気を失った神綺が目覚めたとき、そこは博麗神社の一室であった。
彼女はすぐに、直前の記憶を手繰るべく跳ね起きる…が、全身に走る焼けるような痛みに、僅かに顔を顰めた。

「なんでえ元気そうだな、たくましいの」

そこに、今のこの時点ではこの場にいていいはずもない、だが、見慣れたニヤニヤ笑いの悪霊がいる。
その、他人を食った笑みに不快を表す暇もあればこそ、神綺は、魅魔に問う。

「…バトルはどうなったの」
「何慌てなさんな、あんたがぶっ飛ばされてからまだ4、5分経った程度だ。
そろっと、うちとこのカエルも限界だろう…どうせもうほとんど見えた勝負だ、メルランをクッションにすれば自分の鉄の輪で一撃だろうに、何考えてんだかな」

そう、と、神綺は険しい表情で俯く。


あのあと神綺は、何を思ったか避ける事もせず、諏訪子の放った炎の弾幕を背中からもろに受けた。
ヤードランであることは間違いなく、受けたのも恐らくポケモンの技で言えばオーバーヒート。
諏訪子にしてみれば、引かれるのを承知の上で敢えて最大火力を持って負荷をかけてきたことだろうことに疑う余地はない。
裏が耐性のあるヤザンドラといえど、そうそう何度も受けられる火力ではない…それに、火力を代償に行動固定がかけられる以上、相手の裏のメルランの技構成によっては最早見えた勝負と言わざるを得ない。

しかし、神綺の思考の先は、そうした勝負の行方とは別のところにあった。
自分が勝負を度外視してまであの場に踏みとどまったのは。



「私のこの感情は…間違っているのかしら…?
私が守らなくても、あの子なら…」
「そうかねえ。
今のあんたなら、至極当然の行動なんじゃないか?
普段あんたが何を如何考えていようが…あんたがそれを考える前に身体が動いたッてんなら…それが紛れもなくあんたの真実なんだよ、魔界神

その言葉に、神綺は自重気味に笑う。


「…笑わせてくれる…魔界最強の神を名乗るものが…何処の馬の骨とも知れぬ小娘への情でッ…!!」


言葉とは裏腹に、その流れ落ちる涙は…何処までも母親らしい愛に満ちたものだと、知るのは魅魔ただひとり。



ポケモン対戦ログ(2015年8月2日) そのさん



その悪魔の少女は、ただその事だけを誓った。
かつて守りきれず終わったその少女を、今度こそ守ろうと。
その一番の「剣」となれずとも、忌むべき「彗星の魔」のままであろうとも…ただ、その傍に居たいが為に。


その必死な想いは、総ての光を滅する冷たい鉄の刃となり、立ちふさがる騒霊へと降り注ぐ…!





「決着、かな」

もうもうと上がる土煙り、博麗神社の一室でそれを眺めるうちの妹紅は肩を竦める。

「ったく、さっさと魔界神も引っ込んで、エリス(あいつ)で受けちまえば優位な択って奴になってたんじゃねえの?
メルランがフェアリータイプ、カエル野郎が炎と鋼。
そこで交代を読めば、あのこだわりメガネとかいうアイテムと、特殊火力に特化したサザンドラで弱点を突く。
受け切れるわけねえよな」
「そうね…あなたにしては十分及第点の回答じゃない」

何処か呆れたように溜息を吐く輝夜に、妹紅は喰ってかかりたい気持ちを抑えて、なおも畳みかけるように続ける。

「詳しい計算とかそんなのは慧音がしてくれてるだろうけど、もうこれは勝ったろ。
んま、今の私にはちょっとまだ理解もしたくない戦略ではあるが」
「でしょうね。
あなた如きが軽々しくこの勝負の行方を語ることは、例えヤーティ神が御許しになっても…私が許さない

妹紅はその鋭い一言に言葉を詰まらせる。
普段からそうしているように、輝夜の売り言葉に喰ってかかるところが…輝夜の放つ有無言わさぬオーラがそれを許さずにいる。

輝夜は、その成り行きを遠巻きに眺める三月精やイーヴルラヴィの面々の視線も気にした風もなく、立ち上がり、厳かに告げる。

「神綺さんもまた、形は違えどメルランがあの時取ったのと同じ行動を取った。
役割論理の戦いでは許されざる事なのかもしれない。
けど…あの子も、神綺さんも…「今目の前に見えてる現実」に対して正しい行動を取ったにすぎない。
それを非難する権利は、ギャラリーの私達にあっていいはずがない!


