レミィ「というわけで、あなた達が調査をサボってるみたいなウワサも聞いたし、私も混ぜてもらうわよ」
魔理沙「…えーいいよ別に…(´ω`)
っていうか、それ誰が言ってたんだよ。私達は別にサボってなんかないぜちょっとまだ報告するほどのことじゃねえし」
レミィ「ポエットも目的を果たして帰って行ったんだし、補充要員も必要でしょう?
あなたの事だし、どうせフランも丸め込んで内容有耶無耶にして、何か悪さをしてるんじゃないかしら」
魔理沙「それは言いがかりだぜ!
実際アレ結構面倒な代物で、私達の手じゃどうしても余るから時間をかけてだな」
レミィ「なら二週間も音沙汰なしになるぐらいなら少しは回りの手を借りる発想はないわけ?
つぐみ達とかはまだいいわよ、相手の正体もはっきりしているとはいえ、十分に戦略を練ってから挑まなきゃならない相手なのも明白。
ルナサ達も相手の概要はつかめたから、既に対策を練り始めて準備に取り掛かっている。
連中に断られたというならまだしも、聞けばまったく誰ともコンタクトを取ってないと来た。何か弁明の余地はあるかしら、魔理沙?」
魔理沙「ぐぬぬ…」
翠里「(物陰から)うわあなんだか面倒な事に」
菫子「(物陰から)だからさっさと他のひとたちに説明しとけって言ったのに…。
なんでそれを黙ってくのかな、魔理沙のヤツ」
フラン「(物陰から)う…うーん…自分で有意義に使うと決めた以上、邪魔されるのがいやだったから、っていうのが一番の理由じゃないかなあ。
魔理沙わりと昔からそういうところがあって」
翠里「とりあえず解ったのは、所謂「戦闘不能」状態になっても一応脳死とかにはならないようなシステムがある、ということっす。
それが解ってから、なんか魔理沙さん、躍起になって難易度上げてんですけど」
菫子「まさか今までクリアした難易度がもう選択できなくなるなんて思わなかったものね。
いちばん最初に潜ったとき、そういえばなんか光浴びたんだけど…まさかあれで私達の色々な情報が読み取られていたのかしら」
翠里「そう考えるべきっすね。
あくまでアレが、上帝の「作品」の戦闘訓練を行うものなら、難易度段階を引き上げることを考えても下げることはないと思うんすよ。
反復練習は大事のような気がするけど、そういうのは想定してないのかもしれないっす」
フラン「ってことは…もしかしたら魔理沙、わざと手を抜いてるのかな?
HARDまで終わらせたら、あの設備使えなくなるから」
翠里「でしょうねえ。
けど正直、私達としてはそろそろ終わらせたい気もするんすよねえ。
私まだ全然宿題手をつけてないっすよ(しろめ」
菫子「あんたねえ…まあ、私もまだだいぶ残ってるし、出来ればそっちも早めに片づけたいのは同意だわ。
どうする? レミリアさんに味方する?」
フラン「う…うーん…私は魔理沙の味方になりたいけど…そういう事情を聴いちゃうと^^;
しょうがない、私達も行こう」
翠里「ですな」
「狐尾幻想樹海紀行 緋翼の小皇女」
第七十夜 箱に封ぜしは全ての贈り物(前編)
静葉「どーもいつもの静葉さんと」
ヤマメ「ハロー、ヤマメだよ♪」
静葉「…あなた何処のポッパーズよ。
っていうか、黒幕はどうしたの黒幕は」
ヤマメ「聞くまでもないだろ? この暑さに中って風呂の中で死んでる」
レティ「(in氷風呂)かゆ…うま…( ゚д゚ )」
静葉「またなのあいつ…後でまた氷買ってこないといけないわね」
ヤマメ「っていうか静葉、此間も思ったけどなんであんな大量の氷備蓄してあるん?
