♪BGM 「戦場 そびえ立つ双つ」(新世界樹)♪


「ああ、構わんよ」

それは、何時かも見たような光景。
その言葉も、その相手も全く同じ…それなのに、ユルールにはそれが全く違う景色になって映っている。

一つ目は言うまでもない…それを申し出たのが、自分ではなくテトラであるということ。
勿論、彼女自身が当初から持っていた意志ではなく、マタンや寿々といった連中に焚きつけられてのことだったが、そこはユルールにも解っていただろう。
テトラ自身、先の文(ふみ)の戦いぶりに何か悟る所あったが故…その行為を決断させたという事を。

「お母さん、本当にいいの?」
「別に断る理由はあるまい。
あたしも先日ようやく、新しいフォーマットに変わってフラットフルバトルができるってのを知ったからな、機会があったらこっちで切りだそうかと思ってたとこだ。
…ったく、なんかずっと前にもこんなことがあった気がしたな。なんちゅうデジャヴだ」

二つ目は…目の前にいるその相手だ。
何処か皮肉めいた笑いを見せるかごめだったが…あの時のどこか悲しそうな、陰のある表情の彼女ではない。
それまで距離を置いていたように見えた愛娘を傍らに置き、尽きぬことない覇気と自信を自然体から放つ大妖怪の風格を持つその姿は、あの日見た彼女とは明らかに別人と言っても差し障りはない。

「あの時と違ってあたし自身がバトルに参加することも勿論できる。
だが…トレーナーとしてのあたしに挑むというなら…そういうわけにもいくまい。
…そして、あの時と違う答えもある。あたしはすでにそうなった場合の構成を考えてある、すぐにでも受けられるぞ

ふっと笑うと、かごめは踵を返す。


「見せてみな、あんた達のその想いと力を。
あたしは逃げも隠れもしない…全力で受け止めてやる!」



呆気にとられたままのテトラ達を余所に、悠然と歩き去るかごめ。
その光景を見守っていたテトラに、ユルールが声をかける。

「きっと…私達はとんでもない事をしちゃったかもしれないね。
文さんが居合わせたら、なんて言っただろう」
「…でも、あの時とは何もかも違うんです。
特別な理由がなくても、そんな大それた事情じゃなくても、何時だってこういう事が出来るんだって、私もそれを知りたかった。
だけど」
「やるからには、勝たなきゃね」

ええ、と笑顔で返すテトラを伴い、ユルールもその場を後にする。


赴くは、互いに培ったものを確かめあう決戦。
今、その場に赴く少女達にあるのは、悲痛な覚悟ではない。








2月10日分フルバトルラウンド

かごめ側手持ち
先発:こがさ(パンプジン@食べ残し) 
控え:みのりこ(バクーダ@気合の鉢巻)/キバガミ(ケンタロス@命の珠)/ゆうぎ(ガブリアス@ヤチェの実)/ゆかり(ニャオニクス@オボンの実)/つぐみ(デンリュウ@デンリュウナイト)

テトラ側手持ち
先発:ネローナ(ギガイアス@弱点保険)
控え:すずひめ(ダイケンキ@命の珠)/Dアルル(アブソル@アブソルナイト)/えりりん(ビビヨン@気合のタスキ)/ラターシュ(レントラー@火炎玉)/ヘスティア(ムウマージ@ラムの実)


