♪BGM 「戦場 死が分かつ十字路」♪


地図上では北に位置する霊堂…その中を少女たちは突き進む。
いかなる古代の機構があるのか、脈動する燐光が壁や石畳を走る。

そこには魔物の姿はほとんどなく、さしたる戦闘も起こらなかった。
正確に言えば、道中見かけるのは、切り刻まれ肉を抉られた遺骸ばかり。
どれもつい数刻前までは生きていただろうことが伺えるが、どういうわけかこれほど夥しい数があるにもかかわらず、血痕らしきものは見当たらなかった。

もし、彼女たちに余裕があれば気づいたか…あるいは、そのことに気づいてはいただろうが、そのことに言及する時間などはなかったろう。
わずかに残った魔物の血液が、石畳を走る燐光に吸い取られ、あるいは石壁に吸い上げられ、燐光と共にある一点へ向けて流れているだろうことに。



無論、つぐみはそれに気づいている。
そして、おそらくは。

「目を覚ましたばかりの時って、おなかがすくんだよね…!
わたしだって、そうだもん」

まり花らしい言葉ではあったが、並走するその横顔の表情は、硬い。
それが如何なることであるかを理解した上で、それでも、可能な限り場を和ませようとしてくれているのだろう。
つぐみは努めて苦笑して見せ、同意するかのように頷く。


伝承によれば、この「生きた災厄」は途方もなく巨大で、レムリア全土を二巻きもするほどの大きさがあるという。
名前の由来となっただろう「世界蛇(ミドガルズオルム)」ほどばかげたサイズではないが、それでもその巨体を十全に動かすためには、膨大なエネルギーが必要となるはずだ。

この燐光は、復活したヨルムンガンドの初動に必要となるエネルギーに由来するものか…これを阻めば完全覚醒を止められるかも知れないが、見渡す限りの景色で同時に、しかも途方もない規模で起こっているこの現象を止めるなど、現状を鑑みれば絵空事にも等しい。
そういうことであれば。



「裏を返せば、覚醒したばかりなら本調子ではないはずよね。
必然的に、ヨルムンガンドを止めるなら今がチャンスなのかも知れないわ」
「聞く限り『ブロート』とやらは、それを御するつもりなどないのであろう?
完全覚醒させ暴れさせるだけが目的であれば…こうして時を稼ごうともするか!

何かの気配を感じとった灼髪の王女が剣を抜き放つと、霊堂の最下層…さらにその先のさらなる迷宮に続くだろう階から、巨大な蟷螂の如き魔物が姿を現す。
どの樹海でも見慣れ、冒険者たちの恐怖の的となるそれは…その複眼や体節に、霊堂と同じ燐光をまとっている。

全てを狩る影…ね。
そうよね、これだけ見慣れた魔物がそこいらに生息しているなら、こいつがいないって方がおかしいわよね!」

先頭に立ったカスティルの刃が初撃をいなし、集団が回避行動をとろうとするのに合わせて、さらに蟷螂の巨大な斧が振り下ろされるのを、その目の前に躍り出たウィラフが受け止めて叫ぶ。

「ここはあたしに任せて!
みんなは先へ!」

一瞬の逡巡ののち、駆けだそうとするつぐみたちの前に、新手の蟷螂も姿を見せ、出合い頭の一撃が放たれる。
そこへは、さらに別の影が割り込んで大斧の一撃を受け止めている…その姿は、つぐみも見慣れたイクサビト。

「何とか間に合ったな!
ここは拙者達が受けもとう、急げ!!」

頷き走り去る少女たちと、蟷螂の間に滑り込むようにして、数多の血を吸ってきた歪な凶器を振り払った『竜狩り』の剣士と歴戦のイクサビトが並び立つ。

「…久しぶりね、キバガミ。
辺境伯(おじさん)もあなたに会えなくなって、すごく寂しそうにしてたわ。
せっかくの機会だし、もう少しゆっくり話したい気もするけど」
「うむ。
拙者も里のこと、タルシスの皆のこと…聞きたいことは山ほどあるが…この大いくさを終えてからとしよう!!」
「なら、しゃべる余裕ぐらい残しておかないとね!!」

