「きっと…きっとご無事と信じておりました…!」
そう言って、街に帰りついた10人を待っていたのは…天空の城から飛ばされてきた瓦礫で所々崩壊したハイ・ラガードの街と…泣きそうな、それでも満面の笑顔で駆け寄る公女。
後ろの方には、アントニオや、いつも通りの仰々しい甲冑に身を包んだマリオンなど見慣れた街の者達も、一仕事終えてその辺りに屯している衛士隊や、街の勇士と思しき若者たちの間で溜息を吐く。
「あっちゃあ…結構考えなしにドンパチやっちまったけど、よくよく考えれば私達はあの空の天辺でやり合ってたわけだからなあ」
「けっ、やっぱりテメエらがなんかやってやがったのか。
こっちはいきなり、空から瓦礫の雨やら、なんかよく解んねえ鉄の人形やらが降ってきやがってな。
中には、お前らも落ちてくるんじゃねえかってほざく奴もいる始末で、大騒ぎだったんだぜ」
他人事のように呟く魔理沙に、呆れ顔のアントニオが肩を竦める。
「…だが、それだけの凄まじい戦いが、あの空の上で起こっていたというなら納得もできよう。
そして、それはお前達でしか成し得ず、それに打ち勝ち生きて戻ってくることもまた…。
何をやってきたかは知らんが、目的は果たしたのだろう?」
マリオンの言葉に頷くてゐは、バックパックに入れていたその聖杯を、公女へと差し出す。
「これ…は!」
「約束しただろ、空の上にいる馬鹿野郎をぶちのめしてくるついでに、持って帰ってくるって。
…これで、あんたの希望はかなえられる。
作業者が必要なら、私が力になるよ」
てゐは周囲の事を…公王の病の件を巧みに伏せながら、にっこり笑いかける。
公女は、驚きに目を丸くしながら、恭しくそれを受け取った。
「本当に…本当になんとお礼を申し述べれば…!!
皆様の功績は、先に爺が…大臣が約束した、貴族として取り立てる程度ではとてもとても足りるものではありません…!」
涙ぐむ姫に、てゐから視線を受けた文も、みとりも、フランも…皆が頷く。
「貴族、ねえ。
確かにそういうのになるのも面白そうだけど、窮屈なのはごめんだわ」
「そうですね。
というか…今更かもしれないけど、元の世界に戻れば私達も似たようなものというか」
「…あのね、フラン。
あなたはいまんとこ何もしてないし、スノームーン伯爵つき紅魔の領主は一応私なんだからね?」
「間違ってないじゃない……関内候とはいえ貴族の妹だって、公女みたいなもんでしょうに。
第一レミィ、あんた自分の知行地見に行ったことあるの? 私はあるわよ結構いいところだったわ」
そこへ、いつものような穏やかな笑い声と共に、ダンフォード大臣も歩み寄ってくる。
「この老体、まだ今ひとつ貴殿らの事情を理解しておらぬ身で言うのもなんですが…少なくとも、今の貴殿らには、この国の貴族などというしがらみも窮屈なモノかもわかりませぬな。
しかし、貴殿らの尽きることなき探究心が、このハイ・ラガードを救ったのは紛れもない事実。
なれば、それに代わる十分な報償をお渡しするのが、我らの義務」
大臣が合図すると、控えていた衛士の一人が恭しく、簡素ではあるが美しい彫刻を施された小さな箱を差し出し、その中身を示す。
中には、この国の紋章が刻まれた、高貴さの感じられる宝石飾りが収まっている。
「これは…ハイ・ラガード公国において、公国の為多大な功績を挙げた者に、その功績を永劫まで讃えるため与えられるもの。
…ほっほ、安心しなされ、これ以外の報償もちゃんと用意しておりますぞ」
「その為に、この大変な折に私に料理をしろとおっしゃったのですか、お爺様?