諏訪子「∑( ̄□ ̄;)うおうなんじゃこりゃ!!
   なんか展開的にいきなり尻ASSになってたり紹介がロジカル語法でなくなってたりどういうことだ!?」
かごめ「あたしにだってそうしたい時くらい…あるっ…!(キリッ」
小町「いやそこでキバヤシ顔されてもなあ。
  これは諏訪子、何時だったかあんたが言ってた形式のだと思うんだけど」
諏訪子「オメエも軽くスルーしてるんじゃないよ。
   まあそうだな。この形式は地味にHGSS以来だと思うんだが、極端な話、タスキゲンガー6体パーティとかそういうふざけた事もできる。
   勿論メガシンカのルールは普通に適用されるぞ。6体フルで参加しても、そのうちメガシンカできるのは双方1体ずつだ」
小町「あん時もポケモンかぶりと道具かぶりって可能だったんだっけ?」
諏訪子「基本GSルールだったからそれはできなかったろうが。
   それに当時ランダムフリーはバトレボしかなかったし、仕様も今の見せ合い形式だから事前にメンツも割れちまうし」
かごめ「先発さえ決めてしまえばあとは順番関係ねえのには変わらんけどな」
小町「控えが見えてるか見えてないかだけでも十分別物だけどねえ」
諏訪子「あとこれも地味に当時と同じなのが、参加できるポケモンの数も任意で決められるってことだな。
   こっちから1体しか選出しないで戦闘開始するなんて事も、実はできる。
   当然向こうが6体だしてフルボッコなんて事も起きるし、あべこべにこっちからその1体で6タテなんてことも可能だな」
小町「まあ普通はそんな事する意味がないがね。
  どこぞの氷精なら「最強のあたいならそれでも全く問題ない!!」とか言いだしそうな予感もひしひしするが」
諏訪子「あいつはそれ本当にありそうだから困る。今回は何故かいないんだがな」








~藤野一家控室~


文「あんた正気なの…って聞くだけ無駄なんでしょうね、あんたの行動の八割は酔興で成り立ってるんでしょうし」
かごめ「口を開けば嫌味か小言ばかりじゃねえか最近のテメェは」
文「気晴らしみたいなものよ、どうせ耳に入れても反対側から素通しするんでしょうし。
 …けど、いくらあの当時と事情が違うと言っても」
かごめ「姐さんがネックになるってか?
   まあ、当時の考え方で言えば姐さんどころかつぐみの繰り出しだって厳しいだろ。まとめてサンタ娘に凍らされてお通夜だ」
文「それをあえて選出する理があるの?」
かごめ「んあー…強いて言えばあたしがあたしを相手取るんだったら今どうすっかな、ってところかな。
   むしろ今までのあたしとは違った事をやりたがるかもしれない。
   まあ他にも色々あるかもわからんが…まあ乱暴だがただの直感だよ」
文「直感、ねえ」
諏訪子「まあ、私としては面白いんじゃねえかと思うよ。
   うまく先手でかき回せれば、ガン積みした紫が暴走して終わるかも知れんしな」
文「…あんた何時の間に」
諏訪子「いいんじゃねえの?
   不一致氷技だったらメガデンリュウの耐久でどうにかなると踏んでのこったろ。
   向こうの信頼できるアタッカーで勇儀を抜けるのは件のツララか、文(ふみ)か、ユーリか…あとはオオスバメ軍団くらいしかいねえだろ…この辺りなら、キバガミでどうにでもできる」
かごめ「本音いうと穣子の馬鹿にタスキ持たせたかったんだけどな。
   あの馬鹿、何の愛着がわいたのか気合のハチマキ離しやがらねえしな…最悪アレをクッションがわりにして、小傘が散々ひっかきまわしたところでキバガミかつぐみか姐さん投げて一気に決める。
   叩き潰すぞ、真正面から速攻でな!