鍛え抜かれた業物が鮮やかな軌跡を描き、燐光の刃と激突する。



~新・狐尾幻想樹海紀行X~
その38 破滅の脈動(リズム)




燐光の流れに導かれるようにして辿り着いた世界樹の麓。
集積したエネルギーが渦を巻き、息苦しさを通り越して咽返る程の「緑」の匂いが立ち込めるその根元に、それはあった。

まるで、世界樹と一体になったかのような、最後の霊堂。
これこそ、超兵器封印の地というべき場所であることを、一行は理解する。

ここを根城とするだろう魔物たちが、緑色の瘴気で濁った双眸を向け、まるでこの地を守護するかのようにして集まってきている。





「避けては通れない、か。
どのくらい残れば、足りると思う?

険しい表情のマルコが、術式を展開させつつ、つぐみに問いかける。

超兵器の相手に、できれば五人…でも、三人でも残れれば

短くそう答えた少女に、已む無し、という風に熟練の術師は頷く。




「あんたは残るんだろう。
なら、陽動を行う役と、後方支援者を護る防御役(タンク)も要るな
前衛にも、可能な限りツーマンセルで動ける支援役も必要…デスよね?
ワタシが防御、ロブが陽動を」
「僕も遊撃に加わります。
僕のこの技術は、この時のためにあるんだ…!
道を示してくれた『狐尾』にも…僕を許してくれた姫様にも、そして僕を受け入れてくれた総ての人たちに、恩を返したい!

静かに、だが強大に纏われる瘴気。
この場に、彼がどんな想いを持って立っているのか、それを知る者はいないだろう。
しかし、言葉少ないながらも、彼が熱い思いを秘め…そして何よりも、迷いを乗り越えてきた力強さを感じることはできた。

「そうだな…レオ、だったな。
この戦いを終えたら、オレ達と組まないか?
お前となら、『狐尾』みたいにやっていけそうな気がする…!
「何言ってるんですかロブ!
ここでイチレンタクショーなら、もうワタシ達は仲間ですよ!!

驚いた表情を見せるレオ。
一瞬寂しそうに笑うが…それを振り払うかのようにして、ありがとう、と頷いた。




「…と、言うことだ。
ここはオレ達に任せて、先へ!」
「安心しろぃ!!
めりゃ、そこで冒険は終了だし…逃げりゃひとつだが、進みゃふたつ手に入るってもんだ!!
帰り道も、きちっと確保して…またステーキを存分に振舞ってやっからな!!」

いうが早いか、ロブの放つ雷の拳に続き…その巨体と同じぐらいの砲剣を振りかざし、オリバーが魔物の群れめがけて振り下ろす。
それが炸裂すると、さらにその先へ、マルコの放つ星術の大火球が、遺跡への道をこじ開けた。

「行ってくれ、みんな!!」

第二射、第三射の火球が放たれ、その援護を受けながら…つぐみたちは最後の霊堂へ突入する。








かごめ・諏訪子・静葉・紫「(へんじがない…ただのしかばねのようだ)」

美結「…しばらく席を外していた私が言うのもなんだけど、あの人たち何があったの?^^;」
つぐみ「今年の東京優駿(2023.5.23)でスキルヴィングがレース終盤に起こしたらしい心不全で急死しちゃったじゃない?
   それと一緒に魂を一時的に持ってかれてるだけだし気にしないでいいよ」
美結「まあ京都記念のエフフォーリアや天皇賞春のタイトルホルダーみたいに、競争中止になっても生きて種牡馬入りできたり療養後に復帰できなかったのは本当にねえ。
  あの状態で完走したこともそうだけど…ゴールラインを超えたところでルメールさんが馬から飛び降りて、必死に馬体を支えようとした姿は言葉にできなかったわね。
  …ていうかこれ、おおよそ女子高生がするような話題じゃないことは確かだと思うんですけど、そのへんどうなんです?^^;;;」
つぐみ「いい加減気にしないことにしたわ(キリッ」