まあ…お前達の帰りを待ちわびていたのは、私も一緒だ。
宴の用意はできている、さあ、紅茶館へ来てくれ!」
レジィナの言葉に応えるかのように、わあっ、と少女達の歓声が上がる。
街の英雄となった彼女達、ギルド「狐尾」の凱旋に涌く街の片隅で…その喧騒から様子をうかがっていたかごめが、傍らの諏訪子に頷く。
「こっちはどうやら、一段落ついたようだな。
危なっかしいところあったかも知れんが…まあ、杞憂だったな」
「そういうことだよ。
さて…此処からは、あたし達の時間だ。
天空の上、作られし箱庭への道は開かれた」
かごめはその身をひるがえす。
森へ向かうは…諏訪子、さとり、レティ、ヤマメ、幻想の世界でも音に聞こえる古豪の猛者達。
「いくぞ!
ギルド「森狼」はこれより、封じられし「禁忌ノ森」へ向かう!!」
宣言するかごめの手に掲げられるは…どす黒い血を満たす、鈍色に光るもう一つの聖杯。
今、ハイ・ラガードの歴史に刻まれることなき戦いの幕が上がる。
「狐尾幻想樹海紀行 緋翼の小皇女」
第二十七夜 かごめさんと禁忌ノ森
静葉「どうも、ここでの出番はさほどでもない静葉さんです」
てゐ「なんだなんだなんだ、カエルに無理やり引っ張りだされてきたと思ってたらお前がそれやんのかよ。
ったく、こっちゃラスボス戦終わってひと段落ついてゆっくりしようとでもしてたのに」
静葉「あなた前のところで少し出てたんだから知ってるでしょうに。
前作はもうgdgdになって終わったけど、ポケモンと一緒で世界樹もむしろここからが本番よ(キリッ」
てゐ「そういうもんかいねえ。
まあそういえば、前回何気に赤竜だけは葬ってないんだよね。
そもそも金竜氷竜もエキスパじゃなくてスタンで狩ってたし」
静葉「金竜は次で語られるんだけど、今回の金竜も十二分に狂ってるからね。
これでもSSQ以降での金竜は最弱竜というか、一番最初に出会う三竜にされてるんだから意味が解らないわ
てゐ「お前じゃなくて諏訪子とレティが散々わめいてたしな。
タルシスの金竜が一番狂ってるのに、アレを三色ガード抜きでやれとかスタッフバカジャネーノって」
静葉「むしろフタ開けてみると一番狂ってるの赤竜なんだけどね」
静葉「今回はいよいよ、クリア後迷宮である第六階層・禁忌ノ森へ突入するわ。
今までの第六層かそれに相当する場所というとまあ、なんというか色々SAN値をがりがり削られそうな場所だったけど」
てゐ「普通にコズミック・ホラーの方面から攻めてくるSQ3SSQに比べると、SQ4はもう単純に怖いよな。
なんだろう、初代ポケモンのシオンタウンとポケモン屋敷を足して二で割ったような」
静葉「発生するミニイベントも神経を少しずつやすりがけしていくようなスタイルの怖さだし」
てゐ「…いちいち例えが怖ぇよあんた。私も言えた義理ぁねえだろうが。
ただ、そういう意味での怖さは、SSQ2の六層もSQ4に通じるものはあるわな。
一見普通の森なんだけど、明らかに作りモノっぽい景色と森が」
静葉「そういう意味で、不気味さに関してはシリーズ随一、というボウケンシャーも決して少なくないわ。
勿論魔物の強さも相当すっ飛んでるわよ。けど、此処を十全に探索する為には、クリア後もひと仕事しなきゃならないわ」
てゐ「へえ、クリア後無条件解禁じゃねえのか」
静葉「ええ。
そして、六層の探索条件を満たすことで発生するクエストも多いわ。
三竜討伐クエストもそうね。
まずは、六層探索クエストの解説からするわね」
静葉「まず、クリア後に解禁されるクエストで重要なモノは「もう一つの聖杯」。
