衛兵「おお、あなた方がウワサの…タルシス、アーモロードで数多くの伝説を作ってきたギルドの試験に立ちあえるとは光栄です。
  ようこそ、ハイ・ラガードへ。もうこの試験の内容に関しては、大臣様からお聞きになられたかと思いますが…」

てゐ「ああいやまあ…聞くには聞いたんだが」
魔理沙「なんかウワサによると、初っ端から毒吹きアゲハの巣に突っ込まされるとかそんな話も聞くんだが(しろめ
衛兵「(ぎくっ!!)いいいえそんなことないっスよ!?
  つか狐尾っつったらこの辺境の街でも超有名ッスよ? 仮にそんなのがこんな低い階層にいたって指先ひとつでダウンさとかそんな感じっスよね!?」
文「(こいつあからさまに顔色変えやがった…絶対いるだろこの階に…)
 つっても私達もダンフォード大臣から、この階にいる兵士に詳しい内容を聞いてくれと言われましてね…お恥ずかしながら「狐尾」と言っても私達は新米なもんでしてね。色々解んない事だらけなんですよ」
衛兵「へ!? ああ…そうなんスか…。
  ああまあ、試験そのものは簡単っスよ。
  取り合えず探索範囲はこんな感じで、大体この辺に置いてある割符を持ってきてもらえれば俺の方でおk出しますんでーまあそんな感じでー」




フラン「目的地はここですねー、そしてこの範囲をできるだけ詳しく…と。
   あれ皆さん、どうかしたんですかなんかいやそうな顔をして」
てゐ「いやな、さっきの兵士、私達も新入りだって言った途端にいきなり態度豹変させやがったからな」
みとり「明らかにこっちを見下している雰囲気の嫌な眼だ。
   能力が使えるなら八つ裂きにしてやるところだよ」
魔理沙「落ちつけよお前ら…あんなの、私がタルシスにいた時もしょっちゅうだったぜ。
   事もあろうにあの幽香にまで喧嘩吹っ掛けた奴だっていたからな。まあそいつ、次の瞬間幽香に半殺しにされてたけど」
文「むしろあのゆうかりんさんが「半殺しで済ませた」事が奇跡に近いわね。
 さてどうしますかね各々方、詳細に、というなら私一応、遺都の最深部の地図描いた事もあるし、後衛でそれなりに余裕もあるだろうから描くけど」
みとり「おい待てお前、これまで散々ひっかきまわしておいて安全な後衛に回るってのか!?」
魔理沙「待つのはお前だろ、さっきのてゐの話聞いてたのかよ。
   クラスにも得意不得意あるし、私や文は後衛からの遠距離レンジからでも戦えるクラス。
   逆に前衛にはさほど適正ねえんだからよ
文「確かにレンジャーは前衛に出れなくはないわよ。
 ないけど、後衛にいたほうが役割分担もしやすいでしょ?
 私や魔理沙の武器は遠隔攻撃でも威力は変わらないけど、あんた達そうはいかないもの
てゐ「そういうこった。
  とりあえず私の当面の仕事は、あんたがパラディンの立ち回りを覚えるまであんたを殺さずに立たせ続けさせるこった。
  …今からでも遅くない、あんたは安全な地底に逃げ帰って、レティと交代してもらっても一向に構わないよ?」
みとり「…っ…!
   それじゃ、あたしの来た意味なくなるだろ…いいよ、メイン盾でも何でもこなしてやる…!」

フラン「(おろおろ)」
てゐ「…やれやれだ、先が思いやられるな。
  しかし文、あんたの目的は知ってるつもりだが、よくあの赤河童を引きずり出せたな」
文「まあね、根が負けず嫌いなにとりとあの辺り瓜二つよ。元が一緒なんだから当然っちゃ当然だけど。
 今現在ホウエンで色々やってるリリカにくっついていけなかったの、大分気にしてたみたいだから…あとは私の舌先三寸で、ね」
魔理沙「そんなことよりメイン盾一人先行させてどうすんだよ。
   私達もさっさと行こうぜ」



