〜六花氷樹海〜


その魚頭の魔物…この階層に多く住まうフィッシュマンとは違う、体躯の大きな異形の魔は、バッサリ真っ二つに切り裂かれ雪の大地に倒れた。
それをやってのけた緑髪の、鋭い目つきの緋の瞳をもつ女性は…その草陰に落ちているひとつの手甲を拾い上げる。

拾い上げたそれは、既に黒ずんで煤けてはいたが…持ち主が如何に激しい戦闘に果てに命を落としたのか、それを何よりも雄弁に物語っていた。
その裏側には、雪で萎れずに残った薬草がくくられている。



「あとはどうすればいいのかしら?
この魚野郎の死骸を、依頼者のところへでも運べばいい?」

剣呑な表情のまま彼女…風見幽香は、背後の陰に振り返る。
その戦いぶりを検分していたらしいかごめは、溜息をついて応える。

「あんたの持ってるそれで十分だろう。
依頼者の望み通り、下手人の魚野郎はズタズタになったんだ。あとは、その片割れの遺品を届けてやればいい」
「そう」

にべもなく返す幽香。

「まだ暴れ足りないとか、そういう顔じゃないね。
久々の全力戦闘というには、ウォーミングアップにもならんだろ」
「納得いかないわね。
理由は紫から聞いて大体把握しているわ…けれど、私はお世辞にも後進を育成するのには向いていない系統のキャラクターの筈よ?
まさか、私まで物笑いの種にするつもりかしら、あの狐のように?」
「一瞬それも考えてはみたんだけどな」

冗談めかそうとするかごめだが、幽香の何処か真剣な視線に、肩を竦めて告げる。

「あんただから丁度いいんだと思うんだよ。
透子の野郎は表向き、大学進学の単位が欲しいって理由で喰いついてきたんだがな…あいつだっていろいろあったからな。
つぐみは言うに及ばず、めうだって色々ワケありだ。
そういう連中と一緒に過ごしてみれば、あんたにとっても色々考える余地はあるんじゃないかと思うよ」

かごめは背を向けて、糸玉を懐から取り出して天に掲げる。

「まあ、騙されたと思ってあの連中につきあってやってやってよ。
どいつもこいつもチルノに負けず劣らずの問題児揃い、退屈はしないと思うよ?」



「狐尾幻想樹海紀行 緋翼の小皇女」
第十九夜 教えろ!ゆうかりん大先生




♪BGM 「ウォートラン・メインテーマ」/Jimmy Wichel♪


かごめ「というわけで今日から貴様等をいぢmじゃなくて一端のボウケンシャーに鍛え上げる新たな教官を紹介するぞ新兵ども!!m9( ゚д゚ )

つぐみ「あのごめん、ちょっと突然で意味解らないんだけど^^;」
レジィナ「全くだ、そういうのは他でやってくれ。
    最近お前達の言うように、少しはこれでも客に気を使うようになってそこそこ効果も出てきてるっていうのに、お前らがそうやって馬鹿をやるたびに他のお客さんが逃げて行ってしまうんだ。
    これじゃいくらなんでも焼け石に水だろ」
めう「うみゅ、レジィナ様はまだまだスマイルが足りてないめう。
  あとこれとか着ると接客効果アップアップ!めうよ!!(シャノワールの制服どーん
レジィナ「いらんわ!!><
    あと様付けで呼ぶなと何回言ったら解るんだ貴様!!」
透子「いやさあ…別にいいじゃないか呼び名くらいでいちいち。
  それに、そうやってすぐちょっとしたことでキレるのはよくねえって言ったじゃん。
  あたいもレストランでバイトしてたことあるけど、大体そんな奴からすぐ辞めさせられてくんだ。厨房係でも一緒だよ」
レジィナ「ぐぬぬ…奥が深いんだな、客商売とは…(ギリギリ」
かごめ「あー…まああたし達も調子に乗り過ぎた事は悪いとは思ってるが。
   兎に角だ、藍の野郎はまた別件で仕事ができたというか…ぶっちゃけ、あたしも詳しくは聞かされてないが、ホウエンで紫が色々あったらしくてろくに動けない状態だし、放っとけないってんでな。
   その代わりと言っちゃなんだが、最近ヒマこいてそうなわりと物騒な方にお出ましいただいたというわけさ」

