「狐尾幻想樹海紀行 緋翼の小皇女」
第H夜 藍しゃまの樹海特別教室リターンズ
〜ハイ・ラガード 鋼の棘魚亭〜
かごめ「どうもいつものかごめさんです。
今回はここ鋼の棘魚亭より、八雲のらんらん先生と愉快な生徒たちの様子を実況中継していく方向で」
諏訪子「お前本当にそういう辺りはぶれないな、少しは助けてやろうって気が起きんか?」
かごめ「馬鹿も休み休み言えスワ者、あのアホリップと一緒に半日もいたら流石のあたしだって頭がバーンってなっちまうよ」
諏訪子「藍ならいいのか」
かごめ「紫がいいって言ってる以上は問題ない(キリッ
とりあえず今回は第二階層のクエスト重点だな。まあ、最初の辺りのはそんな大したのもないだろうが…まずはこれから」
…
…
<三時間目 不埒なクマーをやっつけろ>
おもえらがその小部屋にログインするとなんかこそこそ裏テルしながらシャッタアウトしていくのがいた
そいつは多分酒場で聞いた珍しいクマーであるだろうという事は火を煮るより明らか
ここにログも残ってんだし警察に通報すれば捕まって終わりなのにそいつは回線を切ったままID変わるのを待っているようだった
リップ「2ちゃんのIDなんて同じ端末からログインしてる限り変わるわきゃないなんて常識でしょ( ^ω^)
fusianasanでIP晒させてやりましょうかこいつ」
めう「これはブロントさん的様式美めう。
あもりしつこいと親の結婚記念日の指輪をはめたギガトンパンチ(雷属性)で奥歯ガタガタいうハメになるめう(注意喚起」
藍「お前何時FF板民やってたんだよマジで…というか王宮暮らしでねら〜してんじゃねえっつの(´・ω・`)」
美結「そもそもクマが蜂蜜を好む、というのはあくまで迷信であって、実際は樹液の密に集まる虫を食べるためなんですよね。
あと、別串刺したりすれば同じポインヨから繋いでもID変えることは一応可能ですよ」
藍「確かにそれはどっちもその通りなんだが今とりあえずそういうトリビアは関係ないよな(うんざり
はあ…こいつらといると本当に疲れるなあ(´Д`)」
古代からの伝説によるとそのクマーはハチミツを好物にしているらしいぞ?
どうやらこの辺りのミツを独占して貧弱一般動物たちにヒンシュクを買っているらしくしきたりを守っていないことは確定的に明らか
おもえらその酒場の親父からもらったミツをぶちまけてそいつをおびき出してもよいぞ(この辺りの心配りが
美結「けれど、早苗さんも言ってましたよね。この樹海でもそういう常識に囚われてちゃいけないんだって。
そぉい!!><」
【システムウインドウ】 キーアイテム「ハチミツ」を放り投げました
つぐみ「( ̄□ ̄;)えちょそんなナレんしょンの言う事真に受けなくていいからそういうの!!
…っちゃあ…完全に飛び出ちゃってるよ…」
めう「まさしく覆水盆に返らず、めう(´Д`)」
藍「…!
みんな、下がれ…何か出てくるぞ!」
そのレアなミツの気配をかぎ取ったクマーが物陰からたまらずログインして来た
どうやらおもえらに逆恨みしてタゲ取っているようだった
おもえらこの謙虚じゃないクマーをぶちのめしてもよいぞ? というか奥歯ガタガタ言わせてわからせるべきそうするべき!