「狐尾幻想樹海紀行 緋翼の小皇女」
第二夜 ロンゲスト・デイ・オブ・ハイ=ラガード




かごめ「どうもいつものかごめさんと」
ヤマメ「地底のアイドルYAMAMEちゃんだよっ♪
諏訪子「おいなんだお前そのテンションの高さ…今にもりんりん先生の中の人の声で「ぐだぽよ〜」とか言いだしそうな
ヤマメ「こまけぇことはいいんだよ。
   とりあえず私が絡むとすれば後半かクリア後のような気がしなくもねえけど」
かごめ「いや、ギンヌンガ入れるようになったら多分三層四層のどっちかあたしらだから(キリッ」
ヤマメ「えっマジで言ってんのそれ」
諏訪子「というかこの馬鹿の行動計画(プロット)読んだらなんか恐ろしいこと書いてあるんだけど。
   つかあいつらでマジでやんの? 冗談なら早めにやめてくれよ?(しろめ」
かごめ「マジです(キリッ
   まあアドバイザーいるからどうにかなるんじゃねえのかな、3人ばかり」
諏訪子「( ̄□ ̄;)それはそれで多いな!!」
ヤマメ「っていうかケロ様ツッコミ多くね? なんかどっかの森のピンクの妖精っぽいじゃーん?」
諏訪子「そういうお前は何処のシルシルさんだそのテンションはああもう!!><」
かごめ「キノコはあたしが被れば問題ないけど黄色枠が被ってるよな
諏訪子「至極どうでもいいわ!!つか解説しろよ祟るぞ貴様等!!!ヽ( °Д °)ノ」
ヤマメ「あいあい。
   一応私も経験者だけど、世界樹名物初見殺しコーナーとして有名な1と2の地図描きミッションやね。
   実は今回は毒アゲハは出てこないっぽいんだけど」
かごめ「えっそうなん?
   実際SSQ1は普通に毒吹きアゲハいたじゃん」
ヤマメ「2はいないらしい。あまりに初見殺し過ぎたんで今回はある程度マイルドになってるのかもね。
   けど、最後の木箱がある区画にはあいつがいるし、クローラー」
かごめ「毎度おなじみのヤマネコポジションだな。
   というかヤマネコがクローラーポジなんかもしれないけど」
ヤマメ「むしろビッグビルじゃね?」
諏訪子「なんだよこのテンション高ぇ会話…なんだ私ぁ本当にピクピクポジっつーか三森ポジだよな。まあいいや。
   クローラーだが、2Fにはいきなり最初の部屋から3体組で出てきやがる。
   後列にいると積極的に絡みの糸で足縛ってくるし、1Fの主的存在かと思ったらいきなり次の階で群れバトルをさせられるハメになる。初見殺しなんてどころか、精神的hageってレベルじゃねーな」
かごめ「このゲームのトチ狂ってる点は、むしろ見えているFOEよりもランダムエンカウントして、なおかつ逃げるのに運の絡む通常の雑魚だろ」
諏訪子「それもう解ってるっていうか、昔っから言われてっから、うん」









樹海を進んでいたらなんか花らしきものが咲いていたんですわ?
なんかそこに露骨に光ってるものがあるんでおもえらそれがなんなんのか確認してもいいぞ(この辺の心配りが謙虚さの秘訣



魔理沙「悪いけど私は取りにいかないからな」
文「あやっ、まさか開口一番その発言があんたから出るとはね。
 幻想郷切っての鉄砲玉娘がこんな美味しいシチュエーションで二の足を踏むと?」
魔理沙「どこぞの河童じゃあるまいしそんなやっすい挑発には乗らねえぞ。つかお前私に何させてえんだよ。
   一応、お前よりは樹海の恐ろしさは知ってるつもりだからな?
   大体こういうパターンだと後ろから魔物が!!ああっと!!してくるのがお約束だからな、花畑っつったらどうせ毒吹きアゲハだろ」
てゐ「まぁな、この手のトラップイベントは樹海ではありがちなこと(キリッ)って姫様も言ってたしな。
  探索初日のレベル1でおいそれと踏んでいいシロモンじゃねえだろ」
みとり「そういうお前はその姫様から大体どんなイベントがあるとか聞いてきてるんだろ?
   だったら解るんじゃないのか、安全か危険か」
てゐ「いや、聞かない方が面白いって言われたからあえてそこまで聞いてきてねえ(キリッ」
魔理沙「威張る事かよそれ。
   まあ、何が潜んでるか解ったもんじゃねえし此処は無視だな。おい行こうぜフr」

