〜六花氷樹海〜
轟音と閃光、そして凄まじい衝撃波。
それは、永劫に続くかと思われた文とライシュッツの激しい銃撃戦の終焉をもたらす合図となった。
それまで、周囲のあらゆる総てを無慈悲に刈り取る死神の刃の如き殺気を放っていた老銃士は…その光が何を意味しているのかを悟り、銃を下ろす。
その瞬間、彼から放たれていたすさまじい殺気は嘘のように霧散し、周囲に静寂が訪れた。
「……最早、我らがこれ以上相争うに意味はなし。
我らの…負けだ」
深い憂いを帯びた声で、ライシュッツは静かに告げる。
「ヌシらを止めることはできぬ。
自由に…この先を進むがよい」
そして、踵を返すと、その爆風の中心地であっただろうほうへ歩いていく。
「待ちなさいよ。
勝手に仕掛けてきておいて、勝手に勝負を決めて切りあげるなんて、おかしいんじゃないかしら?」
文はその理由を悟りながらも、あえてその背に呼び掛ける。
老銃士は振り向くことなく、静かに応える。
「あの光は…姫の、最大の奥義。
全ての魔力と生命力を巫剣にこめて放つその一撃、使った側もタダでは済まぬ禁術よ…だが、恐らくは」
ライシュッツには解ってしまったのだ。
そのアーテリンデの奥義が、越えられてしまった事を。
彼は憂いを帯びたトーンの声で、なおも続ける。
「今更このような事を言えた義理はないかもしれぬ。
だが…それでもひとつだけ、我らの頼みを聞いて欲しい。
ヌシらはこの先を進めば、氷姫に必ず出会うであろう。
彼女を倒すな、とは言わぬ。むしろ、それは彼女の仲間であった、我らが本来成さねばならぬことであった」
天を仰ぎ見るその瞳から、涙が零れ落ちる。
「…その先を超え、我らが叶わなかった天の城…「天ノ盤座」の発見。
そして、そこに住まう「天の支配者」の討滅。それを…ヌシらに託したい。
彼女の…マルガレーテお嬢様ばかりではなく、ヤツの手にかかった多くの犠牲者の為にも」
「あんたは…あんた達は、これからどうするつもりだ?」
その声に、銃士は振り返る。
「我らがやってきたことは許されざる罪。
それは人の手で裁かれねばならぬ。
公国に報告したのち…然るべき裁きを受けるつもりだ」
哀しげな表情ではあったが、その顔は初めて会った時とは違い、憑きものの落ちたような穏やかな表情だった。
…
♪BGM 「戦場 悲しき氷の守護者」(SSQ2)♪
凄まじい衝撃波と爆風が収まり、目が慣れてきた頃…その恐るべき技を放ち合った両名が、互いの獲物の鎬を合わせたままピクリとも動かない姿が、見守る二人の視界に映る。
そして、先にゆっくりとアーテリンデがゆっくりとその場に膝をつくと、まるでそれを支えるかのように、抱き合わせになってフランもその場にへたり込んだ。
「すごい、チカラだね。
でも…完全には私の心を、壊してはくれなかった」
抱きとめられた腕の中で、弱々しくつぶやくアーテリンデ。
フランはふるふると首を振る。
「私のチカラにだって、壊せないものがあるって事も…そのひとは教えてくれました。
ひとの心は…誰かの事を大切に思うその想いは…私にだけじゃない、誰にだって壊すことなんてできないんです」
「矛盾してるじゃない。
悲しみも、苦しみも、そんな想いから生まれることだってあるのに」
「そう、ですね」
悲しそうにうつむくフランに、アーテリンデは寂しそうに笑いかける。
「ごめんね、意地悪言っちゃった。
やっぱり…私も悔しいんだな、純粋に。
格下だとばかり思い込んでいたあなた達に負けたことが」
「アーテリンデさん…」
その悲しい笑顔が、流れ落ちる涙と共に歪む。
「おねがい…スキュレーを…倒して。
私達にあの魔物を倒すことなんてできない…でも、でも、このままじゃお姉様が浮かばれないよ…!
