「どうして、こうなっちゃうのかな。
人間も妖怪も、何ひとつ変わることなんてできないのかな?
…ねえ…教えてよ、みすちー」
夢。
夢を見ている。
その夢の中で、振り返った少女は、悲しみに歪む笑顔で、自分にそう問いかける。
その手には、血塗られた燐光の刃が。
その眼前には、物言わぬ数多の躯が。
「わたし…こんなチカラなんて、欲しくなんてなかった…!
わたし、わたしっ…ただ大切な人の…大好きなひとの力になりたくて…!
…ただ…それだけだったのに!!」
朦朧とするその意識の先で、彼女は泣いていた。
望まぬ闘争を強いられ、己の巻き起したその結末に、慟哭するその悲しみを止める術もなく。
自分の持ちえた力とは、なんだったのか。
穣子達と共にした、出会いと思い出に彩られた、あの過酷な旅路で得たものとは、総て無為なものだったのか。
大切な友達を…リグル一人、護ることができなかったこのチカラの意味なんて。
…
「どうだった?」
ギルドハウスに戻り、昏倒したままのミスティアの様子を見てきたのだろう…てゐは、ルナサの問いかけに肩を竦める。
「どうもこうもねえ、外傷はほとんどねえし、見た目は全くの健康体。
だがお前さん一体どんな「呪言」を仕掛けたんだよ? アレ解除するって相当ホネだよ?」
「…咄嗟だったんだ。
ああでもしなきゃ、あの子止まらなそうだったし」
「にしたってなあ…もうちょい時間くれ。あと樹蜜酒のいい奴。
結界まで同時展開してねえと私まで呪い被っちまうよ。こういう時ぐらいはカエルの手も借りたくなるよなあまったく」
うんざりしたような表情で、ルナサが差し出した樹蜜酒をひったくるように受け取ると、てゐは再度部屋を後にした。
「やり過ぎだったんじゃないの、姉さん?」
「仕方ないでしょうに。
今のミスティア相手なら、あれでも効いてくれるかどうかわからなかったわよ。
…予想はしてたけど、ディノゲイターの方もまるで予想の斜め上行くぶっとびぶりだしね、色々」
溜息を吐き、彼女が広げるその魔道書…否、「魔物図解」のその一ページには、先に剣を交えたディノゲイターの詳細なデータが記録されていた。
曰く…「目撃例がほぼ無い希少なワニに似た生物。好奇心が強く、見慣れないものに対して無邪気にじゃれつく」。
「…あれでじゃれついてきてただけだっていうわけ?
冗談にしては笑えないわね」
「わたしもウワサでしか聞いたことないからね。そんなわけわかんない生物だったなんて初めて知ったわ。
とはいえ、こっちからあれだけ怖がらせれば、もう二度と近寄ってこないかもしれないわね」
呆れるようなメルランの物言いに、もうひとつ溜息を吐くと、ルナサは「図鑑」を閉じて荷物入れに仕舞い込む。
「姉さん、しつこい様だけど本当に事情は聞いてないの?