諏訪子「とまあ、今回の構成ではこいつらと、先手の小傘で相手の場を荒らし、勇儀の剣舞逆鱗やメガシンカ状態のつぐみ、珠持ちのキバガミで一気になぎ倒すつもりのようだな。
   その意味では、穣子や紫に何の役割があったのかはよくわからん所だが」
小町「ほんとだよね、それこそチルノとルーミアで良かったんじゃないのかい?」
かごめ「だよなあ。
   今思えばなんであいつらだったのか」
諏訪子「お前その辺り全ッ然考えてなかったんだろそうなんだろ。
   メガ枠は今回の場合だと、こちらはつぐみ、あっちはドッペルアルルか。
   そういえばつぐみまた個体が変わったんだっけ。聞く所、妖怪いちたりないの所為でめざパ死んだという話だが
小町「5VでSが29って言ってたね」
かごめ「神子さんが5VでSUのめざ氷なんだよな。あの人物理しかやらんから逆ならどんだけよかったことか。
   もっとも技構成は全く変わってねえんだよな、10万気合玉竜の波動充電、努力値はHCじゃなくて対アロー意識のHBだ」
諏訪子「今作ただでさえポイントアップ集めるの大変なのによくやるわな…。
   つーかこれ、充電ぶっちゃけ必要なのか? どう考えてもボルチェンの方がよくねえか?」
かごめ「まー確かにそれ思ったんだけどさー。
   何気にメガシンカすると弱点増えるし、耐久だってそこまで高いわけでもないから存外居座りも向かねえんだよなこいつ」
小町「だったらいっそHC特化して火力重視で言っても良かったんじゃねえの?」
こまち「確かにな、メガデンリュウのCは165にもなるし、特化すれば実数値234と通常のC特化ミュウツーを一致最高火力の威力でも余裕で越すバケモノだ。
   ただ、補正性格なら無振りですら実数値203、補正全振りのウルガモスと比べても遜色ない数値になるし、Bに振ることで、後出しは利かんが攻撃特化の陽気ガブリアスの珠地震すら低乱一発(25%)に抑え込めるし、対面なら返しの波動で一撃にできる。
   なので攻撃力に特化させるよりも耐久面を強化した方が活躍させやすいと思ったわけで」
小町「じゃあ一発耐えてなんかする程度の余裕はあるのか」
諏訪子「まあHC特化しても通常のデンリュウに珠持たせた方が火力はあるからな。
   もっとも、型破りの恩恵もあるから珠デンリュウとはその辺りで差別化にはなると思うが。地味にマルスケムーミンのマルスケ無視して波動で弱点突けるのは魅力だろうし、ホイホイ受けに出てきた頑丈地面を一撃で粉砕できるしな」
かごめ「こいつの特性が型破りって事を意識してる奴も存外いない気がすんだよね。
   ある意味ではそこが強みの気はするが」
諏訪子「あとガブリアスの話も出てきたが、地味にこの勇儀にしたって実はPtから連れてきた奴じゃないよな」
かごめ「うんまあ、ミラクル交換で逆鱗遺伝した鮫肌フカマルが流れてきたから、そこから厳選を初めてこちらも5Vの怪物だ。
   Dだけ20しかなかったがめざパをはじめ脅威となる特殊技は弱体化してるから、耐久調整にはさほど割かなくてもよくなったんだけどね」
小町「その分、役割破壊の大文字を採用しにくくなったのは痛手っちゃ痛手だよな」
かごめ「まあそこはな。
   そして実はこの紫も、積みアタッカーとして新しく厳選した個体なんだ。
   特性は夢特性の勝ち気だが、今思えばすり抜けでもよかったとは思う。遺伝で覚えられるバリヤーと瞑想で火力を上げたアシストパワーをする型だ。しかし思ったより積んでる余裕はないし、サブウェポンでもっていたのも何故かチャームボイス。結局積まない事には始まらんが、いざというとき積まなくてもある程度殴りには行ける技ということでこのあとすぐ悪の波動に差し替えたわけだが」
小町「あまりにも悠長すぎるだろそれ。
  第一、積んでる時のリカバリーが食べ残ししかねえって時点でもうな」
諏訪子「そもそもニャオニクス自体Sがそんなバカ高いわけじゃねえしな。
   私としては何処かで文を使うかと思ったら、正直意外な人選だったというべきところはあるな。穣子の存在意義、本当になんだろな
かごめ「本当だな、今思えばなんでだ」
小町「いやさっきから思ってたけどあんたが言う事かい^^;」


