♪BGM 「TAKE ME HIGHER(Remix Version)」/V6♪
-ば…馬鹿な…!
一体何処にこれほどの力が!?-
息絶える寸前だった筈の、その少女が自分の一撃を受け止めた事に驚愕を隠せないオーバーロード。
否、受け止められたどころではない。
てゐの放つ渾身の霊攻大斬は、困惑するオーバーロードの剣を確実に押し返しているのだ。
-何故だ!
何故貴様は、貴様等は! 何処までも我に抗おうとする!?
汝らとは無関係のこの世界で、汝らがその命を…全存在を賭けてまで戦おうとする理由は何なのだ!!?-
「そんなもの…決まってる!」
押し返そうとするその剣の光に、この地で散った無数の想いがさらなる光となって、萃まってくる。
「この旅路で出会えた奴らと、かつてこの樹海で消えていった…この世界で最後まで絶望に抗い足掻いて死んでいった奴らの想いが、私達をここまで連れてきたんだ!
あんたの間違いを正すために!
この世界で起きた、数多の悲しみの連鎖を終わらせるために!!」
-他者の…名も知らぬ者共の怨念を背負って、だと!?-
「過去の亡霊が言うことか!!
いや、私も…あんたと同じ、過去から生き続けていた亡霊の一人に過ぎないさ。
…だがな、だからこそ見過ごしちゃおけねえ…そんな奴が、これから未来を生きようとする連中を縛りつけようとしていることを!!
あんたの哀しみで未来を塗りつぶそうとしていることをな!!だから!!!」
力任せに、あらん限りの声を張り上げた怒号と共に剣が振り払われると、ただでさえ小柄なてゐの、数倍の体躯を持つオーバーロードの巨体が、空中へ大きくはじきとばされる。
「だからッ!!
あんたはここで滅びる運命だ!!!
それに抗うなら…私は再び「神殺しの魔獣」となって、あんたの「呪い」も引き受けてこの先何千年でも
…
ジャガーノートとの死闘の果て、力尽きていた筈のレミリアの目の前に、その二人の少女が立っている。
「おまたせ、みんな。
あとは、私達に任せて!」
レミリアはよろめく自身の脚を叱咤してゆっくりと立ち上がる。
「冗談じゃない…最近は控えてきたつもりだったけど…やっぱり、やられっぱなしは性に合わないわ。
…それ以上に、あんた達二人だけじゃ手に余る。
ヤツの行動は見切った…力不足にはならない筈よ…!」
なおも不敵に笑うレミリアに、こいしが口の端をだらしなくゆがめて何か茶化そうとする前に、リリカがいち早くその口を塞ぐ。
「そだね。
指示は、任せてもいいんでしょ?」
「ええ。
戦闘は、あなた達に任せる。
彼を…眠らせてあげて頂戴…!」
「了解っ!」
リリカとこいし。
二人の、何処かすれ違いを続けていた二人の少女が…比翼の鳥が如く、同じようにして剣と槍を構える。
「狐尾幻想樹海紀行 緋翼の小皇女」
第二十六夜 Reaching out for our future
諏訪子「あ、どうもいつものケロちゃんです」
静葉「…久しぶりに来てみれば、かごめはどうしたの?」
諏訪子「ああ、お前か。
あの馬鹿、金竜に一部の異常通るって解ったものの、結局狙うには余りにもリスキー過ぎるんで結局これまで通り正攻法でどうにかする方策考えてるんだそうだ。
多分このもう少し後に解説はすると思うんだけどな、美結のローズプリズンですら毒入れられねえとか言ってたし」
静葉「そういう話を小出しにしてる時点で、前作みたいに尻切れトンボで終わる嫌な予想しかできないんだけどねえ」
諏訪子「あの時ポケモン重なってたせいもあるからだろ。
今回はその点問題ないだろ、なにしろ逆にポケモン全く触れてねえし」
静葉「…まさか幼子狩る気じゃないかしら」
諏訪子「ないと言い切れないところがな。
さて、今回はストーリーも此処で区切り。リリカ達も登場したんで連中も含めたジャガーノート戦、オーバーロード戦のスキル紹介するぞ。
まずは時系列的にジャガーノート戦、リリカ達からだ」
リリカ ドクトルマグス→ハイランダー
ロングスラスト1 シングルスラスト1 レギオンスラスト1 ディレイチャージ3 クロスチャージ1
