既にその場に立っているのは彼女だけだった。
戦略を間違えたつもりもなかった。
「百獣の王」と称されるのも伊達ではなく、非常に強力な威力の攻撃を繰り出して来たが、受け流しきれない筈はなかったのだ。
挙句…先人が残したトラップに仕掛け、戦闘能力を著しく失っているこの魔物を追い詰めつつある…はずだったのだ。
「そんな…馬鹿な話って…ないだろ…!
届かない、なんて…どうして…どうしてッ!!」
握りしめた刃を振り上げることも、その傷ついた腕ではかなわず…てゐは目の前の理不尽に対する怒りと絶望がないまぜになったような感情のまま、慟哭する。
そして…キマイラの毒蛇の一撃が、彼女を貫いた。
…
時間は数十分前にさかのぼる。
ミッションを受領して5階、キマイラの潜むであろう区画の前で、彼女達は再びクロガネに出会った。
しかし…ほんの半日ほど前に出会ったその狼は、足元も覚束ない様子で頼りなく歩み寄ってくると…抱きとめたてゐの腕の中で力なく横たわった。
「酷い怪我だ…いったい、ここでなにが」
「解らない…でも」
文とみとりの視線の先…鎖された扉の前から、クロガネが流しただろう血の跡が延びている。
彼女達はその残酷な現実を悟らざると得なかった。
クロガネはよろよろと立ちあがると、落ちていたひと振りの名剣をくわえ、ゆっくりと差し出してくる。
頭身から柄に至るまで血に塗れながらも、その柄には、クロガネの首輪にも刻まれたのと同じ紋章が刻まれている。
「カタキを…とって欲しいってのか、お前の仲間の…?」
「そんなっ…!」
てゐはあえて、その残酷な現実をストレートに言葉にすることはなかったが…この状況から見ても、その事実は火を見るより明らかだった。
フロースガルとクロガネは、散っていった仲間達の無念を晴らす為にキマイラへ挑み、そして…。
「日常茶飯事なんだろう、こんなこと…この樹海は。
ましてあいつもお前も、今さっき出会ったばかりの関係だ。
そんな私達に、お前は…それを託すっていうのか?」
兎の少女は淡々と、剣を差し出すその狼に告げる。
「これを受け取ったら、もう後戻りはできないんだな」
てゐがそれを受け取ると、クロガネはゆっくり、その場へと横たわり…それきり動かなくなった。
そして…彼女も今、クロガネと同じ運命を辿ろうとしていた。
「狐尾幻想樹海紀行 緋翼の小皇女」
第四夜 ベオウルフ、無残
「あれ…?」
意識が暗転してどのくらい時間が経っただろう。
てゐが目を覚ますと、そこは畳の上だった。
古ぼけた木目の天井は、一瞬永遠亭か守矢神社にでも戻ってきたのかと…否、そもそもあの樹海に足を踏み入れたことすら夢だったのではないかと錯覚したが…彼女は、自分の姿を見てすぐにその考えを否定する。
軽装でなおかつ防御能力と道具の所持に適したタルシスの医術師の服、そして、土手っ腹の部分が派手に切り割かれていることは、先の戦いが夢や幻でないことを、如実に物語っている。
ゆっくり起きあがると、そこはまるでアパートの一畳間のような場所で、そして、古めかしい硝子戸の向こうには、まるで昭和初期の街並みを思わせるノスタルジックな光景が、夕日につつまれ広がっている。
彼女は卓袱台の傍で胡坐をかくと…背後の気配へ向き直ることなく語りかける。
「私、死んだのか」
「死んだとも言えるし、そうでもないと言えるな」
てゐにも聞き覚えのある、というより、普段日常的に良く聞く少女の声が返ってくる。
その声の主…洩矢諏訪子が、卓袱台を挟んでその対面に座ると、持って来たらしい茶碗を一つ差し出すと、急須の中のものを注ぎ入れる。
ほんの数刻前の光景からは想像もできないほど状況に、てゐは苦笑を隠せずにいる。
「なあ諏訪子さんよ、これは一体どういうことなんだ?
