♪BGM 「戦闘!伝承者ヒガナ」(ポケットモンスター オメガルビー/アルファサファイア)♪


二人の騎士の発する咆哮がフロアに木霊し、激しい剣戟の音が熱を生む。
それが錯覚でないことに、最初に気が付いたのはフラヴィオだった。

彼は汗ばむ掌と、視界の向こうで行われるその凄まじい戦闘の光景を何度も確かめる。
そして、彼は気づいたのだ。
つぐみと、ベルトランだったその怪物…そう、完全な護り手になれなかった彼は、その力の暴走により不完全な竜(デミファフニール)とも呼べる怪物になり果てていたといってよかった…その二者が振るう剣が火花を散らす度、高熱の波が生まれ、そしてこちら側へと打ち寄せているのを。

つぐみの手に握られているのは、名剣ドラグヴァンディル。
彼女と旅を共にしてから、彼女が振るってきた見慣れた剣だ。
対する…デミファフニール・ベルトランが振るうのは、その肘と呼べる部分と一体化した、黒光りする鉈の如き長大な刃だ。
雷光を纏うつぐみの切先に対し、掌から生じた火炎を纏う剣が、さらなる熱を生み出しているのだろうか。


いや、そうではない。
フラヴィオの鋭敏な感性は、確かに捉えていた…つぐみと、デミファフニールの両者が生み出す…その両者を中心とした、台風の如き力場の渦を。


「なんて奴らだ。
…話には聞いてたが…こんな恐ろしい戦いを親子揃ってやらかしやがるとはな…!」

呟くヤマメもの表情も重い。
その言葉の意味もわからず、不安そうに見上げるアリアンナ。

「これほどの戦いになるってことは、つぐみとあいつの力量差が、極めて高いレベルで拮抗している証左なんだろう。
決定打になりきれなかった分のパワーが、余波となってこっちにまで影響を及ぼしてるんだ。
……くそっ、本当に想像力が足りなかったなんてもんじゃねえぞこりゃあ…!」
「ま、待ってくれ…じゃあ、あの二人が戦い続ければ続けるほど」
「当然、この熱波はもっと激しくなっていくだろうな。
正直大分甘く見ていた…あのおっさん、力を暴走させてるどころかだんだんコントロールし始めてる。
…自分の意思で…力づくで、つぐみをねじ伏せてファフニールの力を奪い取る気なんだ…!
「どう…して」

それまで、泣き疲れたのかヤマメの腕の中で大人しくしていたクロエが、涙で嗄れた声で茫然と呟く。

「どうして…ベルは…たたかおうとするの…?
ファフニールとかになっても、苦しい思いするだけなのに…なんで…!」

精根尽き果てようとも、なお果てぬ涙が、再び少女の頬を伝う。

-昔から…そういうところだけは変わらないのよ、彼は。
自分の身がどうなろうとも、他人のために尽くそうとする-

ヴィオレッタは哀しそうに呟く。

-私は、つぐみに正真正銘、最後の希望を託してしまった。
けれど、それは彼女に過酷な命運を一方的に背負わせること。
ベルトランは、きっと…自分があの時儀式を完遂出来ていれば、今のつぐみや…アリアンナのような存在を生み出さすに済んだと、その自責の念だけで戦っている。
…私は…彼を苦しめることしかできなかった…ファフニールの力(こんなもの)は、決して世に出してはいけない呪われた過去の遺物だった…!!-

「いいえ、それは違うと思います」

アリアンナは、まっすぐに…そして、強い意志を秘めた瞳で、二人のファフニールが戦うその光景を見据えて言い放つ。

「つぐみ様がおっしゃっていました。
どんな力でも、運命でも、きっと何か意味があって与えられるんだって。
抗うことも許されたはずだけど、もし、その運命に自分が必要とされるのなら…自分は逃げずに受け止めていきたいと」

彼女は寂しそうな、だが、力強い笑顔で振り返る。

「私には、フラヴィオ様の言う「過去」がいまだに取り戻せずにいる。
けど、なんとなくわかるんです…もし「あの方」が生きておられたなら…きっと、同じことをおっしゃったのではないかって。
だって」
「…ああ。
つぐみの眼は、あいつの眼とそっくりだ。
だから…俺はもう一度「あいつ」を信じてみようって思ったんだ…!

