♪BGM 「戦乱 剣を掲げ誇りを胸に」(SQ3)♪


「来るぞ!散開ッ!!」

その異形の魔が閃光の矢を番え放つより早く、てゐの号令に従いつぐみ、美結、透子の三人が一斉に散る。
次の瞬間、放たれた雷の矢はその場から動かぬてゐ目がけ、弾ける静電気の尾を引いて迫るが、それは彼女の背後から現れた巨大な影によって阻まれれた。

「GRRRRRRRR!!!」

名状し難い獣の咆哮を上げ、金色の毛を逆立て立て続けに放たれる雷矢をその身で受け止めるのは、九つの尾を扇の如く広げる、巨大な体躯を持つ狐の如き魔物…その魔物が、反撃とばかりにもう一方の異形へ、九つの尾の先から一斉にレーザー光を解き放つ。
すると、矢を放った魔物…それは、金色に光る甲冑を纏い、下半身が車輪の足をもつ馬というこれまた異形…は、そのレーザー光に対し、下半身を瞬時に戦車(チャリオット)の如く変形させると、猛然とそのまま狐の魔へと突っ込んでくるではないか!

「…藍、止められるか?」

-誰に向かって口を利いている!
この程度なら問題にならん、悠長な事を言ってないで貴様も構えろ!!-

獣の咆哮に思念波を乗せてがなるその魔狐の正体は、藍。

式神としての束縛から解放された彼女は、その恐るべき「九尾狐狸精」の姿を取り戻した。
とは言え、五千年以上を「式」として制約され封じられていたその力を、彼女とて十全に使いこなせているわけではない。本人いわく「生命力だけならあり余っている」というその肉体をもって、使える力を全て防御のために回し、パーティのダメージタンク役として活用しようというのだ。

幾重にも展開される防御結界を盾に、藍はその魔物の突進を正面から受け止める。

「透子、美結、今だっ!!」
「了解ッ、喰らえデカブツ!!」

魔物の動きが完全に止まったところに、がら空きになったその頭上めがけて透子渾身の「氷掌」が炸裂する。
背後から、その一撃を喰らった魔物がよろめいた隙を逃すことなく、藍が渾身の力でその巨体を弾きだすと、そこへ凍気を纏う紅い刃を美結が滑り込ませ、更にその体勢を崩させる。

「もう一丁っ!!」

そこへ、つぐみが放つ魔法の銃弾が、透子と美結ふたり分の冷気魔力を巻き込んでその腹部を更に捉えると、先の一撃を放ったはずの美結がさらに切り返して魔物を後方へと斬り飛ばす。
間髪いれずに、てゐも同調させるスペルを放つと、更に美結が休むことなく一撃を加えていく。

「終わりかと思うか…まだだよっ!!

透子が追撃の魔力を放つと、彼女の「術掌」の一撃を受けたところが再度、氷点下の爆発を生んで、体勢を大きくよろめかせる魔物の懐深く、美結がさらにダメ押しの一撃を加えていく。
そして…その息もつかせぬ連続攻撃の前に、魔物は地面に崩れ落ちそうになりながらも、悪あがきの雷矢を番えようとする。

「うへっ、あいつ思った以上にタフだなあ。
事前に調べた通りなら、あれだけの冷気喰らえばもう動けなくなると思うが」

-そう、うまくなど行くものか…。
あの位なら、まだ-

「無理すんな藍。
今回復させる、それからでも十分間に合う」
ううん、ここで決める! 美結ちゃん!先輩も!」

つぐみの言葉を受けて、美結と透子が頷く。

「今ので条件が揃ったからな…こいつで決めてやる!
術式合成ッ!!

普段の術式とは異なる印を透子が組んだ瞬間、その周囲に紫電を纏うほどの強烈な凍気が展開される。
放たれたその凍気が魔物を捉え、渦となって包みこんでいく。

「喰らえッ、細氷昇華!!」

魔力が中心の一点に収束し、氷点下の大爆発を起こす。
完全凍結した魔物の首めがけ、滑り込んでいった紅い刃が…その首元を、するりと通過した。




そして、美結が着地すると同時にその頭が胴から滑り落ち、残された胴も大地を揺らして崩れ落ちた。



「狐尾幻想樹海紀行 緋翼の小皇女」
第六十七夜 Clench your fist、for reforging the reason(前編)