フラン「わー花が光るなんてふしぎー。
   どうなってるのかなー?」

フランは花に近寄りその咲き乱れる間や根元に顔を近づけているようだ…。

魔理沙「( ̄□ ̄;)おいィィィィィィィィィィィィィィィィィ!!??
てゐ「うわ予想外な奴が行きやがったな…って、本当にアゲハだったら私らだってただじゃ済まんぞ!?」
魔理沙「ちょっと待てフラン不用意に顔を近づけ…」

魔理沙がフランの腕を掴もうとした瞬間狙い澄ましたかのように花が一斉に開花!
花の卑劣なカフン=ジツのアンブッシュで魔理沙とフランの気管支にダメージ!

フラン「( ̄□ ̄;)きゃー!!??」
魔理沙「ぶえーっくしょん!!!><
   なな、なんじゃこりゃああああああああ!!??」

てゐ「うわーやっぱこういうトラップかー(棒読み
みとり「( ̄□ ̄;)いやあんた実はこのトラップ内容知ってただろそうなんだろ!?」
文「(一人だけハンカチで口を防御している)あら、これは」

花粉と一緒になんか薬瓶めいたものが吐き出されてきた…どうやら、それはメディカ2のようだ。
文はそれを何食わぬ顔で拾い上げて道具袋に放りこむ。

文「魔物の襲撃もないようだし、行きましょうか(日常顔」
てゐ「せやね(日常顔」
みとり「おいィ…お前らそれでいいのか(しろめ」


〜少女探索中〜



てゐ「どうやらあのサンシタ兵士の言ってた箱ってアレのことみてえだな」
魔理沙「世界樹で良くある宝箱だな。
   座標的にも間違いねえな」
みとり「とりあえずあの中に入ってるものを持って帰ればいいのか?」
てゐ「そだな。
  文、地図の方は?」
文「概ね問題ないと思うわ。
 途中で回復ポイントもあったからそこもちゃんとチェック入れておいたわ。暫くはそこで宿代浮かせましょう(迫真
てゐ「異議なし(迫真
みとり「おまえらなー…。
   って、さっきから随分フランが静かだな。まだ花粉が残ってるのか?」

みとりが振り向いた先ではフランが恐怖に引きつった顔のまま凍りついている。
一瞬後に振り向いた魔理沙の表情からも血の気がさあっと引いていく…。


♪BGM 「戦場 一重向こう側の死」(SQ4)♪




なんかシカめいたものが突然ガンくれてきた
しかも調子ぶっこいてるらしくこちらをまるでタゲにも取っていないらしい
思わず怒りが有頂天になりそうなナメタ態度だがどう見てもいまの貧弱新米冒険者のレベルで勝てぬぇのは火を煮るより明らか
キハニハ系逃げるにしかずっていう名ゼリフを知らにいのかよ?


フラン&魔理沙「( ̄□ ̄;)アイエエエエエエエエエ!? 角鹿!? 角鹿ナンデ!!??」

てゐ「…おい待てこれは流石に聞いてねえぞ…!
  FOEってこんな初っ端のタイミングでいきなり出てくるもんなのか…!?」
みとり「お、おいなんだってんだよお前ら…たかがちっとでかいだけのシカじゃないかよ。
   こんなのズタズタにして戻ればいいだけの話じゃないか」
文「知らないってのは気楽でいいわねあんた…あれは世界樹名物、安心と信頼の新米殺し「狂乱の角鹿」よ。
 見ると頭がヒットするステップから角の強烈な一撃で1りずつhageさせられて終わるのがオチ。幸いここのは巡回型っぽいから、ルートを避けて通れば戦わずに済むと思うわ」
魔理沙「勘弁してくれよこれでタルシスと同じ高速追尾型だったらどうすんだよ!!><」
みとり「ごちゃごちゃわけのわからない事を…もういい私が一人でやる」
フラン「( ̄□ ̄;)わーみとりさん早まっちゃらめえええええええ!!!」

