメスらしいわこれでも。
どことなくシルエットがスリヴァーの女王に似てなくもない」
天子「ふっる。
あんた絶対nWoとか使ってたでしょ」
輝夜「どちらかと言えばサバイバル・ナイトメアかしら」
美結メモ:サバイバル・ナイトメア
今でも世界的なシェアを誇るTCGの金字塔「マジック・ザ・ギャザリング」で、ラースサイクル・ブロックがスタンダート環境にあった1997年~1999年のトーナメントシーンで猛威を振るった、多色緑系の強力なリアニメートデッキですね。名前はキーカード「適者生存(Survival of the Fittest)」と「繰り返す悪夢(Recurring Nightmare)」からで、「ナイトメア・サバイバル」とも呼ばれます。
適者生存は手札のクリーチャーを捨て札する代わり、自分の山札から任意のクリーチャーをサーチして手札に加えるという強力な効果で、これにより状況に合ったクリーチャーをサーチして召喚、もしくは捨て札にした切り札級の大型クリーチャーをもうひとつのキーカード「繰り返す悪夢」で釣り上げ、ボードコントロールしたり早期に決着を付けたりという動きが基本です。リアニメートとしては繰り返す悪夢の他、それが1999年1月にスタンダード環境で禁止カードとなると、大量に墓地に落としたクリーチャーの復活と相手の場の戦力を一掃を同時に行える強力なカード「生ける屍」をメインリアニメート手段として使うようになりました。こちらは特に「サバイバル・デス」と呼ぶこともあるようです。
ジャムーラン・ラースサイクル期には多数いた強力なCIP効果(場に出た時に効果を発揮する能力)持ちクリーチャーと、優秀な多色地形の氾濫もあって一世を風靡し、エラッタ改訂前は「巨大鯨」などのいわゆるフリースペル・クリーチャーを悪用した無限マナ生成、スタンダード落ち後には「ゴブリンの太守、スクイー」を悪用しての絶大なカードアドバンテージを得るなど要所要所で(デッキ使用者が)悪行の限りを尽くしたため、適者生存がエクステンデッド禁止(2001年)、その後レガシーですら禁止カードとなって(2011年)消滅しました。
ちなみにnWo、某プロレス団体から名前を拝借しただけの全く別のデッキ(キーカードの「自然の秩序」とnWoをひっかけたのが名前の由来)なのですが、動きがこのデッキに似てるために特に日本人はこのデッキのことを「nWo」と混同して呼んでるそうですよ。
輝夜「話は脱線したけど、こいつ開幕は雷嵐固定。
その後は90%くらいまで減らすとセーフガードを、1回目の自己修復解除後にフリーズストームと打ち刺しと呪いガス解禁、2回目の自己修復解除後に呪いガスが石化ガスに変更、最後の自己修復後に石化ガスが混乱ガスに変更されるわね。
各種ガスは3ターンおき、セーフガードは4ターンおきのターン終了時にターンの行動とは別に使用する」
天子「ターン行動とは別に行動ってこいつ忍者でしょ…きたないわね流石忍者汚い」
輝夜「ちなみに雷嵐、フリーズストームはそれぞれ通常攻撃、打ち刺しの次のターン確定で使ってくるから、それに併せて先見術や属性ガードで対処すると楽よ。
ループパターンが二つあるけど、それに併せて使ってくる属性攻撃が決まってるのがポイントね」
天子「にしても、炎攻撃使ってこないわりに炎弱点じゃ無かったり、そうかと思えば雷攻撃使うわりに雷弱点とかちょっとマヌケねこいつ」
輝夜「雷嵐とフリーズストーム以外に高威力攻撃がない事もあって、実際初見でもわりとなんとかなったという報告も結構ある反面、状態異常とデバフがかなり面倒な挙句、セーフガードと自己修復のせいで長期戦を強いられるわ。
hageの要因は大概ジリー・プアー状態からなし崩し的に終わらせられるから本当にストレスフルな相手よ」
天子「忍者の分際でナイト特有の粘り強さで競り勝ってくるとか汚いにも程があるわね(キリッ」
輝夜「腕封じすればかなりのデバフ付与スキルを封じ込める上に自己修復も防げる、挙句条件ドロップの条件になって耐性もないから、積極的に狙っていきたいわね。
セーフガードの軽減率も50%程度あってかなり固くなるし、プリンセスのクリアランスかリーパーの削弱などがあると面倒が軽減できるかもね。
あとは属性を止めるガードか先見持ち、そして自己修復モードをさっさと解除できるように、短期集中的に大火力を叩き出せるクラスがいるといいわね」
