〜ギルドハウス〜

「そっか。
そこまで聞いちゃってるなら、もう私達もこれ以上隠し事する必要もないみたいだね」

事の顛末を聞いたリリカが少し寂しそうな顔で笑う。

この日、つぐみ達が紫とヤマメを連れて戻ってきたことに驚いたこいし達の一方で、リリカとルーミアだけは特に驚いた様子もなく…むしろ、来るべき時が来たのか、というような、どこか悲しそうな表情をしていた。

リリカはエトリアに来た当初、来た理由を「かごめの指示」と言っていた。
そのかごめが「失踪した」と言って、後にエトリアに姿を見せたのはルーミア。
明確に来る理由がはっきりしていたのは、あとから来た顔ぶれではこの二人である。

「どういうことなんですか、リリカさん?
私達も正直なところ、詳しいことまでは何も…そもそも、リリカさんに誘われるまで、つぐみがエトリアに来てたことも知らなかったですし」
「まあ、そのポエットをホワイトランドへ呼びに行ったのも私だしね。
幻想郷の子達はいまだにホワイトランドへの立ち入りできないもの…まあ、例外はいるんだけど

アンナはこいしを横目で見やる。

「えーだって天使のいる国とか面白そうじゃない?
思った以上に何もなくてちょっとがっかりしたけど」
「私だってあんたがそんなところにいるなんて考えても見なかったわよ。
探してたのは事実だけどね、アンナさんがポエットと一緒に連れて来た時にはびっくりしたんだけど」

あっけらかんと言い放つこいしに、リリカは呆れたように溜息を吐く。
そして、彼女は懐から、小さな楽器の様なものを取りだした。

それを見て目を丸くしたのはポエット。

「リリカさん…これ!」
「…うん、お姉ちゃん達の依代。
私がかごめさんのところを訪ねたのは、これがきっかけなの」

こいしは僅かに寂しそうな眼をする。
先に、パルスィの触れた「無意識狂気異変」で、自分の所為でリリカの二人がこの姿になり…リリカを長く悲しませてしまった事を彼女は今でも心に傷として残しているのだろう。

「今のお姉ちゃん達は、騒霊よりむしろ付喪神に近い存在だから…今回の異変でも、わりと早い段階で影響を受けた。
…というより、今回の異変が早い段階で察知できたのは、お姉ちゃん達が自分の意思で自分たちを封印したからなの。
このままでは、私達がリリカを傷つけてしまう…そう言って


そんなこいしを気遣うかのように、リリカは気にしないで、というかのようにその肩を叩く。
そして、さらに続ける。

「私も、魔装が暴走しかけて、かろうじてまだ力を残していたかごめさんに助けてもらったんだ。
もうその頃には、僅かながらも幻想界に異変の影響が出始めてたの。
かごめさんの指示で、まだ大きな影響を受けていないだろうポエットや、幻想郷ではしばらく姿を見ていないから多分異変の影響を受けていないだろうこいし、そして、同じように魔装の暴走に巻き込まれたフランを止めるために動けないレミリアさん達の代わりに、同等以上に卓越した魔法使いであるアンナさんに協力を仰いで、異変を知っているだろうつぐみが何をしようとしているのか監視する役目を負ったの。
かごめさんも知ってたんだ、もうその頃には、紫さんが居なくなっていた事を