てゐ達一行は、ここ最近常緋ノ森に出現するという正体不明の魔物を討伐するという依頼を受け、赤竜の塒近くにあるその場所へとやって来ていた。

赤竜が魔理沙とスカーレット姉妹らの手で討ち取られて以降、多くの冒険者はもちろん一般の街人も多く訪れるようになったこの森に、その魔物が出没し始めたのはひと月ほど前のこと。
異形の巨躯に似合わぬスピードと、触れた人間を一瞬で黒焦げにする威力を持つ神速の射撃で瞬く間に多数の犠牲者を出し、公宮は急きょ厳戒態勢を敷き、森への出入りを制限することも当然の成り行きだったろう。極め付けが、この時期産卵のため森へやって来ていたサラマンドラを、この魔物が瞬く間に雷の矢と突進からの車輪ブレード斬撃で斬殺してのけたことで、サラマンドラと互角以上に戦える冒険者限定でこの魔物の討伐依頼が出されたものの、当然そんなことができる冒険者は限られている。

てゐは予めこの魔物に関する資料を「磐船」で入手し、この「雷の女王」と仮称される魔物が冷気に極めて弱いという「欠陥」を有することを知っていた。
言うまでもなくこの「雷の女王」は、これまで故あって封じられていた、上帝オーバーロードが生み出した「失敗作」の一つであり…。



「…氷術掌からの核熱か。
何時の間に、そんなえげつないものを」
「術掌のツリーはかなり「余る」みたいなんでね。
となりゃ、こっちを取ってても損はないと思うんだけど…」

藍を回復させる巫術の陣を張りながら、呆れたように溜息を吐くてゐに、得意げに鼻を鳴らして透子は傍らの美結に視線を送る。

「多段攻撃でも、追撃が一撃一撃に割り込めるタイミングがあるものとないものがあるみたいで。
暴走術式の五連撃それぞれに追撃ができないことは、事前に魔理沙さんにも協力してもらってて」

ふむ、とてゐは感心したように腕組みして溜息を吐く。

「やっぱり、穣子さんがタルシスでやってたのと、ちょっと勝手が違うみたいなんだね。
静葉さん達がヘカトンケイルをやっつけに行った時も、ある程度特化したパーティだったみたいだけど」
「あれを応用できないかどうか、あたい達もあたい達なりに考えてはみたんだが…加撃のグリモアをもうひとつ工面できればいうことないんだけどな」

つぐみの言葉に、こちらは難しそうな表情で透子が腕組みする。
何時の間にか見慣れた半獣半人の姿に戻った藍は、それを感心したように眺めるてゐに視線を送る。

「プランとしては悪くねえな。
かごめの奴は、あいつ自身が砲剣を使えたこともあって単純な高火力を三人がかりで叩きこむことを考えたみたいだが」
「実際、穣子はこの森でもその戦略で成果を上げていることは事実だ。
あとはいかに、その瞬発火力を活かすか…私は、もう少し耐久性能を上げられないか考えてみるとしよう。
…3ターン、回復を考えずに済むタイミングが欲しい。そういうところじゃないか?」
「可能か? それは」
「呼応と脈動両方の支援があれば、不可能はないと思う。後は、あのスキルだな」

てゐも思うところあるのだろう、その考えに同意するかのように頷く。


だが、そのとき…てゐだけはそれに気づいていた。
後ろから、何処か自分達を観察するような気配を。
その気配がずっと、自分たちの戦いを見ていたことを。


その気配が、自分の良く知る存在であることも、気がついた上で…彼女は敢えて、その視線を黙殺することにした。
それが、後にどんな出来事を引き起こすか、そのことは知らず。