「別に私ヒマじゃないんだけどね。
というか、なんであんたも静葉もレティもこぞって、私を紹介する時にまず回りを無駄に怖がらせる事ばかり云うのかしら。
そろそろ本当にミンチにしてやってもいいのよあんた(#^ω^)」

透子「( ̄□ ̄;)げぇーっ幽香さん!?
めう「にゃああああああ魔王めう魔王ゆうかりん様のご降臨めううううううううううううっ!!><
  とらないでーサイドテールとらないでー!!><
美結「( ̄□ ̄;)えちょふたりとも一体何があったんですか!?
  って…幽香? まさか、向日葵の丘に住む真祖の…「四季のフラワーマスター」風見幽香…?
つぐみ「その幽香さんだね。
   あ、まあその二人に関しては色々自業自得な面もあるから(目を露骨に逸らせている」
幽香「なによ、かごめが随分もったいぶった言い方をするから誰かと思えば、あなた達だったのね。
  地味にあまり話したこともない子もいるけどまあ…些細なことね」
つぐみ「じゃあ今度は幽香さんが私達と一緒に?」
幽香「そういう事みたいね。
  とりあえず退屈はしなくて済みそうなことは確かそうね。
  あなた達、私を気分よく暴れさせてくれるなら何もしないから安心なさい(にっこり
かごめ「いやあんた自分が周りからおっかながられるの、自分に原因あるっていい加減自覚しろよゆうかりんさん(しろめ」








諏訪子「来やがりましたね、恐怖の大王が(しろめ
静葉「のっけからなんてこと言いやがるのよあんたも。
  まあ、正直私もそれは思った(キリッ」
諏訪子「オメェも十分大概だな。
   っても、実は世界樹からポケモンまで通して、幽香がメインを張った事ってほとんどねえんだよな、意外にも」
静葉「そうだったかしら。
  …あ、いや、確かにジョウトの話がもっと進んでいれば、実は最終的に私が外れてその代わりに幽香が、こいしの代わりに魔理沙が入る予定まであるところだったのよ」
諏訪子「あれっそうだったっけ?」
静葉「もうどうせストーリーになるとしても、これからエピソード・デルタの話で作り直して、それこそ日向美の話みたいに簡単にまとめられる…というか、多分長編幕間みたいな感じで語られるようになるはずなんだけど…軽くそのプロットだけ話すと、リリカはジョウトリーグでアリスとチャンピオンを争って戦うさなか、暴走した藤原妹紅からリリカを庇って私が戦闘不能にされる展開を考えてたみたいで
諏訪子「えっそれここでぶっちゃけていい話なのか?」
静葉「どうせ活字になるかどうかわからない話ですもの、いいんじゃないの?
  こいしはこれから人物録を折見てまとめるだろうけど、その時よりかなり前、ゲーム本編だとラジオ塔でのアポロとの決戦が「こいしを暴走させていた真の黒幕(レティではない)」からリリカを庇って離脱してる展開なんだけど…これはまあちらほらそれを匂わせてるわね、実はこの時点でもまだ、こいしのリリカに対する引け目は解消されたわけではないの」
諏訪子「こういうメタ話を止めてくれる奴は今絶賛樹海探索中だしなあ。
   じゃあ、それが何年越しかに解決するのがエピソード・デルタでの話なのか」
静葉「そういうこと。
  古い人物紹介だと「こいしは異変の際にメルランとルナサを消滅寸前に追い込んだ」ってなってたと思うけど、これだとこいしがあの二人を直接襲撃したみたいになってるじゃない。こいしは実は、あの二人をむしろ守ろうとしたんだけど…という真相が解るのがエピソード・デルタ編
諏訪子「それ絶対最近になって考えたネタだろ。
   まあいい、脱線はここまでにしとこか」
静葉「アイ、アイ。
  今回はまたクエスト集ね。第三階層で受けれるクエストでも、結構話のタネになりそうなのもあるし」
諏訪子「冒頭のなんかそうだな。
   クエスト「樹海の彼方へ」でムベンガとかいうフィッシュマンのパチモンみたいなのと戦うクエストだな」
静葉「というかフィッシュマンというネーミングが実にクトゥルーよね。
  半魚人かマーマンじゃダメだったのかと」
諏訪子「見た目もなんかインスマウス系の何かだからしゃあないんじゃないか。
   因みにこれは続編もある。この依頼人の女性、その後「自分の為に犠牲になった婚約者のような人を作りたくないから」という理由の為に、冒険者を支援する楽隊に志願したんだけど、今度は彼女が装備できる武具が足りないからって、その素材を取りに行かされる「神を讃えるその背に光を」、そして、彼女の婚約者の命を奪った因縁の魔物・ムベンガのボスを討伐する「後進を導くは先人の義務」に繋がっていく」
静葉「何気にクオナ関連クエストもだけど、SQ2のクエストがやたら多いのはこういう続きものクエストばっかりだからって感じもするわよね」
諏訪子「なるべく続きものはしない方向で行きたいんだけどな。
   今回のはなるべく単発を集めたつもりだよ。というわけで」
かごめ「VTRスッタートゥ(キリッ
諏訪子「( ̄□ ̄;)急に戻ってくんなテメエは!!」










