♪BGM 「情景 しじまに吹く風」(SQ4)♪
「めうちゃん。
どうしてめうちゃんは、危険だと承知の上で、そんな世界へ戻ろうとするんですか?」
めう達が、倉野川から戻るその前の日のこと。
食べ納めとばかりに、シャノワールへ「ちくわパフェ」を食べに来ていためうを待ちうけていたのは、心なしか怖い顔でそう問いかける咲子だった。
気付けば、戸口のところにはまり花もいて、この場から逃がさない、とばかりに入り口で仁王立ちしている。
ライバル(と、めうとまり花は思っていなかったが)のアイドルユニット「ここなつ」の一人である東雲心菜失踪という大事件を解決し、その双子の姉である夏陽とも良好な関係を持つことが叶ったことで、まるで「この地で成すべきことは終わったとばかり」に、めうは折しも二回目の精密検査を終えた美結とともに、再び樹海の冒険へ戻るつもりでいた。
もっとも、その冒険で成すべきことも、恐らく最終盤に差し掛かっている。
それ故、彼女らに求められる戦いは、これまで以上に過酷なモノであることは、めうももとより承知の上だ。
そして、恐らくそう問いかける咲子も、まり花も…薄々、それを感じ取っている。
「確かに、めうちゃんは今まで、ゲームさんでライバルさん達と、いっぱいいっぱい競ってきたのは私も知ってるつもりです。
でも……私達だって馬鹿じゃない。
本当は、めうちゃんがこうやって帰って来て話してくれる様な、笑い話で済まされるような体験ではないことぐらい」
「そうだよ、めうめう!
なんで、なんでめうめうが命をかけてまで、そこまでしなきゃいけないのか、私には解らないよ!
イブやりんちゃんは冷たいよ…バンドの仲間が…ううん、私達の大切な友達が、明日にも死んじゃうかもしれないっていうのに…そんなの、酷過ぎる…!」
恐らくは、昨日から何度も何度も泣いて、泣き腫らしただろう目に…尽きぬことない涙を湛えるまり花が訴えるように告げる。
めうは…何処か観念したかのような…否。
ふたりに諭すように、言葉を紡ぎ始める。
「まりり、さきき。
この間…夏の時に話したよね。
「私」のおばあちゃんが、この街を作った一人だって…この街を、外の「黒森」から隔絶する為の倉野川大結界を、自分の命と引き換えに作ったって」
哀しそうな表情のめうは、二人が頷くのを待ってから言葉を続ける。
「この街は、元々因幡地方の小さな海沿いの村を…そのまま幻想界に持って来て、そこがベースになってる。
だから、その地方に人知れず伝わっていた、舞御前様の伝承も…幻想郷に今でも生きている、因幡の素兎の「真の伝承」も伝わっている不思議な土地になった。
今の人界にはない、人間が人間らしくゆっくりと生きる、そんな街として造られた」
「それは…その後、かごめさん達からも聞きました。
でも、その事になんの関係があるの?」
めうは、後ろにいたまり花も、咲子の隣に並べて、そして真剣な表情で告げる。
「私は…めうは、めうのチカラでこの街の結界を蘇らせたい。
ばあちゃんが、私に託してくれたこのチカラでしか、出来ない事だから。
でも…今のめうのチカラじゃ、全然足りないめう。その為に…めうはもっともーっと、戦って力を付けなきゃいけないお」
「だから、どうして!」
「聞かれるまでもないめう!
めうは…めうはこの街の事も…まりりやさきき、バンドのみんなも…みゆゆやつぐみん達新しい仲間の事も、みんなみんな大好きだからだよ!!
