ペルセフォネが意識を取り戻したその場は、この世ならざる場所であった。
最後に、鈴の音が響いて、それからの記憶がおぼつかない。
いったいあれからどれほどの時間が経っていたのか?
そもそも、なぜこのような場所に自分がいるのか?
-あなたが、あいつの言っていたもう一つの鍵だったんだね-
どこかから声が聞こえる。
それは、彼女にも聞き覚えのある声。
立場上会う者が多い分、さしもの彼女とてその全員の名前と顔が一致するわけではない。
だが、中には強烈な印象を残す者もいて、一言二言交わした程度だが忘れ得ぬ個性を持つ者もいる。
その声の主…タルシスの地を舞台に、過酷な冒険を経験したという彼女もまた、その一人だ。
「貴公が何故このようなところにいる…貴公のところのギルドマスターが凄まじい剣幕で探していたぞ。
もっとも、私もすぐに戻れそうにないのは一緒か…否」
ペルセフォネは柄にもない冗談を口にし、苦笑しながらも…周囲を見回した。
意識がはっきりしていくにつれ、自分が見覚えのない祭壇の前に立たされていることに気が付いた。
濃密な森の匂いが立ち込めるその場所では、不思議と疲労感も、空腹のような感覚すら感じない。
生きていることは間違いないだろうが、まるで、自分の意識だけが肉体から切り離されたかのような…だが、ここまで来た足取りの記憶を、脳ではなく体そのものが覚えている。
この地へ己が導かれたことも、全くの偶然などでは断じてなく、明確な意思の元に成されたことを。
だが、それは決して己自身の意志によるものではないことも。
そして…目の前の彼女が、己とは違う経緯によってこの地に至ったことも、また。
「貴公は、己の意思であの男に加担したのだな。
己一人を絶対悪とし、破壊によって強引に人々を結びつけようとするなど…そこには決して、平穏など生まれ出る筈はない。
貴公が本当に、豊穣を司る神格であるのなら…彼の目論見がいかに愚かしい事かと思わなかったのか!?」
-そうだよね…それは認める。
やっぱり、あたしってどうしようもないバカだよね。
…かごめ達…すごく怒ってるよね…でも-
その表情にも、言葉にも、深い後悔の色が滲み出ている。
この現状もまた、彼女にとっては不本意なことであったのだろうか。
それとも、そう望んでしまった先を知らずしての事か。
いずれかは解らないが…少なくともこの地で起ころうとしていることが、彼女にとっても望まない未来であることを、ペルセフォネは理解していた。
「ああ、その通りだ。
だが…それでも、貴公らを連れ戻すという大目的の傍ら、我らに協力しここまでの道を切り開いてくれているはずだ。
今ならまだ間に合う、私にもおぼろげではあるが、この「
共に戻ろう、穣子。
恐怖と破壊を前提とした団結など、あってはならぬ愚挙なのだから」
「それでは大いに困るのですよ、姫君」
響き渡る声。
それまで何の気配も感じなかったその空間に、声とともに漆黒のローブを纏った男が現れた。
ペルセフォネは己が剣を携えているということを無意識に自覚し、抜き放った切っ先を男へ向ける。
そして彼女は、その貌を見て眉をひそめた。
「貴様…ブロート、といったか?