アリアンナは頷く。


「だから、つぐみ様も…ベルトラン様もきっと、大丈夫です。
私達は、信じて見護りましょう…!」




「狐尾幻想樹海紀行 緋翼の小皇女」
第五十二夜 真竜の戦い




静葉「ドーモ、秋静葉です」
レティ「ドーモ、静葉=サン。レティ=ホワイトロックです」
静葉「お約束どうも(キリッ
  さて、ここからは今回の茶番にまっっっっったく関係ない第四階層第五階層に触れていくことにするわね。
  実は、今回全編通して初めてhageたのが第五階層だったりするわ」
レティ「えっ初めてなの?
   まあ、位攻めしてるかと思えば難易度は普通にエキスパですものね。で、何処なのそれ?」
静葉「24Fの銀盤の監視者」
レティ「はい?」
静葉「だから、監視者ぐらい楽勝だと思って挑んで二体から袋叩きにされて負けた」
レティ「レベルいくつよ」
静葉「60あったと思うわ。因みにこの時点で、全員レベル50引退から再育成済み」
レティ「…いくらなんでもレベル的に2体はないでしょう…どうせ、1体速攻で片つくし余裕wwwwとかぶっこいてたら普通に間に合わなくてアイエエエエエエエ!?から灼熱光線二連射捌き切れなかったというオチでしょ?
静葉「いいえもっと最悪のパターンよ。
  
電磁波のターン間違えて2ターン立て続けに電磁波浴びてそこから灼熱光線の釣瓶撃ちされたのよ。
  HP自動回復の伝説持ってたアリアンナだけが最後まで生き残ったはいいけど、角鈴は持ってないわ普通に狭い通路に挟み撃ちされてるわという」
レティ「サガフロ2の「潜入!アレクセイ一味」でコーディを送りこんだときのラストバトル並みに悲惨ねそのシチュエーション(真顔
   まー流石にね、ピクニックでも油断してたらアカンところエキスパで普通それをやるなと」
静葉「各個撃破が基本よねあいつらは。
  流石にまめにセーブはしてたからよかったとはいえ、24Fの半分ぐらい踏破してたから、23Fの階段で全部フロアジャンプ解禁するところからやり直して、次は巡回ポイント外から狩って進んだわ。
  爆弾の誘導が巧ければ戦わずに済むところだろうけど、強行突破出来ない相手でもないからできるところはした方がいいというね」
レティ「ベルトランがファイアガード、クロエがマスタリ★★から結界レベル19張れるなら確かに狩った方が楽かもしれないけどね。
   何気に以前触れられてなかったけど、実は戦闘中に爆弾と接触しても爆弾は勝手に消えて爆発ダメージ受けないのよね」
静葉「それ爆風が戦闘に影響したら色々シャレにならないからでしょうに。
  けどまあ、HP13000ぐらいあるFOEが一発で吹きとぶのに、PTメンはエキスパでも100ダメージしか受けないのなんでだぜ?という野暮なツッコミはナシで」
レティ「それこそ細かい話ですものねえ」


