-新・狐尾幻想樹海紀行-
その12 「帰ってきた古明地こいしのドキドキ樹海探索ラウンド4」
輝夜「というわけで続けていくわよ?
引き続きクエストは「探偵さんを探して」よ。ここからはもうちょっと後の方で受領できるクエストも混ざってくるわ」
藍「って言うか、ここでもしや探偵さんのネタ全部消費する気か?」
輝夜「クエストの部分はね」
Mission.7 「名探偵オースティン(後編)」
〜千年ノ蒼樹海 B12F〜
こいし「とーちゃーく♪」
リリカ「…ぐぬぬ…いい加減にしろこの無意識…><
と、とりあえず探偵はいったいどこに」
探偵「おや、たどり着けたようだね。
ここにたどり着いたのは果たして偶然か、それとも…」
こいし「そんなに難しくなかったよねー?」
リリカ「…あんたほとんど考えてないでしょーが。
地中暮らす虫はアリ、この階層はアリの支配下にあった。
そして鉱石の光が太陽の光とイコールなら、太陽は鉱石の採掘場を指している」
探偵「ふむ…恐らく総て君ひとりで考えたわけではないだろうが…君たちは、真実にたどり着くために必要な素晴らしい探究心をもっているな。
…さて、もうそろそろだと思うが」
ポエット「リリカさん大丈夫ですかー!?><」
探偵「……君たちの仲間も来たようだな。
丁度いい頃合いだろう」
探偵の意味深な言葉と共に、急に周囲の地面が盛り上がってくる。
そして、生臭い虫特有の臭気を漂わせ、ミミズの魔物が姿を現した!!
リリカ「マッドワーム!?
いや、こいつら何か違う…」
探偵「おいでなすったようだな。
こいつらは君らに任せよう、魔物討伐は得意だろう?」
リリカ「( ̄□ ̄;)おいそこ丸投げなのかよ!?」
こいし「ひゃっほーい久しぶりに素敵な殺掠たーいむ♪」
リリカ「自重しろ無意識!!><」
〜少女戦闘中〜
リリカ「ぜーぜー…な、なんなのこいつら…ミミズのクセに毒吐いてきやがった…」
アンナ「しかも結構シャレにならないダメージが出たんだけど(しろめ」
ルーミア「(へんじがない…ただのしかばねのようだ)」
うんざりしたようにうなだれる面々を余所に、探偵は魔物の亡骸をナイフで切り裂き、その体内を吟味し始める…。
やがて、残念そうな表情で立ち上がる。
探偵「…こいつらじゃあなかったか。
どうやら、僕の目当ての連中とは違ったようだ」
こいし「どゆこと?
こいつら探してたんじゃなかったの?」
探偵「まあ、そうとも言えるし、そうでないとも言えるな。
また次の機会を待つしかないだろう。
さて、君らにはすっかり借りが出来てしまったな。僕も恩義を解さない人間じゃない、あとで酒場にでも寄ってくれたまえ」
言うや否や、探偵は懐からアリアドネの糸を取り出して発動させた。
リリカ「…なんなのこの身勝手さ」
アンナ「傍若無人というか…唯我独尊を地で行ってるわね。
これじゃあ敵の一組織二組織は軽くいそうよね」
リリカ「とりあえずルーミアの回復もしなきゃならないし街に帰りましょうか。
ほらこいし、何時までそんなのいじくってるのよ!」
こいし「…ねえこいつ、なんでお腹に石なんかいっぱいのみこんでるのかな?」
リリカ「今そんなの関係ないでしょうが、とりあえず帰るわよ!」
リリカは何か名残惜しそうに見ているこいしの首根っこを引きずってその場を後にする…。
〜金鹿の酒場〜
女将「…それは災難だったわね」
リリカ「ったく…少しでも面白そうって思った自分の首根っこ叩き落としてやりたいわ。
何なのかしらあの探偵」
ポエット「ですが、私達より先にあの場所にいたってことは、冒険者としても相当な実力者ですよ。