静葉「どーも静葉さんです」
ヤマメ「なんか挨拶がだんだんかごめじみてきてるなあんた」
レティ「最近、こいつが私達の中では一番の食わせ者なんじゃないかってそんな気もしてきてるのよね」
静葉「私としては逆に、なんでこのところかごめが色々見切り発車だったりさとりのアップダウンがジェットコースター状態だったり文が色々なげやりになってる気持ちがわかる気がしてならないんだけどね」
ヤマメ「それも極端な例とは言い切れないのが悲しいところだなあ。
   さしあたってあんたの回りでいちばん面倒な奴って誰だ、穣子は多数ネタすぎて逆に一周回ってなさそうだが」
レティ「最近ゆうかりんさんが地味に」
ヤマメ「それ昔からじゃね?」
静葉「いや、藍がつぐみとてゐのオモチャにされてるのを見るとねえ」
ヤマメ「それが否定できねえのも悲しいなあ(しろめ」
レティ「あんたもきっと明日は我が身じゃないの?」
ヤマメ「やめてくれ、ただでさえ大分前にかごめに振り回されて散々な目に遭った経験者としては笑えねえ。
   で、今回は」
静葉「予定通り雷の女王の解説をするわよ。
  上でまあ概ね何をしたかは雰囲気的にわかると思うんだけど…まあ、そこはスキル紹介の段で。
  まずは雷の女王のスペックからね」
レティ「ギルドへっぴり腰というか黒幕()の饅頭共も新天地を目指してる感じだけど、こっちはその段階でも今まだSSQ2の解説してるってどんだけなのよ」
静葉「気にしたら負けよ。それと例によってパターンの参照元は
レティ「はいはい予定調和予定調和」
ヤマメ「あの回は久しぶりにエクスタシー回だったもんなあ」




DLCクエスト「雷放つは女帝の弓」ボス 雷の女王
レベル85 HP58000 雷無効/氷弱点 即死・石化・呪い無効/テラー・混乱・眠り・頭封じ・脚封じ耐性
雷の矢(腕) 遠隔貫通雷属性攻撃
プラズマショット(頭) ランダム4回遠隔雷属性攻撃
雷撃の嵐矢(腕) 次のターンに遠隔全体雷属性攻撃(溜め技ではない)
スピンドリフト(脚) 一列に近接壊属性攻撃、脚封じを付与 前衛のみを狙う(?)
閃光疾走(脚) 全体に遠隔壊属性攻撃、3ターンの間回避率ダウン付与 「変形状態」でない場合変形する


ヤマメ「なんつーかもうこの時点で氷竜よりもHP高いとかもうなんなんだこれ」
レティ「よく言われる事だけど、DLCはもう完全に裏ボスの種類を増やしに行ってる感がひどいわね、モンスタースペックの頭おかしい高さも相俟って」
静葉「その割には到達階層的に「クリア前でも挑める」というのが意味不明なんだけどね。
  こいつも例によってHP残量に応じて行動パターンが変わるみたいだから、とりあえず一覧表」


戦闘開始直後~HP46401まで
雷の矢か通常攻撃をランダムで使用する(ランダムスタートで雷の矢と通常攻撃を繰り返している可能性も?)

HP46000を切ったら、通常攻撃とスピンドリフトを繰り返す(スタートはランダム?もしくは前のパターンで雷の矢がスピンドリフトに置き換わる?)
3ターン目か4ターン目(スピンドリフトを2回使ったターンか?)の終了時に雷撃の嵐矢を使用

次のターン通常攻撃+嵐矢着弾、その次のターンから雷の矢とプラズマショットを交互に使用(スタートはランダム?)、その間2ターンおきのターン終了時に雷撃の嵐矢を使用
2回目の嵐矢を使うターン(?)で閃光疾走を使用し、変形モードになる

変形後は通常攻撃、その次のターンから閃光疾走、スピンドリフトを交互に使う(スタートはランダム?)
変形後3ターンか4ターン後のターン終了時に雷撃の嵐矢を使用、通常モードになる
以降は通常に戻って雷の矢とプラズマショットを繰り返し、3or4ターン目に閃光疾走でモード変形、閃光疾走とスピンドリフトを繰り返して3or4めのターン終了時に嵐矢を使って通常形態に戻り…のループになる