天子「それを加味してみた場合、挑んだ面子はどうなのかしらね」
輝夜「解ってると思うけど、挑んだのはチームイブ様の面々よ。
これ自身が実はギミックパーティで、縛弱虚弱で異常と封じ付与をサポート、判子屋が積極的に封じていったところを闘魂泡沫や高威力のドライブ、霊攻大斬といった高火力を押しつけていく構成よ。
ぶっちゃけるとこのパーティ、もっと後の迷宮に居るFOEの条件ドロップを積極的に狙っていくコンセプトなんだけど」
天子「基本は異常や封じを撒くPTなのは理解できるわね。
でもこの構成だと、陣を張って異常付与したあとのミスティックが大分ヒマね」
輝夜「そこが難点なのよね。
ちなみにこの頃、実はマグスのFBの効果が霊攻大斬に乗らないなんてガセネタが攻略Wikiに堂々と書いてあったせいで、基本的にマグス後列にいたわね。
実際には他の巫剣同様、FB発動時は霊攻大斬の威力もちゃんと2.5倍ほどになるから相当な火力アップになるわよ」
天子「けどミスティックがきっちり仕事してくれれば、FB抜きでもちゃんと巫剣が仕事してくれるって事よね」
輝夜「まあ、そうね。
デバフは衰斬でも撒けるから、どのデバフを残すかは結構考えて動く必要があるわ。
腕封じ決めたいときに縛弱がない、とかマヌケなことがないようにしなければならないわ、この時の狐野郎みたいに」
天子「やったんかい^^;
一応ここでは専用防具とかクレイドルは封印してるのね」
輝夜「こいつ相手に富嶽なんて解禁しよう物ならヌルゲーもいいところよ。
このレベルあれば1振りのアクセルドライブぶっぱしてもスノードリフトが一撃で蒸発するのよ?」
天子「おひ…」
輝夜「ただ適正域だとやはり火力に難があるのは否めないわ。
特にセスタスなんて今回はゴミ火力にも程があるし、ポリュデウケス持たせても全く問題ないとは思うわ。とはいえ腕は結構封じに行ったからフリーズストームは防げたし、何故か雷嵐のパターン余り引かなかったからその意味でも楽勝だったわ」
天子「ふーん。
ところでこいつの条件ドロップ、何が作れるの?」
輝夜「まりかちゃんの最強武器もとい、最強の短剣「布都御霊」よ。
短剣はシカも装備できるけど、実はマジでここのスイーツアホ()にはそれこそアホかってくらい噛み合うのよね。
短剣はMATの方が高いし、これに至ってはMATが225もある。このMATは全武器中第二位の高さよ」
天子「そんなヤベー武器こんな時期に解禁してどうすんのよ(呆」
輝夜「武器スキルはぶっ刺し、命中低下バフもシノビのほうが噛み合うかしらね。
けどMATの高さを活かして各種ホシ・ジツを使った方が強いのはナイショよ」
輝夜「このボス戦前イベントまでいがみ合ってたミュラーとエンリーカだけど、蟲獣乱入して毒ガスぶち撒いてきた際、エンリーカはキマイラ戦の借りを返すとばかりに、ミュラー達を助け始めるわ。
頑なだったミュラーおじさんもボス戦後には少しデレて、このあとに起こる大事件の下手人に「海の一族」が浮上してきたことに対しても「あいつらがそんなヒキョウでアワレな忍者のようなことをするはずがない」とフォローする台詞を言っているわ」
天子「和解のきっかけになるイベントということかしら」
輝夜「そうとも言えるわね。
この霊堂を突破すると、新たなエリア「絶崖ノ岩島」に行けるようになるけど…マギニアに戻ると、先に少し触れた大事件が発生して、物語はようやく終焉に向けて動き始めるわよ」
天子「でもすぐに終わるわけではない、と」
輝夜「そんなこんなで第九迷宮までの話は終わるけど、実はこの茶番、もう少し続くのよね。
一応、あの連中も合流してくるんで、ピンチヒッターである私達の出番もここまでになるかしら」
天子「ええー…と言いたいけど正直しんどかったから助かったわよ(ぐでぇ
とりあえず後の話とかどうでもいいからあとはだらだらさせてもらうわ(:3[_____]」
輝夜「というわけで静葉おねいさん、あとは返すわよー」
静葉「そこで盛大に投げられても困るんだけどもねー。
あ、それでは今回ここまでです(キリッ」
…
…
てゐは迷宮の奥、熱心に壁画と共に刻まれた古代文字の解読に取りかかるエンリーカの後ろ姿を、険しい表情で見守っている。
それは、単純に「戦うべき敵」が間近に迫る気配を感じ取ってのことではなかった。
(本当に…ここへ連れてきて良かったのか…!?)