確かにあの子の回り、穣子さんだのチルノだの、ぶっちゃけトンチキな連中ばっかり集まってるし、多少の影響は想像に難くないけど」
メルランは姉と向かい合う格好に座り直すと、僅かに険しい表情でそう問いかける。
ルナサはしばらくその視線をじっと受け続けていたが、一度目を伏せて息を吐く。
「………ないと言えば、ウソになるわね。
あなた達が樹海に向かってじきよ。
幽香が夢月達を連れて丘を離れた隙に…日頃幽香に恨みを持ってる連中が丘に押し寄せたのよ」
その言葉に、メルランは眉をひそめる。
メルランとて知らないわけではない、かつて幽香は、その衝動のままに周囲の妖怪に喧嘩を売り歩くのが日常茶飯事だった時期があった。
勿論それなりの理由はあってのことで、ぶちのめされた相手もそうされる理由が大なり小なりあったことは事実…しかし、幽香がある程度自己の制動が効くようになったのはそれこそここ十数年の話…丁度、ルナサ達と一緒に日向美商店街で暮らしていた頃からだ。
幽香はその空白の二年間で、幽香への意趣返しに丘を荒らしまわっていた妖怪へさらに意趣返しを加え…その際に、自業自得とはいえども幽香によってばらばらに五体を引き裂かれて丘の養分となった者も一人二人と言うレベルではなかった。その縁者や、命からがら逃げ遂せて、深い恨みを抱いている者もごまんといる。
それだけならよいのだが、その過去の行状から幽香に恨みを持つ魔族も「正当なる制裁」と称してこの愚連隊に同調し…力では決して敵わないことから、稚気じみた嫌がらせに出ることが多くなった。彼女の不在時に丘の一部を枯らして歩くなど序の口、時に、幽香に懇意にしている小妖怪だの、丘の妖精を惨たらしく殺して家の軒先に放りこんで置くなどということもあった。
近年では丘の主である幽香以外にも、丘の裏次元にある「夢幻館」の夢月、あるいはリリカのジョウト巡りの際に出会って意気投合した葉菜のような強力な妖怪が留守居をしていることも多くなったこともあり、そのような不埒者は息をひそめていたのだが…。
「間が悪かったのでしょうね。
幻月は相変わらず夢幻館から出てこないし、夢月も葉菜も連れだって居なくなってた…けど、たまたまその日にミスティアが遊びに来ていたからと言って、そのミスティア自体も特別指定級の強力な妖怪で、挙句下手に手を出せば山全体を敵に回しかねないことは誰もが知っていた筈よ。
…けれども、魔界のアリスシンパにそんな理屈なんて通用するわけがない。むしろ連中にとってみれば、アリスにかつて協力してて、同じように幽香を嫌っていた筈のミスティア達も裏切り者に過ぎないわ。
それに…あの子なら、自分の力を下手に丘で使えばどうなるかぐらい、知ってるでしょうし」
「………あの子が本気で戦ったら、丘が焦土になりかねないわね。
あの子の焔は、かごめや藤原妹紅ほどじゃないけど」
「瞬く間に丘の大半を焼き尽くすでしょうね。
相手はそれを承知の上で、あの子の攻撃のクセまで調べつくして、丘をあの子の手で焼かせようと仕向けたのよ。
…仮にあの子が焔を使わなければ、数で押せるから…実際に、彼女は十数人から囲まれて、袋叩きに遭ったそうよ…そいつらを全員ナマス切りにしてのけた、リグルの言葉を信じるならね」
メルランは息をのむ。
「あなたも知ってるでしょう?