ヤマメ「なんじゃこりゃ」
レティ「っていうか殺戮モードになるの早くないこいつ?」
静葉「それにパターンは決まってるけど、困ったことに行動にランダム要素が多すぎるのがかなりこんちくしょうだわね。
  ただ変形行動のターンがまちまちとは言え、嵐矢が来る時は対応が楽だわ。後述するけど、藍に身代わりさせてるだけで対処できる」
レティ「そこはもうパターン読めるわね。
   問題は閃光疾走だけど」
ヤマメ「実は早々にピクニックで狩ったらしくて、グリモアマラソン中のかごめがしれっとこれの★グリモア持ってたんだが」
静葉「今それを持ってるの、実は魔理沙よ。
  と言っても七王戦だとそんな使いどころないんだけど」
レティ「消費はそこそこあるけど、高威力で付加効果も有用なAGI依存全体遠隔壊だから、何かしらの布石になると言えばなるかしら」
ヤマメ「AGI依存攻撃は慈愛の襟巻やパワーゲルで爆発的に火力が増すからなあ。パワーゲルなんて実質1.8倍かかる(さとりメモ:AGI依存攻撃威力補正は襟巻もパワーゲルも一緒みたいですね。パワーゲルは攻撃力も別途で130%の補正乗りますが)」
静葉「まあそれはさておいて、展開も押してるから解説はサクサク進めるわよ。
  このクエストの概要は、概ね茶番解説通りよ。流石に上帝()の作品とかサラマンドラをズタズタにしたのはフィクションだけど、突然現れた雷の女王に多くの犠牲者が出てることは事実で、それを討伐する冒険者を募集していた…というものね。依頼元は大公宮みたいね」
ヤマメ「ぶっちゃけギンヌンガ関連のクエストの時も思ったけど、ほとんどこれクエストというよりミッションレベルだよな。
   明確にどんな差があるのか解らんが」
静葉「そこは気にしない方がいいところじゃないかしらね。
  で、クエストを受領すると今まで何気にナゾだった、8Fの広大なスペースを占領する隠しエリアに行って雷の女王と戦う事になるんだけど」
ヤマメ「随分もったいぶるじゃないか。
   どうせ、なんかフィールドギミックかなんかあって、戦うのが面倒くさいってやつだろこいつ」
静葉「まあ無駄に引っ張っても紙面が無駄だしね。その通りよ。
  雷の女王の真正面に来ると、次の瞬間雷の矢を放ってくる。例によって、これに当たれば全員即死級のダメージを喰らうから、障害物を利用しつつ雷の矢をかわし、近づく必要があるわ。結構簡単だから、特にここでは説明しないけど」
ヤマメ「簡単なのかよ…」
レティ「ぶっちゃけ面倒くさいけどね。私知ってるけどかごめが閃光疾走取った時に一緒に行ったし」








~それから一日ほど後~


「…まーそんなこんなでグダグダに疲れてる私に、なんであんなクッソ面倒くさい呪いの解除押し付けるかねお前ら本当に」
「だからそこはごめんってばー^^;
けど、実際あの調子だと、正直力づくでどうにかするしかなかったのよ」

二脚の椅子にだらしなく身体を預け、うんざりした表情で愚痴るてゐを宥めるリリカ。
事の顛末を訊いた藍は、難しい顔で腕組みしたまま問いかける。

「だが…確かに今のミスティアは、私の想像を超えて強力な妖怪になった。
一体そんなになるまで、何が彼女をそこまで追い詰めたのか」
「はっ!
決まってんだろ、魔界の連中だよ。
幽香の自業自得ッつうならその通りだが、あの根性無しどもは幽香の存在自体気に喰わない割に、やり方が陰湿過ぎて正直反吐が出る。
元々は組んでなんかしてた身分でこういうのもなんだが、アリスのシンパがあんなんばかりだと本尊の器も正直知れちまうぞ


心底うんざりしたようなてゐの言葉に、眉根を寄せる藍と、僅かに悲しそうな表情のリリカ。

「てーさん、ミスティアに起きたこと」
「知ってるよ。私の耳にゃ聞きたくないことも色々集まってくるんでな。
…今のミスティアにとっては、自分がなにも出来ずに終わったというその結果が、強い自責になって自分をがんじがらめにしてるんだ。
多分、こっち着た時のようなあの空元気はその裏返しみたいなもんだ。こっから先は、私の巫術が役に立つ局面じゃねえよな

よっこらせ、っと、反動をつけて起き上がると、彼女は自分の注文していた四葉茶を一息に飲み、そして、その強烈な苦みに顔を顰める。

「おお、苦っ。
まーとにかくだ、あとは、時間をかけてあいつ自身がゆっくりと解決する他あるまい。
私達に出来ることは、そんなないだろ」
「これからどうするんだ?」

椅子から立ち上がり、肩を鳴らすてゐへ藍が呼びかける。

「当初はヤマメが来るはずだったんだし、とりあえずリリカはヤマメと組んで例の件、調査進めてくれ。
藍、悪ぃけど式神飛ばしてあの蜘蛛呼んで。どうせヒマこいてんだろあいつ」
「ああ、お安い御用だ」
「その後は私達もグリモア集めしたり、戦略も色々固めにゃならん。
スキルの見直しとかまあ色々、やることも多いだろうしなー」