-新・狐尾幻想樹海紀行-
その15 「萃まる想い」




かごめ「与太話だから全く解説がないと思ってるその浅はかさはおろかしいな
   あたし達はそういう空気読まない読ませない(ドヤァ」
諏訪子「お前は一体誰に喧嘩売ってるんだ。
   しかしこれ、狐野郎は裏話を何処まで大きくするつもりなんだ?
   どこぞの金髪の中の人も「腐れ狐が何しやがろうが(゚З゚)キニシナイ!!」とか豪語してるけど、その都度不自然に筆が止まってるくさいのは絶対リアル理由ばっかりじゃねえよな」
かごめ「そもそもその狐野郎が自分でノープランで広げまくった大風呂敷から、一体どのネタを何処に入れようか悩んでるうちに無駄にギルカのADVENTURE DAYの数字が増えまくってる現実があってな」
諏訪子「おいお前今回何人巻き込んだ…?
   さっきロンゲ熊徘徊してるフロアにいつもの静葉と、なんか狐野郎補正でも入ったのかみょんにしおらしくなったメシウマと滂沱の涙を流しながら矢鱈に猫の名前を叫びまくってる駄狐がいた気がするんだが」
かごめ「ああ、じゃあ骨竜(射命丸メモ:第五層FOE死を呼ぶ骨竜です。オマエラ ミンナ マルカジリ!で到達時点だと全員500オーバーとか普通に食らいます…おお、こわいこわい)希少種とドンパチやってたの間違いなく穣子の馬鹿とさとりだな(しろめ」
諏訪子「お〜ま〜え〜は〜…。
   もういいだろ、この時点でキャラメイクした奴全部紹介しちまえ。
   順当に行けばここでくっちゃべってる私達からになるが…」
かごめ「そうさな。
   まあその前に、一応次回への引きとして前々から触れているイワォルームことB20Fの話しとこか。
   今回の大引退祭りはここの仕様が肝となる」
諏訪子「ここ一応、無印だと実質全部のFOE倒さないと、イワォ倒してもイワォが即復活してミッションクリアにならないっていうバグがあったんだよな。
   逆にこれを悪用してカンストまでレベルアップとかやってた奴らもかなりいたらしいが」
かごめ「詳しい解説は次回に回すが、実際イワォロペネレプもそこまで強いボスじゃねえ。
   弱点は4の時と一緒…というか、4で登場した時も無印と一緒、というべきかな。
   4イワォのサンダーウイングは高威力高命中高確率麻痺付与というトチ狂った全体攻撃だったわけだが」
諏訪子「轟雷には負けるでしょう(迫真」
かごめ「いやもうアレ別次元のゲームだから(しろめ
   話は脱線するけど、今回の金竜は無印に輪をかけて金竜(笑)らしいな」
諏訪子「2以降が全体的におかしいんだよあいつ。
   まあ、一番狂ってたのが4だけどな。轟雷のターンをパターンとして読み切ればカモネギなんだが。
   …とりあえずそんな事はいま重要じゃないですよねそうですよね」
かごめ「うん、話戻そうか。
   今回のイワォルームだが、マップ下側の区画に冷酷なる貴婦人4、左側にフォレストデモン4、右側にフォレストデビル4、上側に禍乱の姫君4の配置で、中央の吹き抜け中心部にイワォロペネレプが配置される。
   そのまま正面へ突っ込めば、貴婦人が追跡モードになってイワォさんの所へ辿り着く前に総攻撃されるどころか、イワォさんまで乱入してきて混乱祭りからのサンダーウイングで死ぬ」
諏訪子「冷静に考えれば一番行っちゃいけない自殺志願ルートだな。
   というか、テルヨフの野郎地味に貴婦人と姫君の解説してねえな」
かごめ「ここでしろってことなんだろうな。
   貴婦人は全体混乱と腕縛り、姫君は全体呪いと頭縛り攻撃をしてくる。
   どちらもそれほど固くはないから高威力の、特に物理中心で押せばあっさり倒せることもある…が、特に貴婦人の混乱が極悪なんだよな。
   何しろ全体だ、しかも四層雑魚の災厄の木の根と違ってタメなしでぶっ放してくる」
諏訪子「ただこいつらの条件ドロップから作れるのがこれだな」