クエストを受領すると、大公宮でダンフォードから、持ち帰った諸王の聖杯と対になる「もう一つの聖杯」の探索を依頼されるの」
てゐ「ほう。
そもそも一つ目の聖杯も、最終的に公王がどうなったかとかそういう話されないで終わるよな」
静葉「それわりと昔から言われてたから。
で、これはメモの記述に従い、25Fでオーバーロードと戦った広間の前の部屋の中央でイベントが起きて自動入手するわ。
これを手に入れて戻るとイベントクリア。次に、翼人が宝物庫から貴重品を持ち出すのを手伝うクエスト「崩壊までの秒読み」を受領できる。
23F左の小部屋でジュエルリザード5匹と戦わされるけど、まあこれも大して難しいクエストではないわね。
…何気に復活条件満たしてたジャガーノートをもののついでみたいに狩ってやがったけどあの連中」
てゐ「えっ、あれも復活すんの?」
静葉「26F到達以降14日経過ね。
なおジャガーノートを脚封じ撃破でレアドロップ、これはブシドー最強鎧の素材になるからね。
そこはさとりが3点縛り決めて、ピクニック補正の乗ったリミットレスエクスタシーをぶち込んで75000近いダメージ叩きだして瞬殺してたわね」
てゐ「これまでの死闘()が本当に空々しく思えてくるデタラメぶりだな」
静葉「あの連中の好き勝手は今に始まったことじゃないわよ。
で、このクエストを終えると、クァナーンから正式に依頼が来る「啜れ、古なる血の杯」が発生する。
なおこのクエストでもまたしてもというか、ジャガーノートと戦わされるわ」
てゐ「∑( ̄□ ̄;)またかよ!!
というか、直前クエストで道すがら狩ってたってことは、復活まで待たなきゃクリアできねえんじゃねえの?」
静葉「ところが受領と同時に即復活するみたいなのよ、あの破壊神。
なお、リメイク前だとジャガーノートなんてバケモノとは戦わずに済むわ。階層何処でもいいから、FOEを6体狩ればOKだから、角鹿でも適当に狩ればいいわね」
てゐ「なにその落差」
静葉「このクエストを終了すると、クァナーンに27Fの小部屋…解禁時点で唯一行ける場所へ来るように言われるわ。
そこでイベントが発生して…ここからが、今回の本番ね」
…
…
「来てくれたようだな。
「呪銀の聖杯」の血は、満たされているか?」
一見、穏やかな風景が広がるその森の奥で、彼は待っていた。
かごめは、禍々しく光るその杯を手渡す。
「あいつらがダメそうならこっそり乱入しようと思ってたんだけどな。
…なにしろ、この「死の聖杯」が封印してあった部屋でドンパチ始められるなんて思ってもねえし…まあ、お陰で勝手に条件は満たされたがな」
「かごめよお…お前がろくすっぽ趣旨も説明しないで色々勝手に進めてくのには慣れたつもりだけど、いい加減お前が何やってたのか教えてくれたっていいじゃんよ。
どうもこの森落ちつかねえ、魔物の気配がねえし、どう見ても作りものにしか見えねえけど…なんかな」
眉をひそめるヤマメ。
その問いに、クァナーンが応える。
「我らの聖地において、我らの掟を定め、その声を聞いていた星。
その星があったのは、「天ノ磐船」と呼ばれたその場所であった。
天の星々も、いずれは消える…されど我らが星は消えず、遍く時と場所にあって我らを導くものとされていた」
「…その星は、あいつらが討ったオーバーロード…上帝とは違うのか?」
クァナーンは頭を振る。
「今となっては解らぬ。
ただ…土の民の言葉を借りるなら、それは神というべきものであっただろう。
もし、上帝がそれであったのなら…今はその「星」が失われた状態ではないのか? それとも違うのか?
我ら翼人はいかなる定めの元に生まれたのか? 何のために、今ここに存在し続けているのか?