否、貴様は何かが異なる」
男…そう、ブロートのように見えるその男は、容貌も声も何もかもがブロートのように見えた。
しかし、ペルセフォネとて一国の姫たる者、一度見た者の容貌をそうは忘れない。
男は声を噛み殺したように嗤う。
「ククク…私もまた『ブロート』なのだよ。
我ら兄弟が『
「成程、得心した。
ミュラーの元を貴様が訪ねていたのと同じ頃合いに、『狐尾』の者が貴様を見たというカラクリはそういう事であったか。
私の記憶が確かであれば、このマギニアの冒険者には呪言師に類する者が居らぬ…そのことも解せぬと思っていた。
それも…貴様の仕業か」
「それは心外だ、姫君。
多くの呪言師はそれ単独で戦う術を持たぬ。
単純に…篩落とされたに過ぎない。我々以外は、な」
言葉を交わしつつも、ペルセフォネは相手の一挙手一頭足に警戒を払う。
その時点で術中に嵌っていることを、彼女は果たして気づけていたか。
否…そもそも自分はどのようにしてこの地に足を踏み入れたのか。
その真なる経緯を理解した、刹那。
「仕上げの時が来ているのだよ、姫君。
今…ヨルムンガンドの封印は、解き放たれる」
後頭部を何かで殴られたような、鈍い衝撃。
禍々しき光が、地の底から湧きあがってくるのが、暗転する視界の中にかろうじて見える。
「甦れ…破壊の化身よ。
そして我が命を捧げよう。
幻想を支配するこの力で…私はヨルムンガンドとひとつになるのだ!!」
意識が途切れる前に彼女が見たのは、禍々しき世界蛇のシルエット。
~新・狐尾幻想樹海紀行X~
その34 生きとし生けるものの黄昏
藍「なるほどだいたいわかった。
つぐみがトイレに引きこもって出てこないのはいつものことだが、お前たちはお前たちでいったい何をしているんだ何を」
てゐ「まーそういうなよらんらん先生、倉野川の時もそうだけどゲーマーモードに入った諏訪子のドアホと早苗は止まりゃしねえ。
一応メタ話すれば私らにとっちゃ思い出話みてーなもんだ、ヒマもヒマだし少しぐらいは付き合ってやれるし(調剤中」
藍「…それはまあ私としても否定はしないが…にしてもそのクレオソート臭はいい加減どうにかならんのか><」
てゐ「しょーがねーだろーこれでも飲まさねえとつぐみのヤツ、オムツが何枚あったって足りゃしねえんだよわかれ(キリッ」
一舞「何時からこの家正露丸製造工場になった…?
いや、まあ、つぐみの件はあたしも知らないわけじゃないけど…つーかこの匂いだけでつぐみいるのわかるぐらいだし」
めう「つぐみんが完全にトイレで天岩戸状態だから仕方ないめう。
というわけでめうにはチャンミ用決戦兵器マチタンの厳選する系作業があるからこれにてドロンするのだっ(脱兎」
一舞「あっ、こら待てし!!
って逃げ足はっやこのやろう!!!><」
てゐ「とまあ今回はあれか、ブロート野郎の話だな。
とにかくここまで来るまでが長すぎて、実際ここに来る頃にはレベルも裕に80越えてくるとは思うんだわ」
藍「それどころではあるまい、どうせ狐野郎はいつもの如くここに来るころには引退祭りもしてやがるんだろう」
てゐ「わざわざ確認するまでもねえな、特に今作は何しろ最後の迷宮で素材集めがてら道中のFOE片っ端から狩ってれば当たり前のようにレベル99になっちまう」
一舞「…FOEって普通は避けて通るものじゃなかったっけ?」
てゐ「それも今更の話だな。
あと知っての通り、道中の最強武器なんかも当たり前のように回収済み」
一舞「それ絶対ボウケンシャーとして何か根本的に間違ってるよね?(しろめ」
藍「最近なんとなくわかってきたんだが、狐野郎は基本サガ沼に頭の悪いハマり方をしてるから、縛るは縛るでもその方向性がなんか違うんだろうな。
限られた稼ぎ環境で明らかに攻略タイミングに逸脱した要素をかき集めて、以降は世紀末のモヒカンばりにヒャッハーしたいクチなんだろう」
てゐ「少なくとも低レベルや低資産で速攻なんやかんやするって考えがねえことは確かだな。
最近FFⅥのピクセルリマスター始めたみたいだが、頭からレベルを抑えて進む考えはないらしい。多分オーディンも速攻でライディーンに変えちまうだろこれ」
藍「アレの最強ステータス育成のための低レベル攻略も自己満足の域を出ないからなあ。