あのバカルテッド共のうち、リグルだけは幽香の陰に隠れてる事もあって、ろくすっぽ話題にも上らないけど…あの子の力も十二分に滅茶苦茶よ。
けれども、そんなことはさしたる問題じゃないわ。ミスティアにとっては」
「自分が何ひとつできなかったこと…あの子はただそれを、ずっと恐れ続けてる」
ルナサはゆっくりと頷く。
そしてゆっくりと立ち上がると、窓際から遠く、そびえたつ世界樹の上を見やる。
「いい加減、私達もあの子との付き合いは長いわ。
それに、旧友の頼みとあっては…無碍にもできないもの」
「狐尾幻想樹海紀行 緋翼の小皇女」
第六十六夜 更に戦う者達
~一方その頃 「天ノ磐船」 上帝の間~
君達の目の前に圧倒的存在感アトモスフィアを放ち続けるUNIXボックスめいたものがある
これはツキジ地下に眠る旧時代の遺産たる巨大なT1回線束めいてそこに存在している…
魔理沙「なんじゃこりゃ」
翠里「なんじゃこりゃ…と言いますが、みるからにサーバーめいたなんかっすね。
平たく言えばパソコンのハードディスクの集合体みたいなもんです」
魔理沙「馬鹿にすんなこの野郎私だってパソコンぐらいは知ってるのぜ!!><
…触ったことはあんまないけど…っていうか、リップじゃなくてなんでポエットがここに居るのかが気になるんだが」
ポエット「あーまあその辺の事情はおいおい説明しますんで^^;
けれど、このタイプのサーバだったらわりと見慣れたものですね。天界のデータボックスもこんな感じですし」
菫子「えっ天界にもそんな胡乱なのがあるの…!?」
魔理沙「っていうかこれ電力とかそういうの必要なんだろ? どうやって電気引っ張ってきてんだあんな空の上まで?」
ポエット「そこはまあ…シグマ様がいますんで、あの方雷の女神ですし^^;」
菫子「いやいやいやそんな雷レベルの電荷かけたら一発で大抵の電気製品お釈迦になるんじゃないのその位私にだってわかるわよ!!><」
翠里「菫さんその辺の常識の尺度はとっとと捨てましょう、多分部品とかオリハルコンとかそういうのしれっと使ってるでしょうし^^;
…にしても、サーバシステムだけなんすかね? こういうの、アクセス用の端末モニターとかどっかにあるんでしょうけど」
魔理沙「探すにしても相当ホネだな。道中にも自販機があったりしたとこみれば、そういうのもここで一括管理してんだろどうせ?」
ポエット「でしょうね。
となれば、壁とかに埋まってるとか」
フラン「みんなちょっと来てー! こっちに何かモニターめいたものが出てるだけどー!><」
菫子「…ですって」
魔理沙「えらいまたあっさりと見つかったもんだな」
ポエット「とりあえず行ってみましょう」
事の起こりは数日前、かごめ経由で魔理沙に告げられた「指令」からだった。
半年ほど前、魔理沙とフランがこの「磐船」の最上部で上帝を討って以降、「磐船」の調査のため多くの冒険者や、大公宮の調査隊などが送り込まれていたが…そこには上帝オーバーロードが除かれたとはいえ、いまだそのプログラムによって稼働する強力な兵器群、そして「禁忌ノ森」から侵入し居着く強力無比な魔物たちの存在もあり、その調査も杳として進まなかった。
そんな最中、調査中の衛士隊から、崩落した「上帝の間」の一区画に奇妙なものを発見したという報告がなされた。
名状し難い正体不明の設備はまだ稼働状態にあるとみられ、それが「磐船」を稼働させていると思われる機構に類するものであろうと推測されるものの、その用途は皆目見当もつかず、なおかつ迂闊に触れることもできないという事で、大公宮より極秘にいくつかの強力なギルド宛てで調査依頼を出されることとなった。
当然ながら、その中には「狐尾」も存在するのも当然の成り行きであった。
他のギルドは当然ながら、「狐尾」に比肩する名誉を得るべく奮戦するも、まったく資料の残らぬ正体不明の設備の謎を解明させることはおろか、それを起動させることすらできないという有様であった。
これに関しては流石に、公家に伝わる伝承にも残ってはおらず、他のギルドは皆依頼を投げてしまい…結局その御鉢が彼女ら「狐尾」へと回されることとなったのだ。
閑話休題。
フランに呼ばれてきたそこには、また別の立体ホログラムモニターがあり、そこには淡い光を放つ文字でこう書かれていた。
いわく…戦闘訓練シュミレーションを開始します、難易度を選択してください…と。
魔理沙「戦闘訓練シュミレーション? なんのこっちゃ」
ポエット「読んで字のごとくなのでは…」
フラン「私がここに入った時に「スリープモードを解除します」とかそんな表示が出てたんだけど」
翠里「ってことは、何時からかはわからないけどずっと前から稼働しているっぽいっすね。
でも不親切っすねえ、こういうものにはチュートリアルとか、説明書とか添付されてるもんなんスけど」
菫子「な、なんかすっごい嫌な予感しかしないんだけど…これ、画面の何処を触ってもシャットダウンできそうな感じじゃないし…スリープモードになって起動さえさせなければ、放っておいてもいいんじゃ」
魔理沙「おいおいそういうわけにはいかねーだろ。
にしても、難易度がEASY、NORMAL、HARDのみっつか。とりあえずいきなりHARDはやばそうだし、順当にEASY押してみるか。ポチッとな」
菫子「∑( ̄□ ̄;)えちょおま何を勝手に」
菫子達が驚く間ももあろうか、魔理沙が「EASY」の表示に触れた途端に強烈な浮遊感が5人を襲い、周囲の景色が一変する…!!
