「そうか、君たちもそこまでたどり着いたか…ならば、聞いた通りだ。
この時期になると凶暴な森狼(フォレストウルフ)どもが浅い階層に昇ってくる。
…それ故、この時期は翠緑ノ樹海への立ち入りは制限されるのだ


おおよそ樹海の中程まで降りた辺りで、つぐみたちはある人物から門前払いを受け…その言葉に従って執政院へと戻って来ていた。

「おーい、じゃあそれ一体いつまで続くんだよ。
このエトリアも樹海からもたらされる様々な生産物での交易で成り立ってるなら、樹海の封鎖ってあんまりウマくないんじゃねえの?」
「その通りだ。
故に、現在執政院においてはミッションを発令し、この森狼のボスである個体…俗に「スノードリフト」と呼ばれる巨大化した狼を討伐する冒険者を求めている。
既にいくつかのギルドがこれを受けて向かっているが…うまく戦果も上がっておらず、それどろか既に犠牲者も出ている状態だ」
「つまりそいつをぶっ倒して来いっていうことでいいんだろ?」
「まあ…簡単にいえばそうなるのだが」

オレルスの言葉を受けてヤマメは我が意を得たり、とばかりの笑みで背後のつぐみ達を振りかえる。
パルスィは露骨に嫌な顔をして何か言い返そうとするが、キバガミはそれを制する。

「オレルス殿、もしこのままその狼を倒せぬ場合、どうなるのです?」
「一応、この街にも千年蒼樹海など、もっと深い階層で活動している腕利きの冒険者もいる。
彼らの手を借り、討伐することになろう。
だが…可能であれば、もっと新しい冒険者たちに経験を積ませたいという、長の意向…いや、「遺志」でもある

その言葉に何か、違和感の様なものを感じつつも…キバガミはつぐみに振り返る。

「どうする、つぐみよ?
我々が仮に辞退しても、暫く街で待っておれば、苦労せずに深部への捜索の道が開かれるやもしれぬが」

つぐみは少し視線を落とし、そして周囲の面々を見渡す。
不安そうなメリーの表情に、つぐみは頷いた。

「…受けよう、このミッション。
確かに街で待っていれば、より安全に先に進めるかも知れないけど…今私達で何処まで出来るのか知りたい。
キバガミさんが、お母さんや静葉さんの姿を追い掛けてるように、私も、あの背中を追い掛けてみたいんだ!

うむ、とキバガミは頷く。

「あっ…でも、そんなの私の都合だし…」
「そんな事いうんじゃないよつぐみぃ」

取り繕おうとするつぐみに、ヤマメは背後から思いっきりその体を抱きしめて、頬をつつく。
呆気にとられる間もなく囚われた身になって小さな悲鳴を上げるつぐみに構わず、ヤマメは言葉を続ける。

「私達をいったいだれだと思ってんの?
勇儀姐さんばっかり有名になっちまったけど、私らだってそれなりに血の気の多い方なんだよ?
しっかり暴れさせてもらえるなら、私もパルスィもむしろ願ったりかなったりなんだからさ」
「おいこらそこの蜘蛛女私まで同類にすんな。
…どうしてもというなら、私だってついていかない事はないわよ…さとりに密告(チク)られでもしたらどうなるか分からないし

わざと不機嫌そうな表情をしているようだが、自分の言いたい事を先に言われてしまったのでわざと心にもない発言をしてるだろうパルスィに、つぐみも苦笑を隠せない。

「ったーく素直じゃないんだからねえパルちゃんは。
多少図体がでかかろうが、この私達が狼ごときに後れをとるなんて考えられないね。
思う存分、暴れさせてもらうさ!」

つぐみは、不安そうに見守るメリーの姿を見やる。

「…そんな顔しないで、メリー。
此間は不覚を取ったけど…うちのひとたちって、基本はみんなこんな感じなんだ。
今度はちゃんと、あなただけじゃなくて私自身もちゃんと守る。約束するよ」