かごめ「さてここからが実際の推移だが、初手は向こうがギガイアスで悪くないというか普通に出し勝ちした感じだったな。
   双方撒きものから始まったという辺り向こうも場作りの目的があったのかも知れんが」
諏訪子「こういう局面になるとやたらとステロ撒かれる気がするのは気のせいなんかね
かごめ「気のせいだろう…(しろめ
   しかし鈍速で範囲も決して広くないギガイアスに弱点保険って正直どうなんだろうな、弱点は突かれやすいだろうが」
小町「トリルアタッカーにするにもちょいと悠長な気がするがねえ、ダゲキくらい素が早いなら解るけど」
諏訪子「というか頑丈を盾にステロとか撒いて来られる方が普通に面倒だわな」
かごめ「まあ実際に発動してもいねえし鬼火で機能停止はしてやったけどな。
   逃げてはいったけど、交代先に鬼火当てられたって言ってもそんな美味い相手でもなかったのがな」
諏訪子「つーかテメエあいつが特殊型だって知ってやがっただろ」
かごめ「そりゃあログ見ましたし(キリッ
   それだけに面倒なことは解ってたからここで道連れ出来れば一番おいしかった。
   ただ解らんのは穣子相手に逃げる理由があったのかどうかだが」
小町「こっちもダイケンキ後出しで速攻逃げたし、ロッカ積んだ意味も余りなかったけどねえ。
  突っ張って来てくれてもひるみ倒される未来しか見えない辺りが」
諏訪子「で、ここでキバガミ登場も、思ったより削りきれなくて実質不発に終わったな。
   一応ダイケンキ育てたんだしどのくらいの耐久なのかくらい把握はしてなかったのかよ?」
かごめ「思ったより耐久ない印象しかなかったんで(しろめ」
小町「ワイルドボルトで自らダメージ受けてたとはいえ激流かかってると威嚇も相殺されちまうわな。
  ここはつぐみをさっさとメガシンカさせて被害はかなり抑えられたけど」
諏訪子「それどころか10万で麻痺とってビビヨンの蝶舞正面から叩き潰しやがったな。
   一体何してんだオメエの娘は」
かごめ「あ、いやほらディーヴァポップEXとか初見でフルコン余裕でしたし(迫真」
諏訪子「関係ねえだろ!!><」
小町「そして地味に耐久のあるダイケンキ、複眼催眠暴風での運ゲーがうざい事に定評のあるビビヨンを片づけたところで、穣子を本気でクッションに使いやがったね。
  流石にメインウェポン半減に対していくら根性レントラーでもいきなりワイルドボルト撃っては来ねえだろうが」
かごめ「あわよくば鉢巻でも発動してくれればおいしかったんだが…ここからは恐怖の姐さん劇場だ。
   地震でレントラーをふっ飛ばし、冷凍もヤチェで耐えて逆鱗でアブソルもギガイアスもぶっ飛ばして一気に主導権を奪ってやったが…」
小町「アイスブラッシュ(特殊)の存在を忘れていたと」
諏訪子「あいつナイトシーカー意識の型だって言ってたのをすっかり忘れてやがっただろ…というのは簡単だけど、向こうのムウマージいっぱいいるからどれがどれだかわけわかんなくなるんだよな。
   最近それしか出てきてねえけど」
小町「地味に異常撒いて祟り目って言うのが、今作祟り目の威力が上方修正かかってるからわりとシャレになってねえというか普通に実戦レベルだしね。
  ムウマージが撒ける異常は結構多いから、麻痺も毒も入らないのはえーと」
かごめ「ドリュウズが無理ゲーか、一応祟り目と鬼火は刺さるが」
諏訪子「というか完全に此処紫出す意味全くなかったよな。ニャオニクス素の速さでも余裕で負けてるじゃねえか」
小町「しかも決め手になる技皆無だよね、悪の波動だったらまだ負担かけれたものを」
かごめ「いや本当だよな…なんでチャームボイスだったんだか」
諏訪子「お前が言うなや。
   電磁波を読んでデンリュウ投げられたら神だったんだろうが、それもはや虫の知らせとか天啓とかそういうレベルじゃねえだろうしな」
かごめ「というわけで双方1体ずつ残しての最終局面に入って、どうぞ(キリッ