みとりはシカに粘着しようとした瞬間強烈な後ろ蹴りで吹っ飛ばされた!
みとりは裏世界で(ry

文「撤収ッ!!><」
3り「らじゃーりょうかいー!!><」

文達は全力逃走の構え!
ナムサン! どうやらうまく逃げ遂せたようだ…。








かごめ「鹿ッスね(しろめ
ヤマメ「うん、激・鹿だね(しろめ
   てかこいつこんなに早いタイミングで出てくんの? エトリアでも出てきたの次の階だよ?」
諏訪子「一応タルシスでも最初の小迷宮にFOE出てくんだけどさ。
   まああそこの鹿ほどヤバくねえよ、1〜3の従来通り巡回型で、動きも等速だから回避は難しくねえ。
   ただ今回はFOEからしてHPがだいぶイカレたことになってる。なんで一番最初に出会うFOEの時点でHP1600もあるんだか
かごめ「せん…ろっぴゃく…?
   なあ諏訪子ちゃんよ、860くらいの間違いじゃねえの?」
諏訪子「私ぁ冗談はあまり好きじゃねえんだ。
   今回は本当に何がどうなってんのか、FOEやボスクラスは最初の方からHP量がなんかわけわからんことになってる。
   私も最初目を疑ったんだが…まあ、鹿の時点でリメイク前のキマイラよりもHP高いとかいう時点でも頭おかしいのに、このちょっと先にはHP3200あるFOEが控えてるから
ヤマメ「( ̄□ ̄;)第一階層FOEのHPじゃねえだろそれ!!!」
かごめ「つかSSQ1スノードリフト並みのHP量だろそれ…一層ボスとかマジでHPどんだけなってんだそうなると…」
諏訪子「一応だが、FOEの色変化は4からある仕様だな。その変化を見る限り、鹿のレベルは恐らく11だろう。
   なお今回色々ボス級のHPがはっちゃけてるのは、フォースブレイクがそれだけイカレた威力だからという説もある。私としてはだからと言ってもかなりやり過ぎじゃねえかって気がすんだが」
ヤマメ「いやまあ…どう見てもやり過ぎっしょ…」
諏訪子「後述するがエキスパ・フォースブースト駆使してレベル9でも戦闘不能者出さずに勝てたよ。
   やろうと思えば多分もっと早いレベルでも討伐はできると思う。HPは多いけど、攻撃力が狂ってるわけじゃねえから」
かごめ「鵜呑みにしていい情報なのかどうかだなそれ。
   まあ、地図が完成してないなら、鹿の目を掻い潜りながら彷徨うハメになるわけか」
諏訪子「概ね、通る道の壁までしっかり描きこんでること前提で、大体八割くらい埋まってれば合格になるそうだ。ここまではやる必要ないだろうが、一応全体こんな感じだ。
   面倒ならオートマッピングで、壁まで描き込むモードにして進むといいな。もたもたしてクローラーの処理に手間取った挙句鹿に乱入祭りでもされたら目も当てられん。
   因みに鹿だけど、ミッション合格後に行けるようになる左側区画に4体、ミッションで行ける右側区画に3体登場する。タルシスですら4体くらいしかいなかったんだけど、ちょっと増量し過ぎ感も酷いよな」
ヤマメ「それで済ませられる問題なのかよそれ…」
諏訪子「あと花のイベントだが、実際はランダムで一人選ばれて15ダメージ受ける。
   今回運が悪かったのは魔理沙だな。因みにその代わりメディカ2が手に入るよ」










〜公国宮〜

大臣「ほっほ、まさかこれほどまで早く試験をクリアして来られるとは。
  まあ、事情もあった事だしああは言ったが、何日かかけてゆっくりやってもらっても良かったでの、老体の茶目っ気じゃ」