だから…もう…おねえさまを…ねむらせてあげて…!!」
フラン達は初めて、彼女の抱えていたその悲しみの理由を知った。
フランは応える代わりに、その身体をしっかりと抱きしめる。
その頬に、とめどなく涙を伝わらせながら。
「お姉様…だと…!?
じゃあ、じゃあ、まさか、その魔物って…!」
「そういう事なんだろ」
てゐは苦渋の表情で顔を伏せる。
「そいつは…ただの生命の冒涜者だ。
大国主様とは違うッ…!」
奥歯も砕けよとばかりに、怒りのままに歯がみするその姿に…魔理沙も戸惑いを覚えていた。
「狐尾幻想樹海紀行 緋翼の小皇女」
第十五夜 哀しき氷姫よ、凍土へ還れ
さとり「まいど、さとりさんです。
かごめさんが結局帰ってきやがらないようなので今回も私達で解説をお送り致します」
諏訪子「お前本当にかごめのいない所だとやりたい放題だな。みょんなタイミングであいつが帰ってきても私フォローしないからな?
というわけで、前回枠に収まらなかったこいつらのステ紹介と行くか。
とりあえずスキュレー戦の時のと併せて一気にいくぞ」
フランドール ハイランダーLv36→38
ロングスラスト1 ブレインレンド1 シングルスラスト1 レギオンスラスト1 ディレイチャージ1
スピアインボルブ★ ブラッドウェポン3 リミットレス5→7
槍マスタリー★ 物理攻撃ブースト★ HPブースト1 TPブースト1
血の暴走1 ハーベスト3
グリモア:ブラッドサック9+斬 槍マスタリー8 フェンサー★ ダブルアクション★
てゐ ドクトルマグスLv36→38
巫術:再生5 再生帯4→5 再生陣1(スキュレー戦前で取得) 鬼力化1 皮硬化1 脈動1 乱疫3 転移3 反魂1 結界★
巫剣:霊攻衰斬1 霊防衰斬1 霊封頭斬1 霊封腕斬1 霊封脚斬1 霊攻大斬1
巫剣マスタリー★ 巫術マスタリー★ 抑制防御ブースト1
グリモア:巫剣マスタリー★ 巫剣:霊攻大斬★ ホーリーギフト★ 巫術:結界6
みとり パラディンLv36→38
フロントガード1 バックガード1 ファイアガード1 ヒールガード1 センチネルガード1
シールドスマイト1 フリーズガード9 ショックガード9 挑発5
盾マスタリー★ 物理防御ブースト5 属性防御ブースト1→3 先制挑発1 パリング★
グリモア:決死の覚悟8 ドレインバイト★+壊 防衛本能8 ソードブレイク5
文 レンジャーLv36→38
フランクショット1 ブラインドアロー1 スリープアロー1 パライズアロー1 ドロップショット1
朧矢1 ダブルショット4→5 チェインダンス4→5 スケープゴート5 アザーズステップ★
素早さブースト★ 弓マスタリー★ 抑制攻撃ブースト5 エイミングフット1
グリモア:弓マスタリー9+氷 後方支援9 フェンサー8+氷 予防の号令4
魔理沙 ガンナーLv36→38
フレイムショット5 アイスショット5 サンダーショット5 チャージフレイム2 チャージアイス2
チャージサンダー2 バーストショット3 ヘッドスナイプ1 レッグスナイプ1 アームスナイプ1
跳弾1 チャージショット1 ドラッグバレット1
銃マスタリー★ 物理攻撃ブースト★ TPブースト1→3 ペネトレイター1
グリモア:トライチャージ★+突 銃マスタリー9 素早さブースト9 ハーベスト9
※レベルとスキルレベルの数字は(エスバット戦)→(スキュレー戦)
さとり「炎の魔人戦から見ればおかしいように見えるグリモア構成でも、ここまでくるとまあ解らなくもないかなって感じですね」