♪BGM 「鉄華 打ち果て朽ち果て」(新世界樹)♪


「お嬢…!」

土壇場から一縷の望みを繋ぐべく、奮戦する彼女を見守るミルフィーユ。

仕えるべき主人であり、また終生の友であることを誓った彼女だからこそ、ヘスティアが如何に優れた資質を幾つも持って生まれたことも…それ故に、一生消えぬ苦しみを抱き続けていることも知っている。
家柄にも才能にも恵まれ、文字通り苦労を知らずに順当に治績を上げ、その血筋以上の評価を得て、同年代のものとは比べものにならないほどの高い地位を得た彼女は、誰からもそれを羨まれ、お嬢様然とした物腰ながら嫌味も裏表もない人柄で、他者からの恨みを買うことも少なかった。

しかし…彼女にとってそれは決して幸せなことばかりではなかった事を…ミルフィーユは知っている。

「苦労を知らない」ことがコンプレックスになっている、そんな事を話してくれたこともあった。
だが、それはきっと、ミルフィーユしか見たことのない彼女の一面であっただろう。

だからこそなのだろうか…時に彼女は、自分の命すらも省みない様な蛮行を進んで冒そうとする。

「…俺らも、あいつの事を随分と誤解してたのかもしれねえな。
若い割に頼り甲斐があり過ぎて、むしろつまんねえ奴だと思っちゃいたがな」

何時の間にか傍らに立っていたバーミセリが、そうつぶやく。
ミスフィーユは皮肉めいた笑みを浮かべるその顔を見やる。

「最後まで、しっかりと見届けてやれよ。
あいつはきっと…オメエが自分の最高の友達だって胸張って言える奴になりたいんだと…俺はそう思うぜ
「…うん…!」

ミルフィーユは、祈るように手を組み…そしてその姿を焼きつけようと再びヘスティアの姿に視線を移す。

(頑張れ…お嬢!)





「…旗色は…決して良くないわ。
けど、悪くもない」

愛娘の姿を見守るかごめと、その傍らに立つ文の表情も硬い。
普段なら、そのくらい見りゃわかる、といったような皮肉の一つも飛んできそうなかごめも、真剣な眼差しで娘の戦う姿を見守っていた。

元々近接戦闘ができないわけではなかったつぐみではあるものの、樹海行の一件から本来の適正であった遠距離火力型へと転向したこともあり、スピードと火力を活かしたインファイトを主軸に据えるヘスティアとの相性は決して良いものとは言い難い。
それでもその暗殺剣の一撃を、つぐみは巧みに銃の背を盾にしていなしている…が、その状態では必殺の間合いまで離脱することすら難しい。言うなればじり貧の状態だ。

最近はかごめのスカートのポケットを定位置にしている針妙丸も、不安そうな瞳でその表情を見上げている。


その時…かごめの表情が唐突に緩む。


「必死な顔して何してんのかと思ったら…つぐみの奴、あの姐さんの事をこの立ち会いで理解しようと思ってやがるのか
「えっ?」

突然の一言に、文も針妙丸もその意図を理解できず、目を丸くする。

「追い詰められてこんだけ余裕がない癖しやがって…何時だったかあたしがやらかした事を真似しちゃってくれて。
必要以上にあたしなんか意識すんなっていったのに、まったく」

苦笑するかごめ。

「仕方ないわ…血は争えないものよ。
それ以上にあの子は、あなたの生き様を見ながら育ってきたんだから」

何時の間にか、そこに紗苗も立っている。

「…私にも、なんとなくわかってきた。
あの人はきっと…恵まれ過ぎているが故の苦しみを知ってる。
その苦しみを、今もきっと持ち続けている

「ああ。
だからつぐみの奴…あえて近距離戦を選んだんだな。
相手の土俵に降りないことには、解らないことだってあるんだろうし」
でも、らしいといえば、らしいんじゃないかしらね」

文の言葉に、ああ、とかごめは頷く。


「止めはしねえ。
納得いくまで好きにやりな、つぐみ…!」






剣戟を交えるふたりの感覚もまた、その高まっていく闘志の中で深く結び付いていく。

ヘスティアは、つぐみが体験してきたすべての出来事を。
つぐみは、ヘスティアの持つ様々な想いを。
それぞれ言葉ではなく、心で理解し合っていく。

(不思議な感覚だわ。
 あなたとこうしていることで…私は、これまで自分がどれだけちっぽけな事で悩んでいたのかって…少し可笑しくも思えてくる)
(…ごめんなさい…わたしには、なんて言ったらいいのか。
 お母さんならきっと、もっといい言葉が出てきたのかもしれないのに)