めう「なんか二次元的なモテ男を目指そうとして失敗した系オタみたいめう(´Д`)」
美結「そうですねー。
丁度チャラ男気取りで合コンで女の子を釣って帰ろうと間違った方へ努力しちゃった感も半端ないというか」
リップ「美結も十分辛辣だよねえ(;^ω^)
けどどうしよう、完全にこっちに襲いかかってくる気満々だよあいつ」
めう「当然やっつけるめう!!><ノシ」
つぐみ「どうしよう、藍さん?」
藍「仕方あるまい、いざとなったら核熱で吹き飛ばすまでだ。
一応こんなこともあろうかと核熱はマスターまで振っておいた(キリッ」
つぐみ「一体何を想定してたんですか(しろめ」
…
…
かごめ「クエスト「野山駆け巡るものに甘い蜜を」だな。
6Fの右上の小部屋、クエスト受領前に来ると素材をもらえるんだが、ここでクエスト受領してくるとシロップベアーとかいうのと戦える。
一応そのメンバー、リップが静姉になってるけどまあその辺は気にしないように(しれっ」
諏訪子「そもそもリップ混ぜるかどうか一時期決めかねてたけど、その曖昧な時期にやったクエストじゃんこれ」
かごめ「そ、その辺り気にしちゃいけないんだぜ…あとこのクマーが明らかにSSQのシンジュクにいた奴じゃねとかその辺も(震え声」
諏訪子「まー細かい事だしなあこの辺。
クエボスだからそんな強くないな。HPは2100、弱点も前作の条件レアに絡んでるかどうか知らんけど炎が通る。
爪のランダム3連打がかなり痛いから、心配なら斬撃の守りを作ればいいんだけど」
かごめ「そこまでやる必要あるのかどうか疑問だけどな。
そもそも直前にキマイラ見てる、プラス、水泡樹倒せるようになってから挑んだから全く怖くもなんともなかった。
つかピクニックだとオート戦闘だけで十分始末できるレベル」
諏訪子「いやエキスパ適正ならオートで全滅するとか先ずありえねえから(迫真」
…
…
<四時間目 回セ!水泡樹>
店主「いよう御苦労さん!
こいつが今回の報酬だぜ!」
【システムウインドウ】 クエスト報酬としてフェンサーのグリモアを受け取りました
藍「(うわあレベルひっく…どう考えてもこれ静葉が高レベルの作れるじゃん…)
しかしこの辺、熊は見ないのに珍しいな」
店主「だなあ、どっかから流れてきたんだろ。
たまにそういうのもいるみたいだしよ…それよりよ、あんた達のとこのウサギの姐さんが以前受けてくれた仕事の関係でな、薬泉院があんた達を名指しで依頼を受けて欲しいって話来てるんだが…どうだい?」
藍「てゐがか?
あいつこっち来てから随分、なんか今までのイメージとは全っ然違って厄介事も背負い込んでんだな…で、何があるんだ?」
店主「それがよ、以前のウサギ姐さん達の働きもあってか、薬泉院のお偉方が偉くお前らに惚れ込んだみたいでなあ。
その時のこともあって、有事に備えて薬の備蓄を増やそうって話になったんだ。
備えあれば憂いなしっていうだろ? んで、樹海からその材料を取って来て欲しいッてんだ…無論、あの頭でっかちの青ビョウタンどもがそれこそ束になっても回収できねえようなヤバいシロモノをな」
藍「ふぅん…まさか、その材料FOEからしか取れない代物とかいうんじゃないだろうね…?」
店主「ねーさんいいカンしてるじゃねえか…そのまさかだぜ。
常緋の森の入口に、まるで風船みたいなクルクル回る植物の魔物がいたろ? この辺じゃ、螺旋の水泡樹ってんだが…こいつに生ってる水泡を取ってこいッてんだ」
藍「うわあ(´Д`)
それアレだ、あいつらの仲間に文っていう栗色髪の奴いたろ? あいつが「なんか銃弾撃ち込んだらえっらい勢いで高速スピンして突っ込んでて一瞬のうちに前衛も後衛も無関係にぶっ飛ばされた」とか言ってた奴だわそれ」
店主「詳しい事は知らんが、俺っちもそんな話聞いたなあ。なんかすっげえ笑える事態になったらしいぜww
兎に角だ、これ一個でも十分らしいんだが…まあ、取れるんだったら二個でも三個でも取ってこいって話なんだわ。あればあった分、報酬に色つけるとか言ってたぜ。
姐さん確か
藍「そんなにうまくいくもんかねえ…まあ、つぐみはともかく他の連中も、いずれはFOEとは戦わせといたほうがいいかも知れんし、丁度いいのかなあ」
店主「あんた達の事情はよく解んねえけどよ、とりあえず一個なら一個でも持って来てくれれば、俺っちが運んでやるからよ。
てことだ、しっかりやれよ〜」
藍「気楽なもんだねえ…」
…
〜常緋の森〜
めう「またここめうか…壊れるめうなあ(´Д`)」
リップ「めうめう淫夢ネタ自重(キリッ
らんさーん、ここでなにすんのー?」
藍「ああ、実戦訓練の一環だからアレを狩るぞ」
藍が指差した先には螺旋の水泡樹が回っている…。
つぐみ「( ̄□ ̄;)えちょあれどう見てもFOEですよね藍さん!?」
藍「ああ、なんでも文の話じゃ後列にいる魔理沙が何もしてないのにみとりごと一撃で吹っ飛んだらしいな。
一応ピクニックだしそんな笑える事態にはならんとは思うが」
つぐみ「えーそんなんで本当に大丈夫なんですか?(しろめ」
藍「純属性攻撃なら私とリップで出来るし、お前も此間紅茶館でトレードしたリンクオーダーがあるだろ。
私が炎の術を撃つから、お前とリップでリンクオーダーを仕掛けて一気に削り倒すぞ」
美結「私何すればいいです?」
藍「そうだなあ…とりあえずは適当にその辺で時間でも潰して…ってお前ら何しとるんじゃー!!??( ̄□ ̄;)」
♪BGM 「回レ!雪月花」/歌組雪月花♪
リップ「あ〜目いっぱい回すんじゃ〜♪」
めう「あーまわれまわれまわれまわれまーわーれ♪
はなのかべーんちらすよーにー>ヮ<ノシ」
めうと立法が交互にひっぱたき続けるにつれて加速度的に水泡樹が回りだす…それはまさに螺旋的スピンドライブの小宇宙!