それに…私達がミミズと戦ってる最中、あの人フォレストバットを軽くあしらってました。
…私達が行かなければ行かなかったで、普通にあのミミズ、倒してたんじゃ」
アンナ「そんな馬鹿な、って言いたいところだけど…確かにそうとしか思えないのよね。
超音波を至近距離で喰らってたわりには混乱した様子もなかったし、不思議だわ」
リリカ「あんたたちそんな余力あったんかい><
でも、見た限り普通の人間なのに…」
探偵「ふふ、探偵をやってると、どうしても降りかかる火の粉を自分で払わなければならない時くらいだってある。
まあ、君らのように気の好い冒険者がいれば、御助力願うこともあるがね」
リリカ「( ̄□ ̄;)うわあまた出た!!」
探偵「おやおや、そんな人を魔物か何かみたいに言わなくても。
…とりあえず、これは少ないが今回の礼だ。あいつらは目当ての物を持っていなかったが、コランダムをいくつか飲んでたみたいだったから換金してきたのさ」
【システムウインドウ】 TANTEIさんから獣避けの鈴3個を受け取りました
ポエット「あなたはいったい何者なんですか?
探偵さんっていうけど、いったいどうしてエトリアへ?」
探偵「ふむ…それは話せば長くなるし、それに…余り深く関わらない方がいい事もある。
けれど、名乗るくらいならいいだろう。僕の名はオースティン、ある国の王宮の依頼を果たす為この地にやった来た。
暫くこの街に滞在しているし、余り暇ではないが…困り事があったら可能な範囲で請け負おう、「狐尾」のお嬢さん方」
そして恭しく会釈し、オースティンは店から立ち去っていく…。
リリカ「…ああいうのも営業って言うのかしら」
ポエット「さ、さあ…。
探偵というとシャーロック・ホームズとか古畑任三郎みたいなのを思い浮かぶんですけどねえ^^;」
アンナ「何気にどっちも変わり者じゃない。
まあ、確かに探偵ってそんなのばっかりよね、基本的には自分頭いいもんだから個人で完結してるって言うか」
女将「…私よく知らないんだけどねえその辺。
けど、わりと自分勝手な人なのはわかるわ。私も商売柄いろんな人を眼にしてるけど、あの人は筋金入りだわ」
…
…
輝夜「というわけで探偵さんのクエストの導入編ね。
実は、あのメモの謎ときは、二つの意味があったのよ。
奇しくも前回リリカが触れているんだけど…というか、実はあれ、オースティンシナリオのオチにも関わるかなり重要なネタバレなのよ」
藍「えっそうなのか?」
輝夜「狐野郎はストーリーで、実は最後どころか探索準備も3つしか解禁してない状態でエンディング見て、そのままさっさとクラシックにのりこめー^^しやがったけどね。
実はこの話をしている時点で、ゲーム上ではオースティンの親愛レベル最大まで上がってるのよ」
藍「( ̄□ ̄;)お前もそういうネタバレとメタ話すんのかよ!!」
輝夜「それはおいといて、クエスト「探偵さんを探して」ね。
メモのヒントを頼りに蒼樹海にいる探偵さんを探すクエストなんだけど、毒吐きミミズ2体との戦闘が待ってるわ。
見た目も能力もマッドワームとほぼ一緒だけど、マッドワームが縛り攻撃を仕掛けてくる代わり、こいつらはその名の通り毒の息でこっちを毒状態にしてくるの。
毒ダメージも御察しのレベルだから、とっとと炎属性の攻撃で瞬殺するのが吉ね」
藍「…ミミズも地虫の一種だな…地中暮らす虫はアリとミミズ二重の意味を指すのかひょっとして」
輝夜「まあその辺りはおいおい明らかになると思うわ。
さて、お待ちかねかどうかわからないけどどうせ尺も余るだろうし、前回の問題の答えを発表するわね。解説つきで」
藍「( ̄□ ̄;)そんなのに解説いらんだろ!!
