かごめ達が踏み入れたその地、モリビトの集落は、惨憺たる有様になっていた。
てゐの陣頭指揮を受け、水兵達が忙しなく動く其処彼処に、傷ついた異形の人型…かごめにも見覚えのある、モリビト達の姿がある。

てゐもかごめの姿を認め、憤然と肩をすくめる。

「そっちの事情は聴いてるよ、ヤマメとケロ様自分から牢屋に入りやがったってな。
おっと、こっちが何でこんなんなってんだか、私にもわからんぞ。
もしかしたら姫様の失踪の手がかりあっかもって思ってきたら、タイミングよくこの有様ときたもんだ
「驚いたのは私達も一緒よ。
正直、いろいろなことが起こりすぎて、流石の私も何をどう言ったら良いのかわからないもの。
おまけにこの子以外のモリビト、揃いも揃って非協力的だし

エンリーカはそう、憤然と腕を組みつつ嘆息する。
その背後には、モリビトの子…かごめ達に知る由はなかったが、つぐみやエンリーカ達とともに、灼熱洞の旅路を共にしたその子がいる。


やがて…村の奥から紫も歩いてくるのが見えた。
彼女はこちらの世界へ帰還した後、マギニアには立ち寄らず、てゐ達に経緯を説明するべくキャンプに赴いていた。
海の一族の軍勢も、モリビトの集落の窮地を救うべく「アリアドネの糸」を活用した境界移動術により動員されたものだった。

彼女の根気強い説得もあり、この事態を引き起こした下手人を「長」が追って不在ということもあり…窮地を救われたモリビトたちは、わずかではあるがこちらに事情を語り始めているようだが…やはり突然の事態にモリビトたちは説明できず、断片的な情報しか集まっていないようだ。



「にしても…モリビトの古代言語が英語とかなあ。
なんとなくアイヌ語とかじゃねえのかって思ってたんだけどなんで英語なんだよマジで。
それにあたし実はそんな得意じゃねえんだけど、英語って」
「それ今関係あるの?
大体かごめさんさあ、【波導】が使えるんだったら一発でいろいろ解っちゃったりとかしない?」
「さとりの第三の目みてーにそこまで都合良くいかねえんだよこれ。
つか、るりテメエ長え事ウェールズの片田舎に引きこもってたんだから英語できんだろが。
ちったあ情報集めに貢献しろこの腐れ綿飴」
私引きこもってたからそんな他人様と話す機会とか無かったしー。
そもそも百年ぐらい英語なんてしゃべってないから忘れちゃったわー」

エンリーカと鏡写しのように憤然と腕を組む、苛立つようなかごめの視線と嫌味を、るりは飄然と肩を竦めてやり過ごす。
そこへ、再び情報集めしていたらしい紫が戻ってきて告げる。

「今現在解っているのは、この集落を襲ったのが二人連れの男女であること。
詳しいことは解らないけど、いずれも鋼の服を身につけ、剣のようなものを身につけていたと。
そして何より、男が剣を揮う度…一度に数人のモリビト達が切裂かれたと」
「一振りで、数人ねえ。
下手人は相当な技量を持った剣士、と言うことになるだろうが

かごめの視線を受け、エンリーカは記憶を探るようかのように視線を逸らすと、頭を振って答える。

「ブロートは確かに、身のこなしにただならぬものがあったわ。
けど、剣士というには…そうね、私の知るブロートとはイメージが違う気がするわ。
それに…鋼の服、とは恐らく、全身を覆う鎧…とも言えなくも無い。
この子も、傍らにいた女の人が同じような格好をしていたと言うけど」

かごめは一瞬、紫へ視線を送る。
何か思い至るところがあるのだろう、紫は決断的に頷いた。

「間違いなさそうね。
その女性、恐らくはペルセフォネ姫の可能性が高い」
「高い…って、今の状況的にはブロートが姫を拉致してる可能性があるって話よね?
なんかの目的があって姫を拉致した…ああいや」

エンリーカも何かしかの心当たりがあるのだろう。
頭を振ると、自分の考えを吟味するかのに一度目を伏せ、そして。

「実はだけど、西の霊堂の壁画を、少しだけど読み解くことができてたの。
【繁栄をもたらす秘宝】。
それが一体、過去に何を引き起こしたか…その時、私達の遠いご先祖様も関わっていただろう事も。
そして…封印の鍵は、レムリアを離れた、その人たちの血を受け継ぐ人に託されていることを…!


