エピソード5・立橋の雪
クァナーン「総ては星のさだ…ぶえっくし!!><
さだ…定めのままにその輝きを…ぶぇーっくしっ!!><」
リリカ「正直周囲の環境お構いなしで、バカの一つ覚えみたいにスク水を着て歩く無意識妖怪が最上級だと思ってたけど…ねえさとりさん、この辺りぶっちゃけていいものかな?(コート+マフラー装備」
さとり「それは正直私も思いましたが、まあ触れないことが最上じゃないですかね?(コート+マフラー+ニット帽装備」
こいし「なんだよなんだよふたりともだらしないなあ!
子供は風邪の子でスク水一枚はKENZENなる幻想郷女子のたしなみだってぶええーっくしょん!!><」
リリカ&さとり「やかましい黙ってろ馬鹿あと服を着ろ(#^ω^)」
~あらすじ~
なんか翼人のところからまた露骨に助けを求める系の意味不明な内容の手紙が棘魚亭に投げ込まれたらしいぞ?
ジュニアじゃない方のアントニオ(何故か故猫ではない)はもう馬鹿馬鹿しくなっておもえらに翼人関係押しつけることにしたらしい
でもって翼人がはやくきて~はやくきて~と助けを求める立橋にカカッと駆けつけた系のおもえらが見たのは普段は桜英語で言うとチェリーブロッサムが舞う実際美しい光景で有名な立橋に空気を読まない吹雪で翼人たちが凍死寸前だったんですわ?
おいィ…常春の場所に雪降らせるとかこれ絶対黒幕の仕業だろ…きたないな流石くろまく汚い
ヤマメ「なんなんだいこのしっちゃかめっちゃかなナレーションは^^;
ブロ語と忍殺語がヘンな化学反応起こしてんじゃないか」
メルラン「そこは重要な事じゃないと思うんだけどさー。
というかあんた達、いい加減服ぐらい着なさいよ」
クァナーン「…フク…?
ああ…その窮屈そうな布切れの事か…。
土の民は…変わった習慣を持つものだと思っていたが…防寒の用も果たすのだな…(ガクガクブルブル」
ヤマメ「…見事な生活環境と文化の違いと感心するけど何処もおかしくなかったね(真顔」
さとり「かごめさんの漁ってきた資料によれば、ここの環境はもう千年以上も前からほとんど変わってないみたいですからね。
温暖な気候と年中森の恵みが豊富なこの地に生きる彼らは、極めて環境の変化に弱く…とりわけ寒気を大の苦手にするそうですしね」
クァナーン「それもまた…我らに与えられた定めだ…。
お前たち土の民は、寒さに強い…故に、この寒気の源であるあの魔物の元へとたどり着き…討つことができると思ったのだ…」
まるでメトロノームの針のようにぶるぶると震えるクァナーンの指がそれでも指し示す先には、明らかに氷の魔物と思しき巨大な魔物が屹立している…
メルラン「あー、やっぱりアレなんだ^^;
正直いるのは知ってたけどあえて見ないフリしてたわ」
ヤマメ「あれだけ露骨に立ってられたら誰にだってわかるわな、まあ、見ないフリしてたのは私も一緒だが」
クァナーン「ぐぬぬ…わ、我々はあの魔物を、氷の大王と呼んでいる…。
伝承でもかなりの昔、現れたことがあった…近づけば近づくほど寒さが増し、この温暖な森の植物も皆凍りついてしまう。
我々も討伐に向かおうとしたが…返り討ちにあうどころか、皆あの寒さにやられてしまう有様だ…」
リリカ「そりゃそうでしょうに…けど、この寒さは正直ないわ。
要は、あいつをぶちのめせばいいってことよね」
さとり「そういうことですね。
私も正直この寒さは勘弁して欲しいものです…さっさと片付けてしまいましょうか」
こいし「うー私も寒いからここで待ってるー><」
ヤマメ「あんたはちゃんと服を着てついてこい(キリッ」
「狐尾幻想樹海紀行 緋翼の小皇女」
第六十二夜 古明地こいしのドキドキ樹海探索・殺(キルズ) そのよん
静葉「おばんでーす静葉です」
レティ「なんかヤマメが居なくなったと思ったら、あいつこの件に絡んでるのねそういえば。