諏訪子「まあなあ。
そもそも今回はトレードやら何やらで、ある程度グリモアの自由が利くというか…冷静に考えてみるとむしろ全体的にボスのHPが狂ってたりするから、このくらいハジけたグリモア構成でも丁度いいんじゃねえかって言うな。
話はそれるが実際に今回のグリモアに関しては、スキル枠上限が一個減った分非常に自由度が高いというか…むしろえらいパワーアップしてる感じだな」
さとり「あ、そう言えばグリモア装備枠が10レベルごとに一枠増えますけど…その計算で行けば最終的にはH枠とかに」
諏訪子「ならねえよぶっ壊れ過ぎだろそれ(しろめ
装備上限はレベル50で最後の枠が解禁され、6つ装備できる。これが上限だな。
勿論適当なものがなければ開けとくなんてのも問題ねえが、もったいねえからその枠に入れるHPブーストやTPブーストもいくつか持ってるのもいいだろうな。もっとも、SQ4みたく自分のギルカのQR読むことは勿論、同じROMだと別データのQRもやり取りできないらしいが」
さとり「というかその事に気付いたのは第四階層に行ってからですよね(呆
それと、QR経由でトレードしたグリモアも、グリモアトレードの時同様階層で製作した時のボーナスがつきませんが」
諏訪子「パッシブはグリモアになりにくいし、なおかつ高レベルのが生まれにくいから、この手が使えればどんなに楽か。
装備等々については触れるとこさほどないが、みとりに関しては攻撃技持ってても実は使いどころそんなないし、正直全部パッシブでもいい気はしてる。ドレインバイトも実はてゐに持たせといたほうがいい気すらするしな」
さとり「実際攻撃と回復同時に、しかも列単位で実行できますしね。
行動速度はアザステで調整もできますし」
諏訪子「ただなー、あとでスキュレーについて詳しく解説するときに触れるけど、てゐの野郎の結界かギフトのグリモア、どっちかをトレードで手に入れて私が持ってたリンクオーダー2のグリモアに差し替えておけばあんな惨憺たる結果に終わらなかった気は済んだよな。
というかむしろ劇的にスキュレー戦が楽になった可能性が大きい」
さとり「………ああ、確かに」
諏訪子「いやお前こういうときばかり私の心を読んで一人で納得してんじゃねえよ(しろめ」
さとり「わーそれどういうことなんでしょうねー(棒読み
……おや、今私を面倒くさい奴だって思いましたね?(ニヨニヨ」
諏訪子「お前たまには私の代わりにここでかごめの相手させるか?(#^ω^)
言っとくけど私があいつに一言言っとけばすぐその気になるからなあいつ、ただでさえお空関連で色々マッハになってるからなお前に関しては。
プラス、例のシリーズの最新作でお前への理由なきヘイトも大分有頂天らしいしな」
さとり「すいませんすいませんチョーシ乗り過ぎました(スタイリッシュ土下座
いや、正直私自身でもあれはないです。私が同じ立場だったらむしろ私自らフランさんと戦いますって超全力でっていうかお空にあんなことさせませんよ絶対に!!!><」
諏訪子「お前お空絡むとそれはそれでぶれねえよな。解らんでもないが。
余談だが戦闘後の描写を見ても解るだろうが、エスバットの二人はちゃんと生きているし、リメイク前でもちゃんとクリア後とかのクエストにちゃっかり登場したりする。というか、奴ら関連のクエストが存在する」
さとり「今だからぶっちゃけますけど、実はストーリーだとベオウルフも生き残ってて、直接登場はしないけど彼らがその後どうなったかの事も聞けるそうですよ。