かごめ「クイーンズボンテージか。
   攻撃力は上から3番目だが、効果そのもんなら鞭では最強だろう。
   ブースト増加が非常においしい」
諏訪子「カスメは基本後列だが、これの目的でちまちまと相手を殴ってもいいしな。
   まあ、グリモアの装備ボーナスとの兼ね合いがあるしその都度触媒のグリモアを嫉妬妖怪に作ってもらわにゃならんのがアレだが。
   あと材料になる貴婦人・姫君のレアドロップは無印と一緒でどちらも全縛り状態撃破なんだが、無印と違ってこいつら縛り耐性それなりだからかなり凶悪な条件になったみたいだな」
かごめ「水溶液様々って奴だ。
   ていうかなんだよこの装備ちょっと自重しろよ。
   いくら水溶液量産できるからって呪言を宿す牙(射命丸メモ:五層FOE樹の下の大王の条件ドロップ、ただし条件満たしても確率ドロップという鬼畜条件らしいです^^;)まで装備しやがってからに」
諏訪子「骨竜条件ドロップ小手装備してやがる貴様に言われたくねえわ(迫真」
かごめ「い、いやこっちは条件それなりに容易(射命丸メモ:毒状態撃破です。毒ダメージで撃破、よりは確かに簡単ですが、こいつ毒入れにくかったような…)だからいいだろ…(汗だらだら」
諏訪子「というかどう考えてもこれレベル上げ過ぎだよな。
   実はこの時点で私もお前も引退済みと」
かごめ「わちき70まで上げた(迫真」
諏訪子「私60だぞ謙虚に生きろよ(迫真
   それってなんか制約みたいなのあるのか?」
かごめ「このひとつ前で静姉が触れてたが、70引退はあたし、静姉、ヤマメ、紫ともうひとりだな。
   あとは全員60だ」
諏訪子「その人選がよくわかんねえって言ってんだよサル」
かごめ「あたしに関しては説明いらんだろ、多分共有環境で地上最強の生物決定戦やったら最後に生き残るのはあたしと神綺さんと霊夜さんしかいねえとかいうワッケわかんない決まりごとがあるっぽい気配だし」
諏訪子「否定できねえところが実に恐ろしいな。
   紫も公式チートだけど」
かごめ「秋姉妹はまあ狐補正で」
諏訪子「リリカの60が説明つかなくねえかそれ?」
かごめ「狐野郎は基本が農袋だから仕方あるまい、そんなこといったらつぐみだって60引退だ。
   ヤマメはなんだろね、そうすると。もうなんか某林檎野郎のそこはかとなく謙虚なアプローチに対して露骨に俺のもん宣言したいとかそういう理由っぽくも見えるが」

※射命丸メモ:農袋
ニコ動投稿者・東方曲アレンジャーとして知られる谷屋氏の動画などに登場する「罪袋」の秋姉妹信者バージョン。
罪袋と言えば素っ裸で股間に薔薇の花をあしらい、「罪」と目鼻のあたりに大書され口のあたりに空気穴をあけただけの袋をかぶり、八雲紫もしくは古明地さとりを対象によからぬ行為をしまくる崖下紳士として描かれるが、基本的なスタイルこそ罪袋同様(稀に、これにプラスで褌一丁の事もある)でありながら、基本的に秋姉妹(もっと言えば妹の穣子に対しての方が比重が大きいような気はする)を崇め奉り、秋が来て実りや紅葉の時期を迎えると万歳三唱したり荒ぶって奇行に走る程度であり、決して秋姉妹に対してよからぬ行為に走ったりはしないようである。秋姉妹信者リンク動画やpixivの秋姉妹タグを巡礼したりするのが主な生態で、どんな季節でも秋姉妹に対する信仰度が高い作品を見つけると何処からともなく湧いて出て「俺達の秋はこれからだ!」などと弾幕を張ることもあるが、眉をひそめるところがあるとすれば精々その程度の事くらいである。
その意味では本家罪袋よりは害は少ないと言えるが、いずれにせよ見た目は完全に変態である。