<事件簿いち ミミック・ワールド>




店主「おっ、来たな若造ども!
  丁度お前ら向けっぽい依頼が入ったんで待ってたんだぜ…ってなんでえ、えれぇ景気の悪い顔してやがるじゃねえか」
めう「うみゅ。ちょっとUSCに会ってきためう。気にしないで欲しいめう(しろめ&棒読み」
店主「なんだそりゃ。
  まあいい、こいつは俺もちぃっとばかり気になっててよ。
  依頼主の冒険者が、古跡の樹海で派手に転んだ勢いで茂みの中に突っ込んだらしいんだが…その茂みの中にゃ、なんと宝箱だらけの新しい部屋があったってんだぜ!
幽香「…………それじゃあただのそいつの自慢話じゃないの。
  私そんなの聴きに来たんじゃないんだけど(にっこり
店主「( ̄□ ̄;)ビクッ!!!
  あ、あいやその…まあここまでは確かに聞こえはいいんだけどよ…キナ臭ぇ話はここからだぜ。
  そいつも当然、宝の山を目にして意気揚々と突き進んでったんだが、宝箱を開けた瞬間いきなり目の前が真っ暗になったッてんだ。
  んで、体中喰いつかれたみたいに痛ぇわでパニックになって、もがいてるうちになんとかそのわけのわからねえのから解放されて、一目散に逃げてきたッてんだよ。
  だから、そいつに何が起きたのか、現地に行って調べてきてほしいってのが今回の依頼だぜ」
美結「うーん…まったく要諦が掴めませんね。
  その人は、他に何か覚えてないんですか? 宝物に夢中になってる間に、魔物に襲われたとか」
店主「それがよぉ、そいつ余りに慌ててたもんで、何が起きたのか全く覚えてねえっつーか…そんな感じでな。
  断っとくが、そいつもあんた達のトップほどじゃねえが、少なくとも常緋の森でも探索できる程度の実力はあるんだぜ。
  宝物に目がくらんだとはいえ、古跡で後れを取るような奴じゃあねえと思うんだがな…最も、あの森も現在行ける区画以外にも、とある事情で封印されたエリアとかがあって、そこには氷樹海の魔物よりもずっと強力な魔物が潜んでるっていう話も聞いたが…にしてもな」
幽香「お粗末な話ね。
  まあでも、この連中をいぢm…もとい、遊ばせてあげるには丁度いいかもしれないわね」