まーでも一度付いたネタイメージはどうしてもというか、名前付きの剣が出たりストーリーではNPCとして参加してくれたりするにもかかわらずフロなんとかさんは相変わらずフロントガードさんだのフローゼルさんだのフロストギズモさんだのと散々な言われようですね」
諏訪子「前も話したかも知れんけど、周りがあんまりネタにするもんだから逆に覚えたなんてユーザーも決して少なくないからな、フロスーガル。
そもそもそんな間違えやすい名前じゃないと思うんだが」
さとり「やっぱりキマイラの前にあっさりやられてしまったというのがいじられポイントじゃないですかね。
あとわざとやってるのは知ってますけどフロスーガルじゃなくてフローガルスですから」
諏訪子「…………いやもうやめよう、ここでこれ以上フロースガルをネタにするの(しろめ」
さとり「ですね。活字にするとフロなんとかでゲシュタルト崩壊起こしそうですし(しろめ」
…
…
傷ついたアーテリンデ達に治療を施したのち、まだ起きあがるほどの体力もないアーテリンデをライシュッツに託すと、フラン達は氷樹海の最深部…雪に混じり何処からか吹き寄せられてきた桜の花びらが時折見える、氷で鎖された池の広間へとたどり着く。
その幻想的な光景は、本来なら見る者の心に感銘を残すだろうその場所の中心に、その魔物がいた。
冒涜的なまでに巨大な、先端の鋭くとがった貝の甲殻、おぞましくうねる頭足類の蒼い触腕、名状し難いイソギンチャクの如き魔を合成させた巨大な軟体生物の中心に、妖しく微笑む青白い肌の美女。
それこそ、アーテリンデ達の言う氷姫・スキュレー。
エスバットのかつての護り手であり…邪悪なる天ノ盤座が支配者の許されざる所業によって、この階層の主として造りかえられた魔物だ。
魔物はフラン達の姿を認めると、悠然とした動きで腕を振り上げる。
それに呼応して、分厚い氷を割り裂き、その下半身でうごめく物と同じ触手が池の中から姿を見せる。
「無駄だとは思うが…一応、戦いをやめるよう説得して見るか?」
てゐは皮肉交じりに、そう背後の少女達へ問いかける。
こちらを悠然と睥睨するその魔物には、最早かつての人間としての意識などカケラも残っていないだろう。
ライシュッツの言葉を信じるのであれば…氷姫は、彼らエスバットにすら、平然と牙を剥く只の魔物なのだ。
これまで氷姫と戦った冒険者は、総て氷姫の巣の戦闘力に返り討ちにされたか、あるいは氷姫を追い詰めるほどの実力を持った冒険者達も、「魔弾の射手」の異名をとるライシュッツの正確無比な狙撃でこの池に散った。
「可能性はなくもないと言いたいところなんだけどね。
異界の魔法少女達みたいに、自分の力の変質で怪物化したわけじゃないもの。
……こいつは……存在自体が冒涜的。神に叛逆するとか、そんなレベルじゃないわ」
「だな。
四季映姫が見れば、まごう事無き黒と即答するだろう…こんなバケモノを生みだした、ふざけた支配者諸共な」
ゆっくり弓を掲げる文と、その射線の邪魔にならぬ位置取りで、すっと前に立つみとり。
なおもその心から逡巡を消しきれぬ魔理沙が、傍らに立つフランを見やる。
妖艶に笑うその魔を、今にも泣き出しそうな悲しげな表情で見上げるフランは、一度眼を閉じると…宿した哀しみを消さぬままの瞳で、使いこまれた無銘の槍を構える。
魔理沙は、フランへ問いかける。
「なあ、フラン。
もし…もしあの時、私とお前が出会えなかったら…お前も、いずれあんな風な、目の前に立っているのが誰とも解らなくなっちまうような化け物になっちまってたのかな…?