みとり「こ、このじーさん…!(ビキビキ」
魔理沙「落ちつけまあ落ちつけ。
   てかお前なんだそんな沸点低いんだよ…幽香の方がまだ数倍マシに見えてくるのぜ」

大臣「何はともあれ、晴れて「狐尾」を、我がハイ・ラガード公国の民として迎えさせていただきますぞ。
  改めて、よくぞ来られた。タスシス・アーモロード・エトリアの三都市を又にかけてたその手腕を、このハイ・ラガードの地でも存分に奮っていただけるよう、我らも協力は惜しみませぬぞ」
てゐ「そいつはどーも。
  とりあえずこれで、自由に迷宮で散策したり、樹海探索の必需品である糸が買えたりするんだよな
大臣「説明の用事が省けるのは有難い。
  これから存分に探索に入って下され…と、言いたいところですがの」
文「あやっ、まだ何かあるのですか?」
大臣「ああいやのう、このような辺境の地でも勇名の轟くあなた方に、少し協力して頂きたい事がありましてな。
  時に皆様方、アキピウスという料理人をご存じですかの?
魔理沙「料理人?」
フラン「聞いた事ないですね…アーモロードに、エスビョルとかいう美食家がいたのは知ってますが…」
魔理沙「そう言えば私が森の呪いでやられてた頃に、タルシスでも頭のおかしい美食家気取りがいたっけな。
   あれ本当に、オカミどうやって撃退したのかいまだに気になるぜ…」
大臣「ふむ、世界を渡り歩くエスビョルもまた、その失われたレシピを求める一人ですじゃ。
  アキピウス殿は身罷られて久しいが、十数年前にはこのハイ・ラガードの樹海でのみ産出する魔物や植物などの食材を駆使し、数多くの美食を世に解き放った、まさに「調理王」というべき料理人にして大美食家じゃった。
  しかし、職人気質故かそのレシピは秘伝とされ、死後そのほとんどが散逸してしまい、再現に挑む料理人は多けれど今だ成したものはおりませぬ。
  …今その、幻のレシピの一部を持った料理人を、なんとか説得して公営のレストランを開かせる段取りまで整ったところなのですじゃ」
文「ふむ…そうすると、私達冒険者がやることがあるとすれば、その「樹海でしか調達できない食材」の調達…と言ったところでしょうか?」
大臣「それもありますが…一番重要なのは、その料理店の宣伝を、皆様にお願いしたいのです。
  その料理人はですの…腕はそこそこですがのう…少々性格に難がありましてなぁ」
文「(キュピーン!)ほほう、これはどうやらこの清く正しい記者天狗の出番のようですな…!
 お任せください! 最初にやらかした分、この私達がその任務請け負いましょう!!」
フラン「( ̄□ ̄;)えちょそんなことホイホイ請け負って大丈夫なんですか!?」
文「お任せあれそれこそが我々天狗の本分って奴ですんで。
 大臣殿、そしてその料理人は何処に? 早速取材せねばっ」
大臣「ほっほ、事情はよく解りませぬが、その料理人なら此処に丁度呼んでますでな。
  これ、レジィナ。入りなさい」

ダンフォードに呼ばれてぶっきらぼうに入ってきたのは、およそ年の頃二十歳くらいであろうか…浅黒の肌を持つ、金髪の女性であった。
女性は何故か、不機嫌そうな面持ちのまま一礼する。




「…紹介に与ったレジィナだ。
自分が店を取り仕切らせてもらう事になる。よろしく頼む」

フラン「あ…はい、よろしくお願いします…」
大臣「これ、レジィナよ。初対面の方になんという態度じゃ」
文「あ、いえお気になさらず。
 料理人に限らず、確固たる信念を持つ職人は大体こんなもんです。気にするほどのことではありますまい」
レジィナ「おじい様、私は早く厨房の間取りとか、その辺りの事を整えたいんですよ。
    一足先に退出させてもらいます」

そのままレジィナはぶっきらぼうにその場を立ち去っていく…。

大臣「ああ…全くあの子は…。
  申し訳ござらぬ、レジィナはわしの孫娘でしての…わしはあの子のやりたいようにやらせておるのじゃが、何しろわしの縁者連中はハイ・ラガードでもそれなりに権があるが故、事につけては料理人を志すあの子にやれ家柄がどうのと言いおるもので、すっかりひねくれてしもうてのう。
  根は素直で良い子なのじゃが、お陰で誰に対してもあの調子での。あの子の腕前は確かなのじゃが、それが心配でのう」
文「ふむう…これは確かに、一筋縄ではいかぬかも知れませぬな。
 ですが、こちらも一度宣言したことは曲げません。やれるだけやりますとも!」