みんなで一緒に笑える未来を、私達の子供や孫の世代まで、残していきたいから!!」
まり花も咲子も…驚いた表情で言葉を返せず立ちすくんでいる。
「だから、言ったじゃんよまり花、咲子。
こいつはこういう奴なんだって」
何時の間に店に入っていたのか…一舞が、何処か寂しそうに見える笑顔で、そう告げる。
そして、まんじりともせずに二人に真剣な視線を投げるめうの肩に手を置き、さらに続ける。
「あたしだってさ…めうが居なくなるの、嫌だよ。
でもさ、もうだいぶ長い付き合いになったから、なんかわかるんだ。
めう、結構頑固だからさ。ううん、それだけ、あたし達とずっとずっと、笑って生きていける未来を見てる」
少女の名を呟き、めうはその時初めて、一舞の方を見る。
彼女は笑って、悪戯っぽくその頭をかきまわす。
「めうも今言ったじゃん。
みんなで一緒に笑える未来、って。
こいつは…この超生意気なサイドテールは、自分が死ぬことなんて全く考えちゃいないし。
…だからさ…めう達が全部終わらせて戻ってくるまで、めう達の居場所を守ってあげるのが、あたし達の義務だしっ!」
「イブ…」
「夏陽達にも、凛にも、美結達にも声掛けといたよ。
みんなおっつけ、此処にやってくる。
せめて…いつもみたいに、にぎやかに送ってやんなきゃ。ふたりがそんな顔してたら、めう…心配して向こうに行けないじゃんか…!」
お互いの顔を見合せながら、しばしの沈黙が三人を支配する。
そして…咲子が一番最初に動いた。
「注文は…いつものでいいんですよね、めうちゃん。
またしばらく食べられなくなるんだったら、いっぱいいっぱい、腕によりをかけて作ってあげなきゃ、ですね!」
寂しそうな笑顔ではあったが、咲子もすべて納得してくれたのだろう。
スカートの裾を翻し、普段通りの調子で厨房へと戻っていく。
そして、めうをぎゅっと抱きしめるまり花。
「ごめん…ごめんね、めうめう。
私、わたしがもっと、めうめうの事信じて、あげなきゃいけないのにっ…!」
「謝るのは…めうもだお。
でも、でもめうは、必ず帰ってくる。また、樹海の面白い話、いっぱいお土産に持って帰ってくるから…!」
何時の間にか…一舞の集めてきた面々が、その小さな喫茶店へと集まっている。
その様子に、何事かを察しながらも、彼女達はその小さな冒険者を、盛大に送りだす宴を始めた。
…
めうは、うっすらと目を開ける。
一体どれほど長い間、気を失っていたのか。
ふらつく頭のまま、起きあがろうとする彼女は、全身を走る痛みに顔をしかめる。
「めうめう、ちょっと我慢して。
すぐに、治療終わるから…!」
真剣な表情で、それを制するつぐみの顔が見える。
気付けば、自分は彼女の膝の上に身体を預けている…つぐみも、決して万全でない状態なのは、その額から顎まで伝わる真っ赤な筋がよく物語っている。
めうは、意識を失う一瞬前の記憶を手繰り…そして、前衛の透子が逸らした牙の余波を受けて、つぐみごと吹っ飛ばされた事を思い出す。
おそらく、つぐみも自分を庇って、決して無視できぬほどのダメージを受けているだろう事を直観し、めうは目を伏せる。
「ごめんお…つぐみん」
「謝らなくていいよ、運が悪かっただけだから。
でも…まだまだこんなところで寝てるヒマなんてないよ、めうめう!!」
「…合点承知めう!」
十全ではないだろうが、傷の治療を終えためうが、跳ね飛ぶようにして地面に着地する。
(まりり、さきき、いぶぶ、りんりん先生…みんな!
めうは、こんなところでやられたりしない!
みんなと…此処で一緒に戦うみんなと一緒に必ず…必ず帰るから!!)