歯がみし、愛剣の柄を固く握りしめるてゐは知っている。
その壁画に刻まれた伝承を。
そこに語られる、レムリア文明の誇る「繁栄の秘宝」にして…同時に、忌まわしき滅びをもたらす「超兵器」のことを。
真実を知ってしまったエンリーカが、いかなる行動を取るのか。
それ次第では…彼女がその覚悟を決めた時、それは現れた。
異様な気配を感じ取ったてゐが振り返るその先に、虚ろな目を、流れるような漆黒の髪から覗かせる…操られた「姫巫医」の姿。
「アーテリンデ…お前っ…!」
その脇に、傷ついたジュニアの姿を見出したとき、てゐの全身の血が沸騰するかのように全身を駆ける…!
「おまえええええええええええええええええええええええッ!!」
激昂するてゐの声に、エンリーカもその異様に気づいて振り返り、言葉を失う。
彼女が叫び声を上げるより前に、アーテリンデの口を借りた何者かの「呪言」が、てゐとエンリーカの五体の動きを瞬時に封じる。
凍り付いた五体、見上げることだけが許された白兎の目に、巫剣を振り翳し、飛び込む姿…そこへもうひとつ、見慣れた黒い影が重なる。
切り結ぶ剣戟の音が、てゐを呪縛から解き放った。
「よう…やっと出てきたな」
詩姫は、解き放った殺気を、卑劣なる操り主に対して叩き付ける。
呼応するように、巫医の手が天に掲げられると、猛毒の霧を伴う巨大な、蟲とも獣ともつかぬ影が姿を見せる。
ミュラー率いるマギニア精鋭隊は、眼前の思わぬ光景に驚きの声を上げるヒマも無く、毒気に中てられその場に頽れていく。
舌打ちをするかごめの視線を受けたてゐが、頷くよりも早く印を組み始めると同時に。
♪BGM 「眠らずの戦場」♪
「どおおおおおおおおおおおおおおりゃああああああああああああああああ!!!」
ツタに覆われた脆い壁を突き破り、闘気を全開にしてもつれ込んでくる三つの影。
ほぼ全開放状態になっているヤマメ、そして一舞と夏陽。
それを新たなる敵と見定めた蟲獣が、三人の闖入者に迫る…が。
「邪魔ね、こいつ」
「先に潰すし」
「異議無し」
三人の凄まじい視線が、哀れなるケダモノへ向けられる。
それを感じ取れぬ蟲獣が、鋭利な大爪を振り落とすと同時に。
「樺木小町“瞬煌”ッ!!」
「スパークルドライヴッ!!」
「大巫剣“茜陽斬り”ッ!!」
三人の戦女神が同時に放つ、禍々しい滅びの剣閃と、閃光と天の雷を纏う大上段の一撃と、超自然の力を光とする横薙ぎの一閃が、一瞬で千々にその五体を引き裂き、この場から消し去っていた。