…我は、一族の長としてではなく、我個人としてそれが知りたい」
答えになってねえじゃねえか、と眉をひそめるヤマメにも構わず、彼はその中心に歩み出して言葉を続ける。
「我らの伝承に伝わる最後の言葉だ。
「星」に何かが起きた時、「禁忌ノ森」の扉を開き、この地に終わりをもたらせ…とな。
この先になにが潜んでいるのかは解らぬ。
だが…そこに脅威が残っているのであれば…我らと、土の民の未来のため、それを知るものが取り除かねばならないと」
呪銀の聖杯を安置し、そして意味の解らぬ呪言の様なものを唱えると…鈍色の杯は光を放ち、宙を舞う。
「この聖杯は、鍵だ。
「星」が定めた結界を開く、鍵。
この先になにが待ち受けているのか解らぬが…古き盟約の言葉よりも、さらに古きその言葉を知っている君たちにこそ、その行く末を託したい」
「勝手だな、それも。
だが」
「最適な退屈しのぎだと思うがね。
結局、妖怪も神も一緒だ。あの幻想郷って世界に長く世話になってると、どうもヒマなだけで死んじまいそうだ」
「ビョーキだな、マジで」
型を竦める諏訪子に、呆れ顔で笑うヤマメ。
それを、珍しくもかごめが強い語調でたしなめる。
「一応遊びじゃねえんだぞこれは。
この森の封印を解くことは、ギンヌンガにかけられた最後の封印を解くことと同義だ。
…そして…あの連中のな」
真剣な表情で頷くさとり。
「確かに「幻想郷という世界での八雲紫の役割」は、終わったのかもしれません。
ですが…用がなくなればこの世界に居場所がなくなってしまうなんて、あまりにも残酷すぎる。
…三竜のドラゴンハート…今はその力を得たものを一人でも多く集め、幻想界へつなぎとめる最後の要石とする…その為に」
「別にそれに囚われる必要もないんだけどね。
ただ、今の…輝針城の異変で多くの力を失ってしまった紫ひとりに押しつけるには、あまりにも無責任過ぎるじゃない。
自分の高みを目指す、なんて、私達のキャラじゃない気もするんだけど」
穏やかな表情のまま、溜息を吐きクァナーンが言葉を告げる。
「我にもよく解らぬことが多いが…君たちには、その目的も覚悟もある事くらいは解る。
此処からは、任せるぞ。
準備ができたら…あの剣を抜き…そしてこの森の封印の巨神を倒すのだ。
それで、封印は開かれよう」
目の前に突き刺さる一本の剣を指差し、そして…その姿が空へと飛び立つ。
「健闘を祈る。
汝らの進む先に…大いなる定めの加護あらんことを」
作り物ではない、その空の先に飛び去っていく影を見送り…かごめはその剣に手をかけると、一息に抜き放つ。
既にさびて古びた剣は武器として役に立つ代物ではなかったが、剣を抜いた瞬間、凄まじい殺気と共に地鳴りのような足音が、背後から迫ってくる。
ゆっくりと振り向いた先には、巨大な石造りの魔神が、攻撃的に灯る紅い瞳でこちらを見つめている。
「こいつが、番人か」
「ウォーミングアップには丁度いいな。
ぬかるなよ、あんた達」
口の端を釣り上げるかごめが、ゆっくりと腰の大業物を抜き放つ。
その剣気に反応したゴーレムの拳が地面を穿ち、それが戦いの号砲となった。
…
…
静葉「というわけで、ゴーレム戦ね。
先に言っておくけどこいつも復活はするわよ、30F到達でね」
てゐ「そういう情報はどうでもいいだろ。
しかし、クリア後すぐまたボス戦あんのか」
静葉「一応こいつらもエキスパートで戦ってるわ。
まずはゴーレムの解説からね」
禁忌ノ森27Fボス ゴーレム