別にかき氷を作って売るわけでもないだろ」
静葉「紫の奴が存外色々ケチってるから、冷蔵庫とか基本的に電気使ってないわ。つまりそういう事よ」
ヤマメ「……おいそれ色々大丈夫なのかよ」
静葉「まあその話はおいといて、いよいよ七王との決着をつけに行くわよ。
攻略は勿論エキスパートで行うし、今回はまず残り4体のボスについての解説よ」
ヤマメ「そこはスルーしちゃいけないところだと思うんだがなあ…」
静葉「それ以上ニンジャ真実に触れるのは得策じゃないわよ(キリッ
結論から言うと、実はレベル97で挑んで6回、98で挑んで4回hageてるわ。しかも6回のうち4回はクイーンアント」
ヤマメ「何だって?
結局物量負けしてんのか?」
静葉「そうよ。
詳しくは次セクションで説明するけど、単純に力負けね。スキル選びは間違ってなかったと思うんだけどねえ」
DLCクエスト「箱に封ぜしは全ての贈り物」ボス紹介そのに
四戦目 コロトラングル
レベル94 HP33000 炎弱点/雷耐性/氷無効 即死・石化・眠り・盲目・脚封じ無効/テラー・混乱・頭封じ耐性
アイスブレス(頭) 全体氷属性攻撃
大海原の浸食(腕) ランダム3~5回遠隔氷属性攻撃、眠りを付与(同じ対象に複数ヒットしない)
体当たり(脚) 近接貫通壊攻撃
テイルコイル(脚) 単体に全個所の封じを付与
フリーズオーラ(頭) 5ターンの間自身の物理・属性攻撃力アップ
水のヴェール(頭) 5ターンの間自身の炎耐性をアップさせる
静葉「まずはコロちゃんこと、コロトラングルね。
基本的には開幕にアイスブレス、そして少しでもHPを削ると2ターンおきのターン終了時にフリーズオーラ、HPが75%を切るとテイルコイルを使い始める。そしてHPが半分以下になるとターン終了時に水のヴェール、大海原の浸食も使い始めるようになるわ」
ヤマメ「このへん基本はSSQと一緒だな。
こいつのアイスブレス、グリモア化できないってことは完全に氷竜と別物って扱いでいいんだな」
静葉「そうね。
行動は基本的にランダムで、アイスブレスもガンガン使ってくるわ。威力は氷竜よりぶっ飛んでないけど、それでも耐性がないとそう何発も受け切れるようなものでもない。レベル97での攻略を諦めたのは、こいつ相手に2度hageたのもあるけど、何よりこいつまでこぎつけなかったからよ」
ヤマメ「実質的にクイーンアントの攻略を投げたから、なのか」
静葉「運が悪かったのでしょうけど、リセットしたからhageにカウントしてないけどスノードリフトで詰んだのが決定打かしらね」
ヤマメ「あんな奴でかよ…まあなんとなく私が知ってるこの連中と別物なのはなんとなく理解できた」
五戦目 イワォロペネレプ
レベル97 HP31000 炎・雷耐性/氷弱点 テラー・眠り・盲目・脚封じ耐性/その他頭封じ以外すべて無効
サンダーウィング(腕) 全体に遠隔雷属性攻撃、麻痺を付与 命中率が低い
フェザースピアー(腕) ランダム6~8回近接突攻撃 命中率が低い
デスブリンガー(頭) 近接拡散壊属性攻撃、石化を付与
カオスブリンガー(頭) 近接拡散壊属性攻撃、混乱を付与
鷲づかみ(脚) 単体近接斬属性攻撃、腕封じを付与
ウィンドプレス(腕) 全体に遠隔無属性攻撃、スタン付与、3ターンの間回避率ダウンを付与
ヤマメ「イワォさんか。
例によって中盤になるとウィンドプレス撃ってきてサンダーウィングを当ててくるパターンだろどうせ」
静葉「そういう事よ。
もっと詳しく説明すると」
初手サンダーウィングを使い、以降2ターン以上間を開けてサンダーウィングを使う