〜少女移動中〜




フラン「ここみたいですね、新しいお店って…あっ、さっきの」
レジィナ「なんだ、君たちか。
    おじい様から聞いたが、タルシスなんかでは有名なギルドらしいな。
    …まったく…確かに私は人付き合いは得意じゃないが、そんな宣伝塔を用意しなくても」
魔理沙「さっきから随分不機嫌そうじゃねえか」
てゐ「ははあ…なるほどな。
  お前さん、要は特別扱いされたくないだけだろ
魔理沙「えちょそんなストレートに」
レジィナ「君らだって似たようなものだろ。
    おじい様からも聞いて知ってる。「狐尾」のメンバーはその大半が、人間じゃないなんてことはな。
    君もそれを知ってるから、堂々とその作りものに見えない兎の耳を晒し出しているんだろ?
フラン「え…あっ! そういえば!」
魔理沙「私もあんまり堂々とされてるから気にも留めてなかったぜ…てゐお前、帽子かぶったりとか」
てゐ「しねえよ、面倒くせえ。
  だがな、そういう気持ちも解らんくはないし、姫様なんてのはもう何百年単位で、ぐーたらの権化みたいなやつを見慣れてるしなんとも思っちゃいねえよ。
  別に敬語使い合ったりとか、特別視したりとかってのも私の性に合わん。あんたもそれで構わねえんだろ?」
レジィナ「……ふっ……そこまでストレートに言われちゃうとな。
    まあ、私の我儘みたいなもんだけど、概ねその通りなんだ。
    だから…出来ればあまりそう言った気を回してほしくない。私はずっと料理人になりたかった…おじい様はあの通りの方だから、私のやりたいようにさせてくれるんだが…一族の連中はそうじゃない。早くこんな「くだらないこと」をやめて、然るべき家柄とやらの何処の馬の骨と解らない奴と結婚して子供を生めとしか言わない。
    私は…そういう連中を黙らせるために「実績」が欲しいんだ。失われたアキピウスのレシピ…それを、再びこの世に蘇らせることで」
文「(メモを取ってる)…なるほどねえ。
 でもあれじゃない、ダンフォードさんの話だと、あなたがそれを持ってるとも聞いたけど?」
レジィナ「私の料理の師匠が、偶々その一部を持っていた。
    師匠はそれを再現する機会も得ないからって、暖簾分けの代わりにこれを私に持たせてくれたのさ」

レジィナの示したその紙片には…この世界の公用語としてよく見かける英語のような文体ではなかった。
文たちもよく知る文字…すなわち日本語と漢字交じりで「料理大全・洋の一章」と書かれている…。


魔理沙「洋の一章…?
   ってことはアレか、ジャンルによっても他にあるし、同じジャンルでも別の章があるってことか」
レジィナ「あんた達はこの文字が読めるんだな。
    師匠の話だと、古代文字らしいんだ。アキピウスは僅かに残した自身の手記に、何処で習熟したのか解らないこの古代文字でレシピを書いて、そこいらじゅうに隠したらしい。
    こういうのを読み説くためには、まあ…流石に形振り構ってもられなかったから、おじい様に頼んで、ミズガルズの古代語解読学者を呼んだりして、ね」
文「ふふっ…そういう強かなところ、嫌いじゃないわよ。
 解ったわ。ひょっとしたらこの先、別のレシピを持っている人に出会えるかもしれない…その文字を読むのなら、私達にとっては容易い事よ。
 …いいわね、ジャーナリストとしての血が騒ぐわ!」
てゐ「おーおー乗り気だねえ。
  一応協力者として、タダメシ食わせてくれたりとかしねえのかね」
みとり「おまえなあ…」

レジィナ「さてだな…まずは、試作品第一号も作らなきゃならないし、店の名前も決めなきゃならない。
    そっちも私で決めればいいんだが、どうもうまい名前が思いつかなくて」
文「えっまさかそこからなの」
てゐ「つーかまだレシピを再現できてるわけでもねえんかい」
レジィナ「悪かったな、私は冒険者じゃないからな。
    ただ、比較的浅い層でも入手できて、驚くほど簡単にできる飲み物なら、既に八割方完成してるんだ。
    「ハイラガコーヒー」っていう、コーヒー豆を使わない、コーヒーめいた飲み物さ」
フラン「(;^ω^)???」
みとり「いやおかしいだろ…コーヒーってコーヒー豆使うからコーヒーなんじゃないのか…?」
レジィナ「そんなこと私に言われてもな…。
    まあいい、普通に採れる麦や甘藷でも、ほぼ同じような飲み物を作れるところまでこぎつけたんだけど…実際に使われているのは樹海入り口付近で自生している「黒麦」と、もう少し上の層で採れる甘い根菜「シュガービート」が必要なんだ。
    その二つが手に入れば、すぐにでも試作品を作ることができるんだが…」
てゐ「黒麦…ねえ。
  そう言えば、なんかの足しになるかと思って道すがら取ってきた麦っぽい草があったけどそれの事かな」
文「あんた何時の間に」