有無言わさぬ覇気を放つ輝夜の一喝に、場が沈黙する。
そして、と、彼女は、今まさに土煙が晴れ…その中から現れた輝きを指さす。


「でも…最後は、その役割論理における至極真っ当な「結果」がそこにあるのみよ。
その両の眼をよく開いて…御覧なさい」





悪魔の少女は驚愕し、戦慄する。


「成程、ね。
自分で喰らってみればわかる…ヤケモンとして完成されたメガネヤザンの高火力。
不一致とはいえ、弱点を突かれれば立ってるのもやっとですものね」

相手は、まだ倒れてなどいない。
それどころか、空間を切り裂くような、この穢れなき光は。


渾身のラスターカノンの一撃で満身創痍になりながらも、その背の六対の翅と、頭上に抱く光輪が放つ光に一点の曇りもなく。
その姿が、その存在が、かつて自分にその「滅びの記憶」を植え付けたそれよりも、なお強い「恐怖」となって、脳裏をよぎる。





茫然とその光景を眺める妹紅。
それは、見守る他の者達も同じ…だが、現在の「イーヴルラヴィ」のまとめ役である知恵者・鈴瑚のみはその結果を至極当然と認識してたとみえ…その確証を持って問う。

「姫様…確かヤンフィアの特殊防御指数の高さなら、例えヤザンのメガネから特化したラスカ撃ったとしても……確殺、できませんよね?
「ウソっ!?」

素っ頓狂な鈴仙・清蘭の声が綺麗に重なる。
妹紅も、信じられないといった表情で両者の顔をきょろきょろと見廻すのみ。

鈴瑚は…同じように茫然としたままの三月精をも含めたこの場のギャラリーへ説明するかの如く…なお言葉を続ける。

「そりゃまあ、私もこの件に混ぜてもらう以上はそれなりに情報も集めてましたしね。
一応ダメ計とかもできるんでまあその辺りは…高くても確か6割ちょっと持ってく程度だと思うんですけど
んまあ、向こうさんが理想的な防御回りの個体なら、ですが」
「いや待てそこの黄色兎!
だったら急所でも引きゃ一発なんだろうが!」
「いやまあそりゃそうなんスけどさ…それだって言っても多分余程当たりどころ悪いとかそんなレベルだともうんスけどねえ。
っていうかそもそも、役割論理において、何パーが必然の下限値だって話ここでします?
必然力の適応範囲は七割が下限、急所率は全くの補正ない状態なら
「そ、それ慧音先生から聞いた!
確か一割二分程度だって
「だったら前回急所の挙句に大文字の火傷追加を積んだそこの竹林ニート様はどうだって」

ルナチャイルドの言葉に、そうっすね、と鈴瑚が答えるより前に、行き場のない憤懣に妹紅が言葉を荒げるより早く。


「当然よ!!」


輝夜の大喝が飛ぶ。
再度静まり返るその場の中心、その拳の震えは…何に対する怒りの感情なのだろうか。


「そんな「ありえない奇跡」は、二度三度起こりはしない…!
いいえ!
それでもなお、彼女のメリーへ対する想いが「奇跡」を呼ぶなら…!!





「あなたの想いは伝わってきたわ…!
でもね! 私も負けるわけにはいかないのよ!!
大切な仲間の…姉さんや妹の…ううん!!



♪BGM 「幽霊楽団 ~Phantom Ensemble」(東方花映塚)♪


力の発露と共に、広がった六対の翼から舞い散る羽が無数の光の魔法陣へと変わる。
その魔法陣から伸びた光が、まるで木々の枝葉の如く広がり…巨大な「生命の樹」を形作っていく…!