HP75%以下になると、カオスブリンガーを使用し始める
HP50%以下になると、ウィンドプレスを使用し始める
HP25%以下になると、デスブリンガーを使用し始める
静葉「こうなるわね。
HP50%を切った時確定でウィンドプレスを使ってくるわね。
サンダーウィングも明確なパターンではなくて、使用後2ターンは使わない、というだけの話だし」
ヤマメ「基本的にランダム、と。
命中低いのも何気に善し悪しで、ショックガードで吸えたり吸えなかったりなんだよなあ。
しかもどうせ当たらないとタカをくくってると3、4人平然と持ってかれるし」
静葉「タルシスのこいつから入った狐野郎にとってサンダーウィングは「普通に当たるもの」の認識しかないんだけどねえ。
地味に面倒な状態異常もからんで来るし、へっぴり腰がこいつの攻略のためだけにレベルを50まで上げた、という程度に面倒な奴というのは間違いないわね。実はこいつ相手に3度hageてるわ」
ヤマメ「こいつ結構強かったからそれは解るな」
六戦目 マンティコア
レベル95 HP24000 属性全般に強い 状態異常および封じすべてに耐性
ダークネイル(腕) 全体に近接斬属性攻撃、盲目か呪いを付与
ポイズンテイル(脚) 全体に近接突攻撃、毒を付与
魔の子守唄(頭) 全体にテラーか眠りを付与
ペトロボイス(頭) 全体に石化か混乱を付与
ヤマメ「6体目はこいつかあ。
あくまで茶番上の話では、こいつにはあまりいい記憶はないんだけど…というかなんだこいつ、ふざけてんのかこの耐性」
静葉「一見酷いけど、実はこいつが一番楽よ。
攻撃力はイワォよりも低いし、4nターンに必ず魔の子守唄を使う。魔の子守唄はHP50%以下になるとペトロボイスに切り替わるけど、こっちが結界を使えるなら4nターンは完全なボーナスターンになる。
属性も通らないと言っても、複合属性や幻想曲とかの相性値の変化は有効。HPもイワォどころかコロちゃんより低いから、防御バフと結界で固めたタンク役にみがわりスケゴでガン守りさせてればほぼ完封できるわ」
ヤマメ「てことは98でもこいつまでは楽勝で」
静葉「うんにゃ、こいつでhageたから結局99に上げた」
ヤマメ「うぉい!!(;^ω^)」
静葉「と言っても、実質イワォでhageたようなものよ。
ネクタルも尽きて、残ってたのが決死の覚悟でイワォの攻撃を耐えたHP1のレミリアと翠里の二人だけ。どうやって戦えと?」
ヤマメ「絶望しかねえなそれ(しろめ」
…
…
UNIXの画面には「Game Over 戦闘能力の強化及び調整を必要と思われます」というCATION表示がされている…
魔理沙「ううっ…ちくしょう。
だから言っただろ、こいつら結構強いんだよ。これを利用してもう少し強くなろうってみんなで話し合ってだな」
菫子「…うぐぐ…それあんたの一存でしょうがあくまで。
こんなきついなんて私聞いてないもん! 実際終わると頭痛くなるし、殴られたり斬られたりしたところ物凄く痛いんだから!!><」
状態だけを起こして憔悴しきった魔理沙と、だらしなく地べたに寝そべったままの菫子のうめき声も聞いているのかいないのか、レミリアはその画面がシャットダウンした画面からも目を離すことなく、黙ったままだ。
魔理沙は、ようやく回復して頭を振りながらゆっくり上体を持ち上げるフランと、顔を見合わせる。
フランがレミリアに声をかけようとしたそのとき、振り返ることなくレミリアは厳かに告げる。
「いいえ、今の私たちなら間違いなく勝てる。
魔理沙、フラン、あと菫子。あなた達三人は私が言うようにスキル構成を変えて来なさい。