つぐみ「この長いログも、ようやく終わりが見えてきたって感じだね。
   あそこで不貞寝してる人達が粗方解説終えてくれたんで、残るはヨルムンガンド本体の話になるのかしら」
美結「かごめさん達もさんざん言ってたけど、実際長すぎるわよね今回。
  悪い言い方をすれば、ボリュームの加え方を完全に間違えているというか。
  実際にクリアまでにモチベーションが持たなかったとか、そこで燃え尽きたってボウケンシャーもいたとかいなかったとか」
つぐみ「否定できないのが何とも言えないよね、そこは。
   その辺り比較しやすいの、近い時期にリリースされたゲームで言うならドラクエ11が本当に巧かったと思うよ。
   話は脱線するしネタバラシにもなるけど、ウルノーガを倒してクリア、で一度締めといて、そのあとは過去のある時点まで遡って、そこから別のラスボスを討伐するっていう」
美結「強いて言うならドラクエ3が近いんじゃないかしら、同じシリーズで言えば。
  明らかにバラモスがラスボス然として立ちはだかってきてて、それを倒して終わりかなーってところに、大魔王ゾーマってなんやねん!!みたいな」
つぐみ「んまー一度エンディングっぽいものを挟んではいたけど、実際ニズゼルファはポジション的にゾーマではあるよね。
   ただ世界樹クロスの場合、本編自体がやたら長かったしね。道中の攻略必須ボスって何体いたっけ」
美結「ラスボスまで含めると15体?
  一般的なRPGがどんなぐらいかわからないけど、そこまで多いかしら?
  ポケモンの話も出てたけど、ポケモンのジムリーダーや歴代悪の組織の幹部・ボスとかも含めればそのぐらいの回数になりそうではあるわよ」
つぐみ「あーポケモンかあ…確かに最近の作品は特に長い印象はあるけど、それでもクロス程ダレてくるかは微妙なところよね。
   赤緑だとライバルとは最終戦含めて7回、ジムリ8人、R団ボスのサカキとはジム戦除いて3回、四天王4戦…あれっ思ったより多い
美結「クロスは単純に攻略ダンジョンが多かったのと、ダンジョンの探索時間がかかるっていうのもあるからね。
  実際歴代の世界樹でも、ひとつの階層を踏破するのにだいぶ時間食ったじゃない」
つぐみ「確かに…って言っても4にはフィールドマップらしきものもあったけど、クロス程長くは感じなかったと思うよ。
   明らかにクロスだけは『ながい!!修正するべきそうするべき!!』って言えるレベルだもの」
美結「謙虚な騎士も怒りが有頂天になりかねない長さと関心するけどなにもおかしくなかったわ^^;
  世界樹も年々敵ステータスというか、HPがインフレし始めてるから余計よね」
つぐみ「実際新2のキマイラとか素の状態でHP8500ぐらいあるけど、無印の2だと1400しかないんだよあいつ。
   どう考えたって初手で戦うボスのHP量じゃないわ」
美結「狂ボスとして有名な無印2のジャガノがHP4500
つぐみ「新の16分の1しかなくて狂いっぷりに大差ないってどんだけかしら(真顔」








「るりさんッ!!」

魔物たちを蹴散らしながら、遺跡の半ばまでを踏破したところで、倒れ伏したまま動かないるりの姿を見つけたつぐみ達。
気つけにより意識を取り戻したものの、彼女もまた満身創痍で、呼びかけに対しても弱々しく笑みを返すだけだった。

「…ごめん…『彼』を止めるだけで手一杯だった」


周囲の其処彼処に、切り刻まれ、半身を吹き飛ばされた魔物の成れの果てが散乱し、彼女ともう一人が、想像を絶する戦闘を繰り広げたことをうかがわせた。
だが、その相手…『ブロート』の姿は見えない。
魔物諸共、物言わぬ姿となって、その肉塊の一部になり果ててしまったのか。



その様子を察したのか、るりはゆっくりとした口調で告げる。

『彼』のしたことは…決して、許されることじゃない。
けど…一つ間違えば…誰が、『彼』と同じになっても。

…私だって、そうなってたかもしれない…」

つぐみたちは、異様な気配を察し、振り返る。

その視線の先には、立ち上る燐光の影。
『ブロート』を始めとする、一部の者に発現した『影』の力に類する現象が…捻じ曲げられ、魔物の躯と結びつき、それを核として自分達の良く知る猛者たちの姿へ変貌する…!