ブレインレンド★ スピアインボルブ★ ブラッドウェポン3 リミットレス2 スティグマ★
槍マスタリー★ 物理攻撃ブースト★ HPブースト1 TPブースト1 ハーベスト3
グリモア:物理攻撃ブースト9 槍マスタリー7 ダブルアクション★ 癒しのリズム9 七転八起(アイテムボーナス2)8 巫術:再生帯(TP回収)7
こいし ソードマン→ブシドー
鞘撃1 首打ち5 抜刀氷雪3 地走撃5 阿吽の尾撃★ 後の先★
刀マスタリー★ 物理攻撃ブースト★ 居合いの構え★ HPブースト1 TPブースト1 上段の構え1 青眼の構え1
グリモア:居合いの構え★ 刀マスタリー6 素早さブースト9 傷舐め9 七転八起9 ペネトレイター8
藍 ペット
かばう5 身代わり★ がまん1 虎咬撃1 流星落とし1 ビーストダンス1
サベージラッシュ1 自衛の本能1 ビーストロア5
忠義マスタリー★ 爪マスタリー★ 決死の覚悟★ HPブースト5 物理攻撃ブースト9 先制ビーストロア1 野生の勘1
グリモア:爪マスタリー★ 盾マスタリー9 フリーズガード(壊1)9 ショックガード8 スピアインボルブ9 リミットレス8
レミリア プリンセス
攻撃の号令3 防御の号令3 予防の号令★ 不屈の号令★ ホーリークラウン1
リセットウェポン5 エクスチェンジ3 ホワイトノーブル2 クリアランス3 リンクオーダー★ リンクオーダーII5
号令マスタリー★ TPブースト★ レイズモラル1
グリモア:属性攻撃ブースト★ TPブースト8 盾マスタリー★ 後方支援9 ラインキュア8 クイックアクト9
パチュリー アルケミスト
火の術式5 氷の術式1 雷の術式1 火炎の術式1 大爆炎の術式3 大氷嵐の術式3 大雷光の術式3 圧縮錬金術★ 核熱の術式★
術式マスタリー★ 属性攻撃ブースト★ TPブースト★
グリモア:術式マスタリー9 圧縮錬金術(壊2)9 トライチャージ(炎2)8 病毒の呪言8 盾マスタリー9 巫術:再生陣(TP回収)8
静葉「……相変わらずどっからツッコミ入れればいいのかしらこれ」
諏訪子「気持ちは解る、私もあの馬鹿ぶん殴りたくて仕方ねえんだ。
因みにペットだが、実は戦った時点では違う奴の名前がついてた。ストーリー上そいつをそのまま出すべきがかなり狐野郎考えてたし、グリモアのインボルブもアタッカーとしての役割と、そいつの能力を加味した意味で入れたみたいだな。
因みにそいつのヒントか? 熊だ。あと私達と同じ色の頭だ。それ以上のヒントはないな」
静葉「一体ナニ熊=サンなんでしょうね(呆
それとリリカのスキル構成何? まさか、ブレインレンドの即死を狙う為にマグスから転職させたとか言わないでしょうね?」
諏訪子「それ以外に目的あんのかよこれ。
大体にしてグリモアに七転八起がある時点でそれ以外に目的あると思うのか。こいしもしっかり首狩りこいしちゃん状態じゃねえか」
静葉「残念ながら味方には飛びませんけどね、3と違って(キリッ
異常補助系パッシブはスタンと即死には乗らないのよね。石化には乗るのに」
諏訪子「即死とスタンは特殊だからな、位置づけが。
七転八起は「攻撃に付与される特殊な追加効果の判定」にボーナスつくスキルで、抑制攻撃とかは「異常を与える確率」に乗ると考えると、即戦闘不能になる即死は累積耐性も発生しないから異常の扱いじゃないんだろ。スタンは知らんが」
静葉「リリカの癒しのリズム、ある意味合ってるから逆に此処で出てこられると浮いてるわね。
それよりこいしの傷舐めって何を舐めるのよ」
諏訪子「あー? どうせリリカだろ?(投げやり
っても傷舐めは縛り解除版ドラッグバレットだから、単体対象とはいえ回復技としては優秀なんだけどな。
オート傷舐めとセットで堅めの職に持たせると継続戦闘能力がぐっと上がる」
静葉「こいしの場合デコソドと刀使いたかったって言うのあるんでしょうけどね。
実際、ソードマンやハイランダーから転職した方が、ブシドーの能力が活かせるのよね」