フランや文達はどうなっちまったんだ?
…ああいや、裏であんた達がこういう命綱張っててくれたんだったら、多分気にしない方がいいんだろうな」
「まあ、概ねお前の思った通りだよ。
大体、世界樹迷宮ってもんがよく解っただろ。基本的にはあの通り、理不尽の集積場だ…まあ、キマイラ以前に、鹿からしてわりと想定外ではあるが」
「あんたやかごめの想定外はたまにその基準がよく解らなくなるよ。
まあ、聞いても仕方ない事のような気もするけどさ、それも」
同じ急須から注いだそれを諏訪子が飲むのを確かめてから、てゐもまたそれを口にする。
何の変哲もない緑茶だった。
僅かな沈黙を挟んだのち、諏訪子が口を開く。
「なあ、てゐ。
どうして急に…樹海に行くつもりになったんだ?
形はどうあれ、一度死んだようなもんだ。本音の一つは、聞かせてくれてもいいんじゃねえの?」
「……そうだな。
なんて言ったらいいのかな…私も良く解らない。
けど…羨ましく、なったのかな」
「羨ましい?」
「ああ。
あんただって、樹海で旅して、大切なものを取り戻してこれたろ?
なんかさ…私にはそういうのがなかった気がするんだ。色々と」
てゐは目を伏せる。
♪BGM 「情景 しじまに吹く風」(SQ4)♪
「私の過去の話って、あんたはどれだけ知ってる?
大国主様の娘御も何処まで知ってるかは解らんが…」
「その神奈子のアホから、あいつの親父さんのために、あんたが八十柱も神様を撫で斬りにしたってことぐらいは聞いてるよ。
命を救われた恩返しとはいえ…いち妖怪に過ぎないあんたが、普通そこまでやるかって思ったけどな。
……あんたが、住み慣れた竹林を離れて、うちに来たのもそのためかい?」
「そのつもり、だったんだけどな。
でも、結局なんか特別にやることも見当たらないし…私は守矢の居候になっただけで、竹林にいた時とあまりやってる事は変わらないなって。
ああ、勿論人様に迷惑をかけることはしてねえよ、あんただって知ってるだろ」
「そりゃまあな。
そんなことになれば、即座に追い出すつもりでいたからな。うちの信用に関わる」
冗談めかして諏訪子が親指で首を引っ掻く仕草をする。
「…私は…ずっとずっと、独りで生きてきたんだ。
その結果がどうであれ、どんな建前であれ、私は、個人的な恨みを晴らす為に神を殺した。しかも一柱二柱(ひとりふたり)じゃない。
大国主様はあの通りの方だから、私を罪に問わなかったけど…表向き八十神共も手出しはしてないように見えても…私は、独りで生きることを強いられ続けてきたんだ。
神代の時代が終わって、私達の存在が幻想の産物になって、あのムカつく八十神どもの呪いが消えたあとも、ずっと。
それがずっと当り前だと思ってた」
「永遠亭の連中と一緒にいた時も、か?」
「私自身は、少なくともそう思ってたんだ。
ほんの、つい最近まで」
てゐは溜息を吐くと、言葉を続ける。
「なんでだろうな。
他人のために命を張るなんて…そんなことの所為で、何千年も寂しい思いして来たってのに…クロガネが私に自分の誇りを託してくれたとき、逃げたくないって思った。