♪BGM 「戦場 朱色の雨」♪
一瞬意識がぶれ、次の瞬間魔理沙達の目の前には唸りを上げる四頭の蒼い狼と、そのボスと思しき巨大な白毛の狼が立ちはだかっているではないか!
魔理沙「∑( ̄□ ̄;)うおなんぞこいつら!!?」
ポエット「…!!
こ、この狼たち見たことあります! 確か、エトリアの森に住む狼のボス、スノードリフト!!」
翠里「スノードリフト!?
そ、それ確か、エトリアでつぐみさん達が戦ったっていう…?」
ポエット「氷属性を持つ切れ味抜群の牙はもとより、スノードリフトの統率能力、そしてボスの為に惜しげもなく身を擲つ狼たちの忠誠心が何よりも恐ろしいという魔の群狼…ひょっとすると、この戦闘シュミレーションって」
逡巡する一行の目の前に、間もなく戦闘を開始します、というCATION表示が点灯し、タイムカウントがなくなっていく…。
菫子「んもーなんでそんな面倒なもの起動すんのよもうやだー!!><」
魔理沙「ええい泣き言言うなやっちまったもんはしょうがねえだろ!
とりあえず行くぞみんな!」
…
フラン「これで止めッ!!」
魔理沙の銃弾の魔力を撒きこんだフランのスピアインボルブが、翠里の矢を受け棹立ちになってがら空きになったスノードリフトの土手っ腹に吸い込まれていくと…その論理肉体は爆発四散するかのように01の嵐となって飛散した。
そして、再び五人を強烈な浮揚感が襲い…そこに書かれている文字に五人は絶句する。
いわく…第一ステージクリア。次のステージに進みます…と。
菫子「∑( ̄□ ̄;)うええっそれマジで言ってんの!? 確かに思ったより楽勝だったけどっ」
翠里「…喚いてるヒマないっす! 次、来るっすよ!!」
…
一行はそれでも危なげなく、次から次へと現れる強力な魔物相手に勝利を重ねていく…。
菫子「はあはあ…っていうかこれで何回目よ!? 一体何ステージあるのよこれえ!?><」
魔理沙「いいから構えろ菫子、次来るぞ…ってあれ」
フラン「イワオロペネレプううううううううううううううう!!!???∑( ̄□ ̄;)」
魔理沙「あーそう言えばフランもタルシスで見てたっけ…ってなんでこんなのまでえ!!!?∑( ̄□ ̄;)」
ポエット「…ちょっと待って…スノードリフト、ケルヌンノス、クイーンアント、コロトラングル…そしてイワォロペネレプ…まさか!!」
翠里「ポエットさん、何か心当たりが!?」
ポエット「ここまで出てきた魔物…エトリア世界樹の「七王」だわ!
もしかしてこのシュミレートプログラム、「七王」との疑似戦闘体験プログラムなのかも!」
ポエットは言い終わるより前に皆の前に盾を構えて躍り出ると、稲妻を纏い猛然と飛翔する論理イワォロペネレプのサンダーウイングをショックガードでいなす…!