その意思を新たに、めうの歌の結界が雷鳴の座にこだまする。
彼女の想いを乗せて燃え上がる、烈火の歌が。
「狐尾幻想樹海紀行 緋翼の小皇女」
第二十八夜 天砕き、荒れ狂うは雷の王(後編)
静葉「後編でございまぁす(棒読み」
てゐ「おまいは一体何を目指そうとしてるんだ。
そしていきなり冒頭で総てのひなビタファンに喧嘩売るような真似しやがって。どうなっても私知らねえぞ」
静葉「いやまあ、そもそもめうめうが樹海に行く理由が今ひとつはっきりしてなかったからねえ。
此処でとりあえずははっきりとさせとくつもりで、あの狐はいたようでもありますし」
てゐ「まーそもそもこのメンバーに一人だけ、あのサイドテールが居るというのもナゾなところではあったがさ。
そういえば倉野川、バックボーンを見ると島根か鳥取にあるくさいんだよな」
静葉「白兎神社って場所があるところを考えると、恐らく両県の県境かその辺りにある感じではあるわね。
そもそも兎月堂の慣れ染めがすごいじゃない。戦国時代に尼子氏から色々と下賜されて…って明言されてるわ。そうするとあの店、少なくとも六百年くらいの歴史があるわよ」
てゐ「歴史かじってる人は解るだろうが、尼子氏の歴史はそんな長くねえしな。実質、出雲の梟雄・尼子経久一代で終わってるわけだし。
でもなんか新しく登場した観光課のねーちゃんが相模原出身とか書いてある気がするんだが…」
静葉「君は原作設定を鵜呑みにしてもかまわないし、ここの設定はこういうものだと割り切って読み進めてもかまわない(キリッ」
てゐ「そればっかじゃねーかおい」
静葉「というわけで此処から後半戦、いよいよ狐の試行錯誤の歴史が明らかになるわ。
各キャラごとに触れていきましょう」
てゐ「前半でも軽く触れたけど、大体行動パターンの読み違いと択負け、あとはテラーと恐らくは麻痺の事故が原因の⑨割なんじゃないのか。
実際トンチキな原因ってそうはないと思うが」
静葉「一番傑作だったのはアレかしら。
15回目くらいだったと思うけど、相手赤ゲージまで追いつめたところでもう一回ドラゴンハートが出て「ファッ!?」とか一瞬思って、どうせ透子のフォース残ってるんだし本体もまとめて超核熱でぶっ飛ばしちゃる!とか思って、つぐみのバインドリカバリ握らせた上で超核熱やらせたら遠吠えのターンと被ってて」
てゐ「呪いの反動で超ダメージ喰らって次のターン盾役いない所にサンダーブレスですね解ります(しろめ」
静葉「流石の事態に狐野郎も大爆笑だったわ。
あとあれかしら、本体のHPに変動がない場合、ドラゴンハートの出現HP時点であれば何度でもドラゴンハートが復活して来るみたいで、物量負けしたわね。
その次の時だったと思うけど」
てゐ「それ本当にひどいよな。
ドラゴンハートが何回も出現するって話、多分何処にもされてないだろ」
静葉「2chスレとか見てるわけじゃないから何とも言えないけど、恐らく同じような体験したボウケンシャーは探せばいるかもしれないわ。
因みに後述するけど、最初の戦いの前、美結を休養させて急きょスコーピオンへ振りに行ったわ」
てゐ「スコーピオンってアレか、今回唯一の純粋な味方側スキルで石化撒ける奴」
静葉「そっちはほとんど期待しない方がいい気がするわ、石化付与の前提条件が呆れるほど面倒くさいもの。
むしろこのスキルの有用性は、ダクハン唯一の範囲攻撃スキルという点よ。拡散攻撃だけど、トルネードと逆に両サイドの方がダメージが大きいという変わった特性があるわ。
で、ドラゴンハートの出現は金竜と同じ前列」
てゐ「ああ、それで本体にもダメージを入れながら、ドラゴンハートの方によりダメージを叩きこんで速攻で潰すと」
静葉「そういうことね。
というわけで簡単な説明を終えたところで、まずは美結から行きましょう。
写真は一律、撃破時の70のものだけど、スキル振りは初戦闘時と撃破時のものを順に公開するわ。あと細かい変遷は、私が解説する」