あいつの誇りを穢した奴を、どうしても許せなくなった。でも」
彼女は立ち上がり、寂しそうに笑う。
「私、ここまでだったみたいだ。
ここで終わりだなんて」
「私はんなこと一度も言った覚えはねえんだがな。
かごめやさとりの真似してこんな胡乱な空間を作ってみたんだが、思ったよりしんどいんだなこれも…まあいいや。
簡単に言うぞ。あんたにその気があれば、その扉を開ければまたあの世界に戻ることになる。
そうでなければ…帰りつくのは守矢神社だ」
「……どういうこと?」
「もしあんたが、今一度戦う事を…ハイ・ラガード世界樹の先を目指すつもりなら、その扉を開ければ、少し時間を巻き戻したところに帰ることになるだろう。
恐らく、キマイラのいる部屋に突っ込む直前くらいのタイミングになるかな。
そうでない場合は…まあ、なんとか蘇生はさせたが全治一年ぐらいの状態で、うちで寝てる状態からスタートだ。多分代わりに他の奴が、冒険を続けることになるだろうな。
どっちを選ぶも、お前次第だ」
「そうかい」
てゐはふっと笑うと、それきり振り返ることなく…古ぼけた扉のドアノブに手をかける。
「だったら。
私の答えはただ一つだよ」
その扉を開け、彼女はその先へと歩いていく。
…
次に視界に飛び込んできたのは…落とし穴にはまり、もがく奇怪な魔獣の姿だった。
まだ真新しい血だまりと、血生臭い匂いに支配されたそのフロアの中、襲撃者と呼ばれる恐竜の足を止めるその罠が有効ではないかと推論したてゐは、四か所の罠に誘導してキマイラの足を封じる作戦に出て…。
「よし…これで、こいつはもう身動きとれまい…!
少し、姑息な感じもするがな」
「私はそうは思わねえよ。
孫氏に曰く、戦の勝敗は戦う前に決している…生きるか死ぬかの局面で、体裁や美学なんて豚にでも喰わせろってな」
魔理沙はもがくキマイラに照準を合わせる。
文もまた、弓を構えていつでも援護に入れる体制を整えていた。
「てゐさん、今がチャンスですよ! 仕掛けましょう!」
てゐはすべてを理解した。
そして…これから起ころうとする未来が、体験したその出来事が走馬灯の如く駆け巡る。
「待て、止めだ」
仕掛けようとするフランの首根っこを掴み、無理矢理に引き戻して告げる。
呆気にとられるよりも前に…そのまま起きるはずだった出来事を示唆するかのように…鋭い尾の一撃がフランの目の前を掠める…!
「なっ…こいつ…!」
「無防備な背中から、まして身動きとれねえ状態でなら誰だって安全だと勘違いして仕掛けようと思うわな。
ケダモノの分際で食えねえ野郎だ。
どうやら…私達もとんでもねえ思いちがいをしてたみたいだ」
その起死回生のチャンスを潰され、もがく振りをやめ剣呑な視線を送る魔獣へ…それすらも見下すような冷酷な視線を、てゐは向ける。
「今なら解るよ。
あんたは…こうやってフロースガル達を誘いこんで、そしてあいつらの思いを踏みにじった…!