そして、タルシスのもので見知っているこの怪鳥の弱点たる氷の属性弾を二発、三発と打ち込みつつ、魔理沙は叫ぶ。
魔理沙「どういう事だよ!?
ここまで五体見たってことは、こんなのがあと二体もいんのかよ!?」
ポエット「推測の域は出ません!
でも、出てきた魔物はみんな七王…難易度最低設定だから、そこまで強くは感じないけど」
魔理沙「…日和ったと思ってたけど、EASY押して正解だったか…。
予備知識抜きでこんなんと七連戦…とんでもねー罠だぜ…!」
フラン「ってことは…こんな魔物との戦いが、あと二戦も」
菫子「ちょっとおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!><」
…
…
静葉「ここまで登場しないから解説がないと、何時から錯覚していた?(キリッ
ドーモ、秋神の姉です」
レティ「相変わらず誰に対して喧嘩売ってるのかしらねあんた。
…ところでヤマメ何処行ったの?」
静葉「買い出しに行ったわよあの子。
あんたが氷風呂で無駄遣いしてくれやがったお陰で氷が尽きたのよ(じろり」
レティ「だあああってあっついんだもおおん(ぐてえ
というか冷房入れなさいよ冷房、私もーあっつくて動くの嫌ー」
静葉「だったらその無駄な脂肪をDDRでとっとと落としてきなさいよ(キリッ
裏でミスティア関係の話が進行してるけど、今回から魔理沙達の話に触れていくわ。DLCクエスト「箱に封ぜしは全ての贈り物」ね。このクエストは、何ともUNIX集合体めいた何かを調べることで、エトリアの俗に言う「七王」と戦えるクエストね」
レティ「…あんた冬になったら覚えてろよ(#^ω^)
これもしんどいクエストよね、ボス七連戦とかもうなんなのって感じ」
静葉「一応一回ごとに別戦闘の扱いになるから、その都度グリモアチャンスの回数リセットされるけど、レベルが上がってもスキル振ったりとかできないわね。勿論回復も不可能よ」
レティ「最ッ高にだるいわね。
回復薬をごっそり持ち込むか、いかにTPを極力使わない算段をするかよね」
静葉「一応推奨レベル99だから多少はね。
余談だけどこれをレベル50で突破した超人も」
レティ「はいはいへっぴり腰へっぴり腰(真顔」
クエストの舞台はオーバーロードがいる部屋の左上側ね。一応、上帝ルーム()はエンカウント0って仕様があるけど…今は特に関係ないかしら」
静葉「今回は特に攻略に関わらない概要説明だけど、そのうち前半の3体について解説することにするわ」
レティ「低レベル動画のアレめいてるわね。
まさか今回低レベル攻略にでも挑戦する気?」
静葉「ないない(´ - ` )
あくまでカジュアルプレイに茶番乗せるだけのこのログでそんなの期待されても困るわよ。それじゃ、前半三体のデータどーん」
DLCクエスト「箱に封ぜしは全ての贈り物」ボス紹介そのいち
一戦目 スノードリフト
レベル90 HP14000 氷無効/炎弱点 即死・石化・頭封じ無効/毒に弱い以外他すべての状態異常に耐性
凍てつく牙(頭) 遠隔貫通氷属性攻撃
テラーハウル(頭) 全体にテラー付与
※テラーハウルはHPが7000以下になると使用する
スノーウルフ
レベル90 HP6500 氷耐性/炎弱点 即死・石化無効/毒弱点
シルバーファング(頭) 遠隔氷属性攻撃
バインドハウル(頭) 全体に無属性小ダメージ、スタン付与
※前衛に二体、後衛に二体出現、全滅させなくても勝利となる(倒さない限り図鑑に登録はされない)