諏訪子「実際戦略的に、禁忌の輪舞曲の前提条件がアホみたいに重いから少しでもSPボーナスが欲しい所ではあるが。
   バードの能力もそこまで高かねえしな。
   ストーリー的にああいう書き方したって事は、あくまでヤマメは前列におくつもりでいるんだろ?」
かごめ「まあねえ。
   別に弓だってアーチドロワーもあるし、ピクニックならこいしの追撃号令に合わせて上段だけはっておけば、次のターンあたし水溶液誰かが炎技起動でこいしチェイス、あたし追撃でコロちゃん瞬殺だから」
諏訪子「あ、コロちゃんに毒入れるまで粘るって選択肢はないんスね」
かごめ「うん、超めんどくせえ(迫真
   そもそも今回、裏技使わなくても水溶液の材料がかなり容易に集められるからな。羊いねえみたいだし」
諏訪子「それは次の階層に絡む所だし割愛しよか。
   というか、イワォルームの解説の続きはどうした」
かごめ「おっとっといかんいかん危ない危ない…。
   今回は本気でエグイぞ、先ずFOEかイワォのどっちかに見つかると、もしそれまでに区画のFOEを倒していたら全部復活する」
諏訪子「挙句、イワォも追跡モードに入って突っ込んできやがるんだよな」
かごめ「それを悪用して、区画のFOE全部狩ったら一番遠い位置でイワォにわざと見つかる、そしてマップ四隅の扉の中の区画に逃げ込んでFOEとイワォの追跡モード解除、で何食わぬ顔でFOEの索敵範囲外から奇襲してFOEを狩る、そして全滅させたらイワォに…という繰り返しだ。
   ただ残念ながら、どうもこの階にいるFOE、稀少化しないっぽいんだよな」
諏訪子「したらものすごくはかどるのにな。
   実質無限湧きだが、中ボスみたいなもんだろここの連中の扱い」
かごめ「だからしゃあないし、B19Fの姫君と貴婦人が復活した時だけ希少種アップ効果狙って茶を飲んで、そうでないときは経験値アップを狙って飲んでB20Fに籠る…の繰り返しだな。
   勿論モードはピクニック、ピクニックならこっちが状態異常受ける率も低くなるから事故の可能性も減らせるな。
   狩りやすくてそこそこ経験値が稼げるのは恐らくフォレストデモン」
諏訪子「それもあるだろうが、スキルをグリモア化する狙い目として一番おいしいのがこいつだろ。
   具体的にいえば炎の渦」
かごめ「貴婦人でもいいっちゃいいんだけどな。
   ああ、経験値はこの4種類で一番もらえるが、フォレストオーガはオススメしねえ。
   パワーレイジからのヘヴィショルダーが笑えない破壊力がある上、ショルダーをグリモアにしてもそんな使えるってスキルじゃねえ。一列壊攻撃に足縛り付与は悪くねえが、付与率そこまで高くない気がするしな。
   そもそも物理耐性が地味にあるし、区画を巡回してやがるからもたつくと巡回中の増援は来るわイワォがすっ飛んでくるわでワケ解らんことになる」
諏訪子「一応、イワォからは逃げられるんだけどな。意外と知られてないみたいだけど」
かごめ「まあその辺も全部次だ次。
   つーわけで静姉、駄狐、みすちー、ぬえっちょについては四層攻略以後でやったんだが、それ以外のあたし達含めた14人はここで引退もしくは転職までやってある」
諏訪子「おいこの時点でストーリーの5人加えると前作と同じくらいの人数じゃねえか…」
かごめ「因みにリッキィさんだけじゃなくてサイモォン達もあとあとこっちに絡んでくる予定ぜよ(迫真」
諏訪子「( ̄□ ̄;)そういう余計な予告すんな!!
   と、とりあえずこの時点でいいし私達のスキル紹介すんぞ」
かごめ「せっかちじゃのう…もっと純粋に無駄話を…楽しめ!!(クワッ」
諏訪子「黙ってろ呪言で石化させっぞ!!><」


かごめ(Lv57ブシドー、70引退引き継ぎ)
刀マスタリー★ ATKブースト★ 一閃ブースト★ HPブースト3
踏み袈裟1 青眼の構え1 居合の構え1 無双の構え1 斬馬3 卸し焔★ ツバメがえし★
採掘1
グリモアスキル
火幕の幻想曲8 バルカンフォーム7 定量分析★ アクトファースト8 刀マスタリー6 リチャージ5 憤怒の力★