レベル63 HP18000 物理全体に強め/属性全般に弱い 即死・石化無効/呪い、毒、頭封じ、脚封じに弱い
フラッシュ(頭) 全体に盲目付与
パワーオブロック(腕) 全体に近接壊攻撃。自分の物理攻撃力をアップさせる。効果ターンは最初は5ターンだが、使用するたびにダメージと強化倍率が増え、継続ターン数が短くなる。初手とゴーレム自身の強化枠がないときに使用。
ロックハンマー(腕) 近接拡散壊攻撃
トリプルハンマー(腕) ランダム3回近接壊攻撃
フォースウォール(頭) 5ターンの間属性防御力をアップ。ターン消費なしでターン終了時に使用。
リジェネ(頭) 4ターンの間、ターン終了時にHP1000程度回復
※HPが0になると、1度だけ食いしばってHP9000を回復する。毒ダメージや呪いの反射ダメージでHPが0になっても同様。
静葉「HP的には実質、オーバーロードと同じくらいね。
厄介な異常付与はフラッシュくらいで、それを回避できればあとはパワーオブロックの対応がカギになるかしら」
てゐ「使うたびに威力と効果の上がる全体攻撃っておい…強化枠なくなると使ってくるってことは、もしこっちから相手の強化枠を解除したりすると」
静葉「当然、次のターンで即座に使ってくるわ。
つまりこっちから解除してやれば、それだけ向こうの火力が上がっていくペースが速くなるだけよ。攻略ガイドだと「さっさと強化打ち消して腕縛っちまえ」とかトチ狂ったこと書いてあるけど、自殺行為も甚だしいわ。
そもそもこいつ、腕縛りが非常に入れにくいし」
てゐ「頭は解るけど、脚縛りいれるメリットってなんかあるんかこいつ?」
静葉「特にないわね。
頭はリジェネ、フォースウォールと言った面倒なスキルを封じれるから、どっちも使い始めるHP10000辺りから積極的に狙った方がいいわね。
フォースウォールの軽減率は、ジャガーノートの蛮勇の障壁と同等くらいよ…ただ、こいつを残しておけばパワーオブロックを使わないから、あえて軟身とかでカバーしつつ物理で攻めるのも一つの手かしらね。
あと、今までのシリーズだと即死も効いたし、なおかつ毒や呪い反射ダメージで倒した場合は食いしばり発動しなかったんだけど…今回はその辺りが地味にパワーアップしてるから注意が必要ね。
次はかごめ達よ。連中のスキル構成を見たほうが、どう戦ったのか説明もしやすいし」
てゐ「ん?
強引に三点エクスタシー狙いまくったとかじゃねえの?」
静葉「エクスタシーを主力にしたのは確かなんだけど…」
かごめ ブシドー
逆袈裟1 斬馬3 卸し焔★ ツバメがえし★ 阿吽の尾撃5 後の先★
刀マスタリー★ 物理攻撃ブースト★ HPブースト1 TPブースト1 青眼の構え5 居合いの構え1
グリモア:フェンサー(氷1)★ 刀マスタリー★ 物理攻撃ブースト(壊2)★ 上段の構え9 畏れよ、我を(炎3)9 竜の鉄槌9
諏訪子 メディック→ドクトルマグス
巫術:再生★ 再生帯5 再生陣5 鬼力化★ 皮硬化1 脈動5 呼応7 乱疫3 転移3 結界★ 反魂5
巫剣:霊攻衰斬1 霊防衰斬1
巫術マスタリー★ 巫剣マスタリー3 抑制防御ブースト1 TPブースト1
グリモア:巫術:結界★ 巫術マスタリー★ スネークアイ9 抑制防御ブースト7 パワーゲル(封じ回復2) メディカルロッド★
ヤマメ ダークハンター
ヘッドボンデージ7 レッグボンデージ7 レッグボンデージ7 エクスタシー★
アナコンダ1 ブラッドルージュ1 スネークアイ5
鞭マスタリー★ 抑制攻撃ブースト★ 七転八起★ 物理攻撃ブースト9