だが」
てゐは踵を返す。
「残念ながら、今の私達にもテメエを八つ裂きに出来るほどの力はねえ。
…臆病風に吹かれたと思えば思え。
私も犬死にするつもりはねえ…下層の恐竜の親玉を狩れるくらいの力をつけたら、改めてテメエを八つ裂きにしてやる」
「あっ、おいお前…!」
文は止めようとする魔理沙を制し、肩を叩いて促す。
「今のあいつの奇襲を見破ったのは、紛れもなくてゐの手柄だわ。
あいつは言葉通り…まずは私たち全員が安全に生き残る道を選んだ…そういうことじゃないかしら」
「じゃあこのまま何もせずに引き返すってのか!?」
「悔しいけど、私もそれが正解だと思う。
それに…多分いちばん悔しい思いをしてるのは…あいつかも知れない」
その視線の先では、おろおろとこちらと、扉へ向かうその背を伺うフランと、振り返りもせず扉の方へ歩いていくてゐの背中が見える。
てゐの握り締めた剣から滴る血は…元からついていた、持ち主の返り血ばかりではない…真新しい深紅の筋が伝っている。
その姿に…文はその真実を見通す記者の目で、その本心を正確に読み取っていた。
「戦略的撤退よ。
今は、退きましょう」
…
…
ヤマメ「どういうことなの(しろめ」
かごめ「おのれなんかこそこそしてると思ったらあのカエル…(#^ω^)」
ヤマメ「いや怒るところそこじゃないよねどう考えても。
あ、ドーモ、クモニンジャ…じゃなくて黒谷のヤマメさんです」
かごめ「ニンジャ…殺すべし!!( ゚д゚ )彡」
ヤマメ「違う違う違う!><
とりあえずこの真相どうせ本当は知ってんだろ、ワケが解るようにちゃんと解説してくれよ」
かごめ「えーめんどくせえにゃーでもやるかー(プヒー」
かごめ「まあ簡単な話、全員のレベルは16にもなってたんだけど、あと一歩というところまで追いつめたものの結局キマイラ相手に3度もhageた。
正直そんな強いボスじゃねえのは確かだよ、ただ、耐久力がばかげてるんだはっきり言って。
例えるならあれだ、KOF96のゲーニッツ」
ヤマメ「たまにはそういう、他ゲームとかの知識がなければ解らないような例え以外の例えってねえのかな。
私は解るからいいんだけどさ。
ようは、攻撃力は本当にさほどじゃないけど、べらぼうに打たれ強いんだろこいつ」
かごめ「データ見てもらった方が早いな。
先のFOEの話から総合すれば、今回のスッタフは本当にどっかイカレてるんじゃねえかって本当にそう言いたくなるよ。
なおデータは毎度おなじみ攻略wikiからの引用だ。先達の有志ボウケンシャーの皆様方に感謝しつつここでも紹介させてもらうのぜ」
第一階層ボス キマイラ
HP8220 氷弱点/石化・即死無効
スネークパイル(脚) 遠隔貫通突攻撃、高確率で毒を追加(毒ダメージは60前後)
劫火(頭) 遠隔拡散炎攻撃
威圧の咆哮(頭) 全体に3ターン物理防御ダウン、HPが減ってきたタイミングで使用(50%以下になった時と30%を切った時に一回ずつ確定で使用。二回目以後ランダムで使用?)
双連撃(腕) 近接斬攻撃、ランダム対象に2回ヒットする、HPが少なくなると使用し始める(50%を切った辺りから)
※備考
キマイラのいる部屋には落とし穴が四か所あり、落とすごとにHPが少しずつ減り(一回でおよそ10%程度?)、脚封じ状態になる。
故に最大四回落とし穴にかけることができ、残りHP5000弱からバックアタックを仕掛けることも可能。
移動速度も等速→鈍速→鈍速かつ休憩つきとダウンし、四回目に落ちた後穴から出て停止する(移動パターンは停止しない限り追尾)。
なお、穴に落ちた状態で戦闘開始すると、最初の2ターンはキマイラ行動不能(2ターン目の「キマイラは穴から抜け出した!」のアナウンスが入るまで)。
ヤマメ「∑( ̄□ ̄;)なんじゃこりゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!??
おいなんだこのHP! どう考えても第一階層ボスのHPじゃねええええええええええええええ!!??」
かごめ「参考までにこれまでの第一階層ボスのHP上げとこうか」
世界樹の迷宮…スノードリフト HP400
世界樹の迷宮2 諸王の聖杯…キマイラ HP1400
世界樹の迷宮3 星海の来訪者…ナルメル HP3281
世界樹の迷宮4 伝承の巨人…獣王ベルゼルケル HP2380
世界樹の迷宮 ミレニアムの少女…スノードリフト HP3372
かごめ「まあリメイクでスノードリフトのHPも大体8倍強になってるしたった6倍弱じゃないですか(しろめ」
ヤマメ「いや基準おかしいから!!><
HP8000って従来の第二階層ボスよりたけえよ!!