諏訪子「ソドブシの攻撃力の差はほとんどねえからな。
AGIを捨てることになるから先の先が役に立たなくなるが、上段や青眼を伸ばすと長所が生きると思うよ。
まあここだと居合いなんだが」
静葉「地味に後の先も優秀な追加効果持ちチャージだからね。
倍率もかなり高いはずだし」
諏訪子「まあこのメンツの欠点は言うまでもねえな。
メインヒーラー、特に異常と縛り解除できる奴がいねえ。
よくこんなメンバーでsageられたと思うが、実際最後にたってたのはリリカと瀕死寸前のこいしだけだった。
レミィが倒れる前にリセットウェポンでジャガーの強化を解除して言ってくれたおかげで、残り2500ばかり残ってたHPを抜刀氷雪からのインボルブで削りきったからよかったんだが…よくこんなんで3hageで済んだな、と」
静葉「地味にホワイトノーブルもいい仕事したんじゃないかしら。
回復込みでこっちの強化を恣意的に解除できるし、これがなかったら王者の爆進で何人のおぜうがミンチになったことか」
諏訪子「何故そこでレミィに限定すんだよ…メイド長にナマスにされるぞお前。
最初大量のラウダナムを持ち込んだが、そもそもしょっちゅう完全破壊とかもとんでくるからな。
最初実はプリンセス連れてなかったけど、あまりにもラウダナム頼みだとうまくいかなくてプリンセスを一から作った経緯もあったんだよ。
それでもかなり苦戦したってことは、まあパーティバランスが悪いのが最大要因だよなあ」
…
…
狂ったような咆哮と共に、巨角を振りまわす魔獣の一撃をこともなげに回避すると、こいしの抜き放った白刃が幾重もの空気の断層を生み、真空状態で熱を奪われダイヤモンドダストと化した空気中の水分が、無数の刃の如くその巨体に容赦なく浴びせられる。
「まだまだ!
地底のバラは二度咲き誇る…喰らえっ、サブタレイニアンローズ!!」
高速で納刀、さらに切り返す抜刀により、取り撒くダイアモンドダストが氷の茨となってジャガーノートの全身に深手を負わせる。
大きく後退する巨大魔獣だったが、それでもその場に踏みとどまり、凄まじい咆哮を挙げる。
その咆哮で、隆起する全身の強靭な筋肉で無理矢理に傷を塞ぎ突進の構えを見せる魔獣の一方で…この場では場違いにも取れる不思議そうな表情で、自分の手とジャガーノートを交互に眺めるこいしが小首をかしげる。
「…あれ?
なんだか私達の魔力も、急に上がったような」
「奴は無差別にこの場の全員を強化するのよ!
タイミングを見て解除しないとヤバい事になる…あなた達はそれが残っているうちに攻撃を続けて!」
「どゆこと?」
なおも緊迫感のない様子できょろきょろと視線を泳がせるこいしを、リリカが小突く。
「そんな余裕なんてないでしょうが、ったく!
レミリアさんはここであいつと戦ってた…そのうち理由だって解るわよ!」
「……そだね!
細かいことは気にしててもしょうがないか!」
こいしは再び剣を構え直すと、その角をひらりとかわし頭上から力任せに白刃を振り卸す!
…
-我が意思を、呪い…だと…!?
戯言を!!
貴様の如き矮小な存在などに!!!-
再び、体勢を立て直すオーバーロードが、額に集中するエネルギーを全開にしてその小柄な体へと迫る。
その射線上に割り込んで…否、その周囲を総て埋め尽くす、黒い翼を広げる無数の影が、同じくらいの無数の鏃をオーバーロードに向け、そして一斉に放つ!
-ぐおおおおおおおおおおおお!!??-
額から流れる血で片目を塞がれながらも、文は正確無比な射撃で総ての矢をオーバーロードの左の翼に着弾させている。
「
だから…こんなところでくたばらせるわけにはいかない!
滅びるのはあんただ、オーバーロード!!!」
さらに、最後に放たれた矢が巨大な鴉の弾丸となってそれを射抜くと、その姿は大きく空中でバランスを崩す…その先には、満身創痍のままそれでも大地を踏みしめ、凄まじい雷と光の魔力を銃口に収束する、金の髪の魔法使い。
「…いい角度だぜ、文。
くらえデカブツ! 遅延術式解放、“千の天雷”!