てゐ「あいよー」
美結 ダークハンター
(初回戦闘時)Lv69
ヒュプノバイト1 ショックバイト6 ミラージュバイト7 ドレインバイト★ スコーピオン★ スネークアイ5
剣マスタリー★ 抑制攻撃ブースト★ 物理攻撃ブースト★ 七転八起★ TPブースト5
グリモア:剣マスタリー★ 抑制攻撃ブースト★ リミットレス★ 巫剣:霊攻大斬★ 七転八起9
(撃破時)Lv70
ヒュプノバイト1 ショックバイト7 ミラージュバイト7 ドレインバイト★ スコーピオン★ スネークアイ5
剣マスタリー★ 抑制攻撃ブースト★ 物理攻撃ブースト★ 七転八起★ TPブースト5
グリモア:剣マスタリー★ 物理攻撃ブースト★ ダブルアクション★ 物理防御ブースト★ 血の暴走(ドロップ1)9 抑制防御ブースト8
てゐ「うわ、なんだこれ。
スキル振りまでは確かにいじる余地ねえのは解るが、グリモアがなんかすっごいことになってるぞ」
静葉「この子の方針転換の最初の段階は、もうどうあがいても金竜に状態異常が入らない、という前提でものを考え始めてからよ。
初回hage後即座に異常撒きのアプローチを諦めて、すぐに七転八起を物理攻撃ブーストに、抑制攻撃をダブルアクションに差し替えて、5回目くらいから抑制防御ブーストを入れることを視野に入れてたわね。
だったらいっそそこで、火力補助になる血の暴走を入れようと思い立って」
てゐ「ああ、それで私に諏訪子までグリモアマラソンに狩りだされてたわけね。
あとフランとリリカか」
静葉「わりと初期からドレインバイトとスコーピオンの火力だけで勝負する、って決め打ってたからね。
毒と眠りだけは通ると知ったのは撃破直前ですもの」
てゐ「あー、バーロー戦の解説してた時の話な。
つまりアレか、もう霊攻大斬は完全にゴミになったと判断したわけか」
静葉「ただ、毒は安定して叩きこめる手段を取るにはグリモア枠がひっ迫し過ぎてて、眠りに関しても戦略に組み入れることは難しい。
もっと言えば一発芸にしかならないと覚った時、美結のブーストは終盤でのローズプリズンでの一発にかける以外にないと割り切ったわ」
てゐ「私は知ってるぞ、実は最後金竜に止めを刺したの、やけくそで打たせたローズプリズンを本体へ誤射して、しかもその毒ダメージで丁度HP削りきったことをな」
静葉「今思えば、例えばスネークパイル辺りを取りに行って毒を入れる戦法もあったかもしれないわね。
そうすれば、ある程度霊攻大斬やトランスの使用も戦略に組み込めたでしょうに」
てゐ「なんにせよさらなるグリモアマラソンの余地があったのだけは理解出来たわ」
透子 アルケミスト
(初回戦闘時)Lv69
炎撃の術掌★ 氷撃の術掌★ 雷撃の術掌★
術掌マスタリー★ 属性攻撃ブースト★ 加撃の術掌★ 拡散の術掌★ HPブースト5 TPブースト9
グリモア:巫剣マスタリー★ 盾マスタリー★ 属性攻撃ブースト★ ショックガード8 アイスブラッシュ9 加撃の術掌(TP回復)9
(撃破時)Lv70
炎撃の術掌★ 氷撃の術掌★ 雷撃の術掌★
術掌マスタリー★ 属性攻撃ブースト★ 加撃の術掌★ 拡散の術掌★ HPブースト5 TPブースト★
グリモア:巫剣マスタリー★ 盾マスタリー★ 属性攻撃ブースト★ ショックガード8 リンクオーダー★ リンクオーダーII9
静葉「次は透子ね。
ブレスのないターンは殴りに行ける、そう思っていた時期も狐野郎にはあったのよ」
てゐ「これはなんとなくわかるな、当初は術掌で属性書き換えてアイスブラッシュ使う気でいたんだろ」
静葉「お察しのとおりね。
すぐにそんなことしてるヒマなんかないって悟ったらしくて、5回目ぐらいでもう下の構成になってたわ。
その意味では透子のグリモア構成に関してはほぼ変わってないわね」
てゐ「私バーロー戦で使ってて思ったけど、思ったほどリンクオーダー2使う機会ないんだよね。