【システムウインドウ】 Tewiさんは食材「黒麦」を差し出しました

レジィナ「…まさにこれだ…黒麦…!
    食材になりうるものには、魔物の一部や、採集素材になるものが取れる辺りに自生する植物や岩塩なども含まれるんだ。
    だから…」
魔理沙「私達は宣伝活動とかそういうの向かねえしな。
   そう言うのはまさに、私達向きの仕事じゃねえか?」
フラン「だったら名前も決めちゃいましょう!
   というか私一つつけたい名前あるんですが!!!><ノシ








かごめ「今作の新要素、公国料理店だな。
   まあ要するに前作で言うギルドハウスなんだけど」
諏訪子「実際は解禁されるのは2階行ってからだな。
   2階まで到達して街に戻ると、なんか衛兵に呼びとめられて公国宮に来るべきそうするべきって言われてグリモアとセットで解禁される。
   あとどうでもいい事だが、レジィナの中の人は声優界きっての「超画伯」小林ゆうだ」
ヤマメ「しょうこおねえさん(はいだしょうこ)に並び称される画伯か…料理ってセンス必要ですよね(震え声」
かごめ「まあ中の人と演じている役には直接関係ねえから(迫真
   あとグリモアトレードや、グリモアリサイクルなどの機能は料理店を発展させる過程で解禁されるから、そこがまあ地味に面倒くさくはなるな。
   レベル1のグリモアなんて腐るほど手に入るみたいだし、トレードで積極的に消費して枠を開けてかなきゃならんから、街の発展もやっていかんとな」
諏訪子「一応開発した料理は探索準備として使えるようになる。
   おいおい解禁される都市開発計画とか、宣伝とかで金はこっちにも必要だから…どうしても資金繰りがな」
ヤマメ「前作の無限増殖とかないけどその場合どうすんかね」
諏訪子「そこでDLCの配信クエストの出番さ。
   配信クエストはクリアしても何度でも受けられるし…次ログで紹介するだろう世界樹のなんちゃらシリーズがらみだと、ほぼ無限に金とネクタルが手に入るから」
かごめ「( ̄□ ̄;)ネクタルもなのかよ!!
   地味に嬉しいのか嬉しくないのか」

かごめ「まあこれも解ってるとは思うけど、実際はアキピウスの最初のレシピ、ダンフォード爺さんが持ってたみたいだっていうか、爺さんの話だと「ごく最近偶然見つかった」ということらしい。
   しかしま、全容が明らかになってねえ美食家のレシピとか、美食神アカシアのフルコースじゃあるまいに」
諏訪子「ある意味それより厄介な代物の気がしなくもねえけどな。
   というか、これ発想は「トリコ」じゃねえのかっていうのは流石に邪推っつーか、発想迷子かねえ」
ヤマメ「むしろそんな発想が出てくることそのものがイミフだねえ。
   けど今解ってるだけでもなんか、食材からしてわけわからんのがいくつかあるんだけど。動かない毒アゲハとか…まさかあれ、そのまま調理すんの…?」
かごめ「もう見ただけでSAN値ががりがり削られていきそうな気がするんだけどな。
   SQ4の「ビッグモスのタマゴ」とどっちが名状し難い代物なのか」
ヤマメ「よせやい考えたくもないよ><
   因みに料理店の名前だけど」




諏訪子「なんじゃこりゃ」
かごめ「旧い東方曲CDのライナーノーツに「元々紅魔郷は東方紅茶館って名前になる予定だった」って話書いてあったじゃん。
   まあ狐野郎実は紅茶嫌いだから、あとから「狐尾緑茶館」か「狐尾飲茶館」にしとけばよかったとかどうでもいい事を後悔してたぞ」
諏訪子「まるで意味が解らんな。
   というかとりあえず今回から本格的探索にかかるとかいう話、結局そこまで辿りついてなくね?」
ヤマメ「というわけでー」
かごめ「次回から本格的探索です(キリッ」
諏訪子「……お前らなあ」