静葉「さて、まずはデミファフニールからね。
  前回の写真を見ればわかるとおり、アリアンナにファイアガード持たせてあとは変身しているうちに殴り勝ったわ。
  アリアンナガード、フラヴィオは序曲を主人公、クロエも鬼力化を主人公に、主人公は零距離。
  2ターン目に主人公サンダーウェイブ、フラヴィオに序曲と鬼力化、アリアンナはリンクオーダー、クロエはブーストから霊防衰斬。
  3ターン目に主人公エクステンド、フラヴィオはブーストからフランクショット、アリアンナオーダー、クロエ霊攻衰斬。
  4ターン目に主人公アクセラレート、フラヴィオ通常、クロエは大斬、アリアンナは攻撃号令を前列で、最終ターンに主人公が零距離、ウェイヴ、アカシックノヴァから追撃のオーダー、フラヴィオもブレイクして終了」
レティ「エキスパでも普通に主人公のブレイクが零距離込みで5000位叩き出せるから本当にもうね」
静葉「レベル次第だけと食材と装備品、あとグリモアのマスタリー系と付加効果の攻撃力補正が乗ればカンストも硬いわね。
  因みに主人公のブレイクは複合属性攻撃だから、炎氷雷どの補正でも乗っかるわよ」
レティ「マジでインチキくさっ。
   というか、実はクロエの大斬もかなりいダメージソースになってるんじゃ…メディウムリングと呪印の兵装、真竜の剣でSTRもTECも+14くらいの補正ついてるからー…」
静葉「これに怪獣ステーキの+5も加わって、この時点でのクロエのSTRとTEC、レベル65のマグスに匹敵する能力値になってるわね。1振りの大斬でも巫剣トリガー引いてる状態なら普通に1200前後の与ダメージが出るわ。もっとも武器攻撃力も、普通にこの頃手に入るものと倍ぐらい差もあるけどね」
レティ「
アホかと(真顔
   道理でエキスパなのに全ッ然苦戦してないはずだわ」
静葉「おハルはもっとひどいわよ。
  道中とうとうレベル上げまで自重しなくなったから、挑んだ時点でレベル52。エキスパにもかかわらず与ダメが凄まじ過ぎて、毎ターンおハルの行動パターンが次段階に切り替わるという」
レティ「あれっあいつパターン変化するの?」
静葉「みたいなのよね。
  ついでに、こちらも以前触れてなかったおハルの行動パターンを触れておくわ。あまりあてにならないとは言いつつもwikiの記述を引用してるんだけどね」

戦闘開始~残HP15720程度(暫定値)
初手金切り声確定
以降2ターン目~4ターン目はストームフェザー→通常攻撃でループ、5ターン目に捕食の宴、6ターン目金切り声で2ターン目からのループに戻る
※2ターン目、ストームフェザーが先に来るか通常攻撃が先に来るかはランダムと思われる。一度どちらかが確定すれば以降のループは固定。

残HP15720~5900程度(暫定値)
HP規定値を切ったターン終了時カオススクリーム(ハルピュイア本来の行動枠とは別に使用)、次のターン捕食の宴
その後1ターン目に金切り声、2~4ターン目までストームフェザー→絶望の大爪→ストームフェザー→通常攻撃でループ、5ターン目に捕食の宴、6ターン目金切り声で2ターン目のループに戻る
※ストームフェザーのタイミングはそれまでのパターンを引き継いでおり、カオススクリーム使った時点でのループの最後がストームフェザーなら2ターン目には絶望の大爪、3ターン目ストームフェザー、4ターン目通常攻撃となり、通常攻撃なら2ターン目ストームフェザー、3ターン目絶望の大爪、4ターン目ストームフェザー(捕食の宴と金切り声を挟んで7ターン目に通常攻撃)を使いループパターンが確定する。

残HP5900以下になったターンの終了時カオススクリーム、次のターン捕食の宴
以降のループパターンは通常攻撃が抜けて1ターン目に金切り声、2~4ターン目はストームフェザーと絶望の大爪の繰り返し、5ターン目に捕食の宴、6ターン目に金切り声…とループする(最終パターン)
※カオススクリーム前が通常攻撃か絶望の大爪なら2ターン目はストームフェザー、ストームフェザーなら絶望の大爪からスタート

静葉「ちょっとごちゃごちゃしてわかりづらいけど、とりあえず捕食の宴のあとには必ず金切り声、カオススクリームをターン終了時に使われたら次は捕食の宴が来る、とだけ覚えておけばいいわね。
  絶望の大爪の麻痺付与率そんなでもないらしいけど、カオススクリームのデバフ補正があると結構な確率で麻痺を引くわ。
  怒れる猛禽の引きちぎる大爪程じゃないけどそこそこ威力もでかいから、ペットやパラで受けるといいわね。捕食の宴のことも考えて抑制防御ブーストをグリモアでつけておくなりするといいわ」
レティ「というか、こいつも発狂しないのね。
   ストームフェザーの盲目、大爪の麻痺、捕食の宴の全縛りに金切り声と面倒な異常・縛り付与のオンパレードとはいえ、被ダメはそんな高くないみたいだし…なんで人によって残念な4ボスのままか、超強化されてるかで意見が真っ二つに割れるのかが分かった気がするわ」
静葉「あとこれも有名な話、おハルには呪いも効くから呪いカウンターという手が使えなくもないけど、実は
おハルを呪い反射ダメで撃破すると直後に確定でフリーズするそうよ。
  世界樹ボス低レベル撃破動画で有名な人がフォースの暗黒面に堕落しかけたほど頭悩ましてたそうだから、そういう目的でないなら正攻法で撃破することね」
レティ「いやそんな数寄者その人くらいしかいないでしょどう考えても(しろめ」