無印世界樹の引退マラソンとどちらが建設的なのか、私にももうわからんよ」
てゐ「そういう話しだしたらきりがないところだし、そろそろ話を戻すウサ。
後々余裕があったら触れるが、前回ちょっと触れた終わりの森以外にも道中にはまだ二つ小迷宮もある。現状解説は棚上げになってるが」
一舞「りんか達の行った古城跡とアリの巣だよね」
てゐ「そそ。
アリは単発なんだけど古城の話はプロット上ちょっとややこしく話に絡めやがったし、こっちは話すとしてもクリア後だな」
藍「今更だがプロットなんかあるんだなこのログ」
てゐ「あまり機能してなくてしょっちゅう変わるという点も今更の話だがな。
そんなわけで、最後の霊堂はヨルムンガンド封印の迷宮、つまり今作のラストダンジョンに通じている最後のチェックポイントであり、これまで散々なんかしてきやがったブロートとは最初で最後の戦いになる。
っても、冒頭でも触れたが『ブロート』は二人いるんだがな」
一舞「地味に道中、みょんになれなれしくて一人称が「俺」のブロートと、なんかちょっとスカした感じで「私」って言ってる奴だよね。
勘のいいボウケンシャーならその時点でなんかおかしいな、って思うところなのかな」
てゐ「それがまあ伏線ではあるんだと思う。
っても、ブロートが二人って明言されるの、ブロート戦の後なんだけどな。
仮にここではヒーローの弟ブロートと、カスメの兄ブロートっていう風に呼び分けるが…まあ、カスメのほうをヒーローが「兄者」ってはっきり明言するのもクリア後の話なんだが」
藍「もう何年も前のゲームで今更ネタバレがどうの、というのもアレだが、そこまでもうここでぶちまけていくのな」
てゐ「今更隠すのもアホらしいし、多分茶番ではそこまで詳しくやるかはわからんしな。
という経緯で、戦闘する直前までまだ兄ブロートは登場してきていないが、恐らくは兄ブロートの呪言で操り人形状態になっているペルセフォネと、弟ブロートを追い詰めたところで、ブロートの真の目的が明かされる。
先の駄文中でも散々言っていたように、ブロートは「争いを続ける愚かな人間」とやらを、「ヨルムンガンドという暴威を持って、それに抗させるために団結させるよう仕向ける」事を目的としている。
要するにアンポンタン共が互いに喧嘩し続けるんだったら、双方をぶちのめせる力を持ってきて無理やり団結させようとかいうわけだ」
一舞「ほんとうに何もかもがおかしいよね。
戦争をし続けるのも悪いことだけど、それを止めさせる為とはいえ両方を軽く滅ぼせる力を手にしようだなんて」
てゐ「そこは少し違うな、イブ。
あいつはヨルムンガンドを「手に入れる」ことは考えちゃいないんだ。
ヨルムンガンドは「蘇って暴れてさえくれればいい」というのが、奴らの目的だ。狂ってるなんてもんじゃない」
一舞「ますます意味わかんないしっ!
いったいどんな生き方をすればそんな考えになっちゃうの!?」
てゐ「これもとっくに書いているんだが…あいつらも戦争孤児だったらしいことが、戦闘後のセリフから伺えるな。
普通なら、例えば「この愚かしい戦争を俺が止める!!」みたいなありきたりの考えに至るところだろうが…みんな平等になっちまえば相争う必要がねえとか、戦争孤児になる前はもしかしたらある程度恵まれた環境に生まれてた可能性もあるんじゃねえかな」
藍「確かに、生まれついて天涯孤独の身空で至れるような境地にはなかなか思えないが。
とはいえ、先にあるのがディストピアかポストアポカリプスかの違いでしかないが、ノーフューチャーに変わらないのはなんともだな。
たぶんここではフレーバー的にちょくちょく引用されている「例の世界」の話は、あの狐野郎的にはディストピアになるのだろうが」
てゐ「なんにせよこれ以上は私らには解りかねる領分になるし、話の空気がどんどん悪くなる一方だからこのへんにしとくべ。
そういうわけで、似たような名前で謙虚でも黄金の鉄の塊の騎士でもねえブロート野郎の解説に移るぞ」
藍「既にブロートのスペックやら行動パティーンの解説は終わってるから、かごめ達がいったい何をしでかしやがったのかという話か」
てゐ「んまあそういうことだねえ。
つーわけでフリップどーん」
藍「なぁにこれぇ(しろめ」