つーかこれまでのシリーズでもHP8000超えるFOEだってほとんどいねえだろが!!><」
かごめ「まー確かにHPだけで見ればコロトラングル並みだよなあ。
実際、キマイラの火力そのものはないしたことはない。鹿を狩れるようになって、鹿のドロップから作れる軽鎧と靴を装備して、第一階層で揃えられる最高の装備と、武器も剣使いがいれば直前で手に入るフロースガルの剣が二層中盤まで通用する位の逸品だ。
装備が十分そろってるなら、パーティ構成にもよるけど14~15くらいでも実は倒せると言われてるな」
ヤマメ「なーかごめ、それエキスパート条件で話してる?(しろめ」
かごめ「ちゃんとエキスパートの話だよ。
ただなー、マヌケな事に狐野郎は今回も、討伐した再戦の時もキマイラが氷弱点だと知らなくて、グリモアの付加効果でサンダーしょっとからのインボルブをねじ込むなんて悠長なことしてやがったし、なおかつ最初の時は威圧の咆哮からの双連撃を捌き切れずジリー・プアー(徐々に不利)になって負けた。
まあ…色々甘かったのもあるし、なおかつその前に安易にアムリタを使いきってた所為で完全に息切れしてたのが敗因だな。拾ってあったアムリタが残ってたら、ひょっとしたらあの悪条件でもsageられた可能性はあったな、今思うと」
ヤマメ「いやそれにしたって限度あんだろ…というか、スネークパイルの毒ダメだって相当きついだろ。あれどうすんの?」
かごめ「一応SSQからの仕様で、状態異常防御系のアクセが100%毒付与を防いでくれる。
毎度おなじみの毒アゲハの素材で作れるから、こいつを全員に装備させるのが手っ取り早いな。ただ、スネークパイルは遠隔だし、しかも適正レベルのエキスパートで大体60~80程度受ける。防御落とされた状態で喰ったら、まあ後衛職なら大抵一撃で蒸発するわな。
その上で劫火にも対応する必要がある」
ヤマメ「で、あとはこのクッソ高いHPをどうやって削るかってことか?」
かごめ「それが本当にしんどい作業なんだな。
本来なら、氷属性を軸に攻めるのが正解だ。アイスショット、氷の術式、抜刀氷雪、フリーズオイルからの各種攻撃などなど、攻める手段には事欠かない。ストーリーだと、ファフニール変身からアイスウェイブからのブレイドリコールを、あればアリアンナのフリーズサークルを絡めてやればあっさり片付くかも知れんね」
ヤマメ「それだったらこっちもあれじゃん、アクトブーストのアイスショットから英雄の戦い経由のインボルブでいいんじゃ」
かごめ「多分与ダメージ倍近く稼げたんじゃねえかな(しろめ
まあ…狐野郎が完全に、キマイラのふざけたHPにばかり目を取られて耐性のところ見てなかったのがはっきりわかんだね。
っても、それでもかなりタフなのは間違いないよ。一応条件レアの要因でもあるだけあって毒が通るから、ラフレシアや毒アゲハの毒技や、カスメがいるなら病毒の呪言をぶち込むのも有効だね」
かごめ「まあそんなこんなで、恐竜を狩りまくったり、鹿を全滅させたり、コウモリを八つ裂きにしたりでレベルも17に上げて挑んでなんとかsageた。
最後はもう、誰もTP残ってない状態でほとんど赤カブトに決死の特攻を仕掛ける犬たちみたいな有様になってたな。魔理沙だけなんか、最後っ屁のスネークパイル喰らって吹っ飛ばされてたけど」
ヤマメ「その例えも本当になんというか…何気にスネークパイル、いきなりレベル9取れましたね」
かごめ「かなり強力なスキルだしなあ。