諏訪子(Lv55カースメーカー、60引退引き継ぎ)
呪言マスタリー★ TPブースト★
力祓いの呪言5 軟身の呪言5 幻惑の呪言2 狂乱の呪言3 昏睡の呪言3 石化の呪言★
罪咎の呪言3 封の呪言:頭首1 封の呪言:上肢1 封の呪言:下肢1
畏れよ、我を★ 命ず、言動能わず1 命ず、輩を喰らえ1 命ず、自ら裁せよ1
伐採5
グリモアスキル(※装備ボーナスは剣・鞭)
攻撃隊列★ 麻痺毒針★ 昏睡の花粉★ 息吹7 アザーズステップ9 リフレッシュ9 精神集中4


かごめ「ケロ様さっきのセリフといいホンッとに石化させんの大好きだな(しろめ」
諏訪子「諏訪の七つ石を知らんのか。
   そもそもミシャグジ様は漢字で「御石神様」とも書くんだ。石神井公園の「しゃくじ」だな。ここマメ知識ね」
かごめ「御射山御狩神事の元ネタで「御射軍神様」なんて書き方もするってくらいはあたしも知っとるわい。
   えーっと、これコンセプトってあるのかケロ様の場合?」
諏訪子「なーんかねえっぽいんだよな。
   適当になんか高レベルスキル突っ込んだらこうなった的な。息吹入れる前は歌スキルとか水乱射とか入ってたな」
かごめ「リフレとアザステ使った記憶ねえだろこれ」
諏訪子「ねえなあ。
   そもそもピクニックの狩りモードでしか基本出動した記憶ねえわ、今んとこ」
かごめ「いずれおいおいは。
   一応あたしとあんたと静姉絡めて飛竜狩りかあるるん狩りでもするかも知れんが」
諏訪子「おーいまたそういうことを…。
   お前はその意味では解りやすいな、バルカンフォームから一閃乗った全体攻撃ばら撒く雑魚掃討モードとマスターツバメや卸し焔で一発の大火力を叩きこむモードで」
かごめ「余裕があったら火幕でサポートしたり自ら強引に弱点を作りに行って定量分析するとか。
   どっちにしても攻撃に入るまでにワンテンポおいちまうところが難点ではあるが」
諏訪子「PTのサポート力次第だとトンデモ火力が狙えるな。
   幻想曲はポエットにでも持たせといても良かったんじゃねえのか?」
かごめ「それは考えなくもなかったなあ。
   こうなるとレティの存在が実は地味にでかかったという結果にもなり得るが…今からでも呼んでこようかなあ、レティかおぜうのどっちか」
諏訪子「ただしレティにはチルノがオマケについてくる(迫真」
かごめ「まただよ(呆
   チルノも何回か考えたけど、今回はまあお休みだな残念ながら。
   ゆうかりんさんを呼んでくるかどうかも大分悩んだらしいんだが…」
諏訪子「いても良かった気がするけどな。
   少なくともこいしに対するツッコミ役ができる、さとりも「度を過ぎるようなら死なない程度でミンチにしてもいいですよ(キリッ」とか言ってるみたいだし」
かごめ「…あいつ妹のこと好きなのかどうか判断に困る時たまにあるよな」
諏訪子「そう言えば一見無駄なことに見えるけど、私の呪言とか一部を除いてマスタリーは重複すんだよな。
   ただ、その補正計算式が「高い方のレベル+低い方のレベル」じゃなくて「高い方のレベル×2」とかいうわけ解らんことになってるんだが」
かごめ「仕様とも言われるけど、剣マスタリーにだけ不自然に存在しない辺りバグの方が可能性としては高いな。
   エクスタシーのスキル威力の他にも、先にもちょっと触れた禁忌の輪舞曲9も10の半分のTP消費で効果は10と一緒というバグがある。
   あと、同じ様な重複補正の扱いをするのは憤怒の力もだな。HP半分切った時のパル姉は鬼だぞ」
諏訪子「これも次で触れるけど、パルスィも相変わらずグリモアの方向性が滅茶苦茶だよな。
   剣ダクハンならソウルリべレイトも使いたいところだし、全体に異常ばら撒ける技とかもっとあってもいい気はするよ」
かごめ「その辺はヤマメになんとかしてもらう手もある事はあるけどな」