♪BGM 「戦乱 屠られしもの」♪


つぐみは戦慄する。
『ブロート』や、明夜の生み出す『影』は、刹那の瞬間ではあるが本体の能力を完全に複写する。
目の前の『影』はあくまで『ブロート』の記憶に基づく存在でしかないといえども…。

「ふん、面白い余興ではないか。
つぐみと言ったか…ここは、余に譲れ。
模造品とはいえ、あの紗苗が一目置くというお前の母親…一度手合わせしたいと思っていたところよ!

言うや否や、それまでの重装を瞬く間に脱ぎ捨て、籠手と具足のみを残した身軽な姿となったカスティルが、同時に飛び出した『詩姫の影』と剣を交える。
同時に、解き放たれた冷たい光の一閃を、無詠唱の火炎魔法で相殺するカトリーヌ。
相対する、無感情な瞳を冷たく光らせる、緋色の衣を纏う氷の魔導士が第二射、第三射の冷気魔法を放とうとする。

「この地で鍛え、高めた私の魔術がどれほど通用するか。
紛い物とはいえ、『至高なる天素使い(プライマリィ・エーテルマスター)』レモン大師匠の好敵手たる『緋衣の大氷術師(クリムゾン・グレイシャル)』、相手にとって不足はございませんわよ!!

同時に展開される無数の風の刃が、先に放たれた火炎を巻き込んで、熱風の刃となって魔法がさらに相殺され、爆風を生む。

「つぐみ、まりか!」

襲い来る、姉妹神の刃を受け止める一舞と夏陽。

「あんた達と…あと、めーやくらいか…!
誰か追いつけたら、必ず行く!だから!!」
「ちっくしょおおおこんなことならもっと真面目にアテリンから巫剣教えてもらえばよかったあああああ!!
るりはあたしがなんとかするから、とにかく行けええええ!!」

動けないるりを担ぐや否や、半べそで一目散に元来た道めがけて駆けていくエンリーカ、それを負おうとする『海兵の影』達を、展開された方陣が動きを止め、めうが無力化する。
そして、さらに飛び出してくる別の『海兵』を、咲子と凛の刃が切り裂くと、魔理沙の放つ純粋魔力の光線が、その道を強引にこじ開ける。

ふたりは、躊躇うことなく…立ち止まりかけた明夜の腕を引き、さらに奥へと駆けだそうとする。
そこに、一際巨大な『影』が像を結び、凝縮され、生まれた『黒い妖精』が、カウンター気味につぐみの喉笛めがけて切っ先を走らせてくる…!