そうなったお前と出会ってしまったら、私はお前を撃つ事が出来たのかな…?」
それはきっと、恐らく魔理沙本人以外に答える術もない、彼女自身に対する問いだったろう。
魔理沙自身も、それを誰か他の者に問う事が出来る疑問ではないと解っている。
だが…それを自分の中に秘めたままにしていたら…彼女はどうにかなりそうなくらい、感情が抑え切れなくなっていた。
あの日…気持ちが落ち着いたてゐは、美結との間に何があったのか、その事を総て話してくれた。
何処かずれた様な、見た目からしてふわふわと軽そうに見えたその少女が、その実あまりにも重い宿命を背負って生まれたこと。
そして…恐らくはこれからも、考えようによってはその何倍も重い十字架を背負って生きていかねばならぬことも。
だが、その少女はきっと、その宿命を受け入れて、時に迷う事があろうとも自分自身の足で歩き生きていくのだろう。
それまで持っていた諦観が、新たな覚悟に変わった美結は、同じようでいて少し違う、普段通りのふわふわとした笑顔で。
幻想界最強の吸血鬼、その因子に宿る強靭な意志…リリカやユルール、つぐみなども有するだろう「かごめの種」というべきものに突き動かされるままに。
「その未来が訪れなかったから、私は…私達はこうして共に歩む道の上にいるんだと思います。
起きなかったことなんて…起きもしなかったことなんて、考えても仕方ないじゃないですか」
振り返るフランの表情は、場違いなほど柔らかい笑顔だった。
「この魔物は…アーテリンデさんのお姉さんから作られた魔物。
もし、私もお姉様がこうなってしまったとしたら…もしかしたら、アーテリンデさん達と同じ道を辿ったかもしれない。
でもこのまま…アーテリンデさん達を悲しませたままじゃ…きっと、死んでしまったマルガレーテさんも浮かばれない…何のためにアーテリンデさん達を護って死んでいったんだか、解らないよ。
レミリアお姉様も…きっと、そうなれば…私達に倒される事を願うと思う…!!」
その瞳から涙が零れ落ちる。
「もう、私だって一人ぼっちじゃないんだ。
お姉様がいてくれて、美鈴や咲夜、パチェにこぁ…紅魔館のみんなも。
そして」
その手が、所在なく下げられたままの魔理沙の腕をそっと、とる。
「私を…あの暗い地下から最初に、外へと連れ出してくれた魔理沙も。
魔理沙があの日、私を外に連れ出してくれた事がきっと、今の私が此処にいるっていう事に繋がってるって、今なら解るの。
………だから、私なら戦える」
魔理沙は目を見開く。
何を迷う事があるのだ。
最早、過ぎた時は帰ってこない。
起こり得なかった「イフ」の未来になど、なおのこと…そんなモノに囚われる必要などない。
目の前にそびえるあの怪物は…紛れもなく、アーテリンデ達を過去に縛りつける邪悪の楔にしか過ぎない。
そして、目指す天空城へと続く道に立ちはだかる只の敵だということを、再認識する。
「行こう、魔理沙。
アーテリンデさん達を縛る悲しみを壊す為に…あなたの力を貸して!」
「ああ!!」
魔理沙は力強くその銃口を氷姫に向けて構える。
放たれた雷の閃光が、氷姫を護る触手の一本を後片もなく吹き飛ばすと…それが、氷樹海の守護魔獣スキュレーとの決戦の号砲となった。
…
…
さとり「さてスキュレーの攻略紹介とまいりましょうか。
忘れてしまいましたね…空気の読み方なんてのは(キリッ」
諏訪子「あーもーどっからツッコめばいいんだろうなこの場合」
第三階層ボス スキュレー
レベル42 HP23700
炎弱点/氷耐性 石化・即死無効/眠りと盲目以外すべてに耐性
クライソウル(頭) 全体にランダムで5〜8回の高威力近接斬攻撃。極めて命中率が低い。