互いに相手の次の一挙一動を見据えながら、それでもなお激しい剣戟の応酬を繰り出す一方で…つぐみはこれまで幾度となく感じた、その不可思議な感覚に身を委ねている。

その力のぶつかり合いと共に、お互いの精神がむき出しになり、深く接触していくその境目からお互いの体験した想いが見えてくる、その名もなき現象。
永遠にも思えるその長い一瞬の中で、つぐみはベルトランの、ベルトランはつぐみの体験の全てを心で理解していく。


「…そうだよな。
嬢ちゃん、あんたもこれだけ譲れねえもんがいっぱいあって、ここまで来たんだよな。
覚悟が足りなかったのは…おっさんの方なのかもな」
「でも…ベルさんは、失われたはずの「護りたかったもの」をもう一度、取り返しに来たんでしょ…?
その為に、気の遠くなるような年月を、一人で…それは、ベルさんだからできたことなんじゃないかって思うよ」
「止してくれ、俺はそんな上等な存在じゃない。
俺は…クロエがどんな思いで、俺について来てくれたのかすら理解できなかったんだ…自分のことしか、ただ、それだけしか」

つぐみの記憶が、両者の間を駆け抜ける。
それは…この遺跡に赴く直前の夜、唐突につぐみの元へクロエが訪ねてきた時の光景。






彼女は唐突につぐみの部屋を訪ねてきた。
普段と変わらぬ、一見何を考えているのか分からないぼんやりとした表情に見えたが、その姿は、どことなく寂しそうなものに見えた。

つぐみは彼女を招き入れ、しばらくベッドの上で隣り合って並んでいたが…やがて、少女はポツリポツリと、自分の思いを口にする。
ベルトランの様子がおかしい、そう言うのだ。


「今のベル、ちょっとおかしい。
今までも、旅に出ることはあった。けど、今回はなんとなく、ベルの様子がおかしいの知ってた。
荷物の整理をこまめにしてて…まるで、もう二度と帰ってこないように見えた
「だから、ついてきたの?」

うん、と小さく頷いて、クロエは続ける。

「クロエは、今度ベルが旅に出た時、一緒に行って役に立てるように巫医(マグス)の勉強をした。
つぐみ達と一緒に冒険して、ちゃんと役に立ててるか不安だったけど」
「大丈夫だよ、クロエがいたから、きっとみんなここまでこれたと思ってるよ。
私だって、結構危ないところあったし…あなたがいなければ、とうに死んでたんじゃないかって思った時だって。
クロエは、私達の命の恩人だよ
「そう言ってもらえれば、うれしい」

少女は少しだけ、嬉しそうに笑った。
だが、その表情はすぐに曇る。


「でも…ベルは最近、もっとおかしなことを言うようになった。
つぐみ達と仲のいいことはいい事だ、とか。
ミズガルズの図書館に興味があるか、とか、今まで言わなかったことばかり。
話すの、これから先のことばかり

「それは…そうだよね。
儀式の終わった後のことなんて、私も漠然としか」

クロエはその表情を哀しそうに歪め、首を振る。

「そうじゃない。
ベル…最近のベル…まるで自分がいなくなる準備をしてるようにしか思えない…!

つぐみはその言葉にはっとする。


多少その言葉に軽いモノはあれど、ベルトランは自分たち四人から少し、距離を開けようとしている雰囲気があることはつぐみも薄々感じ取っていた。
確かに、ベルトランの持つ聖騎士としての能力は極めて高く、クロエの治療巫術と彼の防衛技能、どちらを欠いても決して順調な道のりではこれまでなかったのは確かだ。