というか前回のナンバリングからすっ飛ばされてない?」
静葉「そりゃあ盗賊クエストをそのさんのエピソード4でカウントしてるからに決まってるじゃない」
レティ「えっそうなの?」
静葉「そうだよ(真顔
というわけで今回はDLCクエスト「桜ノ立橋に降る雪の怪異」ね。
受領可能時期は21F到達以後だけど、推奨レベルが75と書いてあることでわかるとおり、基本的にはクリア後でなおかつ三竜のどれか1体を討伐済みぐらいが最低ラインになるかしらね」
レティ「例によってレベル1でも一応」
静葉「悪いけどそれ、氷竜殺ってることが絶対条件だから。
詳しい話はこいつの解説とセットでやるわよ」
DLCクエスト「桜ノ立橋に降る雪の怪異」ボス 氷の大王
レベル75 HP32500 炎弱点/氷無効 即死・石化・呪い無効/テラー・眠り・混乱・頭封じ・足封じ耐性
氷結の雪崩(頭) 全体に遠隔氷属性攻撃
ソウルフロスト(頭) ランダム10回氷属性攻撃
パイルバンカー(腕) 貫通近接壊攻撃、頭封じを付与
バスターアーム(腕) 拡散近接壊攻撃
結晶の綻び(脚) 一人の強化解除し、属性・物理防御ダウンを付与
※HPが24375、8125を切った時にそれぞれ一度だけ、氷の鎧(HP8000、炎弱点/氷無効、全状態異常無効)が出現。
これを破壊しない限り本体にダメージを与えられず、なおかつソウルフロストのダメージが上昇する。
また、後述するループパターン中にも氷の鎧が出現する(HP現象をトリガーとする氷の鎧出現はそれぞれ一回のみ)。
静葉「例によって、ギルドへっぴり腰の数ある偉業の記録からこいつのパターンを引用させてもらうわ。
というか、あの人以外にパターン調べてる人いないみたいだし」
レティ「本当に最近wikiがアテにならなくなったからって、ちょっとべったりしすぎじゃないかしら?」
静葉「使える資料はありがたく使わせていただくのが流儀よ。
こいつのパターンを長々説明すると長いから、簡単にまとめてだけおくわ」
第一パターン(HP32500~24375)
バスターアーム→通常攻撃のループ(スタートはバスターアーム固定)
第二パターン(HP24375を切って最初の氷の鎧出現)
ターン終了時に氷の鎧出現、次のターン結晶の綻びを使用
結晶の綻びを使った次のターン、氷の鎧出現ターンの行動がバスターアームなら通常攻撃、通常攻撃ならバスターアームを使う
以降はバスターアーム→通常攻撃→ソウルフロスト→バスターアーム…のループ
第三パターン(最初の氷の鎧撃破後)
通常攻撃、バスターアーム、氷結の雪崩をランダムで使用
6ターンが経過すると、そのターンの終了時に氷の鎧が出現しパターンが変化
次のターン結晶の綻びを使用し、その次のターンにパイルバンカーを使用する
以降はソウルフロスト→パイルバンカー→バスターアーム→ソウルフロスト…のループ
氷の鎧出現時にバスターアームか通常攻撃ならソウルフロストから、氷結の雪崩ならパイルバンカーからループがスタート
最終パターン(二回目の氷の鎧撃破後)
通常形態に戻り、ループを受け継いで行動するがソウルフロストの代わりに氷結の雪崩を使用
通常形態で6ターン行動したら、氷の鎧を出現し次のターン結晶の綻び→鎧出現時に使った技の次に使う技を使用(氷結の雪崩はソウルフロストへ置き換える)
以降も鎧破壊から6ターン後に鎧出現するというループを繰り返す
※HPが8125を切ったターン、前回の鎧破壊から6ターン経過しなくてもその時点で一度鎧が出現する
レティ「うわ、わっかりづらっ」
静葉「かなり複雑な動きをするけど、基本はループね。
ポイントになるのは氷の鎧の出現で、最初に出現して以降は破壊するまで本体にダメージは通らない、なおかつ破壊した後も6ターン経過でまた鎧が出現して、その次のターンの結晶の綻びが飛んでくる、ということ。