リンクオーダーで一点集中させた方が速い時もあって」
静葉「そうかも知れないわね、実はほとんどリンクオーダーの方ばかり使ってたわ。
それだったらこの子もあれかしらね、決死の覚悟か忠義マスタリでも積んでおけばよかったような気がしなくもなかったわ」
てゐ「というか透子もわりと紙防御だけど、竜の鉄槌はどうなん?」
静葉「プリンセスがベースでHPブースト振ってるせいもあるけど、一発安定して耐えるのよ。
むしろ、ジビエと舞曲または蛮族の行進曲の支援がないと、美結が大概一発で吹っ飛んでるわね」
てゐ「……ああまあな、ダクハンもブシドーほどじゃねえけど前衛にあるまじき紙耐久だからな」
静葉「余談だけど盾スキルはテラー状態のとき、仮に動いたとしても効果を発動しない仕様があるわ。
だからとにかくこの子はテラーで事故らないことが絶対条件だったわね。テラー耐性アクセの装備は必須条件だったわ」
てゐ「腕は…ああそうか、つぐみにバインドリカバリ後出しさせるのか。縛りが飛んでくるタイミングは決まってるから」
静葉「そういうこと。
前回触れ忘れてたけど、円舞はほぼ最速発動するくらい、かなりの速度補正かかってるみたいだわ。
大体先制で発動するから、その事を覚えておくだけでも戦略が組み立てやすくなるわね」
幽香
(初回戦闘時)Lv69
ブーメランアクス★ スタンスマッシュ1 ヘッドバッシュ1 パワーゲイン1 ソードブレイク★ トライチャージ★
斧マスタリー★ 物理攻撃ブースト★ 物理防御ブースト5 フェンサー★ ダブルアタック★ TPブースト5
グリモア:斧マスタリー★ 物理攻撃ブースト★ フェンサー★ ハーベスト9 ペネトレイター8 火竜の猛攻★
(撃破時)Lv70
ブーメランアクス★ スタンスマッシュ1 ヘッドバッシュ1 パワーゲイン1 ソードブレイク★ トライチャージ★
斧マスタリー★ 物理攻撃ブースト★ 物理防御ブースト5 フェンサー★ ダブルアタック★ HPブースト1 TPブースト5
グリモア:斧マスタリー★ 物理攻撃ブースト★ フェンサー★ ダブルアタック(封回復1)★ 血の暴走★ 盾マスタリー★
てゐ「おーいなんだよこの最初の奴、めちゃくちゃじゃねえかよ」
静葉「これ本当にケジメ案件通り越してセプク重点不可避案件よ全く。
まずペネトレイターなんてはっきり言って何の役にも立たないわ。そしてあの狐野郎、ずっと幽香がダブルアタックのグリモアを重ねてたと思いこんでたらしいわマヌケな事に。
これがペネトレイターだって気付いたのは、なんと20hageして以降。つぐみと美結に、抑制防御のグリモア乗せようとグリモアマラソン始める直前のことよ」
てゐ「マヌケにも限度ってあるだろそれ?
大体、ダブルアタックって★★なら確実に発動するじゃん、それで普通気付くだろ?」
静葉「戦闘中はコマンド入力しちゃえばあとはAボタン押しっぱなしにしてスキップしやがるしね。
そもそも私が重ね持ちしてるダブルアタックも、レベル9よ。大体20回に1回くらいは発動しないけど、それはそれで面倒くさがって割り切ってたのよ。理由は解らないけど、それをもう一個持ってるものだと勘違いしてたらしいの」
てゐ「それも本当なのかどうか…一応火竜の猛攻はツッコんでおいたほうがいいのか?」
静葉「これはまあ…ダブルアクションとかと出元が一緒でね。とある魔神速攻撃破動画で配信されたQR拾って来て、それに添付されていたものよ。
確かに常識的に考えれば、まだこの時点で赤竜と戦うどころの騒ぎじゃないしね。
これもまあ、どうせほとんどTP使わないからあっても良かったんだけど…遠吠えで解除されるたびに使うのも面倒くさいしね。TP消費が35ととんでもなく重いクセに、効果3ターンしかないんですもの。これも血の暴走に差し替えたわ」
てゐ「イメージ的にはそっちの方がらしいっちゃらしい構成だがなあ。