だが、つぐみは思い返す。
面倒くさがりな風を装いながら、彼が盾を構えて魔物の爪牙に立ち向かうその姿は、彼女の知る「盾役」とはあまりにかけ離れている。

仲間だけでなく己の身も同時に護り、その絶対的安心感でパーティの精神的支柱となるレティ。
全体的な戦場把握で的確に盤面をコントロールし、ありとあらゆる不測の事態をも未然に防ぐゲームメーカー、レミリア。
その経験則と職人気質により、未知なる魔物の予測不能な攻撃すら瞬時に看破して完璧にいなし、パーティの壊滅を「禁止」してのけるみとり。

ベルトランは、そのいずれにも当てはまらない。
ただひたすら無骨に、己の身を常に誰よりも前に置き…だが、その姿はまるで。


つぐみはその考えを振り払うように頭を振ると、クロエの、小柄な自分よりも一回り小さいその肩をしっかり抱き寄せて告げる。


「大丈夫…ベルさんは、私達を護ってくれる聖騎士だから。
みんなを護ってくれる聖騎士が、一番最初にいなくなっていいはずがないから…ベルさんは、居なくなんてならないよ…!!

それまで肩を震わせていたクロエも、その言葉に勇気づけられるように。




「…うん。
ベルが、いなくなるわけ…ない。
絶対に…ベルはいなくならない」






「俺は…俺がいなくなったあと、あいつがどうなるかくらいは知っていたはずだ。
あんたや姫さん、フラヴィオと仲良くやってくれて、子離れしてくれれば心おきなく、俺はあいつの元を離れられると…そんなことばかり考えてた」
「だったら、それが理由だっていいじゃない。
あなたは、クロエにとっても「かけがえのない騎士様」なんだから…!
だから…今更そんな、過去の過ちを理由にしていなくなることばかり考えちゃダメだよ!!
だって、だってあなたは、こんなに…!!」

つぐみの眼から、何時の間にかぼろぼろと涙がこぼれおちている。

ベルトランは、深く溜息を吐いた。
しかし…その表情は、これまで見せた彼の表情と、少し違って見えた。

「…そうだよな。
お前の母ちゃんだって、何百年も苦しんで、絶望的な状況から這い上がって、生きてきたんだもんな。
今更、誰かの生き様に感化されてとかいうのも、俺らしくはねえのかも知れんが」

ベルトランはさらに、盾と剣を構えて向き直る。




「なら、なおさらこの役目は譲れねえ!!
理由はどうあれ、一度踏み込んだ道だ…最後の最後ぐらい、おっさんに格好つけさせろ!!
…つぐみ…お前の受け取った力も全て俺が引き継ぎ…俺が、この手でギンヌンガの全てを終わらせてやる!!
これは償いなんかじゃねえ!
ファフニールの…この俺、ベルトランが成すべき務めだ!!


そう言いきる彼の表情に、迷いは…これまで見せていた、まるで自ら死にに行くような雰囲気は何処にもない。
未来を見据え、立ちはだかる障害総てを打ち砕いて生き抜こうとする確かな意志の現れが、そこにある。

つぐみも、乱暴に涙をぬぐい…母親譲りの勝気な表情で、再び剣を構えた。

「私も…譲れないよ。
この件は、私に託された…ううん。
私と、私の大切な仲間が成し遂げたことを…無駄にさせないための落とし前をつけなきゃならないから!」
「そうだな。
だったら…俺達のうち最後に立ってた方が、自分のやりたいようにやる!それでいいだろ!!
勝負だ!!」

頷きあう二人の剣が、その雷光を、紅蓮を、より一層輝かせ燃え上がらせる。


お互いの想いと意地を乗せた最後の一撃が、交錯する…!