そして…」
魔理沙は、ここ一番の時に幾度も使ったその必殺の符を、銃身にあてがう。
その接触点を中心に、巨大な魔法陣が展開され、高められた魔力がまばゆい光を放ち、銃身から銃口にかけてその姿を大きく変貌させる…あたかも、今にもその恐るべき必殺のブレスを放たんとする蒼き竜の如く!
「恋符“マスタースパーク”…術式融合!
真・ファイナルマスタースパーク!!」
天を劈くような轟音と光の奔流に飲まれ、オーバーロードの絶叫が響く。
だが、その恐るべき一撃を受けてもなお、もがくように光の波から姿を現したオーバーロードが、両腕の七支剣を振りまわし文と魔理沙を吹き飛ばす。
ふたりは地面にたたきつけられる前に、紅い光の標識のようなもので受け止められたいた。
「お前達が地面にたたきつけられることは…私が禁止する。
…この私の命ある限り…この私が傍に居る限り…みんなは絶対に殺させやしないよ…!!」
盾を掲げるみとりが、ぼろぼろになった姿のまま、それでも同じように紅く光る盾を構えながらゆっくりと立ち上がり、不敵に笑う。
そして、素早く印を組むてゐ。
彼女の組む術式は、回復のそれではない。
その一撃を決める者に、さらなる力を与えるその術式。
「フラン、受け取ってくれ…私の力を!
兎符“開運大紋”ッ!!」
この世界では「鬼力化」の巫術に相当する、ありとあらゆる攻撃力を上昇させる強化術式。
その術式の支援を受け、凶暴な死の舞を終えたオーバーロードの頭上に、爆発的に吹きあがる深紅のオーラを纏うフラン。
「今…私の、みんなの想いをひとつに込めて…!
応えて、紅魔八汰鴉!!
この大地と空に残る全ての嘆きに終焉を!!!」
魔理沙の放った雷と光の魔力もすべて巻き込み、裂帛の気合と共に星の如く巨大な質量の光を放つ槍の穂先を振り卸す!
「神兎、幻想おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッ!!!」
深紅から純白の輝きへ変わる光の柱が、轟音と共にオーバーロードを貫き、磐船を…ハイ・ラガードの空を光で埋め尽くした。
…
…
諏訪子「続いてはメイン、オーバーロード戦だ。
先に少し触れておくが、最初に挑んだのはレベル59。
ところがな、グリモア選びも良くなかったのは確かだが、まず安定した火力が確保できなかったのが非常に痛かった」
静葉「けど、雷弱点で盲目は通るようだし、パターンも一部ランダムではあるけどはっきりしてるから対処はしやすいんじゃないの?」
諏訪子「盲目は確かにホイホイ入るよ、何しろ文が抑制ブースト重ねてるからな。
だが向こうのほうがレベルが高いっていうのもあって、盲目入れてても攻撃外しやがらねえ。
そしてフロントガードも多少しか振ってないせいもあるが、山行水行喰らうとてゐがガードの上から持ってかれやがる。まあ、これはちゃんとした回避方法あるんだけどな」
静葉「山行水行は基本前列にしか飛ばないから、そのターンだけてゐを後列に下げればいいわけでしょ?」
諏訪子「そういうこった。
レベル上げてからはジビエ込みで喰らっても耐えるけど、まあ回復役だからその辺はな」
フランドール ハイランダー
ロングスラスト★ ブレインレンド1 レギオンスラスト1 シングルスラスト1 ディレイチャージ3 クロスチャージ1
スピアインボルブ★ ブラッドウェポン3 リミットレス★
槍マスタリー★ 物理攻撃ブースト★ HPブースト1 TPブースト1 ハーベスト3 血の暴走★
グリモア:スピアインボルブ(氷1)★ 槍マスタリー8 ダブルアクション★ 物理攻撃ブースト★ TPブースト★ ペネトレイター★
てゐ ドクトルマグス
巫術:再生5 再生帯5 再生陣1 鬼力化6 皮硬化1 脈動1 乱疫3 転移3 結界★ 反魂1
巫剣:霊攻衰斬1 霊防衰斬1 霊封頭斬1 霊封腕斬1 霊封脚斬1 霊攻大斬★
巫剣マスタリー★ 巫術マスタリー★ 抑制防御ブースト★ TPブースト1
グリモア:巫術マスタリー★ 巫剣:霊攻大斬★ 巫術:結界(炎2)★ 属性攻撃ブースト★ 巫術:鬼力化★ リンクオーダーII8
みとり パラディン
フロントガード5 バックガード5 ファイアガード9 フリーズガード9 ショックガード9