伝令用の式神を藍は窓から飛ばし、そして、店を後にするてゐの後をついていく。
リリカはそれを見送り…そして、溜息を吐いた。


この樹海の街に再度足を踏み入れ、ミスティアの姿を見た時から感じていた違和感…彼女も、気づいていなかったわけではない。
組んで音楽活動を行う事も多い関係上、「親友」というほどではないが「気心の知れた仕事仲間」として、お互いに知らぬ間柄ではないのだ。ここ最近の様々な事件がもたらしたミスティアの変化は、リリカの目から見ても好ましく映っていた。

それ故に、気づいた変化。
語気を強めながらも、何かに怯えるような、切羽詰まった表情をしているのを、リリカの目は見逃していない。

今のあの子は…ジョウトの旅を始めた時の私と一緒だ。
 それに、こいしにも)

少女が垣間見せていたその悲痛な表情が…ジョウトやホウエンを共に旅していた時に見せた、「親友」のそれと重なる。

「…私達に、出来ることってあるのかな。
ねえ…こいし」

今この場にはいない彼女に呼び掛けるも、答える者はなく。


そんなリリカに、陰からその姿を伺う影に気づくはずもなく。








静葉「というわけでパーティ紹介ね。
  まずはざっとスキルだけ見て頂戴、コンセプトはあとで紹介するけど、基本的な戦略は見ればだいたいわかると思うわ」




つぐみ プリンセス
攻撃の号令★ 防御の号令5 予防の号令1 不屈の号令★ リンクオーダー★  フリーズサークル★
リセットウェポン1 エクスチェンジ1 ホーリークラウン1
号令マスタリー★ 抑制防御ブースト★ HPブースト5 TPブースト9 ロイヤルベール★ レイズモラル★




美結 ソードマン
チェイスファイア★ チェイスフリーズ★ チェイスショック★ ウォークライ3 トライチャージ★
ブーメランアクス1 スタンスマッシュ1 ヘッドバッシュ1 パワーゲイン1
斧マスタリー★ 物理攻撃ブースト★ フェンサー★ ダブルアタック★ HPブースト8 TPブースト5




透子 アルケミスト
炎撃の術掌1 氷撃の術掌★ 雷撃の術掌1 圧縮錬金術★ 火の術式1 氷の術式1 雷の術式1
大爆炎の術式3 大氷嵐の術式3 大雷光の術式3 核熱の術式★
術式マスタリー★ 術掌マスタリー★ HPブースト★ TPブースト4 属性攻撃ブースト★ 加撃の術掌★ 拡散の術掌★




てゐ ドクトルマグス
巫術:再生★ 再生帯5 再生陣5 鬼力化1 皮硬化1 脈動5 呼応★ 乱疫3 転移3 結界★ 反魂1
巫剣:霊攻衰斬1 霊防衰斬2 霊封頭斬1 霊封腕斬1 霊封脚斬★ 霊攻大斬★
巫剣マスタリー★ 巫術マスタリー★ HPブースト★




藍 ペット
かばう5 身代わり★ 傷舐め★ 自衛の本能★ 身代りの誓い1 ビーストロア5
忠義マスタリー★ オート傷舐め★ HPブースト★ TPブースト★ 物理防御ブースト★ 決死の覚悟★ 先制ビーストロア★