最初の6ターンがランダム行動なのがクセモノだけど、以降は基本的にループよ」
レティ「基本的には鎧が出てる時の氷属性技がランダムヒットで、出てない時は全体攻撃、ということね。
ソウルフロストを鎧出現中にしか使わないってことは、常に最高火力で飛んでくるってことでしょ?」
静葉「ソウルフロストが使われるターンに氷の鎧が壊れていれば、その限りではないわね。
けど性質上、防ぐのはかなり難しいわ。完全ランダムだから、場合によっては一人に5、6発当たったりもする。ペットでキャッチさせるのが現実的だけど、氷耐性はしっかり上げてないと一瞬で死ぬわよ」
レティ「んまあ、オーブでシャットアウトするのが一番現実的よね。
で、私一つ気になることがあるんだけど」
静葉「なにかな(真顔」
レティ「そこだけ唐突にブロント語で返すのやめなさいよ。
幽香が氷竜を狩りに行った時の話あるじゃない、その時にこいつの条件ドロップから作れる盾とビキニアーマー併用してたと思ったけど」
静葉「そうね。まあ察しがつくんじゃないかしらその辺。
最初はこいつピクニックで狩ったのよ。
当時はこれをネタにするまでのことはないと思ってね、メインが幽香とクオナだったし」
レティ「確かにてゐがさらりと流した感じで終わってたけど…それで終わらせるつもりだったのね」
静葉「そういうことよ。
だから、今回改めて攻略するに当たり、極力氷竜戦以前でも攻略可能を前提の装備にしてあるわ…ステータスそのものは99引退ボーナスついてるけど」
レティ「これもうわっかんねえな(真顔」
静葉「というわけで挑んだ時のデータがこんな感じね」
リリカ プリンセス
攻撃の号令★ 防御の号令3 予防の号令4 不屈の号令★ リンクオーダー★
ファイアサークル★ フリーズサークル★ リセットウェポン2 エクスチェンジ3 ホワイトノーブル1 ホーリークラウン1
号令マスタリー★ レイズモラル★ HPブースト5 TPブースト5
こいし ソードマン→ブシドー
逆袈裟1 斬馬3 卸し焔★ ツバメ返し★ 無双の構え★ 後の先★ 月影1 地走撃1
刀マスタリー★ 物理攻撃ブースト★ 上段の構え★ 青眼の構え5 居合いの構え9
ヤマメ ダークハンター
ヘッドボンデージ7 アームボンデージ7 レッグボンデージ7 エクスタシー★ アナコンダ★
ブラッドルージュ1 スネークアイ★
鞭マスタリー★ HPブースト★ 物理攻撃ブースト★ 抑制攻撃ブースト★
さとり(?) カースメーカー
力祓いの呪言★ 軟身の呪言★ 幻惑の呪言2 病毒の呪言★ 睡眠の呪言1 狂乱の呪言2 罪咎の呪言8
封の呪言:頭首1 封の呪言:上肢1 封の呪言:下肢1 畏れよ、我を★ 命ず、自ら裁せよ★ 呪鎖の恩恵★
呪言マスタリー★ 抑制攻撃ブースト★
メルラン バード
猛き戦いの舞曲1 聖なる守護の舞曲1 軽業の旋律1 慧眼の旋律1 火劇の序曲★ 氷劇の序曲★ 雷劇の序曲3
火幕の幻想曲★ 氷幕の幻想曲★ 雷幕の幻想曲5 蛮族の行進曲3 耐邪の鎮魂歌1 生命の重奏★
歌マスタリー★ 素早さブースト★ HPブースト5 癒しのリズム★
静葉「とまあこんな感じで」
レティ「ちょっとちょっとちょっと待ちなさいよ今気づいたけどさとりいないじゃない!!!(#^ω^)
というかルナサいる!!なんか何時の間にかしれっとルナサの奴いるし!!!」
静葉「うんまあ…これね、なんか色々これの時系列どこもってこうか迷ってたのよぶっちゃけ。
結局過去回想の扱いにしたからさとりに置き換えようってわけなんだけど、また写真撮り直すの面倒くさかったし…ああまあ、やってること自体は一緒だけど」
レティ「つか何あいつしれっと今回使いでのない罪咎無駄に伸ばしてやがるの?