尺の無駄遣いになるから答えだけ書いとけ!!」
輝夜「ちぇー(´・ω・`)」
その11の問題の答え
A1 ライトニングクイック(カットイン)、天衣無縫(無双三段)、乱れ雪月花(月影の太刀)
A2 黒谷ヤマメと古明地さとり(後者は「お空に地霊殿から追い出された」と述べている。お燐とこいしは微妙なのでノーカウント)
A3 同じ地域から接続・対戦しているプレイヤー40人の対戦結果順位を上回る
A4 宮野守
A5 虞翻
A6 中村聡
A7 350(戦闘開始直後は320)
A8 多々良小傘
A9 まりん
A10 ムーンサルトキック
A11 あさき
A12 めうめうぺったんたん!!(2013.5.15の追加収録。なお「不思議の国のキングダム彼氏」は7.3に動物園での解禁)
A13 ポケモンコーディネーター
A14 対象周囲の時間の流れを遅くする
A15 中裕司、名越稔洋、小島秀夫、三並達也、山岸功典
…
…
Mission.8 「名探偵と犯罪王」
〜数日後 金鹿の酒場〜
こいし「ねーねーリリカー、この依頼面白そうだよー受けようよー♪」
リリカ「犬じゃねえんだからそうホイホイと拾ってくるんじゃない!><」
女将「ああ、その依頼ねえ。
依頼というより、冒険者を対象とした催しもののお知らせって感じかしら。
エトリアからちょっと行ったところにある小さな町で、記念祭が行われるらしいの。そのメイン料理に使う珍しい魚を蒼樹海の地底湖から捕まえてきて欲しいって言う話なんだけど…」
リリカ「…まあ、あのヘルアングラーだのソードフィッシュだのの大群を見れば、おいそれと行ってこれる場所じゃあないですよね…」
女将「そういうことよ。
だから、同時に魔物と戦える冒険者の釣り師に懸賞付きで参加を呼び掛けてるわけ。
実は結構参加者が居てね、なんだかんだで大きな大会になっちゃってるわ。一応締め切りは今日まで、開催は明日の昼からよ」
ポエット「確かに蒼樹海あたりだと他のギルドもわりと見かけますね。
面白そうですし、気晴らしに参加してみましょうか?」
「おおーい大変だー!」
その時、一人の男が何かを手に持って、酒場へ駆け込んで来た。
赤ら顔の男は、リリカ達の姿を見かけると焦った様子でまくしたててくる。
男「おお、あんた達此間探偵さんとなんか話してただろ!?
大変なんだ、その探偵さんがいなくなっちまったんだ!
宿の部屋も荒らされちまってて、こんなモノが…」
男は有無を言わさぬ様子でその紙を押しつけてくる。
わけもわからないまま、リリカはそれを受け取って中身を吟味する…。
-地下 深く 瞳がうがつ 十四の 穴
君 南東の 鳥が運ぶ 果実を 隅へ 置く
渡り鳥は 生命 惜しまず 滝を縫う
危険 承知にして 我が身を 助け 出すは
折れぬ心と 願う 意思の光のみ-
こいし「えーっと…どこ縦読み?^^」
ポエット「そーゆーのと違うでしょ!!><
これ、ひょっとして…助けを求めてる!?」
男「あ、あんたもそう思うだろ!?
兎に角、様子が尋常じゃねえんだよ!!
あんた達は探偵さんの謎ときといてただろ、それだったらこいつの意味だって解るんじゃねえのかい!?」
リリカは他の面々と顔を見合わせる。
困惑するルーミアやポエットの一方で、何故かアンナだけは男に対して険しい視線を向けているのに気になったが…。
リリカ「…多分だけど、場所は地底湖を指してるみたいね。
暗号も何も、場所らしきものを指しているとすれば考えられるのはそこくらいよ」
ポエット「どうしてです?」
リリカ「地底湖は、樹海の入り口から数えれば地下十四階に相当する場所。
加えて、洞窟の壁に面してない小島が十四個あるわ。
まあ…あとはヤマ勘なんだけど」
男「なんでもいい!兎に角手がかりみたいなものが見つかったなら行って確かめて見てくれよ!