そうやって笑いかけるつぐみの笑顔に、メリーも少し微笑んで頷く。


かくして「狐尾」もまた、狼討伐に名を挙げることとなる。



-新・狐尾樹海紀行-
その3 「雪上駆ける者(スノードリフト)」




?「そうか…どうやら君たちも、きちんとミッションを受けてきたようだね。
 ならば、この道を遮る理由はもうない。
 …行くがいい、「狐尾」。君たちがタルシスで振るったその武を、私達にも見せてみろ」

再び、その小道へさしかかると、相変わらずその二人はそこにいた。

初対面ではいきなり、その長身の女性…見るからに解るブシドーと解る彼女の神速の抜き打ちに軽く蹴散らされる塩梅であり、争うに利なしというキバガミの意見に従い、その言に従ってミッションを受領して来たわけである。
その旨を伝えようとするより前に、女性はそう口火を切り…つぐみは言葉に詰まってしまう。

そして、女性は傍らの…恐らくはカースメーカーと思われる少女を促し、その場を立ち去ろうとする。

「待って!
あなた達はいったい…」
私の名はレン。
いずれまた会うことにもなろう。

…壮健でな、「狐尾」の諸君」

つぐみが呼びとめようとするが、二人の姿は樹海へと消えていく…。


ヤマメ「…何もせずに行っちまったな。
   しかし…レンとかいったなあの女。
   なんてこった、力に制限がかかってるとは聞いちゃいたが…そうでなくてもまともにやり合うには結構度胸要りそうだよ」
キバガミ「凄まじい剣気だった…まるで、本気になった時の静葉殿や幽々子殿を前にしておるのかと錯覚したぞ…。
    だが、それ以上に何か、彼女は人間とは違う何かを感じる」
ヤマメ「人間じゃねえ、か…。
   確かにありゃあ、生きた人間のニオイじゃねえな。どっちかと言えば、私達と…おっと、そりゃあ別にいっか。
   先に進めるようになったのは間違いないんだし」

ヤマメは背後のメリーの存在に、言いかけた言葉を飲みこむ。
メリーは怪訝そうに小首をかしげるが、さして気にした様子もないようだった。

ヤマメ「けどさ、このグリモアってのはすごいね。
   今できる技術に加えて、単純に戦略の幅を広げられる。まったく、これを残していった連中はどれだけの腕利きだったのやら」
パルスィ「失敗したわ…私の選んだこれは無駄が多い…妬ましい…!」
キバガミ「道中でもいくつか新しいグリモアも生み出せたようだ。
    だが…今この時点ではどういう力を持っているのかは解らぬようだな。
    これを分析し、使えるようにするにはやはりローザ殿の下ヘ戻らねばならぬか」
ヤマメ「まあ、記録されてるのは今現時点で私達のできる程度のことなんだし、そんな期待もできないだろうがねえ。
   けどさ、これのせいなのかどうなんか…道中そんな凶悪な魔物ってのは出会った感じじゃないね。カマキリだって本当に強かったのかどうか」
パルスィ「何寝言言ってんのよあんた!
    あんた思いっきり、鹿のステップで頭がヒットして私に斬りかかりやがったわよね!
    流石の私でもあと一歩で四季映姫の所に送られるところだったわよ!!あのサボり死神ぶん殴って無理矢理戻らせたけど!!」
ヤマメ「おーテメーだってその直後に本気で頭に一撃入れてくれたよなあ!?
   私がフツーの人間だったらのーみそぶー状態じゃ済まなかった所だよむしろあんたにも体験させたろかコラ」
メリー「(おろおろ)」
つぐみ「もーやめてくださいってば二人とも!!><
   それよりここなんかヤバいしさっさと急ぎましょう、いくらなんでもアレに一斉にのりこめー^^されたらみんな揃って小町さんに超特急でえーきさんの所に送られますよ」

表情の引きつったつぐみの指さす先には、三体のカマキリがキチキチとこちらに対して鎌を鳴らしている…。

ヤマメ「あー、うんまあ、確かに…」
キバガミ「しかも1体稀少化してるではないか…稀少化の仕様がタルシスと同じなら流石に今の我々では歯が立たんぞ。
    …幸いにも丹紅石林にいた連中と違ってそれほど動きは早くないし、挙句ある程度動くと止まって様子を窺う性質があるようだ。
    遠回りして壁伝いに移動すれば、戦いを避けて抜けられるかもしれぬ」
パルスィ「ぶつかったらどうするのよ」
キバガミ「…そうなる直前で糸を使って出直す他あるまい」
ヤマメ「ですよねー。
   じゃあカカッと通り抜けてしまいましょうかね^^;」