私達に日頃の恨み事でもぶっかけてなんかしようとかそういうこと?(#^ω^)」
静葉「落ちつきなさいなまったくもー。
これは探索用の呪い付与目的ね。超危険な花びらをアムリタ2に変換する用、といいかえれば解りやすいかしら?」
レティ「裁せよは?」
静葉「これは一応今回も使おうとしたけど、むしろのちのちを見据えての取得ね。
氷の大王に対しては試し撃ち目的に近かったけど、次回触れるディノゲイターを狩るのにはまあ、必須技になるかしら。ちょっとネタばらしにもなるけど、ティンダロスにもテラーが通るわよ」
レティ「ふーん…火力の高さを逆用して自滅させようって腹積もりかしら?」
静葉「その辺りは次回により詳しく説明するけど、この先はむしろリリカやこいしというより、ルナサメインでなんかしたいみたいな考えが狐野郎プロットにあるみたいね。
ディノゲイターはフランというか菫子を当てる考えもあったみたいだけど、ルナサ達に任せるつもりにしたみたい。なんでここの局面まできて突然ヤマメが探索メインから外されたのか、そのことについても触れるわ。まあ大した理由ではないんだけど」
レティ「とりあえずひと通り見て解ったけど、メルランの幻想曲とリリカのサークルで氷技を止めるってことでいいのよねこの場合?
確かにランダム攻撃なら、一回しか防げないガードで弾くより軽減して受けたほうが楽そうだし」
静葉「それでもソウルフロスト一発あたり50前後もらうから、大分痛くはあるわね。
ただこの時はこいしが傷舐めとオート回復持ってたのが本当に助かった局面ではあったわね。力祓いで火力落としても、10発フルヒットすれば流石のこいしでも持ってかれちゃうもの。
で、上段にシフトしたこいしの卸し焔と、隙を見て呪鎖スティグマで縛り上げてからのエクスタシー、もしくはそこそこ通る毒からのソウルリベレイトで削るのがメイン火力。氷の鎧には異常入らないから、メルランが火劇をヤマメにつけて普通に殴る。
とにかく氷の鎧が事あるごとに出現するから、へっぴり腰の200ターンオーバーとまで行かなくてもやっぱり40ターン近くかかったわね」
レティ「というか初回はなす術なく氷結の雪崩で吹っ飛ばされてなかった?」
静葉「間抜けな事にサークルし忘れててね。
兎に角さとりというかルナサは適宜力祓い掛け直しつつ呪鎖を決めに行くのが主なお仕事だったけど、前回ヤマメが言ったように、足縛るせいで行動速度は遅くなる、そもそもカスメの方がダクハンより足遅いから、地味に異常を入れるタイミングが遅くてね。
次回からはメルランにアザステ持たせるから少しは改善されていくと思うんだけど…」
レティ「でも聞く感じ、そこまで苦戦はしなかったってことなのかしら?」
静葉「見た目は適正レベルとはいえ99引退ボーナスがあるからね。
因みに裁せよだけど、テラーがやっとこはいったと思ったタイミングで氷の鎧が出現しやがったから、あとはお察しという感じで。
一応リンクオーダー持たせたけど、あまりにも火力がしょぼすぎてもうね」
レティ「本職(リリカ)が限界突破してブースト込みから撃っても大体1200くらいしか入らなかったし、それこそお察しじゃないの?」
静葉「まあそうなんだけどね」
…
…
♪BGM 「戦場 一重向こう側の死」(SQ4)♪
【システムウインドウ】
氷の大王は氷の鎧をまといました
氷の鎧があると本体にはダメージが与えられません
氷の大王は氷の鎧でカリスマガードしている!
だがこの状態でも氷の大王は攻撃の構えをしている…アストロンかかってるのに攻撃してくるとか俺のシマじゃノーカンだからよ、それチートですわ、お?
ヤマメ「ぐわああああああああああああまたかよこいつめんどくせええええええええええええええええ!!!><」
メルラン「文句言ってたって仕方ないでしょうが!!><
序曲かけるからとにかく殴って!!とにかくひたすら!!><」
しかし氷の大王は空気を読まずにソウルフロストの構え!
