翠玉的珍道中記 第十六話
あらすじ
立ち寄った天気研究所で、イズミ率いるアクア団の分隊を蹴散らしたサユリ
ヒワマキまであと少しというところで立ちはだかったユウキをも軽くあしらい
いよいよ次のジムのあるヒワマキシティへとたどり着いた
いずみさん(アクア団幹部)「一応まだ一回、ゲーム中で出番はありますけどねー」
育江(ブリーダー)「…出番があるだけマシです…私なんて…(TT)」
硝子(アスリート)「…私二度も蹴散らされてしかもその時触れられてないわ…前の倍額取られたのに…」
サユリ「…なんだよこのカオスな面子…」
というわけでヒワマキシティ。
この街は建物が全てログハウスや樹の中身をくりぬいて居住区を作っているという、なんともファンタジーな町並みだったりします。
サユリ「まさにリアル動物の森」
ジュプトル「本来ポケモンは喋らないものなんですけどね」
ヒワマキジムは街のど真ん中に位置しており、上側のつり橋から進入することが出来ますが…。
サユリ「あっれぇ〜?なんかが道を塞いで通れないんだけど〜?」
サーナイト「面妖だな…ここには特に何かの気配も感じないのだが…」
そう、ジムに通じる唯一の通路は、見えない何者かによって塞がれており通ることが出来なくなっています。
ポケモンセンターでもこの謎の存在については触れられていますが、とにかく現時点ではジムに挑むことは不可能です。
ジュプトル「仕方ありません、ここは後回しにして先を急ぎましょう。
もしかしたらこの先で、ジムに入るためのヒントのようなものが転がってるやも知れません」
サユリ「みたいね。じゃあ先に行きましょうか」
120番道路
サユリ「あれ…あの人は…?」
サーナイト「…見覚えがあるな。確か石の洞窟で…」
ダイゴ「!…これは奇遇だな。
もしかして、姿が見えない何かで困ってるのではないか?」
道路に入って少し行った橋の上にはダイゴが待ち構えています。
どうやら彼は、ヒワマキジムの道をふさいでいた例の「なにか」についても知っているようです。
サユリ「え…ええ。よく解りますね」
ダイゴ「君の噂は聞いているよ。
カナズミのツツジに始まり、僅かの期間でかの“強さを追い求める男”センリすらも制した若きトレーナー。
魯粛の言葉ではないが…別れて三日も経てば大きく成長してしまうのには女の子も一緒だな」
サユリ「い、いいえ。たまたま幸運が重なっただけで…あはは。
というかダイゴさんそれ呂蒙の言葉です。魯粛が言ったのは呉下の阿蒙のほうですよー」
ダイゴ「( ̄□ ̄;)え…マジ?」
※うんちく 呉下の阿蒙(ごかのあもう)
「何時まで経っても進歩のない人」の意味。
「三国志」から出た故事成句の一つで、「阿」は中国語で「〜ちゃん」の意味で、「蒙」は呉の軍事総司令を務めた名将・呂蒙(178〜219)のこと。
のちに武神・関羽(160?〜219)を見事な武略をもって討った呂蒙であるが、当初は某ボクサー兄弟のような無学の暴れん坊だった。
呉の名臣魯粛(176〜217)は初め呂蒙を馬鹿にしていたが、彼の知らない間に学問を修めた呂蒙の変身ぶりに驚き「これはもう、呉の蒙ちゃん(呉下の阿蒙)呼ばわりはできんなぁ」と感心したというエピソードから来ている。
なお、このとき呂蒙が言い返した「男児たるもの、別れて三日も経てば剋目して対応するべきです」という言葉は、「見直す」の語源。
ダイゴ「…まぁそれはさておいて。
例の見えないもの…実はその正体はポケモンなんだ。
それは姿のみならず、その気配すらも完全に消してしまえるというポケモン…カクレオンだ」
サユリ「カクレオン…ですか」
ダイゴ「ああ。試しにこのスコープでそのあたりを見てみるといい。
これは父の会社で開発した最新式の暗視スコープ…デボンスコープというモノだ」
サユリ「どれどれ…わぁなんかヘンなのがいる!アレがカクレオン!?」
あ! やせいの カクレオンが とびだしてきた!
サユリ「…えっ!?」
ダイゴ「…言い忘れていたが、そいつは正体を見破られるとパニックを起こして、多くの場合は突然襲い掛かってくるぞ」
サユリ「そ、そういうことは早く言ってくださいっての!!