ヒールガード1 センチネルガード1 シールドスマイト3
盾マスタリー★ パリング★ 決死の覚悟4 HPブースト5 TPブースト1 物理防御ブースト5 属性防御ブースト5
グリモア:盾マスタリー★ 忠義マスタリー★ 防衛本能★ パリング★ みがわり(炎1)★ かばう(オートHP回復)9
文 レンジャー
フランクショット★ ブラインドアロー8 スリープアロー1 パライズアロー1
ドロップショット5 ダブルショット5 スケープゴート★ アザーズステップ★
弓マスタリー★ 抑制攻撃ブースト★ 素早さブースト★ TPブースト1 エイミングフット5
グリモア:弓マスタリー★ 抑制攻撃ブースト9 スケープゴート★ パワーゲル★ ダブルアクション★ 暴風の翼★
魔理沙 ガンナー
フレイムショット5 アイスショット5 サンダーショット5 チャージフレイム2 チャージアイス2 チャージサンダー2
ヘッドスナイプ1 アームスナイプ1 レッグスナイプ1 チャージショット1 バーストショット5 跳弾1 ドラッグバレット1
銃マスタリー★ 物理攻撃ブースト★ TPブースト★ ペネトレイター★ ダブルアクション6
グリモア:銃マスタリー9 物理攻撃ブースト★ ダブルアクション★ 跳弾(雷1)9 トライチャージ(突1)★ 決死の覚悟9
静葉「…ふむ、一見無駄がなくなってるというか…徹底的にやったって感じよね」
諏訪子「一応紙面の関係もあるから最初のスキル構成とか書いてねえけど、みとりと文は休養して振り直しもしたんだっけな。
充填したのはみとりのフロントガードと文のフランクショット。前者は山行水行、後者は第四段階パターン以降で2体召喚されるサテライトキラーを高速で潰すための措置だな。
今考えると暴風の翼だけで十分だった気もするが」
静葉「そういえばアレ全体攻撃よね。
そうすると、フランのペネトレイターもその為かしら」
諏訪子「ついでにバーロー本体も削りながらだな。
魔理沙のチャージは元々貫通攻撃だからペネトレイターは乗らないがな。あとダブルアクションは思ったほどのらなかったし、パワーゲルに至っては身代わりの対象になっちまうから結局使わずに終わっちまった」
静葉「何してんだか…」
諏訪子「サテライトキラーも勿論だが、ロードコアも出現し次第高速でぶっ潰す必要がある。
っても、インボルブのマスターを重ねる意味も正直あまりなかった。TP消費ばかりは跳ね上がるが、10でも威力そんな変わらねえし、それだったら盾マスタリーか忠義マスタリーでもよかったんじゃねえかなって。
ただおハルの時同様みとりの忠義・盾マスタリーとパリング先生も今回非常に良い仕事をしている。如く舞う発動時はこいつに身代わりさせてるが、身代わりと忠義の軽減率に加えてパリングと盾の無効でほぼ即死することはない」
静葉「殿の神樹の時のレティがそうだったけど、ダメージを受けない盾役の安定感は本当に異常の数倍ですものね。
そういえば、ガードは回復まで振らないの?」
諏訪子「これ竜狩りの時に解説回すつもりでいたんだけど、実は三色ガートで軽減&無効と吸収をセットで使用すると、何故か軽減無効が発動しないバグがある。
吸収はマスター以上のレベルだし、属性攻撃を複数回同じターン内に受ける戦闘で三色ガードをグリモア経由で複数使う場合を考えてな」
静葉「そんなのあるのね。
結局、レベルを3つあげたことで一応勝てるまで行ったと」
諏訪子「最後は発狂する直前、文のフォースブレイクでサテライトキラーを全部叩き落とし、アクトブーストからのチャージサンダー4連打からの英雄インボルブで削りきった。
余談だが、限界突破させてすら確率発動のダブルアクション、ガンナーでブースト発動中は確実に発動するようだな。だから本来の一発とアクトブースト、ダブルアクション分とそのアクトブーストで通常の三倍以上のダメージが叩き出せる。本当に、手数の多さは神だな」
諏訪子「…というわけで、最後まで結局かごめのアホは帰ってこなかったが、これにてクラシックは一区切りを迎える。
だが、ストーリーが佳境に入ったと錯覚しておられる方もおられるだろうが…まずその認識は間違いだ、ドブにでも捨ててくれ。