店主「(小声で)お、おいなんだこの姐さん…一見別嬪さんだがなんで執拗にこっちに妙なプレッシャーかけてきやがるんだ?
  つか、めっちゃくちゃ怖いんだが」
めう「(小声で)このお方は狂気の魔王めう…少しでも気に入らない事があるとえっらい目にあわされるめう…なんまんまいだめう…><(ガクガクブルブル」
透子「(小声で)親父さんも滅多なこと言わない方がいいよ…あたいも、知り合いが余りにフレンドリーにしてるもんだからって調子に乗ってたら、ヘッドロックで首折られかけたし」
幽香「そうね、こういうナメタ態度取る奴にはオシオキが必要よね(#^ω^)(透子の首をおもむろにヘッドロック
透子「( ̄□ ̄;)ひぎゃあああああああああああああああああああああああああ!!??
店主&めう&美結「( ̄□ ̄;)うわああああああああああああああああああああああああああああああ!!!???
つぐみ「あーもうそこそういうのいいから!!><
   受ける依頼が決まったら行きますからお店で騒ぐのさっさと止めるー!!」





〜古跡の樹海〜




幽香「(額に絆創膏)…確かに調子に乗ったのは悪いと思うわ。
  けど、だからっていきなり他人のドタマを零距離で撃ち抜くのはお姉さんも良くないと思うのよ(しろめ」
つぐみ「どうせその程度じゃ死んでもくれないじゃない。
   それに、そういうときは容赦なくやっていいって葉菜さんや静葉さんからも言われてるから(きっぱり
幽香「……あんにゃろども余計な事を(#^ω^)」

めう「やっぱりつぐみんおっかないめう(震え声」
透子「…こいつある意味かごめさんよりも怖いところ、あるからなあ。
  とりあえず、親父の言ってた場所ってこの辺みたいだね。早速、あの辺りに宝箱があるわけだが」
美結「そうですねー。
  でも、周りに魔物の気配がないというか…うまくいえないんだけど、ちょっと違うような
透子「違う? なにがよ」
美結「なんでしょう、あの宝箱そのものになんか、嫌な予感がするんですよ。
  ひょっとすると、あれ自体が開けたらまずいものなんじゃないかと」
幽香「あなたいいカンしてるわね。
  そいじゃあ、開けてみましょう♪
美結「( ̄□ ̄;)えちょ!
  どうしてそこからそんな結論に!?」

三人が狼狽するのを余所にゆうかりんさんは手ごろな宝箱を開けようとしたその瞬間だった!




♪BGM 「戦場 一重向こう側の死」(SQ4)♪

おお、なんという事だろう!
それは宝箱では断じてなく、宝箱に擬態したミミックめいた魔物だったのだ!
この魔物は宝物を目にしたボウケンシャーをこのようにアンブッシュして殺戮の限りを尽くしていたのだ!なんたる卑劣か!

めう「( ̄□ ̄;)めうーっ!? これはもしやミミックめうー!?
美結「えっとえっとえっと、ミミックって確か「擬態する」とか「物真似をする」という意味がありましてー…。
  じゃなくて! やっぱり魔物だったんだー!!><
つぐみ「うわぁ予想ついてたけどなんてベタな罠…」

そして魔物は我が意を得たりとばかりに幽香めがけて飛びかかってくる!
ナムサン! このままでは依頼者の如くこの魔物にマルカジリされマミってしまう!