頼むわよジュプt…っ!!」
ダイゴ(さあ…君の本当の力、見せてもらおう。
アクアとマグマ…ホウエンに巣食うふたつの巨悪、その野望を挫くに足る力を持つか否か…見極める!)
サユリ(!…この人…まさか私の力を試すためにわざと…!?)
折角なのでカクレオンは捕獲することに。
カクレオンの特性“変色”は、受けた技と自分のタイプを同じにしてしまうというもの。
同じ属性の技に強い属性になると厄介ですが…捕獲のためにHPを削るということであればこの特性が仇になります。
サユリ「(…ちっ!しょうがないわね!)
ジュプトル、リーフブレードで3…いえ2回斬りつけて!
そのあと“吸い取る”を1回使って離脱!」
ジュプトル「え?…あ、はあ解りました。とうっ!」
最初のリーフブレードでカクレオンのタイプは草に。
最初の一撃でHPを半分くらいまで削り、返しのリーフブレードでカクレオンの体力を四分の一くらいまで減らします。そのあとは威力の弱い吸い取るでHPを調整し…。
サユリ「今だっ!」
投げつけたスーパーボールで一発捕獲成功。
ダイゴ「…ふむ…面白い戦い方だな…。
いや…君はもしかして、はじめからそいつの特性を知っていたな?
捕獲のためわざと同じタイプの技に抵抗性があるタイプに“変色”させた…違うかい?」
サユリ「…まぁ、そんなところです。
あなたにはこれ以上隠し事をしても、無駄そうな気がしましたし」
ダイゴ「成る程…アクアの総帥が一目置いているとも聞いたが強ち噂ではないようだな…」
カクレオンだけの特性「変色」は、受けた技のタイプと同じタイプになるというもの。
炎や草など、同じタイプの技に抵抗があるタイプに変わると厄介ですが、捕獲するならこれを巧く利用すると非常にHP調整がしやすいです。
逆に速攻で倒したい場合、先ずはとにかく威力の高い技でHPを削り、続けてそのタイプが苦手とする技で弱点を突くと早いです。
基本がノーマルなのでゴーストはアレですが…ジュプトル(ジュカイン)なら、ドラゴンクロー(技02)を連発するか、リーフブレードのあとに燕返し(技40)、もしくは地震(技26)のあとにリーフブレードをぶつけるといいかも。
ともあれこれで「姿の見えない何か=カクレオン」を追っ払うことが出来るので、いよいよヒワマキジムに挑みます。
ヒワマキジム内は回転扉で通路が塞がれており、それを巧く回転させて通路を開いていくという仕掛け。
一方で扉の大きさが異なったり、三方向にドアがあったりとなかなかややこしいです。
サユリ「明らかに4回目のカラクリ屋敷よりややっこしいわ。誰の趣味よこれ」
鳥使い「ふっ…この程度で音を上げるようでは、到底ナギ様の下へはたどり着けんぞ」
サユリ「…それよそれ。なんかその言いかたされるとどっかのチビ令嬢思い出してなんか嫌」
ナギ「…それも酷い言い草だなー^^;」
因みにトレーナーたちから本当に「様」付けで呼ばれてますw
さらに言うと、ポケスペとはナギの口調が違うのも何故なんだか。
サユリ「まー私もそもそも別畑の人間ですが」
ナギ「その割にはここまで来るのも随分速いじゃないか。テッセンさんやセンリ殿を制するほどの実力があるトレーナーであれば、この場合はむしろ私のほうが挑戦者の立場かも知れないな」
サユリ「いやーそんなことはないでしょー^^
所詮はビギナーズラックというものでして」
ナギ「…このナギの目を誤魔化せるとでも?」
サユリ「あ、それをあんたが言うのかw」
ジムリーダーの ナギが しょうぶを しかけてきた!
ナギ「知っての通りここのメインは飛行タイプだ。
空を舞う彼等は防御力に難があるものの、スピードと攻撃力に優れ、立体的な戦闘を得意とする。
さあ、どう攻略してみせる?」
サユリ「生憎、こっちもそういうのが得意なヤツがいるんですよっ!
行くよ、我が朋友!」
ナギ「クロバット…私に対して空中戦を挑むというのか、面白い!」
チルット、トロピウスまでは指して問題はなく、特にトロピウスは飛行タイプのクセに飛行技に弱いというオチャメさもあってまったく苦戦の要素がないですw
そしてペリッパー、エアームドもサーナイトの10万ボルトで落としますが…。
サユリ(流石に燕返しは厄介だわ…!
回避の手段がないし、まして攻撃力も結構馬鹿にならない…)
ナギ「さあ!ここからが本番だ!