グリモア:巫剣:霊攻大斬★ 鞭マスタリー★ 物理攻撃ブースト★ TPブースト★ ダブルアクション★ リミットレス★
さとり カースメーカー
力祓いの呪言4 軟身の呪言1 幻惑の呪言2 催眠の呪言1 狂乱の呪言5 病毒の呪言★
封の呪言:頭1 封の呪言:腕1 封の呪言:脚1 畏れよ、我を★ 命ず、自ら裁せよ1 呪鎖の恩恵★ ライフトレード1
呪言マスタリー★ HPブースト★ TPブースト1 抑制攻撃ブースト★ 抑制防御ブースト1
グリモア:核熱の術式(氷2)★ エクスタシー★ 呪鎖の恩恵(炎1)★ スティグマ(炎1)9 石化の眼光(壊1)8 抑制攻撃ブースト9
レティ パラディン
フロントガード1 バックガード1 ファイアガード9 フリーズガード9 ショックガード9
ヒールガード1 センチネルガード★ シールドスマイト5 シールドラッシュ1
盾マスタリー★ HPブースト5 物理防御ブースト5 属性防御ブースト5 決死の覚悟2 パリング★
グリモア:パリング★ 盾マスタリー★ 忠義マスタリー9 癒しのリズム8 抑制防御ブースト8 フロストファング8
てゐ「なんかかごめのスキル構成簡素っつーかわかりやすっつーか。
後で見返したら、最終戦の私のスキル構成すっごくごちゃごちゃしてて自分でもワケ解んねえしな」
静葉「ブシドーやダクハンは特化させやすいからね。
よくも悪しくも器用貧乏になりがちで、主要スキルの前提スキル習得とかの多いマグスはどうしても、各所にSPを食うのは仕方ないと言えば仕方ない話よ」
てゐ「気になるのは諏訪子の呼応だな。
なんだっけこれ、私まだ今の時点では取ってないけど、対象1体の魔物が攻撃してきた場合HP回復だったっけ?」
静葉「ええ。相手の弱体枠に入るわ。
こちらから仕掛けられる、ほぼ唯一のHP強化に関わる弱体スキルね。
一応、これで相手のリジェネを打ち消す事もできるけど…相手の攻撃が激しく積極的であるほど、この効果は絶大よ。実際に、回復の手間がかなり省かれる」
てゐ「ほほう。
あと同じパラディンでも、レティのセンチネルガードも全振りしてあんだな」
静葉「全体の防御力を自分と同じにして、なおかつあらゆるダメージを軽減させるスキルね。
代わりに、次のターンシールドスマイトまで含めたあらゆる盾スキルが使用不可能になるけど…これはむしろ、文と組ませると進化を発揮するスキルよ。センチネル発動した次のターン、スケープゴートを使えばパラディンが防御してるだけでほぼ同様の効果が得られる」
てゐ「それなら別に身代わりでもいい気はするがな。
そうするとあと攻め手はかごめの卸し焔と、呪鎖スティグマからのエクスタシーか」
静葉「累積耐性もあるから、一回縛りが解けたら今度は毒か盲目入れてトランス霊攻大斬を狙うわ。
ゴーレムはその意味で、ほとんどヤマメとさとりで倒した様なものだわ。レティが相変わらずダメージほとんど貰わないものだから、ほとんど苦戦する要素なかったわね。何しろ、ダメージを負えば負う端から呼応の効果で回復しちゃうんだし」
てゐ「それもひっでえな。
ふーん、呼応結構便利だな。私今後出番あるか知らねえけど覚えてみるかなあ」
静葉「あ、そういえばあなたには多分、例の連中がらみのクエストがあるから出番はあるわよ。
その気があれば、赤竜か氷竜か相手で出番もあるだろうし」
てゐ「あ、もう一番楽な竜に当たらせて下さる選択肢ねえんですか(しろめ」
静葉「金竜はほら、幽香ちゃんの獲物だから、手を出したら後が怖いわよ?