じゃあ基本的にはあれなんだ、こいつに序曲かけてぶん殴るんか」
静葉「そうよ。
因みにフェンサーというか、リンクオーダーには面白い特性があって、着火元の攻撃が何らかの理由でクリティカルしてると、リンクオーダーもクリティカルヒットするわ。大体幽香の序曲攻撃で700の2回、追撃のリンクオーダーがおよそ840前後のダメージが出る。これがメイン火力ね」
てゐ「ただし斧なので時々外す、と」
静葉「ええまあ…そこは御愛嬌というところで」
めう バード
(初回戦闘時)Lv69
猛き戦いの舞曲3 聖なる守護の舞曲3 軽業の旋律3 慧眼の旋律3 火劇の序曲5 氷劇の序曲1 雷劇の序曲3
蛮族の行進曲3 耐邪の鎮魂歌★ 活力の重奏3 韋駄天の重奏3 生命の重奏3 音の反響★
歌マスタリー★ 癒しのリズム★ HPブースト5 素早さブースト★
グリモア:弓マスタリー★ ダブルショット(回復UP)★ 暴風の翼(斬1)9 フォースシールド★ 後方支援★ 防衛本能★
(撃破時)Lv70
猛き戦いの舞曲3 聖なる守護の舞曲3 軽業の旋律3 慧眼の旋律3 火劇の序曲1 氷劇の序曲1 雷劇の序曲4
蛮族の行進曲3 耐邪の鎮魂歌1 活力の重奏3 韋駄天の重奏3 生命の重奏3 音の反響1
歌マスタリー★ 癒しのリズム★ HPブースト5 素早さブースト4
グリモア:弓マスタリー★ ダブルショット(回復UP)★ 火劇の序曲★ フォースシールド★ 後方支援★ 防衛本能★
てゐ「おい一つ聞いていいか?」
静葉「火劇の序曲の件ならあなたの考えてるとおりよ、先に言っておくけど。
狐野郎が単純にスキル振り間違えただけだわ。つか、雷撃に振るくらいなら何故火劇にその分全部回して8まで上げなかったのかと」
てゐ「いや普通そう考えれば休養するよな…?
多分次辺りで触れるんだろうけど、何気にほとんど触れられてない、第六層序盤に経験値爆弾いるんだし」
静葉「まあそうなんだけどね。
一応下の振りでも勝てたというか、狐野郎がそれに気付いたのは終わってからよ。
限界突破分は2レベルごとに性能向上していくという事を忘れていたのも、まあ毎度のことなんだけどさ」
てゐ「パッシブならまあ妥協という意味でも解るが、アクティブ、しかも装備する方が★ついてるのにこの体たらくとはなあ。
まあいいや、こいつまさかとは思うが、本来はバフ積み終わったらフォース発動して後は延々フォースシールドするつもりでいたんだろこれ?」
静葉「その通りよ。
遠吠えは強化解除してから全体に異常を撒くけど、バードのフォースがかかってると強化解除を無視する…ところが、鉄槌で簡単に美結が吹っ飛ぶから、その都度かけ直しに迫られてたわ。
ついでに、最初の頃は蛮族も使って耐えてたけど、大体18回目くらいから守護の舞曲だけでいいと気づいて」
てゐ「それなら幽香に雷劇、次ターン守護、その次に耐邪歌ってその時点でフォースするだけでも良かったんじゃねえの?」
静葉「意外とこいつフリーにしておくと、緊急回避的にアイテム投げるのに役立つからよ。
というか、こいつをフリーにしていつでもソーマプライム投げられるようにしておかないと、つぐみのエリアキュアだけじゃ間に合わなくて」
てゐ「で、企画倒れか」
静葉「こいつからテリアカ投げられたことでhage回避できたタイミングだってあったのよ(しろめ」
つぐみ
(初回戦闘時)メディックLv69
キュア★ エリアキュア9 ヒーリング5 ラインヒール1 チェイスヒール4
バインドリカバリ★ リフレッシュ★ オーバーヒール1
回復マスタリー★ TPブースト★ 物理攻撃ブースト★ 博識5
グリモア:リンクオーダー★ 巫術:反魂(TP回復)8 銃マスタリー★ バーストショット(TP回収)9 号令マスタリー★ 攻撃の号令8
静葉「で、つぐみなんだけど」
てゐ「えっこれどういう事?