この私の切り札、チルタリスに電撃は決め手にならないぞ!」
サユリ「…え…?
!…しまった、確かそいつのタイプは…!」
サーナイト「…10万ボルトが…効かないというのか!」
チルタリス「あなたも、あなたの主人も油断したようですね…。
あなたの出番もここまでです…燕返し!」
チルタリスのタイプはカイリューとまったく同じですw
能力的には大したことはないですが、覚える技が非常に豪華で、かつ技マシンの対応が非常に広く、地震や火炎放射すら覚えさせることが出来るという…鳥というよりもドラゴンというほうが正しいのかも。
サユリ「仕方ないわね…ドククラゲ、あんたたまにはなんとかして見せなさい!」
ドククラゲ「ヒッヒッ…こういうシチュエーションで俺が出てくるときはロクなことがないんだよねぇ…」
ナギ(ドククラゲだと…?
飛行対策を施したサーナイトを欠いて毒化で勝負を決める気か…?
…だが、状態変化ならばリフレッシュで…)
ドククラゲ「…何か嫌な予感もするし早々に決めるかねぇ…。
冷凍ビームで凍っちまいな…ヒッヒッヒッ…!」
ナギ「何だと!?」
まぁ、説明の余地はありませんかそうですか。
冷凍ビームを覚えさせた水ポケモンが一匹いれば四天王・ワタルのドラゴンポケモン軍団など赤子の手を捻るが如く。
無論チルタリスといえど例外ではなく、まさに瞬殺。
チルタリス(…きゅう><)
ドククラゲ「ヒッヒッ…弱者は強者の糧になるとDIO様が言っていたことだしいたd」
サユリ「言ってないだろうが(懐からトンカチを二個取り出して一撃)」
ジムリーダーの ナギとの しょうぶに かった!
ナギ「ふむ…ここまであっさりと負けてしまうとかえって清々しいものだな。
アスナが君を追い詰めたとも聞くし、私も彼女を見習わねばならんな」
サユリ「…でもここのチルタリスが火炎放射とか地震とかを容赦なくぶっ放してくるという話聞いたんですけど…。
…もしかしてナギさん、ものっそい手加減してません?」
ナギ「ふふ…それはノーコメントということにしておこうか。
まぁとにかく、この技マシンも君に譲ろう。
これから命中に関る搦め手を使う者も多い…回避不能技である燕返しは、きっと役に立つだろう」
殿堂入り後は各地のジムリーダーも相当にパワーアップするそうですが…ナギやセンリのように、技マシンで意味不明にカスタマイズできる手持ちがいるリーダーは何仕出かしてるか解らないから本当に怖いです。
何しろ、FRLG環境の四天王が既に半端ないですし。シバの格闘ポケモンが覚えている岩なだれとか、キクコばーさんのアーボックが習得している地震とか…。
それはともかく燕返し、ジュプトルが一応習得可能ですが…。
サユリ「さーどうするよあんた?
このままではどう考えてもリーフブレード以外に取り得のない微妙なポジションだけど…」
ジュプトル「( ̄□ ̄;)ヒドスwwww
けど瓦割りとか地震とかもあるから迷うんですよね…海底洞窟に入るまでは微妙なままでいいです…」
サユリ「ふーん。でもそれはそれで困るし今更だけど秘密の力でも覚えといてみる?」
ジュプトル「ちょwwwwwwwwwそれマジ今更なんスけどwwwwwwwwwwww」
もっと早く覚えさせておいても良かったですね本当にw
で、折角秘密の力も覚えたことなのでヒワマキの近くに秘密基地などをこさえてみることに。
120番道路の秘密基地
サユリ「…え?ここでポケモンの入れ替えとか出来ないの?道具も預けられないの?」
ジュプトル「…みたいですね…当然回復も出来ないようです」
サユリ「じゃあ何なのこのシステム!これ存在意義ってなんなのさ!?」
ジュプトル「さぁ…」
…というわけで特に何か意味があるわけでもなく。
レコードを混ぜれば、殿堂入り後にレコードの持ち主のポケモンと対戦が出来るようになるそうで。金銀にあった赤外線通信でトキワシティのトレーナーハウスで通信相手のポケモンと戦えるようになるシステムと似たもののようです。
サユリ「…なんか急に色々がっかりしたわ…先いこ先。
アクアのボンクラ共とマグマの穀潰し共が何か仕出かそうとしてるのも気になるし」
ジュプトル「それも酷い言い草ですな…フォローの余地もありませんが」
でもって、120番道路から121番道路を抜けて次の街…ミナモシティへと向かいます。