かごめ「ドーモ、閲覧者=サン、かごめです」
諏訪子「誰か忍殺でもする気かその挨拶」
かごめ「まあ実際ネタは知ってるけどニンジャスレイヤー読んだことありませんがね(射命丸メモ:その後一年後ぐらいにネットまとめ読み始めてます。実際マーケティング的にも大成功でしたね!(」
諏訪子「まあそれはさておいて、ここまではhageもなくするすると進んでますな」
かごめ「ヤマパルが言ってた通りだが、レベル6で赤オーラの鹿に挑んで見事に土蜘蛛VS橋姫の構図が…というか、どっちのアルマスがどっちに入っても即死というね」
諏訪子「チュルパン卿(叙事詩「ローランの歌」に登場するシャルルマーニュ十二神将の一人で、アルマスの所持者)もびっくりだな。
   で、結局ヤマメの回復が間に合わないまま戦闘が終わったと」
かごめ「岩イノシシもアレだっけ、9くらいで挑んだんだっけ?」
諏訪子「この時もキバガミの回復が間に合わない状態で終わったな。
   ただ、後列からアクトチャージがじゃんじゃんはいってたから思ったほどは苦戦してない様な」
かごめ「というか地味に忘れられがちなアルマスの氷属性」
諏訪子「力溜めドレインバイトおいしいれす^p^
   けど、青眼から一寸の見切り張っておけばそれなりにキバガミは生きるんだよね」
かごめ「踏み袈裟から全構えの技につなげるのも地味においしいよな。
   無印にはなかった仕様だっけ?」
諏訪子「そんな甘えた仕様はねえよ(キリッ
   とはいえペインは全体の挙句取得条件もっと緩かったけどな、今回はマスタリ分と合わせて14SP必要になる」
かごめ「(wiki見てる)いや緩くなってるぞこれ。
   リメイク前だと呪言マスタリと罪咎で前提満たすだけでも17SP必要じゃねえか」
諏訪子「…………あれそだったっけ?」
かごめ「マスタリレベル7、罪咎マスターで17SP。
   今回はマスタリレベル1で力祓い・軟身自動習得の、力祓い2で足違えでこいつをレベル5、軟身2で虚像、これもレベル5だから13SPで前提条件が満たされる。
   最速レベル12でペインレベル1まで到達するから、レベル15でスノードリフトに挑むつもりなら十分間に合うな」
諏訪子「(wiki見てる)うわいその代わり単体攻撃になってTECもダメージに影響すんのかい。
   これは間違いなく弱体化してるな」
かごめ「術式マスタリは乗らないがバフとかは乗るみたいね、うまく運用すればボス戦の時の切り札にはなると思うが」




かごめ「あと普通に3連カマキリは狩った」
諏訪子「何してんだよ本当に…。
   しかもこの経験値量、ひょっとしなくても聖なる贈物使いやがったな」
かごめ「レベル11ですな。
   なんとかバフデバフ重ねて、あとはアクトチャージサンダーをひたすら連打するだけの簡単なおしごと」
諏訪子「というかその挙句に絶耐ミストまで使いやがったよな。
   本当に容赦なくバグ使いまくってるな、周回引き継ぎしたから一応絶耐ミストは買える事は買えるが」
かごめ「まあ次ログで詳しく説明するが、もっとえげつないことにそのバグ使ってるしな。
   しかし、討伐適正は恐らくこのくらいなんだろうが、FOEのレベル-3くらいから」
諏訪子「カマキリ14だっけ。
   まあ、装備も適正レベルならこんなふざけた芸当もできねえとは思うがな。稀少化してれば通常攻撃の一発で前列の誰かが昇天するだろ」
かごめ「それどころか狼まで稀少化してる有様でして(´・ω・`)」
諏訪子「だがどうせカマキリ殺ってるならこいつも狩って進んだんだろ?」
かごめ「そりゃまあ…カマキリどころかこいつ鹿より弱いし…」
諏訪子「大した攻撃もしてこない挙句HPも低いからな。
   もっともスノーウルフの方が面倒くさいが、乱入型だし」
かごめ「B5Fでカマキリと同席してるのは本当に嫌がらせ以外の何物でもないよな。
   まあそこで、直前にレンさんからもらえる明滅弾の出番なわけだが」
諏訪子「無印にそんな甘えたもんねえんだよおおおおおおお(血の涙」
かごめ「轟音弾なんてのもあるしな。
   実際、このおかげで思いっきり難易度は引き下げられてるのは否めないわけで」
諏訪子「いや明滅も十分だけど轟音弾に品切れがないとか意味解らんわ。
   力溜め系統の技を使うFOEは結構いるからはっきり言って難易度を求めるなら使うなという」
かごめ「勿論このあとのスノードリフト戦では容赦なく使いましたがね!!(迫真