そして、決然とかごめに向き直るエンリーカ。

「ブロートは「マギニアス王族」を最初から狙っていたのは、間違いないと思う。
そして、マギニアに対する体のいいアテ馬として、私達海の一族もここに呼び寄せた。
本来なら…マギニアの集めた冒険者がレムリア島の探索を進め、そこに「海の一族(あたしたち)」という「敵対勢力」を呼び込み…マギニア側が「秘宝」を起動させるよう仕向けるのが本来の目的なら…!
「あたしたちの存在がどれほど邪魔に映ったことか、だな。
そもそもにしててーさんあんた、なんで禁書庫に籠ろうと思った?
単なる興味本位にしちゃ解せないこともある」

かごめの誰何に、てゐは肩を竦める。

「ほんの出来心だよ、マジでそれ以外の理由なんかなかったんだ今更だけど。
だが…南の霊堂の奥でコイツを見たとき、なんか嫌な予感がしたのは確かだ。
マギニアの探索事業、なんか裏があるんじゃねえかなって

てゐが差し出してきたのは、掌に収まる程度の紙片。
そこには…。

「…絶望を以て、人類の団結を…ってところか?
随分な暴論じゃねえか」
私はそれを禁書庫のある本に書き殴ってあるのを見ちまった。
それが、ブロートって野郎の仕業かはわからんが…私たちはきっと、ハメられたんだと思う。
信用できる筋からハイ・ラガードに知らせを送るので手一杯だったが、アーテリンデが来れてたってことは無事届いたと思っていいんだろうな」
「それが積もり積もって、マギニアの姫を拉致するという強硬手段に出ざるを得ないようにした…てーさんに感づかれた時点で、野郎の計画に破綻が生じ始めたってことか。
今なら付入る隙もある…そう考えるのは、楽観に過ぎるかね?」
「それを確かめる上でも、最後の霊堂…北の霊堂へ至るには、この集落から続く「枯レ森の迷宮」を突破するしかない。
ブロート達が迷宮を目指し、モリビトの戦士達もそれを阻止すべく追っている。
後を追う分には、支障ないと思うわ」

紫の言葉を是とするように、かごめは頷く。
そして。

「あんたはどうする、海の姫。
その真相を知ったなら、大人しく引き下がるのが上策だが」
「冗談」

エンリーカは誇らしげに胸を張り、その拳を胸に当てて答える。

「その真相を私自身の目で確かめるまで、私は最後まで信じてやるわ。
そこにあるモノが、本当に世界の破滅をもたらす悪夢の如き遺物であるのか。
それとも、伝承通りに永久の繁栄をもたらすモノであるのか。
それを確かめるまで引き下がるつもりはないっ!!」
「ま、そう言うんじゃねえかと思ってたけどな。
なんかあってもあたしゃ責任取らんからな?」

かごめはそのまま、エンリーカの横を通り過ぎて先へ…鬱蒼と茂る立ち枯れの森の入口へと進んでいく。

「ちょ…ちょっと!!」
「あーだめだめ、もう止めてもムダですよー葉菜先輩。
んま、海の姫様結構はしこいから、いざとなったらここまで逃げてこれるでしょ」
「今に始ったことじゃないけど、ここで逃げたらあとでどんな目に遭わされることか」

まるで変わることなく飄然としたるりと、苦虫を全力でかみつぶしたような表情のアンナがそれに続き…さらには「封印が解けられたってことでいいのよね」と、エンリーカもそれに続くと…困ったように笑うサユリに促されながら、葉菜も続く。

「司令部にこの件を報告し…許可が出なかったらそれでもいい、つぐみ達ごとマギニアを強行突破してでも戻って、私達も後を追うわ。
それまで、あの子のこと、お願いね」
「ええもう、解ってますよコンチクショウ。
どーせ言ったって聞かないんだしふーんだっ」