…ああいや、答えは知ってるんだけどさ」
静葉「とりあえず全体異常解除・全体縛り解除は必須項目なので、バインドリカバリとリフレッシュはどちらもTP消費が跳ね上がることを承知の上でマスターしてあるわ。
そもそもどっちにしても、基本的には緊急回避目的だから多用するスキルじゃないからね」
てゐ「そもそもバーストショットなんて撃ってるヒマないんだろ。
リンクオーダーで事足りるわけだし」
静葉「まあね。ついでに言えば銃スキルも結構外れるしね。
とりあえずこの子の機能停止、それがhageの原因のほぼ8割強を占めていると言っていいわね。あくまで体感上だけど」
てゐ「メディックはLUCクッソ低いからな。
全職最低だっけ?」
静葉「ええ。
しかも遠吠えでやたらテラーばかり引いて、狐野郎はキーボードクラッシャーする寸前まで行ってたみたいだわ。
テラーがなければ、もうドリフのコントかと思うくらい鉄槌で麻痺引いて、なおかつ数ターン連続で動かないなんてザラだったし。
で、諏訪子の抑制防御ブースト引っぺがしてつけても、まあ全然機能してないってぐらいに異常食らって機能停止する有様で」
てゐ「悲惨過ぎるなそれ」
静葉「この子の完全な方針転換こそが、恐らく取り得る限りの最終手段だった感があるわね」
…
…
金の竜と少女達の戦いは、お互いの死力を尽くし泥沼の様相を呈している。
めうの歌による支援を得た幽香の大斧は、彼女の膂力と歌の呪力によって確実にその強靭な肉体にダメージを刻みこむが、強大な生命力を有する金竜の一撃もまた、幽香に大きなダメージを返し対抗する。
幽香が刻み込んだ炎の歌の魔力は、透子が増幅してさらに傷口を広げるが、竜は間違いなくダメージを受けているもののそれでも、強力な尾の一撃を振るい少女達をなぎ払う。
魂をも震えあがらせる呪われた遠吠えが響くたび、めうの歌もかき消され、そして次の瞬間、雷気をたっぷり吸いこんで吐き出された恐ろしいブレスが周囲を埋め尽くすが…透子はその都度、氷の障壁で仲間達を護る。
双方一歩も譲らぬ一進一退の攻防に見え、しかし…強大な竜に対して、徐々に不利な様相を呈し始めていたのは少女達の方だった。
「なんて…タフな奴なの。
空の暴君というだけあって、大口を叩くだけはある…!」
幽香はそれでもなお地面を踏みしめ、斧を構えて竜に向き直る。
「幽香さん。
一か八か、私の魔装を解放して、あいつの総ての動きを封じてみます。
たとえしくじっても…どんな手を使ってでもあいつに次のブレスは打たせない…!」
「…美結!?
あなた、何をする気!?」
「いいから!
これが多分最後のチャンスです! あとは…任せますから!!」
幽香が止めるより前に、飛び出していく美結の持つ紅い刃が、半月を思わせる巨大な紅い刃へと変化する。
美結の魔装「鳳花(おおとりばな)」の最大解放形態「龍紋鳳仙華」。
解放直後はただの巨大な質量をもった刃であるが、戦闘を続けるたびに刀身に双竜の紋様が刻まれていき…それを解放することで、解放形態のチカラを使い果たす代わり、一度だけ切られたものの時間を僅かだが停止させるという力を持っている。
まだ、生み出されて間もない魔装…まして、最大解放出来るようになって間もない、その真のチカラの片鱗に過ぎないものであるが…それが、今の美結に出来る正真正銘最後の賭けだった。
大きく飛翔し、紅い刃を大上段に振りかぶる美結に、苦し紛れに放たれた竜のブレスが迫る。
しかし。
「任せて、美結ちゃん。
あなたの刃は…私が必ず届かせてあげるから!!」
♪BGM 「眠らずの戦場」(SSQ)♪
つぐみの構えた空色の銃から、その魔力を総て上乗せした、蒼く輝く翼の銃弾が放たれる。
幽香は躊躇うことなく、美結の作ってくれたそのチャンスを逃さぬ気迫で金竜に迫り…そして、再び身体の自由を取り戻そうとしていた金竜の眼に、大上段に振りかぶられる、燃え盛る大斧の刃が映る。
「これで……終いよッ!!!」
力任せに振り卸された刃が、金色の身体を縦に引き裂く。
断末魔の咆哮と共に、金竜の身体は金色の粒子となって空へと舞い上がる…!!