むしろこのストーリーのもう一つのメイン…ギンヌンガの最終決戦がこれから始まる」
静葉「私さあ、実は最近のポップンの新イベント見てちょっとその辺不安があるのよね。
3月の新イベントで新キャラ登場した回で、なんか久しぶりにヴァイスを見たと思ったら何かすっごい「僕ラスボスです^^」みたいなのが露骨に登場してたじゃない。
此処まで紫が全く絡んでないあたり、あの狐野郎がまた飛んでもねえ悪さを企んでるんじゃないかって」
諏訪子「それは…うんまあ、多分今後もなんだろうな」
静葉「どういう事?」
諏訪子「多分金竜の辺りではっきりはさせると思うが、幻想郷そのものを揺るがすような大事件にはならない。
その前に終わっちまう案件ではあるし、そっちの方は公式というか烈がどうにかするだろって言うかあいつがどうにかしなきゃならん事だしな。
その関連ってわけでもないが…そうだな、ウルトラセブンの最終話みたいな感じになってるとでも思ってくれればいいよ。あとは改造パンドンを倒すだけとか、そのくらいまでは解決してる前提で話することになってるし」
静葉「つまりまたそういうわけのわからないストーリー展開を考えていると」
諏訪子「ついでに、美結だけじゃなくつぐみもこの時点でラピスを得た風な運びになると思うな。
イベント追加されてもかごめの立ち絵は過去のままだしな」
静葉「狐は「ラピス絵でかごめとかやめてくださいしんでしまいます」とか散々ほざいてるしね。
最も、描かれりゃ描かれたでどうせうひゃらほひゃほーい!!とか小躍りしながら使うんでしょうけど」
諏訪子「正直、全盛期に比べて衰えに衰えた狐野郎をポップンに繋ぎとめてるのって、今回のキャラに焦点を当てたストーリーと、美結と、あとにこきゅっぴん先生とスター仮面くらいしかないからな。
兎に角だ、前回みたいに事情せず幻想郷の危機だとか、過去がどうしたとかいう話するわけじゃない。地雷にはならんと思うね」
静葉「だといいんだけどね。
というと、次は」
諏訪子「実はてーの野郎には申し送ってあんだけど、あんたとてーで私達がこれから禁忌ノ森へ殴り込みに行く話をするから、その解説を恃みたい。
つまりアレだ、ゴーレム戦の解説だな」
静葉「いくらリメイクだからって、そんな軽々しく先の話のネタバレすることもないでしょうに」
諏訪子「今更だよそれも。
じゃ、今回はここまでだ。あとはこの戦いのエピローグに続くよ」
…
…
♪BGM 「たったひとつの願い」/伊藤賢治(ロマンシング サ・ガ ミンストレルソング)♪
猛攻を続けていた破壊魔獣も、リリカの最後の一撃…こいしの放つ大地の魔力を巻き込んだ必殺の一閃を受け、ついにその強靭な身体を地面へと預けた。
彼女が槍を引き抜くと、どす黒い血液が床に滲み始め…そして。
-君たちが…私を止めてくれたのか-
何処からか、弱々しくその青年の声が響く。
見れば…ジャガーノートと呼ばれたその魔獣は、うっすらと目を細く開け…何処か穏やかな表情で、少女達を見つめている。
-私の仲間達も…このような姿になり果て、君らや…他の冒険者に討たれていったのだろうな。
否…私が討った魔物の中にも…こんな運命の者もいたのか…-
「…でも、クロガネは違うわ。
私達の大切な仲間が、彼の最期を看取った。
そして…彼や、あなたの意思を継いで…上帝を討ったわ」
-そうか…!
私が…彼女の…彼女の影に見たのは、見間違いでは…なかった…!-
ジャガーノートの瞳から涙が零れ落ちる。
レミリアは…最早立ち上がることもできぬその巨体にそっと手を触れて…穏やかに語りかける。
「だから…あなたも安心して眠ればいい。
もう、戦う必要なんてないのだから…私達が…クロガネの所まで連れて行ってあげるから…!」
その言葉に応えるかのように、ジャガーノートだったその存在が光に包まれ…霧散していく。
最期に…「ありがとう」と、その言葉だけを残して。
…
フランの渾身の一撃を身に受けながら、なおもオーバーロードは足掻く。
上帝と称する者とは思えないその見苦しさとは裏腹に、その狂気じみた悲痛さが、必死さが…てゐには何処か、どうしようもなく哀しいものに映っていた。
-我は…われハ、皆を護るノダ!!