子守唄(頭) 全体に睡眠付与
貫く穿貝(腕) ランダム対象に2回近接突攻撃
アイスシェイブ(脚) 一列に遠隔氷属性攻撃
六つの罪(脚) 単体に混乱・麻痺・盲目のいずれかを付与
※戦闘開始8ターン目からルインクリーパー(HP380)を召喚。
ルインクリーパーはクライソウルの直前ターンに「這い寄る触手」(脚技・全体にスタンと脚封じ付与)を使用する。
ルインクリーパーは最大4体まで召喚され、スキュレーの行動ターンを消費せずターン終了時に召喚。
クライソウルとその直前のターン以外毎ターン召喚され、18ターン目からは一度に2体召喚される。
ジャムクリーパー
レベル39 HP3980
炎弱点/氷耐性 眠り・盲目・頭封じ・腕封じ無効/恐怖・混乱・足縛りに弱い
這い寄る触手(脚) 全体にスタンと脚封じ付与
※直接戦闘を仕掛けることはできない。
スキュレーと戦闘開始すると3ターン目から乱入してくる。
諏訪子「スキュレーなんだが、まあ例によってこいつもパーティバトルだな。
ジャムクリーパーはFOE扱いなんだが、3の禍神の触手みたいなもんだとばかりに、こいつから先に倒そうと接近してもなんと弾き返されちまう。
まあそこで例によってこいつをどうするかなんだが」
さとり「そこはあれでしょうさっき言おうとした方法でまとめてなぎ払うんですよね。
どうせインボルブメインになるんだから、リンクオーダー2で」
諏訪子「確かにそれでもいいけど…一応スキュレーは弱体化ができる。例によって、あからさまにボス部屋内に氷が置いてあるから」
さとり「それをぶつけると」
諏訪子「氷の塊は最大4回ぶつけられる。というか、4つしかねえしな。
ところがただぶつけようとしてもジャムクリーパー共が邪魔をする。あれと一緒だな、キューブFOEと」
さとり「するとまあ、そいつのいない方向から氷をぶつけるわけですね」
諏訪子「当然向こうも馬鹿ではないし、こっちが移動した方向に触手も移動する。
一応向きを変えるのに3ターンかかるそうだが、動き始めた最初と次のターンは触手に防御判定はない。
その、触手が防御判定を持ってない瞬間を狙って氷をぶつけるわけだ」
さとり「移動って言っても…氷の塊を別方面に移動して、それをスキュレーにぶつけられるポイントへもってくまでの時間で、触手の反射判定がないところに間にあうんです?」
諏訪子「これはwikiに一番簡単なやり方が掲載されているので、うまくいかないなら参考にするといい。
ヒントは「正面の氷を動かして、右左行ったり来たり」だ。うまく行けば、正面の氷でまず一発目をぶち込むことになる。
最初の一発目を当てるとジャムクリーパーが消滅して、おおよそ10%ほどスキュレーの耐力を減らせるというわけだ。
一発でも当てると何処から仕掛けても先制が取れるが、代わりにこの時点でジャムクリーパーが図鑑に登録されない。再戦した時には、ピクニックで位攻めするなりして触手ごと狩るといいな」
さとり「そうなるとリメイク前よりは、逆に戦いやすくなっているのでは?」
諏訪子「そうでもない。
3はさほどでもなかったが、素では被弾することすら稀のクライソウルを、触手が足縛りで当たるようにサポートしてくる。勿論、子守唄からの催眠補正+必中クライソウルという地獄絵図も健在。
睡眠は三層採掘レア・雪花石膏からできる石膏の首輪で対処するのがベスト、間に合うなら予防の号令。
で、触手共をどうするかと言えば…さとり」
さとり「アイ、アイ。
私がさっき空気を読まずにネタばらししかけた、リンクオーダー2でまとめてなぎ払うのがベストの方法でしょうね。恐らくストーリーでもこの方法が一番手っ取り早いでしょう。