…
…
つぐみ
(撃破時)プリンセス→メディックLv70
キュア★ エリアキュア9 ヒーリング3 ラインヒール1 チェイスヒール5 ディレイヒール1
バインドリカバリ★ リフレッシュ★ オーバーヒール1
回復マスタリー★ TPブースト★ 物理攻撃ブースト★ 博識5 HPブースト1
グリモア:リンクオーダー★ 銃マスタリー★ TPブースト★ 巫術:反魂(TP回復)8 抑制防御ブースト8(HP回復2) 巫術:呼応(突2)9
てゐ「思い切ったことするなあ」
静葉「これでも何回かテラー食らってるんだけどね。
ただ、鉄槌で麻痺を引くことはほとんどなくなったわ。事故率が激減した分、回復も間に合うようになった。
あと、折角ディレイヒール取ったにもかかわらず、これ全然使わなかったわね」
てゐ「それもひでえな」
…
…
「あぁ!? 町を襲った竜を倒して来ただぁ!?」
戻ってきた美結達からその報告を聞いたアントニオは、素っ頓狂な声を上げる。
「ああ、バッチリ、この手でね」
「別にとーこ一人でやったわけじゃないめう。
みんなで力を合わせた結果と寒心するけどおかしいところはないめう」
アントニオは、マヌケにも思える呆けた表情で少女達を見回すが…その後ろから巨大な角を一本持ってきた幽香の姿に仰天しながらも、溜息を吐いた。
「あー、もう、なんだな。
お前らが何仕出かそうが大概のことで驚かねえつもりでいたんだがな。
俺の娘よりも若いがきんちょ共が、まさか竜殺しの英雄になっちまうなんて誰も予想できねえよ」
「あんた、一人モンでしょうが。
ま…流石の私でも、この子達がいなきゃどうなってたか解らないわ。竜って、強いのね」
いつもの定位置に当たり前のように腰かけ、いつものような少しアンニュイな表情でつぶやく幽香に、アントニオも豪快に笑う。
「流石、姐さんぶれねえな。
…なあお前ら、今のうちに言っとくけど、どんなに偉くなろうが構わねえがウチに来るのはやめてくれるなよ?
兎に角、今日はサービスしとくぜ! 遠慮なく喰いたいもんを言ってくれよ!!」
その騒ぎに、透子たちのみならず、恐る恐る様子をうかがっていた他の常連たちからもわっと歓声が上がる。
「お前らまでサービスすると言った覚えはねえ!」というアントニオの怒号も余所に、幽香はふっと笑って、手元のグラスを煽った。
…
…
静葉「というわけで、長かった金竜戦も終わり。
本来はこの後、これまでのあるクエストの攻略状況や、PTにレンジャーが居るかどうかで展開変わるんだけど…それは自分の目で確かめて欲しいところね。
なおレンジャーがいない場合、とある理由でクァナーンが出てくるわ。勿論居ても出てくるんだけど…それで、最強の弓である「空割の弓」を貰って、クエストクリアになる。
空割はまあ…ザミエルボウがあればいらない説も多々あるんだけどね」
てゐ「空割に限らず、世界樹の杖以外は基本的に最強武器(笑)って要らねえじゃん、どう考えても。
付加効果もないんだし」
静葉「それは言ってはいけないお約束ね。
じゃあ…今回はここまでよ。次回は、ちょっとした馬鹿話を挟んでからギンヌンガの話っていうところかしら」
てゐ「本来ギンヌンガは金竜より先に行くべき所だと思うんだけどな。
まあそれも今更だよな。それじゃ」
二人「ノシ」