というわけで今回はここまでよ。次回はいよいよ幽香が金竜にリベンジするお話ね。
一応かごめも戻ってくるとは思うんだけど…」
てゐ「……美結達の話だよな。
なあ、次も私にやらせてもらっていいか?」
静葉「余程、あの子の事が気になるみたいね。
問題ないと思うわ、かごめも一仕事終えてきたなら、しゃべくるのも面倒くさがると思うし。私も付き合いましょうか。
というわけで」
二人「ノシ」
…
…
「急げ!!消火作業を優先、付近の冒険者もかりだして構わん、作業に当たらせろ!
当該地区の住民は大公宮へ避難!
おい、誰か今すぐ薬泉院から治療士を! けが人の手当ても同時だ、ぼやぼやするな! 事は一刻を争うぞ!!」
倉野川での騒動を解決し、戻ってきた美結達が見たその光景は…フラン達の戦いのとばっちりから復興に着手した街が、金色の影に襲われる光景と…そのもたらした被害に混乱する街の人々の姿だった。
血相を変えて駆け寄る美結達に気付いたマリオンが、こちらも駆け寄ってくる。
「マリオンさん!
これは…一体何が」
「お前達か!
私にもわけがわからん。突如、天を黒雲が覆ったかと思うと、途轍もない咆哮が響くと同時に無数の雷が街へ降り注いだのだ。
被害にあったのはおもに西側だが…幸い、中央部をはじめとしたそのほかの地域の被害は軽いし、死者の報告もいまのところないようだ。
お前達も無事だったとは心強い、手を貸してもらえるか? まだ、家の崩落や火事に巻き込まれた者も数多い」
「もちろんめう!」
「手分けして行った方がいいな。あたいとめう、つぐみと美結で組もう」
「了解っ!」
少女達は手分けして、マリオンの指示に従う衛士や他の冒険者有志に混ざって救助活動にあたり始める。
美結とつぐみは、濛々と黒煙が上がる西側を目指して駆けて行きながら…神妙な顔つきでお互いの顔を見合わせる。
「つぐみちゃん…あの影、もしかして」
「…間違いない。
あいつ、きっと私達を追って降りてきたんだ。
空から駆けあがっていくあの姿は、あの瞳は…怒りと苛立ちに満ち満ちていた。
自分の血の昂ぶりに耐えかねて…でも、きっとあんなものでは全然満ち足りていない筈…!」
立ち止まるつぐみ。
一拍置いて…美結はその手を取って諭す。
「…ダメだよ、つぐみちゃん。
あなたのせいじゃない。
あいつに対して何もできなかったのは、私達だって一緒だよ…!」
「美結…ちゃん」
俯く美結の表情は伺えないが、その声は震えている。
「私…私もね、悔しかったんだ。
あなたと幽香さんの後ろで、震えて何もできないでいた自分が。
私が手にしたこのチカラは、何のためにあるのかって…そのチカラを振るわなきゃいけない時が、理由が、そこにはあったはずなのにッ…!」
つぐみは、暫く呆然とその姿を眺めていいたが…不意にその手を振りほどくと、美結の身体をぎゅっと抱きしめる。
「くやしい…そうだよね、悔しいよね。
私だって…私だって何もできなかった…とっても怖かったんだ!
だから…だから…あいつは、私達が止めなきゃ…今度こそ!!」
「うん…!!」
溢れる涙を強引に振り払い、ふたりは再び火の手の方へ駆けていく。
その姿を見守っていた幽香もまた、その意思を新たに天を睨む。
「今度は…逃げるつもりはないわ。
必ず私が…いえ、この私達の手で、あんたを八つ裂きにしてやる…覚悟なさい、金竜!!」