凶暴な狼たちの群れを蹴散らし、狐尾の一行はついにそこまでたどり着いた。
その扉の向こうからは、多くの気配と殺気を感じ取れる。

つぐみは仲間達と顔を見合わせると、ゆっくりとその扉を開け放つ…!


そこにいた狼たちは、殺気にぎらついた目でつぐみ達をにらみ、低いうなり声をあげて威嚇してきている。
その群れの中から、ひときわ大きな体躯の、青と白の入り混じった毛を持つ狼がゆっくりと姿を現す。

何処か威厳すら漂わせているこの狼こそ、森狼のボス「スノードリフト」であろう。


スノードリフトは、天を仰ぎ咆哮する。
その咆哮に応えるように周囲の狼たちも咆哮を放ち、それと共に冷たい風がつぐみたちへ吹きつけてくる…!



ヤマメ「…最早普通の狼のレベル超えてんなこいつ。
   山のヤマイヌ共よりも多分強ぇぞ」
パルスィ「でも不思議と、妬ましいとは思えないわ。
    いくら手下を沢山連れていようが、あの連中に力を合わせるという概念はない。
    ただ、隙を見てくらいついてくるだけの取り巻きだわ。頭を潰せば、散り散りに逃げ去るでしょう」
メリー「でで、でも酒場にいた、片腕の戦士さんが言ってましたよぉ…。
   あいつらの本当に恐ろしいのは、ボスに対する絶対の忠誠心だって…自分が死んでもお構いなく、ボスの為だけに突っ込んで来るのが一番怖いんだって…!」
ヤマメ「自分が死んでも…か。
   ……だったら、猶の事負ける気がしないね。
   私はさとりの「ペット」を知ってる。あいつらも、主人のさとりのためなら自分達の総てをかける事を知ってるが…自分が死んだら、さとりが悲しむことを知ってる。
   そんな鉄砲玉相手になら恐れる理由もねえ!片っ端からぶった切ってやる!!」

剣を抜き放ち咆哮するヤマメに、狼たちは僅かにたじろぐ。
メリーは驚いたように目を見開いている…。

キバガミ「忠誠と盲信は似て非なるモノ。
    ヤマメ殿の言う通り、それを知らぬケダモノに対して容赦する理由もあるまい…だが、些か強敵の様であれば」

キバガミはそれまで刺していた無名刀を外し、それまで背にしていた包みからひと振りの刀を取り出し、抜き放つ。




それは厳かに、そして何もかをも飲み込むような霊気を放っている。

「軍神・八坂刀売命よ…拙者の武、篤と御照覧あれ!!」


メリー「あの…刀は!」
パルスィ「軍神・八坂神奈子の愛剣十握剣じゃないの…!
    そんなバケモノ刀を持ちこんでたの…!?」
ヤマメ「軍神公認の戦いってことかい!こいつは無様な戦いはできないね!
   やるよ、つぐみ!あんな奴らとっとと蹴散らしてやろう!!」
つぐみ「うん!」