「この最強のあたいを真似してヒキョウなことするのは⑨億年はやあああああああああああああい!!」


一泊遅れ、すさまじい冷気が駆け抜ける。
受け止めた黒い剣と、冷気を纏う蒼い影。

少女は、泣きそうな瞳のまま…頷く。
つぐみはそれで総てを察し、同じように頷いた。


遮るもののなくなった、最後の回廊を。
覚醒の時を控えた超兵器を止めるべく、三人の戦乙女が往く。










つぐみ「本来ならここで、なんかもう数人裏切ってパークの危機状態にする予定だったらしいんだけど
美結「そんなことしたらもう完全に収拾つかなくなるよね。
  こういう局面に□のセルリアンフレンズっていい水増し要員と感心するけど以下略
つぐみ「実際その展開を思いついたら一瞬でしたね(キリッ
   そうでなかったら最悪りぐるんと静葉さんが一騎打ちするまであった」
美結「まるでわけがわからないよ(しろめ」
つぐみ「それはさておいて最後のフロア、恒例のFOEラッシュを超えて最深部にたどり着くと、エンリーカ達が『もうあたしたちの出番はにい』『ここからはボウケンシャー達でおねがいなんとかしテ!!!』って感じで丸投げしてくるから、君たちはそのまま突入することにしてもいいし、「準備ぐらいさせろ!」と一旦帰還して体勢を立て直してもいい
美結「聞き慣れたナレーション入りました^^;
  一応こんなのっぴきならない状態でも、普通にクエストって存在するんだからなんといえばいいのか。
  タヌキに化かされて落し物したから探してきて、なんてのもあったわね
つぐみ「タヌキが美女に化けて人を化かすとか、古典の定番だね。
   …そのタヌキがさらに三竜に化けてこっちをhageさせようとしてくるあたりは世界樹だけど」
美結「いつものことながら、発見したばかりの迷宮にガンガン人員放り込んでるんじゃねーっていう」
つぐみ「最終フロアの左上奥には、最後までついてこれたらしい衛兵の一団から回復アイテムももらえたりするよ。
   ここまで来てもアムリタⅡは超貴重品だから、もらえるもんはもらっときましょ!(CV:立花理香
美結「まーたどっかで聞き慣れたセリフを^^;;;
  あとは最終フロアに入る直前、なんか意味深な杭が刺さってて、今の時点では抜けない抜けにくい!みたいに言われるんだけど」
つぐみ「あー、それね。
   実はそれもクリア後要素なんだけど、ちょっとだけネタバレしておくと、それが関わってくるのはとある裏ボスを倒してからになるよ」
美結「えっさらにそんなヤバい要素があんの」
つぐみ「最大限好意的な言い方になるけど、DLCがいつもの経験値&資金爆弾しかないぶん、本来DLCでぶち込めそうな案件を全部買い切りにしたせいもあるんだと思うよこれ。
   でもその大半をクリアに必要なラインへ乗せてしまったのもよくなかったんじゃないかと思うのよね」
美結「コメントに困るなあ…。
  で、最後のフロアにペルセフォネさんがいて、兄ートは結局ヨルムンガンド復活の時に致命的な致命傷を受けて「こいつの使い方を…間違えるんじゃねえぞ…」みたいなことを言ってひっそり幕を閉じたらしいことがわかるわ」
つぐみ「兄ートって^^;
   弟の方はなんかそのまま地割れに飲まれ現在絶賛いくえ不明になって、ペルセフォネさんも「もうこうなったらお手上げ状態」と悲しみが鬼なってたけど、私たちが「と め る !」と宣言するとギャラリーの一人になっていよいよ最終決戦が始まるよ。
   そして蘇った最終兵器ヨルムンガンドのデータは…
こちらー!!><




世界樹ノ迷宮ボス ヨルムンガンド
レベル90 HP76487 無属性以外すべての属性が弱点(特に炎・氷・雷に弱い)/即死無効、石化・盲目・頭封じ・スタン耐性
薄弱の閃雷(頭) 遠隔全体雷属性攻撃、3ターンの間物理・属性ダメージダウン(倍率0.5倍)を付与
メガロダイブ(脚) 貫通近接壊属性攻撃、スタン付与
恨みの眼光(頭) 全体に石化と、3ターンの間回復量(倍率0.5倍)低下を付与
ペダンクルスラム(脚) 全体に高威力の近接壊属性攻撃、尻尾状態のときに使用し、使用後に通常状態へ戻る
撫で斬り(腕) 近接列斬属性攻撃
パワープレス(脚) 全体近接壊攻撃、麻痺を付与
シールフレイム(頭) ランダム4~6回遠隔炎属性攻撃、全個所の封じを付与


つぐみ「今までのボスと違い、まだ蘇ったばかりで本調子じゃないからHPの割には防御面がトーフじみてて、無属性以外物理・属性のどちらで攻撃しても大ダメージを与えられるよ。
   でも攻撃力だけは十分に高くて、特にモードが変化してから放たれるペダンクルスラムは、後列補正があっても防御していない後衛職を一撃で持ってく程度の破壊力があるの。
   例外はあるけど、最初の段階では恨みの眼光の後に変化してスラムのパターンになるんで、眼光のデバフあるのに立て直すのはなかなか大変だよ」
美結「防御面がふにゃふにゃな代わり、デバフとかでカバーしてくる感じになるのね。
  3ターンとはいえ火力半減はちょっと笑えないわよ」
つぐみ「ただそれでもやっぱり本調子ではなくて、大技ペダンクルスラムのあとは全身全霊(オールボディオールゴースト)を使い果たして動けなくなるから、そこで何とかするしかないね。
   ちなみに眼光のデバフはHP関係のデバフになるから脈動で相殺できるよ」
美結「地味に脈動連打して号令もあるから、実はつぐみちゃん相性良かった説ある?」
つぐみ「カモネー(プヒー
   それと新Ⅱのボス共ほどじゃないけど、ヨルムンガンドにも地味に行動パターンがあるよ。
   攻略wikiからの引用になるんだけど、とにかく文章にするとややっこしいから一覧にして置いておくよ」