周囲の面々に言葉はない。
ただ、その事態は余りにも深刻なレベルに達していることは、リリカの言葉以上如実に示している事実が既にある。

すなわち、かごめが動き出しているという事。

だが一方で、不可解な事がひとつあった。

「事情は解ったわ。
でも…つぐみの目的もかごめさんの目的も、紫さんの力を蘇らせることなら、今の状況ってどうなるのかしら?
…紫さんの仮の姿がメリーだったというなら、それが元の紫さんに戻った現状なら」
「いいえ。
これからその事を説明しようと思ったのだけど…実は、今現時点の「私」も、「オリジナルの八雲紫」ではないの。
この肉体で休眠状態にある「八雲紫の魔力」が、「マエリベリーという式神」をベースに、よりオリジナルに近しい精神構造の式神を形成したに過ぎない。

もっとも、この記憶もオリジナルと共有されることになるけど…その意味では、現時点でも状況はそれほど変わらないわ。ただ、魔力やその他の技能を扱う為のパフォーマンスに多少の変更が見られる程度よ」

首を振る紫。

…パソコンで言えば、単純にMEからXPにOSをインストールし直した程度の違いでしかないってことか
「そ、その例えはどうなんでしょうか…。
じゃあ、やはり」
「今まで通り「小槌に封印された」私本体を復活させるには、それ相応の力が必要になると思うわ。
しかも、状況は時間を経るごとに悪くなっているとは思う。
…つち…いえ、ヤマメ。あなたがここに戻る前の時点でいい…幻想郷はどうなっていたか、教えてもらえるかしら?」

一瞬、これまでのように種族名で呼ぼうとした紫に怒気を持った視線で睨むパルスィを制し、ヤマメはそれに応える。

「別にいいよ…っていうか、私も地底の他は竹林しか見てねえんだけどな。
…ただ、状況は私の眼から見なくても最悪だ。
本当は永遠亭で門前払い食ったわけじゃねえ、そもそも、たどり着けなかったんだよ」
「どういうことなの?」
「簡単さ。
永遠亭は付喪神達の侵入を防ぐため、恐らくは永琳が展開しただろう奇門遁甲術式で空間が滅茶苦茶にされてた。さとりの境界操作も十全じゃなかったし、藤原妹紅に出会わなければ出れなかったろうな。
奴の話だと、人里はもう見る影もねえ、聞けば一部のレジスタンスが上白沢の先生指揮の下でゲリラ戦で何とかしのいでて、比較的安全なスノームーン周辺に里の連中全員避難したっていう有様らしい。
…多分、幻想郷でまともに機能して抵抗してるのは地底と守矢神社より上の方ぐれえで、幻想界も、そろそろ影響が出始めて混乱し始めてるって話だ。魔装所持者の魔装が暴走して少なからず死傷者も出てるってよ」

そう、と、恐らくは予想してはいただろうが深刻な表情のまま紫は溜息を吐く。

「さとりも勇儀さんも詳しい事話してくれなかったから、私も気になってたんだがな。
あんたなら知ってるだろ、紫…今回の首謀者は一体誰なんだ?
「打ち出の小槌」は、数百年くらい前に小人族の馬鹿が暴発させて、連中諸共地獄に落ちたなんて話聞いてんだが…奴ら戻ってきたのかまさか?」
「いいえ。
小人族は僅かながら、その変事の際、「小槌」と共に幻想界に難を逃れていた一族がいます。
その末裔である少名針妙丸にウソの伝承を教え、言葉巧みに操り、彼女が受け継いできた「小槌」の呪われた力で私の力を奪い、彼女に与えた者…それが、今回の異変の元凶」


「古くは「天探女」と呼ばれた神の裔でありながら、堕落し地に落ちた唾棄すべき者。
「天逆海」として神の力を取り戻すと嘯きながら、その実は平穏をただ平穏であるがゆえに嫌う天邪鬼…鬼人正邪