「この場に立つ私と!
輝夜が育て上げたこの「論理の結晶(じまんのヤーティ)」に!
敗北などありえないという、その想いを貫くために!!」







「なっ…こいつは、まさか!!」

かごめは驚愕の表情で身を乗り出した。

「お、おい何だッてんだ!?
メルランの最大解放がどんなんだってぐらいあんたも知ってんだろ!?」
「ち…違います!
メルランさんの「魔法」、これ、そんなことが…!」
「魔法だと!?
あれがどんな代物なんだっていう」
光の奥義魔法だ
「あん!?」

割って入るポエットにも喰いつこうとしていたてゐが、かごめの言葉に振り返る。

「あたしも初めて見る…それ自身が「光の精霊王」を兼ねる天主MZDの切り札の一つ。
あの馬鹿、神代の世界で人間達をわからせる為に「天主砲」とかいうふざけた兵器を作りやがったらしいが…そんなものや、それ自体が超兵器とも言える「浮遊城ダークウィッシュ」なんてのも、あいつにしたら遊びの範疇でしかない。
だが、だからこそあいつはそれを自分の「虎の子」として今まで、誰にもその使用許可を出したことなんてねえんだよ!なんで今更ッ!!」
「そらそうだ、メルラン(アイツ)に持たせた方が面白いと思ったからに決まってるじゃんよ。
あ、ついでに俺様の権限で今後はあいつに光の精霊王任せることにしたから、そういうことでシクヨロ

何時の間にかそこに当たり前のように座り込んだサングラスの少年…天主MZDへかごめ・ポエットの何処までも嫌そうな顔と、唖然としたを通りこしてよく解らない表情になってるてゐの視線が一斉に集まる。





-天庭の奏手の名において命ず、従え不穢の暁光!
我が歌よ、闇を切り裂き万天に響け!その威光の輝き以て世界を満たせ!-


破れかぶれの悲鳴にも似た絶叫と共に放たれる、冷たい金属の輝きの光線も、詠唱と共に膨れ上がる光が飲み込んでいく。
そして。


「『天壌無窮の頌歌(セレスタル・グラン・コーラス)』ッ!
いっけえええええええええええええええ!!」



視界の総てが、光で満ちる。









MZD「いやー、初っ端からいい仕事したよなーあいつ。
  なにしろこの俺様の「奥義魔法(とっておき)」をくれてやったんだから、この程度デオチされても正直困るんだけどよ」
かごめ「おうこらなに勝手に混ざってんだ諸悪の根源、終いにゃしばくぞ(#^ω^)」
文「というかあんたユルール達にちょっかい出すのが仕事じゃないの? なんで此間といいしれっと当たり前に混ざってきてるのよおかしいでしょ」
MZD「こまけぇこたいいんだよ!(AAry
  第一、俺は別にあいつらの保護者とかアドバイザーとかじゃなくて試練を与えるのが主な役目だからな」
諏訪子「ホワイトランドでは「全力で嫌がらせする」のを試練というのか?(しろめ」
MZD「そういうここは来客に対して茶の一杯も出さんで嫌味を浴びせるのが流儀か?」
文「………なんなのこのふてぶてしさ」
かごめ「(急須の中の出涸らしをしっちゃかめっちゃかにかきまわしている)こいつのやることは何百年も前からこの調子だよ逆らうだけ無駄だ」
早苗「そ、そこまで邪険にしなくても…。
  スキンハイボと言えば、今はもうほとんどニンフィアの代名詞みたいなところもあるわけですが」
MZD「有名なところだとメガサナもだな。
  最近は両刀メガマンダでスキンハイボをぶっ放してくるようなのもいるとは聞くな、グリッシーニの野郎は違うだろうが」
てゐ「あ、もうナチュラルかつ強引に混じってくんのね(´ω`)
  実際はこれもプレミとは言わないけど、立ち回りとしてはだいぶ間違ってる気がしなくもない」
かごめ「(入れた出涸らしを自分で飲んでる)別にヤンフィアならメガネラスカ位は余裕で耐えるだろが」
文「急所率は」
かごめ「YTにおいて急所率なんてもんは存在しない、いいね?(威圧」
文「うーわ予想通りの答えが^^;」
諏訪子「実際私が残ったところで、メガクチの叩き落とすでだいぶ持ってかれてたからなあ。
   相手としては流星群は論外、悪波や気合珠はメルランに試行回数を与えるだけ、文字に至っては何をかいわんやで結局ラスカしか撃てなかったというところでな。
   耐えると解ってても心臓に悪い勝負なのは確かだな」
かごめ「というかあんたが相手のラスカをどれだけ耐えるかという、そっちの方がどうだったのかというな。
   どーせてーさんいつもの如くやってんだろ」
てゐ「あーそこやっぱり私に振るんだ。
  まーおっしゃる通りだが…ここは表にまとめるか、他の技とかメルランに対するラスカまで含めて」


ヤザンドラ@メガネ(当然ひかえめC252以外ありえないwwww)→ヤードラン(こちらはH252のみですぞwwww)