戦闘開始~HP残量81%
戦闘開始直後のみ 薄弱の閃雷→メガロダイブ→通常攻撃(近接壊属性)→恨みの眼光(尻尾へ移行)→ペダンクルスラム(通常へ移行)(次段AorB先頭)
A.行動しない→メガロダイブ→薄弱の閃雷or通常攻撃(近接壊属性)→恨みの眼光(尻尾へ移行)→ペダンクルスラム(通常へ移行)→(AorB先頭)
B.行動しない→薄弱の閃雷→メガロダイブor通常攻撃(近接壊属性)→恨みの眼光(尻尾へ移行)→ペダンクルスラム(通常へ移行)→(AorB先頭)
HP残量80%~51%
初回のみ 行動しない→撫で斬り→薄弱の閃雷→恨みの眼光→ペダンクルスラム→(次段CorD先頭)
C.行動しない→薄弱の閃雷→メガロダイブor撫で斬り→恨みの眼光(尻尾へ移行)→ペダンクルスラム(通常へ移行)→(CorD先頭)
D.行動しない→メガロダイブor撫で斬り→薄弱の閃雷→恨みの眼光(尻尾へ移行)→ペダンクルスラム(通常へ移行)→(CorD先頭)
HP残量50%~31%
初回のみ 行動しない→パワープレス→メガロダイブor撫で斬り→メガロダイブor恨みの眼光(尻尾へ移行)→ペダンクルスラム(通常へ移行)→(次段EorForG先頭)
E.行動しない→パワープレス→メガロダイブor撫で斬り→メガロダイブor恨みの眼光(尻尾へ移行)→ペダンクルスラム(通常へ移行)→(EorForG先頭)
F.行動しない→薄弱の閃雷→パワープレス→メガロダイブor恨みの眼光(尻尾へ移行)→ペダンクルスラム(通常へ移行)→(EorForG先頭)
G.行動しない→メガロダイブor撫で斬り→薄弱の閃雷→メガロダイブor恨みの眼光(尻尾へ移行)→ペダンクルスラム(通常へ移行)→(EorForG先頭)
HP残量30%以下
初回のみ 行動しない→シールフレイム→薄弱の閃雷orメガロダイブ→薄弱の閃雷orメガロダイブor恨みの眼光(尻尾へ移行)→ペダンクルスラム(通常へ移行)→(次段HorIorJ先頭)
H.行動しない→シールフレイム→薄弱の閃雷orメガロダイブ→薄弱の閃雷orメガロダイブor恨みの眼光(尻尾へ移行)→ペダンクルスラム(通常へ移行)→(HorIorJ先頭)
I.行動しない→パワープレス→薄弱の閃雷→シールフレイムor薄弱の閃雷orメガロダイブor恨みの眼光(尻尾へ移行)→ペダンクルスラム(通常へ移行)→(HorIorJ先頭)
J.行動しない→薄弱の閃雷→パワープレス→シールフレイムor薄弱の閃雷orメガロダイブor恨みの眼光(尻尾へ移行)→ペダンクルスラム(通常へ移行)→(HorIorJ先頭)