美結「( ̄□ ̄;)ちょ!
あれなんかすっごく嫌な予感しかしない回りっぷりですよ!?」
つぐみ「わーばかーふたりともやm」
水泡樹は怒りのスピンドライブの構え!
めうとリップは吹っ飛ばされた!
そのまま水泡樹の勢いは止まらず藍達にタツマキめいて直撃する!
スリケン投擲はないもののこれはまさしく暗黒カラテ奥義ヘルタツマキではあるまいか! ナムサン!!
……
…
藍「お前ら本当にいい加減にしとけよ…!!(ビキビキ」
めう「(へんじがない…首から下は石畳に突き刺さっているようだ…)」
リップ「すいませんマジすいませんなんか回さなきゃいけないような気がして(震え声」
つぐみ「もうやだこのこたち(しろめ+口からエクトプラズム」
美結「流石の私でもこれはないんじゃないかって思うんですよ…同じピンク髪なのにここまで意識の差が以下略」
つぐみ「みゆちゃんやめてわたしもうなんかはどめきかないから(震えながら美結に照準を合わせている」
美結「アッハイ(しろめ」
…
…
かごめ「まあ初回は誰でも通る道だよな(しろめ」
諏訪子「それで片づけんなよそれで…。
水泡樹に関しては前回触れたとおりだな。炎弱点、物理入った攻撃かますと回転を始め、次の行動時に全体近接壊属性攻撃のスピンドライブを仕掛けてくる。最悪、毎ターン回りっぱなしになるな。
なのでセオリーとしては毒殺するか、物理の入らない純属性攻撃…術式かリンクオーダーでぶっ飛ばす。実際はめうが戦いの序曲、美結がスネークアイを仕掛けて、あとは藍の火の術式を起点につぐみとリップ二人ががりでリンクオーダーして削る。以上だな」
かごめ「まー実際は連中26平均にまでなってたし、そこまでくれば普通に序曲→スネークアイから術式リンクオーダー×2、次のターンからはめうが美結に火劇かけて殴り倒したわけだが」
諏訪子「というかリンクオーダーグリモア取ったのか」
かごめ「正確にいえば、グリモアトレードでレベル8のが流れてきたんだよ。
TECはメディックだから言うまでもなくプリンセスよりも高いし、着火役がトライアタック持ってるからそれ併用して一気だな。大体3ターンあれば削りきれる」
諏訪子「あくまでピクニックの話って前提はあるだろうがな。
報酬はバーストゲージアップのアクセラだが、撃破数っていうかドロップ素材の納品が一個増えるごとにアクセラのもらえる数が2つ増える。最大の3個納品でアクセラ5個だからかなりでかいぞ。
なお余談だが、螺旋の水泡樹のドロップ球状の水泡は、バブルアーマーっていう重鎧の材料だ。
炎耐性アップの付加効果もあるし、第二層では最高の重鎧だから早めに抑えておきたいところだね」
かごめ「余談と言ったらこいつ食材も落とすよな。
でもさ、こいつの食材使った料理のイラスト見ると、どう見てもこいつの食材って可食部位じゃないような」
諏訪子「その辺気にしても仕様がねえだろ」
…
…
<昼休み 樹海イチゴを手に入れろ!>
〜鋼の棘魚亭〜
藍「…くそっ、酷い目にあった」
店主「お疲れさん。
っていうかすげえじゃねえか…冗談で3個とか言ったのにまさか本当に3個持ってくるたぁな…」
藍「全部狩ったんだよ全部!!><
はぁ…まあいいや。とりあえずおやっさん、報酬(キリッ」
店主「アイ、アイ。わかってるって。
無論報酬は十分色がついてるぜ、受け取ってくれや」
【システムウインドウ】クエスト報酬としてアクセラ5個を受け取りました
藍「ほう、アクセラか」
店主「おうよ、この辺じゃまだ貴重品だからな。
それより姐さん、あんた達一時フロースのオバハン所に世話になってただろ?