ヤマメ「ぱっと見わかりにくい感じだが…兎詐欺野郎までリンクオーダー持ってるってことは、これと氷術掌の加撃と併せてチェイスしまくってくっていうわけか?
静葉「概ねそんなところよ。
  透子が加撃のグリモアを持ってなかったのも、てゐに持たせるかどうかを悩んでいたからね。
  結局手も足りなくなるし、持たせたところでてゐが殴りに行けるかどうかも微妙。つぐみに持たせるにしてもリンクオーダー特化した方が強いわけだし」
レティ「というか、リンクとチェイスってどっちが先に入るのよ?」
静葉「準備のタイミングが一緒だから、AGIの高い方からになるみたいね。
  だから透子の術掌→チェイス→リンクオーダー→チェイスになる感じね。てゐまで混じると、つぐみのリンクに追撃が入ってそこにてゐのリンクが入って追撃する形になるかしら。
  金竜の時に解説したんだけど、リンクは追撃する攻撃のダメージがある程度反映されるから、足の速い美結が先にチェイスを撃てるという事はそれだけのメリットもあるわけで」
レティ「フォース発動時とか、リミットレスしてる場合よね。
   けど、リミットレスよりはトライチャージを限界突破させた方が係数大きくなるんじゃないの?」
静葉「その通りよ。
  なので、最終的には少なくともチェイスとトライチャージで、氷か壊のボーナス付きを粘る作業が待ってるわ。
  …少なくとも次のヨタ話で必要になるほどの厳選の時間は要らないんじゃないかしら」
ヤマメ「そこまでやるか、って気もするんだけどさ…」
静葉「雷の女王はある程度パターンも決まってるし、こっちからは美結のフォースまで絡めれば十分過ぎる火力も出る。冒頭の画像にもある通り、女王はなんだかんだで10ターンで撃破出来たからね。
  藍の防御性能にも不安は大きいし、自衛の本能や身代わりも良いものを厳選してつけたいところだわ」
レティ「盾役の見地から言わせてもらうと、てゐにキープガードのグリモアを持たせてさらに軽減できる構えまでできれば万全だと思うんだけど。
   あのスキル結構強力よ、その分、防御役を二人に増やす必要もあるけど」
静葉「そこはヒールガードで問題ないわ。
  軽減率はキープガードと一緒で、TECの高いてゐなら回復力も見込める。伝説グリモアも持ってる事だし、これで十分対処が可能よ。
  いざとなれば透子にも盾マスタリーの代わりに持たせて使わせることも考えていいわね、勿論その場合氷ボーナスを粘ることになるけど」
ヤマメ「そこまでやったらやり過ぎだな」


静葉「というわけで今回はここまでよ。
  次回はまあ…番外編というかなんというか。今までぼかしては来たけど、茶番にかこつけて始原の魔神を狩りに行くだけの回よ」
ヤマメ「……それ普通幼子狩ってからやらない?
レティ「順序としては本当に滅茶苦茶よね。
   まあ、あの手段を使う事を考えれば、確かにそれこそベイビー・サブミッションではあるけど…というか、そいつがドロップするあれ、以降で使うの?」
静葉「ティンダロスや七王がめんどいから使ってもいい気がするのよね。
  まあなるべくなら、使わない方向で行くつもりだけど」
ヤマメ「真竜の補正とどっちを上と見るかにもよるんだろうけど。
   別にヘンな縛りをつけるわけでもないんだから、面倒だと思ったら迷わず使うんだろ?
静葉「まあその辺はね。
  それでは、次回もこの三人で続けていくわよ」
レティ「これもう確実にSQ5発売まで間に合わないやつよね…」








ミスティアが意識を取り戻した時は、既に辺りは夜の帳に閉ざされていた。
ルナサの「音」による呪縛を解かれた際、てゐが同時にかけてくれたのだろう巫術のおかげか、怪我は勿論身体に痛みもなかったが…しかし、彼女の心は重く沈み、虚ろな視線を中空にさまよわせていた。

-そんな悲しい剣は、振るっちゃダメだ…あなたも、ダメになっちゃうよ!!-

何かに取りつかれたかのような己の剣を、悲痛な表情で制止しようとしたこいしの言葉が、脳裏を過る。
カタカタと震えるような手を見つめていたその瞳から、一粒…また一粒と溢れだした涙がこぼれおちていく。


悔しさの重みに耐えかね閉じた瞼の裏に、彼女の知る多くの顔が流れていく。

チルノ、ルーミア、リグル…これまで長い時を、同じひとつ屋根の下で学んだ友。
穣子…同じ樹海を旅し、様々な出会いを縁として結び、常に先陣切ってその苦難の道を踏破していった敬愛すべき存在。



「わたし…わたしには…もうなにも、できない。
こんなチカラがあっても、私にはなれないんだよ…みんなみたいには、なれないよ…!!

嗚咽をかみ殺して涙を流し続けるミスティアの精神は、もう既に限界だった。


「あなたは、本当にそうだと思っているの?」


不意に、そんな声が彼女の脳裏に響く。


「あの旅路で、あなたが見つけて手に入れたモノは、そんなに簡単に捨てられるようなモノかしら?」

幻聴ではない。
その声は、確かに、自分がよく知るあの妖怪の…かつて、同じく苦難の旅を共にした彼女の。


「まだその心に残る想いを、あなたが手にし続けることを望むなら…あなたの古き友が、待っているわ。
彼女達と一緒に、もう一度見つめ直して御覧なさい」



「待って!!」

暗がりから飛び去る、漆黒の羽。
ミスティアはその衝動に突き動かされるまま、剣を取り部屋を飛び出していく…。