探偵さんにもしもの事があったら…あの人最近酒場でもいろんな相談ごとにのってくれるからよお…」
女将「そうねえ…あの話が広まってから、探偵さんにモノ探しとか人探しとか相談事を持ちかけてくる人増えたしねえ。
万が一ということもあるし、釣り大会を控えているのに会場で面倒事が起きてるとなると、また大騒ぎになるわね…」
リリカ「…仕方ないわねえ」
リリカは渋々、メモをポケットに仕舞うと、仲間達を促して酒場を後にした。
その男が、女将にすら窺えない角度で…口の端を吊り上げたことにも気付かず。
…
〜千年ノ蒼樹海 B14F〜
リリカ「南東だと、確か採集ポイントがあった辺りにもうひとつ陸地があった気がするわね。
島にはなってないけど…」
アンナ「…ねえリリカ、ちょっといいかしら。
あなた、本当にあの男の言う事を鵜呑みにしているわけ?」
リリカ「えっ?」
アンナは険しい表情を崩してはいない。
どうやら彼女は、先程の男の態度に何か疑問を持っている様子だ。
アンナ「どうもおかしいのよ。
あの男、どうして探偵の宿の部屋を知っていたのかしら?
それに、ここ数日私も酒場に行ってたけど…あんな男は探偵と話している中にはいなかったわ」
ポエット「えっアンナさん酒場通いなんかしてたんですか」
アンナ「…悪かったわねイメージに合わなくて。
そんな事はまあどうでもいいわ。それに、あの手の仕事についてる人間は、隙だらけのようで途轍もなく用心深いわ。
そんな男が泊っている宿の部屋が荒らされたとなれば、街でもちょっとした騒ぎになってると思う」
リリカ「そういえば…」
街は何時もの通り平穏で、道中宿屋街も通ったが…特に騒ぎになっている気配はなかった。
そして、意外にもというかこいしがこんなことを言い始める…。
こいし「…あの男、すっごい嫌な匂いがしたんだ。
なんというかその…他人を騙して酷い目に遭わせるような、そんな事を何よりも楽しみにしているような…そんな嫌な匂い」
リリカ「匂い?」
こいし「うまく言えないけど…雰囲気とかそういうの。
心を読もうかと思ったけど、「眼」を向けようとしても余計に嫌な感じがして…」
リリカは、こいしがかつて「人間の悪意」に耐えかねて瞳を閉じた事を思い出していた。
こいし「それに…そのメモ。
あの男と同じ匂いがするんだ。
…探偵さんが書いたものじゃないのかもしれないよ」
リリカもその時になってようやく気がついた。
こいしが何故か、このメモを触れるそぶりさえ見せなかった事を。
普段なら、こういうモノを見かければ無意識にひったくってくるようなこの娘が。
リリカ「じゃあ、あの男は私達を罠にはめようとしている!?
いったい、どうして」
アンナ「その辺りも含めて、オースティンというあの探偵を探して事情を聴くのが一番の近道だわね。
……まあまず、この周囲の連中をどうにかしないといけないけど」
アンナの言葉と共に、無数の殺気が水中から少女達に向けられる!
ポエット「魔物!?」
ルーミア「しかも数が多いよ!?
いくらなんでもこの量はおかしいよ!」
アンナ「…道中、おかしいと思ってたのよ。
やたらと魔物が襲いかかって来たわ。
恐らく…インクか紙そのものかに、獣寄せの鈴と同じ効果を持った薬剤でも刷り込んであったのかもしれないわね!」
飛びかかってくる魔物と同時に、それを予知して既に詠唱を終えていた炎熱術式を魔物の群れめがけて放つアンナ。
魔物たちは一瞬で消し炭と化した。
その様子を察したのか、近くにいたらしい男が近づいてくる。
その風体は、紛れもなくオースティンだった。
探偵「君らは「狐尾」の…何故こんなところに!?