あそこから一応、依頼が入ってんだが…危急のな」
藍「フロースの?
……あの女将の依頼、割と面倒な仕事させる割に見返りが釣り合ってないってもっぱらの噂だぞ」
店主「そこが俺っちとしても耳が痛いところでねえ…本音、あそこのオバハンの依頼なんて受けたくはねえんだが、まあ、色々あんだよこの街も。
つーか俺を助けると思って、あんた達でなんとかしてくれねえかな。一杯と言わず、一本くらいならサービスするからよ? な?」
藍「はあ…まあ、魚心あれば水心というしな。で、何すりゃいいんだ?」
店主「有難いねえ、狐尾サマサマだぜ。
実はあの女将の料理って意外と周辺国でも有名でな、なんでかよくわからんが結構なお偉いさんでもあの料理のファンがいるらしいんだぜ。
俺としちゃ、あんな正体不明のゲテモノ料理なんて願い下げなんだがな…まあ、お偉いさんの考えることは解らんよ。
で、今もあの宿にかなりのお偉いさんが泊ってるらしいんだが、それを喜ばせるなんか珍しい食材取ってこいってんだよ。
常緋の森に入れる冒険者に頼めば楽勝でしょ、ウフフとかぬかしやがって…テメェが行けよッてんだ、何処からどう見ても炎の魔神の生き別れの兄妹みてえな見てくれしやがって」
藍「それ、正直私も思ったけど黙ってた方がよさそうだね^^;
しかし、樹海発の奇ッ怪料理だったらレジィナのアレだって負けてないだろうけどな」
店主「俺もいささか理解できねえけどな、あの嬢ちゃんの料理は。
まあ…俺もなんかヒントでもねえかと思って、あの女将に見つからねえようにお偉いさんの付き人に訊いてみたんだが…」
…
〜またまた常緋の森〜
リップ「今更だけどまたここなんだねぇ」
美結「まあまあ。
ところで藍さん、今回は一体何を?」
藍「うん、まあ、もの探しだね。
このフロアの何処かに、樹海でしか採れない野苺の群生地があるらしい」
めう「うみゅみゅ!?
野苺のソースはちくパに欠かせない重要なファクターめう…!(目がきらきら」
藍「それは絶対に作らせないからな(クワッ
…まあいい。このエリアの中腹部辺りに、文字通りの茨の道があるんだが…その奥辺りが群生地という話だ。
酒場のおやっさんの言葉を信じるなら、ちょうど今頃が食べどきという事だ。それをこの階にいる、ある貴人に届けるというのがミッションだ」
リップ&めう「それ食べてもいいの(いいめうか)!?」
藍「………………いいけど程々にな」
…
…
かごめ「宿の女将からの依頼もいくつかあるんだけど、これもそのひとつ「至福の果実」だな。
女将の依頼は割に合わない、みたいな話がアントニオから出てくるのはこれの前提クエストである「樹海の食卓」なんだけど」
諏訪子「確かに、最低でもかみつき草三体以上狩って来なきゃならないのに、報酬が斥候の長靴2足ってのは流石にな。
っても、実は斥候の長靴、今回は第二階層中腹以降に登場する大イノシシのレアドロップから作れる貴重品だから、その意味ではそこまで割に合わない報酬でもないんだけどな。
女将、というか宿がらみのクエストというと、第一階層の早い時期で発生する「お店番少女」もあるな」
かごめ「まあ「お店番少女」は別のところで触れられてたからここでは触れなかった…というか、クオナ関連はあたし達で始末する予定でいるからよろしく(キリッ」
諏訪子「( ̄□ ̄;)えちょあの娘関連ってもしかして氷r」
かごめ「(無視)お店番少女はまあ、全クエストの中でも極めて楽な部類だが…ちょっとわかりにくいけど、選択肢的に面倒くさい選択をすると報酬が増える。このクエストの報酬もアムリタ、このクエストの報酬も前提までこぎつけるのが大変な零距離射撃のグリモアだから、このあたりを考慮するとあの女将実はかなり太っ腹なんだよな。
ここではまあ…アントンのセリフにかこつけて結構難儀な人物として扱ってんだが」
店主「( ̄□ ̄;)おいちょっと待てその辺りの責任全部俺に押しつけようとしてねえか!?」