まあまあ、と葉菜を宥めながら、会釈するサユリに腕を上げて返し、駆け寄るてゐを伴って紫はアリアドネの糸を空中へ解き放った。



~新・狐尾幻想樹海紀行X~
その26 秘宝の真実




(早苗注:この前置き、最初に書かれたのは2020年…丁度「ウマ娘プリティダービー」がリリースされた直後ぐらいのことになりますので、当時を思い出しながらでもお読み頂ければと思います^^;)

早苗「あれ…えーと、これはいったい( ゚д゚ )」
輝夜「あー、そこは細かいこと考えたら負けなんじゃないかしら。
  いまや大日本国全土は未曾有の危機的状況により何処の音ゲーもことごとくイベントが停止してやることナッシング、永遠亭(いえ)にこもってソシャゲやるにも資金に限度ってものがありまして。
  折角『ウマ娘』が二年の沈黙を華麗に打ち破って、ユーザーの期待を軽く天元突破したトンデモクオリティでリリースされたっていうのに
早苗「だからってなんで守矢神社(うち)でさも当たり前みたいにくつろいでるんですか輝夜さん!?∑( ̄□ ̄;)
  大体にしてこのログ何時から更新止まってるですか!?
  そもそもアルカディアの話だって続きどうなってんの状態だし!!」
輝夜「オマケに狐野郎、今年に入ってついうっかりで書きかけの駄文消去しやがったらしいからね。
  それがなんで今更これを再開する運びになったのか、ソレガワカラナイ(デッデーデデデデ」
早苗「どこぞの棒読み殿下の真似されても困るんですけど…そもそも輝夜さん、何故ここにいるんです?
  件の『ウマ娘』に関しては諏訪子様も「久々にヤベーのが来たぞ…此方も抜かねば以下略」とか言ってましたけど」
輝夜「日長一日ヒマだヒマだ連呼してごろごろしてたら着の身着のままでえーりんに追い出された(キリッ」
神奈子「流石に可哀想だと思ってしばらくうちで預かるかって話になったのよ、まあ大目に見てやって頂戴」
輝夜「まあそういうわけで結局此処に居てもヒマなのには変わらないから、本格的にトレセン学園でどったんばったんおおさわぎする前に少しは仕事らしい仕事を思ったら、丁度良く放置中のログを見つけたとかそういうことよ。
  どうせあなただって今回ハブられててヒマなんでしょ、ちょっとつきあってよリハビリがてら」
早苗「まるで意味解らないんですけど(しろめ」