つぐみ「ざっくりいうと、HP残り80%から撫で斬り解禁して通常攻撃をしなくなる、HP残り50%からパワープレス解禁、HP残り30%になるとシールフレイムを解禁して撫で斬りを使わなくなる、といった感じだね。
   それと50%以下になると、尻尾に移行するターンに眼光以外のスキルを使うようになる。
   各モードへの移行は、条件を満たしてなおかつペダンクルスラムを使用した次のターンからみたいだね」
美結「てことは、撫で斬り解禁時点で一気に43000ダメージ与えられたら、そのペダンクルスラムの使用後にはシールフレイムまで一気に飛ぶのかしら」
つぐみ「んまー世界樹だし、ロマサガみたいにある一定の残りHP時点で形態変化したら、本体のHP残量再設定とかいうのもないと思うよ。
   その代わりというわけでもないけど、仮に尻尾状態でペダンクルスラムが飛んでくる前にヨルムンガンドのHPを0にしてもヒキョウなパワーアーマー状態になって戦闘不能にはならずにスラムが飛んでくるので、とどめを刺すなら尻尾に移行するターンでヨルムンガンドが攻撃してくる前か、スラムを耐えきった次のターンだね」
美結「実際にこちらが瀕死状態で尻尾中にHPを削り取れても、相打ちのスラムで持ってかれるという危険性もあるのね」
つぐみ「そーなるね。
   なので絶対防御は最後の最後まで取っておくとか、FBで決めるにしてもスラムのターンはなんとしてでもきのこる必要があるね。
   あと、尻尾の時に状態異常を入れたりすると、挙動がおかしくなるバグがあるみたい」
美結「どゆこと?」
つぐみ「例えばシノビのFBで毒を入れた場合、毒になったまま通常形態になると毒ダメージが極端に低くなったり、ダクハンのFBを使っても状態異常のターンが延長されなかったりするわ。
   あとバックスタッブの二撃めが発生して通常状態になったときに入るとダメージが極端に低くなるらしいけど、何故か谺流しには影響がなくて、普通にダメージが入るみたいだね。
   あと尻尾状態のときに使ったサジ矢も通常通りのダメージが出るみたいだよ」
美結「ふーん。
  どういう挙動なのかしらね」
つぐみ「毒については形態移行でダメージの係数が変わるからみたいな説があるみたいだけど、まあよくわかんないね。
   見ての通り氷属性攻撃は仕掛けてこないけど、炎と雷は面倒な付加効果がついてくるから、属性攻撃の飛んできそうなターンには常に先見術を張っておくのがいいと思うよ。
   最終盤にHP22000以下になるとややこしくなるけど、シールフレイムが飛んでくるまではヨルムンの動きが止まった次のターンは常に雷の先見術しておいて、雷が飛んでこなかったらもう一度先見術、そうでなかったら別の行動って具合にすると動きやすいかな。
   終盤はこっちもマーちゃんアラートが発生してひへーってなってるだろうから、初回は確実に炎の先見術で止めて、次のターン雷の先見術×2、そして最初のペダンクルスラムの終わった次の行動不能の時にHPが削り切れればベスト、かなあ」
美結「バーローと違って終盤の発狂状態になっても必ず動きは止まるから、実は結構弱いとか言わないこいつ?」
つぐみ「狂人級のボウケンシャーからはレベル70ぐらいで狩っただの、レベル40台引退なしで狩っただの、そんな話もちらほら聞くよ。
   適正は85~90ではあるけど手数も少ないし、ダメージの与えやすさから見ても、ブロートよりは余裕で倒せるんじゃないかな…あくまでクリア前の範疇では、だけど」
美結「その含みの持たせ方はもう不安しかないんだけど…^^;;」




つぐみ「ようやくここまでこぎつけたけど、果たしてこの後すんなり終えれるのかどうか」
美結「というかこの時点でもまだゲーム自体は途中で止まってる系の気配だけど、そのへんどうなんです?」
つぐみ「んなこた知らん!!(どきっぱり
   とりあえず現時点分だけでも完結させるから後のことは後で考えりゃいいわよこんちくしょう!><」
紫「いや、ほんとそれだわね…(よろよろ」
美結「あ、おはようございます紫さん生きてらしたんですね(キリッ」
紫「そういう扱いされかねないからおちおちドロップアウトもしてられないわね(真顔
 ほらそこの底生生物共もさっさと起きる!!貴重な出番よついに社台吉田総帥の所有馬だって学園に来たんだから!!!><
 ジャンポケにネオユニヴァースまできたらそのうちみんな大好きステイゴールドまで来るんだろうからしゃんとしろー!!><」
つぐみ「結局またトレセン学園へ逃げる気満々かあんた達ー!!><」
美結「あーもうがたがたじゃないですか…とりあえず続きます><」