流星群…超低乱2(42.4%~50.5%、最高乱数2発じゃないと落とせませんぞwwwありえないwwww)
悪の波動…確定2(53%~62.6%)
気合玉…一撃以外ありえないwww(105%~124.2%)
ラスターカノン…超低乱10(8.5%~10.1%)
大文字…ヤードランの特性を思い出す以外ありえないwwwww
なみのり…確定2(79.7%~93.9%)
大地の力…オーバーキルにも限度がありますぞwwwww(159.5%~187.8%)


ヤザンドラ@メガネ(当然ひかえめC252以外ありえないwwww)→ヤンフィア(H244D4のHP奇数調整ロジカルヤンフィアですなwwww)

流星群…んんwwwwフェアリーに竜技撃つとか頭おかしいんじゃないですかな?wwwww
ラスターカノン…確定2(57.7%~68.6%)
悪の波動&気合玉…超低乱4(21.3%~25.3%)
大文字…確定3(39.8%~47.2%)
なみのり&大地の力…超高乱3(32.8%~38.8%)


ヤードラン(C妥協して26しかないので250振りですなwww)→ヤザンドラ(恐らくDL対策の余りDと思われるのでH252D4で計算しますぞwww)

ヤーバーヒート…超高乱3(32.6%~38.6%)
ヤーバーヒート(連発2発目)…16.5%~19.5%
ラスターカノン…確定3(40.7%~48.2%)
ラスターカノン(ヤバヒ後)…確定5(21.1%~24.6%)



MZD「ほー、これを見るとラスカ急所でもらってもかなりの低乱数なんだな」
早苗「∑( ̄□ ̄;)っていうか諏訪子様メガネサザンのラスカ乱10って!!
かごめ「まあほぼ確定でメルランは1発耐えるが、交代でCリセットしてラスカ撃ちあいしても問題なかったんじゃねえの?」
てゐ「因みに初撃のメガクチ叩き落とすが5割強から6割弱。最大乱数受けてなおかつラスカも全て最高乱数受けても3発は受けられる。
  あ、仮にケロ様、今回あんたが切ってた竜波搭載してればヤザンに確2だね
文「…あなたマジでめざパ固執しなくてよかったんじゃ?
諏訪子「いうな…もういうな…(口から砂」
かごめ「あの殴り合い、実はかなり不毛だったのは確かだな。
   っても、仮に急所貰ってもラスカはほとんど最高乱数を切るレベルでほぼ95%程度耐えきれる。
   12%中の更に5%以下、つまり0.6%以下だ。
   そんな頭の悪い奇跡がそうそう起こられてたまるもんかい

MZD「ヤドランを一撃で吹っ飛ばせる低乱数の件は見て見なかったことにするんですねわかります
かごめ「やかましいだいぶ以前にそういう事故を貴様らンとこの遊牧民が引き起こしやがったのあたしゃ忘れてえんだからな(キリッ」
早苗「え、えーと…あの時はもうトレーナーテトラだったような
てゐ「早苗、余計なこと言わない方が身のためだよ。
  んまあそんなこんなだけど、実はヤドランを別に一撃で吹っ飛ばせなくてもそんな大差はないと思うよ。
  しつこいようだけどリリカはヤドランの吹雪、普通に耐える。

  蛇足かもしれないけど、火力アップ系のアイテムがない限りはメガシンカ抜きでね。
  メガネで8割持ってくかもってかないかってところ、メガネ持ってたのはサザンだし、クチートがメガシンカしたからメガヤドランの線も極めて薄い。
  珠だろうが、それだと火力が圧倒的に足りないよ。
  かみなり2発で十分終わるし、仮にかみなり一発外したとしても誰がどの攻撃撃っても倒せる」
文「かみなり2発外したら
てゐ「お通夜で
諏訪子「此間も思ったけどその辺の割り切り方本当にドライだなお前」