輝夜「というわけで何気に久しぶりにかごめがカチコミかけに行ってやがりますが、ようやくここからが終盤戦の第十一迷宮「枯レ森」の攻略になります。
  もーモリビトの集落がおもっくそシンジュクなので遺都が来るかと思いきや」
早苗「ぐぬぬ…ここで常識に囚われて引き摺られたままでは守矢の風祝の名が泣きますね><
  エトリア迷宮でいえば、モリビト集落が第五階層とすれば何故かひとつ前に戻った感じですかね。
  何気に過去のログではつぐみちゃんがメイン探索した迷宮になるのでしょうか」
輝夜「それももう何年前の話だったかー…ってあれも尻切れトンボで終わってるのよね。
  挙句あの時の話はホント某氏に喧嘩売りまくる展開が
アリス「(スキマから)それ以上は止めときなさい禁則事項よ(キリッ
輝夜「いえすまむ(キリッ
  今回の世界樹お約束とも言える異種族枠は「モリビト」になるのかしらね。
  ある意味ここで原点回帰してるのかも知れないけど」
早苗「∑( ̄□ ̄;)アイエエエアリス=サン!?アリス=サンナンデ!?」
輝夜「気にしない気にしない、どんどん行って頂戴」
アリス「最近狐野郎も東方観に関しては原点回帰したのか、それともなんか別の思惑があるのか知らないけど、キャノンボールではみょんに私を推していたというか擁護していたというかそんな感じだったらしいのよね」
輝夜「そういや私闘技場のメインアタッカーになってたっけね。
  と言っても大体小傘のロールで回転率あげてロイヤルフレアぶっ放しモードになってたらしいけど」
アリス「狐野郎はロスワにまで手を出してないらしいけど、そっちのパチュリーもだいぶ壊れ性能らしいしね。
   東方ソシャゲ業界はあの紫もやしをプッシュする縛りかなんかでもあるのかしら」
早苗「いやちょっとまって、アリスさんあなたも居座る気ですか(しろめ」
輝夜「気にしない気にしない。
  話は脱線したけど、エトリア世界樹ではそのまんまモリビトの戦士達が魔物として行く手に立ちふさがってくる扱いだけど、今回は「森への侵入者を撃退する、森が生み出した抗体のようなモノ」がモリビトめいた魔物として登場する、という設定みたいね。
  これについてはまた後で触れるけど」
アリス「具体的にはグリンソルジャー、グリンヴァルド、グリンドルイド、グリンウォリアーと、FOEフォレストデモン、フォレストオーガ、冷酷なる貴婦人、禍乱の姫君の8種類に、ピクシーもそれに含むって言われたり言われなかったりするわね。
   今回アークピクシーだけは出てこないけど、それ以外には火焔ネズミ、災厄の木の根、スナトビデメキン、ブラックボア、ヒュージモアと、概ね新世界樹でも登場した連中がメイン敵として登場するみたいだわ。
   そしてモリビトFOEはB2Fから登場、B1FのFOEはメデューサツリーね」
輝夜「グリモアシステムのあった新世界樹だと、ヒュージモアのしびれるキックがめちゃめちゃ使い勝手の良い範囲壊攻撃として重宝したのよね。
  第六階層で地震が取れるまでメイン前衛みんなそれ付けてたとか言う話も聞くし」
早苗「流石に常識に囚われない私のニューロンも実際爆発四散寸前なんですけど(しろめ
  あとふざけた名前の敵スキルほど使われると厄介というかこっちが半壊することが約束されるというか」
アリス「ああ、ヤシの実アタックとかヤシの実アタックとかヤシの実アタックとか
輝夜「私もそれ真っ先に思ったけどそれしかないわけ?
  一応今回もヤシの木でてくるけどさ」
アリス「そしてイノシシ野郎ブラックボアはお約束として、火焔ネズミにスナトビデメキンと通常魔物からどしどし範囲攻撃かましてくるのよねここは。
   適正で乗り込もうものならパラは常にフロントガード、メディックはラインヒールフル回転してないと一瞬でhageると」
輝夜「あなたもぶれないわねえ。
  敵としては使ってこないけど、ネズミを麻痺状態撃破した条件ドロップから作れる弓の「地獄ネズミ花火」が結構便利なのよね。
  消費TP9、遠隔拡散壊炎複合攻撃で倍率もなかなか高いけど、ネズミに麻痺が効きにくいのよねー」
アリス「効きにくいと言ったらアレもでしょう、
貴婦人や姫君の条件ドロップ
輝夜「それは一寸後に回しましょうか、なんかことあるごとに引き合いに出されてるしこのログ。
  メデューサツリーも実際そんな強くない上に通常ドロップがHPアップの剣と突耐性付きの小手になるし」
早苗「もうナチュラルにFOEを素材&経験値としか見てないレベルの発言なんですね(しろめ
  はあ…そういえばメデューサツリーって、挙動少し変わってますよね」
輝夜「過去にもいた助太刀型の変種で、普段はオブジェクトに成りすましていて、隣接した際にFOEとして正体あわらすタイプね。
  正体を現した直後はエンカウントにならないけど、正体を現した状態のメデューサツリーに再度隣接すると、エンカウントするわ。
  後ろから回り込もうとしても、こちらへ即座に振り向いて反応するからバックアタックが出来ないのが面倒よね」
アリス「そんなことよりHP18000越えてきて、なおかつ頭封じ付き範囲攻撃と範囲石化持ってる奴が弱いって扱いになるとかおかしくない…?」
輝夜「石化の輝きを初手と3nターン固定で使用してくるけど、これはコカトリスのドロップから作れる石鶏の守りで完全スルーできるからね。
  それに攻撃力も高くない挙句に腕封じが比較的入りやすいし、何より混乱がすごく効くのよ。
  何気に新技の凍てつく枝はそこそこ痛いけど、複合属性じゃないからミストで対処できるしね」
アリス「どーせ狐野郎のことだから実際はんなもん使ってないんでしょう?(ジト目」
輝夜「実際混乱がメチャクチャ簡単に入るからスイーツニンジャ=サンが完全封殺したっぽいわね。
  あとは初手フレイムドライブで」
アリス「サブペリヒーローがドライブで分裂するだけで完全ヌルゲーになるとかありえないわね(キリッ
   で、何気に満たしやがってるようだけど条件ドロップの条件は?」
輝夜「今作のキマイラ同様、何気に面倒な毒ダメージ撃破よ。
  かなり強力な銃の素材になるけど、無理して取るほど狩っていうと微妙なところかも知れないわね」
早苗「条件というと姫君と貴婦人は全封じでかくかくしかじか」
輝夜「しつこいようだけど今回の鬼子ねそれ。
  実際新世界樹とまったく同じ条件、則ちどっちもオールボンデージ状態()で撃破なんだけど」
アリス「今の世代にオルボンなんて通用するのかしら。
   大体こういう条件だと、どうせどっかしらの封じに強耐性ってオチがセットよね」
輝夜「お察しの通り、姫君が頭封じ、貴婦人が腕封じの強耐性を持ってて、そもそも
他のカ所の封じも全ッ然入らないというオチがね。
  もう瞑想クリンチ如きではまったく仕事にならない、向こうはけろっとしててこっちだけ全封じとかチャメシ・インシデントね」
アリス「本ッ当に反吐が出るぐらいお約束ね。
   そんなの解ってるんだったら普通異常成功率補正かかるバフデバフセットで使うでしょ」
早苗「すいません本当にすいません諏訪子様絶対そういうとき引きやがりませんので(しめやかに吐血
輝夜「アリス止めましょうこの話、早苗のニューロンが限界だわ(キリッ
アリス「
了承(一秒
   姫君のレアドロップから作れるのはメディック専用服の「エンジェルローブ」、貴婦人のレアドロップで作れるのはSTR+6効果を持つ最強の小手「降魔の小手」。
   前者は全体混乱、後者は範囲封じ攻撃を多用してくることに注意すればさほど強くないし、それ自体は固定監視+追尾ってパターンだからバックアタックから有利に仕掛けやすくはあるんだけど…それが目的なら素直に水溶液ぶち撒いた方がセイシンテキにはいいというところね」
輝夜「後々フェイルノートなんて怪物武器まで持ち込んだめうめう達が、それでも全封じ決める前にイブ様がドライブのつなぎで撃ったインパルスエッジで勢い余って斬殺しただの、東雲のなっちゃんがFB経由の封斬でそのままトドメ刺しただののトホホ事例に事欠かなかったそうよ」
アリス「うんまあしってた(真顔
   あとはフォレストデモンの存在かしら、厄介なの」
輝夜「初手を始めわりと高頻度で使ってくる単体即死の「死の眼光」が非常に面倒な挙句、コイツは貴婦人、姫君、フォレストオーガのどれかに捕捉されないと出現しないという助太刀+追尾型のFOEという。
  つまりコイツと戦うって事は、他の貴婦人とかを同時に相手しなければならないから、色目だそうものならこっちが混乱祭と全封じから爆発四散するオチが」
早苗(しろめ)「そのかわりドロップ品が全能力をアップさせる軽鎧の素材になるんですよねうふふ(吐血」
輝夜「いい加減正気に戻りなさいよあなた。
  あとはフォレストオーガなんだけど、コイツはもう見た目通りカタい、火力高い、攻撃範囲広いと三拍子揃った正統派に強いFOEなんだけど、コイツ属性弱点だけど物理耐性があるのよね…」
アリス「あったから何よ、それ普通に強いって事でしょうが」
輝夜「アリス君このゲームにはショックスパークとかいうとてもふざけたスキルがあってね(資料ポイー」
アリス「…………このゲームヒーローちょっとおかしくない?
輝夜「今更よ今更」