かごめ「というわけでスノードリフト戦ですな」
諏訪子「( ̄□ ̄;)おおおおおおおおおおおおおいどうやってこのタイミングで羽々斬買った!!
   確か30万近い額してたろ!!」
かごめ「くくく…そのタネあかしは次ログでまとめてやってやんよ(悪い顔
   というわけで、一応スキル紹介しとくぞ。キバガミ以外装備変わってねえし…あ、メリーに世界樹の指輪と呪詛の鎖は持たせたんだっけか、まあいいや」


つぐみ
回復マスタリ★10 TPブースト3
キュア3 ヒーリング1 リジェネレート1 リザレクト1
バインドリカバリ1 リフレッシュ1
博識1 伐採1
(グリモアスキル)
チャージサンダー1 アクトブースト4 銃マスタリ8 TPブースト7 リチャージ4 ハーベスト3 ウイークショット3

キバガミ
HPブースト1 刀マスタリ★10
上段の構え1 青眼の構え1 居合の構え1 無双の構え1
踏み袈裟1 斬馬3 卸し焔1 一寸の見切り1
採掘1
(グリモアスキル)
コロシッブオーラ6 医術防御4 TPブースト5 一刀両断5 血の暴走5 リチャージ3 精神集中1

パルスィ
剣マスタリ7 ATKブースト5
ヒュプノバイト1 ショックバイト1 ミラージュバイト1 ドレインバイト3
憤怒の力3
(グリモアスキル)
猪突猛進★10 切断咬8 力溜め9 いらつく羽音★10 TPブースト9 精神集中1 リチャージ4

ヤマメ
歌マスタリー★10
猛き戦いの舞曲1 聖なる守護の舞曲1 韋駄天の舞曲1 慧眼の旋律1
火劇の序曲5 氷劇の序曲1 雷劇の序曲1 山彦の輪唱曲3 沈静なる奇想曲1
採取1
(グリモアスキル)
攻撃隊列★10 石化の輝き★10 コロシッブオーラ7 からみつき8 リフレッシュ8 DEFブースト4 採掘5

メリー
呪言マスタリ★10
力祓いの呪言2 軟身の呪言2 足違えの呪言1 幻惑の呪言1 狂乱の呪言3
昏睡の呪言2 石化の呪言1 封の呪言:頭首1 封の呪言:上肢1 封の呪言:下肢1
畏れよ、我を1
(グリモアスキル)
火の術式4 雷の術式4 フレイムハウル4 変性の術式3 定量分析6 デビルクライ9 術式マスタリ★10


諏訪子「( ̄□ ̄;)本当に自重する気ねえんだな!!!
   というか色々おかしくねえか、なんでこんなにマスタースキル取れてんだよ、パッシブもなんかやたらレベル高えし」
かごめ「いやまあ色々その辺は頑張りましたよ(´・ω・`)
   まあその金稼ぎとかやってたのも本来の目的はグリモア集めだったんだけど」
諏訪子「世界樹の難易度を無駄に引き下げるような真似して楽しいのかお前…」
かごめ「たまには位攻めをやりたくなる時だってあるんだ(キリッ
   ああ、あとつぐみの武器も銃に変えたんだっけ」
諏訪子「その辺も些細過ぎるだろ…けど、流石に乱入祭りされたら片っ端から定量フレイムハウルで焼くにしたって限度が…あっ、そういえばなんでヤマメのスキル火劇だけ振ってるのかと思ってたら」
かごめ「その上ファイアオイルもあったし負ける要素が本当になかったな。
   まあある一点からつぐみは明滅弾投げる仕事しかしてなかった気もするが」
諏訪子「本当に新アイテムのチュートリアルみたいなボスになり下がったなスノードリフト…。
   しかもご丁寧にキバガミは速攻で卸し焔取りに行ってるしな。羽々斬のふざけた攻撃力からなら特に何もしなくても、一発ですさまじい火力でるんだろどうせ」
かごめ「攻撃隊列から無双の構え絡めて一発で850前後かなあ
諏訪子「これで軟身絡めたら4ケタ行くだろそれ。
   レベル15で出せる火力じゃあねえよな、乱入祭りされても負ける要素なかったんじゃねえのか?」
かごめ「10ターンかからなかったしねえ、実際(´・ω・`)
   お陰で攻略がサクサク進みますな」
諏訪子「なんだ、システム上もう詰まる要素ないから与太話中心で行く気か今回のログ?」
かごめ「いやそこは二層突入直後の熊さんに期待しなきゃ(迫真」
諏訪子「いやお前確実に絶耐ミスト使いまくって狩り歩く気でいるだろ…こんなhageから遠い世界樹とかなんなの一体
かごめ「まあ余興かなんかだと思ってもらえれば。
   というわけで今回はここまで。次回は馬鹿話で参ります(´・ω・`)
諏訪子「もう何も言えんわ('A`)」