…それで、今日中にけりがつく」
言われたことの意味がわからず、呼ばれた三人はお互いに顔を見合わせる。
翠里「あのー、すいません私は」
レミリア「翠里あなたも一緒に行って、リリカにアーモロードのアルルーナの特徴を聞いて来て頂戴。
私達が今見たのはスノードリフト、ケルヌンノス、クイーンアント、コロトラングル、イワォロペネレプ。
残る七王の内マンティコアに関してなら、実際に戦ったキバガミから聞いたことがある…けれど、私の知る限りアルルーナとの戦闘経験を持つのはリリカとこいししかいない筈」
フラン「そういえば…私がアーモロードにいた時、緑死病を撒く魔物とチルノ達が戦っていたような」
魔理沙「こいしの記憶なんて、言っちゃ悪いがあまり当てにならねえしな」
そういうことよ、とレミリアが頷く。
そして彼女はその時始めて振り返り、神妙な面持ちで告げる。
「多分、このUNIXシステムが使用できるのは次が最後だと思うわ。
そもそも、これが千年以上動き続けていたことは奇跡に近い…私には機械のことはわからないけど、そこに「心」があるなら、話は別よ。
「彼」は…いいえ、「彼ら」は、私達を最後の相手と認め悔いなき戦いを望んでる」
ようやく精神的な疲労感から解放され、立ちあがった四人は困惑半分の表情でレミリアの言葉を聞いている。
魔理沙は、何処か得心いったかのように溜息を吐いた。
「解ったぜ、今ようやく。
戦ってるうちに思ったんだ…何処かから、私達を見守るような気配を。
私はもっともっと、そいつらを喜ばしてやりたかったのかもしれねえ…こいつら自身の、望んだように力を得ることで」
魔理沙は、黒く沈黙を守るUNIX群に目をやる。
そして、レミリアに向き直って頷く。
「悪いが、私は聞かないぜ。
というより、なんとなく何処どう直してくればいいかぐらい、自分でもわかるからな」
…
数時間後。
それぞれ準備を整えて戻ってきた時、そこには異様なオーラを放つレミリアの姿があった。
その凄まじい圧迫感に言葉を喪う四人だったが、追い討ちをかけるかのように、対峙するUNIXの一つからもすさまじいオーラが立ち上り、やがてそれは黒く巨大な狼のシルエットと、それにつき従う四頭の影の狼へと変貌していくではないか…!
♪BGM 「戦場 朱にそまる」(SSQ)♪
「待っていたわよ。
翠里、アルルーナまで引きずり出せたら、その都度情報を頂戴。
あとは…戦いながら考えるわ!」
レミリアは持っていた槍を放り捨てると、腰に差していた業物の剣を抜き放つ。
その剣は先日、ミスティア達と共に帰還したレミリアが持ち帰った剣。
手にした者に凄まじい力をもたらすものの、その力を吸い尽くすようなその剣を、マトモに振るえる者がおらず、放置されていたものだった。
しかもそれだけではない。
レミリアの左腕につけられていた腕飾り、その中心にある宝玉が禍々しい力の脈動を放っている…魔理沙もフランも、その宝玉に見覚えがある。なぜなら、それは…。
「待って!
お姉様、その、バーストストーン…!」
そう、バーストストーン。
彼女らがポケモンとして戦う際、適合した種のそれを身に付け、共鳴させることにより「融合(バースト)形態」となるのに必要なツールだ。
しかし、強大な妖怪や神格でも「適合者」たりえなければ身につけてもただの石ころと変わらない。フランの記憶が確かなら…レミリアに適合するポケモンは。
「そうね。
残念ながら、ファイアローは私に適合するポケモンではなかった。
どうせ適合するなら、私のイメージカラーである赤のポケモンであってほしかったのだけど」
「な…何言ってるんだぜ?