「なんだとお!?」

その名を聞いた途端、素っ頓狂な声を上げるヤマメ。
いきなりのことに目を丸くするキバガミが問いかける。

「知り合いか?」
「あんなヤツ知り合いでも何でもないわ。むしろ、何時か本気で八つ裂きにしてやろうと思ってた奴の一人よ。
あの最低野郎に比べたら、まだ構ってちゃんの封獣ぬえの方が億倍可愛げがある…!」

眦を裂き歯がみするパルスィに苦笑しながら、ヤマメも続ける。

「パルちゃんの言う通りだな。
正直、あの勇儀さんが名指しで「とっととこの世から消えてなくなっちまった方がいい」って言ってる奴なんてそいつくらいしか私知らないよ。
本来同じカテゴリーにくくられるのも嫌なんだけど…「地霊」と呼ばれる中では、ごくごく弱い奴だけど能力がすげえ面倒くさい。
正直あの能力がなければ、とっくにあんな奴ぁ小指の一本すらこの世に残っちゃいないさ。そのくらい地底では誰からも嫌われてる奴だよ」
「あー…そう言えばお燐が言ってた気がするなあ。
お姉ちゃんすら、会うの嫌がった妖怪がただ一人だけ地底に居たって。
過去形になってるって事は、もう地底にはいないって事だよね?」
「まあな。
余りあんたにこの話を引き合いに出したくない気もするが…あんたとみとりちゃんの騒動の直前ぐらいに、あいつ忽然と姿を消しやがったんだ。
正直清々したが…逆に、あいつの是が非でも生き延びようとする感性というか嗅覚ってのは、直後のアレでムカつくけど感心させられたよ」

当時の凄惨な事件を思い出し、僅かに悲しそうな顔をするこいしを気遣うかのように、ヤマメはそれとなく笑いに紛れさせようとする。

「だが、紫の話から類推すると、奴はその間幻想界…「幻想郷の外」に居たって事だよな。
目的は「小槌」臭いが、むしろあいつどうやって結界で隔てられていた「外」へ出やがったんだろうな」
「…恐らくでしょうけど、彼女は自分の能力で「位置を逆転」させたのでしょう。
「小槌」にまつわる話は禁忌ではあるけど、知らない者が全くいないわけではない。
常に相手に対して害を成すことしか考えていないあの悪才で、「小槌」の呪いを自分が受けずに其の力をフルで我が物にするという、そういう最悪の発想に行きついた時、折しも幻想郷を外から訪ねようとしていた者の存在を知った。
そして…その「境界の外に居た者」と、自分自身の居た場所を「逆転させて」…「外」に出た
「おい…待て。
そうすると、あいつが…かごめが境界操作の力も持たずにあっさりと幻想郷にやってこれたのも…!

紫は頷く。

「無論、そのお陰で幻想郷はあの時滅びを免れたというなら、本当に皮肉過ぎる話だわ。
そして、彼女はエクスデスの侵攻にも蚊帳の外で自分の目的を探し回り…それが達成されて今の状況にある。
…このままでは、大なるところではもちろん幻想郷と幻想界…小なるところでは、真実を知らず彼女の野望成就のため利用された少名針妙丸の破滅を招くことになる
「だけじゃねえだろ。
あんたもそうだし…そのあんたを助けようと必死こいてる母娘が確実に犠牲になる…違うか?」

ヤマメの思ってもなかっただろう一言に、紫は眼を丸くした。

「…そうね。
私にしてみれば、今だってあんたと同席するのも…ましてや口を利くのだって嫌よ。
けれど…かごめやつぐみだけじゃない…ヤマメや勇儀とか地底の子達も、地底から出てきて知りあったルーミアやチルノやコーディ達も…勿論メリーのことも。
私はあの子達の事が妬ましいくらい大好きなの。