かごめ「(無視)このクエストはまあ、8階の右上、ダメージゾーンの茨ひしめく入り組んだ道の奥にある曲がり角で、野苺を発見すると「樹海のイチゴ」が入手できるから、それを8階から9階への上り階段付近にある小部屋にいる衛視に渡すとクリアだ。
野苺は以降も利用できる回復ポイントになるよ。回復はTPだけだけど、80ポイントと回復量もかなり大きい。この時期ではクラスにもよるが、宿に泊まる必要ないくらいの回復量だ」
店主「このねーさんスルースキル高すぎじゃね?(しろめ」
諏訪子「いやもう今更だからそれ(しろめ」
かごめ「まあ今回はここまでしか触れねえし、ついでだから8、9階に登場するFOEとかの解説でもするか。
まずは8階に出現する樹海の炎王。
名前からしてもう一目瞭然だが、炎完全耐性の氷弱点。HPは7000を超えるというトチ狂ったバケモノだ」
諏訪子「こいつリメイク前にもいたんだけどさ、HPなんてその三割(HP2100)しかねえよ確か。
つーか頭悪すぎだろ、ほとんどガキが遊びで設定したレベルのひっどいHP量だ」
かごめ「やってくることはさほど変わりがないみたいだけどな。
ただし炎神の憤怒は範囲が単体から拡散に変わってる。あと初手は必ず恐怖の咆哮から入るんだが、この時点ではテラーを防ぐ手段がプリンセスの予防の号令しかねえ。
AGIもそこそこ高いから、ストーリーだとアリアンナが先行で動ける可能性が極めて低いだろ。グリモア作って、フラヴィオに使わせるのが確実かも知れんね。あとは炎神の憤怒がかなり被害でかいんで、基本的にファイアガード毎ターン張りっぱなしのできる状況にしたいところなんだが」
諏訪子「通常攻撃の破壊力も結構あるからねこいつ。
一応こっちは27でsageたが、あまり世界樹慣れしてないんだったらもうちょっと上げてから挑んだ方がいい相手だな。まあ、どこぞの誰かさんのようにフリーズオイルの存在を忘れてるんじゃないなら、もうちょっと早い段階でsageられると思うがな(じろり」
かごめ「(目がバタフライ)さ、さて何のことか…。
なおこいつのドロップから作れる兜、防御力もかなり高いが炎耐性がついてるのが非常にでかい。ソードマンならこれにバブルアーマー、炎の守りで実際高いカトン=ジツに対する耐性を得られるぞ。
で、9階に登場するのはサボテン」
諏訪子「迎え撃つ覇王樹だな。
こいつ、かなり視界の広い等速移動の追尾型なんだが…実はうまくダメージゾーンに突っ込まさせると、ダメージを受けて停止して、なおかつ元々いた場所に逃げ帰ってしまう。
で、元いた場所につくと、またパーティを追尾してくるんだが、またトラップにはまると…みたいなのを繰り返す。実に頭の悪いFOEだ」
かごめ「ダメージは一発目しか喰らわないんだがな。
ただ、逃げ帰っている間は行動パターンが逃走に変化する。バックアタックも可能だから、戦うつもりならトラップに引っ掛かったところを後ろから追いかけるのがいい。
1ターン目は必ず、攻撃された時に大ダメージ突攻撃で反撃する「リベンジニードル」を使うのに注意するといい。だが、嫌らしい事にこいつのレアドロップ条件は一ターン撃破。
ニードル自体は行動補正ついてねえから上から袋叩きにするか、バックアタック取れば当然相手行動できないからその隙に叩き伏せるといい。炎弱点で防御もそんなに高くないが、HP6600ちょっとある上に、HPが赤ゲージになると発狂してリベンジニードルを連続使用したりする。攻撃力もさほど低くないので、腕を縛ってしまうといいな。リベンジニードルも腕技だから、腕封じできればある程度は安全に処理できる」
諏訪子「初回撃破の時は後半の発狂ゾーンでいきなりフランが吹っ飛ばされてたな、っていうか単純にHP高いみとりと鬼力化しようとしてたてゐ以外全員見事に吹っ飛ばされてたよな」
かごめ「マジで何が起きたのかと。
まあでも、炎王に比べればはるかに弱いな。
ついでに10階のギミックを少し説明しておくが、水泡樹と覇王樹はうまく誘導してベビーサラマンダの射程内に放りこめば、ベビーサラマンダが焼き殺してくれる。