あたしどうせ上段ブシドーにしかならねえし、単純に遠隔貫通突攻撃としても優秀だし使おうかな」
ヤマメ「TP20とか超重いんスけど、ブシドーのひっくいTPだとすぐガス欠起こすんじゃね?」
かごめ「ヤンナルネ(しろめ
じゃあ毎度おなじみのスキル紹介だ。
今回、写真はレベル16のものだが装備は変わってないから、あしからず(´・ω・`)」
フランドール(ハイランダー)
槍マスタリー10 物理攻撃ブースト3 HPブースト1
ロングスラスト1 ブレインレンド1 スピアインボルブ3 シングルスラスト1 レギオンスラスト1
ディレイチャージ1 ブラッドウェポン1 リミットレス1
ハーベスト1
グリモア:ブラッドサック7(斬属性ボーナス) 素早さブースト5
てゐ(ドクトルマグス) ※巫術・巫剣はカテゴリごとに省略あり
巫術マスタリー10 巫剣マスタリー3
巫術:再生1 鬼力化1 皮硬化1 脈動1 乱疫3 転移3 結界2 反魂1
巫剣:霊攻衰斬1 霊防衰斬1
グリモア:ドレインバイト5 トルネード5
みとり(パラディン)
盾マスタリー10 物理防御ブースト5 属性防御ブースト1 HPブースト1
フロントガード1 バックガード1 ファイアガード1 フリーズガード1 ショックガード1
ヒールガード1 センチネルガード1 シールドスマイト1 渾身ディフェンス1 挑発1
グリモア:ドレインバイト3 盾マスタリー3
文(レンジャー)
弓マスタリー10 素早さブースト7 抑制攻撃ブースト1
フランクショット1 ブラインドアロー1 スリープアロー1 パライズアロー1
ドロップショット1 ダブルショット1
エイミングフット1 野生の勘1
グリモア:聖なる守護の舞曲1 困惑のステップ5
魔理沙(ガンナー)
銃マスタリー10 物理攻撃ブースト5 HPブースト1 TPブースト1
フレイムショット1 アイスショット1 サンダーショット1 チャージショット1 跳弾1
ヘッドスナイプ1 アームスナイプ1 レッグスナイプ1 ドラッグバレット1
後方支援1 ペネトレイター1
グリモア:毒の粉5(雷属性ボーナス) フォースマスタリ8
ヤマメ「なんかちょっとわずかにおかしいグリモアあんだけど…?」
かごめ「その説明は次辺りでするよ。
カエルが戻ってくる前にちょっとだけ触れておくが、実はもうあいつらがだな…」
ヤマメ「………………いやいや舞曲とかは解るよ舞曲とか。
フォースマスタリって確かファフニールの…」
かごめ「ここが今回の目玉、グリモアトレードのミソな所だな。
この辺は詳しく次回、最初のヨタ話回で」
ヤマメ「うわー今回もそれあるのかよー><」
…
…
♪BGM 「戦乱 紅炎は猛り白刃は舞う」(SQ4)♪
てゐは敗戦の記憶を元に、フロアのそこかしこに存在する落とし穴へ巧みに追い込み、ときに自ら囮となりながらキマイラを罠に嵌め、その恐るべき魔獣の自由を奪いながらその体力を削りにかかる。
彼女はその、捕食されるものの喩えに使われる兎の姿とは裏腹な、冷酷な狩人の如く戦況を見定め、獲物を追い詰めていく。
だが…異変はその時起こった。
止めの一撃を放とうと距離を取ったフランが、キマイラが落ちた、その罠の端に足を取られてしまう。
「フラン…うおっ!?」
動揺は全体に伝播し、気を取られた魔理沙は紙一重で放たれた苦し紛れの尾撃を回避するが、キマイラは落とし穴からはい出ようとするフランめがけて口を開き、赤熱した火炎の息を今にも吐きだそうとしている!