二戦目 ケルヌンノス
レベル91 HP20000 炎耐性/雷弱点 即死・石化・混乱・脚封じ無効/テラー・呪い・眠り・麻痺・腕封じ耐性/毒弱点
沈黙の瞳(頭) 全体に頭封じ付与
クロスカウンター(腕) 物理攻撃を受けた場合、単体近接壊属性ダメージで反撃する(ダメージは無効化しない)
ホーンラッシュ(頭) 単体近接突攻撃
スマッシュコンボ(頭) 拡散近接壊攻撃
ハリケーンパンチ(腕) 全体近接壊攻撃、麻痺を付与
※戦闘開始直後に沈黙の瞳を、その後4nターンにクロスカウンターを必ず使う
ヒーラーボール
レベル91 HP6000 物理に強め 即死・石化耐性/眠りに弱い
キュア(頭) 単体のHP回復(メディックの同名スキルと仕様は同じと思われる)
神秘のヴェール(頭) 3ターンの間味方全員の属性防御力をアップ
※ケルヌンノスと同列に二体出現、全滅させなくても勝利となる(倒さない限り図鑑に登録はされない)
三戦目 クイーンアント
レベル92 HP17000 氷弱点/炎耐性 即死・石化・腕封じ無効/脚縛りに弱い、他毒と眠り以外すべてに耐性
支配の眼光(頭) 単体に混乱を付与
かみくだき(頭) 近接壊属性大ダメージ
女王の鉄槌(腕) ランダム3~4回近接壊攻撃、命中がやや低い
土けむり(脚) 3ターンの間全体の命中率を下げ、盲目付与する
※戦闘開始直後に支配の眼光を必ず使う
ハイキラーアント
レベル92 HP6000 氷弱点/炎耐性 全個所の封じ無効/即死・石化耐性
攻撃隊列(脚) 3ターンの間、味方一列の物理攻撃力アップ
※前列に二体出現、全滅させなくても勝利となる(倒さない限り図鑑に登録はされない)
ハイガードアント
レベル92 HP6000 氷弱点/炎耐性 即死・石化・スタン耐性、その他封じ以外の全ての状態異常無効
防御隊列(脚) 3ターンの間、味方一列の物理防御力アップ
※後列に二体出現、全滅させなくても勝利となる(倒さない限り図鑑に登録はされない)
静葉「先に言っておくけど、こいつらにはドロップ素材というものは存在してないわ。
一部除くスキルはグリモア化できるから、強いて言えばそれがクエスト報酬以外の稼ぎになるのかしら」
レティ「対象技の中でどれが有用かって言われると微妙だけど…強いてここまでで挙がってる中ではハリケーンパンチかしらね。
前作だと十分頭おかしいコスパと破壊力、付与効果だけど」
静葉「今回も健在だから、確かにそれね。
さて、前半三体はお供が存在するけど、いずれも倒しても追加はされない、お供を残しても戦闘は終わるという仕様よ。
いずれもHPだけは馬鹿みたいに跳ね上がってるけど、パターンは前作と一緒ね」
レティ「と言っても確定になっているパターンなんてほぼないじゃない。
せいぜい、ケルヌンのカウンターが4nターンなぐらいで」
静葉「あとケルヌンの初手沈黙の瞳、クイーンの眼光が初手確定ね。あとスノードリフトがHP50%を切った直後に恐らく確定で一発テラーハウルが飛んでくるわね。
他の連中についてはそれぞれの解説で触れるわ」
レティ「HPはべらぼうに高いし攻撃力も段違いだけど、やってくることは前作と変わらないのね」
静葉「そうね。
あと地味にウザイのがスノーウルフのバインドハウル連射、ヒーラーボールとハイガードアント、あとは女王の土けむりね。
土けむりがあることを考えると、常に結界を張るかあらかじめ慧眼を張っておくか、かしら」
ヤマメ「実際あいつそれが一番うざかったからな。