その感覚の中で、ヘスティアはゆっくり頭をふる。

(気にする必要はありませんわ。
 あなたは、お母様の事を深く愛している…私にとって、それほどまでに心を許せる方はミルフィーユさんしかいなかった…。
 もしかしたら、今もそうなのかもしれません。けど!)

そこで一気に現実に引き戻される二人の精神。
ヘスティアの強い眼差しが、つぐみの急所をしっかりと捉えている。


♪BGM 「AURORA」/藍井エイル(機動戦士ガンダムACEより)♪


「だからこそ私は彼女のために…何よりも私自身のために!
ここであなたに勝って見せます!!」



音もなく放たれた、猛毒を帯びた苦無がつぐみへ飛ぶ。
それと同時に、逆手に構えた刃と共にその姿がつぐみの視界からかき消える…!

「…投刃とシャドウバイトの波状攻撃か!」
「いける…決めろ、お嬢ッ!!」

投刃がつぐみを捕えようとするその刹那の瞬間、音もなくその懐に滑り込んだ刃が振りあげられる…が。


違和感を感じた彼女が、己の足元を見やる。
そこには、紫電を放つ雷の矢が刺さっていた。


気づけば、そこにあったはずの少女の姿はあろうはずもないほどの後方へ…それは、つぐみにとって必殺の間合い。
解放された雷の奥義魔法が、純粋魔力の波動となってその銃口に集束した次の瞬間。

裂帛の気合と共に放たれた雷の鳳凰が、身体の自由を封じられたその姿を捉える…!








諏訪子「シチュエーション的には以前のフルバトルと本当によく似てるなあ。
   ただ、麻痺と取ったのはこっちなんだけど(しろめ」
小町「本当だよ、なんで10万で麻痺二回も引き出すし(しろめ」
かごめ「あいつがこんなに色々なんかやらかすなんてこの海のリハクの目をもってしても」
小町「いやさそれ節穴だから(迫真
  後で聞いた話だと、相手さん完全にメガデンリュウに氷技が通るって気づいてなかったらしいね」
諏訪子「そういや地味にタイプ変わるんだよな。
   単電気から電気ドラゴンに変わるんだっけ、いままで名前もそうだし何気に逆鱗も覚えるからさっさとドラゴンタイプつけろやって話はあった気がしなくもないんだが」
かごめ「むしろデンリュウにドラゴンタイプがあるって勘違いしてるヤツもいるとか聞いたがな。
   まあ兎に角ややこしいが、メガシンカすることでドラゴンタイプが追加されますのでその辺は」
小町「耐性も3つ増えるけど弱点も3つ増えるんだよね実は」
諏訪子「単純にドラゴンタイプの長所と短所をそのまま足しただけだからな。
   そして地味に素早さも落ちる、元々鈍速だけど」
かごめ「まーそうはいっても不一致凍える風と抜群祟り目のダメージにそんな大差ないけどな。
   それどころかなんか異常貰ってたら祟り目の方が被害でかいし」
諏訪子「それもそれでひでえ話だな」
小町「元々高かった耐久性能も、デンリュウの時点で実はBが10くらい上方修正されてるんだっけか。
  メガシンカするとそれがまたちょっと上乗せされて」
かごめ「Bの方が高くなるから後出しでダウンロードされると吐血モノですな(しろめ
   とはいえ麻痺で行動順も逆転したのでそのまま押し切って勝った」


かごめ「というわけでここでいったん区切りますが」
小町「日付も変わるんだしどう見てもここでいったんシメといても良かったよね(日常顔」
諏訪子「全くだ、何故まとめたし」
かごめ「というわけで次回に続きます」
諏訪子「毎度の如く強引に切ってんじゃねえよ」