早苗「(宇宙と更新中)」
輝夜「早苗の復帰が遅いのでとりあえず魔物とかの話はここまでにして、まずは最初のセクションになるB1Fの話ね。
  先にも触れたFOEメデューサツリーと、流砂による一方通行で体感以上の広範囲を探索することになるわ。
  実際の所、マップそのものは新世界樹の枯レ森B1Fとほとんど一緒なんだけど」
アリス「確かに細かい差異はあるけど、並べてみると実際ウリ二つね。
   違うのは左下のメデューサツリー多発エリアと微妙な配置ぐらい…?」
輝夜「左下のメデューサツリー駐屯地()から第三階層の別マップに行けるからね、新世界樹だと。
  Xでは宝箱があるけど、中身がスタンナイフと今更感満載の銀インゴだから、メデューサツリー狩りでもしたいんじゃないなら行く意味あまりないわねー」
アリス「完全にFOEが素材扱い…どうなってるの狐尾の連中の感覚って」
輝夜「私実際メンバーじゃないんですけどねえ。
  あと新世界樹でも最初の階層とそれ以降の階層でギミックが異なるってのもある以前に、Xの場合は前の迷宮同様、ボスが2体いるからね。
  1体目はB1Fの階段前、いよいよその正体を目的の一部を明かしてくるブロートが呼び出してくるわ」
アリス「一応私事情あんまり知らないから、もう一度このログ最初から読み返す時間がほしいわねー。
   早苗は(ちらっ」
早苗(死んだ魚のような目)「おそらきれい」
アリス「うん、しってた(真顔」
輝夜「解っていたけどまだ無理ねこれ」