それに、この魔物の群れは」
ポエット「説明は後でします!オースティンさんは下がって!」
…
探偵「…成程…。
これはどうやら僕にも責任があるようだ。
どうやら「奴」は…君たちも僕の仲間と看做して一緒に始末しようとしたのかもしれないな」
探偵は、リリカから受け取ったメモを一瞥すると、難しそうな顔でそうつぶやいた。
リリカ「どういうことなの!?
いい加減ちゃんと説明してもらわなきゃ、納得できないわよ!」
ポエット「お、落ちついてくださいリリカさん…。
いったい、探偵さんはどうしてこんなところに?」
探偵「そうだな…先ず、僕がエトリアに訪れた理由から話さなければならないな。
少し長い話になるが、酒場では危険だろう。
君たちは確か、執政院から特別にギルドハウスの利用を許可されていたな。そこへお邪魔させてもらっても構わないかい?」
リリカ「あんたねえ…事情も聞かないうちにそんなこと」
アンナ「いえ、恐らくその方がいいと思うわ。
彼の言う「奴」は、彼が酒場と宿を行き来していることを知っている。もうどのみち私達も標的とされているなら、いっそ彼をギルドハウスに招いて、こちらから奴を潰す意思をはっきりさせておくのも一つの策だと思う。
それに…過程はどうあれ、そいつは事もあろうにこの私達にまで喧嘩を売った。かごめさんがいたならきっと黙ってはいないわね」
アンナの思ってもみない言葉に絶句するリリカ。
オースティンは「ほう」と感心したように息を吐く。
探偵「大胆な事を言うな。
大人しそうなお嬢さんと思ったが…いやいや、見かけでは判断できないものだな。
君は司法か、それに関わる組織に長くいた事があったのかい?」
アンナ「ええ。気の遠くなるほど昔にね。
…勿論、私のはあくまで提案に過ぎないわ。どうする?」
探偵「僕は構わないが」
リリカはしばらく考えていたようだが、やがて頷いて肯定の意思を示した。
そして、一行はアリアドネの糸でエトリアへと戻る…。
…
〜ギルドハウス〜
探偵「…さて、それでは僕の目的から話をしようか」
オースティンはまるで自分の家でそうするかのように、当たり前のように席について少女達に席を勧め…やがて、語り始めた。
彼は、ある王宮から盗まれた「宝玉」が、このエトリアまである男に持ちだされた事件を受け、その奪還の依頼を受けエトリアにやってきた。
盗みを働いた男の名はバラデュール。
しかし、その男は単なる盗賊などではなく…ありとあらゆる犯罪行為の裏で糸を引く「犯罪の王」とも言うべき存在で、オースティンは昔ある事件をきっかけとして、この男に深く関わることとなったのだ。
探偵「奴は…何の変哲もない散文詩の中に、反吐が出るほど明確な悪意を忍ばせ、他者を翻弄することを至上の楽しみとしているふざけた奴だ。
この世のすべてを自分の意のままに出来るという思い上がり…事実、事件に奴の影が見えても、その尻尾すらつかめないでいる。
だが…これ以上奴の好きにはさせない」
こいし「ちょ、ちょっと待ってよ探偵さん。
探偵さんの役目は、盗まれた宝石を取り返す事であって、そいつを捕まえることじゃないんじゃないの?」
探偵「確かにお嬢ちゃんの言う通りだ。
だが、それだけでは事件の根本的な解決にならないのさ。
奴は…わざと盗んだ物を取り返させて、またそれを鮮やかに盗み出すというような愉快犯罪を幾度も繰り返している。
その対象が、とうとう我が国の王宮まで及んだ。そんな事態にもなれば、王家の威信もガタ落ちだ。
確かに奴の捕縛までは依頼にない、だが、後の禍根を断つために、僕は奴を捕縛しなければならない…そう思っている」
こいし「そ…そういうものなのかなあ…?^^;」
探偵「そこで、君たちに頼みがある。
奴を捕まえるまでの間、僕をここへ住まわせてはもらえないだろうか?