♪BGM 「戦場 朱にそまる(新世界樹ver)」♪

「往くぞおッ!!」

キバガミの放った初太刀が、スノードリフトの身体を僅かにかすめ、白銀の毛が僅かに舞う。
その巨体に似合わぬ反射神経と敏捷性で踏み込みから飛びのきながら、スノードリフトは怒りにも似た咆哮を上げる。

それに応えるかのように周囲の狼も一斉に少女達めがけ襲いかかっていく。

「ひっ…!」
「やらせないっ!!」

身を竦ませるメリーを庇うようにその前へつぐみが立ちはだかると、最初の牙を銃身でいなし、次の横っ面を払い退ける。

「つぐみ!メリー!」
「待ってろ今呪歌をかける!
とびっきりの熱い奴だ…私の歌を聞けえええええええええ!!

ヤマメの持つ歌の魔力が炎と化し、パルスィの持つ剣に陽炎のようなオーラを纏わせる。
怒りの形相から放たれる、炎の魔獣の牙と化した軌跡が狼たちを切り刻み、飛びかかろうと第二陣にすら恐怖心を植え付けた。

一瞬怯え怯んだ狼たちは、次のスノードリフトの咆哮に我を取り戻し、再び牙をむき出しにして少女達を取り囲んでいる。

「(おのれっ…こ奴を倒さぬ限り、ジリ貧なのは我らの方かッ…!)」

キバガミは神剣の刃を構え、なんとかスノードリフトとの一騎打ちに持ち込もうと間合いを詰めようとする…が、いったいどれほどの数が潜んでいるのか、巨大狼の咆哮に応え次から次へと新手が現れては、キバガミの行く手を遮る。
新たに草影より飛びかかってくる狼の牙に交じり、スノードリフトも冷気を孕んだ牙をキバガミへと突きたてようとする。

「ぐぬっ!!」

その刹那、つぐみの放った銃弾の一撃が、その牙だけを正確に撃ち抜いた。
手傷を負ったわけではないが、その衝撃に僅かに驚き飛び退くスノードリフト。

「さあ、こっちだよ!
それとも私と一騎打ちするのも怖い!?」

スノードリフトはそれを挑発と受け取ったのだろう。
怒りの咆哮と共に猛スピードでつぐみへと突進する。

「…狙いをつけてッ…!」

殺気と鬼気を孕んだ牙が高速で迫るのを目にしながら、つぐみは臆することなくその身体に狙いを定め、銃を構える。


「あ…あっ…!」

ヤマメ、パルスィ、キバガミも、次から次へと湧きでる狼たちを相手取るのに手が離せる状態ではない。
メリーは戦慄くようにその光景を見守っている。

「むり…むりだよっ…あんなの捕えられるわけない…!
たすけなきゃ、つぐみさんを、たすけなきゃ…!」

うわごとのように呟くメリー。

しかし、恐怖が彼女の動きを縛る。
滑稽なくらい自分の歯がカチカチと音を立て、イヤな汗が止まらない。

「わたし、わたしどうすればいいの…!
わたし…みんなが言う通り何にもできないの…!?」


-仕方がないですわね-


「えっ!?」


不意に暗転するメリーの視界。
その中で、永い金髪を揺らめかせる、妖艶な笑みを浮かべた女性が告げる。

-ここで「消えて」しまわれても困るわ…その「魔石(グリモア)」に封じられている私の力を使いなさい…。
獣どもを一掃するには過ぎた力だけど、仕方ないわ-


「待って!
あなた…あなたはいったい!?」

-いずれ解るわ。
けど、あなたが死ねば私も消える。それだけ、覚えておいて頂戴-



メリーの視界が元へ戻る。
そこには、一発目を外したらしいつぐみに迫る巨獣の牙。


「だめえええええええええええええええええええええええッ!!!」


その叫びに応えるかのように、凄まじい熱風が手にしたグリモアから噴き出し、スノードリフトの身体を吹き飛ばした!