枯れ果てた木々が流砂となり、恐るべき石化の魔力を備えた魔樹が待ち構える道なき道を、かごめ達は寸毫も怯む素振りを見せず突き進む。

道中、其処彼処に倒れ伏し、息絶えたモリビトの戦士達の亡骸を弔う暇もなく、かごめはその森の奥に凄まじい悪意を感じ取っていた。
そして、自分たちに平行して森を進む気配も。

生き残ったモリビトの戦士達であろうか?
そのような疑問を差し挟む余地もなく、かごめはその気配の主をよく知っている。
それに付き従うだろう者達の魔力も。

「彼女達」が何を目的に動いているのか。
それは既に、彼女は知っているのだ。


(無茶はしすぎるなよ、リリカ。
 あんたがあんた自身の手で落とし前付けたいのは、解ってはいるけど


やがて、眼前に展開されるその光景…葉菜やエンリーカが息を呑むその光景に、かごめは眉をひそめる。

其処に在る、三つの人影。
ひとりは、モリビトと思しき青年…手傷を負ってはいるが、伝わってくる達人特有のオーラには衰えを見せていない。相当な手練と一目で解るほどの戦士だ。
対峙するのは、エンリーカにも見覚えある、簡素な軽鎧を身につけたブロート…そして。





「ペルセフォネさんっ!?」

葉菜の驚愕の叫びに、うちふたつの影が視線をこちらへ移してくる。

しかし…呼ばれた当人は虚ろな目を中空に泳がせたまま、何の反応も見せない。
それに代わるようにして、ブロートがゆっくりと口を開く。

「狐尾。
追いつく者がいるとすれば、君達以外にいないと思っていたよ」
「どういう…事!?
あなた、マギニアの姫に何をしたのッ!?」

エンリーカの怒号も、ブロートは涼しい顔のまま返してくる。

「フフフ…なに、少し僕の言葉に従順になって貰っているだけさ。
もう既に解っているだろうが、僕は生物を自在に操る呪言の技術を習得している。
その力をもってすれば、容易いことだ」
「それだけじゃねえだろ、貴様の力は。
正直まだ生きて動いてるだけでも異常…いや、とっくに死んでてもおかしくはないのを、幻想を操るリリカの力で無理矢理魂を繋ぎ止め、ほとんど死生人(ゾンビ)になってやがるな。
そこまでして一体何をしようってんだ、普通の人間ならとうに発狂して自ら死を選ぶところだ」

冷たいトーンのかごめの言葉にも、ブロートは顔色ひとつ変えることはない。

「知れたことを今更問うか。
僕にはヨルムンガンドが必要なんだ。
国を繁栄させるという、その力が」
「愚かな。
何処で間違ったか知らんが…ヨルムンガンドはそのようなものでは断じてない…!」