幽香「成程成程、依頼者はこいつに襲われたのが事の真相ね。
  こいつをズタズタにして持っていけば総ての辻褄が合うんじゃないかしら♪」
透子「この状況でなんでこのひとこんな目ェ輝かせてんのか、あたいにはもう何がなんだかわかりません><
  ってこれちょっとまずいんじゃ」

しかし…見よ! ゆうかりんさんはその魔物のアンブッシュなど歯牙にかけることなくいきなりその頭めいた場所を鷲掴みにしたではないか!
魔物が混乱する間もなくそのまま力任せに地面…しかもご丁寧に石畳を露出させている所へ叩きつける!
その先は……賢明な読者諸兄の想像に任せるとしよう…どうせゆうかりんさんのやることである(迫真

幽香「(魔物を地面に何度も叩きつけながら)うっさいわねあんたもこうなりたいのかしら地の文=サン?(にっこり」

( ̄□ ̄;)いやあのすんませんそれだけは勘弁してくだしあ;;;
あっ、ほらゆうかりんさんおかわり来てますよあいつらもちゃっちゃとやってしまいましょう!




めう「( ̄□ ̄;)めううううううううううううううううううううううううううう!?
透子「( ̄□ ̄;)ちょっと待てなんでミミックとか人食い箱の類が増援呼んでんだよそんなのあたいのシマじゃノーカンだから!!」
美結「あ…あの…隣の宝箱もこの魔物だったんじゃないかと…^^;
  確かに増援呼ぶのはミミックより笑い袋とか踊る宝石の方の気がしますけど」
つぐみ「みゆちゃんそんなじょうほうどうでもいいよ(しろめ&棒読み&口からエクトプラズム」









諏訪子「クエスト「輝きの陰」だな。
   FOE物欲を欺く者と戦うだけで一応クエストクリアになるんだが
静葉「あ、倒す必要はないのね」
諏訪子「ないよ。
   しかも逃げようが倒そうが報酬は変わらん。
   もっとも、適正以下なら逃げる事もそんな簡単な話じゃないが…こいつはほぼ、命中率の超低い超高威力壊攻撃「大喰らい」しか使わねえ。
   大喰らいはまあアレだ、これまでのシリーズを見てくるとトラウマを呼び起こされるボウケンシャー諸氏も多かろうが」
静葉「ビッグビル大先生ですね解ります(しろめ
  というかこいつにしても、大喰らいってところがミミックよりもむしろ人食い箱よね」
諏訪子「DQ3のピラミッドで一体何人のユーザーがこの初見殺しの餌食になったのかね。
   他の多くのRPGと違ってDQの戦闘不能の回復手段はそれこそ滅茶苦茶限られてるから、ゾンビ戦法って使えないしね基本。
   ああ、因みに大喰らいはグリモア化できるけど、TP4でレベル1の倍率が300%とかいう頭悪い高倍率だ。命中補助を組み合わせると普通に当てていくことも可能だし、逆にいえばこっちは喰らったら基本的に死ぬから」

さとりメモ:大喰らいレベル1の倍率ですがおおよそ200%強みたいです。レイジングエッジのレベル6とほぼ同等ですが、消費が半分しかないということでどれだけたわけているかお分かり頂けるでしょう。命中はまあ…お察しですが。