静葉「まあここからは一度引退はしたものの、以降はダレてきたのか一気にFOE狩りしてレベルを上げて、ジャガーに挑んだ時点で全員のレベルは57。
  まあここでもクロエだけ取り上げるけど、ヤツのSTRとTECは既に装備と食事と引退補正(各+17)でレベル90台相当
レティ「まるで意味がわからないわね(真顔
   しかも、ジャガノの行動パターンについても既に学習済みであるわけだし」
静葉「4ターン目で必ずホワイトノーブルは基本ね。
  そしてバーサクハウルはさっさと相手のを解除してひたすらタコ殴りにするだけの簡単なお仕事よ。
  属性攻撃にカウンターで使ってくる蛮勇の障壁がうざいことを除けば、概ね苦戦するような相手ではないわけで」
レティ「といっても流石にこいつ相手の時はクロエを後列に下げたわね」
静葉「巨角の一撃があるから決して楽観視もできないんだけどね。事実貫通ダメだけで後衛の誰かが吹っ飛ばされてたし。
  ベルトランが身代わりすれば普通に巨角の累積ダメージでお亡くなりになれるからねえ」
レティ「でもそれ、裏返せばゾンビ戦法が使えるってことなんじゃないの?」
静葉「完全破壊の被ダメが一人当たり200近く飛ぶんだけどその辺は」
レティ「あ、うん、ごめん無理だわ(しろめ
   適正よりレベル高くて、爆進のフラグ潰し続けててもこれですものね。というか、普通に完全破壊とブン回しに巨角繰り返されてたら普通にジリー・プアーとかそんなどころじゃないわよねこれ」
静葉「なにしろ弱体化させてすらHP43000超えるバケモノよこいつ。
  火力も単純にバーローより上なんだから、結局なんだかんだで今回もジャガーさんの方がいい仕事してるわ。爆進がほぼ確定で飛ばなくなったり、蛮勇の障壁が純粋なカウンターでなくてカウンター発動するバフに変わったことで大幅に弱体化はしてると思うけど」
レティ「でもなんだかんだで今回の上帝、十分にパワーアップしてるとは思うわよ。
   サテライトキラーの処理に手間取れば、そいつの追撃と属性連打で普通に死ねるでしょうに」
静葉「バーローもバーローで属性以外の性質軒並み変わっているんだけどね。
  けどやっぱり如く舞うが確実に発動するようになった分、単純な無属性ランダム攻撃になった上に盾マスタリーで無効、忠義マスタリーで軽減も可能だから、どうしてもやっぱり上帝は上帝(笑)だったというところがね」
レティ「なんだかんだで一周めは滅茶苦茶苦戦してたじゃない、ジャガーなんて回復専門職抜きで殺ったのに」
静葉「うんまあそれは否定できない事実なんだけど。
  因みにここでも上帝戦のレベルは全員63ぐらいまで上がってたかしらね。主人公は二回変身したけど、クロエとアリアンナでリンクオーダー釣瓶撃ちしてたから与ダメがイカレ過ぎてて属性パターン一個しか見てないわ。
  最後はフラヴィオがなんかで轟沈してた次のターン、主人公がブレイクしたのをアリアンナがリンクオーダーで追撃して終了」
レティ「なにで轟沈したのよ一体。ベルトランの完全防御は握ってたんでしょ?」
静葉「解らないのよねえそれが。
  如く舞うのターンでフラヴィオに飛び火して、そのままほったらかしてたのかも知れないわね」
レティ「フラヴィオ(´・ω・`)カワイソス
   えっなに裏ではナチュラルにフラヴィオいじめが進行してたわけ?」
静葉「次でフォレストセル戦のスキル紹介込みで軽く触れるけど、そこでもフラヴィオは沈没したまま終わってるのよね。
  まあ本編の魔理沙がこういう損な役回りだったし、地味にフラヴィオの配置も魔理沙と同じ位置だから…呪いでもかかってるのかしら」
レティ「そういうのやめろ(キリッ」


静葉「というわけで、ストーリー編も次が最終戦、そしてエピローグを挟んで終了の予定よ。
  最終戦ではさらにトンチキ展開が待ち受けてるのでニューロンの防壁とかなんか色々と、備えよう(キリッ
レティ「隣の部屋でいまだにぶっ倒れてるさとりとか諏訪子とかみてると、なんかそれで終わっていいものやら悪いものやら。
   まあ、誰も気にしてないけどつぐみも石破天驚拳使えるみたいなことに何時の間にかなってるし、Gガンの最終回知ってると…みたいな」
静葉「ああ、確かにウルベがデビルガンダムとネオジャパンのコロニー融合させてたわねえ…。
  もっともあれは主人公の中の人が関智一=サンでヒロインが天野由梨=サンだから被るところは少ないんじゃないかしら」
レティ「つぐみはその意味でここのオリキャラみたいなもんじゃないほっとんど」
静葉「狐野郎の台本では「いいから黙ってりえしょんで補完しとけ」みたいなこと書いてあったから、それでいいんじゃないの?(しれっ」
レティ「おまえそれでいいのか(しろめ」
静葉「というわけでストーリー編もクライマックスの次回に続くわよ。
  今回はここまで」