対峙したままのモリビトの青年が、険しい表情のまま告げる。

「ヒトよ、知っているか…!?
あれは破壊を司る生物…否、愚かなるヒトが生み出した最凶最悪の兵器!
あのようなものがヒトの役に立つことなどない!!」
「それこそ、今更だ。
よく知っているとも」

「な…に?」

驚愕するモリビトの青年に、そしてそれを遠巻きに見つめるかごめ達に、ブロートは大仰に手を広げ言い放つ。


「その破壊の力こそ、僕の計画に!
国を繁栄させる力となるんだ!!
ヨルムンガンドによる破壊が、世界の繁栄をもたらすんだよ!!」



哄笑するブロートに、驚愕の表情のまま、戦慄くエンリーカが問いかける。

「なに…言ってんの!?
まるで意味がわからない…あなたとモリビト、どちらも別々の話をしてるみたいじゃない。
いいえ、あなたの話の方が」

いや、彼女は既にその明晰なる頭脳で、ブロートが何を成そうとするのかを理解してしまったのだ。
だがそれは…。

「そうだな、あなたには理解できないだろう。
ただ一つだけ言っておく。
総ては人類…そして世界のためだ


ブロートが手を振り上げ、その掌に輝く小さな鈴が、音を響かせる。




地鳴りから、轟音とともに枯れた森の大地を引き裂き、巨大な二対の腕を有する魔物が姿を現す。
瞳に危険な輝きをたたえるその魔物…かごめ達も良く見慣れた古種蛇竜種、バジリスク。

さらには、呼応するように周囲から石化魔樹もわらわらと姿を見せ始めている。

「テメエ…そんな奴を何処から!」
「それを説明することに意味など無いだろう。
それでは、僕は先を急がせてもらうとしよう…封印の鍵を手に入れた以上、時間が惜しいのでね」
「待て…!」

走り去るその姿を追おうとしたモリビトの青年に、バジリスクは素早く反応して邪視を解き放つ。
避け損ねたその片足が見る間に石となり、大太刀の如き巨爪を備えた豪腕が振り上げられる…が。




「こいつを…やっつける方が先決のようね…!」

間一髪、その身の丈と同じほどの大盾を構え、青年とバジリスクの間に入ったサユリがその一撃を受け止めている…!
さらに、群がる石化魔樹に対して、アンナが牽制の火球を放ち、青年の元に辿り着いた葉菜が石化の解呪と治癒を開始する。

驚いたように目を見開く青年の視線、その先で、雷を纏う切っ先と穂先を振り上げるかごめとるりが、バジリスクの頭上に飛び出していた。

「とっととくたばりやがれ、このクソヘビ野郎ッ!!」

神の怒りとも思える雷霆の一撃が、バジリスクの両目を一度に潰してのける。
その最大の武器とも言える「石化邪視」を封じ、かごめはさらに二の太刀を眉間目がけて振り下ろし…その瞬間、場の誰もが凍りつく事態が起こる。

かごめの胸を、背中から貫く一太刀。
その切っ先を持つ、虚ろな目の少女が…表情を歪める。


「…こいし…お前…」
「かごめさんッ!!」

こいしの姿がかき消えると、ゆっくりとその姿は地上へと落下し始め、るりは咄嗟に手を伸ばす。
さらに、瞬時に片方の目…るりに潰された方の視力を回復させたバジリスクが、その恐るべき邪視を彼女へ向けた。








アリス「
∑( ̄□ ̄;)うえええええええええええええええええなにこれなにこれなんなのこの展開!?
   あの無意識なにしでかしやがってるのこれ!?
   一寸待ってマジで意味わからんしログ読み直させて私もわけわからんッ(スキマへダイブ」
輝夜「あー行っちゃったかこれはもうダメかもしれんね(ちらっ」
早苗(死んだ魚のような目)「おそらきれい(口から流砂
輝夜「(スマホ取り出し)あーてんこちゃん今ヒマ?
  あーうんこれから迷宮のボス解説するんだけど大至急守矢神社に来てくんないかな?」
神奈子「いや流石にあんた達ちょっとフリーダム過ぎでしょ自重なさいな(呆
   
とりあえず次回へ続くわよ( ゚д゚ )彡