<事件簿に 逆襲のしっとマスクレディ>


店主「あ、いやそのな。
  その宝箱に化けた魔物に襲われたってのは解ったンだが……別にそいつをここまで持ってくる必要はねえんだぜ?(しろめ
幽香「(片手にズタズタにされたままの魔物の頭を鷲掴み)あら、そう。
  じゃあこいつはもういらないわね。そこのめうめう、こいつ樹海に捨ててらっしゃい」
めう「( ̄□ ̄;)おういえぼす!!」
店主「(…タルシスから来た他の連中がこのねーさん見たとたん、なんで一斉に蜘蛛の子散らすように逃げてくのかようやく理由が解ったぜ)
  しかしまあ、こんなもんで溢れかえってるとなりゃ…宝は欲しいが、命がいくらあっても足りねえんじゃ、俺は樹海なんてまっぴら御免だぜ」
幽香「だらしないわねえ。
  図体ばかりでかい分際で小心なんて」
店主「俺はこうして酒場の親父でもやってる方が性に合ってるってことさ。
  …つーわけだ、あんたの事も少しは聞いて免疫はついたぜ。一応、留守中にも面白そうな依頼はいくつか来てるが」
美結「(一枚の依頼書を指差す)これは?
  なんか魔物の素材を持ってこいみたいなこと書いてありますけど」
店主「あー、それか。
  それでも多分、そこのねーさん向けの仕事じゃねえと思うぜ? 多分つまらん仕事だ」
幽香「私向けかどうかは私が決める事だわ。
  つまんないこと言ってるとさっきのふざけた宝箱みたいにするわよ? さっさと概要説明なさいな(じろり
店主「( ̄□ ̄;)お、おう。
  こいつは街外れの女からの依頼でな。
  なんでも、夫の為に樹海で取れる食材を調達してきて欲しいってんだが…それが揃いも揃って、面倒な魔物の身体の一部なんだわ」
美結「面倒な魔物?」
店主「軍隊バチの針「密林蜂の毒針」、ビッグモスの翅「薄紫の翅」、デスストーカーの針「天鉄の長針」だ。
  どいつもこいつも厄介な毒を持ってる魔物なのがちと、気になるんだが」
幽香「…猛毒を持っている動物や植物でも、うまく毒抜きをすれば食べられることも多いじゃない」
美結「シャグマアミガサタケなんか有名ですね
幽香「いやその例えはちょっとマニアック過ぎると思うんだけど」
店主「まあ、その女も「毒抜きの方法は知ってるから材料だけ持って来てくれればいい」って言ってるしな。
  とりあえず、ビッグモスのリンプンには頭をヒットさせる効果があるらしいから、気ぃつけてな」


藍しゃまメモ:シャグマアミガサタケ
ん? なんだこんなのまで私にしろってか? まあヒマだから構わんが…。
シャグマアミガサタケの「シャグマ」とは、赤毛の熊の事を言う。気持ち悪い形状のコブのような、赤黒い傘をもつノボリリュウ科の毒キノコだ。
このキノコの毒性分は、ロケットの推進剤としても使われる猛毒物質「モノメチルヒドラジン」に類するもので、性質も中毒症状もまったく一緒。キノコ中毒では定番の激しい嘔吐と下痢と言った消化器へのダメージに加え、肝臓や腎臓の機能障害を引き起こさせて、処置が遅いと非常に高い確率で死に至る。興味深いことに、ロケットの研究中に起こった、揮発した推進剤での中毒症状に似ていることから、このキノコの毒性分が判明したというエピソードがある。
一方でだが、モノメチルヒドラジンには強い揮発性があり、このキノコは沸騰させた湯で十二分に茹でこぼす事によって毒抜きが可能であり、なおかつ非常に美味なキノコであるため、ヨーロッパでは一般的な食材として広く店売りもされている。勿論、注意書きとして毒キノコであることは表示されているし、毒抜きの時に発生した蒸気を吸っても激しい中毒症状を起こすから扱いには注意だな。