♪BGM 「揺れぬ想い」(ポケットモンスターブラック2/ホワイト2)♪


嵐の様な熱波の渦が収まり、お互い必殺の一撃を繰り出した体勢で動かぬ両者。
やがてつぐみが体勢を崩し、踏鞴を踏みつつもなんとか剣を支えに膝をつくと…立ちすくむデミファフニールの鎧の如き外皮がはがれおち…見慣れたニヒルな笑みを浮かべるベルトランの姿が露わになっていく。



「…本当に…大した奴だ。
おっさんの…たぶん百年ぶりの、全身全霊…受け止められちまった、な…!」

「ベルーッ!!」

急速に崩壊する外皮の破片の中で、ベルトランの身体がゆっくりと崩れ落ちる。
戦闘が終わったとみて、ヤマメが解放したクロエがその元へ駆けていって飛び付いた。

涙で表情を歪めながら抱きつく少女の頭を、彼は「仕方のない奴だ」と言わんばかりに溜息を吐き…弱々しいながらもゆっくりと撫でる。
異形だった筈のその右腕は、聖騎士として鍛え上げられながらも年齢相応の毛深さのある、普通の人間の腕。

「俺も、これでお役御免になっちまったんだな。
…あとどんぐらい生きられるのかわかんねえが…さて、これから何していったもんかねえ」
「ゆっくり、考えて決めればいいと思うよ。
時間はまだ、いくらでもあるから」

振り向くこともなく、そのままの体勢のまま呟くつぐみの後姿も…何時の間にか見慣れたコートを羽織った姿に戻っている。
ベルトランから離れ、漂っていたファフニールの力が、その少女の方へと集まっていた。

成り行きを見守っていたヴィオレッタが、クロエと対面になるようにしゃがみ込み、倒れ伏したベルトランの手に、自分の手をそっと重ねる。
その姿は燐光を強くし、そして…だんだんと透明度を増していく…。

-これで…あなたを縛るものは本当になくなった。
もう遅いかもしれないけど、あなたは、あなたの生きたいように。
…私のことは、もう-

「そんなこと、言わないでくれ。
ヴィオレッタ、俺は…俺は、君を…」

-私は、ずっとあなたを見守っているわ。
あなたが笑えば、私も一緒に笑う。
あなたが悲しみに暮れるときは、私も悲しむ。
つぐみ達が教えてくれたのだもの…楽しいことは倍に、哀しいことは半分になるって。
だから-

「…ああ、それで、いい。
だから、さよならは言わない…ゆっくり、休んでくれ。
俺は、こいつらと共に生きるさ…生きていられる限りな…!


クロエとフラヴィオに身体を支えられ、上半身を起こしながら、ベルトランはシニカルな笑みを、かつての想い人に返す。


ヴィオレッタの最期の表情は、穏やかな笑顔だった。



「一件落着…かね」

ヤマメに肩を借りながら、その光景を眺めるつぐみも、嬉しそうに笑って頷く。
しかし、彼女は少し表情を曇らせた。

「でも、まだ終わってなんかいない。
最後の一仕事が残ってる…私の…私達の、やり残した大事な仕事が」
「ああそうだな。
ここからは多分、あたしたち「狐尾」の仕事だ。
…そろそろ、かごめに呼ばれた連中も集まってくる…あんたもまずは身体を休めるんだ。
そうしたら…?」

ヤマメはそのとき、強烈な殺気と妖気の様なものを感じ、振り返る。


凄まじい力の脈動と、むせかえるような緑の臭気。
強烈な圧迫感が奥から…否、周囲全体から襲いかかってくる…!

一拍遅れて何か気付いたらしいアリアンナが、ヤマメの服の袖を引こうとする、その刹那。

「ヤマメ様、これは一体…!?」
「ヤバい!
今すぐここから逃げ………」

その言葉よりもわずかに速く。


四方の壁が裂け、その裂け目から…否、その裂け目が全て禍々しくも強靭な触手に編まれ、そして…それが無慈悲にも薙ぎ払われた。
つぐみの意識は、そこで暗転する…。