特に覇王樹はうざいからこの方法で始末すると楽だ」
かごめ「というわけで今回のお話はここまで。
最後にちょっとした話を挟んで、次回はいよいよ第二階層ボスに挑むます」
諏訪子「あ、そう言えば今更で悪いんだけど、ヤマメの奴何処に行ったんだ?」
かごめ「ああ、あいつならもうスタンバってる。
一応出番は次の次なのに行動早いことで(しれっ」
諏訪子「相変わらず白々しいなあお前…」
…
…
〜深夜 鋼の棘魚亭〜
藍「くそう…今日もマジで疲れた。
おやっさん約束だぞ、一本サービスしてくれんだよな?」
店主「解ってる解ってる。
っと、お客さん今日は店仕舞いだぜ帰ってくれや」
「そうかい、あたしはそこのアホ狐に用があるんだがな」
藍はその声にハッとして振り返る。
特徴的なアメジスト色の瞳と、襟足のはねた黒髪。
腰に大業物を無造作に刺した、黒の上下を基調としたシンプルなコーディネートの女性がにやにや笑いを張り付けている。
「姐さん、知り合いか」
「ああ…多分今現在一番ぶん殴ってやりたい顔の一つだ」
「随分な紹介だな。
この酒場、公国宮の試練をちゃんとクリアしたんだったら冒険者らしい扱いをしてくれる場所でいいんだよな」
ああ、と応えるアントニオの言葉も待たず、かごめはごく当たり前のように藍の横に腰かける。
「ふん、既にフラン達がクリアしているのを足がかりに、今更重役出勤してるくせに」
「…言い忘れてたが今のあたしは静姉達と、「狐尾」とは別口で動いていてな。
仮のギルド名として「
「大体にしてあんたがそういうわけのわからない行動を取ってるときは、大概とんでもない裏が隠れていることも多々あるな。
…かごめ、支障がなければ教えてくれ。一体…この地で何が起ころうとしている?」
かごめは、アントニオから受け取ったグラスに、藍の脇に置かれているボトルの中身を注ぎ入れる。
そして、それを一息に煽って、ゆっくりと語り始める。
「まだ詳しいことははっきりしてないから、明言はできねえんだ。
だが…ギンヌンガの奥、樹海の先にあるとされる天空城…その両方で、ろくでもない事が起こりそうな兆候がある。
今あたしが把握してるのは、そこまでだ。
だが…多分最大の懸念材料は、あたし達の身内にある」
「どういう事だ?」
「藍、しばらく一緒にいてみて解っただろう…香坂美結、あの子をどう思う?」
「どうって…」
突然、思っても見ない質問が飛んできて、藍も一瞬回答の要領を得ないでいた。
「他のピンク髪二人に合わせているのもあるんだろうが…多少突飛な言動がある以外は、性格的に好感はもてる子だよ。
あと、実戦闘はお前が以前見立てたとおり、剣士として良い資質を持っていることは確かだ。
だが…気の所為ならいいんだが、あの子の放つ剣気は…あまりにもお前に似すぎている気がする」
「別にストレートに思ったまま、吸血鬼の魔力を放っているって、そう言っちまっても構わねえんだがな」
藍はまるで、後頭部を思いっきり玄翁でぶん殴られたような衝撃を覚える。
かごめの指摘は、まるで心を見透かされたかのように正確だった。
実際に、シンオウ地方で「波導」の力を得てきたかごめであれば、任意で他人の心を読むことができる…が、藍もまた、とある理由により「波導」の力を得ることができ、かごめの「波導」を自分のそれで相殺することにより、心を読ませないことだってできた。
そう、かごめの指摘通りの事を思っていた藍は、まさにそうしてかごめに悟られぬようにしていたのだ。
「…あたしも、それを知ってながら隠してたからな。
あの子は…あの子もまた「藤野」の被害者の一人なんだ。
あの子は常盤屋の一人娘じゃあるけど、実際は血なんかつながっちゃいない…」
かごめは寂しそうに笑う。
そして…告げられた事実は、あまりにも残酷で。
「藤野玉姫の卵細胞をベースに、あたしの血から抽出した吸血鬼の因子を加えて作られた
それが…あの子なんだからな」