〜それから数時間後〜


幽香「思ったより呆気なかったわね(不満げ」

めう「どどどどどうしようゆうかりんさんがなんか爆発寸前のバンザイ・ニュークめいたアトモスフィアめう(ガクガクブルブル」
透子「どの魔物もそんな強くはなかったからなあ…。
  とりあえずゆうかりんさんの生態についてはチルノから詳しく聞いてた甲斐はあったな。どこぞの無意識妖怪みたいに空気も読まんと率先して魔物をぶちのめしてたら、あのマサカリの飛んでく先にあるのはあたい達の首だね、間違いなく(しろめ
めう「そんな地雷はアドベ熱帯のCPU六さんだけでおなかいっぱいめう!!><」
美結「だけど…あの食材?本当に毒抜きなんて可能なんでしょうか?
  確かに、軍隊バチの蜜を使ったメニューは紅茶館に一杯あるし、ビッグモスじゃないけど毒吹きアゲハだって佃煮にしちゃってるし、デスストーカーだって丸ごと使ったパスタはありましたけど…流石にデスストーカーの針の部分、レジィナさんも「ここの毒だけはどうしようもないから捨てる」とか言ってたような
つぐみ「そうだよねえ。
   考えてみればビッグモスの混乱攻撃だってあの翅のリンプンの所為だし…そんなの丸ごと食べるなんて大丈夫なのかな、本当に」

レジィナ「お、なんだお前達か。
    依頼事か何かか?」

めう「ウワサをすれば何とやらめう」
凍子「あたいたちで考えてても仕方ないし、ここはプロに訊いてみるのが一番じゃねえのかな」


〜少女説明中〜


レジィナ「だいたいわかった。
    というか…それ三種類とも、超猛毒部位で毒抜きとか不可能だぞ。
    武器防具とか、あるいは魔物に効く毒薬として精製する部位だから…ひとつでも人ひとり十分死ねる部位を三つもとか、その依頼者は誰か毒殺しようとしてる風にしか思えないが…」
めう「( ̄□ ̄;)なん…だと…!?」
透子「えっそれじゃまさか…あたい達まさか殺人幇助したってことになんのか…!?
  ヤバい! 早く棘魚亭の親父に話して止めさせないと!!」


それから…大慌てで飛んできた透子達の言葉にアントニオも仰天し、すんでのところで女を引きとめて思いとどまらせる事が出来たという。
女の話では、ある時、自分の夫が他の女性と親しげに歩いていたのを目撃し、それを浮気であると激怒して、意趣返しとして夕食にその食材で作った料理を食べさせようとしていたのだという…。



店主「いやはや…危うくコロシの片棒担がされるところだった…助かったぜ」
幽香「でもあの様子じゃ、本当に思いとどまってくれたかどうかわからないわね。
  早いとこ、この街の司法に事情を説明しておいた方がいいかもしれないわ。最悪、死人が出るわよあれだと」
店主「勘弁してくれよ…あれで事を起こされちまったら俺らも商売あがったりどころか、ブタ箱に放りこまれちまうぞへたすりゃ。
  しかしあれだな、家庭を持つってのぁ、ある意味では冒険者が樹海を冒険するよりもずっと大冒険かもしれねえな…
透子「樹海の大冒険は未知のなんとやらに対するドキドキもあるけど、こんな心臓に悪いドキドキは真っ平御免だよ!!><








諏訪子「クエスト「愛と憎悪は紙一重」だな。
   内容は書いての通り。なお棘魚亭には料理本も置いてある模様
静葉「あの親父料理するみたいなのよね、実は。
  あの店で料理から経営までひとりでこなすって事考えると、何気にあの親父もなかなかのチートよね」
諏訪子「まあアレだ、タルシスの宿の女将ほど超人じゃねえだろうけどな。
   ビッグモスはともかく、何気に後二種の魔物に関しては食材として使えるというのもなんというか」
静葉「文中にも書いたけど、毒吹きアゲハなんて丸ごと佃煮にしてあるじゃない。
  ビッグモスももしかしたら、ってところがないといえないところも怖いわね」