我を信ジ、ついてきテクレタモのたチヲオオオオオオオ!!!-
「ちくしょうっ…こいつ、まだ…!」
振り落とされてきたフランを受け止めながら、みとりは歯がみする。
戦いの中、幾度となく見たオーバーロードの力の収束が…額のコアに光がともっていくのが見て取れる。
それと共に、獣のような狂おしい咆哮をあげるオーバーロードの身体もぼろぼろと崩れ落ち、砕け始めている。
「暴走してやがるのか!?
こ、これかなり拙いんじゃ」
「問題ねえよ。
力が外へどんどん逃げてる。
フランのあの一発で、もうこいつは戦える力なんて一片も残っちゃいないよ。
だが」
てゐは哀しそうな瞳のまま…崩壊を続ける哀しき上帝の元へと歩み寄っていく。
「あんたも…苦しかったんだろ。
今、楽にしてやるよ。
だから……もう、いいんだ」
てゐは残った力を振り絞り、霊攻大斬の刃を振るう。
袈裟掛けに穿たれた傷口から爆発的なエネルギーが血の如く噴き出し…そして…コアの光が急激に弱くなっていく。
そして、その五体も急速に崩壊して光の粒子へと変わっていく。
それは過去に囚われた亡霊の、断末魔のように。
その光の粒子が天へと帰る中、オーバーロードの額の部分からゆっくりと、杯の様な宝器がゆっくりと降りてきて…てゐの手の中へと収まった。
宝器は簡素な造りではあったが、細かい文様が美しく掘られ、淡く銀の光を放っている。
溢れだすような生命のエネルギーが、そこから感じられ…彼女は確信する。
「自ら、この聖杯と融合していたのか。
あいつ、きっと…解ってたんだな」
呟くその瞳から、涙が一滴零れ落ちているのを、見た者はいなかっただろう。
だが、振り向いた表情は、何処までも哀しげで。
「こっちでやれることは、これで終わりみたいだ。
…帰ろう、ハイ・ラガードへ。
公女サンも…私達がこれを持って帰るの、首を長くして待ってるだろうしさ」
額から流れる血の跡を拭おうともせず、文は苦笑して応える。
「結局、最期の最後までいいところは皆あんたが仕切っちゃってるわね。
…でも…そのお陰で、私達は生きて帰ることができる。
なんて言って感謝すればいいのか…私に気の利いた言葉は思いつかないわ」
「なんだっていいだろ。
その辺はアレだ、流石数千年を生きた素兎は格が違ったぜすごいなーあこがれちゃうなー、でいいんじゃねえの?」
「軽いよな、お前も本当に。
……私は、まだまだだ。にとりがそう出来たように、まだ、私にはそこまで出来たように思えない。
もし…この先も冒険が続くなら…私は、まだまだ学ばなきゃならない事が…知らなきゃならない事が、山ほどある気がする」
そうつぶやくみとりを、不意にフラッシュの光が照らす。
「私は、今のあなたの顔も、あの時見たにとりの顔も、同じように見える。
…どんな小さな変化もあまさず追っていくつもりでいたけど…あなたの変わりようは、私のファインダーでも追い切れなかった。
けど…今確実に、いえることはある」
何時の間に取りだしたのか、カメラを下ろす文が、穏やかに笑う。
「今のあなたは、とてもいい目をしてるわ。
盾として不十分なところもあるけど…今度こそは、その成長ぶりをあまさず収められるよう、私も頑張らないと」
当惑するみとりの腕の中で支えられているフランも…総ての力を使いはたしたのか、声を出す事はなかったが…笑って頷く。
みとりもようやくその時になって、表情を緩めた。
そこへ、階下の戦いを終えたリリカ達も集まってきて…てゐはアリアドネの糸を天高く掲げた。
それは、伝承の終焉を告げるものか。
それとも、新たな伝説の幕開けとなるのか。
ただ一つ言えるのは…過去から続くその因縁の一つが今、異界の少女達によって断ち切られたということである。