てゐ「うんまあ相変わらずツッコミどころ満載なのはおいとけ。
そもそも一周終えてるデータだしこんなもんだよ、あとこれ結構前でも触れてるんだが基本は英雄一騎するやつだ」
一舞「……えっちょっと今までなんかいろいろ考えてるのどうでも良くなるレベルで意味不明なんだけど。
とりま英雄一騎ってナニ?」
てゐ「簡単に言えばサブショーグンのハイランダーで、ショーグンの一騎当千を使わせて手数を稼ぐ組み合わせだ。
一騎当千自体は3にあった超絶ぶっ壊れスキルで、3はサブでも一部のスキルを除いてスキルレベルを最大まで振れていたが、チルノのアホが我流の剣術でルーミアのこれを着火してFOEやボスをしばき倒してたのがうちらのアーモロードの後半戦だ」
藍「何しろ狐野郎はシリーズ最初に触れたのが3だったせいもあったが、ナマズ野郎には適正レベル以上で挑んだにも関わらず余裕でhageてたりエミットウェポンには目もくれなかったしでめちゃくちゃではあったな。
今やり直したらありとあらゆるクソ手段を駆使しそうではあるが」
てゐ「クリア後にはリリカだって分身メテオとかいうアホなことしてたからな。
ちなみに結局メテオのダメ計にエーテル圧縮やエーテルマスターが乗らないから、あまりにも割りにあわねーってことになって圧縮ブリッツにシフトしてはいたがな。
ロンゴミアントにTEC鍛冶してたみたいだからイカを何匹始末したのやら」
一舞「よくわかんないけどとりあえず昔からめちゃくちゃやってたのだけはわかったし(呆」
てゐ「これまでのシリーズにもこれ系の追撃スキルは珍しくないんだが、例えばチェイスやリンク系みたいに制約があったり、逆に5の三途渡しみたいにデメリットがデメリットとして機能してないぶっ壊れスキルも多くってな。
3の一騎は全くデメリットがない上にバグで超火力も叩き出せたもんだから、クロスでは追撃のたびにHPを消費する仕様になっちまった。
しかも一定量消費だから少しでもダメージ受けてれば勿論、本職でマスターするとHP最大からぶっ放しても4回も追撃してれば普通に死ぬ程度の消費量だな」
藍「ハイランダーってことはブラポンは普通に使うんだろうし、マスターのレベル半分のHP消費でもブラポンの反動絡めば普通に死ぬな」
一舞「えっ超絶使いづらくないですそれ?」
てゐ「ああクッソ使いづらいよこれ。
だから途中で回復挟んだり、マグスの脈動なんかでサポートするんだけど…ハイランダーでやる場合は別だ。
FB英雄の戦いと併用すると、本職のマスターに迫る威力の追撃をHP回復しながら繰り出せる。これがいわゆる英雄一騎っていうコンボだな」
一舞「えっ?
これショーグンのスキルですよね? るりさん刀も持ってるし刀依存じゃなくて?」
てゐ「武器属性依存って言ったろ。
つまりメイン武器を槍にして繰り出せば、槍スキル扱いになるから英雄の戦いが適用されるんよ。
あいつが刀持ってんのは道中の雑魚に先手取れる谺流しが便利だからだ、こいつは刀スキルだし」
藍「かごめの奴がサブのヒーローで鼓舞と勇者の絆持ってるの、あいつにしちゃ珍しくサポートを重視してるんだろうな。
…まー兜割を振り切ってる時点でバ火力も振り回す気満々なんだろうが」
てゐ「FBが使えるんだったらかごめとるりが同時起動して一騎当千でタコ殴りにするんだろうが、平時はアレだな、残月居合陣で反撃しながらダメージ稼ぐんだろこれ。
多分でもなんでもなくサユリがサブセスタスでクロスカウンター握ってんの、あいつが挑発でタゲ集めてそれを残月居合陣のトリガーにした挙句クロスカウンターでダメージをkskさせるんだろうな。前衛3りに関しては気持ち悪いぐらいコンセプトがかみ合ってるし、ここに葉菜のチェイスヒールが絡めばこっちのほうがむしろ安定した高火力をたたきだせるんじゃねえの?」
一舞「えー…そういう盾職の使い方アリなの~?^^;」
てゐ「というか、残月居合陣もなんだかんだ狂ったスキルだからな。
相手が物理接触メインだったらクロスカウンターも火を噴く、地味にブロートとの相性抜群かもしれないなこの編成。
ちなみにだがブロート相手には特に不要だが、葉菜このあとサブをプリンセスにして属性付与もできるようにしてるからもっとえげつないことになってるぞこの面子」