簡単に言えば術式系チェイスなんですけど、チェイス系と異なり着火属性は問わず「指定した敵が属性攻撃ダメージを受けたら、一回だけ同じ属性の遠隔攻撃で追撃する」というのがリンクオーダーの基本性質です。
で、トリガー条件が同じでありながら、全体に対して同じ属性ダメージをまき散らすのがリンクオーダー2。
プリンス(プリンセス)のスキルで、前提条件も緩いしこういう多数相手に高い威力を発揮しますね。今更ですけど、実は炎の魔人戦でもこれが使えたらもっと難易度は下がったのでは?」
諏訪子「本当に今更だなそれも。
まあ確かにその通りなんだよな。実はその頃にはグリモアトレードで入手もしてたんだけど、意味がわからず適当にサブパ送りにしてたんだが…実は水泡樹クエストの時にはその有用性に気づいてすらいた。
それでもスキュレー戦で使う事を思いつかなかったというのが実に狐クオリティ」
さとり「それどころかスキュレーの弱点を3準拠で雷だと思ってて、念のためと解析グラス使ったら( ゚д゚ )ってなってましたよね。
大量購入したショックオイルの意味ないこと意味ないこと」
諏訪子「挙句に触手の処理ができずにいたらもう後半にょきにょきしまくって、一斉に這い寄られて直後にナマス切りというパターンをな。
第二ラウンドはもっとひどかった、子守唄で眠っていた奴はおろか、眠ってない筈のフランまでもが直撃して返しのアイスシェイブで文が凍死して終わり。
3hageめどうだったかな、穿貝でみとりが串刺しにされた後にフリーズガードできなくて前列3りが氷漬けになったんだっけ」
さとり「えっなんですか3回もhageたんですか!?」
諏訪子「4回だよ(#^ω^)
4回目なんて忘れちまったよ何があったか(しろめ」
さとり「いやそれもう…流石に4回もhageる前に何らかの対策打つでしょう普通…?」
諏訪子「最初はクライソウルのダメージを減らす方向で行った。だが、斬撃の守りを貫通して200ダメージから喰らうんですぐにそれは無意味だと悟った。っつーか当たる時点でもうなんかダメだって話だよな。
で、アイスシェイブのダメージを減らそうとしたがこれも一人頭120前後、みとりに至っては耐氷ミスト込みで150も喰らいやがるんで、氷の護りを併用したけどそんでも100くらい喰らうから結局ガード使う方面で行った。
ぶっちゃけ、こいつに対しては触手の扱いどうするかが最大の課題だったな」
さとり「まあ…這い寄る以外は通常攻撃以外何もしませんけど、それが面倒なわけですしねこいつ」
諏訪子「最終的にはパターンに沿ってそれぞれ対処していくんだが…まずスキュレーの行動にはパターンがあって、しかもわりとはっきりしている。
まずエンカウントするとと最初にクライソウルを使い、その5ターン後に2回目のクライソウルが飛んでくる。
クライソウル間の行動は物理とアイスシェイブ交互で、先制すると最初の物理がクライソウルに置き換わっている」
さとり「つまり、一巡目は余程運が悪くなければクライソウルを受けないと」
諏訪子「ジャムクリーパーがいる場合は3ターン目に乱入、4ターン目で這い寄る触手だ。いいね?」
さとり「アッハイ(しろめ
まあでも氷ぶつけてやるんでしょうし普通」
諏訪子「まあそうなんだがな。
2週目は、クライソウルの次にアイスシェイブ→物理×2→物理かアイスシェイブ→子守唄→クライソウル。
物理のターンで触手が呼ばれる。そして3週目は1回目の物理が六つの罪に、2回目の物理が貫く穿貝に置き換わり、以降そのパターンの繰り返しになる。アイスシェイブも後半はループ2回飛んでくる頻度も上がるので、ほぼクライソウルの次と子守唄の前はガードでいい。