かごめ「とまあ今回こんなもんかな?
   とりあえず大分尺余ってんだけど、なんか雑談でもするかZの発売ナシよ!の残念会とか」
諏訪子「やめとけやめとけ不毛だし。
   どうせこの後、直近のバトルの話すんだろこの調子なら」
文「何気にそういえば、あまりにも人数多すぎるってんで完全にパーティ6人固定化したそうね。
 一部を除けば山とか地底とか紅魔館とか、そういう関係でPT組ませる感じに」
かごめ「あー、もういちいちその都度パーティ組むっていうのが面倒になってな。
   新しいポケモン作るならもうPTバランスそのものを見直す必要があるようにでもしとけば、いちいち妙な新顔作ってそれが半分お蔵入りになるって状況の緩和にもなるだろうし」
てゐ「その代わりPT単位でお蔵入りになる可能性もある、と」
かごめ「一応そんなことないように、新しい個体入れたPTをメインとかそういう風に対戦していければと思うんよ。
   これからの尺潰しヨタ話も、その一部の光景という事で」
早苗「一応私や穣子さんは山の括りというよりは…」
諏訪子「お前確か⑨と組むんだろ。
   現状それ、コーディをあの馬鹿の完全サポートにするか、相性補完ができるか考えとかんときっついことになるぞ。
   ミスティアの奴、意外でもなんでもなくそういうの面倒くさがってやりたがらないから」
てゐ「コーディもわりとアテにならんしな、早苗がいなかったらあのメンバーどうなってる事か。
  それに早苗とみすちーと芋神でも優秀な補完関係にあるとはいえ、あの芋神基本鈍足だしなあ」
早苗「あ、はあ、まあその辺はどうにかおいおいしていこうかと(しろめ」
諏訪子「私は完全に山だが、正直静葉と他の相性補完考えてるだけで頭痛が収まらんよ。
   神奈子のパワーと私の変幻自在でカバーできるところも限界あるし、誰かメガシンカできる枠があれば一番いいんだが。
   せめて静葉の気変わりするぐらいのビリジオンツモってくれりゃ話別だったんだが」
かごめ「別にビリジに拘らんでも」
文「そういう私達のとこだって、つぐみ達のところとだいぶ紛糾してる感じじゃない。
 あと魅魔さんが魔理沙達の面倒を見る方向で落ち着いたとはいえ、ひなビタの連中ひとまとめにしたらナチュラルに一人余るし」
かごめ「あそこ別に七人班でいいだろ」
MZD「いっそ裏神ども(ポッパーズ)連れてきてあいつらの面倒見させりゃいいんじゃね?」
てゐ「いやあんたこっちにそういう有益な提案してどうすんだよ…てか何処の所属だマジであんた」
MZD「別にヒマだし俺が混ざってもいいぞ(キリッ
かごめ「うるせえゼルネアスはポケモンの村にでも帰ってろ!!
   まあな、あのネコウサギ共もヒマだヒマだってうるさくてかなわんからな。
   ただどっちも物理型以外になりそうにないのがなー」
早苗「ニャミさん武闘派なのって、今は亡き某サイトの影響なんですよね確か」
てゐ「だろうねえ。
  一応ミミの方がオールラウンダーなのはこれまた現在続編が絶賛更新停止中の「Timer's Quest」から頂いたネタであって」
MZD「こっちでナチュラルに裏神裏神言ってるからその辺は解る奴には解る感じだよなあ。
  話脱線させっけど、一応あのストーリーに登場するオレ達とシグマ、あと当然だがポッパーズもあの話と同一人物という裏設定があるんだよなあここ
文「それ大丈夫なんです色々?」
かごめ「何処かで話をしようと思ってたけどなんか機会なさそうだしちょっと触れておくか。
   ぶっちゃけ、このログ世界で散らばってる「かごめの魂の破片」っての、神話世界が終わりを告げた時点で粉砕された「聖母かごめの真紅の核晶」だそうだよ狐野郎のプロットでは。
   だからあたしも正確に言えばあの「かごめ」と同一人物というか生まれ変わりとかじゃなくて、その核晶の中心部分に蓮子がくっついたのがベースになってそこにいろんなエッセンスを加えて生み出されたそうな。
   もう自分でも何言ってんのかちょっとわかりませんね(遠い目」
諏訪子「それこんなところでさらっとぶちまけていい話なのかよ?(しろめ」
MZD「単純に「異界神戦」の話で触れ忘れてただけだと思うんでいいんじゃねえか?
  だからまあ、このかごめと菫子ぐらいが例外で、あとはみんなユルールやつぐみみたいな振り回され役だったりニアみたいな不思議ちゃん系だったりとかそんな大人しいのしかいねえだろ?
  オレとしてもこんな超絶扱いづらい奴は作る気はなかったんですよ(キリッ
早苗「め、メチャクチャ言ってますね…聞いてはいけない系の単語が混ざってた気もしますけど^^;」
てゐ「とりあえず収拾つくうちに話終わらせた方が無難なとこだよねここ。
  そいじゃ、あとは軽く茶番挟んで終いだ!
 次は直近のログへレディー・ゴー!!><(CV:秋元羊介