藍「えっじゃあ何で葉菜シノビなんて」
てゐ「ソニックダガー目当てじゃないかなあ。
んまあ行動速度を上げるんだったらこいつほどぶっ壊れてなくても、サブプリなら突剣でもカバーできるところだし」
藍「ここにわざわざ書いている時点では、どうせしてないんだろう」
てゐ「言わずもがなだな。
あ、言うまでもないがこのアンナ者、凍砕斬改を止めるのと忌まわしき波動の解除ぐらいしか基本的にしてねえ。
つーかこいつそれ以上の仕事ねえしな」
一舞「で、実際はどうなったんですこれ?」
てゐ「どうなったもこうなったも、ここまでつらつらと書いたとおりにしかなってねえよ。
かごめとるりがFBしてひたすらぶっ叩き、それ以外はさゆ者をオトリにした挙句さゆ者のクロスカウンターへさらに黒髪のアホと綿飴頭が嬉々として追撃しかけていくところにはな者がチェイスヒールぶちまけるだけだ。
んでたまにアンナ者がアムリタ投げながら凍砕斬は先見で止めつつバフのまき直し、以上」
藍「絡め手も使わなきゃ向こうも心頭滅却使う理由ないしノーガードの殴り合いか、つまるところは」
てゐ「サユリンがクロスカウンターしてくれれば残像も置物になるしな。
最後っ屁のミラクルソードなんてこいつら蚊に刺されたようなもんだし、それにまー弱体化はしたっぽいけどチェイスヒールがマジで強い強い、葉菜がいなくなった時点で瓦解するなこのPT」
一舞「シンプルに殴るだけとからしいっちゃらしいというか…」
てゐ「言い忘れてたが半端に削れた残像はるりに処理させて血染めのエサにしようとしたがこれはそんなうまくいかなくて」
藍「残像放置するならそんな余裕あんのかっていう話だな」
てゐ「なんだかんだHP1800ちょいってそこそこ面倒だからねえ、処理すんの。
まーとにかく凍砕斬さえ潰してしまえばめっちゃ楽だよコイツ」
…
…
「違和感に気づくの、ちょっと遅いんじゃないかしらね」
どれほどの剣戟を交わしたことか。
鉄面皮に見えた青年の表情は、明らかに困惑と焦燥の色を強めている。
「元は
誰が切欠だったかは不明瞭、その「誰か」に本来備わっていた資質だったのか、それとも」
陽炎のように、薄笑いを残し消え去る虚像…言葉が終わりきらぬうちに、繰り出される薙ぎの一撃を、ブロートは紙一重でいなす…しかし、彼は「起こり得る現象」が起こらぬことに、短く舌打ちをする。
「このレムリアに、何らかの力が備わっていて、それが一部の者に発現したのか。
解っていることは少ないけど、少なくあんたの専売特許でないことはわかったわ。
そして、このチカラ」
険しく目を細め歪めるブロートの目の前に、同じように冷たい薄笑いを浮かべるるりの虚像が…生み出される。
「私本来の能力…“蜃気楼を見せる程度の能力”とすこぶる相性悪いみたいね?
闘気の残像は、ある程度の空気濃度がなければ一方的に掻き消えてしまう…うちの明夜ちゃんで実証済みなのよ、これ。
これを十全に使われるようだったら、私だってタイマン張るのはちょおっとばかし危なかったかもしれないわね?」
冷たく、妖艶に嗤うその言葉が紡がれるたびに、虚像はさらに数を増していく。
だが。
「…そう、降伏は勿論のこと、対話すらする気がない、と。
何様のつもりか知らないけど、今あんたの生殺与奪の権利を握ってるのは私だ」
表情を変えず、解き放てぬ分の闘気を剣に集中させるブロートを見て取ったその表情が、冷たく激しい怒りに豹変する。
目の前のるり本人だけでなく…ブロートを取り囲む、虚像の全てが。
「あんたにどんな理由が、目的があれ、私の大切な者を事も無げに殺そうとした。
それだけでも、万死に値するわ」
展開された無数の虚像が槍衾と化し、一斉になだれ込む…その瞬間。
「…えっ」
禍々しい何らかの波動が、脈を打つように大気を走り、るりの虚像を打ち消した。
るりだけではない。
その波動は、ブロートの闘気剣の光すら打消し…彼もまた驚愕の表情で虚空を仰ぐ。
そして、その影響を特に強く受けたのは…禍々しき偽りの太陽。
「ぐああああああああああああああああッ!!!!」
獣のような咆哮を上げ、それに応えるかのように纏う炎が禍々しく燃え上がり、間合いを詰めていた三人を吹き飛ばす!