…勿論、可能な限り協力はしよう…もっとも、僕の体験した知識や経験から、恐らくは君らの探索にも役立つであろう知識を与える程度の事くらいしかできないだろうが…」
ポエット「どういうことです?」
探偵「僕は、この地でいう所のカースメーカーに近い能力を持っているんだ。
言霊を利用してその知識を「力」として、君たちを助ける効果を与えることができる…もっとも、僕が僕自身に使うのとは違って、それほど高い効果を期待できないとは思うのだがね」
アンナ「道理で…そんな力を持ってるから、一人で樹海を歩き回ったりできるのね。
で、どうするリリカ?」
リリカ「どうするもこうするも…私、今回大元締めじゃないからなあ」
こいし「探偵さんの話とか面白そうだよ! 私色々聞いてみたい!(わくわく」
リリカ「…ったくもーあんたは…」
その後…つぐみ達の帰宅を待ってオースティンの事を説明し…ほどなくしてギルドハウスの新たな一員としてこの不思議な探偵が加わることとなった。
しかし、この時はまだ、探偵が巻き起こす様々な「実験」により、えらい目にあわされるなどという事は、彼女たちには想像もつかなかったことではあった…。
さらに余談だが、翌日の大会ではこいし一人で8匹の珍魚を釣り上げ大会2位の成績を残したという話である。
…
…
輝夜「んまあ今更だけど、クエスト「探偵消失」と「冒険者の魚釣り」は第四階層に入ってから受領可能になるクエストよ。
余談だけどほぼ同時期に発生するクエストだから、一応同時進行もできるんだけど…」
藍「だけど?」
輝夜「先ず「冒険者の魚釣り」だけど、フロアに入って受付の兵士から道具を受け取って、ゲーム内時間の8時間以内で釣った魚の数で成績が変わるクエストよ。
魚が釣れるポイントは9か所、そこを調べる事で魚が釣れたことになるわ。勿論ハズレポイントも多数あって、ハズレポイントを調べると敵との戦闘になる」
藍「8時間というと長く感じるけど、戦闘と移動1歩を1ターンとして30ターンで1時間経過だからなあ。
そうなるとかなりシビアな時間ということになる」
輝夜「だから無駄な戦闘は極力避けないといけないわ。
可能なら、クエスト受領前にワニだけでも全滅させたいわね。あと獣避けの鈴も出来れば欲しいわね、ノーマルエンカウントもできれば避けたいわ。
で、そこで「探偵消失」を同時進行してると…まあかなり拙いことになるのよね。探偵の居るポイントが、実は魚のポイントと重なってて、探偵の方が優先的に発生するわ。
話しかけると強制戦闘が4回、ソードフィッシュやシザークラブと言った面倒くさい敵が群れになって出てきて、ラストにヘルアングラーを絡めたパーティが出てくるわ。かなりこれで時間を食わされるから、出来れば別々に受領するか、同時に受けちゃってた時はいったん魚釣りをリタイアして受け直すのがいいわ」
藍「確かにそれは厄介だな…。
で、結果は2位だったと」
輝夜「場所が解ってて、最後のポイントに着いた途端にタイミングよくタイムアップになっちゃったのよ。アレは惜しかったわね。
因みに3匹以下でランキング外、4匹までで3位、8匹までで2位、9匹フルコンプで優勝よ」
藍「そして探偵の目的がはっきりしたな。
犯罪者の王とはまったく、大きく出たもんだが」
輝夜「まあ一部は話作ってるけど、何処の推理物業界にもこういう奴っているよねって感じの奴ね。
実はね、よくよく話を聞いてると「こいつどう見ても犯人(ホシ)です本当にry」な奴が酒場に出現してるわ。