距離のあるみとりは勿論、文も、魔理沙も…そしててゐも動くことができないその刹那。
一瞬何が起きたのか目を疑った。
フランの落ちた穴、彼女のその背後の茂みから、小さな影が猛然と飛び出し…そして、不意の一撃を魔獣に喰らわせる。
そして、全員がその正体を知ることになる。
「あいつ…あのハリネズミ、まさか…!」
ハリネズミは…腕に小さなリボンを巻いていた。
階層を進めば、必ずと言っていいほど何処かで、樹に突き刺さっていたハリネズミだ。
少し前に出会ったときは、何かと戦ったのか怪我をしており、フランは引っ掻かれながらもなんとか、そのハリネズミに自分の巻いてたリボンを包帯がわりに巻いて、手当てをしていたのだ。
ハリネズミは嫌がるそぶりも見せず、そのまま、リボンを片手に巻いて樹海へと消えていった…はずだった。
当惑する面々を余所に、ハリネズミは遮二無二、自分の体躯の何倍か考えることすら嫌になるほどの魔獣へ体当たりを敢行する。
追い詰められていたとはいえ、キマイラにはさしたるダメージにはなっていないだろう。それどころか、執拗な攻撃と…千載一遇の攻撃を邪魔された怒りが、キマイラの瞳を危険に輝かせる…そして。
「だめえええええッ!逃げてえええええええええええ!!」
フランの制止もむなしく、キマイラの振るう太刀の様な爪が、縦横にその小さな体を無残に引き裂いた。
致命傷を負ったその小さな救援者は、フランの目の前にバウンドして…そのまま、二度と立ち上がることはなかった。
その光景に目を奪われ、千載一遇のチャンスでもありながら、誰もが動けずにいた。
フランは既に落とし穴から脱して、体勢を立て直していた…というよりも、何かが違っていた。
「おまえ…よくも…」
ゆらりと立ち上がるフランから、凄まじいまでの妖気が立ち上る。
その恐ろしい気が周囲の大気を振るわせ…キマイラすら、その圧倒的な鬼気の前に動きを止められてしまっている…!
「お前なんて絶対に許さないッ!!
壊れてしまええええええええええええええええええええええッ!!!」
♪BGM 「最終鬼畜妹フランドール・S」/Cool&Create♪
暴風のような妖気を纏い、冒険に際して封じられている筈の吸血鬼の力を解放したフランの腕が、回避し損ねた右のヤギ頭を貫くと、血と脳漿が綯い交ぜになったような嫌な色の体液をまき散らしながら、キマイラは苦悶の咆哮と共に後ずさる。
しかし、フランはそれを許さず、獅子の頭を無造作に鷲掴みにすると、汚液に塗れたままの右の貫手を首元へと叩きこんだ。
「フラン…あいつ、いったい…?」
「そんな…かごめの奴、あの子の吸血鬼としての力を封じたって言ってたはずよ…いったい、どうして」
茫然とその光景を見守る文とみとり。
その眼前では、ただただ、キマイラだったものが物言わぬ肉片へと変貌する凄惨な光景が展開されている。
てゐは、その姿にまるで、大昔の自分を見ているような錯覚に陥った。
どう見ても死を待つばかりだった自分を助けてくれた、心優しき大己貴命をその兄神たちが殺そうとしていることを知った時。
瀕死の自分を嘲笑い、中には他の兄弟に先を越された腹いせの暴行を加えていく彼らに対する憎悪と殺意に突き動かされるまま、まるで大己貴の舅である荒御魂・スサノオ命が憑いたかのような残忍さと狂気に支配されながら、天羽々斬を振るった数千年前のあの夜の事を。
今目の前にいるフランは、その時の自分自身の姿に思えてならなかった。
魔獣が絶命してもなお、全身朱に染めながらその肉に拳を突き立てているフランの力が、やがて少しずつ弱まっていく。
彼女は、泣いていた。
それでもなお、物言わぬ巨獣の肉塊へ拳を振り上げようとするのを…魔理沙がそっと制した。