お前、確か適合者じゃなかったはずじゃ…」
レミリアはさもつまらなそうに溜息を吐いて見せる。
「考えてみれば、至極当然の話よ。
フランに適合するポケモンがボーマンダなら…姉の私だってドラゴンポケモンに適合するのも何らおかしくない話。
そもそも、我が先祖の名…「ドラキュラ」とは、「竜の如き者」の意味なんだからねッ!!」
爆発的に解き放たれる黒のオーラが、その衣装を深紫のドレスに変え、手の飾りとインナーにワインレッドの色を纏わせる。
そしてドレスの背には、宵闇を切り取ったかのような漆黒の六枚羽。
その姿は。
「…まさか…サザンドラか!」
「ええ。
けれどまあ、これはこれで「夜の王」を名乗るには相応しい姿かもしれないわね…!」
彼女はゆっくりと、剣を構える。
まるでその力を一方的に流し込むだけだったようなその剣の力が、レミリアの力と共鳴してその力を何倍にも高めているように見える。
「行くわよ!
上帝の続けたその忌まわしき研究、今日がその全ての終焉の日よ!!」
…
…
ヤマメ「そう言えば紅魔勢でサザンガルドをやるって話なんかしてたなあ」
静葉「なんだかんだで強力な構築ですもんね、サザンガルド。
もともとサザンだった小悪魔どうなったとかそういう話は知らないわ(キリッ」
ヤマメ「なげやりだなあ。
というか結局ラグナロクも解禁したわけですか」
静葉「因みに98でhageたのはラグナロクも持ち出したうえで、よ。
この辺は次セクションで詳しくやるわ。今回はあと、アルルーナの解説して終わりね」
ヤマメ「アルルーナ地味にSSQで戦った記憶ねえんだけどその辺どうなん」
静葉「実は幽香で狩りにいってて、地味に番外編で幽香VSあるるんの仁義なきバトルをやるつもりではあったのよね。
ただ結局ネタにするのも面倒になったりして、取り上げるポイントも見当たらなかったから放置して終わったわね」
ヤマメ「地味にアーモロードのやつもちらっと触れられただけで終わっちゃったしな。
けど、どっちのアルルーナも地雷クエって言われてるけどその辺」
静葉「そりゃどっちのクエストも本編クリア前に解禁されるけど、どっちのアルルーナもラスボスより強いからよ。
アーモロードの奴なんて普通に三竜より強かったし、エトリアのアルルーナも金竜討伐後にスタンダードで狩りに行ったはずよ。
まあマトモにエキスパートでやり合いに行ける相手じゃないのは確かね」
ヤマメ「そんなに強いんだったらむしろ逆にネタにしやすい気がするんだけどなあ。
アーモロードの三触手、イソギンチャクなんかそれこそ死闘の歴史が延々語られたってのに」
静葉「まああのイソギンチャク本気で狂ってたから…。
とまあ、あまり関係ない話で引きのばすのアレだし、七王のトリを務めるアルルーナの解説をしましょう」
七戦目 アルルーナ
レベル99 HP47000 炎弱点/氷・雷無効 呪い・混乱・麻痺・腕封じ耐性/その他毒と脚封じ以外すべて無効
フロストスマイル(頭) 遠隔貫通氷攻撃、スタン付与
フレイムサイ(腕) 拡散遠隔炎攻撃
ライトニング(頭) 全体遠隔雷属性攻撃、頭封じを付与
テンタクルビート(腕) ランダム4~5回近接壊攻撃
ヴァンパイアキス(頭) 単体近接斬属性攻撃、与えたダメージ分アルルーナのHPが回復する
太古の呪粉(頭) 全体に石化、眠り、麻痺、混乱、テラー、盲目、呪いのいずれかを付与
スパイダーリリィ(頭) 単体に即死攻撃
静葉「アルルーナの行動パターンだけど、実はアーモロード、エトリアのものと概ね一緒よ。