「っ…なに、今の…っ!!」
「こいし、前ッ!!」
リリカが叫ぶより前に、暴走した八咫烏がこいしの首根っこをつかんで猛然と飛翔し、爆炎諸共広間の一角に叩きつけた。
…
…
-心配になって化けて出て来て見りゃ、お前さんは大丈夫そうだな。
幽霊が年を取るのかどうかは知らんが、長く存在してれば余計な老婆心も沸くってなもんか-
浮遊する意識の中で、彼女はその声を聞いている。
覚えのある声だ。
それは自分に、初めて戦う力を与えてくれた存在。
-だが、お前は一つ勘違いをしてるな。
方向性の模索が悪いとは言わねえし、せっかく俺が教えてやったのを反故にしやがったなんて言うつもりもねえが…-
彼女は、声の主が指差す先にあるものを見やる。
アルカディアからずっと使っていた、紅い刃を持つ揺籃の鎌。
彼女自身にも分かっていた。
それはきっと『自分の目指したい方向性』ではないことを。
だが、行きたい道にはあまりに大きな『前例』があり過ぎて。
-先に行く者は、後から来る者の範であればいい。
あの馬鹿のこった、そんなことをしたり顔して言ってやがったんじゃねえか?-
言ってた。
いちばん、よく聞いていた。
-だったら答えは一つだろ。
お前はあくまでお前だ。
自分で言ってただろ…お前の中にあるその魂は-
そうだ。
この魂は、この心を突き動かすものは。
彼女は、その柄を…『
-貫き通して見せな。
俺が託した『
「ええ!
私の羽ばたく先は、その遥か向こうにある!!」
力強く握られた、真紅の大太刀。
彼女が持つべき本当のチカラ。
彼女が戦場に舞い戻るその時も、秒読みの段階に入っていた。
…
…
つぐみ「まーそんな引き方してるけどぶっちゃけ美結ちゃん以後もリーパーのままだしね(げっそり」
てゐ「おやつぐみ、生きてたか」
つぐみ「勝手に殺さないで頂戴><
実際の話ブシドーはそこらにごろごろ転がってるし、じゃあショーグンにしたところでどうするんだっていう話で」
藍「ポケモンログからの定番『フレーバーだけ匂わせといて結局そうなってない』だな」
一舞「ヤケモンかと思ってたらヤケモンじゃなかったとかいう言語道断な話もあったよね、そういえば。
でもなんか聞いた気がするんだけど、クリア後のみゆってサブクラスはめっちゃかまったとか言ってなかった?」
つぐみ「あくまでそこはクリア後だからクリア後まで置いといて欲しいかな。
その話までするかどうか知らんけど(投薬中」
てゐ「シナジーもないわけではないからなこの組み合わせも(投薬中
そも、リーパーにも泡沫だけじゃなく死の鎌や引きちぎる大爪といった必殺技もあることだし」
藍「あ、捕食の宴じゃないんだそこは」
てゐ「SSQ2よりさらに弱体化してんだぞそれ。
おハルが使ってもショボいのにこっちが使って急に使える技になってたまるかってんだ」
つぐみ「実際デバフ手段には事欠かないから泡沫でも十分な高火力なんだけど。
今回睡眠時補正がなくなっちゃってるから、それさえあれば含針からバ火力叩き出せるんだけどねえ、死の鎌」
てゐ「睡眠補正と合わせれば実質1732%とかいうクソ火力だからなアレ。
ちなみにだが星喰にも一応睡眠は入る、参考までに」
一舞「裏ボスなのに?」
藍「まあ世界樹そういうところ意外とガバいからなあ」
つぐみ「そもそもうちはめーやちゃんが単独でクソ火力叩き出せるし、他はまあサポートがメインだから。
リンクオーダーでもあればまた違うんだけどねえ(プヒー」
藍「その為にエレメントボムがあるんじゃないのか、そこは」
つぐみ「めんどくさいから使ったことない(キリッ」
一舞「威張るな威張るな^^;」
てゐ「意外に火力が出ないわけでもないんだけど、あくまでサブの攻撃手段に成り果ててるのがな。