♪BGM 「眠らずの戦場」(新世界樹)♪


「今の…メリー?」

茫然とつぶやくつぐみ。

見やると、こちらも茫然とした表情でグリモアを抱くメリーの姿。
そして、不意の一撃でボスの攻撃が止まると、一斉に狼たちの動きも止まる。

「…ナイス、メリー!
チャンスだよキバガミ、水の字!一気にこの邪魔っけな連中片づけるよ!」
「言われなくても!」
「応ッ!!」

ヤマメの呪歌が場に響く。
力を増したパルスィの撫で斬りと、キバガミの放つ炎を纏った斬撃に次々と狼が蹴散らされていく。

残った狼がボスを守ろうと駆けだす所に、まだわずかに震えながらも、歯を食いしばってメリーが立ちはだかる。

「わたしも…私もやるんだ!
これ以上あなた達の好きにはさせないんだからあッ!!

メリーの言葉に応えるかのように、そのグリモアが輝きを放つ。
術式の効果を高める魔法陣が展開され、次の瞬間それが熱風を孕んだ咆哮となって狼たちを薙ぎ払った!

「うおなんだあれ!?
あの子のグリモアにあんな技が!?」
「私達をてこずらせた狼共を一撃で…妬ましいわ…!」
「ふっ、だがどうやら増援も打ち止めのようだな。
スノードリフト、覚悟ッ!!」

キバガミはよろめくスノードリフトに、炎を纏う踏み込みの一撃を加える。
その効果は絶大で、大きな深手を負わせ…。

「とどめだっ!!」

つぐみの構える銃に雷の魔力が集束され、その白銀の身体を貫いた。





♪BGM 「迷宮 翠緑ノ樹海(新世界樹ver)」♪


「ふぃー…なんとか終わったねえ」

その巨大な身体が横たわり動かなくなったのを確認し、ヤマメはその場にへたり込んだ。

「狼の分際でこの私達をここまで手古摺らせるなんて妬ましいわ…。
けど、それ以上に」

パルスィは何故か、険しい視線をメリーに向ける。
その表情にメリーはびくっと身を竦ませる。

「あんた…本当はいったい何者なの?
ただの人間がそこまでの力を発揮できるなんて、正直考えにくいわ。
…あのレンとかいう女が連れていた術師に匹敵する魔力を感じる…そいつも、生きた人間のニオイを持っていなかった!!
「お、おいパルスィ何を言ってるんだお前!?
私達の知ってる連中の中にも、そういう奴が結構いただろ!?
人間って奴ァ、追いつめられた時に飛んでもない力を発揮する奴だっている…そういうことじゃねえのか!?」

メリーは何を言われているのか分からない様子でおろおろとしている。
ヤマメはなんとかパルスィをなだめようとするが、パルスィは意に介さずメリーとの距離を詰める。

そこへ、つぐみが割って入る。

「落ちついてパルスィさん。
確かに、私もメリーの事は良く知らない…会ってまだそんなに時間も経ってないし。
…でも、それはメリーだって同じだよ」
「何が言いたいの」
「私達、お互いの事をもう少しくらい、知っていてもいいと思う。
形はどうあれ、私達は力を合わせて狼たちを倒したよ。
…だから、これ以上私達の間に距離を置くのもなんか嫌なの…!


指すような視線をつぐみとメリーにつきつけるパルスィを、キバガミが歩み寄って来て諭す。

「…もう良いだろう。
確かに、拙者もメリーが何者か気にはなっていた。
だが…それはメリーにとっても同じこと。
拙者達の事を話して聞かせる良い機会かもしれぬ
「だね。
そもそも私だって、あまりこれ以上取り繕って話するのも窮屈だったし。
…私の眼から見ても、メリーはそんな悪い子じゃないと思う

パルスィは怒りと驚きが綯交ぜになったような表情で二人を睨みつけるが、やがて「勝手になさい」と、そっぽを向けた。