最深部。
光差さぬはずの地の底に、燐光の行きつく先は…赤黒く、禍々しい光が満ちる空間だった。

そこには天の果てはなく、奈落の底も見えぬ。
ただ、巨大な長虫が目覚めの瞬間を待ち、その表皮は胎動を続けていた。





-来てしまったのだな-


何処からか、空間に響く声。
ペルセフォネの声にも思え、また、穣子の声にも聞こえる。

-『ブロート』は、『羅喉』の限界により、その存在まで磨り潰され…消え失せた。
奴はその最後の力で『私たち』を、核として繋ぎ止めてしまった。
そして…『努々、蘇りし目的を履き違えるな』などと…!
-

怒りと、悲しみと…そして、諦観にも似た、絞り出すような言葉。

-今のヨルムンガンドであれば、まだ、再び地の底へ封じることも可能かも知れぬ。
頼む、つぐみ。
お前たちの手で、この怪物を止めてくれ。
私たちの意識が残っている間であれば、止めることもできるだろう…今しかないのだ…!-

その言葉は…つぐみたちにとってはあまりにも残酷で。
優れた冒険者と言えど、このような若き少女たちにおいそれと託せるような言葉ではない。
『ペルセフォネ』は、それでも、この残酷な言葉の意図を悟らせるべきかを迷った。

かつて、古代のマギニア王女がそうしたように…その血を受け継ぐ自分を人柱として、この超兵器を再び眠りに就かせようと。
だが、『穣子』は。

-……ううん、違うよね。
迷惑ばかりかけてごめんね、つぐみ、まりか…めーやも。
かごめもきっとそうだろうし、みんな怒ってるよね…だから、これが終わったら、いくらでも私のことを、殴ってもいい。
いい加減…自分がどんだけ馬鹿なのか…チルノのことなんて、全然笑えないじゃん…ちくしょう…!
こんなチカラを蘇らせて…世界をめちゃめちゃにして、人間たちを無理矢理に協力させるなんて…そんなん、誰も笑えない!誰も幸せになれないよそんなのッ!!-

悔しさを滲ませ、泣きだしそうな声で、『穣子』は叫ぶ。
一つの存在として溶けかかっていた、もう一人の存在の、その意図を図りかねるが…聡明な『ペルセフォネ』は、すぐに気づいた。

『穣子』は信じているのだ。
目の前の少女たちに…それだけのことができる力があるということを。

-止めて、ヨルムンガンドを!『ブロート』の悲しみを!
『私たち』のことはきっと、リリカの力が護ってくれる!!
それに、それがあれば、『私たち』も抵抗できるから!!
-

大きく眦を割き、鎌首をもたげる世界蛇。
しかし、強大な力を放ちながらもその動きはどこかぎこちない。
そのプレッシャーに反して、十重二十重に鎖で雁字搦めにされているイメージが、つぐみたちへ伝わる。

『ペルセフォネ』は、改めて思い知らされた。
『狐尾』とは、そういう冒険者たちの集まりであることを。

そして、彼女もまた、同じ覚悟を決めた。

-…そうだな、私としたことが、らしくもないことを。
私が…否、『私達』が、奴の完全覚醒を食い止める!
頼むぞ、『狐尾』!!
-

ヨルムンガンドの、忌々しげな咆哮にもかき消されることなく…二人の声を一つに重ねた、凛とした王命となって飛ぶ。


つぐみは…思い違いをしていたことを今更のように思い知らされた。
この場にいない誰もが、同じ目的のもとで今も、戦い続けているのだ。

ペルセフォネと、穣子も、そして。


「そっか。
リリカさんの最後の力は、きっとそのために」
「タダでは転ばないリリカさんらしいというか…それに、穣子さんが絶対に諦めないってこと、私達だって知ってるからね。
私達は、私達だけで戦ってるわけじゃないんだ!!」

つぐみが構える杖が、その機構を変化させ、注ぎ込まれた魔力が雷の刃を形成する。
その構えは、彼女の母親を生き写しにしたような、新陰流の構え。




「倒すよ、ヨルムンガンドを!
そしたら…みんなで帰るよっ!!」


最後の戦いの火ぶたが今、切って落とされた。