~夢幻回廊~


この、天地上下も解らぬ、無数の「夢魂」が漂う混沌の世界で、彼女は変わらずそこにいた。
否、今日はその、古くからよく知る客を招き…漂う「夢魂」の映す光景を興味深そうにみている…。

赤のナイトキャップをかぶり、白黒織り交ぜた衣装のスカートから獣の尾が伸びるその女性の名はドレミー。
現在、第十一位の貴種として認定されている獏族の祖である。



「てことだドレミーさんよ。
あたしとしてもこんな面白そうなの黙って見てる趣味はねえし、っつてもどうも人数が足りなくてな。
あのクソムカつくヘンなTシャツヤローに頭下げに行くのも癪だし、旧来の親友であるあんたが来てくれればいうことねえんだけどさ」

その傍らに立つ銀髪の少女が、その何処か人を食ったような笑みのまま肩を竦める。
ドレミーは、同じような表情のまま呆れたように溜息を吐く。

「…私の知る稀神サグメという神格は、こんな血生臭い、高純度の穢れが充満している場所になんか近寄りすらしない筈だったんだけどねえ。
一体、地上に居た千数百年、何をしでかしたらこうなってしまうのか」

ドレミーが手を翻すと、その「夢魂」は元のピンク色の塊となり、ふよふよと漂いながら二人の元から離れていく。
もう一度、つまらなそうに見える表情で溜息を吐きながら、ドレミーは言葉を続ける。

「私としても表舞台に立つことは吝かじゃないわ。
綿月の妹の方は気に食わないけど、まあ、退屈はしなさそうね。
幸い、「夢魂」のお陰でポケモンというモノも少しは解ったし、協力してもいいわよ?」
「さっすがはドレミー先生、話がわかるじゃないの。
一応獏っぽいポケモンにも心当たりあるし、どうもお蔵入りになってるくさいから使用許可もすぐ降りるでしょ」

満足そうに「うんうん」と腕組みしながらサグメが頷く。


稀神サグメ。
長らく地上では、天邪鬼「鬼人正邪」として知られた、幻想郷でも特級の大罪人…その真の姿。
それが彼女の名だ。

彼女は紆余曲折あって、これまで記憶を失い「ただの天邪鬼」として、記憶に新しいところでは「輝針城大反乱」の真の首謀者となった経緯もある。
ここ最近続いた様々な異変や事件の原因をも引き起こした、「八雲紫の強大な魔力を奪う」という大罪を犯した彼女が、こうして自由勝手に動き回れる理由にも裏がないわけではない。



ドレミーとてその事を知らないわけではなく、それどころか「夢魂」の光景がその真相まで全てを明かしてくれる。
ある意味でも何でもなく、地霊殿のさとり同様、彼女の前では隠し事など無意味なのだ。

ドレミーはその事を思い返し、三度、溜息を吐く。


「あれだけの存亡の危機にいくつも巻き込まれてながら、本当にユルいところね、幻想郷という場所は。
けど…私たちの「遊び場」の舞台としては…そのぐらいが丁度いいのかもしれないわ
「だろう?
ま、あたしも戦果をあげられなきゃ八つ裂きにされるとかそういうこと言われてるわけじゃないし。
どうだい? 一緒にあの連中に全力でいたずらでも仕掛けに行くってのは」
「…そういう発想、嫌いじゃないわよ」

その前後左右もない空間で、ソファ代わりにしていた巨大な「夢魂」の塊から、物憂げな仕草でドレミーは立ち上がる。

「あの場に散らばる「夢」は、実に美味しそうね。
久しく満たされることのなかったこの腹を、皮下脂肪がつくぐらいまで満たしてくれようかしら」

わざとなのだろうか、邪笑にも思える笑みを浮かべて高笑いする彼女に、サグメは「うんうん」と、同じように笑いながら頷く。


かつて月の世界において、誰よりも実直とされた舌禍の女神。
その時代から変わることなく、夢の世界の主であり続けた獏の真祖。

「行くか、ドレミー」
「ええ、存分にいたずらしまくってやるわ」


その強大なオーラを纏うふたつの影が、夢の世界から幻想郷へと歩き出す…。