ハイガードの乱入は絶対防がなきゃ壮絶にグダるから、何気に軽減率すさまじく高いからな」
静葉「あらお帰り」
ヤマメ「なんだ帰ってきたらもうほぼ今回の解説終わりじゃんよ。
というかもう魔理沙達の話ししてんの?」
静葉「一応話作りのためにピクニックで一周行って来たからね。
次にスタンダードでやって、そして三回目が本気のエキスパート七王撃破の予定よ。
とり会えず次回はつぐみ達の話を挟む予定」
ヤマメ「ふーん。で、ピクニックだとどうだったん」
静葉「その話をする前に、魔理沙パーティのコンセプトも少し説明しなきゃならないわね。
基本的にメイン火力は魔理沙の零距離バーストショットと、それを強引に追撃するフランのリミットレスインボルブよ。
それを翠里経由のバフデバフや異常矢、ポエットのガード、菫子の結界でカバーするの。
あ、前々回でリップが来るとかいう話になってるけど、気にしないであげてね(キリッ」
レティ「なんのこっちゃね」
静葉「一応本番七王の前にある小ネタが挟むから、最終戦にリップを連れてくるかレミリアを連れてくるかが今思案中ね。
多分綺麗に話まとめるなら後者だと思うんだけど」
ヤマメ「でもこれならそのままみとりでもよかったんじゃないかなあって思うんだよな。
連れ歩く理由もなかったけど、だからと言って引き揚げさせる理由もなかった気がするんだけど」
静葉「確かにその通りだし、その辺はおいおい考えるということで」
レティ「いつもどおりね。で、ピクニック七王は」
静葉「鬼力零距離バーストからの鬼力リミットレスインボルブのツーパンで基本的に全部沈む有様よ。
というか、大抵バーストだけで終わるわ。リミットレスインボルブまで突っ込んだのはアルルーナぐらいよ」
レティ「大体どんな有様だったか想像つくわね。
茶番上では苦戦してるっぽいけど」
静葉「というわけで次は雷の女王の話に触れるわよ。
と言っても、次もこういうオムニバスな感じで進んで、魔理沙達の話とチルノ番外編、リリカ達の話、そして幼子でエンディングという流れを考えてるわ」
ヤマメ「今までのパターンだと大体その通りになった記憶、あまりないけどね」
レティ「不安しかないわねえその辺」
…
…
最後の七王…華王アルルーナを撃破した魔理沙達は、再び元の場所に戻ってきていた。
モニターには「All Stage Cleared お疲れさまでした、システムをシャットダウンします」という表示が明滅し…やがて、ホログラムモニターが消滅し、あたりは沈黙を取り戻した。
菫子「やっと…おわったああああ><」
翠里「思ったより楽勝だったっすねえ。
ポエットさんが、相手の行動パターン知ってたって言うのもあったんですけど」
フラン「というか、これ結局なんだったんだろう?
戦闘シュミレーターって一体」
ポエット「私も話に聞いたところからの類推なんですけど…恐らく「上帝」が、何らかの決戦兵器的な生物に戦闘経験を積ませるためのシュミレーターなのかもしれません。
一体多数での戦闘、単独でも強力な魔物、搦め手の効かない魔物…エトリアの「七王」と呼ばれる魔物は、一堂に集めるとそういう魔物たちの集大成みたいなものですから」
フラン「…自分の創りだした魔物を、こうやって戦わせて経験を積ませるつもりだった…という事?
でも、あくまでそれは本格的な戦闘では」
魔理沙「そうでも、ないと思うぜ」
神妙な表情で、魔理沙は自分の銃士服の左袖をそっと引き上げる…すると、そこに痛々しい青アザができているではないか!