HPがもうその両者を足した値よりも高いのはまあ」
ヤマメ「というかそもそもその両者のパターンを知らんぞ、私」
静葉「これもイワォと同じで基本はランダムだけど、それでもある程度規則性はあるし表にしてみるわね」
6nターンに確定で太古の呪粉を使用する
HPが75%を切るまでは、フロストスマイルを使用する
HPが75%を切った次のターンに確定でフレイムサイを使用し、以降はフロストスマイルの代わりにフレイムサイを使う
フレイムサイを使用し始めると、ヴァンパイアキスも使用し始める
HP50%を切った次のターンに確定でライトニングを使用し、以降はフレイムサイの代わりにライトニングを使う
HP25%を切った次のターンに確定でスパイダーリリィを使用し、そこからスパイダーリリィを使用し始める
スパイダーリリィを使用し始めると、フロストスマイル、フレイムサイも使用し始める
静葉「スパイダーリリィはSSQで追加された即死攻撃だけど、まあ概ねこんな感じよ。
HP段階によって、使用する属性攻撃が異なるという事、その段階までHPを削られた次のターンに確定でその属性攻撃を使うというのがポイントね」
ヤマメ「ある程度は三色ガードで対応できるってことか。ダメージ的にはどんなもんなの?」
静葉「フロストスマイルも無対策なら一発400程度、フレイムサイも中心の直撃で350程度、ライトニングも300~350程度もらう破壊力よ。
テンタクルビートも一発450前後は喰らうし、まともに受け切るのは難しいわね。
ただライトニングの頭封じ、フロストスマイルのスタンを除けば異常付与は太古の呪粉のみだから、予防の号令や結界があれば6nターンは立て直しに仕えるわよ」
ヤマメ「というか残り25%以下で発狂するってことは、属性何飛んでくるか解んねえってことだろ?
残り12000弱を削りきる前に消し炭になる未来しか見えねえぞこれ」
静葉「そこまで悲観したものじゃないわよ。
まず、ライトニングを使い始めるまでは面倒な状態異常がひっきりなしに飛んでくるわけじゃないから、イワォみたいにいつ飛んでくるか解らないサンダーウィングみたいなのを警戒しつつ異常付与まで対策する必要はない。
氷と雷は通らないけど、炎はよく通るから弱点さえつけばそんなに固い相手じゃないわ」
ヤマメ「そもそもこいつ、アーモロードとかでもこんな意味解らん耐性だったの?」
静葉「アーモロードのも氷・雷無効ね。
異常はまあ…あの頃はごく稀になら全ボスに即死や石化も入ったしその辺は比較にならないかしら。
あとヴァンパイアキスがアーモロードのと同じなら、状態異常のキャラが受けると通常の4倍ダメージを受けるはずだけど、結局その辺の検証もどうなのかしらね。攻略本の記述通りなら、そんな効果はないみたいだけど」
静葉「これでボスの解説は終了ね。
いよいよ次回は魔理沙パーティの最終回、あの子達のスキル解説もしていくわ。
一応資料はいくらでも作れるんだけど、紙面節約のために変遷は文章のみの解説でね」
レティ(氷嚢装備)「聞くところレミリアがだいぶ盾役というかタンク役らしい活躍してくれたそうだから、少しは私も語り甲斐がありそうね」
ヤマメ「なんだ生きてたのかお前」
レティ「勝手に殺さないで頂戴。
流石にこの暑さは私じゃなくても堪えるわよ。どうなってんのここ数年の猛暑、冬も冬であっついし」
静葉「私としては今の半分ぐらいに氷の消費量削減してほしいんだけど。
あんたを水漬けしておく経費も馬鹿にならないんだから」
ヤマメ「∑( ̄□ ̄;)えっそれ経費なの!?」