諏訪子「今回はここまで。
   本編は取り立てて語るところもいまないし、次もクエスト攻略になるよ。
   一応第四階層に入ってるから第四階層の事も少しここで触れる」
静葉「というか多分次の次もよね。
  結構、この辺りのクエストって話できるのいっぱいあるし…違うところがあるとすれば、こいしがいないくらいね」
諏訪子「それわりとどうでもいいことじゃねえのかな。
   とりあえず…16階17階18階は特に仕掛けもない。17階と18階には第二階層ぶりの回復ポイントがあるな、初回だけ強制戦闘があるけど、以降は1日1回使用できる」
静葉「HPまでは回復してくれないけど…むしろHPは自然回復の手段が山ほどあるから、TPは重要よね」
諏訪子「んだな。
   そして16階のFOE破滅の光鳥、こいつは普段巣の上で周囲を索敵し、索敵範囲に入ると突っ込んでくる。
   強追尾だが、扉をくぐるなりして別フロアに行くと…元いた巣じゃなくて、その場所から最も近い巣に入るという特徴がある。
   これを利用して、探索箇所からこいつを退かして進むわけだ」
静葉「見た目深淵を舞う者っぽいけど、戦闘能力はどうなの?」
諏訪子「こいつは基本的に、構えてから次ターンのブルータルレイで全体攻撃してくるのが基本だな。
   ブルータルレイは全体に200前後のダメージを叩きこんでくる遠隔無属性攻撃だ。しかも向こうが大概早いだろうし、まー、スキュレー倒した程度じゃ何もすることなく滅殺されるが…こいつの準備動作、実は轟音弾が有効だ」
静葉「つまり、轟音弾でハメ殺せると」
諏訪子「そゆこと。
   要はブルータルレイを撃たせなきゃいい。
   何しろ2ターンおきとはいえ、軽減手段の限られる無属性の全体攻撃とか頭わいてるとしか思えねえしな。使わせないで済ませられるならそれが手っ取り早い。まあ、HP10000近くあるから、それまでに轟音弾使いきってなければいいんだがな」




諏訪子「17Fにはまあ、こんな奴がいる。
   FOE突き進む犀角だが、目の前に来るといきなり突進して突っ込んでくる。SQ3にいたミミズみたいなもんだな。
   実はこいつが第四階層では一番強いFOE、到達時点ではまず勝ち目はないだろ」
静葉「範囲攻撃があるわけでも搦め手があるわけでもないようだけど…」
諏訪子「一応「角撃」が貫通突攻撃だな。
   こいつの破壊力が本当にシャレにならねえ。大体前衛が250前後喰らう」
静葉「ああ、普通に一発で消し飛ぶのね」
諏訪子「一応頭縛りに弱いし、頭縛りで角撃も封じられるんだが…こいつ封じ入ると「徹底抗戦」とかいうの使って来てHP5000ばかり回復した挙句、頭縛り解除してなおかつ攻撃力まで上げてくるという頭悪いことしてくる」
静葉「どうしようもないじゃない。
  やり合うんなら突撃の護りやウォールシールドなんかで突耐性高める正攻法かしら」




諏訪子「ところがな、こいつをうまく誘導して吹き抜け部分に突っ込ませると、マヌケにもそこから落ちて行っていなくなっちまう。
   道なりに行って最初の奴は無理だが、あとは落として消せるからそれで戦闘回避していくといい。
   最初に出会う奴はバックアタックも可能だから、やるならそいつを倒すといい。HP14000ちょっとあるが氷弱点、通常ドロップは四層最強の刀と槍の材料になるから、ボス前に狙ってみるといい」
静葉「(スマホなう)条件ドロップが頭縛り撃破、そのドロップで作れるのが戦功の角笛らしいわね。
  今回滅茶苦茶グリモアチャンス起きるから、正直要るのかどうかわからないけど」
諏訪子「そうでもないな。
   起きやすいといってもどうしても限度はあるし、例えば使うターンが決まっているボスのスキルとかを狙いたいときには相変わらず有効だ。
   炎の王やアイスブラッシュ、あとはちょいとネタばらしになるがジャガーさんの爆進とかもグリモア化できるし、グリモアチャンスだってそんなピンポイントで起こってくれるもんじゃねえからな」


諏訪子「というわけで今回はここまでだ。
   さっきも話したけど引き続きクエストの話になるよ」