息を飲む翠里たちに、魔理沙は淡々と告げる…。
魔理沙「ポエットがしのぎ切れなかったアルルーナの触手の一発を受けたとこだ。
十分威力は殺されてたし、骨まで折れちゃいないだろうが」
菫子「ウソでしょ!? あれは完全なバーチャルの世界で起こった出来事よ!?」
ポエット「…確かにそうです。
でも…強い思い込み、イメージは、時に肉体に大きく影響を及ぼす。
あのバーチャル世界で受けたダメージも、実際の肉体に反映される…難易度のもっとも低いモードでこれだけのダメージが肉体に現れることを考えれば」
フラン「難易度が上がれば…肉体にフィードバックされるダメージも致命的なものになり得る…!?」
菫子「そんな!
だったら、この設備をそのままにしておくのはかなり危険だわ!」
菫子は険しい表情で杖を振りかざすと、先のUNIX群のところへ向けて駆け出そうとする。
翠里「菫さんなにを!?」
菫子「決まってんでしょ、あんな物騒なモノはとっととぶっ壊してしまうのが一番よ!
概要が解った以上、現場判断で適切な対処を行う方がいいにきまって」
魔理沙「待った!!」
息まく菫子の手を掴み、魔理沙は制止する。
訝る菫子のみならず…次の瞬間、魔理沙が言った言葉はあまりに突飛なものだった。
「壊すなんてもったいないぜ。
このシュミレーター、今の私達の修行相手としてはうってつけじゃねえか!?」
その言葉に、全員が絶句する。
誰かが異を唱える間もあればこそ、魔理沙はさらに自分の考えを述べる。
魔理沙「この区画は、私からダンフォード爺さんに説明して、しばらく調査のために立ち入り禁止にしてもらう。
その間、少しずつ難易度を上げて、私達のパワーアップに活用させてもらおう。いい考えだと思わないか?」
菫子「な、なな…何考えてんのよあんた!?
さっきポエットも言ってたじゃない、いくらバーチャルの世界で起きたことでも、命の危険があるのよ!?」
翠里「そうっすよ魔理沙さん、私も菫さんの意見に賛成っす。
それにどうして、そんな無茶をやる理由があるっていうんです!?」
魔理沙「じゃあ聞くが、お前らはそれでいいのかよ。
今ならわかる気がするんだ。きっとかごめの奴、これがどんな代物だか知ってたはずだ。
その上で私達にこれを体験させて、一体どうしろというのか…ポエットの話を聞いて、なんとなくわかったんだよ。
あいつ、私達に」
「そうだね。
私もそう思う。
かごめさんは…きっと、私達にこれでもっと強くなれって言ってる…!」
それまで沈黙を守っていたフランも、魔理沙の意見に同調するように、その傍らに立ってUNIX群を見上げる。
魔理沙「私達のやるべきことがあるとすれば、それしかない。
…付き合うつもりがないなら、別にいいよ。他にやりたい奴だっているだろうし、最悪私とフランだけでも」
ポエット「よくないですよ。
…まったく、それとなくかごめさんからも言われていて薄々そうなるんじゃないかと思ってましたけど…私も協力します、私の用事が済むまで、ですけど」
ポエットがそう笑いかけるのに、魔理沙とフランも振り返って笑って返す。
何かを促すような翠里の表情にも、それとなく三人に同意するかのようなものを見出した菫子も…観念したように溜息を吐く。
菫子「はあ…解った、解りましたよ。
私も最初の頃の様なブザマは御免だわ。とことんまでやってやるわよもうやけくそだわ」
憤然と言い放つ菫子の姿に、四人も苦笑を隠せない。
魔理沙「決まりだな。
今日はもう休むとするか、流石に疲れたのは確かだし」
フラン「…そう言えば、ポエットの用事ってなんなの?
それだって大事な用事なんじゃない?」
フランの物言いに、ポエットは今更のように「ああ」と苦笑いする。
その予想だにしない言葉に、今度は魔理沙も唖然とする番だった。
「チルノとコーディが、また居なくなったのよ…ハイ・ラガードに行くって書き置き残して。
しかもどうも、ルーミアも巻き添えくったらしくて…私は、あの子達を探しに来たってわけ」