リリカ「おねーちゃん先幻想曲!!私のサークルだけじゃ足りないよー!!><」
メルラン「ああもうこんちくしょうがああああああああああ!!ヽ( °Д °)ノ」
氷の大王はソウルフラスコの構え!
周囲に十連続で飛び散る強烈な氷の嵐はまさに雹的小宇宙!
ヤマメ「おんどりゃいい加減にしやがrげふう!!∑( ̄□ ̄;)」
さとり「埒があきませんね…!
このままではジリー・プアー(徐々に不利)です…次にあの鎧をぶっ壊したところで勝負を決めないと」
リリカ「さとりさん、何か策が!?」
さとり「あるにはあるんですけどね…鎧が再生成されるまでは6ターンありますが、そんな悠長な事も言ってはいられないでしょう。
あの魔物のクセからすれば、仮に次の一撃で鎧が破壊できれば…仕掛ける余裕はある…!」
リリカ「……このターンで、壊せばいいのね?」
さとりが頷くのを受け、こいしに目くばせすると、こいしも頷いて構える…!
こいし「はああああああああああっ、黙想っ!!><」
こいしちゃんはフォーススキル「不動」を発動!
説明しようこのスキルは発動中構えの効果を解除されないという効果があったり刀技の消費が軽くなったりとか兎に角すごい効果があるのだ!!!
こいし「そして無双かーらーのー!
ヒサツ・ワザ!イヤーーーーーーーーーーーッ!!!ヽ( °Д °)ノ」
こいしちゃんは無双の構えから卸し焔の構え!
破壊力ばつ牛ンの一撃!
リリカ「そしてついげきのリンクオーダーどーん!!m9( ゚д゚ )」
さらにリリカのリンクオーダーで無慈悲な追い討ち!
氷の鎧が砕けて本来が露わになる…!
さとり「今です!
メルランさんはヤマメさんに強化を! ヤマメさん、次のターンに決めてください!
…想起、“天網蜘網捕蝶の法”ッ!!」
さとりはスペルカードを使った!
さとりはスティグマの構え!
魔力の糸が魔物の身体をがんじがらめに縛りあげて魔物は身動きが取れないとりにくい!
ヤマメ「…そういう事かい…!
なら、このヤマメさんもちぃとばかし本気で…いかせてもらおうか!!」
♪BGM 「封じられた妖怪 ~ Lost Place」(東方地霊殿)♪
瞬間、ヤマメからすさまじい瘴気と妖気が渦を撒くようにして解き放たれる…!
「普く貪れ…“鬼喰女郎”、総解放ッ!!」
雲突くほどの強大な土蜘蛛のオーラが一瞬見えたかと思うと、ヤマメの身体に針の如き黄と黒の虎縞の毛がスマートなボディースーツを形作る。
真紅に光る瞳に獰猛な光を灯し、大きく広げた両手は、大ナタのような、禍々しい瘴気を纏う大爪に変化している…!
鬼も仏も喰らいつくすと言われた土蜘蛛、その最後の純血統である彼女の、真の力の発露が、そこにあった。
彼女は、聞く者の魂すら凍りつかせるような、おぞましくも凶暴に響く雄叫びと共にその大爪を振りまわし、動けぬまま魔の氷の魔物に迫り…次の瞬間、光の軌跡がいくつも走ると、残心するかのように構える彼女の姿は元の、夜猟者(ダークハンター)らしいボンデージ姿に戻っていた。
「…“樺黄小町・瞬煌”。
こいつで終いだ」
彼女が不敵な笑みと共に振り返ると…氷の魔物は氷の結晶となってあとかたもなく砕け散る。
そして、その源がなくなった立橋に、温かな春の風が戻ってきた。
…
~狐尾紅茶館~
メルラン「…というわけなのよ。
まー相変わらずあの連中ときたら、何が起きても「星の定めのままに」ときやがるもの。
見てるこっちがハラハラしっぱなしよ」
てゐ「ふーん。
まあそう言いながらもしっかり付き合ってやるあたり、お前さん随分あの連中気に入ったみたいじゃん」
メルラン「否定はしないわよ、なんか見てて放っとけないんだもの。
あの氷の大王とか言うバケモノを倒した瞬間、ウソみたいに寒気が消えたわ。あの魔物自体が自分の冷気をコントロールできていないのか、元々そんなことする気がないのかわかんないけどね…どうしたのてーさん、難しい顔しちゃって」
てゐは何事かを考えている…そして、何か思い出したように目を見開いた。
てゐ「…メルラン、そいつの亡骸はどうなった?」
メルラン「え?