だから…私の怒りは、私の大好きになった子達の敵を滅ぼす為にこそ向けられる…それがあんたの敵と共通する敵であれば、協力してやらないこともないわ…!」

不安そうな瞳のまま、様子を窺うつぐみの肩を抱きよせながら、はっきりとした強い意志を口にするパルスィ。
ヤマメも頷く。

「まあ、そういうこった。
パルちゃんの前でこう言っちまうのもなんだがな、私はあんたのこと、別にそんな嫌いじゃねえしな。
もっとも今はまあ、パルちゃんの手前別に協力しなくもないよ、とだけ言っておこうかな
「ちょっと何よそれ!!」
「私もさんせー♪
お姉ちゃんも言ってたんだよねー、何時か機会があったら、紫さんやかごめさんに恩を売りつけて強請りネタにしてやろうかって。
まさに今がその時だね!!」
「あんたも言うに事欠いてなんてこと言ってんのよ!?
というかなんでどいつもこいつもこのスキマのことあっさり許してるわけ!?
あんた達に地霊の誇りはないんか!!><」
「そんなもん元っからあるかいな。
私らは地上の連中よりも厄介者ってレッテル貼られただけ、根っこはそんな変わんねえって事だ♪」

ぎゃあぎゃあと喚きはじめる地底妖怪三人組を、何処か呆けた表情で眺める紫の肩に、キバガミが手を置く。

「…彼女らにも解っておるのだ。
お主が先に示した、お主自身の心を。
例え現時点でも仮初といえど…拙者もあの姿にお主の真実を見た。
それだけでも、拙者の武を振るうに十分過ぎる理由だ!


見回す瞳の中で、リリカやポエット達も頷く。
そして、一筋の涙と共にその言葉が紡がれる。


「ありがとう、みんな」








諏訪子「小物妖怪に壮大な設定つけ過ぎじゃねえのかこれ」
かごめ「狐野郎は天探女(あめのさぐめ)か天逆海(あまのじゃこ)かで迷ったらしいが、天逆海は実はかなり強力な荒御魂らしいので意図的に避けたんだそうな
諏訪子「扱いが完全にジャコウ総督じゃないですか」
かごめ「イメージとしてはその辺らしいなあ。
   あと小人も含めてわんわんお以外はとりあえず取る気はないらしいな、狐野郎としては」
諏訪子「虹川楽団のドラム担当はあくまで黒幕ですか(迫真」
かごめ「いやめるぽじゃないのか(迫真
諏訪子「いやおかしいだろそれ。
   少なくとも今作はときめくようなキャラがわんわんおしかいないという時点で狐野郎の中では色々終わったそうで」
かごめ「ろくろ首がなあ」
諏訪子「取るの?」
かごめ「取らん。
   まあそれは置いといて宣言通り登場してるリリカ、ポエット、こいし、アンナ、ルーミアの5人を紹介して今回は終わり…といいたいところだが、あの連中の話があるのでその時に回そうか
   代わりにこの時点で完成までこぎつけてる穣子とさとりの話だけしとくか」
諏訪子「えっ静葉達は?」
かごめ「あの連中多分経験値稼ぎの最中だと思う。というかそういうことにしといてくださいオナシャス(´・ω・`)」
諏訪子「あのなあ…」


穣子(Lv51ソードマン、70引退引き継ぎ)
斧マスタリー★ 剣マスタリー5 ATKブースト★ DEFブースト3
レイジングエッジ1 トルネード5 ブーメランアクス5 ヘッドバッシュ5 スタンスマッシュ★
パワークラッシュ2 チェイスファイア1 チェイスフリーズ1 チェイスショック1 リカバー1
採掘1
グリモアスキル
しびれるキック★ 力溜め★ TPブースト9 斧マスタリー3 決死の覚悟2 ブーストアップ3 憤怒の力7


さとり(Lv56ダークハンター、60引退引き継ぎ)
鞭マスタリー★ ATKブースト5
ヘッドボンテージ7 アームボンテージ7 レッグボンテージ7 アナコンダ3 ジエンド1
エクスタシー★ トラッピング★ 憤怒の力★ ブーストアップ3
採取1
グリモアスキル
沈黙の爪9 氷鎌乱舞9 捕縛の糸6 ATKブースト8 鞭マスタリー6 憤怒の力5 アクトブースト6


かごめ「どう見てもさとりではなくさどりです本当にありがとうございました(しろめ
諏訪子「おいそれはマジsYレなってないから止めろwwwwwwwww
   まあ、おあとがよろしいようで」