まあその頃まで長引く前に相手のHP尽きるか、こっちもうジリー・プアー通り越して全滅寸前だから気にしなくてもいいだろうが」
さとり「つまり、その状態にはなったと」
諏訪子「おもに後者な。
最後は正直どうやったんだかよく覚えてねえ。途中で触手の対応諦めて、5回目のクライソウルを完全防御でやり過ごして盲目ぶち込んで、そこからもう祈るような気持ちで霊攻大斬、インボルブ、チャージサンダーをぶち込んで最後は英雄補正インボルブでぶっ飛ばしたんだっけな。
ああ、一応スキュレーを倒せばルインクリーパー残ってても戦闘終了だよ。ジャムクリーパーもだがこいつら経験値もってないから、たくさん触手呼ばせれば経験値稼ぎ放題、という無謀な考えはさっさとドブに捨てたほうが賢明だ」
諏訪子「というわけでスキュレーはこれで終わりだな。
実はスキュレーを倒しても何かあるわけじゃない。ミッションにも絡んでねえし、なんというかちょっとやるせない気持ちになるな。
一応先にも言ったけど、エスバットの二人は今後もミッションで登場するし、次の階層に行った時にギルド長とかと会話するとエスバットの話もちらと聞けたりする」
さとり「ストーリーだとそのへんどうなるんでしょうかね。
まあ兎に角、今回はここまででしょうか?」
諏訪子「んだな。
次はギンヌンガなんだが…うんまあ、基本的には美結達の話だから基本的にはギャグ路線になるな。
というか暫くはクエスト話とかになると思うよ。そろそろリリカ達も絡んでくるんだろうが」
さとり「……………ポケモンの話って本当にどうなってるんです?」
諏訪子「さあなあ(しろめ」
…
…
氷の森に銃声と鬨の声が響く。
猛烈な凍気が幾度も森を駆け抜け、それが孕む気配が断末魔の色を濃くし始めると…やがて…その時はやってきた。
一発の、灼熱の魔力を帯びた魔力弾が、苦し紛れに振り上げられた甲殻の巨槍を粉砕する。
そこへ、吸血鬼の魔力を…渾身の力を穂先に込めたフランが、巨大な獣と触手を駆け上って飛翔し、上半身の本体めがけて猛然と振りかぶる。
そこには、放たれた灼熱の気も…魔理沙の魔力をも巻き込んで。
「行け…フラン!
その一撃で終わらせてやれええええええええええッ!!」
全魔力を込めた反動で吹っ飛ばされながらも、魔理沙は叫ぶ。
その一瞬…フランはスキュレーの表情を見て戸惑いを覚える。
最早目の前の冒険者を…総ての人間を敵として殲滅するだけのその魔物が、僅かに見せた怯えのような表情を。
いや、それとはまったく違うものを。
フランにはその理由が解ったような気がしていた。
もし、その槍を振り上げたのがさとりかこいしであったなら…その一撃を振り落ろすのを躊躇ったのだろうか。
(ううん、そうじゃない。
今の…いまのこいしさんなら、きっと…!)
異界の魔との戦いのさなか、山で戦うこいしが放った波動を、フランも確かに受け取っていた。
彼女は、もはや昔の彼女ではない。
狂気に支配されて狂気をふりまき、心の中で狂おしいほどの孤独の恐怖に泣き叫んでいた彼女とは違うのだ。
そして…自分に魔理沙やレミリアが居てくれたように…その恐怖のくびきから手を取り引き上げてくれた者達と今も歩み続けているのだから。
彼女なら、その悲しみをもすべて受け止めた上で、この一撃を振り卸すのだろう。
その悲しみのくびきから、アーテリンデを…マルガレーテを、解き放つために。
「私だけが何時までも立ち止まっているわけにはいかないッ…!
還れ、スキュレー…在るべき深い眠りの闇へ!
紅符“不夜城レッド”極式ッ……」
紅い閃光が、天をも砕けと降りあがり、紅の魔力が渦巻いてはじける。
「紅魔幻想!!」
氷の森に、緋の閃光が衝撃波を伴って爆散する。
悲しき氷姫の断末魔と共に。