「もう…やめろ、フラン。
そいつは死んだんだ…フロースガル達や…あのハリネズミの仇は、とったんだ。
だから…もういい…!」
抱きとめた魔理沙の腕の中で、流した涙がその頬の返り血を洗い流していた。
…
…
諏訪子「というお話だったんじゃ」
かごめ「やあおかえりカエル(しれっ」
諏訪子「テメエごく当たり前みたいにカエルとか言うな、祟るぞ(キリッ
ハリネズミについては説明いるかね、1階の奥辺りから登場するあいつ」
かごめ「2階でも突き刺さってて、3階でも突き刺さってて、なんか4階だと手当までしてやることになるんだよなこいつ。
3階だと樹液の塊、4階だと確かアムリタ置いてってくれるんだっけ? その代わり毎回きっつい一撃喰らわせてくんだけど…」
ヤマメ「全部フランにやらせたよなこいつの相手」
かごめ「この話だと樹海に散った風になってますが、実はゲーム内では生きてるんだよこいつ。
5階の右中央らへんの行き止まりで、金目のモノらしきものを調べるイベントが発生するんだけど、4階までに全部のハリネズミイベントを起こしていると、敵に奇襲されそうになったのをこのハリネズミが助けてくれるっていうイベントが発生するんだ。
相手はマイマイダイオウ2体とかなりヘヴィだが、無事戦闘終了すると、選択した誰か一人のHPを39回復してくれる。それでハリネズミのイベントは終わりだな。因みにマイマイの素材以外に手に入るものはねえみたいだな」
ヤマメ「そのマイマイダイオウも相当トチ狂った魔物なんだけどな。
最大2体まで登場してきて、防御も攻撃力も高いんだけど、1体になるといきなり森マイマイ4体を召喚して、マイマイの生存数×2回ランダム対象にヒットする「マイマイマーチ」っていうかなり強烈な合体攻撃を仕掛けてきやがるな」
諏訪子「名前はふざけてるが、3の狂魚の宴を知ってるとまあ、それの壊属性バージョンだと思えば間違いないか。森マイマイの始末に手間取ると軽くPTが壊滅する凶悪攻撃だ。
マイマイが召喚された次のターンにぶっ放してくるが、森マイマイを全滅させてもダイオウ一体で仕掛けてくる。ダイオウを潰せれば阻止できるみたいだが…まあ、適正レベルじゃ不可能だな。
ダイオウには弱点ねえけど、雷属性で倒すとレアドロップする。雷属性軽減効果を持つ、第一階層では最高の防御力を持つ盾の素材だよ」
かごめ「このフロアはラフレシアもいるからな。
黒茶の材料にもなる食材落とすけど、あれ文面見ただけでラフレシアのドロップ食材って解る奴も大概だと思うが…」
諏訪子「ポケモンのラフレシアも同じ由来だけどさ、そもそもラフレシアは別名を「死体花」って呼ばれるくらい、途轍もなく臭い花だよ。
まあタイタンアルム(スマトラオオコンニャク)とどっちが、と言われると難しいところだが」
ヤマメ「そう言えば話変わるけど、縛りというか…なんか変なルールこさえたよな。
FOEとボスは初回だけエキスパートで狩るけど、一体でも討伐出来たらあとはスタンダードかピクニックで始末していいっていう」
諏訪子「いやそれ前作もナチュラルにやってたから。
っても、実質周回プレイだった新世界樹と違って、今回スタートからやってるから1体目を狩るのがかなりの難行だと思うんだが」
ヤマメ「裏返せば一体でも狩れば一気に探索が楽になると(しろめ」
かごめ「まあ、ダレてくるからそういうボーナスモードがあってもいいかと思ってな。
とりあえずこれで第一階層は終了、次はまあ…ヨタ話的な何かで」
諏訪子「てかしつこいようだけどさー…マジでやんの?(しろめ」
かごめ「プランに変更は認めません(キリッ
それじゃ、次回へ続きます」