レティ「とにかく世界樹5も発売されたんだし、サクサクとこの先の解説もするんでしょ。
この次の案件だって決して楽じゃないんだから」
静葉「あとから湧いてきたクセに元気なこと。
それじゃ、この辺りで次回に続くわね」
…
…
♪BGM 「戦場 朱にそまる」♪
影のアリの女王がフラン渾身の突きをうけ、その姿からまるで血が吹き出るかのように黒のオーラが噴き出すと、その一点から影の身体が崩れていく。
取り巻きのハイガードアント達も同様にして消えた瞬間、みっつめのUNIXボックスに細かな紫電が走ると、軽い破裂音と共に煙を吹いてそれきり動かなくなった。
スノードリフト、ケルスンノスを生み出したそのUNIXと同じように、クイーンアントを担当していたUNIXも今、寿命を迎えたのだ。
魔理沙達のダメージも決して軽くはない。
今まで、仮想空間(ヴァーチャル)で行われていた戦闘だったのが、今は実戦闘なのだ。レミリアは600族ドラゴンの融合形態と魔剣の力で得た驚異的なタフネスと、これまでの様々な経験で培った受けの技術を持って、その猛烈な攻撃を全ていなし、受け止めていた。
吸血鬼の驚異的な再生能力もあって一見五体満足に見えるレミリアだが、飛び散った夥しい血液と、肩で息をするほど消耗を見せているその姿は、魔理沙の眼から見ても相当な負荷を自身に課していることは明らかなのだ。
適合者とは言え、長時間の「融合」が肉体に及ぼす影響は大きい。
かごめやつぐみは言うまでもなく、神格である諏訪子でも、一時間以上の「融合」はできないと話していた筈だ。
全力の戦闘を開始して、既に二十分は経過している…大丈夫なのだろうか。
魔理沙がレミリアへ視線を送ると、それに気づいた彼女はふっと笑い、心配はいらない、とばかりに首を振る。
(レミリア、あんた)
(いいから、構えて。
戦闘の指示は魔理沙、あなたに任せると言ったはず。
私の役目は…あなた達が攻撃をする時間をひたすら稼ぐこと、それだけよ!!)
再び強く床を踏みしめ、剣を構える半身を引いて盾を前面に構えるレミリア。
魔理沙は再び、残り僅かな「命」を燃やしつくそうとする古代の遺産達の姿が見える。
四つ目のUNIXの放つオーラが、極低温の冷気を放つ巨大なエイの魔物…コロトラングルへと変貌していく。
その姿は、何時の間にか黒い影の塊ではなく、その魔物本来が持つ紺碧の体表を現していき、その頭部には数対の真紅に輝く目を備えていく。
魔理沙は、先の「三王」と同じその声を聞く。
「我らの終焉に相応しき、誇りある最期を」と。
「解ってる…解ってるぜ」
魔理沙は…その全ての声に応えるかのように構えた魔銃に、より強い魔力の光を灯す。
世界樹の災厄を払う手段を求めるうち、狂気に捕らわれてしまったオーバーロードの悲しみを受け止めたのは、神代の時代から生き続けた「ちっぽけな妖怪」だった。
あの時は無我夢中でそんなことに想いを馳せることすらできなかった魔理沙だったが、今、改めてこの場に立ち…今目の前に対峙する、その悲しき存在の想いを受け止めるという、その想いを強くする。
あの日、目の前でその「偉大なる小さき者」がそうして見せたように。
気づけば傍らに、凄まじいオーラをまとうフランの姿もある。
「魔理沙、行こう。
きっと…私達がこの戦いに臨むことは、そういう運命だったって…今なら、そう思う」
「ああ。
私達の最後のけじめだ、必ずやりきって見せるぜ!!」
臨界に達した銃口が、真紅の焔を吐きだす。
それを絡めとるフランの穂先が、戦いの咆哮と共に放つ海の王のブレスと激突した。