まあ本当にムカつく奴よ、話聞いてると」
藍「…ああ、あいつね。
でも、謎ときの時とか解らない時はあいつと話をしたりもしなきゃならないよね」
輝夜「出来ればあんなのの手なんか借りたくないんだけどねえ…。
あとオースティンの探索準備は「話術」。戦闘開始時に、それぞれの「手筈」に応じた効果のバフがつくわ。意外と便利なのは「賦活への手筈」だけど、初期から出ている「奇禍への手筈」は状態異常が激しいFOEとか相手にする時には便利ね。
ただ、ローザに比べて割高になってるんだけど…」
藍「効果的には、どちらかというと長期探索向けだけど汎用的に使えるローザ、一点対策の決戦用にオースティン、というところか」
輝夜「そうかもね。
あと、何気にオースティンの最終解禁準備は他の「手筈」と違って強化枠も喰わないし、ターン制限もない代わりに「探索中一度だけ」というのが曲者だけど、対ボスの切り札としては十分な性能よ」
輝夜「とりあえず今回はここまでね。
次回は本編というか、少しインターミッション的な話になると思うわ。
いよいよ大々的な引退・転職祭りが開催されるみたいだし」
藍「本当に何故やったし」
輝夜「さあねえ…けど、4でも第五迷宮に突っ込む前になんか色々やってやがったしねえ。
あと仕様上ここで経験値が稼ぎやすいってのはあるわね。
世界樹本編では実は最後の最後までわりといろんなことが不明瞭のまま終わっていくんだけど…」
藍「メタいなあ^^;
実際でも、その辺りの解釈としてストーリーが追加されたって感じはあるよね。
グラズヘイムはともかくとして」
輝夜「グラズヘイムエリア3の牛は強かったわね(迫真」
藍「いや唐突にそんな話されてもなあ…」
輝夜「そういえば今回はグラズヘイムの話、一切触れてないわね。
まあストーリー限定ダンジョンだからってのもあるとは思うんだけど」
かごめ「いやあその辺りはラストで語りますよって」
藍「( ̄□ ̄;)なんか唐突に割り込んできやがった!!」
輝夜「現場のかごめさーん? 現在どちらですかー?^^」
かごめ「はい現地レポーターのかごめさんです。
現在枯レ森地下20階、イワォさんルームにお邪魔しています。
これから主人公パーティを迎え撃つ準備に余念のないモリビトの精鋭の皆さんにお話を伺って見ようと思います!><
それでは意気込みをどうぞ!」
森鬼A「いやあひっさびさの全力バトルッスよー。
俺達を高レベル炎の渦生産工場としか思ってねー奴らが来たら死の眼光で返り討ちッスよ^^」
森鬼B「あーでも、カワイコちゃんだったらちょーっと手加減してこの炎の渦FLプレゼントしちゃってもいいかなーフヒヒ」
森鬼C「とりあえず俺達シカトしてイワォさんに挑もうなんてふてえ真似させねーッスから!
夜露死苦ゥ!!(中指ビシッ」
藍「( ̄□ ̄;)おいちょっとこいつらチャラ過ぎんだろ!!
なんかもっと真面目そうな奴いねえのかよ、ってなんだよこれ!?」
輝夜「実にモブらしい空回り全開の勢いが伝わってきますね!とてもウザイです!><」
藍「( ̄□ ̄;)うわあこっちもさらりととんでもねーこといいやがるし!?」
かごめ「いやーもう皆さんやる気十分ですよー!
これからどんな虐殺…もといアツいレベリング作業…じゃなかった血で血を洗う上等の張り合い(笑)が始まるのか楽しみですね!!
現場からは以上でーす><」
輝夜「かごめさんありがとうございましたー^^
それでは次回放送までご機嫌よーう♪」
藍「本当にやりたい放題だなお前ら…もうしーらねっと><」