コンスタントにアームズ乗った分身明夜が消える前に打てればそれなりには使える気もするけど、どうなんだろうなあ」
つぐみ「どっちにしてもめんどいから異常に乗じて霊攻大斬するし(キリッ」
一舞「振ってないじゃん(真顔」
てゐ「なんだかんだつぐみのサブも迷走しまくってるしな。
結局サブマグでひたすら脈動を打つだけの簡単な仕事をしてるだけだが」
藍「なんじゃそりゃ」
てゐ「本職の王家の血統でTPが8回復するから実質ロハで脈動使えるってだけのコンボだな。
逆にその為だけに高速で血統を振り切ったまである」
つぐみ「だって便利なんだもーん(プイッ
真面目な話すると今回のブレイク、宿代わりにできないというか最終決戦の軍歌のマイナーチェンジみたいなスキルになってるからねえ」
藍「それも初耳なんだがどういうことだ?^^;」
一舞「そもそも今更する話じゃなくない、メイン職のフォースブレイクの話とか?^^;」
てゐ「まあいうな、触れる機会もあまりなかったしな。
今回のプリのブレイク、現在の味方側にかかってるバフをそのターンだけ解除されなくして、なおかつ現在かかってるバフ効果をそのターンだけ2倍にするという効果だ。
防御系の効果はふたつぶん扱いで計算率は乗算になるらしいが、攻撃系は攻撃号令とブラポンが重複してそれぞれ効果が2倍にそれぞれのスキルの補正が合算される。両方マスターが乗ってると仮定すれば+170%の2倍だから十分ふざけた補正率だな」
つぐみ「でも結局バフありきだから軍歌に比べると扱いづらいと申しますか…FBで準備するにしてもどうしても利便性が落ちるのは否めないというか勝てる点が見当たらないんだよねえ。
大体にして今回バフも少ないならチャージ系のスキルもないのに、クリア後のFOEのHPが平然と5万越えてくるんだから勘弁して欲しい><」
てゐ「5万で済むと思うか?
私の聞いた話だとHP12万とかいうFOEがいるとかだが?」
一舞「∑( ̄□ ̄;)普通裏ボスクラスでしょそのHP量!!!
えっ何こわっ…今更だけどなんであたしたちこんなところに放り込まれたの(震え声」
てゐ「SSQ2のアステリオンだって普通にバーローよりHP高かったからもうそんな程度でいちいち驚いてられねえわな。
あんまりそういうインフレばっかりされてもなあって言うのもあるが、時代の流れなんかねこの辺も」
てゐ「とりまつぐみも戻ってきたことだし、次はどうする?」
藍「それは私抜けても構わないとかそういう話か?
そろそろ橙も帰ってくるからスキンs…グータラ様も昼寝から起きやがるだろうから夕飯の買い出しに出たいんだが」
一舞「藍さん自分が抜けるの前提なんだ…っていうか訂正するのそこなんだ^^;
だったら見つけたらでいいしあのアホめうだけでもこっち捕まえてきてよ、あたしたちでやるし久しぶりに」
つぐみ「やる気だねぇ…ってそれ普通に私もいろってことよねそうだよね。別にいいけど(キリッ」
てゐ「んじゃまあ私はあのボケガエルと黒髪のアホと不良秋神をしばく作業でもするか(キリッ
もう残るところわずかだが、表の最後ぐらいあのボンクラ共も引きずり出すし」
紫「なら私も予め次から混ざるわ。
起きてもごはんの時間までやることないし(キリ-ッ」
藍&てゐ「威張るな威張るな(#^ω^)」
つぐみ「というわけで、次なんだけど…冒頭でてーさんが触れてるし、幕間の番外編で私達のやったアリの話をしようかなって。
プロットの時系列的にはちょっと後の話になるけど、次からどんどん最後に向けてシリアル()になっていっちゃうしね。
そゆことで藍さん、めうめうの捕獲よろしく(キリッ」
一舞「よろしく(キリッ」
藍「まーいいけどさーさて買い出しついでに管狐飛ばすかー(´ω`)」