あ、うんっと…ばらばらに砕け散っちゃったわ。ほとんどあの魔物、氷で身体が出来てたみたいだし…ああでもそういえば、あいつの腕の攻撃を封じようとさとりが呪言を掛けたんだけど、そのせいなのか、身体はばらばらになったのに腕だけはしっかり残ってたわ。
不思議と腕だけは冷たくなくて、石っていうか金属みたいな固さがあったから、なんかの防具に加工できるんじゃないかっていうんでヤマメさんがトムソン爺さんのところへ持って行ったんだけど…」
てゐ「…………それだ!!
おい、その腕結局どうなったか解るか!?」
メルラン「じいさんも首をひねってたみたいだけど、結局削り出して手甲かなんかにするしかないんじゃないかって話で…とりあえず他の人たちに意見聞いてから何に加工してもらおうかって話で保留してあるんだけど…それが何かあるの?」
てゐ「メルラン、悪いがリリカの奴に、その腕全部私の一存で使わせてもらうって言っておいてくれ!
これで、総ての一手が揃う…氷王が「氷嵐の支配者」を制することができた、その手法の再現が出来るんだ!!」
メルラン「ちょ、ちょっとてーさん!?」
てゐはそのままメルランの返事を待たず、大急ぎでギルドハウスを飛び出して行った…。
メルラン「…どゆこと?」
文「珍しいことに随分慌てて飛び出して行ったわねえ…。
あなた達が翼人のところへ行ってくれたって聞いたけど、その関係かしら?」
メルラン「一応そうみたいなんだけど、よくわけわかんない」
…
…
静葉「というわけでフラグ回収、っと」
レティ「メタいわ!!∑( ̄□ ̄;)
こいつの条件ドロップから作れるのが、あれね、氷竜戦の時に使ったアームシールド」
静葉「条件は腕封じ状態で撃破、これにより取得できる「制約された氷腕」がアームシールドの素材になるわ。
防御力は84で聖騎士の盾より防御力が高く、なおかつパラディン以外でも装備ができる最高級の盾よ。氷耐性値を+50してくれる代わり、炎耐性値を-50してしまうデメリットはあるけど…炎属性攻撃が然程飛んでこない第五階層・第六階層では普通に最高水準の盾として運用できる非常に優秀な装備ね」
レティ「あ、殺戮の盾はこの場合触れないのね」
静葉「アレは武器よ、しつこい様だけど(キリッ
因みの炎耐性値の軽減は、ビキニアーマーとの併用でニュートラルに戻せるけど…まあそんなに意味はないわね。氷耐性に特化しても、炎は素通しされるから幼子戦とかへの投入はオススメできないわよ」
レティ「あくまで対氷属性に特化した装備ですものね。
あとどうでもいいけど、つぐみとやり合った時の意味深なフリもここで地味に回収するのね」
静葉「その辺はヨタ話になるけど、以前からちらほら触れてるように、ここで登場するヤマメはコメディリリーフに見えて実際は地底最強クラスの実力者ということになってるのよ。しつこいようだけどね。
そもそもあまり気にされたことないけど、地霊殿の連中はヤマメを筆頭に、誰ひとりとしてやられグラフィックはない…こいしを除けば、ね」
レティ「なんかで触れられてたわね、ヤマメは完全に遊んでた、みたいな話。
勿論この私もだけどね!!(ドヤッ」
静葉「うわあ、うざっ」
静葉「というわけで、今回はここまでになるわね。
次回は先にも触れたように、このメンツでディノゲイターを普通に狩りに行くわよ。一応クエストもあるし」
レティ「ディノゲイターも昔は会う事がまず困難な奴だったけど、今回はどうなのかしら」
静葉「今回は今回でだいぶクセがあってね。
ただ、一度会う環境さえ整えば、あとはピクニック前提のワニさん道場が開業するんだけど」
レティ「なによそれ…」